この記事のまとめ
- これからの時代に役立つ資格23選を職種別に紹介!
- 時代に応じて役立つ資格は変わるので慎重に選ぼう
- 時間を無駄にしないために資格を選ぶ手順を理解しよう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
就職に役立つ資格は業界や職種・時代によってさまざま。「資格を取って有利に就活したい」「長期的に役立つ資格を取りたい」などと考えて、資格を取ることを検討している人もいるのではないでしょうか。
しかし、これからの時代に役立つ資格を具体的にイメージすることは難しいはず。取得する資格を選ぶ前に、まずは今後伸びる業界や将来に役立つ資格を理解することが大切です。
この記事では、キャリアアドバイザーの瀧本さん、加藤さん、杉原さん、社労士の涌井さんのアドバイスを交えつつこれからの時代に役立つ資格について解説します。どんな資格を取るか検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
将来性を見極めて時代の変化に対応できる資格を取ろう!
キャリアに活かせる資格は、時代によって異なります。長期的に役立つ資格を選ぶためには、今後成長しやすい分野に関連しているかが重要です。
この記事では、これからの時代に役立つ資格の特徴や種類などを解説します。最初は資格の選択肢やジャンル別でどんな資格があるかを理解しましょう。
また幅広い業界・職種で役立つ資格も解説します。転職する場合でも活かせる資格なので、どの資格を取るか迷ったときにぴったりです。
記事の後半では、資格の勉強をするうえで大事なポイントを解説します。資格を確実に取得するためにできることを知ってから、勉強を始めましょう。
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10年後やAI時代に生き残る! これからの時代に役立つ資格の特徴
10年後やAI時代に生き残る! これからの時代に役立つ資格の特徴
これからの時代に役立つ資格とは、将来的にニーズがある・見込めるということです。ただ資格を取っても、これからの時代で需要がなければ、就職活動やキャリアアップに活かせないかもしれません。資格を検討する前にこの視点を忘れないようにしましょう。
まずはどんな資格がこれからの時代に役立つのか、特徴を押さえることが重要です。今から解説するこれからの時代に役立つ資格の特徴を理解して、自身が資格を取る際の参考にしてみてくださいね。
将来性のある業界に関連する資格
将来性が高いのは、IT業界と医療・介護業界、地球環境に関する業界だと思います。
世界的に見てもIT技術は目まぐるしい進化していることに加え、少子高齢化や異常気象などの問題は今後も重要な課題として対応が求められるからです。
キャリアで長期的に活かせる資格は、将来性のある業界に関連するものが多くあります。まずは将来性のある業界を理解しておきましょう。以下の業界は、社会的なニーズの高さや技術革新・経済的な動向によって、一般的に将来性があるといわれています。
将来性があるといわれている業界
- IT業界
- 観光業界
- 運送業界
- 医療業界
これらは2024年時点でも需要が高く、今後さらに需要が高まるといわれています。たとえば、帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、これらの業界では人手不足が深刻化しています。
業種 | 2022年1月 | 2024年1月 |
---|---|---|
情報サービス(IT業界) | 65.7% | 77% |
旅館・ホテル | 41.9% | 68.6% |
医療・福祉・保健衛生 | 51.2% | 66.2% |
運輸・倉庫 | 55.4% | 65.3% |
上記のようにさまざまな業界で人手不足が進んでいます。人手が不足していることは、有効求人倍率が高いと言い換えられるためこれらの業界は需要が高まっているといえます。特にインバウンド需要による「旅館・ホテル」の人手不足が進んでいるのがポイントです。
今後も外国人観光客は増えることが予想されているため、観光業界で活かせる資格を取得するのも選択肢の一つといえます。このように、将来性のある業界に関連する資格を取れば、キャリアで長期的に役立ちます。
将来性のある仕事に就きたい人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。将来性のある仕事に就くためのスキルや資格について解説しています。
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AI時代に活かせる資格
年々発展が進むAI(人工知能)ですが、このAI時代に活かせる資格を取れば、これからの時代で活躍しやすくなります。
まずAI時代に活かせる資格には、関連するスキルや知識を深めるだけでなく、ほかの技術や業務分野との連携を強化するために役立つという共通点があります。
たとえばAI技術はプログラミングと密接にかかわっているため、PythonやJavaのようなプログラミング言語のスキルを証明する資格は、AI時代に役立つ資格の一つです。
またAIは医療や製造業などのさまざまな業界で活用されているので、各業界に特化したAIの応用知識を証明できる資格も最適です。例として、医療業界向けのデータ解析資格が挙げられます。このような視点を参考に、自身のキャリアに役立つAI時代で活かせる資格の取得を検討しましょう。
AI時代に役立つ資格としては、情報処理安全確保支援士、データサイエンティスト、AWS認定およびシスコ技術者認定、個人情報保護士認定試験などが有力です。
これらの資格は、急速に進化するテクノロジーのなかで需要が高まっていて、将来的なキャリアにおいて大いに役立つでしょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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国家資格
国家資格は、さまざまな業界で一定のニーズがあります。国家資格には、業務を独占できたり、国家資格を持っていないと名乗れなかったりする職業が多いため、需要が高くなっています。
国家資格の特徴とそれぞれの例は、以下のとおりです。
特徴 | 国家資格の例 | |
---|---|---|
業務独占資格 | 資格を取得している人だけがおこなえる業務がある | 社労士、公認会計士、税理士、電気工事士、宅地建物取引士、通関士、行政書士 |
名称独占資格 | 資格を取得している人だけが名乗れる特定の肩書き(名称)がある | 保育士、介護福祉士、社会福祉士、日本語教師、キャリアコンサルタント、中小企業診断士 |
必置資格 | 資格を取得した人を特定の企業や現場に設置しなければいけないと法律で定められている | 宅地建物取引士、衛生管理者、ケアマネージャー、登録販売者 |
加えて国家資格は民間資格よりも取得が難しく認知度が高いことから、社会的信用度が高くなります。
なお国家資格は国の法律に基づいて各能力・知識があることが証明されるため、将来的に廃止されたり、役に立たなくなったりする可能性も低いといえます。このように国家資格もこれからの時代に役立つ資格の一つです。
ITパスポートは、社会人でも根を詰めれば2~3カ月程度で取得できる難易度なのでおすすめです。またCBT試験で受験しやすいのもメリットと言えます。
しかし、ITの最低限の知識の資格であって、業務に直結するわけではないので注意してください。
時代に応じて役立つ資格は変わる! 取るべき資格の選択肢
これからの時代に役立つ資格の特徴について解説しましたが、実際にどんな選択肢を取るべきか悩む人もいるのではないでしょうか。時代によって役立つ資格は変わるため、どんな資格を取るかは慎重に検討したいところ。
もし資格の勉強を始めてから別の資格を取る必要があると気付いた場合、時間や労力が余計にかかってしまうため注意が必要です。ここからは取るべき資格の選択肢を解説するので、自身が描きたいキャリアと照らし合わせてみましょう。
複数業界で役立つ資格を取る
複数業界で役立つ資格を取れば、長期的なキャリアで資格を活かせます。新卒入社した企業に定年まで勤務し続けるとは限らない点で、あらゆる可能性を踏まえて資格を取るのも選択肢の一つ。複数業界で役立つ資格を取れば、転職時にも活かせる可能性があります。
ただし複数業界で役立つ資格でも、職場で求められていない知識だと、キャリアには活かせられません。まずは志望する企業や職種で直接活かせることを前提に、資格を取るようにしましょう。
どのような資格を取るか迷っている人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。業界や状況ごとにあなたに役立つ資格を解説しています。
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就職に有利な資格の種類とアピール方法がわかれば武器になります。就職で有利な資格一覧や効果的にアピールする方法をキャリアコンサルタントが解説します。履歴書やESに記載する際の注意点も併せて紹介するので参考にしてください。
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自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
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定年後にも役立つ資格を取る
人生100年時代といわれるなか、60歳で定年退職してからも働く必要性が出るかもしれません。そこで定年後にも役立つ資格があれば、定年後の働き口にも幅が出ます。
なお定年後のキャリアとして求められるのは即戦力になるかどうか。新卒入社時のポテンシャル採用とは異なり、自身の経験を活かせて即戦力になれるかが重要です。
そのため定年後に活かせる資格としては、自分がすでに持っているスキルや経験にかかわる資格を取るのがおすすめです。たとえば不動産業界でのキャリアが長いなら、宅地建物取引士やマンション管理士の資格を取るのも選択肢の一つといえます。
定年後に資格を取るなら、自身のキャリアを参考に即戦力になれる分野に関連する資格を取るのがおすすめです。
- 定年後も見すえた長期的に役立つ資格でないと、今から取るのは損ですか?
最も自分の経験や実践力が活かせる資格を選ぶことが大切
定年後を見すえてではなく、あなたが今従事している仕事や、今後歩みたいキャリアに合っている資格を取得したほうが活躍の場が広がる、と思うのであれば取ることをおすすめします。
しかし、資格を取得することが第一にならないように注意しましょう。
キャリアを積むうえで大事なのは、経験と実践力です。資格は経験と実践力を活かす付加価値となります。
幅広い業界で活かせるこれからの時代に役立つ資格
幅広い業界で活かせるこれからの時代に役立つ資格
- TOEIC
- MOS
- 日商簿記
- ITパスポート
資格には複数の業界で役立つものもあります。就職を希望する業界や企業が決まっていない場合、まずは幅広い業界で活かせる資格を取るのも選択肢の一つです。
ここからは幅広い業界で活かせるこれからの時代に役立つ資格を解説するので、まずは自身が描くキャリアに活かせそうなものを押さえましょう。
ここで解説する資格は、就活や将来のキャリアで役立つものばかりなので、どの資格を取るか迷ったときの参考にしてみてくださいね。
- 希望業界が決まっていない状態で、とりあえず資格を取ることに意味はありますか?
将来の選択肢が広がるなどさまざまなメリットがある
希望業界がまだ決まっていなくても資格を取ることで以下のようなメリットがあると言えるでしょう。
まず、資格取得は自己成長やスキルアップの証明となり、就職活動時に自分の強みとしてアピールできます。
特に汎用性の高い資格(TOEIC、ITパスポート、簿記など)は、さまざまな業界で評価されやすく、選択肢を広げる助けとなるのです。
また、資格を取得する過程で自己管理能力や計画性が養われるため、面接時にその経験を具体的に語ることで好印象を与えることができます。
ほかにも、資格取得を通じて自分の興味や適性を見つけるきっかけになることもあるでしょう。資格を持つことは将来の選択肢を広げ、不安を軽減するための有効な手段となるはずです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
TOEIC
TOEICとは
英語のコミュニケーション能力を判定する世界160カ国で実施されている試験。3種類あるうち、就活でおもに見られるのはTOEIC(L&R)というリスニング・リーディング力を測るもの
TOEICは就活をするうえで代表的な資格の一つです。一定以上のスコアを取得することで、外資系企業に限らず、幅広い企業で活かせます。近年では海外へ進出する企業や、海外の企業と取引する企業が増えています。
自社商品・サービスの販路拡大や生産拠点の海外移転など、業界や企業規模に限らず海外とかかわる可能性があるため、これからの時代ではさらに英語力が求められるといえます。
TOEICは満点が990点で、平均スコアは600点ほど。就活で活用するなら少なくとも600点以上のスコアが求められる傾向にあります。さらに実際の業務で英語を使うことが想定される場合、700点以上取得するのが理想的です。
TOEICの概要
- 実施団体:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:マークシート
- 試験日:月1〜2回
- 受験費用:7,810円(受験した月の半年後から7カ月間は7,150円)
- 平均スコア:608点(2022年度)
海外に展開している商社や企業は英語力が必要となるので上記のような資格は大いに活かせます。
今後、日本は少子化による労働人口の減少で、業界・職種限らず海外の人と仕事をする可能性も高いので英語力は身に付けているほうが良いでしょう。
TOEICをこれから受ける人は、こちらの記事もおすすめです。TOEICのスコアを特に重視する企業や職種の特徴まで解説しています。
関連記事
TOEICのスコアは就職活動に影響大! 目安の点数を大公開
TOEICのスコアは就職のためのマストアイテムとなりつつあります。この記事ではTOEICを取得するメリットや、就活で必要なレベル、それを目指すための勉強法、ガクチカなどで伝える方法などをキャリアコンサルタントが解説します。
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MOS
MOSとは
マイクロソフトのOffice製品であるWordやExcel・PowerPointなどの知識・操作スキルを証明する資格試験。正式名称はMicrosoft Office Specialist
サラリーマンとして働くならPCを使うことがほとんど。MOSを取得することで直接知識を活かせます。職種や業界関係なく、Office製品を取り扱っている企業は多いので、まだ就活の軸が決まっていない人にも最適です。
なお将来的にOffice製品に代わるソフトが出るとしても、MOSの知識は役立つ可能性が高いです。たとえばOffice製品に代替されるGoogle製品においても、似たような操作や機能があるため、これからの時代に役立つ資格の一つといえます。
MOSの概要
- 実施団体:オデッセイコミュニケーションズ
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:選択
- 試験日:全国一斉試験は月1〜2回、随時試験は会場ごとにほぼ毎日開催
- 受験費用:レベルによって異なる(Word 365は10,780円、学割適用時は8,580円)
- 合格率:非公開
こちらのQ&Aでも、就活を見すえてMOSを取得することについてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。
日商簿記
日商簿記とは
日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する、簿記の技能を測る検定試験。企業の財政状況を帳簿につける簿記に関する技能を検定する
企業が存続する限り経理や財務に関する業務は発生し続けます。つまり将来的になくなることは考えづらい点で、日商簿記はこれからの時代に役立つ資格の一つといえます。
日商簿記が役立つ職種として経理職が代表的ですが、ほかの職種でも役立ちます。たとえば営業職で取引先の財務状況を確認するために資料を読めるようになったり、管理職で資料作成に簿記のスキルが活かせたりします。
なお日商簿記は1級から3級まであるうち、履歴書に記載するなら2級以上が目安です。また、資格保持者の優遇措置として2級以上が定められていることが多いので、2級以上の取得を目指しましょう。
日商簿記の概要
- 実施団体:日本商工会議所
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:記述・CBT方式
- 試験日:年3回
- 受験費用:5,500円(2級)
- 合格率:37%(2級・ネット試験)
日商簿記は、会計知識を基盤にした企業の経営管理に不可欠なスキルを提供しています。
デジタル化が進む現代においても正確な財務分析と報告が求められるため、簿記の知識は重要です。
ITパスポート
ITパスポートとは
ITの基礎知識を身に付けられる国家試験。合格率は約50%で、IT系国家資格のなかでも最も難易度が低く、IT業界への入門資格といわれる
ITパスポートはITに関する経営や管理、テクノロジーなどに関する知識が問われます。取得することで、ITに関する基礎的な知識があることをアピールできます。また社内のIT関連部署や取引先のIT企業とのやり取りを、スムーズにおこなえるようになるのもポイントです。
IT技術は社会に欠かせないものであり、今後もさらなる発展が期待されているのが事実。事業にIT技術を活用することも重要視されている点で、ITパスポートは幅広い業界で活かせる資格の一つです。
ITパスポートの概要
- 実施団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:CBT方式
- 試験日:会場ごとに開催
- 受験費用:7,500円
- 合格率:約50%
ITパスポートはすべての社会人の共通知識で、IT利用者側の資格の位置づけです。
ITスキル標準はレベル1で持っていて当たり前の資格で、IT業界志望なら情報処理技術者の資格とされているレベル2の基本情報技術者試験を持っておきたいところですね。
IT関連資格の取得を検討している人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。資格の見つけ方やITパスポートの必要性・活用方法を解説しています。
ITパスポートの活用方法
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説
目指すべきIT資格の見つけ方
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
職種別のこれからの時代に役立つ資格一覧
ジャンル別のこれからの時代に役立つ資格一覧
業界に関連する資格のなかでも、これからの時代に役立つものとそうでないものがあります。将来を見すえて取得するなら、キャリアで長期的に役立つ資格を選びたいところ。
志望業界が決まっている人や興味のある業界がある人は、今から解説するジャンル別のこれからの時代に役立つ資格に目を通しておきましょう。それぞれの業界における就活や自身が実現したいキャリアで活かせるかという視点で、資格を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
IT系のこれからの時代に役立つ資格
IT系のこれからの時代に役立つ資格
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- 無人航空機操縦者技能証明
IT系の資格は長年あるものから、新しいものまでたくさんの種類があります。しかし新しい技術が生まれやすく、移り変わりの激しい業界であるため、取得する資格は慎重に選びたいところ。ここからはIT系のこれからの時代に役立つ資格を解説していきます。
基本情報技術者
基本情報技術者とは
IT業界で働くうえで必要な基本的な知識を学習できる国家資格。IT系の国家試験で全4レベルのうちレベル2の位置づけ
基本情報技術者はITエンジニアに求められる基礎的な知識と技能が問われるため、国家試験の「情報処理技術者試験」のうち入門的な位置づけとなっています。
「ITエンジニアの登竜門」といわれている資格なので、システムエンジニアからWebデザイナーまで、幅広いIT系職種で活躍していきたい学生におすすめです。
また、基本情報技術者試験で学ぶ基礎知識は、新しい技術やトレンドが生まれるIT業界の変化に対応するための土台となります。新しい技術を習得する際にも、基礎が身に付いていることで理解が早くなるので、これからの時代に役立つ資格の一つといえます。
基本情報技術者の概要
- 実施団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:CBT方式
- 試験日:会場ごとに開催
- 受験費用:7,500円
- 合格率:47.1%(令和5年度)
ITエンジニアとして活躍したい人です。ITパスポートは一般的なITの知識を学べる資格です。
基本情報技術者は、一般的なIT知識だけではなく、エンジニアとして必要な知識・技能、実践的な活用スキルまで学べる資格となります。
エンジニアを目指している人で取得する資格を迷う人には、こちらの記事もおすすめです。エンジニアの種類別に資格の選び方や勉強方法を解説しています。
関連記事
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
エンジニアの資格はエンジニアごとに多岐にわたり、自分にとって最適な資格を選ぶことが最も重要です。自分に合ったエンジニアの見つけ方から資格の選び方まで徹底解説します。36のエンジニア資格を紹介していくので、自分がとるべき資格を見つけてください。
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応用情報技術者
応用情報技術者とは
IT技術から管理・経営まで幅広い知識と応用力が身に付く国家資格。IT系の国家試験で全4レベルのうちレベル3の位置づけ
応用情報技術者を取得することで、システム開発やIT基盤構築において活躍しやすくなります。たとえば、システムエンジニアからプロジェクトマネージャー、ITコンサルタント、情報セキュリティスペシャリストなど、今後幅広くキャリアの可能性を見いだすことができます。
応用情報技術者は、高度IT人材を目指す人を対象としていて、先述の基本情報技術者の上位に位置づけられています。そのため基本情報技術者をすでに取得していて、さらに成長していきたいITエンジニアにおすすめです。
応用情報技術者の概要
- 実施団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:多肢選択式(四肢択一)・記述式
- 試験日:会場ごとに開催
- 受験費用:7,500円
- 合格率:25%(令和5年度)
- 将来を見すえて基本情報技術者より応用情報技術者を取りたいのですが、学生で取得を目指すのはやはり難しいですか?
応用情報技術者は実践経験のある人でも取得が難しい資格
学生だから難しいのではなく、内容がITスキルの応用なので難しいというのが正しいでしょう。応用情報技術者は経験を積んでいる技術者でも苦労する試験です。
合格率も20%前後と難易度は高く、情報処理系の学科を勉強している学生ならまだしも、そうでない学生にとってはかなりハードルが高いでしょう。
午前は、四択の選択式なのでなんとかなりますが、午後からはストラテジー系の記述問題から、システムアーキテクチャの実装、データベースやネットワークの実装構築などが出題されます。
これの問題は、IT知識をベースに幅広い実践知識がないと太刀打ちできないと言えるでしょう。
ITは高度な技術の塊なので、応用情報技術者の試験ではエンジニアとしての能力が試されているのです。
無人航空機操縦者技能証明
無人航空機操縦者技能証明とは
無人航空機操縦者技能証明は、ドローンを安全に飛行させるために必要な知識や技能を保有していることを証明する国家資格
無人航空機操縦者技能証明は、2022年12月に航空法改正にともない新設されたドローンに関する唯一の国家資格です。
従来のドローンに関する資格は民間資格のみだったため、無人航空機操縦者技能証明は国家資格としてスキル証明ができる点で優位性があります。また取得することで、特殊な飛行許可を取りやすくなったり、飛行申請が簡略化されたりするのがポイントです。
近年ドローンを活用したビジネスが増えていて、将来的にも需要が拡大することが期待できます。なお取得するには指定試験機関で1週間ほどの講習を受けて、学科試験と実地試験に合格する必要があるので、時間に余裕をもってチャレンジしましょう。
無人航空機操縦者技能証明の概要
- 実施団体:一般財団法人 日本海事協会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:学科試験・実地試験
- 試験日:会場ごとに開催
- 受験費用:学科試験は8,800円(二等試験)、実地試験は20,400円(基本)
- 合格率:68%(2024年ドローンスクール東京の実地試験の場合)
経理・事務系のこれからの時代に役立つ資格
経理・事務系のこれからの時代に役立つ資格
- FP技能検定
- 秘書検定
- 税理士
経理・事務系職種は専門的な知識が求められます。さらに仕事に活かせる資格の種類が多く、取得することで給与アップにつながるケースもあるので、しっかり選びたいところ。ここからは経理・事務系のこれからの時代に役立つ資格について解説していきます。
FP技能検定
FP技能検定とは
金融・税制・不動産・保険など、家計にかかわるプランの立案・相談に乗るファイナンシャルプランナーになるための資格
FP技能検定を取得することで家計管理や資産運用・税金対策に関する知識が身に付きます。また名称独占資格なので、ファイナンシャル・プランニング技能士を名乗れるようになるのもポイントです。
FP技能検定は金融・保険会社以外にも、不動産や税理士事務所など幅広い業界で役立ちます。就職活動や将来的なキャリアに活かすなら、FP2級以上を取得するのがおすすめです。
FP技能検定を取得しておけば、キャリアパスの選択肢が広がり、興味がある職種へのキャリアチェンジもしやすくなるので、これからの時代に役立つ資格といえます。
なおFP技能検定の指定試験機関は「日本FP協会」と「一般社団法人 金融財政事情研究会」がありますが、どちらでも受験可能。またどちらで資格を取得しても優劣はなく、資格としての効力は同じということを覚えておきましょう。
FP技能検定の概要
- 実施団体:日本FP協会、一般社団法人金融財政事情研究会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:学科試験・実技試験
- 試験日:年3回(2級)
- 受験費用:学科は5,700円、実技は6,000円(2・3級)
- 合格率:学科試験は39%、実技試験は61.12%(2024年1月実施・2級の場合)
FP資格は、金融機関、保険会社、不動産業界などで役立ち、社内のライフプランニング専門家としても重宝されます。国際的にも認知され、CFP資格を取得すれば海外でも活躍が可能です。
FP資格を持つことで履歴書や面接でほかの求職者との差別化ができ、将来的なキャリアアップにもつながります。
また、FPの知識は自分のライフプランや資産管理にも役立つと言えるでしょう。
秘書検定
秘書検定とは
秘書に求められる知識や技能を問う試験
秘書検定では、敬語の使い方や一般常識・電話応対や文書の作成方法などが問われます。取得することで社会人としてのマナーが身に付いていることが証明できます。
秘書検定で出題される内容はあらゆる業界で役立つため、これから就活をする幅広い人におすすめです。なお就活で活用するなら2級以上を取得したいところ。
また準1級を取得できれば、キャリアで役立ちます。ただし、準1級からは試験内容に面接が追加されて、合格率も低くなります。準1級を狙うならしっかり準備しておくことが重要です。
加えて秘書検定では、国際的なビジネスマナーやエチケットも学べるため、外国人とのビジネスコミュニケーションがスムーズにできるようになります。グローバル化が進む現代では、国際感覚を持った秘書は重宝されるので、これからの時代に役立つ資格といえます。
秘書検定の概要
- 実施団体:公益財団法人 実務技能検定協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:マークシート・記述
- 試験日:年3回
- 受験費用:5,200円(2級)
- 合格率:57.5%(2級・第131回の結果)
秘書検定はどの職種でも役立ちます。「秘書」で誤解をされるのですが、内容は組織内外の人間関係の考え方、コミュニケーションの取り方、そして言葉遣いなどです。
準1級以上は実技(ロープレ)があり、美しい立ち居振る舞いが身に付きますよ。
事務職に就きたい人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。仕事内容や必要な選考対策について解説しています。
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事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
事務職は多くの就活生から人気を誇る職種の一つであり、志望する学生は事務職への理解に努めることが大切です。記事では、事務職の種類とそれぞれの仕事内容をはじめ、事務職に対して多くの人が抱く誤解とその実態についてキャリアコンサルタントのアドバイスを交えながら解説します。
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税理士
税理士とは
企業や個人事業主に、納税のアドバイスや申告書の作成をおこなう国家資格
あらゆるビジネスにおいて税金に関する課題は生じるため、税理士はこれからの時代に役立つ資格の一つといえます。また業務独占資格なので、取得できればキャリアで長期的に役立ちます。
税理士は、難関国家資格の一つです。税理士試験は全11科目のなかから5科目を選択して受験し、合格する必要があります。令和4年度税理士試験結果によると、大学在学中に合格した人は1,463名。全体の約5%が在学中の学生であることから、在学中でも取得可能といえます。
なお全11科目のうち、一度合格した科目は生涯有効となるため、学生のうちから目指して就職してからでもチャレンジし続けられることも覚えておきましょう。
税理士試験の概要
- 実施団体:日本税理士会連合会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:税法科目は「日商簿記検定1級」合格者や大学・短大卒業者で社会科学に属する科目を1科目以上履修などの条件あり
- 試験形式:記述
- 試験日:年1回
- 受験費用:1科目4,000円、2科目以上は1科目ごとに1,500円加算
- 合格率:10~20%
経理職を目指している人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。新卒で経理職に就くための戦略や準備方法を解説しています。
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新卒で経理職を目指すなら2つの戦略で勝負|必要な資格も解説
学生の中には経理の仕事を志望する人も多いでしょう。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、会社のお金を管理する経理の具体的な仕事内容や経理職に必要なスキルなどについて解説します。経理職に新卒で就くために具体的なビジョンを描きましょう。
記事を読む
コンサル系のこれからの時代に役立つ資格
コンサル系のこれからの時代に役立つ資格
- キャリアコンサルタント
- 中小企業診断士
- 社労士(社会保険労務士)
コンサル系業界の市場規模は拡大傾向にあり、今後も高い需要が期待できます。ただし、数あるコンサル系の資格から、どれを取るべきか迷う人も多いのではないでしょうか。
コンサル系の資格は種類が多いため、名称独占資格や業務独占資格を狙うのがおすすめです。ここからはコンサル系のこれからの時代に役立つ資格について解説します。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルティングをおこなう専門の国家資格
キャリアコンサルタントのおもな役割は、職業選択やキャリアの設計・スキル開発などに関する相談に応じること。転職という選択肢が身近になってきた現代で需要が高くなっています。
またIT関連職種を筆頭に新しい職業が次々と登場しているなか、求職者は変化に対応するための最新情報や知識・サポートを求めている点で将来的にもキャリアコンサルタントの需要が高まることが期待できます。
キャリアコンサルタントを取得すると、大学や人材紹介会社・行政機関などに訪れる求職者に対して、カウンセリングが可能です。なお名称独占資格という点で、取得することでキャリア全体において活躍できる場が増えます。
キャリアコンサルタント試験の概要
- 実施団体:特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した人・労働者の職業の選択や職業生活設計または職業能力開発および向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する人・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した人
- 試験形式:学科・実技論述、実技面接
- 試験日:年4回
- 受験費用:学科試験8,900円・実技試験29,900円
- 合格率:40~60%
中小企業診断士
中小企業診断士とは
経営コンサルタントに関する唯一の国家資格
中小企業診断士は企業をあらゆる角度から診断して、問題に対する解決策を提案する役割があります。日本企業の9割以上は中小企業であり、人手不足や経営者の高齢化という問題が増えていることから、今後も需要が高まります。
なお中小企業診断士の役割である経営課題の解決には、専門的な知識や業界ごとの幅広い知見が必要となるので、難関国家資格の一つとなっています。
試験は1次・2次の筆記試験と口述の面接試験・実習があり、すべて年1回のみ開催されます。学生のうちに取得することも可能ですが、難易度が高い点で就職後も学習しながら取得を目指すことを視野に入れておきましょう。
中小企業診断士試験の概要
- 実施団体:一般社団法人 中小企業診断協会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:筆記試験(選択式・記述式)・面接試験・実習
- 試験日:年1回
- 受験費用:1次試験は1万4,500円・2次試験は1万7,800円
- 合格率:28.9%(令和4年度の1次試験の場合)
社労士(社会保険労務士)
社労士とは
企業の人事・労務管理に関する国家資格
社労士を取得することで独占業務である労働・社会保険関連法に基づく申請書・帳簿書類の作成をおこなえるようになります。独占業務のある国家資格で、企業からの需要がなくなる可能性は考えづらいため、将来性がある資格の一つといえます。
社労士の業務は幅広く、独占業務以外にも企業の人事・労務管理に関する問題点を指摘したり、改善策を提案したりするコンサルティングも業務の一部です。
なお大学生で受験する場合、受験資格として62単位以上の卒業要件単位を取る必要があります。一般的に62単位であれば2年生が終わるタイミングまでで取得可能なので、在学中の取得を目指せる点でもおすすめです。
社会保険労務士試験の概要
- 実施団体:全国社会保険労務士会連合会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:大学や短期大学・高校などの卒業・実務経験・ほかの国家試験合格などいずれか一つが必要
- 試験形式:選択式・択一式
- 試験日:年1回
- 受験費用:1万5,000円
- 合格率:6.4%(令和5年の場合)
社会保険労務士は、文字通り社会保険の専門家です。
公的年金や健康保険といった社会保険は、すべての人に適用されるものであり、その知識はどのような就業形態を選んだとしても無駄になりません。
法律系のこれからの時代に役立つ資格
法律系の資格は常に一定以上の需要があり、社会的な情勢に左右されづらい点で将来性があります。ただし、取得難易度が高い国家資格がほとんどなので、取得を目指すなら慎重に行動したいところ。ここからは法律系のこれからの時代に役立つ資格について解説します。
司法書士
司法書士とは
司法や法律上の手続きをおこなうための国家資格
司法書士は、おもに登記や相続に関する業務と、裁判所や法務局・検察庁に提出する書類作成などを担当します。加えて法律に関する相談を受けて、アドバイスや助言をおこなうのも役割の一部です。
なお司法書士試験の難易度は高く、例年の合格率は5%程度となっています。ただし受験資格がないので大学生でも受験可能。そのため学生のうちに司法書士試験に合格できれば、大企業の法務部や法律事務所などへの就職で有利になります。
また登記などの法律に関する業務は今後もなくなることは考えづらい点で、将来性も高いのがポイントです。このように司法書士は、取得できればキャリア全体で役立つ国家資格といえます。
司法書士の概要
- 実施団体:法務省
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:筆記試験・口述試験
- 試験日:年1回
- 受験費用:8,000円
- 合格率:5%程度(令和5年度)
行政書士
行政書士とは
行政手続きを専門とする国家資格
行政書士は、おもに行政への許認可申請にともなう書類作成や官公庁に提出する書類に関する相談をおこないます。行政書士になれれば、企業の法務部や総務部などで活躍でき、就活でも有利になります。
加えて高齢化が進む日本において、高齢者の生活支援や相続問題が増加しています。行政書士は、遺言書や相続関連書類の作成、成年後見制度の利用手続きなど、高齢者やその家族に対して法的なサポートができるので、これからの時代に役立つ資格の一つです。
また行政書士は法律系国家資格のなかで、難易度が低いといわれていて令和5年度の合格率は約14%です。さらに受験資格がないので、大学生でも取得を目指せます。そのため取得すると就活で有利になると同時に、長いキャリアで役立つのがポイントです。
行政書士試験の概要
- 実施団体:一般財団法人 行政書士試験研究センター
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:択一式・記述式
- 試験日:年1回
- 受験費用:10,400円
- 合格率:13.98%(令和5年度)
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不動産系のこれからの時代に役立つ資格
不動産は人々の生活に欠かせないもので、将来的にも関連資格の需要は一定以上あることが期待できます。
不動産関連の資格は、不動産業界だけでなく金融業界をはじめとしたほかの業界でも役立つため、取得しておくことで将来役立つ可能性があります。ここからは不動産系のこれからの時代に役立つ資格を解説します。
宅建士(宅地建物取引士)
宅建士とは
不動産取引に関する専門的な知識を持ち、適正な取引をサポートする国家資格
宅建士は不動産の契約締結前におこなう重要事項の説明や説明書面への記名を独占業務としておこないます。物件を購入したり、借りたりする業務上必須な職業なので、将来的にも需要があるといえます。
宅建の資格を取得すると、不動産会社や建築会社・金融機関などの就活で役立つほか、キャリアアップに役立ちます。たとえば不動産会社では、支店長になるために宅建資格が必要となるケースもあるほどです。
なお宅建資格は学生でも取得でき、令和2年度の合格者のうち13.6%が学生でした。そのため宅建資格が活かせる業界へ就職して、キャリアアップを目指したい学生にぴったりです。
宅建試験の概要
- 実施団体:一般財団法人 不動産適正取引推進機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:日本国内に居住する人
- 試験形式:四肢択一式
- 試験日:年1回
- 受験費用:8,200円
- 合格率:17.2%(令和5年度)
- 不動産業界を志望する場合、宅建は必須ですか? 取得していない場合、将来的に取得することになると聞いたことがあります。
宅建は時間に余裕があるうちに取得しておいて損はない
宅建士の資格は持っていた方が断然有利です。仕事を始めたら必ず取得しなければいけないので、入社後に働きながら勉強するより学生の間に取得したほうが、時間的余裕があって良いと思います。
宅地建物取引士は独占業務で、免許がないと「重要事項の説明」や「35条書面(重要事項書面)への記名」「37条書面への記名」など不動産で重要となる業務ができません。
また、不動産の売買・賃貸借の媒介・仲介をおこなう不動産会社は、一つの事務所に従業員5名につき1名以上専任の宅建士を設置することが義務付けられています。
こうした配置の問題もあるので、宅建は不動産業では必須の資格です。不動産業界を志望するなら、ぜひ取得しましょう。
不動産鑑定士
不動産鑑定士
不動産の価値を公正かつ適正に評価するための国家資格
不動産鑑定士はおもに土地や建物の価値を判定したり、有効な使い方についてコンサルしたりする役割があります。令和5年1月1日時点で不動産鑑定士は全国に約9,798人しかおらず、希少性価値のある国家資格です。
近年では不動産会社以外にも鑑定事務所や金融機関・コンサル会社などにおいて需要があるため、これからの時代でさらに役立つ資格の一つといえます。
さらに受験資格がないため在学中に取得可能。不動産鑑定士を取得できれば、幅広い業界で活躍できるほか、就活市場で希少価値の高い人材になれます。
不動産鑑定士試験の概要
- 実施団体:公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:短答式・論文式
- 試験日:年1回
- 受験費用:12,800円(電子申請の場合)
- 合格率:36.3%(令和5年度・短答式試験)16.4%(令和5年度・論文式試験)
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介護・医療系のこれからの時代に役立つ資格
介護・医療系のこれからの時代に役立つ資格
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士
- 看護助手認定実務者試験
超高齢社会が進むなか、日本では介護・医療業界に大きな需要があるのが事実。今後もさらに高齢化率が上がるので、これからの時代に役立つ資格を取っておけば就活に活かせたり、就職後のキャリアアップにつながったりします。
ここからは介護・医療系のこれからの時代に役立つ資格を解説します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは
介護の基礎的な知識やスキルを身に付けられる資格
介護職員初任者研修は、介護職としてのキャリアをスタートするための資格といわれています。介護職員初任者研修を取得することで、食事や排せつ・入浴などの利用者の身体に触れる介護である「身体介護」ができるようになります。
また介護施設や訪問介護の仕事をおこなうのに必須となっている場合もあり、取得することでキャリアの幅が広がる点で、将来的に役立つ資格といえます。なお介護職員初任者研修は、民間の介護スクールで取得するのが一般的。厚生労働省によって内容が定められているので、どこで受講しても効力は変わりません。
さらにカリキュラム修了後に受ける筆記試験は、難易度が低いといわれているため、介護業界への就職を検討している学生に最適です。
介護職員初任者研修の概要
- 実施団体:厚生労働省
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:カリキュラム修了後に筆記試験(選択式・記述式)
- 試験日:スクールごとに開催
- 受験費用:5〜10万円程度
- 合格率:非公開
介護福祉士
介護福祉士とは
介護を必要とする人の生活をサポートするための知識と技術を持つことを証明できる国家資格
介護福祉士は、介護業界唯一の国家資格で、超高齢化が進む日本で需要が高くなっています。
介護福祉士は、介護に関する専門的な知識と技術があることから、老人ホームや身体障害者施設などの現場でリーダーとしての役割をになうケースが多いです。そのため取得できれば介護業界への就職・転職に有利になるほか、キャリアアップをしやすくなります。
なお介護福祉士は合格率が82.8%と取得しやすい国家資格に見えますが、受験資格が定められているため、取得に時間がかかります。
たとえば最短で受験資格を得るためには、高校や大学を卒業してから養成施設に指定された専門学校で、1〜2年修了する必要があります。つまり介護福祉士は、年単位で取得を目指すことになるのを理解しておきましょう。
介護福祉士国家試験の概要
- 実施団体:公益財団法人 社会福祉復興・試験センター
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:実務経験と対象研修の受講・養成施設や福祉系高校卒業などの条件あり
- 試験形式:筆記試験・実技試験
- 試験日:年1回
- 受験費用:18,380円
- 合格率:82.8%(令和6年)
日本は、平均寿命が延びていることで人口の高齢化が進み、今後も介護を必要とする人が年々増えていくことが想定されています。
介護福祉士が居なくてはならない時代になってくるので、医療や介護現場だけではなく日常的にも活躍の場が広がっていくと言えるでしょう。
看護助手認定実務者試験
看護助手認定実務者試験とは
即戦力となる看護助手として働くために求められる知識や技能を持つことを証明できる資格
看護助手認定実務者試験を取得することで、医療知識や専門用語を身に付けられます。看護助手になるために必須の資格はないので、未経験から就職すると仕事に定着するまでに時間がかかります。
そこで看護助手認定実務者試験を取得していれば、現場で貢献しやすくなります。また受験資格がなく合格率も高いため、看護助手を目指したい学生は取得しておくのがおすすめです。
さらに日本では急速な高齢化にともない、医療現場での人材不足が問題となっています。看護助手の需要は将来的にも高まることが予想され、即戦力として活躍するための看護助手認定実務者試験はこれからの時代に役立つ資格の一つです。
看護助手認定実務者試験の概要
- 実施団体:全国医療福祉教育協会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:マークシート
- 試験日:年1回
- 受験費用:5,000円
- 合格率:60〜80%程度
看護助手の資格を取得することで、キャリアの幅が広がり、就職や転職の際に有利になるでしょう。
資格を持つことは専門知識が増えて業務の質が向上するため、患者からの信頼も得られやすくなります。
また、資格取得者は昇進や給与面での優遇が期待でき、将来的にはほかの医療関連職へのキャリアチェンジすることも可能です。
観光系のこれからの時代に役立つ資格
日本政府観光局によると、2023年の訪日外国人旅行者数は2,500万人を突破しました。日本を訪れる外国人旅行者数は新型コロナウイルス感染症流行前の水準に近づいており、今後も観光業における需要が高まることが予想されています。
そこで観光系の資格を取得すれば、これからのキャリアに活かすことが可能です。ここからは観光系のこれからの時代に役立つ資格について解説します。
旅行業務取扱管理者
旅行業務取扱管理者とは
旅行業務のプロであることを証明できる国家資格
旅行会社や代理店の営業所には、必ず1名以上の旅行業務取扱管理者を設置する必要があるため、将来的にも一定の需要が見込めます。
なお旅行業務取扱管理者には、総合・国内・地域限定の3種類がありますが、国内と海外旅行商品の両方を取り扱える総合旅行業務取扱管理者がおすすめです。また企業によっては、支店長クラスへの昇進に必須なケースもあるため、旅行業界で活躍していきたい人に最適です。
旅行業務取扱管理者は国家資格のなかでも合格率が高く、受験資格がないので、学生のうちに取得しやすいのがポイント。旅行業界への就職を考えているなら、就活に向けて取っておくとほかの学生と差を付けられます。
旅行業務取扱管理者試験の概要
- 実施団体:一般社団法人 全国旅行業協会
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:マークシート
- 試験日:年1回
- 受験費用:6,500円(総合)
- 合格率:22.3%(総合)
旅行業界への就職を検討している人は、こちらの記事もチェックしておきましょう。旅行業界の課題や今後の展望まで解説しています。
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ホテルビジネス実務検定
ホテルビジネス実務検定とは
ホテルビジネス実務検定は、ホテル業界で活躍するための専門的な知識や能力を証明するための資格
ホテルビジネス実務検定を取得することで、ホテル業界のあらゆる職種への就活に役立ちます。加えて外国人観光客が増えたことでホテル需要が高まっている点で、外国人観光客とのコミュニケーションに役立つスキルが身に付くホテルビジネス実務検定は、これからの時代に役立つ資格の一つといえます。
ホテルビジネス実務検定は、ベーシックレベル1・2級とマネジメントレベルがありますが、まずはベーシックレベルから受験するのがおすすめです。ベーシックレベル2級は業界の基礎を理解した即戦力として働ける基準とされているので、就活前の学生にぴったりといえます。
ベーシックレベルの合格率は2級で69.35%、1級で56.4%と高くなっています。マーケティングや管理部門に関する問題が増える1級の合格率も高い点で、在学中に両方取得することも可能です。
ホテルビジネス実務検定の概要
- 実施団体:一般財団法人 日本ホテル教育センター
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:選択方式
- 試験日:年2回
- 受験費用:5,100円(ベーシックレベル2級)
- 合格率:69.3%(ベーシックレベル2級)
教育・語学系のこれからの時代に役立つ資格
在日外国人や訪日外国人旅行客の増加にともない、日本語を学ぶ人が増えています。今後も需要が高まる可能性が高いため、今のうちに取得することで今後のキャリアに活かせるかもしれません。
ここからは教育・語学系のこれからの時代に役立つ資格について解説します。
登録日本語教員
登録日本語教員とは
日本語教師の国家資格。外国人に日本語を教える日本語教師のクオリティ維持のために、2024年4月に新設された
登録日本語教員を取得することで日本語学校などの教育機関への就職に役立つほか、認定日本語教育機関で日本語教師ができるようになります。
在日外国人の増加によって日本語教師の需要が高まっている点で、登録日本語教員はこれからの時代に役立つ資格の一つといえます。
登録日本語教員を取得するためには、筆記試験に合格した後、対象の研修機関にて実践研修を受ける必要があります。ただし、新設されたばかりで、申込方法などについて国から公表がされていません。
文化庁によると第1回の試験は令和6年11月17日に実施・出願は夏頃に開始される予定なので、最新情報をチェックしておきましょう。
登録日本語教員の概要
- 実施団体:不明(関連機関に委託予定)
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:筆記試験・実践研修
- 試験日:年1回以上(予定)
- 受験費用:18,900円(筆記試験のみの料金)
- 合格率:不明
全国通訳案内士
全国通訳案内士とは
日本国内で通訳・案内士をするための国家資格
全国通訳案内士を取得することで、外国語での会話スキルにくわえて、日本の歴史や地理・文化などに精通していることが証明できます。対象言語は英語やフランス語・スペイン語などの10言語です。外国語ごとに受験し、それぞれ筆記試験と口述試験に合格する必要があります。
なお全国通訳案内士の難易度は、英検で言うところの1級レベルといわれています。語学だけでなく歴史や文化に関する知識も必要で難関資格といえますが、取得することで観光業界への就職で有利になります。外国人観光客が増えている日本において、全国通訳案内士の需要は高まることが期待できるので、これからの時代に役立つ資格の一つです。
また取得者のなかには、本業以外で通訳ガイド業をおこなう人も多くなっています。そのため副業や定年後の仕事にも役立つ点でもおすすめです。
全国通訳案内士試験の概要
- 実施団体:独立行政法人 国際観光振興機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験形式:筆記・口述
- 試験日:年1回
- 受験費用:11,700円(1ヵ国語につき)
- 合格率:12%(令和5年度・すべての外国語の合計)
キャリア支援のプロに聞く! これからの時代に役立つ取得必須の資格とは
これからの時代に役立つ資格についてジャンル別で解説してきましたが、「結局どの資格を取れば良いかわからない」と悩む人もいるのではないでしょうか。また興味のある業界・職種はあっても、将来性に不安を感じている場合も考えられます。
そこで多くの求職者を支援した実績があり、さまざまな業界に詳しいキャリアコンサルタントに、これからの時代に役立つ取得必須の資格について聞きました。実際に取得を目指す前に、現時点でどの資格を取るべきか納得してからチャレンジしましょう。
自分の将来のために取るべき資格は?
就職を目指す業界や職種が決まっておらず、将来を見越して取るべき資格がわからない人もいるのではないでしょうか。希望の就職先が定まっていなくても、資格を取ることで就活や将来のキャリアに活用できます。
ここではキャリアコンサルタントの加藤さんに、自分の将来のために取るべき資格について詳しく聞きました。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見る自分が社会や企業にどんな形で役立ちたいかで将来のための資格を見つけよう
応募したい業界や職種がまだ不透明でも、何かしら自分のスキルの一つとして資格を取得したいと感じることはあるかもしれません。
しかし資格とは、手当たり次第にむやみに取るものでもないので、まずはいったん、自分がどのように社会や人に貢献していきたいかを思い描いてみてください。
資格を取得することで見えてくる将来やキャリアもある
こういうふうに社会に役に立ちたい、こういうことで企業に貢献していきたいな、と思う仕事や働き方があれば、その理想に近い状態になれる資格は何なのかを自分で調べたり、学内のキャリアセンターに行って一緒に調べてもらうなどしてみましょう。
そして、調べたなかでこの資格良いな、と感じたものを、自分の将来のための資格としてチャレンジしてみると良いと思います。先に資格を取ることで、自分の行きたい業界や業種が決まることもあるかもしれませんよ。
保有する資格も、従事する業界や職種も、どちらを先に決めるかなどは別として、自分が携わりたい・やりたいと思えることの先にあるものを選ぶようにしていきましょう。
時代のニーズにマッチする資格は?
やりたい仕事が決まっていても「将来的にもニーズはある?」と心配な人も多いのではないでしょうか。これは資格においても同じで、あらかじめ資格の需要も理解しておく必要があります。
ここではキャリアコンサルタントの瀧本さんに、時代のニーズにマッチする資格について詳しく聞きました。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るニーズや需要に応じた資格は企業の求めるスキルが備わっているという証明になる
学生にとって、希望職種に関連する資格を取得することは非常に重要です。特に、時代にマッチしていて需要がある資格を取得することが、就職活動において大きなアドバンテージとなります。
まず、時代に合った資格を持つことで、企業が求めるスキルセットに適合していることを証明できます。たとえば、近年ではAIやデータサイエンスに関連するスキルが非常に注目されています。E資格やG検定など、ディープラーニングやAIに関する資格は、その代表例です。これらの資格は、技術の進歩にともない、今後さらに需要が高まると予測されています。
継続的に需要の高い資格を取得することもおすすめ
また、簿記や社会保険労務士(社労士)などの伝統的な資格も引き続き高い需要があるといえますね。
簿記は、経理や財務管理に必要なスキルを証明でき、多くの企業で重宝される資格の一つです。特に、日商簿記2級以上は実務レベルとして高く評価され、転職やキャリアアップに大いに役立ちます。
社労士は、労務管理や社会保険の専門家として、企業の人事部門での需要が高く、独立して働くことも可能な資格です。
さらに、実用英語技能検定(英検)やマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)などの資格も、グローバルなビジネス環境で役立つスキルを証明できます。
英検は、ビジネス英語の能力を示す資格として広く認知されており、英語力が求められる職場で強みとなるでしょう。MOSは、パソコンの基本操作スキルを証明できるため、業務の効率化に貢献するスキルを得たい人におすすめです。
このように、需要が高く、時代にマッチした資格を取得することで、就職活動における不安の軽減につながったり、採用担当者に対するアピールポイントを増やしたりすることができます。
自身のキャリア目標に合わせて適切な資格を選び、計画的に取得することが良いでしょう。
10年後・20年後に役立ちそうな資格は?
IT系技術の進歩や時代の移り変わりによって、役立つ資格は変化しやすくなっています。現時点で10年後・20年後に役立ちそうな資格を理解しておけば、資格もスムーズに選べます。
ここではキャリアコンサルタントの杉原さんに、10年後・20年後に役立ちそうな資格について詳しく聞きました。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る時代に取り残されることなくキャリアをより高みに導くことができる
学びは自分に対する投資です。どのような投資よりもリターン率が高いと聞いたことがあります。
資格がすべてではなく、資格があっても実務で通用しないことはよくあることで、資格がなくてもできる仕事もたくさんあるのです。しかし、だからといって資格が不必要かと言えば違います。
資格は持っているスキルや知識のレベルを客観的に証明するものです。また、どの資格でも、合格には相当の努力を要するので、資格を持っていることは、努力家や勉強家であること、向上心やチャレンジ精神などがあることの証になります。
この先の未来を見すえてその時々で必要なスキルを習得していこう
10年後・20年後でも役立つ資格となると、国家資格や業務独占資格なので、資格取得の時点で職業選択が決まることが多いです。その資格を持って長く働くことで、キャリアの頂点を迎えることができるでしょう。
とはいえ資格は、その時々に必要なものを取得していかないと時代に取り残されてしまいかねません。今はデジタルスキルが求められ、政府はリスキリングを積極的に進めています。資格があるからと言って生涯安穏に暮らせる保障はないのです。
失敗しないためには手順が大切! 資格を選ぶ方法
失敗しないためには手順が大切! 資格を選ぶ方法
資格を選ぶ際は、自身が実現したいキャリアを理解したうえで、慎重になる必要があります。資格を取る目的や就活を見すえて、正しい手順で資格を選びましょう。
ここからは資格を選ぶ方法を解説するので、失敗しないためにも参考にしてみてください。
①資格を取る目的を明確にする
まずは資格を何のために取るのか、明確にする必要があります。たとえば「就活でほかの応募者に差をつけたいから」「取得必須の資格がある企業へエントリーするため」など、人によってさまざまな目的が考えられます。
目的を明確にして資格を取ることで、何となく役立ちそうな資格を取って無駄になるリスクを避けられます。
なお志望する職種が決まっていない場合、業界問わず役立つ資格を取っておくのも選択肢の一つ。先述のTOEICや日商簿記などは、幅広い業界で役立つ点でおすすめです。
②興味がある分野から選ぶ
取りたい資格が具体的に決まっていない場合、興味がある分野から資格を選ぶのがおすすめです。志望する職種に直接役立ちそうな資格がなかったとしても、興味のある業界に関する資格を取っておけば就活でモチベーションの高さをアピールできます。
また「高収入につながる」「これからの時代でニーズがありそう」などの理由だけで、資格を選ぶのは危険です。興味がない資格を勉強するとなると、モチベーションを保ちづらいのが事実です。途中で挫折する可能性も高まります。
就活を控える学生は時間が限られているので、少しでも興味がある分野や業界に関連する資格を選んでおくのがおすすめです。
③資格に一定の認知度があるか確認する
認知度が低い資格を取得した場合、就活に活かせないかもしれません。資格は一定の認知度があるからこそ、能力やスキルの証明につながります。新設されたばかりの資格やマイナーな団体が実施している資格は、業界で知られていないために役立たない可能性があります。
取得しようとしている資格の認知度に不安があるときは、実施団体が公表している受験者数をチェックするのがおすすめです。また企業の応募要項に「優遇資格」や「活かせる資格」として、その資格が記載されているかも確認しましょう。一定の認知度があるなら記載されている可能性が高いです。
特に民間資格は種類が多く、マイナー過ぎる資格を取ってしまうと就活で役立たない可能性があるので注意が必要です。
- ネームバリューが少ない資格は、キャリアで長期的には役立たないのでしょうか?
認知度の低い資格も自分の選択肢次第でキャリアに活かせる
認知度が低い資格だからといって、キャリアに役立たないということはありません。
認知度の有無にかかわらず、自分の描きたいキャリアに対して必要だと考える資格は、取得していってください。
資格を保有しているだけでなく、知識なども同時に身に付くので、長期的に見ても自分にとって役に立つことが多いでしょう。
④差別化が図れるか考える
ほかの応募者と差別化が図れる資格を取ることで、就活を有利に進められます。差別化が図れる資格の特徴は、以下のとおりです。
差別化が図れる資格の特徴
- 難関資格(国家資格)
- 学生の取得者が少ない資格
- TOEICのようなスコアを記載する資格
上記のような資格を取ると、就活でほかの応募者と差別化しやすくなります。たとえばTOEICは多くの学生が受けるメジャーな資格ですが、高得点を取れればほかの学生との差別化につながります。
ただし差別化を狙うために、志望する業界に関連しない資格を取得するのは避けるべきです。資格を取得して就職先企業で活かせる要因がないと、採用担当者から評価されないので注意しましょう。
⑤資格をキャリアに活かせるかを考える
就活だけでなく、キャリア全体で活かせる資格を取ると将来的に役立ちます。たとえば企業によっては資格手当を設けているところがあります。特定の資格に手当を設けるのは、社内や業界としてニーズがある特徴の一つ。該当する資格を持っていれば毎月手当がもらえて、社内での評価も上がるのがポイントです。
また数ある資格のなかには、複数業界で活かせる資格があります。特定の職種以外にも役立つ資格を取れれば、将来的にキャリアを幅広く実現できるようになります。さらに職種によってはマネージャークラスに昇進する際に必要な資格もあるので、キャリアアップに必須となる資格を事前にチェックして、長期的に取得を目指していくのもおすすめです。
⑥資格の難易度をチェックする
資格は難易度によって取得までにかかる時間が異なります。比較的簡単な資格であれば1カ月程度で取得を目指せるものもありますが、難関国家資格となると数年単位で時間がかかるものも多いです。
たとえば、司法書士試験は難易度が高い国家資格の一つ。一般的に必要な勉強時間は3,000時間といわれています。これは1日必ず8時間勉強しても、約1年間かかるということです。
つまり事前に資格の難易度を理解しておかないと、就活が始まるまでに取得できない可能性があります。そのため取りたい資格の目星がついたら、取得難易度を確認してどれくらいの勉強時間が必要なのかをチェックしておきましょう。
- 難しい資格であればあるほどこれからの時代に役立ちますか? 簡単な資格は意味ないのでしょうか?
資格は難易度に関係なく自分のスキルの証明として役立つ
難しい資格は就職において確かに有利になることがありますが、それだけがすべてではありません。
たとえば、ファイナンシャルプランナーや応用情報技術者などの難易度の高い資格は、専門知識を証明するため就職において有利です。
一方で、日商簿記やTOEICなど、比較的取得しやすい資格でも、実務に直結するスキルを証明するため就職活動において重要な役割を果たします。
資格の難易度だけでなく、その資格を取得する過程で得られる知識やスキル、努力の姿勢も評価されます。企業は資格を通じてあなたの人柄や仕事に対する姿勢を見ています。
重要なのは、自分の目標や興味に合った資格を選び、取得に向けて努力することです。難しい資格でも簡単な資格でも、あなたがその資格をどう活用し、成長していけるかを示すことが大切です。
確実に取得するために! 資格の勉強をするうえで大事なポイント
確実に取得するために! 資格の勉強をするうえで大事なポイント
就活が本格的に始まる前に資格を取得したい人も多いのではないでしょうか。確実に資格を取るためには、試験要項をしっかり理解したり、勉強を計画的に進めたりして準備することが大切です。
ここからは資格の勉強をするうえで大事なポイントを解説するので、就活までに資格を取るためにあらかじめ目を通しておきましょう。自身の就活のスケジュールや生活スタイルを考慮して、無理なく資格取得を目指す際の参考にしてみてください。
①試験の特徴を把握しておく
資格の勉強をする前に、試験の特徴を把握することは重要です。試験の特徴として、おもに以下のようなものが挙げられます。
資格を勉強する前に把握したい試験の特徴
- 受験資格の有無
- 出題形式(記述or選択)
- 出題範囲の広さ
- 合格基準
- 面接・口述試験の有無
たとえば出題形式が記述式の場合と選択式の場合では、適切な勉強方法が異なります。記述式では関連用語の完璧な暗記が必要ですが、選択式では用語を見て理解さえできれば問題を解くことが可能です。
このように試験の勉強を始める前に特徴を理解すれば、効率良く資格取得に近づけます。
②スケジュールを決める
試験の特徴を理解したら、資格を取得するまでのスケジュールを決めましょう。まず資格試験によって、受験するための条件や試験の開催頻度は異なります。たとえば多くの国家試験は年1回の開催ですが、民間資格なら数回開催されるものも多いです。
そのため受験する日程を確認してから必要な勉強時間を計算して、資格を取得するまでのスケジュールを決めましょう。
なお就活を控える学生は、履歴書やエントリーシート(ES)を提出するタイミングまでに資格を取得できるかが重要です。取得した資格を履歴書、ESに記入することは、書類選考の通過に直接影響することを覚えておきましょう。
③自分の生活スタイルに合った方法で勉強する
資格取得を目指すうえで、独学で勉強するか・スクールに通うかどちらが良いか悩む人もいるのではないでしょうか。結論、自分の生活スタイルや状況に合った方法で勉強するのがおすすめです。
たとえばアルバイトやそのほかの活動で忙しいなら、オンラインスクールに入れば、動画教材を活用していつでもどこでも資格の勉強ができます。自宅やスキマ時間を活用すれば忙しい状況でも、資格を取得することが実現可能です。
一方スクールに通うほどの資金をかけたくない場合でも、書籍や学習教材を活用すれば資格取得を目指せます。各資格の公式サイトには、過去問題を掲載しているケースも多いため、活用するのがおすすめです。
ただし難関国家資格を目指すとなると、一般的に独学のみでの合格がかなり難しいといわれるものもあります。そのため資格の取得難易度を事前にチェックしておきましょう。
就活までに資格が取得できなくても大丈夫です。選考では「〇月の受験に向けて勉強中です」のように伝えると良いでしょう。
資格があることも大切ですが、目標に向かって努力している姿を見せることも大事なのです。
企業は努力できる人が大好きなので、仕事も間違いなく頑張ってくれそうだ、と思ってもらえるようにアピールしましょう。
④勉強を習慣にする
資格を取得するまでのスケジュールや勉強方法が決まったら、勉強を毎日の習慣にしましょう。勉強が習慣になれば、着々と知識が身に付いて資格を取得しやすくなります。試験日の直前に勉強を始めても合格できる可能性は低く、知識が定着しない点で自分の身になりません。
そのため毎日勉強を続けて、将来のために役立つ知識をつけ、自信を持って受験することが重要です。
なお勉強を習慣づけようとしても、三日坊主でやめてしまう人もいるかもしれません。いきなり1日で8時間勉強しようと目標を立てても、実現できる可能性は低いです。
そこで習慣づけるコツは、目標をできるだけ小さく始めること。1日必ず勉強する目標時間を1時間・30分・10分でも良いので、少なくすることでスムーズに始めやすくなります。
実際にこれを続けてみると勉強を始めることが習慣になり、目標時間を10分として始めても気づいたら1時間以上勉強しているケースがあります。ぜひ試してみてください。
多角的な観点でこれからの時代に役立つ資格を把握しキャリア形成に役立てよう
資格を取ることで就活やキャリアアップに活かせます。しかしほかの学生が持っていて有名だからという理由で資格を取っても、自身に役立つとは限りません。自分の志望業界や描きたいキャリアなど多角的な観点で、これからの時代に役立つ資格を選ぶのが重要です。
記事では資格を選ぶ方法まで解説したので、失敗しないためにもあらかじめチェックしてくださいね。
取りたい資格が決まったら、自分に合った方法で勉強を習慣づけていくことが大切です。限られた時間のなかで、どんなスケジュールなら無理なく勉強できるか、どうすれば効率良く資格を取れるかまでを考えてみてください。そして、資格の勉強・取得を理想のキャリア形成に役立たせましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るこれからの時代を生きる自分への投資としてベストな資格取得を目指そう
現代社会は技術の進化やグローバル化にともない、さまざまな新しいスキルや知識が求められています。この記事では、そんなこれからの時代において役立つとされる資格を紹介していますが、私からも特におすすめな資格をいくつか挙げてみたので参考にしてみてください。
まず、日商簿記は非常に有用です。簿記の知識は多くの業界で必要とされ、特に経理や財務、営業などで重宝されます。2級以上の資格を取得すると、転職や昇進の際に大きなアドバンテージとなるでしょう。
次に、TOEICのスコアは、英語力を証明するために多くの企業で採用されています。特にグローバル企業や外資系企業を目指す場合には、高いスコアが必要です。
さらに、中小企業診断士や社会保険労務士といった専門性の高い国家資格も良いでしょう。これらの資格は独立開業が可能であり、安定した収入を得る手段としても非常に有望な資格です。
また、ITパスポートや基本情報技術者などのIT関連資格も、現代のデジタル社会では重要なスキルとなり、IT業界への就職やキャリアアップに効果的な資格となるでしょう。
さまざまな業界・職種で活かせる資格や独立開業できる資格がおすすめ
資格取得は将来の自分への投資です。努力が報われる日を信じて目標に向かって頑張ってください。皆さんの成功を心から応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細社労士/涌井社会保険労務士事務所代表
Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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