この記事のまとめ
- 企業分析のやり方は3ステップで誰でもすぐにできる
- 企業分析のやり方を工夫することで就活を効率的に進められる
- 興味のある企業同士を比較・分析して自分に合った企業を見つけよう
企業分析をして企業についての理解を深めることで、自分に合った企業を見つけたり、選考対策に役立てられます。自分に合った企業に就職するためにも、企業分析は就活には欠かせません。
そんななか「企業分析のやり方がわからない」「企業分析のやり方が合っているのか不安だ」と頭を悩ませる学生も少なくありません。しかし、企業分析はたったの3ステップで誰でも完璧にマスターできるもの。企業分析の正しいやり方を身に付けることで、就活を有利に進めることができますよ。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、平井さん、富岡さんのアドバイスを交えつつ正しい企業分析のやり方や就活を効率的に進めるためのコツを解説します。企業分析のやり方に悩んでいる人はぜひ実践してみてくださいね。
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就活は時間との勝負! 効率的な企業分析のやり方で就活を有利に進めよう
企業分析をすることで、企業理解が深まり、自分にぴったりの企業を見つけられます。また、企業分析を通して得た知識は面接での質疑応答の対策にも役立ちます。就活はやるべきことが多く、多忙なもの。企業分析の正しいやり方を身につけることで、就活を効率よく進めることができますよ。
この記事では、まず企業分析のやり方を3ステップで紹介。そのうえで、各ステップごとに具体的なやり方を解説していきます。3つのステップを踏むだけで企業分析が完璧にできる状態になりますよ。
さらに記事の後半では、企業分析にありがちな失敗例も併せて解説します。企業分析はやって終わりではなく、就活に役立ててはじめて価値が発揮されるもの。なるべくスムーズに企業分析を終わらせて、そこで得た情報を活かして就活を進めていくことが大切です。
就活は決められた時間のなかで、自分に合った企業に就職を決める必要があります。記事で紹介する企業分析のやり方を参考にして、就活を有利に進めていきましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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ここからスタート! そもそも「企業分析」とは?
企業分析の具体的なやり方を紹介する前に、「そもそも企業分析とはなにか」という基本を理解しておくことが大切です。
企業分析とは企業の情報を詳しく調べ、自分のキャリアビジョンと照らし合わせたり、他社との違いを分析すること。企業分析をすることで、就職先の選定や面接対策などに役立てられます。
たとえば事業について具体的な取り組みを理解せず入社すると、思い描いていた仕事とのギャップを感じることがあります。場合によっては仕事へのやりがいを見出せない状況に陥る危険性もあります。
入社後のギャップに苦しまないためにも、事前に企業分析をおこなうことが大切です。
効率的に就活が進む! 企業分析をする3つのメリット
企業分析をする3つのメリット
- 自分に合った企業が見つかる
- 選考対策につながる
- キャリアビジョンが明確になる
企業分析には、10〜20時間ほどの時間をかけて取り組むことがおすすめです。細部の情報までしっかり分析すると2日程かかる場合もあります。
もちろん3〜4時間程度で企業分析をおこなうこともできますが、企業分析で得た情報は就活におけるさまざまな場面で役立つものです。時間をかけてしっかりと取り組むことをおすすめします。
しかし、なかには「なぜそんなにも時間をかける必要があるのだろう」と疑問に思う人もいるかもしれませんね。そこで、ここからは就活において企業分析をおこなうメリットを紹介します。就活への役立て方を知って、就活をうまく進めていきましょう。
①自分に合った企業が見つかる
世の中には非常に多くの企業があります。さらに同じ業界の企業でも、それぞれ事業内容や身につくスキルには違いがあるので、多くの企業のなかから自分に合った企業を見つけるのは簡単なことではありません。
そこで企業分析をして「企業がどんな事業をしているのか」「他社と比較してどんな強みを持っているのか」など、さまざまな企業の特徴について理解を深めることで、自分との相性を見極めることができるのです。
企業分析をして知った企業の情報と自己分析で見出した自分のキャリアの方向性を照らし合わせることで、自分に合った企業が見つかりますよ。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る自己理解を深めて自分の良さが引き出される企業を見つけよう
自分にあった企業を見つけるにあたって「自分を知ること」も大切です。応募先企業が自分に合っているかどうかを判断するには、自分の判断基準が必要になるのです。自分がどんな仕事をしたいのか、働くうえでなにを大切にしたいのかなど「自分は何を基準にして企業を選ぶのか」を明確にしましょう。
判断基準も仕事内容・働き方・条件の大きく3つに大別されます。たとえば「居心地の良い環境で働きたい」という働き方の基準があるとすると、「自分の良いところが発揮できるかどうか」という点を確認するのがおすすめです。「居心地がいい」と思えるときは、その場にいるときにあなたの良いところが引き出されて発揮できているということです。
「この場は居心地いいな」と感じることを思い出して、その時自分のどんな面が引き出されているのかを考え、自分の良いところを見つけ直してみてください。
②選考対策につながる
企業分析をして集めた情報は選考対策にも役立ちます。特に面接の質疑応答の対策になりますよ。
たとえば面接で「他社にはない自社のサービスの魅力はなんですか」といった企業への興味を図る質問を受けることがあります。そこで、企業分析を通して多角的な情報を取り入れておくことで、さまざまな質問にスムーズに対応できるようになるのです。
ほかにも企業分析をすることで説得力のある志望動機が作成できます。志望動機では他社にはない、企業ならではの魅力を盛り込むことで志望理由に説得力が生まれます。志望度の高さをアピールできますよ。
情報を集めた企業同士を比較・分析すれば、企業ならではの特徴や魅力がわかります。その企業で「自分がどんなことをしたいのか」「なぜこの企業でなければいけないのか」をより明確にできます。
この記事では、受かる志望動機をエントリーシート(ES)に書く4つのステップを紹介しています。志望動機は企業に志望度の高さをアピールできる絶好のチャンス。しっかり対策していきましょう。
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
志望動機でつまずいてしまう人は多くいます。以下の記事では就活支援のプロが好印象を残す志望動機の書き方を解説しているので参考にしてみてください。
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
- 企業分析で得た情報は面接の中でどのように活かすことができますか?
入社後の姿を解像度高く伝えることができる
企業研究をおこなったうえで面接に臨むと、入社後のイメージを膨らませながら思いを伝えることができます。
面接では、志望動機やガクチカといった質問で自身のスキルや強みを入社後どのように活かしていきたいか話す場面が多々あります。志望先の企業の仕事内容と重ねた的の得た回答を話せると好印象につながります。
また逆質問でも、調べればわかる内容の質問を避けられるので、志望度の高さをアピールすることができますよ。
③キャリアビジョンが明確になる
志望する企業の企業分析をすることで、入社後のイメージを具体的にできます。たとえば、企業において「企業の仕事を通してどんな力が身につくのか」「どんなキャリアパスが描けるか」などを調べることで、入社後の姿を鮮明にイメージできるようになるのです。
キャリアプランが明確になれば、理想のキャリアを叶えるために必要な仕事の条件がわかります。「どんなスキルを身につけておくべきか」「どんな環境に身を置くべきか」などの条件を洗い出すことで、自分に合った企業を見つけることができますよ。
社会人経験がないなかでは、企業で働くということに漠然としたイメージを持つことしかできない学生も多いのではないでしょうか。企業分析をして、企業での働き方についてよく調べ、自分の社会人として働く姿やキャリアプランなどを具体的にイメージしましょう。
企業について理解を深めることで、企業選びの軸が定まります。企業選びの軸が明確になると、選考で企業とのマッチ度の高さをアピールできますよ。こちらの記事では企業選びの軸の回答法を紹介しているので参考にしてくださいね。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るキャリアビジョンを明確にすれば面接でのメリット大
面接対策における、企業分析をしてキャリアビジョンを明確にするメリットについて考えてみましょう。
就職軸と合致させたアピールができる
就活では仕事で何を叶えたいかという就職軸が大切です。企業分析をおこない応募企業で実現可能なキャリアビジョンと叶えたいことが合致することで、企業が求める人材としてマッチングしていることをしっかりアピールできますよ。応募企業で実現できるキャリアビジョンと就職軸が合致していることで、企業とのマッチ度の高さがアピールができるのです。
必要なスキルや経験を理解する
企業分析をしてキャリアビジョンが明確になると、キャリアパスで達成するために必要なスキルや経験が理解できます。入社後必要なスキルが明確になれば、関連するスキルを面接でアピールできます。さらに入社後やるべきことを把握していれば、応募企業に向けた効果的なアピールができるようになります。
企業分析をおこないキャリアビジョンを明確にすることで、面接でアピールすべきポイントが具体的になりますよ。
キャリアビジョンを明確にすることで入社後のイメージが想像できます。面接では10年後の自分について質問してくる企業もあります。以下の記事では「10年後の自分」の答え方をまとめているので参考にしてみてください。
就活の「10年後の自分」の答え方! 採用経験者のアドバイス付き
やるべきことはこれだけ! 企業分析のやり方3ステップ
企業分析はやることも多く、「大変そう」「難しそう」だと感じる学生もいるかもしれません。しかし、やることは実にシンプル。たったの3ステップを踏むだけで、誰でも完璧に企業分析をマスターできます。
ここからは企業分析を完璧にマスターするための3ステップを紹介します。まずは企業分析の進め方についての全体像を把握して、やるべきことを整理してくださいね。そのあとで、各ステップの詳細を解説していきます。
3分でできる適職診断! あなたはどのタイプ?
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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ステップ①企業分析で集めるべき情報を知る
企業分析を始めるにあたって、まずは企業について調査するために必要な情報を押さえておきましょう。企業について理解するためには、必ずチェックしておくべき項目がいくつかあります。
企業分析に必須の調査項目
- 会社概要
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 商品・サービス
- 取引先やターゲット顧客
- 業績
- 採用情報
- 環境・制度
ミスマッチ防止に効果的な企業分析の調査項目
- 今後の事業方針
- 経営者の考え
- 実際の社員と会った所感
この記事では、企業分析に必須の調査項目とミスマッチを防止するためにチェックしておくべき項目を詳しく紹介します。またどの情報がなぜ必要になるのかについても紹介します。必要性について知っておくことで、企業分析をスムーズに進めることができますよ。
闇雲に情報を集めると、必要でないデータも集めてしまう可能性があります。場合によっては必要なデータを集められていない場合もあります。企業分析で調べるべき項目を明確にして、必要な情報を漏れなく集めましょう。
ステップ②企業の情報を集める
企業分析において調査するべき項目がわかったら、実際に情報を集めていきましょう。企業分析は企業について集めた情報をもとにして、「自分に合う企業か」「他社との違いはなにか」などの分析を進めます。
企業の情報を集めるためには、さまざまな手段があります。入手したい情報に応じて情報収集ツールを使い分けることで、企業についての豊富な情報を取り入れることができますよ。
企業の情報を集める9のやり方
- 企業のコーポレートサイトを確認する
- 会社説明会に参加する
- インターンシップで仕事を体験してみる
- OB・OG訪問で実際に働く社員に会う
- 就職情報サイトを活用する
- 企業の情報がまとまった書籍を読む
- 経営者が手掛けた書籍や取材記事を活用する
- 新聞やニュースで最新の情報を入手する
- SNSツールでリアルな情報を集める
この記事では、企業の情報を集める9のやり方について詳しく紹介しています。目的に応じて情報収集の方法を使い分けられるように、各ツールの特徴を押さえておいてくださいね。
ステップ③企業ごとの特徴を比較・分析する
企業についての情報が集められたら、最後に企業についてよく分析します。たとえば、「企業ではどんな仕事があってどのような働き方ができるのか」「事業に将来性はあるか」などを調べていきます。
よく企業の情報を集めて満足してしまう学生も見受けられますが、それでは企業分析にはなりません。大切なのは、集めた情報を活用して企業の理解を深めていくことです。
企業分析の例
- 企業の業務のなかで自分の専門知識が活かせるか
- 自分の理想とする働き方と企業の働き方がマッチしているか
- 同業他社と比較してどんなプロダクトに強みを持っているか
また、ほかの企業と比較して分析するのも効果的です。他社と比較することで、企業独自の魅力や強みの発見につながりますよ。
たとえば「競合他社と比較して企業の強みはどんなところにあるのか」「企業独自の取り組みはなにか」などを比較して考えて、企業の特徴を明確にしていきましょう。
「自分にあった企業を探している」という目的を忘れないためには、企業分析ができたら「企業の魅力に感じるポイント」を3つ探して、メモをしておきましょう。どんなところを重視して就職活動をおこなっているのか、就活の軸も一緒に見えてきますよ
ここからスタート! 企業分析で必須の項目8選
企業分析で必須の項目8選
- 会社概要
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 商品・サービス
- 取引先やターゲット顧客
- 業績
- 採用情報
- 環境・制度
まずは、企業分析に必要な項目について見ていきましょう。企業の特徴をしっかり理解するためには、分析に必要な情報を漏れなく取り入れておくことが大切です。ここでは企業分析をするうえで最低限押さえておきたい8つの項目を紹介します。
また、なぜこの項目の分析が必要なのかを理解しておくことも重要。企業理解を深める際に、自分との相性を測る指標になったり、他社との比較するうえでのポイントになりますよ。
項目ごとに分析の際に着目すべきポイントについても紹介するので、項目と併せてチェックしてくださいね。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
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①会社概要
まずチェックすべきは「会社概要」です。会社概要とは、会社の「代表者名」「所在地」「設立日」「資本金」といった会社の基本的な情報を記載したページのことです。会社概要は企業のコーポレートサイトに掲載されているので、確認してみてくださいね。
会社概要でチェックする項目
- 代表者名(フルネーム)
- 会社役員陣の氏名
- 所在地
- 設立年月日
- 資本金
- グループ会社の有無
企業理解を深めるうえで、会社の基本情報は欠かせません。企業によっては、選考の面接担当者を会社の代表や役員陣が担当することもあります。名前を間違えないように、読み方もチェックしておいてくださいね。
また当たり前のことですが、会社は正式名称で覚えておきましょう。特に株式表記は間違えやすいポイントです。後株なのか前株なのかをしっかり押さえておいてくださいね。
会社名は、エントリーシート(ES)やメールなどで頻繁に使用します。正式名称を誤って覚えるなどの事態がないよう注意しましょう。
役員が面接をおこなうこともあるので、役員陣の名前もチェックしておきましょう。また上場企業と非上場企業では、管理体制や仕事の進め方で違いがあるので、チェックしておくといいですよ。
会社概要に書かれている資本金は、学生からすると何を意味するのかわかりにくいと思います。資本金の捉え方はこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しているので、ぜひ参考にしてください。
②事業内容
会社の事業内容をチェックすることで、仕事との相性が確認できます。事業内容とは、企業がおこなう仕事内容のことを言います。たとえば、日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車の主な事業内容は「自動車の生産・販売」です。
同じ業界でも展開している事業内容は企業によって異なるので、必ず確認しておきましょう。また、企業が展開する事業は必ずしも1つであるとは限りません。事業を多角的に展開している企業もあるので、漏れなくチェックしてくださいね。
事業内容の例
- 食品メーカー:食品の製造・販売
- コンサルティング会社:ITコンサルティング
- 人材会社:人材派遣、ヘッドハンティング
事業内容は入社後に自分が任される仕事内容に深く関係します。「興味を持って仕事に取り組めるような内容か」「将来性がありそうか」などの視点をもとに自分との相性を照らし合わせることで、企業の仕事との相性がわかりますよ。
事業内容とは、企業全体として取り組んでいる仕事内容を指します。事業内容を知ることは企業研究の土台になるので、しっかり把握しておきましょう。この記事では、事業内容について詳しく解説しています。
事業内容とは? 業務内容や職務内容との違いも徹底解説
- どんな事業に興味があるかわかりません、自分に合った事業を見つけるポイントを教えてください。
役に立ちたい人を思い浮かべて考えてみよう
「自分は誰の味方になりたいか」と発想してみるのがおすすめです。
仕事は誰かの役にたって、報酬を得ることです。あなたにとっての「誰か」は、具体的にどんなことで困っている、あるいは悩んでいる人なのかイメージしてみてください。
イメージできたら、それに関係する一連の事業を調べます。一連とは、上流から下流までの事業を指します。たとえば「家族にあった家を建てて、楽しく暮らす人を増やしたい」なら、建設業界がぴったりです。
建設業界の上流工程は、ディベロッパー、都市開発設計、国土交通省、地方自治体などがあります。下流工程は、設計事務所、ゼネコン、メンテナンス、リノベーションなどが挙げられます。
このように、役に立ちたい人を軸にすることで、自分に合った事業を見つけることができますよ。
③ビジネスモデル
企業のビジネスモデルを知って、企業が利益を生み出す仕組みを把握しておきましょう。ビジネスモデルとは、企業が世の中に価値を提供し、お金を生み出す仕組みのことを言います。
ビジネスモデルは「誰に」「何を」「どのように」の3つの視点で考えてみましょう。この視点から提供できる付加価値をふまえ、どの程度の収益を得るのかを検討してみてください。
ビジネスモデルを知ることで事業全体の理解が深まります。また、ビジネスモデルがわかれば自分の将来任される仕事がどんな人やモノに価値を生み出しているのかがわかります。企業のビジネスモデルと自分が仕事を通して成し遂げたいことが一致しているかチェックしてみてくださいね。
一般的な企業のビジネスモデルはBtoCビジネスかBtoBビジネスにわかれます。この記事では、BtoB企業について基礎知識から働くうえでの魅力について紹介しているので参考にしてくださいね。
BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
BtoCとは個人消費者にサービス・商品を提供するビジネスモデルのことです。この記事では、BtoCで働くメリット・デメリットについて詳しく説明しているのでぜひチェックしてみてください。
BtoCとは? BtoBとの違いや向いている人を徹底解説
④商品・サービス
志望企業が提供している商品やサービスをチェックしましょう。同じ事業を展開している企業でも、力を入れている商品・サービスは異なります。「売上の基盤となるサービスはなにか」「商品やサービスにはどんな特徴があるか」などを確認してくださいね。
たとえば人材業界でいうと、人材を企業に紹介するエージェントサービスなどのリアルプロダクトに力を入れている企業もいれば、面接時のマナーなど就活のノウハウを提供する就職に関するメディアの運営に力をいれている企業もあります。
同業他社との比較したときの、企業の商品・サービスの強みや提供方法の違いなどについてもまとめておけると、企業についての理解を深めることができますよ。
次の記事では、人材業界に向いている人の特徴を紹介しています。その特徴と企業が求めている人材を照らし合わせる参考にしてみてくださいね。
人材業界に向いてる人の特徴8選! 仕事内容別に徹底解説
⑤取引先やターゲット顧客
企業の取引先やターゲット顧客についてもチェックしておきましょう。取引先は、将来の自分の顧客になる可能性があります。企業が提供している商品・サービスは個人もしくは法人のどちらに提供しているのか、国内もしくは海外に向けて展開しているのかなど確認しましょう。
ターゲット顧客とは、自社の商品やサービスを提供・販売する対象となる顧客のことを指します。今後仕事を通してどんな人に商品やサービスをなどの価値を提供していくのかを知っておくことで、業務イメージが明確になります。
たとえば、飲食店のターゲット顧客は一般消費者です。「料理」や「食事を楽しむ空間」を提供することで利益を得ています。また、食品を製造・提供する食品メーカーのターゲット顧客は、飲食店です。飲食店に製造した食品を提供することで利益を得ています。
このように取引先やターゲット顧客を知ることで、どんな人に向けて仕事をおこなうのかがわかります。働き方について具体的にイメージできるようになりますよ。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見るターゲットを明確にして入社後のイメージを膨らませよう
取引先やターゲットを調べておくと、入社後の自分の仕事ややるべきことが明確になり、志望動機や入社後何をしたいかという質問への回答の解像度を上げることができます。
たとえばメガバンクと地方銀行はどちらも金融業界であり、「預金業務」「為替業務」「融資業務」が3大業務と言われています。
メガバンクの顧客は大手上場企業が中心であるのに対し、地方銀行は地方の大手企業や中小企業が主な顧客となるといった違いがあります。そのため、メガバンクは世界を見ながら日本経済を、地方銀行は地域経済を支える役割が強いことがわかります。
金融以外の業界でも同様です。仕事を通してどんな貢献がしたいか、そのためにはどんな人や企業をターゲットに働くと達成できるのかを追求してみてくださいね。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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⑥業績
企業の業績も注目すべき大切な指標です。業績とは、ビジネスで得られる売上高や利益のような成果を指します。たとえどんなに素晴らしい事業を展開していても、売上につながらなければ経営を存続させることはできません。
将来、みなさんの給与や雇用に深くかかわるものになるので、志望する企業の業績がどのような経営状態にあるのか必ずチェックしておいてくださいね。
企業の業績を知るためには、企業の1年間の財務状況をまとめた財務諸表を確認しましょう。業績を知るために重要な財務諸表が3つあります。
業績を知るうえで押さえておきたい財務諸表
- 損益計算書
- 貸借対照表
- キャッシュフロー計算書
損益計算書とは?
年度ごとの「収益」「費用」「利益」が記されている。つまり企業がその年度で、いくら儲けたのかがわかる資料。
損益計算書の中でも注目すべきポイントは、「売上高営業利益率」。一般的に売上高営業利益率が5%を超えると業績が良い企業と判断できる。
貸借対照表とは?
企業が保有する「資産」「負債」「純資産」がわかる資料のことで、貸借対照表をチェックすることで企業の財政状態を把握できる。
企業の業績を測るには、「自己資本比率」を要チェック。一般的に自己資本比率が20%以上あることが望ましいと言われていて、20%未満の企業は赤字や借入金が大きく経営状況が悪いと判断できる。
キャッシュフロー計算書とは?
決算における「お金の流れ」を示す資料。
重点的に見るべきポイントは「営業活動によるキャッシュフロー」。この数値がマイナスの場合は、会社の事業がうまくいっていないことを示している。
⑦採用情報
採用情報もチェックしておくべき項目です。採用情報とは企業が自社の採用をおこなう際に必要な情報をまとめたもののことを言います。「募集職種」「業務内容」「勤務地」「給与」などの仕事内容や働くうえでの待遇条件についての記載があります。
ほかにも、選考フローや募集に必要な条件、求める人物像など選考を進めるうえで必要な情報がまとめてあります。採用情報に書かれている内容は、選考対策や企業選びに役立ちますよ。
たとえば、選考フローにWebテストの実施が予定されていれば前もってWebテストの対策を進めておけます。ほかにも、採用要件から企業の求める人物を知ることで効果的なアプローチができるようになります。
採用情報のなかで特に注意して確認しておくべき項目は、必要な資格やスキルなどの応募条件です。
たとえば「TOEICスコア600点以上歓迎」と記載されている場合は、取得していなくても応募はできます。しかし、条件だけ記載されている場合は、「TOEICスコア600点以上取得していること」が応募の条件になります。もしTOEICスコアが基準を満たしていない場合には、応募は難しいと判断できます。
⑧環境・制度
企業の職場環境や社内制度についてチェックしておくことで、企業で働くイメージを具体的にできます。社風・文化や社内独自の取り組みについて調べてみましょう。
企業によって社風や社内独自の文化はさまざま。自分に合った職場環境であるのかチェックしておきましょう。
社風・社内文化の例
- チームワークを大切にする
- 一人ひとりの価値観を尊重した個人主義を重んじる
- 実績を重視する
- 努力した過程を評価する
また、社内制度も企業選びをするうえで重要な指標になります。仕事内容以外にも、働く環境は大切です。自分に合った働き方を実現できるか考えてみてくださいね。
社内制度の例
- 給与、賞与
- 勤務地
- 福利厚生
たとえば、企業独自の福利厚生について調べてみることがおすすめです。企業ごとに働き方の充実度を上げるために独自の取り組みをしています。自分が働きやすい環境や目標を叶えるための企業のサポートがあると仕事をするうえでの充実度がアップしますよ。
福利厚生の例
- 資格支援制度
- 特別休暇制度
- ファミリーサポート制度
継続して力を発揮し続けるために、自分にあった働き方を見つけることはとても大切です。納得して働き続けるためにも、仕事環境や制度などをしっかり吟味したうえで就職先を選びましょう。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る企業ごとにどのようにキャリアを積むのか調べてみよう
ここまで解説した以外にも、企業での働き方についても情報収集していきましょう。今までの日本の企業は「終身雇用」「年功序列」が主流で、企業の社員は仕事内容や勤務地が限定されない「メンバーシップ型雇用」が多く見られました。入社後は部署異動なども積極的におこなわれ、さまざまな仕事を経験することが多いです。
一方で海外で主流なのは、職に必要なスキルを明示して募集し雇用する「ジョブ型雇用」です。終身雇用は少なく、自身でスキルを磨き転職し、キャリアアップをはかることが一般的です。
スペシャリストになることも選択肢の一つ
最近は日本でもジョブ型雇用の採用が増えてきました。職務経験のない新卒の採用はポテンシャル採用と言われていますが、採用の時点でどこの部署に配属になりたいかの希望を聞き、入社後の異動はなく、その分野でのスペシャリストを育成する採用もあります。
「内定・入社=ゴール」ではなく、中長期的な視点で見て、自分はどのようなキャリアを築いていきたいのか考えてみてくださいね。
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
相性をチェック! ミスマッチ防止に効果的な企業分析の項目3選
ミスマッチ防止に効果的な企業分析の項目3選
- 今後の事業方針
- 経営者の考え
- 実際の社員と会った所感
ここまでは企業分析に必須の項目を説明していきました。ここから、入社後のミスマッチを防止するために効果的なチェック項目を紹介していきます。
「自分の得意分野が業務で発揮できない」「企業の方向性とやりたいことがマッチしていない」など企業とミスマッチがあっては、なかなか実力を発揮することができません。
新卒での就職は、キャリアの土台となる重要な選択です。自分の実力を仕事で発揮したり、イキイキと働ける環境に身を置くためにも、ここから紹介する項目に注目してみてくださいね。
①今後の事業方針
企業の事業方針を確認しておくことで、会社の将来性について予測を立てることができます。たとえば、「これから新しい事業を立ち上げる」「世の中にまだない革新的なサービスを企画している」など経営状況の変化に大きく関係する情報があるかもしれません。
また、今後の事業方針のなかに自分の興味のある分野に携わる事業を予定している場合もあります。見逃さないようにチェックしておきましょう。
たとえば英語を使って働きたいというキャリアプランを持っている場合、現段階で英語を使う仕事がなくても、今後の経営計画として海外支社の展開を計画していた場合には仕事で英語が必要になる機会が生まれることも考えられます。
また、もしそこで英語力に自信のある社員が少なかった場合には語学力のある社員が英語を活用する部署に抜擢される可能性もあるのです。企業も大きく成長していくために、さまざまな計画を立てているので、今後の取り組みについてチェックしてみてくださいね。
②経営者の考え
企業の代表である、経営者の思考を知ることも企業の理解を深めるのに効果的です。経営者がどのような考えのもと会社を運営しているのかを知ることで、会社の雰囲気や会社の方針について理解を深めることができますよ。
特に規模の小さい企業ほど、企業のトップである経営者の考えが企業の雰囲気や方針に強く反映されます。中小・ベンチャー企業では最終面接などを社長自らおこなう場合もあるので、選考対策にもつながりますよ。
「経営者の考えに共感できるポイントがあるか」「会社の方針は納得感が持てるものか」など自分の考え方と重ねてマッチ度を確認してみましょう。
経営者の考え方をチェックできるおすすめツール
- 経営者の自伝・書籍
- 経営者が運営するブログ
- 企業が配信しているSNS
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る経営者の考えがわかると選考で一歩差が付く
情報収集した「経営者の考え」を上手く選考に活かす方法について考えてみましょう。
志望動機に盛り込む
志望動機のなかで、経営者の考えに共感したことを盛り込むことがおすすめです。具体的に「どういった考えに共感したか」「これまでの経験を通じてなぜ共感したのか」「経営者の考えを踏まえてどういった社会人になりたいか」まで盛り込めると、ほかの学生と差別化できます。
経営者の考えに共感する姿勢を示すだけでなく、経営者の考えに基づく社風になじめる人材であることをアピールしましょう。
質問に盛り込む
面接には学生から企業の担当者に質問できる「逆質問」の機会があります。そこで「経営者の考えの源は何か」など経営者の考えを知っているからこそできる質問を投げかけてみるのもおすすめです。回答を得られたら、共感できることを言葉で伝えましょう。
③実際の社員と会った所感
OB・OG訪問やインターンシップなどに参加した際には、実際の社員とコミュニケーションをとったときに感じたことをメモとして残しておくことがおすすめです。「社員の雰囲気」「仕事に対しての取り組み方」など印象に残った部分をまとめておきましょう。
就活をするなかではなかなかイメージしにくいかもしれませんが、入社後は今までコミュニケーションを取っていた社員と一緒にメンバーの一員として働くことになります。自分と雰囲気が合うか、一緒に働きたいと思えるかどうかは非常に重要です。
人の記憶は薄れやすいもの。その時に感じたことはメモに残しておくと企業分析の際に役立ちます。「自分の雰囲気と合っていそう」「仕事への価値観に共感した」など自分の所感を盛り込むことで、そのときの感情を思い出しやすくなりますよ。
幅広いツールを活用しよう! 企業の情報を集める9のやり方
企業の情報を集める9のやり方
- 企業のコーポレートサイトを確認する
- 会社説明会に参加する
- インターンシップで仕事を体験してみる
- OB・OG訪問で実際に働く社員に会う
- 就職情報サイトを活用する
- 企業の情報がまとまった書籍を読む
- 経営者が手掛けた書籍や取材記事を活用する
- 新聞やニュースで最新の情報を入手する
- SNSツールでリアルな情報を集める
企業分析を正確におこなうためには、企業についての正しい情報を入手する必要があります。ただ企業の情報はさまざまなツールにまとまっているので、どのように企業の情報を集めていいのか困ってしまう学生も多くいます。
そこでここからは、企業の情報を集める9のやり方を紹介します。企業分析をうまく進めるコツは、さまざまな情報収集ツールを組み合わせてなるべく信頼性のある情報を手に入れること。調べる項目ごとにうまく情報ツールを使い分けられるように工夫していきましょう。
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①企業のコーポレートサイトを確認する
企業情報について調べる際には、まず企業のコーポレートサイトを確認しましょう。コーポレートサイトは企業が公式に情報を提供しているので、信頼性のある情報が手に入ります。特に最新の情報はコーポレートサイトを確認するのが確実です。
基本的な企業の情報が集約されているので、まずコーポレートサイトで情報を確認したうえで、不足分や補足となる情報をほかのツールを活用して情報を取り入れていくといいですよ。
②会社説明会に参加する
企業説明会は、その企業について理解を深める絶好の機会です。会社説明会は、企業のことをよく知ってもらおうと企業が開催しているものなので、担当者が企業のことをわかりやすく説明してくれます。
企業によっては学生から質問を受け付け、企業の担当者が学生の疑問に回答する場合もあります。コーポレートサイトで手に入らなかった情報や気になることを質問することで疑問を解消できますよ。
わからないことがあれば積極的に質問したり、ほかの学生の質問のなかで気になる点は些細なこともメモをとっておくなどすると企業分析をする際に役立ちます。
また、選考の詳細について説明を受ける可能性もあります。ネットには載っていない情報を手に入れることができる場合もあるので、特に志望度の高い企業の説明会には参加するようにしましょう。
企業説明会の質問例についてはこちらの記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてくださいね。
企業説明会で絶対に聞くべき質問30選! 聞かない方が良い質問も
会社説明会はWebでおこなわれることもあります。PCやスマートフォンを通してどこからでも参加でき、利便性が高いメリットがありますよ。この記事では、Webでの会社説明会への参加に押さえておきたい情報をまとめています。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
③インターンシップで仕事を体験してみる
企業のインターンに参加してみるというのも企業の情報を集めるのに効果的な方法です。インターンとは、企業の業務を実際に体験できる機会のこと。
企業の業務を実際に体験することで、仕事との相性をチェックすることができますよ。「業務において自分の得意分野が活かせるか」「自分の興味の持てる分野か」など企業や業務との相性をチェックしておきましょう。
また、インターンでは実際に働く社員と交流できるので、社風の理解も深まります。自分が働く姿を具体的にイメージできるようになりますよ。「社員はどんな雰囲気で業務に取り組んでいるか」「チーム内でのコミュニケーションは活発か」など仕事への取り組み方を確認してみてくださいね。
自分に合ったインターンに参加することで就活を有利に進めることができます。この記事では、インターンに参加するメリットや自分に合ったインターン選びの方法まで詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
実際の仕事に取り組むことで、自分と会社との相性がわかります。「自分の強みを発揮できたか」「自分の取り組みが評価されたか」「周囲とうまく関係づくりができたか」などをチェックして、リアルな情報を入手しましょう。
④OB・OG訪問で実際に働く社員に会う
企業についてより深く理解するためには、社員のリアルな声が聞けるOB・OG訪問もおすすめ。
OB・OG訪問とは
興味のある業界や企業で働いている先輩を訪ね、実際の仕事内容や社内の雰囲気などの情報をたずねること
実際の社員の生の声を聞くことで、企業の理解が深まりますよ。「どのようなときに仕事のやりがいを感じるか」「会社で活躍している社員の共通点はなにか」など企業で働く社員だからこそ知っているような内容をたずねてみましょう。ネットにはない貴重な情報を手に入れることができます。
また、こちらから申し込むことによって、志望意欲の高さもアピールできます。特に志望度の高い企業の情報を集める場合におすすめの方法です。
もし志望企業にOB・OGがいなくても心配する必要はありません。Matcher(マッチャー)やビズリーチ・キャンパスなどといったOB・OG訪問をサポートする就活サイトがあるので、そちらを活用するといいですよ。
OB・OG訪問でおすすめの質問例
- 1日の仕事のスケジュールを教えてください。
- 仕事をするうえで大切にしていることはありますか?
- 企業に入社を決めた理由を教えてください。
- 所属する部署ではどのような目標を追っていますか?
- 入社の動機や決め手を教えてください。
OB・OGであるからといって安心しきって失礼がないようにしましょう。社員は仕事の時間を割いて対応してくれているので、感謝の気持ちを持って訪問することが大切です。社会人として相応しい振る舞いを心掛けましょう。
OB・OG訪問は企業で実際に働く社員からリアルな情報を入手できる貴重な機会です。この記事では、OB・OG訪問を活用して就活を有利に進める方法を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問をする際には事前に当日の質問をまとめておくことがおすすめです。質問次第で得られる情報に大きな差ができます。この記事では、OB・OG訪問で聞いておくべき質問について紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
⑤就職情報サイトを活用する
就職専門の情報サイトの活用もおすすめです。就職情報サイトには、リクナビ、マイナビのようなナビサイトやみん就(みんなの就職活動日記)、就活会議のような口コミサイトなど、さまざまな種類のサイトがあります。
ナビサイトでは、企業が求人情報を登録しており、学生は企業の選考やインターンシップのエントリーができます。求人情報からは企業の選考フローや採用要件についての情報を集めることができますよ。
口コミサイトとは、特定の企業で働くもしくは働いていた社員や企業の選考に参加した学生が、企業についての情報を「口コミ」として投稿できるものです。企業での働き方やインターン選考の体験記などリアルな情報を手に入れることができます。
ただし、口コミサイトは匿名で投稿できる特性ゆえに正確でない情報が含まれているケースもあります。情報の信頼性は必ず自分でチェックして、情報の取捨選択をおこなうことが大切です。
⑥企業の情報がまとまった書籍を読む
企業情報がまとまっている書籍を参考にするのもおすすめです。書籍を活用することで、企業情報の全体像を把握したり、網羅的に知識を得たりするのに向いています。
また、書籍は就職のプロが執筆や監修をしていることが多く、さらに発売されるまでに情報の正確性を厳しくチェックされたうえで出版しているので、ネットと比較して信頼性のある情報を入手することができますよ。
企業分析におすすめの書籍
- 業界地図
日本の主要企業の業績や今後の動向などを地図のようにわかりやすくまとめた書籍。自分が調べている企業が業界でどんな立ち位置にいるのかを把握できます。 - 就職四季報
東洋経済新報社が発行している学生向けの情報誌。ネットではなかなか手に入らない「採用実績」「離職率」など会社の実情を知るための情報がつまっています。
書籍を購入する際には、必ず最新のものを選びましょう。年度によって採用方針など企業情報が変化することもあります。なるべく3年以内のものを参考にしてくださいね。
この記事では、就職四季報の活用方法について紹介しています。就活を有利に進める使い方のコツも紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
⑦経営者が手掛けた書籍や取材記事を活用する
経営者の思想は企業理念や社内文化として強く反映されます。志望企業の経営者が書籍を出版したり、インタビューを受けている場合は、積極的に読んでみましょう。企業の雰囲気や会社の方向性について理解を深めることができますよ。
特に、創業者の書いた書籍は、企業理念のもとになるエピソードや事業を立ち上げた背景が書かれているケースが多いので、企業理解を深めるのにぴったりです。
ほかにも、就活サイトなどで経営者についてインタビュー記事がまとまっていることもあります。経営者の名前で検索すると、さまざまサイトや書籍がヒットするのでぜひ参考にしてみてくださいね。
特に最終面接の面接官が経営者であることがわかっている場合には、チェックしておくことをおすすめします。会話のきっかけにもなりますよ。
未上場の企業の経営者やオーナー企業の経営者であれば、経営者の考え方が社員の働き方や業務内容に影響することがあります。一方で上場企業では、株主の意見が事業方針に反映されることもあるので、経営者の考え方が浸透しにくい場合もあります。
⑧新聞やニュースで最新の情報を入手する
信頼性の高い情報を集めるためには、新聞やニュースの活用がおすすめです。特に特定の業界に絞って就活をしている場合は、業界新聞が役に立ちます。
業界紙とは、業界新聞とも呼ばれており、特定の産業や業界の話題に特化した記事を掲載している新聞のことを言います。特定の業界にまつわる専門的な情報が豊富に掲載されています。
業界地図や四季報よりも、最新の情報が掲載されているので、どんな企業が今どのような取り組みをしているか、タイムリーな情報を知ることができますよ。
⑨SNSツールでリアルな情報を集める
近年、各企業ではSNSを採用ツールとして活用する企業が増えています。自社のことを学生によく知ってもらうために、SNSを通して企業の情報や社内の雰囲気などの情報を発信しています。
SNSでは企業のリアルな情報を取り入れることができますよ。TwitterやInstagramなどのSNSツールで企業名を検索してみましょう。
また、SNSを活用すれば企業と気軽にやり取りできることがあります。メッセージ機能を活用して企業に質問や感想を投げかけることで、企業についての情報を集めながらコミュニケーションを取ることができます。
学生から積極的にコミュニケーションを取ることで、志望度の高さや主体性をアピールできます。ただし、SNS上でやり取りするということは自分のことも相手に見られていることでもあります。マナーをしっかり守ったやり取りを心掛けましょう。
- 企業とSNS上でやり取りをする際に気を付けたほうが良いことはありますか?
書き言葉や句読点を使ったやり取りを心がけよう
チャット形式のメッセージサービスのやりとりが、友達感覚にならないように注意しましょう。ビジネスメールをマスターする第一歩だと思って取り組んでくださいね。
まず、話し言葉や打ち言葉を使わないようにしましょう。たとえば「どうしたらいい?」と聞きたいときは、「どうしたらよろしいでしょうか」といったような書き言葉を使います。
また、スタンプを使用しないようにしましょう。企業とのやりとりではスタンプでのコミュニケーションはおこないません。句読点を適宜使いましょう。句読点を活用することで相手にとってわかりやすい文章になります。
自分に合った企業が見つかる! 企業同士を比較・分析するやり方
最後に集めた情報をもとにして企業分析を進めていきましょう。企業の情報を集めて満足してしまう学生もいますが、集めた情報から就活に活かせる形で情報をまとめるのが企業分析です。
たとえば自分に合った企業を見つけたいという目的の人は、企業分析で集めた企業情報と自分の求める就職先の条件と照らし合わせることで企業とのマッチ度をチェックできます。
企業を分析する方法はいくつかあるので、自分の目的にそってやり方を工夫できるようにチェックしてみてくださいね。
他社との違いを見つける
同業他社と比較することで、企業の特徴が発見できます。企業分析を通して、企業ならではの強みや企業独自の取り組みについて理解を深めていきましょう。
企業ならではの魅力に触れられれば説得力のある志望動機を作成できます。企業同士を比較することで「企業でしかできないこと」「企業でなければならないこと」などを志望動機に取り入れてみてくださいね。
また、選考の対策にもつながります。面接では同業他社、特に競合企業と比べてどういったところが魅力的だったのかを聞かれることもあります。競合他社との差異を明確に回答することで、企業への理解度をアピールできますよ。
企業研究ノートを作成すると企業同士の比較・分析がしやすくなります。また、面接時にノートを見ればすぐに企業の情報がわかる万能なアイテムです。この記事を参考にして自分に合った企業研究ノートを作成してみてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
まとめた企業の情報は、就活ノートにまとめておくのがおすすめです。就活を効率よく進めることができますよ。「就活ノート」についての詳しい説明はこの記事を参考にしてくださいね。
就活ノートとは? まとめ方を工夫して選考の心強い味方にしよう
業界内での位置付けを明確にする
業界内での企業の立ち位置を調べることも重要です。市場には競合企業が多く、同様のサービスを展開している企業もあります。志望企業が業界のなかでどのような立ち位置にいるのか理解することで、企業独自の強みや経営状況を把握できますよ。
1つの指標として、売上高や市場シェアを理解することで業界内での立ち位置がわかります。たとえば、市場シェアの割合が高いほど市場における影響度が高いということになります。
ほかにも「業態」「企業規模」「資本金」などさまざまな切り口で他社比較をすることができますよ。
この記事では、就職活動で役立つ業界一覧をまとめています。自分の興味のある業界を見つけたうえで、企業分析を進めていくのもおすすめです。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
自己分析の結果とのマッチ度を確認する
企業分析をしないままなんとなくのイメージだけで企業を選ぶと、入社後のミスマッチが起こりやすくなります。自分に合った企業を見極めるためにも企業分析を活用しましょう。
自己分析をして得た情報と企業分析で得た情報を掛け合わせることで、自分に合った企業を見つけることができます。たとえば、「安定した企業で働きたい」といった場合は、企業が展開する事業の将来性やライフステージの変化に柔軟に対応してくれる社会制度があるかなどを確認してみてくださいね。
自己分析では、「自分がどんな働き方をしたいのか」「どんな要素を会社に求めるのか」など企業に求める条件を明確にしておくといいですよ。
企業に求める条件の例
- ワークライフバランスの整った環境で働きたい
- 若いうちから裁量のある仕事がしたい
- 安定性のある企業で働きたい
自分の理想とする働き方ができる企業か、自分が仕事に求める条件とマッチした企業かなどをチェックしてみてくださいね。
自己分析をすることで自分が向いている仕事や働きやすいと思う環境がわかります。企業選びに重要な条件が見えてきますよ。この記事で紹介している自己分析マニュアル完全版を参考にして、自分に合った企業選びを進めてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
- 企業分析が大事なのはわかりますが、企業分析をしても、就活への活かし方がわかりません。企業分析は本当に就活に役立つのでしょうか?
企業分析は確実に役立つ
面接官は採用のプロです。また1日に何人もの学生と面接するなど、多くの学生とコミュニケーションを取っています。そのため、企業分析が不十分のまま面接を受けると、その会社・業界の知識の浅さをすぐに見抜かれてしまいます。
企業分析をおこなうとその企業や業界へのアンテナが立つようになり、ニュースなども目に入ってくるようになります。考えが日々深まり、ESや面接の質が向上するので信じて頑張ってみましょう。
思考の整理に役立つ! 企業分析に活用できるフレームワーク4選
企業分析に活用できるフレームワーク4選
- 3C分析
- SWOT分析
- ファイブフォース分析
- 財務分析
ここからは、企業分析をする際に役立つフレームワークを紹介します。決められた型に沿って企業理解を深めていくことができるので、企業分析がしやすくなりますよ。
また、フレームワークを活用すれば多角的な視点で情報を集めることができます。網羅的に分析できるのもフレームワークを活用する魅力の1つです。
フレームワーク①3C分析
3C分析とは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つのCを分析する方法です。企業を取り巻く環境についての理解を深めることで、業界における企業の立ち位置を把握できますよ。
3C分析をする際に押さえておくべき項目
- Customer:企業の顧客
企業の事業、商品やサービスの現状(売上、市場シェア、商品のラインナップなど)など - Company:分析先の企業
企業の事業、商品やサービスの現状(売上、市場シェア、商品のラインナップなど)、資本力など - Competitor:競合他社
分析対象の企業の競合他社
3C分析をすることで事業の進行方向についても理解が深まります。分析先企業の事業と競合他社の事業を照らし合わせて考えることで、企業の市場における強みや弱みなどを把握できます。
フレームワーク②SWOT分析
SWOT分析(スウォット分析)は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、 Opportunity(機会)、 Threat(脅威)の頭文字をとって、SWOT分析と呼ばれています。
企業を取り巻く外部環境と内部環境のプラス面とマイナス面をそれぞれ分析することで、企業の事業の改善点や伸ばすべきポイントなどを把握できます。事業の強みだけでなく、弱点も分析できるので、網羅的に企業分析をしたい人におすすめです。
- Strength(強み):内部環境のプラス要素
企業の商品・サービスの強みや得意とするもの - Weakness(弱み):内部環境のマイナス要素
企業の商品・サービスの弱みや苦手とするもの - Opportunity(機会):外部環境のプラス要素
社会や市場の変化などにより、分析対象の企業にとってプラスに働くもの - Threat(脅威):外部環境のマイナス要素
経済や市場の変化などにより、分析対象の企業に悪影響を及ぼすと考えられるもの
企業分析では、企業の強みだけではなく事業におけるリスクも押さえておくことがおすすめです。どのようなモノや状況が企業の事業にネガティブな影響を及ぼす可能性があるのかを把握しておきましょう。
事業におけるポジティブな面・ネガティブな面のどちらの側面も考慮したうえで、就職先を選んでくださいね。
フレームワーク③ファイブフォース分析
ファイブフォース(5フォース)分析とは、競合他社や業界全体の状況と収益構造を明らかにすることで、企業の利益の上げやすさを分析するフレームワークです。
5フォース分析の「フォース」とは「脅威」という意味があり、競争要因のことを指します。企業が市場でさらされている脅威を5つに分類して、それぞれの脅威を分析することで、企業の競争優位性を知ることができます。
- ①競合他社
業界内での競争は、競合他社との直接的な競争を表します。どんな企業でも、業界内での競合が多いほど収益性は下がる傾向にあります。 - ②新規参入
基本的に新規参入のハードルが低いほど競合が増えることで価格競争が起き、収益性は下がる傾向にあります。一方で新規参入ハードルが高い業界では価格競争が起きにくいため、一定以上の収益性を確保できます。 - ③売り手
「売り手の交渉力」とは、売り手(サプライヤー)と企業の間にある力関係のことを指します。同質・同価格の商品やサービスを扱う売り手が多ければ企業が力を持ち、価格交渉などを優位に進めることができます。一方で、逆になれば売り手が力を持ちます。
※サプライヤー:企業活動に必要な原材料やサービスなどを供給する売り手のこと。 - ④買い手
「買い手の交渉力」とは、企業のターゲット顧客と企業の間にある力関係のことを指します。基本的に競合が多く、価格競争が激しい業界では買い手優位の市場になるので収益性は下がります。 - ⑤代替品
代替品とは、企業の商品・サービスの代わりになる価値を持つモノを表します。ここで言う、代替品とは同業他社の競合製品ではなく他業界の商品・サービスのことを示します。たとえば、書籍の代替品となるのが電子書籍の存在です。
ファイブフォース分析を活用して、就職先の企業の将来性や事業の成長性について理解を深めましょう。事業の成長は、雇用の安定や給与アップなどにつながります。長く働けるような企業の状態であるかを確認することも大切ですよ。
フレームワーク④財務分析
財務分析は、財務諸表のデータを見て企業の経営状況や将来性を分析する方法です。財務諸表には「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3つがあり、それぞれ企業が上げた利益や財政状況、お金の流れなどがわかります。
財務分析をすることで、企業のお金の流れや経営状況について理解を深めることができます。客観的に経営状況や今後の成長性を知りたい人におすすめのフレームワークです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る財務分析のチェックポイントを押さえよう
損益計算書
損益計算書では、営業利益をチェックしましょう。営業利益は本業の売上高から売上原価を引いた利益であり、営業利益がプラスになっているかが大切です。赤字であれば本業で儲けていないことになり、改善が求められます。
貸借対照表
賃借対照表では、特に資産の部と純資産の部の数値から自己資本比率を見極めることが重要です。純資産の部の合計(自己資本)を資産の部の合計(総資産)で割って100を掛けた数値が自己資本比率になります。30%以上が望ましいですが、自己資本比率が低いと他人資本で経営していることになり、借金を返済できないリスクがあります。
キャッシュフロー計算書(営業キャッシュフロー)
キャッシュフロー計算書では、営業キャッシュフローに着目してください。キャッシュフロー計算書の定義は、現金とすぐに現金化できるものがあり、企業の安全性を測るうえで重要な指標です。特に本業の状況を把握できる営業キャッシュフローがマイナスだと黒字倒産のリスクがありますよ。
見逃し厳禁! 企業分析をする際にありがちな3つの注意点
最後に企業分析をおこなうにあたってありがちな3つの注意点を紹介します。なかには多くの学生が無意識におこなっているものもあります。失敗例を未然に防ぎましょう。
また、注意点を押さえておくことで就活を効率的に進めることができます。はじめからやり直すなどの手間を省くためにも注意点について事前に押さえておいてくださいね。
注意点①企業分析をする目的を見失わない
企業分析をする目的を常に明確にしておくことが大切です。企業分析を進めていると、いつの間にか情報を集めることに時間を使いすぎてしまったり、情報を集めただけで企業分析ができていると思ってしまうなど、目的とずれてしまうことがあります。
企業分析の目的は、企業の情報を集めることでもまとめることでもなく、そこから選考に活かしたり、自分に合った企業を見つけることです。企業分析をして自分がどんなことを得たいのかを常に頭に入れた状態で企業分析に取り組むようにしましょう。
対策としては、企業分析をする目的をメモするなど「見える化」しておくことがおすすめです。今取り組んでいる内容が目的に沿ったものであるか常に意識しながら企業分析を進めてくださいね。
福利厚生などの企業の条件だけを見比べて仕事内容の情報収集がおろそかになっては、本末転倒です。
特に制度や給与などは、企業によってさまざまですべてを調べようとするとかなりの時間が必要になります。制度や給与は「最低限これだけ調べる」など分析する範囲をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
注意点②信頼性の高い情報を集める
企業についての情報を集めるときは、必ず情報の信頼性をチェックするようにしましょう。いくら情報を集めても、正しい情報でないものや企業の現状と異なるものであれば正しい企業分析ができません。
特に、口コミサイトや就職情報サイトなど企業が発信していない情報源の場合は、必ず正しい情報であるのかを確認してから分析に活用しましょう。
また、就職四季報などの書籍については、最新のものを参考にしてください。採用年度から時間が経過しているものに関しては、現在の情報と異なる場合もあります。情報の正誤と併せて、情報が最新のものであるのかもチェックしましょう。
注意点③情報源が偏らないようにする
情報を集める際には、複数の情報源を参考にすることがおすすめです。情報源によっては掲載情報に偏りがあったり、個人の主観的な意見が書かれている可能性もあります。
あくまでも自分自身の価値基準に当てはめて考え、自分にとってその企業の理念は共感できるものか、仕事に意欲的に取り組める環境かどうかを考えるのが企業分析です。
フラットな視点で客観的に判断するためにも、企業分析をするときはいくつかの情報源を参考にし、正しい知識をつけられるようにしてくださいね。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る企業の強みだけでなく弱みもチェックしよう
内定獲得を目的に企業分析をおこなうと、どうしても強みに目がいきがちです。
人間には「注目バイアス」というものがあり、脳は1つのことを見ようとすると、それ以外のものは見えなくなってしまう傾向があるのです。しかし、企業分析は志望する企業が自分にマッチしているかどうかを見極める意味もあります。
強みだけではなく、弱みもチェックし、これからの自分のありたいキャリアが実現できそうかどうかを考えていくことが大切です。「企業の概況」「事業の状況」「設備の状況」など企業の情報を集めて同業他社と比べてみましょう。
自分が何を大切に仕事をしていきたいか価値観(キャリアアンカー)を知るなどの自己分析をおこなったうえで企業分析を進めていくとより効果的ですよ。
企業分析を効率的に進めて自分に合った企業に就職しよう
ここまで企業分析のやり方について解説してきましたが、あくまでも企業分析の効果は就活に活かすことが大切です。企業分析をして終わりではなく、自分の目的が達成できるようにうまく活用していきましょう。
就活は面接対策や選考対策などやることが多く、企業分析までなかなか手が回らないこともあるかもしれませんが、企業分析で得た情報は就活のあらゆる場面で役立てることができます。
企業分析の正しいやり方をマスターして企業についての理解を深め、自分の志望する企業に効果的にアプローチをしたり、自分に合った企業探しに役立てられれば、就活を効率的に進めることができますよ。自分の目的に合わせて正しく企業分析をして、就活を有利に進めていきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細