9月卒業でも志望企業に挑戦できる! 就活スケジュールや注意点も解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師

    Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

    Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている

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  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

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新卒一括採用が根付いている日本では、多くの学生が3月に大学を卒業して4月から働き始めます。徐々に通年採用や秋採用を実施する企業が増加してきていますが、現在でも3月卒業が一般的です。

ただ、さまざまな理由で9月に大学を卒業する人がいるのも事実。「9月卒業の就活の進め方がわからない」「9月卒業の就活を成功させるためのポイントを教えてほしい」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉田さん、杉原さん、瀧本さんのアドバイザーを交えつつ、9月卒業の就活に関する必須対策やポイントを解説します。9月卒業で就活を上手く進められるか不安という人は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

目次

9月卒業でも対策次第で志望企業の内定を勝ち取れる!

一般的な卒業の時期と外れる9月卒業の場合、「就活で不利になるか心配」と考えている人もいるでしょう。結論から言うと、9月卒業でも志望企業の内定を勝ち取ることは可能です。ただし、9月卒業の就活を進める際のポイントを理解して適切な対策をする必要があります。

この記事では、まずおさらいとして9月卒業になる理由と、今後の就活スケジュールを解説します。スケジュールを把握しておくことで、就活をいつ始めるべきか、今やるべきことは何かが明確になります。

その後で卒業が遅れる理由ごとに対策方法を説明しているので、自身に合ったものを実践して、志望企業への合格を目指しましょう。

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まずは整理しよう! 9月卒業になるおもな3つの理由

9月卒業になるおもな理由

  • 留学や休学で卒業が半期ずれたため
  • 大学院を秋に卒業したため
  • 留年で卒業が半期ずれたため

9月卒業になるのには大きく分けて3種類の理由があります。それぞれの理由によって必要な対策が異なるため、まずは「なぜ卒業が遅れるのか」について改めて振り返っておきましょう。

さらに9月卒業の基本的な扱いについても解説するので、就活を進めるための基本情報をここで把握してくださいね。

①留学で卒業が半期ずれたため

海外の大学は秋卒業・秋入学が一般的であるため、留学すると単位の関係で9月卒業になる可能性があります。半年以内程度の留学であれば卒業時期に影響がないことが多いですが、1年以上になると海外の大学に合わせたスケジュールになりやすいのです

また、大学3年生以降に長期の留学に行く場合、帰国した時点でエントリーを締め切っている企業が多く、卒業を半期ずらして就活に取り組む人もいます。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

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②大学院を秋に卒業したため

一般的に大学院は2年間で卒業できますが、専門分野や所属ゼミによっては半年もしくは1年間卒業が遅れることもあり、真剣に勉強をしていても秋卒業になる可能性があります。

卒業が遅れる理由は、専門分野によって必要な単位数が大きく異なったり、論文を仕上げるために必要なデータを集めていると研究が長引いたりするためです

なお、大学院に長く通って卒業が遅れた場合は、基本的に新卒扱いになるので安心してくださいね。

吉田 隼人

プロフィール

大学院のカリキュラムでは、学期制ではなく入学時期によって異なるスケジュールで運営されているケースも多々あります。もちろん企業側もそういった事情は理解していることが多いので、就活においてマイナスに働くことはほとんどないので安心してください。

③留年で卒業が半期ずれたため

4年間で必要な単位数を取得できなければ、当然卒業時期は遅くなります。ただ、要件を満たした時点で大学を卒業できるため、5年目の3月ではなく9月で単位を取りきれば半期の留年でも卒業可能です

また、1回目の就活でうまくいかなかった場合に、意図的に半期だけ留年する学生もいます。既卒扱いになると就活で不利に働いたり、そもそもエントリーできなかったりする可能性があるためです。

ただし、2度目のチャレンジをしたからといって、就活がうまくいくとは限りません。留年する際のメリットとデメリットを理解したうえで、判断してくださいね。

既卒就活を成功させる方法はこちらの記事で解説しているので、卒業後に就活を開始する予定の人はぜひ確認してみてください。

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留年すると就職ができないと耳にして不安を感じている人もいると思います。以下の記事では留年が就職活動に与える影響や成功させるコツをまとめているので参考にしてみてください。

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在学中に就活をしていればどんな理由でも「新卒扱い」にはなる

「9月卒業の場合は選考に不利に働く気がして不安」と考えている人もいるかもしれませんが、在学中に就活をしていればどんな理由でも「新卒扱い」になります

新卒であれば既卒よりも受けられる企業が増えたり、就活で有利になったりしやすいため、ネガティブに捉えすぎる必要はありません。適切な対策をして志望企業の選考突破を目指しましょう。

新卒と既卒で扱いにどのくらいの差があるのでしょうか?

瀧本博史

プロフィール

既卒者は経験やスキルに応じて応募できる企業が限られる可能性がある

新卒採用では、応募者は大学の専攻に関係なく、ほとんどの企業に応募することができます。一方、中途採用の多くは3年以上の職務経験がある候補者を対象としており、第二新卒採用の場合も社会人経験があることが条件になる場合もあります。

このように新卒採用以外は技能や経験を重視する傾向があるので、応募可能な企業数は新卒採用に比べて限定される場合があります。この差は、就活市場において大きな影響を与える可能性があるので覚えておきましょう。

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

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キャリアコンサルタント目線で解説! 9月卒業は就活で不利になる?

ここまで読んで、ネガティブに考えすぎなくても良いとわかっていても、「9月卒業だと書類選考を突破できないのではないだろうか」「留年した大学生を採用してくれる企業はあるのか」と考えてしまう学生も多いのではないでしょうか。

就活のプロとして何人もの学生を支援してきたキャリアコンサルタントに、9月卒業が就活に与える影響について聞いてみましょう。

アドバイザーコメント

理由によっては9月卒業が不利になる場合もあることは事実

結論から言うと、9月卒業が不利になるのではなく、9月卒業になった理由によって不利になるかが判断されると思ってください。そもそも大学は4年間で卒業できる場であって、4年で卒業しないといけない場ではありません。

実際にこれまで指導してきた学生の中には、9月卒業でも第一志望から内定を獲得する学生、1年や2年、あるいはそれ以上卒業が遅れている学生でも第一志望から内定は獲得できています。私自身も3年間休学したのちに就活をして複数企業から内定を得ているので、そこは大きな問題はないといえます。

ただ、問題は卒業がほかの人よりも遅くなった要因です。留学、研究、あるいは家族都合といったやむを得ない場合を除き、留年、卒業論文の不備といった単位不足の場合は、マイナスイメージは避けられません。

しっかりと反省し次につなげることでマイナスを最小限に留められる

このように聞くと、嘘をつきたくなる人もいるかもしれませんが、嘘はバレることが多く、内定取り消しなどのリスクもあるので絶対にごまかすことはやめましょう。

単位不足により卒業時期がずれる場合は、しっかりと原因を認識、反省し、今後再発を防止するためにどのように考えているかを伝えることによって、マイナスイメージを最小限に留めることができます。

自分がどのパターンで卒業が送れているのかを把握し、対応していくようにしましょう。

出遅れないために確認! 9月卒業の基本的な就活スケジュール

9月卒業の場合、3月卒業の就活生とは違うスケジュールで選考が進むことになります。そのため、事前にスケジュールを把握していないと、対策が間に合わない可能性もあるでしょう。

そうならないためにも、ここからは9月卒業の基本的な就活スケジュールを紹介します。どのような流れで就活が進むのか把握していない人は、ぜひ参考にしてください。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

10月入社の場合

10月入社の場合のスケジュール

10月入社を導入している企業があるため、内定を獲得できれば9月に卒業してそのまま10月から働き始められる場合もあります。

秋採用は採用予定人数に達しなかった場合や社内の人員不足を補いたい場合におこなわれることが多く、4月入社のスケジュールと比較すると遅くに開始します

基本的には、夏ごろからエントリーが解禁され、短い期間で集中的に選考が実施されるケースが多いでしょう。また、留学や部活動によって卒業が遅れる優秀な学生を確保したいという目的で、あえて4月入社以外に10月入社の採用枠を用意している企業もあります。

ただし、企業によって10月入社の選考スケジュールは大きく異なるケースがあるため、志望企業の採用ホームページを定期的に確認しましょう。

杉原 美佐子

プロフィール

10月入社を導入している企業は、外資系やグローバルに事業展開している企業に多く見られます。

10月入社でも優秀な人材を確保するという目的は同じですが、従来の新卒一括採用、年功序列といった日本の古い労務体質を嫌う企業は増えてきています。

翌年4月入社の場合

翌年4月入社の場合のスケジュール

9月に大学を卒業し翌年4月に入社する場合は、一般的なスケジュールで就活を進められます。つまり、1学年下の世代と同じタイミングで就活を進めるわけです。

たとえば、大学4年目の夏や冬にインターンに参加した場合、内容が評価されると早期選考にエントリーできるケースもあります

一般的な内々定通知時期は面接解禁となる6月1日以降ですが、早期選考の場合は5月31日以前に内々定が出ることもあります。外資系企業やベンチャー企業には、早期選考の内々定通知時期が大学3年生の企業もあり、非常に早いケースもあるのです。

また通常の選考の場合、4年目の3月にはエントリーが解禁され、5年目の春には書類選考を突破した企業の面接を受けることになるでしょう。そして選考を突破して内々定を獲得できれば、翌年の4月から新卒社員として働き始められます。

内々定獲得後から入社までの期間は基本的に自由に使えるため、自己研鑽や入社準備を進める時間が確保できます。また、9月卒業の学生をインターン生として雇う企業もあります。内定後にインターン生になる場合は選考時点で伝えられるケースが多いですが、不安な人は担当者に確認しておきましょう。

一般的な就活スケジュールについては、こちらの記事で解説しています。

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通年採用の場合

通年採用は選考時期や入社時期が明確に決まっていないため、9月卒業の学生でも柔軟に応募可能です。1年間に何度もエントリー期間があり、企業が設けている条件を満たせばいつでも選考に挑めます

入社時期は企業によって大きく異なるうえに、企業によっては内定通知後の配属先決定までは、入社時期がわからないケースもあります。なお、10月入社や翌年4月入社よりも、通年採用の方が入社時期の融通が利きやすい傾向にあるので、特定の時期の入社を狙いたい場合は企業に問い合わせてみましょう。

通年採用についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ確認してみてください。

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就活に失敗して大学院に進んでいいのか悩んでいる人はこちらのQ&Aを参考にしてみてください。

9月卒業の学生必見! 納得のいく就活をするための3原則

9月卒業の学生が納得のいく就活をするための3原則

  • 早めに準備を開始する
  • 10月入社にこだわらずにさまざまな企業を見る
  • 自力で探す以外の手段も駆使して企業を見つける

スケジュールやエントリーできる企業数に違いがあるため、3月卒業の場合は一般的な就活生とは異なった対策が必要です。もし原則を知らないまま何となくで就活を始めると、対策が不十分でなかなか内定を獲得できない恐れがあります。

ここからは、9月卒業の学生が知っておくべき就活の鉄則を解説します。スタートダッシュで失敗したくない人は、ぜひ確認してみてください。

①早めに準備を開始する

9月卒業では10月入社と翌年4月入社の両方の選考を受ける可能性があるため、できるだけ早めに準備を始めましょう。1学年下の就活生と同じタイミングでスタートすると、10月入社の選考に間に合いません

4年制の大学生の一般的な就活では、3年生の夏頃から動き始めるのが一般的です。そのため、9月卒業の場合は10月入社の選考に間に合うように、入社時期の約1年半前にあたる4年生になったタイミングで準備に取りかかれると理想的でしょう。。

もし4月に就活を始められていない場合でも、相性の良い仕事を見つけられるよう、焦らずに自己分析や業界研究から取り組みましょう。

瀧本博史

プロフィール

9月卒業予定の学生も、通常の3年生の春、つまり卒業予定年の1年半前から就職活動を始めることが推奨されます。これにより、企業選びやエントリーシート(ES)の準備、面接対策など、充分な時間を確保することができます。

②10月入社にこだわらずにさまざまな企業を見る

「卒業が遅くなっているのでなるべく早く働きたい」と焦ってしまう気持ちもわかりますが、10月入社の企業に絞ると選択肢が狭まってしまいます。10月入社にこだわったことによって志望度の低い企業に入社した場合、ミスマッチが生じて長く続けられない可能性もあります

そのため、早期退職の原因になるミスマッチをなくせるように、10月入社だけではなく翌年4月入社や通年採用の企業も満遍なくチェックするようにしましょう。

また、これからの長い人生を考慮すると、10月入社と翌年4月入社の半年間にそれほど大きな差はありません。むしろ自由に使える半年間でさまざまな経験をすることで、今後の人生がより豊かになる可能性もあります。後悔なく就活を終えるためにも、選択肢を幅広く持っておきましょう。

③自力で探す以外の手段も駆使して企業を見つける

10月入社や通年採用を実施している企業は限られるため、企業が学生に声をかけるスカウト型の逆求人サイトも活用してみましょう

マイナビリクナビを見て自力で探した場合に出会えなかった企業の話を聞ける可能性があり、エントリーの幅が広がります。代表的な逆求人サイトは以下のとおりです。

逆求人サイトでは、企業が学生のプロフィールを見てスカウトします。企業から興味を持ってもらいやすいように、自己PRやガクチカなどの情報を充実させておきましょう。

逆求人サイトについてはこちらの記事内で言及しているので、ぜひ確認してみてください。

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吉田 隼人

プロフィール

逆求人サイトを活用するメリットとしては、効率的に就活を進められる点が挙げられます。逆求人サイトでは、学生のESやプロフィールをもとに、自動的にマッチングされる求人情報が提供されます。そのため、タイムパフォーマンス良く効率的に求人情報を収集することができます。

留学で9月卒業なら経験をアピール! 整理するべき3つのポイント

留学の場合に整理すべきポイント

  • 留学をした目的
  • 留学で得た学び
  • 留学経験が企業でどのように活かせるのか

留学で卒業が遅れた就活生は、留学経験を自己PRやガクチカの内容に使うケースが多いですが、そこで多い失敗が「留学した事実だけを伝える」というものです。

留学を経験した学生は短期も含めれば多くいるため、それだけではアピールにつながりません。今から紹介するポイントを整理して、留学経験を魅力的に伝えられるようにしましょう。

①留学をした目的

目的意識を持って行動したかどうかを重要視している企業が多いため、まずは「なぜ留学しようと思ったのか」を明らかにしましょう。留学目的に正解はありませんが、具体的に以下のようなものが考えられます。

留学をした目的

  1. 英語や中国語などの語学力を磨きたい
  2. 異なる文化に触れて豊かな思考力を得たい
  3. 日本人のいない環境に身を置いてチャレンジ精神を磨きたい

何となくで参加した留学は、自己PRやガクチカでアピールにつながりにくいです。目的意識を大事にしていることが伝わるように、留学した目的を言語化しておきましょう

「なぜ留学しようと思ったのか」「留学しようと思ったきっかけ」など、当時の心境を思い返してみましょう。自分の経験や感情を書き出す自分史を活用すると、思考がクリアになるので、過去を振り返りやすくなりますよ。

自分史を最大限に活かす方法についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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自分史のテンプレ3選! 例文付きで当てはめるだけで自己理解が深まる
興味だけで深い目的もないまま留学に行ってしまいました。その場合どうしたら良いでしょうか?

杉原 美佐子

プロフィール

「楽しかった」で終わらせずに留学で何を得たのかを考えよう

私としては、目的なく留学に行っても特に問題はないと思っています。異文化、異なる価値観に接すること自体に非常に意義があり、多様性の受容につながるからです。

大事なのは、その留学で何を得たかです。考え方が変わった、行動が変わったなどの変化があれば、何かしらの成長があったと考えます。その成長が留学の意義になります。

良くないのは、「楽しかった」で終わることです。自分と違う文化風習に接することは、新鮮で好奇心を満たします。肝心なのはそこで、「留学」という名前のとおりで満たされた好奇心がどんな学びに向かうかどうかが重要なのです。

留学後、英語をマスターしようとスクールに通った、留学先の文化の研究を始めたなどの変化があれば、こうした行動をアピールすれば目的がなくても大丈夫ですよ。

②留学で得た学び

目的を整理できたら、次は留学で得た学びを明確にします。留学中のエピソードを思い出して、どのようなことを学んだのか整理しておきましょう。

留学で得た学びをアピールする例

英語でのコミュニケーションの機会を増やすために、日本人の少ない大学に留学しました。最初はうまく聞き取れなくてコミュニケーションが取りにくいこともありましたが、会話を録音して寝る前に聞くことによってヒアリング力が向上して会話が楽しくなりました。この経験から、コツコツ努力することの大切さやチャレンジ精神の重要性を学びました

上記の例のように「留学中の課題やトラブルに対して行動した結果」「行動を通じて学んだこと」という流れで作成するとわかりやすいです

留学経験を効果的にアピールする方法は、こちらの記事で解説しているので確認してください。

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③留学経験が企業でどのように活かせるのか

企業は入社後に活躍できる人材を求めているため、留学経験やそこで得た学びを入社後に活かす方法を整理しましょう。たとえば留学を通してチャレンジ精神が磨かれた場合、「営業で断られても折れずに何度もトライする」とアピール可能です

ただ、企業でどのように活かせるのかを具体的に伝えられないとアピールにならない可能性もあります。仕事内容を深く理解し、自分の経験をどのように活かしたいと考えているのかを言語化して伝えましょう。

OB・OG訪問についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ確認してみてください。

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アドバイザーコメント

留学経験の活かし方を実務に落とし込むことが差別化のカギ

留学経験は、就職活動において大きな強みとなります。異文化間でのコミュニケーション能力や適応力は、多くの企業がグローバル化する現代において重宝されるためです。

たとえばアメリカの大学で学んだ際、さまざまな国籍の学生とプロジェクトを進める中で、文化的背景の違いを乗り越え、共通の目標達成に向けて協力したという経験は、異文化理解力の高さを示す素晴らしいエピソードとなります。また、このような経験から培った問題解決能力は、未知の課題に直面した際にも柔軟に対応する力として評価されます。

さらに、留学中に習得した言語スキルは、単なるコミュニケーションツール以上の価値を持ちます。たとえば英語でのプレゼンテーション能力やチームの中で役割を果たしたことは、その言語を実務でどのように活かせるかの具体的な例として挙げることができるでしょう。

これらのスキルは、特に外資系企業や国際的な業務をおこなう日系企業において求められる資質ですよ。

留学での経験やスキルを応用できる場面を考えてみよう

最後に、留学を通じて学んだ専門知識や技術をどのように現在の業界に応用できるかを示すことも重要です。たとえば、海外でのマーケティングの授業やインターンシップを通じて得た知識を、日本国内の市場に新たな視点をもたらす提案として活用できるかもしれません。

これにより、国際的な視野を持ち、常に革新的なアイデアを提供できる人材であることをアピールすることができます。これらの点を自己PRや面接で巧みに表現することで、ほかの就活生と一線を画し、企業に強い印象を与えることが可能です。

大学院生で9月卒業なら専門性で勝負! 必須対策2選

大学院生が9月卒業になるのは勉強や研究が理由のケースが多く、卒業が遅くなることは珍しいことではありません。一方で、採用メリットを感じてもらうためには、人よりも長い時間学んできたことをアピールできるように専門性で勝負しましょう。

ここからは9月卒業の大学院生が専門性で勝負できるように、必須の対策を2つ紹介します。

①研究分野についてわかりやすく説明できるようにする

大学院生ならではの強みをアピールするためにも、研究分野について詳しく説明できるように準備しましょう。担当者の専門分野に対する理解が浅い可能性があるため、なるべく難しい言葉を使わずにわかりやすく伝えることを意識してください

また、研究結果や研究で大変だったことなど深掘りした質問をされるケースも多くあります。短い時間で詳しく伝えられるように、研究に関する情報を簡潔にまとめておきましょう。

整理しておきたい研究に関する情報

  1. 研究課題
  2. 研究に取り組んだ動機
  3. 結果から得た学び

履歴書に研究課題を書く正しい方法はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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履歴書の研究課題の正しい書き方|魅力的に見える例文も紹介

就活生向けに履歴書の「研究課題」の書き方を解説する記事です。キャリアコンサルタントによる採用担当者が見ているポイントや、スペースの大きさに合わせた記入方法などを例文を交えながら紹介します。履歴書の研究課題は物事への取り組み方をアピールできる項目なので、ぜひ参考にしてみてください。

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②企業でどのように専門性を活かすのかを明確にする

大学院生には専門性があるため、その知識や経験を活かして活躍することを期待している企業も多くあります。そのため、入社後の貢献方法を明確にしておくことが重要です

たとえば工学部の電気電子学科で学んでいた場合は、「試行錯誤を重ねてロボットを作成した経験を活かしてAI(人工知能)の発展に寄与したい」などが考えられます。担当者が入社後に活躍する姿をイメージしやすいように、専門分野を絡めて自身の魅力をアピールしましょう。

アドバイザーコメント

大学院で学んだ専門知識を活かすことだけにとらわれずに視野を広げよう

大学院を卒業して就職する場合、学んだ専門知識を活かさなければと考えてしまう人もいますが、その専門性が認められる場所は一般社会であると認識しましょう。

たとえばIT業界のプログラマーは、自分が作ったプログラムがアプリとして流通し、世の人々が使うから製品として認められます。薬学も工学も同じです。最終的には多くの人から受け入れられ、人にとって役に立つ製品やサービスになっているかどうかが重要です。

したがって、専門の世界に閉じこもっていても専門性は活かされません。自分の知識を一般社会にどのように還元していくのかが重要になります。

仕事をするうえで何が求められるのか多角的に考えよう

仕事をするときは、顧客がいて、自社サービスを売る営業がいて、開発職がいて……というように多くの人とかかわります。この場合、専門性よりもコミュニケーションやチームワークが大事です。

また会社なので利益が最優先です。その専門性は、会社にどのくらいの利益を生み出すのでしょうか。

専門性にこだわる前に、ビジネスモデルについて一度考えてみましょう。特定の分野でのスペシャリストとして活躍するだけでなく、役職が上がれば広い知識と経験が求められるジェネラリストとしての能力が必要になります。専門性をビジネスの観点から見つめ直すと、より良い選択肢が浮かぶこともあるかもしれませんよ。

工学部に所属している人は以下の記事を参考にしてみてください。学科別に活躍しやすい職種など詳しく解説しています。

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工学部の就職先は工業系から文系職種までと幅広いです。この記事では、工学部のおもな就職先をキャリアコンサルタントとともに解説します。就職先の選び方や工学部ならではの就活の注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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留年で半期ずれる場合はごまかし厳禁! 意識してほしい3つのポイント

留年で9月に卒業する際に意識すべきポイント

  • 卒業が遅れた理由で嘘をつかない
  • 留年したという事実を隠そうとしない
  • 留年の経験からの学びをアピールする

留年して大学卒業が遅れてしまう場合、「就活で不利になってしまうのではないか」とネガティブに考えてしまう人もいるでしょう。

しかし、留年した事実を受け止めて努力している姿を見せられれば、高評価につながる可能性もあるため、ここで紹介する3つのポイントを意識してみてください。たとえ留年していたとしても、誠実さを見せることで志望企業から内定をもらえる確率を高められますよ。

①卒業が遅れた理由で嘘をつかない

成績不良や出席日数不足など、後ろめたい留年理由の人もいるでしょう。就活に不利に働く気がして嘘をつきたくなるかもしれませんが、必ず正直に伝えてください

これまでに何人もの学生を見てきた担当者は、学生の嘘に高確率で気が付きます。就活で正直に話せない人は入社後も同様に嘘をつくと判断されるため、バレた時点で選考突破は難しくなってしまいます。

また、内定後や入社後に嘘が発覚すると、最悪の場合は内定取り消しや解雇される恐れがあります。気持ち良く就活を終えられるよう、卒業が遅れた理由は正直に伝えましょう。

出席日数不足で留年し、9月卒業になりました。マイナスイメージは避けられないと思うのですが、それでも嘘をつかないほうが良いでしょうか?

吉田 隼人

プロフィール

嘘をつくことは絶対にしてはいけない

就活では、面接やESの内容をもとに採用の可否を判断します。そのため嘘が発覚すると、採用基準を満たしていないと評価され、内定取り消しになる可能性があります。

また、選考中に嘘をつくような人材は入社後も嘘をつくリスクがあったり、モラルに反した行動を起こすと判断されます。結果として企業に大きな損害を与えうると捉えられ、内定取り消しとなるケースもあります。

近年、9月卒業の学生も増えてきており、企業側もある程度の情報はストックしています。そのため嘘がばれる可能性は高いので、正直に伝えるようにしましょう。

②留年したという事実を隠そうとしない

そもそも留年をした事実を隠して選考に参加しようとする学生がいますが、エントリーシートや履歴書の入学年度を見た時点で、担当者は卒業が遅れている事実に気が付きます。

都合の悪いことを隠そうとする姿勢は非常に悪いイメージにつながるため、留年した事実を受け止めて正直に話しましょう。留年をしてしまった事実は変えられません。大事なのは留年した事実をどのように受け止め、今後に活かしていけるのかです。

卒業理由で嘘をつくのと同様に、嘘が発覚すると内定取り消しや解雇の可能性があるため、留年した事実を隠そうとするのはやめましょう。

③留年の経験からの学びをアピールする

たとえ卒業が遅れたとしても、留年から得た学びを適切に言語化できればアピールにつながります。留年した事実を受け止めて反省した姿を見せられるように、留年から学んだことを整理しましょう

たとえば成績不良で留年した人が、毎週の授業の振り返りを継続して単位を取得できるようになった場合、努力を継続することの大切さを学んだと言えるでしょう。

留年した事実はあったとしても、壁を乗り越えた頑張った姿勢を見せられれば十分に評価を覆せます。終わったことはどうすることもできないので、必要以上に悲観的にならず、目の前のできることに全力で取り組みましょう。

留年した場合の就活方法についてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてみてください。

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「留年すると就職ができなくなるのではないか」と気になる人もいるでしょう。留年をしても就職は可能ですが、留年中の過ごし方が大切になります。この記事では留年をしてでも志望企業から内定を得るための方法を解説します。

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アドバイザーコメント

留年からどのように行動変容できたのかを伝えることが重要

仕事は実力主義です。能力があって結果が出せるなら、年上か年下かといった年齢は関係ありません。したがって、長い人生のうち1年や2年の留年は個人的にさほど問題とは思えません。

しかし、このように問題にならないのは「実力があって結果が出せる」場合のみです。

そのため、まずは留年した理由をきちんと説明しましょう。そこでどれだけ反省し、自分を振りかえって行動変容できたのか、その成果を示します。大切なのはその成果で、失敗からきちんと立ち直れたかです。

どのように行動を変えて、その結果学校の成績はどうなったのか、周囲からの信頼はどのくらい変化したのかなどを伝えるようにしましょう。「とりあえず単位は取れました」では印象は悪いままになってしまいますよ。

失敗を学びに変えて次につなげたエピソードを示そう

仕事でも失敗はあります。しかし、そのままにせず失敗を学びに変えて次につながるように行動します。そこにはポジティブ思考、論理的思考、問題解決能力が必要になってきます。

留年からの学びを話す場合でもそうしたスキルを示せると、企業側も「本来は能力があっても若さゆえの失敗だったのかもしれない」と理解して、将来に期待してくれるかもしれません。

9月卒業の就活でも妥協せずに第一志望の選考突破を目指そう

留学や大学院での研究、留年などが9月卒業になる理由として挙げられます。卒業が遅れたことに対して悲観的になる人もいますが、どのような理由であれ、それぞれに合わせた対策をおこなうことで志望企業の選考を突破することも可能です。

ここまで解説した内容を把握しておくと、9月卒業になった理由に合わせた方法で自身の魅力を伝えられます。9月卒業の就活に対して不安を抱いている人は、できることから実践して内定獲得を目指してくださいね。

アドバイザーコメント

9月卒業の就活でも基本的な対策を丁寧にすれば内定を獲得できる

就活にあたっては、9月卒業であったとしても、まずは自己分析をおこなってどんな価値観を持ち、何に興味があるのかを明確にすることが重要です。たとえば、過去に参加した部活動やアルバイト、ボランティア活動を通じて自分がどのような環境で活躍できるか、どのような課題に情熱を感じるかを考えてみましょう。

そして次に、その興味が向く業界や企業について深く研究を進めます。具体的には、希望する業界の動向を追い、その業界で重要視されているスキルや資質を理解し、自己分析の結果と照らし合わせてみることが有効です。

自ら情報を取りに行く姿勢が充実した就職活動につながる

また、インターンやOB・OG訪問を積極的におこない、実際の職場の雰囲気や日々の業務内容を体験することもおすすめします。

インターンでは実際に業務に携わりながら、その職種で必要とされる具体的なスキルや職場で求められる人間関係の構築方法を学ぶことができます。OB・OG訪問では、社員から直接業務のリアルな情報を得ることができるため、自分が目指す職種や企業が本当に自分に合っているかの確認が可能です。

また、近年の就職活動はオンラインでおこなわれることが多くなっていますが、積極的に取り組むことで、地理的な制約なく多くの企業の情報を得ることが可能です。

自分から情報を取りに行く姿勢が、成功へのカギを握ります。社会人としての新たなスタートを切るこの機会に、自己成長へとつながる充実した就職活動をぜひおこなってください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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