この記事のまとめ
- T型人材が求められる理由は専門知識を求める企業が多いから
- T型人材やそのほかの〇〇型人材について理解を深めよう
- 必要なスキルを身に付けてT型人材として企業に重宝される人材になろう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
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就職活動をしていると、企業が求める人物像としてT型人材やI型人材を挙げられているケースがあります。聞き慣れない言葉のため、意味が理解できず困惑する人もいるのではないでしょうか。
「〇〇型人材」というのは、学生の専門性を表す言葉の一つです。専門性の高い人材は一つの分野に精通しており、企業からも重宝される存在といえます。しかし、T型人材になりたいと思っても、どのようにすれば目指せるのかわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、キャリアコンサルタントの杉原さん、高尾さん、若林さんと一緒に、T型人材やほかの〇〇型人材について解説します。企業がどのような理由からT型人材を求めているのか理解して、就活を有利に進めましょう。
T型人材について詳しく知れば企業が求める理由がわかる!
T型人材は、学生の専門性を示す言葉の一つであり、ほかにも6つの〇〇型人材が存在します。型によって専門分野の多さや他者とのかかわりが異なるため、それぞれの型を理解しておくと企業がどのような人材を求めているのかが明確になります。
しかし、〇〇型人材の数が多すぎて違いがわからず覚えるのが大変という人もいるかと思います。この記事では、はじめに〇〇型人材はどのような人を指すのか詳しく解説します。必要な知識を最初に付けて、後の解説をスムーズに理解できるように準備しましょう。
そして後半では、T型人材になるためのステップや必要なスキルを解説します。自分に足りないスキルを身に付けてより魅力的な人材にステップアップしましょう。記事を最後まで読めば、T型人材は今後どのような需要があるのかがわかるので、T型人材を求めている企業を志望している場合はぜひ参考にしてください。
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まずは基礎知識から! T型人材とはどんな特徴がある?
そもそも就職活動を始める前だと、T型人材と言われても何のことだかわからない人もいるのではないでしょうか。専門的な言葉のように感じ、難しい印象を覚える人もいるかもしれません。
社会の変化により求められる人材は異なり、今求められている分類の一つがT型人材だと言われています。そのためT型人材を理解して必要なスキルを身に付ければ、企業からも魅力的な存在となれるのです。
ここでは、まずT型人材の詳細やほかの〇〇型人材との違いを解説していきます。
T型人材とは
T型人材とは、1つの専門分野に対して幅広い知識や経験を持ちつつ、ほかのジャンルに対しても知識を有している人を指します。Tの縦線が専門分野への知見の深さを示し、横線がほかジャンルへの幅広い知識を表しているためそう呼ばれています。ビジネスシーンで重宝される、ジェネラリトとスペシャリストの要素、どちらも持ち合わせています。
ジェネラリスト
さなざまなジャンルに対して知識やスキルを持った人材
スペシャリスト
特定の分野に深い知識やスキルを持った人材
T型人材が必要とされるのは、高い専門性だけでなくさまざまな分野に知見が広いからです。複数の知識があればそれぞれを組み合わせて事業を展開できるので、今までになかった新しいサービスや製品の開発が期待されています。
企業がより成長できるきっかけとなるため、T型人材は強く求められているのです。
最近では、T型人材がどの分野でも多く求められています。広告、商社、コンサルなどで特に意識されていると感じますが、全体的に広く求められていると考えておいたほうが良いでしょう。
ただし、技術職では引き続きI型人材が求められる傾向にあります。
その他6つの「〇〇型人材」との違い
T型人材とほかの〇〇型人材の違い
T型人材について調べていると、I型人材やπ型人材などほかの人材タイプが目に入ることもあるでしょう。それぞれがT型人材と同じように専門分野への知見を表す分類となり、企業によっても必要としている人材は異なります。
また、これらはビジネスパーソンとしての分類を表す言葉であり、どの人材タイプが優れているというわけではありません。どの人材も企業には重要な存在であるため、どれかの人材の型に当てはまらなければいけないというわけではないのです。
ここからは、T型人材以外の6つの人材タイプについて紹介します。自身がどの〇〇型人材に当てはまるのか理解できれば、就活時に自身をアピールする方法が明確になり、希望の企業からの内定を獲得する手助けとなります。
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I型人材:1つの分野のスペシャリスト人材
T型人材からジェネラリストの要素を抜き、専門性の高さに特化した存在がI型人材です。専門分野のスペシャリストとして活躍でき、以前から企業でも重視されていた存在と言えます。
たとえば、IT業界でプログラミングに特化した人や、職人といわれる大工や陶芸作家などもI型人材に含まれます。
I型人材とT型人材の違いは、ほかの専門分野に対しての知見の広さです。T型人材は専門性の高さだけでなくほかの分野への知識も豊富なため、さまざまな着眼点を持って仕事を進められます。
すでにI型人材としての能力を持っている人であれば、さらに他分野への知識を深めることでT型人材へと変化できるでしょう。
π型人材:2つの専門分野を持つ人材
π型人材とは、T型人材が1つの専門性を持っているのに対して、2つの専門性を持っている人材を指します。T型人材と違う点は、知見があるだけでなく高い専門性を兼ね備えていることです。
一人で多くの専門分野に精通していると、他者と協力せずとも独創的なアイディアを生み出しやすいというメリットがあります。企業に勤める以上他者との協力は必要ですが、一人でもアイディアを出せる人がほかの人とかかわればより多くの発想を生み出せるでしょう。
もちろん複数の専門分野を持つのは簡単ではないため、T型人材に比べるとなるのは難しく、また企業からもより重宝される存在です。
π型人材を目指すには、まずは自身の専門分野での知識とスキルを深めることが重要です。次に、第2の専門分野を選び、学習と実践を重ねます。この際、自分の興味や将来的なキャリアプランを考慮することがカギになります。
たとえば、技術とビジネスの両面からアプローチできる人材を目指したいITエンジニアがマーケティングを学び、インターンやプロジェクトで実務経験を積むといったものです。
さらに、両分野の知識を融合させ、新しい価値を創造することも大切になります。こちらも例を挙げるならば、ITとマーケティングの知識を組み合わせてデータ分析をおこない、マーケティング戦略を立案するといった具合です。
忘れてほしくないのは、継続的な学習とネットワーキングの重要性です。専門分野の最新情報をキャッチアップし、業界のイベントやセミナーに参加するなどして人脈を広げることで、いっそう成長の機会を得られます。
H型人材:ほかの分野とつながりを持つT型人材
他者とのつながりを強く持つT型人材をH型人材と言います。自分の専門分野とほかの人の専門分野を掛け合わせて、アイディアを生み出せる存在です。
H型人材はほかのT型人材と協力することで、π型人材と同じ行動がとれます。T型人材がπ型人材へ変わるのは簡単ではないため、T型人材同士で協力していくことでより早く結果を出せるようになります。
企業にはさまざまな専門分野を持つ人がいて、お互い協力して事業を展開しています。多くのT型人材がお互いに協力し合えば、より多くの利益を会社に生み出せるでしょう。
△型人材:3つの専門分野を持つ人材
T型人材、π型人材よりも多くの専門分野を持つ人を、△型人材と言います。3つの専門分野を有しているため、高い発想力を期待される存在です。
専門分野が3つもあれば、ほかの分野の知見がなくても市場価値が高く、企業からは重宝されます。他者と協力せずともさまざまなアイディアを生み出せるため、企業が多くの人材を雇用する必要が少なくなるのです。
しかし、1つの分野でスペシャリストになるだけでも簡単ではありません。そのなかで3つの分野で専門性を高めるには、非常に努力が必要になります。企業にとっては魅力的に感じる人材でも、実際に目指すとなると多くの時間と労力がかかるということは覚悟しておきましょう。
一型人材:さまざまな分野に知見がある人材
一型人材は、スペシャリストではないもののさまざまな分野に知見があるジェネラリスト人材です。一つの分野の専門性を高めれば、T型人材にもなりえるでしょう。
一型人材は幅広い知識を有しているため、スペシャリストであるI型人材が気付かなかった問題点を発見し、他者と協力することで解決に導ける存在です。ほかの知識を取り入れることが得意なため、新しい知見を身に付けるのも早いという特徴もあります。
I型人材と協力して業務をおこなえば、トラブルが起きても解決のサポートができ頼りになる存在になります。I型人材が仕事に集中できるため、より業務効率が高まるのです。
- 一型人材やI型人材の素養だけだと、選考突破は難しくなりますか?
新卒採用は現在の素養よりポテンシャルのほうが重要
人材型の素養だけで採用を決めるわけではないので、気にしすぎは禁物です。
今後、国内の雇用制度はジョブ型が主流となるでしょう。あらかじめ決められた仕事をする約束で入社する制度なので、当然スペシャリストとしての役割が期待されます。
しかしそのスペシャリストも、成長すると視野が広がり、ジェネラリストとして活躍していきます。
なかには生涯I型人材として一つの分野で仕事を追求する人もいますが、それはその人の仕事に対する考え方や特徴の表れであって、優劣を示しているわけではありません。
企業は伸びしろと将来性を見て採用の判断をおこないます。型にこだわり、自分をどれかに当てはめる考え方はむしろ危険です。
あくまでも現時点での傾向としてとらえたうえで、将来に目指す方向性を考えるときの参考としてください。
J型人材:高い専門性から他分野との交流も可能な人材
T型人材としての専門性の高さから、ほかのI型人材と交流するに至った人をJ型人材と言います。J型人材として他者から専門性を学べれば、自身がπ型人材や△型人材を目指すときの近道になります。
H型人材との違いは、他者と協力して業務を進めるか、自身の専門性を高めるために他者とかかわるかです。本来専門性を高めるのには長い時間をかけて経験を積む必要がありますが、J型人材として他者とかかわればI型人材が持つ専門分野の知識を効率的に吸収できるのです。
しかし、他者の専門性を学べるほど近くにいくためには、自身の専門性の高さも必要になります。このことから、一型人材がいきなりJ型人材になるのは難しく、まずはT型人材としてのスキルを身に付ける必要が出てくるでしょう。
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背景も理解しよう! T型人材が求められている3つの理由
T型人材が求められている3つの理由
- 新しい技術に対応できるような専門知識を持つ人が足りないため
- 技術革新を起こせる人材が必要なため
- 幅広い業務を協働で作業できる人材を欲しているため
T型人材が企業に求められている理由を理解しておくと、自身が成長するメリットがわかり、より知識をつける努力ができる人も多いのではないでしょうか。また、企業がT型人材を求める理由を理解すれば、自分がどのような知識を学ぶべきかも明確になります。
ここからは、企業からT型人材が求められる理由をさらに詳しく解説していきます。なぜ求められるのか理解できれば、目指す理由が明確になりますよ。
①新しい技術に対応できるような専門知識を持つ人が足りないため
近年はAI(人工知能)やドローンなど、以前はなかった技術が多くなっています。新しい技術を利用して企業の業務を効率的にしたり、新しいサービスを展開したりするには、最新技術を扱える専門性の高い人材が必要なのです。
もちろん、すでに働いている社員に専門知識を身に付けさせる方法もありますが、時間と費用のどちらもかかります。一方で、すでにスキルを持った人を採用すれば、既存の社員を一から新しい技術を使えるように育てるよりは、育成にかかるコストが少なくなるのです。
このようにすでに高い専門性を持つ人材を採用できれば、すぐに新しいサービスや製品開発に携わらせることができます。実際にサービスを提供するまでにかかる時間も短くでき、企業の成長も早まるでしょう。
企業がどのような専門分野を持つ人材を求めているか知りたい人には、企業研究が必須です。具体的なやり方は、下記の記事で解説しています。
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②技術革新を起こせる人材が必要なため
T型人材は、今まで多かったI型人材や一型人材どちらの要素も持ち合わせた存在です。高い専門性だけでなく幅広い知識を有しているため、オリジナリティのある発想を出せると考えられています。
I型人材や一型人材は、専門性の高さや知見の広さを持ち合わせていますが、I型人材は専門分野の知識に縛られやすく「新しい発想が出ないのでは? 」と思われやすいと言えます。一方で、一型人材は知見の広さはあるものの、専門性が乏しいためI型人材のアドバイスなしでは確実な判断ができない場合もあります。
上記からもわかるように、自身の専門分野と知見を活かして新しい提案ができるT型人材は、企業にとって今までにない発想力を持った魅力的な存在なのです。
③幅広い業務を協働で作業できる人材を欲しているため
企業の成長には、新しいサービスや製品の開発が必要不可欠です。幅広い知見を持ったT型人材が、担当している業務以外の社員や顧客とやりとりをすれば、他業種の知識を組み合わせたアイディアが見つかるかもしれません。
人材タイプのなかには、T型人材をはじめとしてH型人材やJ型人材などの種類がありますが、どちらも他者とかかわりを持てる性質があります。T型人材がほかの専門知識を持った人材とかかわることで、π型人材や△型人材になる可能性もあるのです。
このように、高い専門性を持った人材を複数採用できれば、会社の利益が何倍にも膨れ上がる可能性があるでしょう。
T型人材は、幅広い知識を持っているため、自社サービスや商品開発の即戦力として期待される存在です。
また、たくさんの知識があると社内や顧客とのやり取りもスムーズに進めやすくなるため、コミュニケーション面でも活躍が見込めます。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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キャリアの専門家が解説! T型人材の今後の需要はどうなる?
ここまでで、T型人材やほかの人材タイプへの知識や、なぜ企業が必要としているのかという理由を理解できたと思います。しかし、実際企業でどの程度需要があるのかわからない人もいるでしょう。
そこでこの章では、T型人材の今後の需要について、キャリアコンサルタントである高尾さんに詳しく解説してもらいます。企業からの需要を理解できたら、目指す理由が明確になり専門分野を作るきっかけになる可能性もあるので、ぜひ参考にしましょう。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る個人に求められる対応力の高度化でT型人材の需要は高まり続ける
企業は人材に対し、高度な専門知識に加えて、複数分野に及ぶ広範な知識をも有することを求めています。各人材が効率的に新しい技術やアイディアを取り入れることで、企業全体での競争力を維持・向上させようという考えです。
つまり、現代のビジネス環境の複雑化と急速な技術革新によって、T型人材の需要が高まっているのです。
現在も、AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなど、新しい技術が進歩を続けています。デジタルトランスフォーメーションの進展やグローバル化の影響を受けて、T型人材の需要はいっそう高まるでしょう。
複数の専門性の架け橋となる人材が今後の企業成長を支える
今後、新しい技術に対応できる専門知識を持つだけでなく、多様な分野の知識や、幅広い業務を協働で進めるコミュニケーション能力を持ち、技術革新を起こすためのカギとなるT型人材は、企業の持続的成長とイノベーション推進に不可欠な存在となります。
T型人材を目指す学生や若手社員は、専門分野の知識を深めるだけでなく、他分野にも関心を持ち、幅広い知識を身に付ける努力を怠らないことが重要です。
目指す方法を明確にしよう! T型人材になるための3つのステップ
T型人材になるための3つのステップ
- 一つの分野の専門性を高める
- 多くの分野を経験しておく
- さまざまな人とかかわり柔軟な思考を身に付ける
企業にとってT型人材がどれほど重要な存在か理解できても、いざ目指そうとすると何からしたら良いかわからない人もいるのではないでしょうか。T型人材は今ある専門分野以外にも幅広い知識を求められるため、どの分野への知見を持てば良いか悩む人も多いでしょう。
ここからは、T型人材を目指すための方法を具体的に解説します。できることから一つずつおこなって、より成長した人材を目指しましょう。
①1つの分野の専門性を高める
T型人材になるには、まず1つの分野を極めてI型人材になりましょう。専門分野を持たなければ、T型人材としての強みを活かせないからです。
1つの分野を伸ばすには、基礎知識を身に付けた後に専門性の高い研究をおこなうのが効果的です。企業でT型人材を育てるときは研修制度や教育システムに力を入れていて、社員をその分野のスペシャリストに育てるのです。
自分で知識を身に付けるときは、専門書やその分野に長けた人に意見を聞くのも良いでしょう。いろいろなことに手を出すのではなく、1つの物事を突き詰めるようにしてください。今よりも知識を深めていくことが、T型人材になる近道となります。
専門分野を簡単に極めるのは難しいでしょう。しかし「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、興味関心が強いと自然とそれを追求したくなるはずです。
「もっと知りたい」「これは何だ」と常に思える強い探求心が専門性の獲得には必要です。
②多くの分野を経験しておく
自身の専門分野といえる知識やスキルが身に付いたら、次にジェネラリストを目指して新しい分野への知見を身に付けましょう。専門分野に近いジャンルから離れた業務まで、さまざまな知識を身に付けることを意識してください。
企業に入社した後であれば、ジョブローテーションや複数部署により合同開発プロジェクトを発足し、知識を身に付けましょう。プロジェクトの管理を任せてもらえるように、リーダー経験を積める機会は存分に活用してみてください。
身に付けた知識で興味がある分野を見つけたら、さらに勉強をして理解を深めていきましょう。専門分野といえる内容が増えれば、T型人材だけでなくπ型人材や△型人材になるチャンスにもなりますよ。
- 学ぶジャンルを選ぶときは、自身の専門分野に関係ある知識が良いでしょうか?
最初は自身の専門分野に紐づけて学びを広げるのがおすすめ
私の場合は、もともとはライターだったので、カメラやデザインについて最初に学び、その後はライターとはまったく関係のないキャリアコンサルタント、イベント運営などの知識を身に付けました。
何から新しい技術や知識を得られるかはわからないため、余裕があるなら興味のある分野をすべて学んでしまうのも一つの方法です。
しかし、何から手を付けたらいいのかわからない人は、まず自身の専門知識に関係のある分野から学んだほうが、その後のキャリアも広がりやすいと思いますよ。
自身の専門性に関係のある分野の知見を広げることも大事ですし、それ以外の分野について学ぶことも大切だと私は考えます。
③さまざまな人とかかわり柔軟な思考を身に付ける
T型人材を目指すときは、自身だけでアイディアを完結させず、友人や教授などさまざまな人とかかわりましょう。自分だけでは思い浮かばないような発想に触れられ、刺激を得られます。
たとえば、それぞれの分野のスペシャリストが集まるセミナーも効果的です。自分以外の知見を得ることができ、学びにつながります。また、セミナーで交流を持った人がいれば、相手の専門分野を知る努力をしましょう。
多くの知識が身に付けば企業に入社した後に活躍できるだけでなく、凝り固まった思考をほぐして柔軟に考えられるようになる可能性もあります。そして、さまざまな分野への知見があるT型人材へと成長できるのです。
目指すなら確認必須! T型人材に必要な4つのスキル
目指すなら確認必須! T型人材に必要な4つのスキル
- アナロジー的思考力
- 常に情報収集を続ける継続力
- 持っている知識を応用する力
- 主体性を持って新しいことにチャレンジする行動力
専門分野を持ち幅広いジャンルへの知見を増やしても、必要なスキルを身に付けなければT型人材としての力を発揮できず企業で活躍できません。しかし、どのようなスキルを身に付ければ良いのかわからない人もいるでしょう。
ここからは、T型人材に必要なスキルを解説します。自分に足りない要素はないか照らし合わせ、できるものから身に付けるために行動してみましょう。
①アナロジー的思考力
アナロジー的思考
複数の物事にある共通点を見つけ、課題解決へ役立てる方法
T型人材は持っている知識と専門分野を組み合わせ、新しい答えを求められます。自身が知らない知識でも、周りの人の専門性の高いジャンルであれば話を聞くことができるので、教えてもらった内容と自分の専門ジャンルを組み合わせれば、新しい技術を作り出せるのです。
専門分野に特化しているI型人材と、さまざまなジャンルへの知識がある一型人材のどちらかだけでは、問題を解決するときに時間がかかります。自身の専門分野にとらわれたり、専門性の高いスタッフからのサポートが必要になるからです。
アナロジー的思考を持つT型人材だからこそ、複数の知識を照らし合わせて解決方法を見つけられるのです。
アナロジー的思考力を身に付けるためには、ロジカルシンキングのワーク、特に帰納法や演繹法に挑戦してみてください。
そして、なぞなぞクイズをやって頭の柔軟性を養うのも良いですね。さまざまなジャンルの脳トレを試してみてください。
②常に情報収集を続ける継続力
近年ではインターネット技術の進化が目覚ましく、それに対応できる人材としてT型人材を求める企業も多いです。すでに1つの専門分野を持っていても、常にアンテナを広げて情報収集をできなければ、時代の進化についていけない恐れがあります。
また、誤った情報を見つけたときに惑わされない判断力も必要になります。企業がかかえる問題を解決するために必要な情報を集め分析できるからこそ、T型人材は頼りになる存在なのです。
どちらも持ち合わせていない人だと、T型人材として専門知識があっても、持っている情報が古くなっても気付かず、期待される役割に見合わない結果になってしまうかもしれません。
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③持っている知識を応用する力
持っている知識をそのまま利用するのではなく、応用する力もT型人材には求められます。たとえば、メールでやりとりしていた写真をクラウドを利用して共有できるようになったのも、複数のジャンルを組み合わせて考えた結果の新しい技術です。このように、複数の知識を組み合わせることで、今までにない技術が生まれる可能性があります。
また、専門性を極めることは好きな分野を常に研究し続けられる魅力があります。そのなかにほかのジャンルの知識や技術を組み込むことで、自身の専門性の可能性をより高められる場合もあるのです。
幅広い知識を持ち合わせるT型人材だからこそ、持っている知識をほかの方法で活かす策を見つけられます。
- 応用力を身に付けるにはどのような方法がありますか?
経験知を積みつつ自分にない視点を積極的に取り入れよう
T型人材としての応用力を身に付けるには、まずは焦らず基礎知識をしっかり固めることが重要です。
そのうえで、プロジェクトやインターンシップを通じて学んだ知識を実際の業務で活用しましょう。実際の問題に取り組むことで、より実践的なスキルを養えます。
また、異なる分野の知識を取り入れると、新しい視点や解決策を生み出す力が高まります。継続的な学習を心掛けて、常に最新の情報を収集することで、クリティカルシンキングを身に付けましょう。
さらに、他者の意見やフィードバックを柔軟に取り入れられると、知識を応用する力も向上します。
④主体性を持って新しいことにチャレンジする行動力
企業の課題解決や自身の成長へ向けて、具体的に目標を設定して行動できるのもT型人材に求められるスキルです。T型人材は持ち前のアナロジー的思考を活かして問題を解決することを求められるため、自身で考える力が欠かせません。アイディアによっては、今まで誰も挑戦したことがない新しいチャレンジになる場合もあるでしょう。
しかし、今まで挑戦した人がいないからと諦めては、企業がT型人材を採用する意味が薄れてしまいます。企業はT型人材の採用を通して技術革新を求めている場合もあるので、恐れずチャレンジできるチャレンジ精神を意識して、たとえ結果がすぐに出なくてもさまざまな視点から解決策を探す必要があるのです。
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T型人材が求められる背景を理解したうえで今できることを整理してみよう!
T型人材は、専門分野に特化しているだけでなく、幅広いジャンルへの知見があるのが魅力です。人材タイプにはπ型人材やI型人材などさまざまあり、専門性の高さや特性によって分類されます。
自身がT型人材を目指すと決めたら、まずはどの分野のスペシャリストになるか決めましょう。そして、次に知識を広げるジャンルを選ぶのです。一つずつこなしていけば、企業が魅力を感じるT型人材に近付くことができ、選考突破も狙えますよ。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見るT型人材は組織の中核を担う可能性を持つ人材
数年前から、大学で授業をする際には、T型人材についての話をよくするようになりました。
聞いたことがないという学生もいますが、「企業はどんどん技術革新を進めているから、1つの分野をとことん極める人材も大切だけど、幅広い知識を持つ人にも注目している。いろいろな分野の知識がある人は、プロジェクトの核となって活躍できる人材だと認識されている」と伝えると、その大切さが理解できるようです。
自分自身もT型人材に近いと感じることがよくあります。I型人材のように、専門性を極めてそれを仕事にする専門職や研究職は狭き門です。可能性の面から考えると、T型人材の方が目指しやすいうえに、キャリアの幅も広がると思います。
学びを広げるとキャリアだけでなく仕事の幅も広がる
これから、専門分野のほかにも新しい知識を身に付けたいと思う人は、まずは専門分野に近い分野の勉強を始めてみてください。そこからいろいろな可能性が広がり、まったく関係のない分野に興味が出てきたり、関係のない分野だと思っていたりしたことが、後々仕事に役立つことも大いにありえます。
大人になってからの学びは、自分が求めたものだからこそ、身に付くのも早いうえに学びがいもあります。みなさんもこれを機会に、ぜひ知見を広げてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
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