例文7選|「人生で一番つらかったこと」の好印象を残せる答え方ガイド

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師

    Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事

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  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 「人生で一番つらかったこと」は企業が求める人物像をイメージしよう
  • 使えるエピソードを選ぶポイントは4つ
  • 「人生で一番辛かったこと」の例文7選

面接での頻出質問のうちの一つに、「人生で一番つらかったことはなんですか?」と聞かれることがあります。これは、学生の感性や経験、またどう乗り越えたかを知るために質問されるのです。

とはいえ、いきなり聞かれても「一番」と聞かれると、何を答えたらいいのか困りますよね。答えに困らないためには、事前の準備が必要になります。

この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、吉田さん、永田さんのアドバイスも交えながら、「人生で一番つらかったこと」の答え方やエピソードの選び方について解説します。OK・NG例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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目次

「人生で一番つらかったこと」は企業が求める人物像をイメージしながら答えよう

「人生で一番つらかったこと」を企業が聞くのは、単にあなたの苦労話を聞きたいからではありません。その背景には、自社に合う感性や思考力を持った人材を採用したいという意図があります。

しかし企業が求める人物像とマッチするようなエピソードを探すのは大変です。「そんなに苦労した話がない……」という人も多くいるかもしれません。

そこで、この記事ではまず、企業が「人生で一番つらかったこと」を質問する狙いについて解説します。また、伝える際のポイントについても紹介するので、企業の意図に沿った回答ができるようになりましょう。

後半では、苦労したエピソードを選ぶ際のポイントについて解説します。OK・NG例文も紹介しているので、実際に参考にしながら考えてみてくださいね。

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なぜ聞かれる? 企業が「人生で一番つらかったこと」を聞く意図

なぜ聞かれる? 企業が「人生で一番つらかったこと」を聞く意図

  • ストレス耐性を測るため
  • つらい経験から何を学んだのか知るため
  • 問題解決能力を見るため
  • 何をつらいと感じるか知るため

まずは企業が「人生で一番つらかったこと」を聞く意図を理解しましょう。ここを理解しておくことで、必ず押さえておかなければならないポイントを盛り込んだエピソードが作れます。

企業の意図はおもに以下で紹介する4点です。基本的な部分なので、しっかり確認して必ず覚えておきましょう。

ストレス耐性を測るため

企業はつらかったことを聞くことで、応募者のストレス耐性を測っています。そのため、どんなつらいことがあったのか、そしてどのようにして乗り越えたのかを話しましょう。

仕事をするなかでは、たくさんのつらいことに直面するはずです。そのため、単につらかった話やくじけてしまったという話をするだけではストレス耐性がないと判断されてしまいます

これまでの学生生活とは違い、社会に出ると何度もつらく理不尽な目に遭うことが想定されます。しかし、そこですぐに心が折れてしまうと早期退職につながる可能性があるのです。

企業はできるだけ長く自社に貢献してくれる人を採用したいと思っています。そのため、課題に直面しても立ち向かい、乗り越えられる人材ということをアピールしなければなりません。

面接でストレス耐性を測られる理由については、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてくださいね。

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例文7選|面接で「ストレスを感じるとき」を的確に伝える方法を解説

渡部 俊和

プロフィール

限られた時間の面接では、なかなかストレス耐性まで見極めることはできません。

実体験を聞き、深掘りしていくなかで、ストレスのかかる出来事にどう対処してきたか、今現在その経験をどうとらえているかなどが判断材料になります。

つらい経験から何を学んだのか知るため

企業が求めているのは、経験から何かを学ぶ思考力のある人です。ですから、単に経験を話すだけでなく、何を学んだのかまで話しましょう。

成功体験にしろ失敗体験にしろ、単に経験する受け身の姿勢だけでは、人はなかなか成長しません。経験したことを分析し、成功したのであれば次も同じ行動をする、失敗したのであれば繰り返さないように改善する、といったことができる人は成長も早いはずです。

仕事をするうえでも、市場の動向が変わることも多くあるので、新しい挑戦をすることも求められます。新しい知識を身に付けて、人としても企業としてもアップデートするには、一つひとつ学んでいくことが大切です

何を学んだのか話す際は、その経験が仕事にどう活かせるかまで話すと、強みのアピールにもつながるので好印象を残せます。

問題解決能力を見るため

採用担当者は、応募者が一番つらかったことを「どうやって乗り越えたか」という過程を聞いて、問題解決能力を測ろうとしています。

つらい出来事にどのように対応し、解決に向けて努力したのかを知ることで、応募者が仕事で直面する課題やストレスにどのように対処するかを予測できます

特に、仕事においては予測できない問題が頻繁に発生するため、自主的に問題を解決する能力は重要です。

また、この質問では問題解決能力以外にも冷静な判断力、思考力、そして粘り強さも測れます。

何をつらいと感じるか知るため

面接官が「人生で一番つらかったこと」をたずねる背景には、応募者の感性や何に対してつらいと感じるのかを知る目的があります。人によってつらさの基準やつらいと感じる状況は異なります。

そのため、この回答をもとに、採用担当者は応募者が自社の環境や業務内容に適応できるかどうかを見極めようとするのです。

また、つらいと感じることをどのように前向きに受け止め挑戦していくかという姿勢も、重要な評価のポイントになります

面接官に自社の環境や業務内容に「この学生は適応できない」と思われてしまうのは、どんな題材のエピソードでしょうか?

永田 修也

プロフィール

どんなエピソードでも他責・ネガティブなものはマイナス評価になる

その企業の方針にもよると思いますが、どのようなエピソードであっても「他責的である」「後ろ向きである」と認識されたらマイナスな評価につながる可能性があります。

たとえば「家庭環境が〇〇で自分が〇〇できなかった」「友人の〇〇のせいで〇〇な自分になれなかった」というような、自分の内面ではなく誰かのせいにした内容です。

周りの影響によって不幸な状況になったというような言い回しだと、「仕事の場面でのあらゆる出来事の際に乗り越えられないのではないか」と懸念されてしまうことがあるでしょう。

基本の構成! 「人生で一番つらかったこと」の答え方

基本の構成!「人生で一番辛かったこと」の答え方

「人生で一番つらかったこと」は面接でよく聞かれる質問ですが、毎回必ず聞かれるわけではありません。そのため、まだ対策していない人や聞かれるか不安な人もいるのではないでしょうか。

そこでここからは、「人生で一番つらかったこと」の基本構成について、重要な4つのポイントを解説していきます。まずはこの構成をベースにして回答を考えてみましょう。

①つらかったことを簡潔に伝える

自分のつらかった話になると、頑張った経験からつい長々と語りたくなってしまうかもしれません。しかし、採用担当者が求めているのは話のおもしろさではなく、あなたの行動や思考力です。

そのため、つらかったことは簡潔に伝えるに留め、自分の強みをアピールするための話に厚みを持たせましょう

たとえば「人生で一番つらかったのはアルバイトでの接客です」のように簡潔に伝えることで、面接官は「これからアルバイトの経験について話をするんだな」と想像でき、話を集中して聞く姿勢ができます。

STAR法

話す際は、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結論)」からなるSTAR(スター)法を意識しましょう。

②つらかったエピソードを具体的に解説

つらかったことを簡潔に述べたら、続いて具体的なエピソードを話していきましょう。こちらも長くなり過ぎないように注意する必要があります。

エピソードが長くなり過ぎてしまう場合は、本当に伝えるべき要点を最初にピックアップし、削れる箇所は削りましょう。メモを作成すると可視化でき、抜け漏れもなくなるためおすすめです。

本当に伝えるべき内容は、大筋のエピソードと行動、結果です。また、課題に直面した際の自分の心境や反応も併せて伝えると、感情を理解してもらえるため、より効果的になります。

またエピソードに、より説得力を持たせるためには具体的な数字を含めると客観的な情報として信憑性が増します。

③どう乗り越えたかを伝える

どのようなつらいエピソードがあったのか話をしたら、次にその課題をどう乗り越えたのかを詳しく伝えることが非常に重要です。採用担当者はこの部分を最も重視しているので、入念に準備して強みをアピールしましょう。

困難な状況に直面した後の具体的な行動や考え方を述べることで、自分の問題解決能力や忍耐力などをアピールできます

また、乗り越えるに当たっては、誰かに指示されていわれたとおりに動いたのではなく、自ら考え行動したことがわかるような内容にしましょう。

吉田 隼人

プロフィール

再現性を意識しましょう。企業がつらい経験を聞く意図の一つとして、同じようにつらいことがあったときにどのように立ち直るのかを知るという目的があります。その意図を意識し、再現性をもってこのように対処するということが伝わるようにできると良いでしょう。

④経験を入社後にどう活かせるか伝える

最後にまとめとして、課題に直面し行動した結果を受けて、学んだことやその経験を入社後にどう活かせるかを述べましょう。

単に困難を乗り越えたエピソードだけでなく、その経験から得たスキルが仕事に活かせることをアピールできれば、企業からはどんなことも乗り越えてくれる魅力的な人材にうつるため好印象です

重宝される人材としては、たとえば、ストレスへの対処法、チームワークでの貢献、自主的な問題解決能力など、どの業界・業種でも必要とされるスキルを持つ人が挙げられます。

また、その経験をもとに今後どのように成長し続ける意欲があるかを示すことで、前向きで熱意があることもアピールできます。

永田 修也

プロフィール

「問題や課題に対してのとらえ方」について言及すると良いかもしれません。

一般的には誰もがマイナス感情になるようなことを、自分であればどう前向きに考えているのかという視点で話をすると印象がよく映ります。

ここを意識しよう! つらかったことを伝えるポイント

ここを意識しよう! つらかったことを伝えるポイント

  • 客観的にわかるように伝える
  • 前向きにとらえて行動できることを伝える
  • 企業が求める人物像とマッチしていれば理想的

人生で一番つらかったことの大枠について理解できたら、続けて伝える際のポイントを頭に入れておきましょう。

以下で紹介する3つのポイントは、好印象を残すために最低限意識したいものです。作成前に一読して、作成後にはきちんとポイントを押さえているか再確認してくださいね。

客観的にわかるように伝える

つらかったエピソードは客観的にわかるように伝えることを意識しましょう。つらかった経験を思い出しながら内容を考えていると、つい感情的な表現になってしまったり、主観的な視点になってしまったりするかもしれません。

しかし、採用担当者はあなたの隣でその出来事を見ていたわけではないので、共感してもらえる可能性は低いといえます。

第三者が聞いても大変さがわかるようにするには、具体的な事実やデータを交えて説明するのがおすすめです

客観的な視点で話をすれば、採用担当者からは冷静で論理的な思考ができる人物という評価につながります。

渡部 俊和

プロフィール

最も単純な練習方法は、まず自分のエピソードを書き出し、主語を第三者に置き換えてみることです。自分が聞く立場になり、他人の体験としてとらえてみると、同じ話でもかなりの温度差があることに気づき、そこから改善点が見つかるでしょう。

前向きにとらえて行動できることを伝える

人生で一番つらかったことは、ただの苦しみとして話すのではなく、前向きにとらえて行動したことも伝えましょう。つらい経験を学びや成長の機会としてとらえたというポジティブな姿勢は、採用担当者に好印象に映ります

仕事をしていると、誰もが困難に直面します。企業が求めているのは、その困難を乗り越えて前進できるような人材です。

そのため、つらい経験が自己成長につながったことや、困難を乗り越えるなかで身に付いたスキルや考え方が前向きな行動につながっていることを伝えましょう。

企業が求める人物像とマッチしていれば理想的

つらかったことを伝える際は、経験を通して学んだことや身に付いたスキルが企業の求める人物像とマッチしていれば理想的です。

たとえば、営業職を志望していた場合、経験を通して身に付いたスキルが事務スキルであることをアピールしていても、役に立つ場面はあまり多くないと想定されます。

仮に同じような評価のライバルが営業職に役立つ営業力をアピールしたら、魅力的に見える可能性は高いといえます。そのため、企業ごとに合わせてアピールする内容は変更するのがおすすめです

企業の求める人物像は、企業のホームページ(HP)や採用サイト、経営者や役員のメディアでの発信など、さまざまなところから情報を取って確認してくださいね。

企業の求める人物像にマッチしていないエピソードは不利ですか?

永田 修也

プロフィール

マッチしていなくても「会社の方向性」を理解していれば問題ない

確かに人物像にマッチしていない場合は不利になるかもしれませんが、それを上回るほどの魅力があれば印象に残るでしょう。マッチしていなかったとしても、大きくかけ離れてさえいなければ採用される可能性は大いにあります。

重要ポイントは、部署や職種単位での求める姿ではなく「会社の方向性」をきちんと理解していることだと思います。

そうすれば希望職種でなかったとしても「理念をしっかり理解してくれているから、ちゃんと貢献してくれそうだ」という方向へ進んでいくかもしれません。

その人の性格特性がそれぞれありますから、今の自分がマッチしていなかったとしても悲観的にとらえる必要はないと思います。

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面接でどんな質問がされるか、そして答えられるか不安ですよね。ただ、企業によって何を質問されるか分からない人も多いはず。

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これは避けよう! つらかったことを伝える際の注意点

人生で一番つらかったことを伝える際は、内容にも注意すべきポイントがあります。そのポイント踏まえていないと、評価されにくい内容になってしまったり、採用担当者の印象を悪くしたりといった結果になるかもしれません。

ここから紹介する注意点を必ずチェックしたうえで、エピソードを考えてくださいね。

ただの苦労話にならないようにする

人生で一番つらかったことを伝える際は、単なる苦労話にならないよう、それをいかに乗り越えたか、何を学んだかというポジティブなアピールが重要です。

自分の記憶に深く残る経験である以上、つらかった話をするとどうしても主観的、感情的になってしまう人がいます。しかし、採用担当者がこの質問で知りたいのは、ただのエピソードではなく、学生の課題解決能力や思考力です

そのため、単なる苦労話に終始してしまうと、あなたの思考力や強みは採用担当者に伝わらず、プラスの評価はされにくくなるため注意しましょう。

吉田 隼人

プロフィール

苦労話だけをしても、採用担当者の評価は上がりません。

単なる苦労話をされたところで、「大変でしたね」としか思えず、その後のアピールにつながらないのであれば「ただの自己満足のコミュニケーションしかとれないのだな」という印象になります。

面接はあくまで自己アピールの場なので、それを踏まえてコミュニケーションをとるようにしましょう。

愚痴や批判にならないようにする

エピソードを話すときは、愚痴や批判にならないように注意しましょう。

たとえば、「部長が全然仕事をしないので私が頑張りました」ということに終始した内容だと、ポジティブな解決策が見出せているわけではありません。

面接の場で問題をただ述べるだけでは、採用担当者は応募者の魅力を感じるポイントを見つけ出すことは困難です

最悪の場合は、「この人は愚痴ばかりでチームの輪を乱しそうだな」と思われてしまい、落選につながる危険性もあります。愚痴や批判は絶対に避け、客観的な事実と問題を解決したこと、学んだことをアピールしてくださいね。

乗り越えていないエピソードは避ける

人生で一番つらかったことを伝える際には、必ず乗り越えたエピソードがあるものを採用することが重要です。

いまだに解決していない問題や、克服できなかった出来事について話すと、自己成長や問題解決能力をアピールする機会を逃してしまいます

それだけでなく、「問題解決能力が低い」「成長意欲がない」とみなされるかもしれないので注意しましょう。

エピソードは結果として前向きな変化や学びを得たものを選び、どのようにして困難を乗り越えたかを強調することが大切です。

身内の不幸のように克服できないものは避ける

身内の不幸のように克服できないものを避ける理由は、そこから乗り越えたエピソードや学び、身に付いたスキルを結びつけるのが非常に難しいからです。

そもそも、一般的に考えて「近しい人の死」は乗り越えたり克服できたりするものではありません。それを「乗り越えた」と話してしまうと、採用担当者は困惑します。

また、これらのエピソードは個人の感情や悲しみに重点が置かれがちで、評価につながりにくいことがあります。

特に、その出来事からの学びや乗り越えた経験を話すのが難しいと、話がただの感情的な共有にとどまり、採用担当者も「つらかったですね」と同情するしかありません。

人生で一番つらかったことを質問されたら、学びなどを共有できるようなものを選んで伝えましょう。

嘘のエピソードは避ける

人生で一番つらかったことがなくても、嘘のエピソードは避けましょう。

作り話や誇張したエピソードは一時的に印象がよくなるかもしれませんが、話している途中で矛盾が生じたり、深掘りされた際につじつまが合わなくなったりするリスクがあります

面接や自己PRの場で非常に重視されるのが、誠実さや信頼性です。もし嘘がばれてしまった場合、一気に信頼を失って、選考を通過する可能性はきわめて低くなります。

また、面接官は多くの学生を見ていることから嘘を見抜く術にも長けているため、違和感を持たれた場合は深掘りされます。

つらかったことを話す際に重要なのは、スケールの大きさやつらさの度合いではなく、応募者が持つ成長意欲や思考力です。その点を意識してエピソードを考えてみてくださいね。

話を聞いていて「嘘のエピソードだな」とわかる瞬間はありますか?

渡部 俊和

プロフィール

具体性がない・つじつまが合わないエピソードは嘘だとわかる

何かに取り組んでうまくいかなかったエピソードなどでは、具体的にそのときの状態や数字などを質問しても回答があいまいだったり答えられなかったりした場合、嘘かもしれないと考えます。

それほど苦労したのに目指していた状態や数字を覚えていないというのはおかしいと思ってしまいますね。

また、一般的に思いつくような解決策を試していない、助言できる人や相談できる人がいるはずなのに助けを求めていない、といった話のつじつまが合わない部分も気になります。

この質問自体、面接官はドラマのような筋書きを期待しているわけではなく、正解のない質問をしているので、変に嘘で飾らないで、自分なりのありのままを答えてくれたほうが印象が良いと思っています。

OK? NG? 使えるエピソードの選び方

OK? NG? 使えるエピソードの選び方

  • つらかった出来事をリストアップする
  • そこから得た教訓やスキルを抽出する
  • ポジティブな視点に変換できるか考える
  • 企業の求める人物像とマッチするか比べる

人生で一番つらかったことといっても、エピソードがなかなか思い浮かばずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。つらかった経験を話す機会は少ないため、どんなエピソードが評価されやすいかわかりませんよね。

そこで、ここからは評価されやすいエピソードの選び方を順番に解説していきます。すべて満たすエピソードを選べるように、実際にチェックしながら考えてみてください。

つらかった出来事をリストアップする

まずは、自分の人生でつらかった出来事を網羅的にリストアップしていきましょう。できれば、高校生から大学生のエピソードを選ぶのがおすすめです。

高校生や大学生の期の出来事であるため、そのときの情景を具体的に思い出しやすいといえます。また、ある程度人格形成がされている時期でもあるため、採用担当者にとっても応募者を見極めやすいというメリットがあります。

出来事をリストアップをするときは、より多くの候補を思い出せるよう、アルバイト、学校行事、部活動、私生活など幅広い視点から書き出してみましょう。

そこから得た教訓やスキルを抽出する

リストアップが完了したら、それらの経験の中から「学んだことがあるか」「成長した部分があるか」を基準に、使えるエピソードを選び抜くことがポイントです。

この部分はエピソードを話すうえで最も重要で、ここが欠けていると自分の魅力をうまくアピールできず、ただ単に苦労話をしただけになってしまいます。

採用担当者は応募者がつらい経験から何を学ぶのか、どんなスキルが身に付いたのかという点を見ています。そのため、抽出作業は念入りにおこなってくださいね。

特に、リーダーシップ、問題解決能力、チームワーク、忍耐力など仕事に役立つスキルや考え方が明確にわかるエピソードを選ぶと、自己PRとして効果的です。

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ポジティブな視点に変換できるか考える

エピソードはつらい経験から選んでいるものの、最終的にはポジティブな視点に変換できるか考えましょう。

どれだけ困難な出来事でも、その経験を通じて学んだことや、どのように乗り越えたかをポジティブに伝えることで、自己成長や前向きな姿勢をアピールできます

たとえば、以下のように失敗や苦境から得た教訓や、次にどう活かせるかを強調すると、エピソードが単なる苦労話ではなく、自分の強みの効果的なアピールになります。

失敗から教訓を得られたことをアピールする例文

留学した際に言葉の壁で苦労しました。特に最初の数カ月は、言いたいことが伝わらず、孤独を感じることもありました。

しかし、その経験を通じて、現地の人々との積極的なコミュニケーションを心掛け、異文化に適応する方法を学びました。

ネガティブな出来事をポジティブに伝える方法については、こちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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企業の求める人物像とマッチするか比べる

採用したいエピソードがある程度絞れたら、最終的にスキルや強みが応募企業の求める人物像とマッチするか照らし合わせて最適なものを選びましょう。

企業が求めるのは優秀な人材であることはもちろんですが、自社とのマッチ度も重視されます。そのため、企業に合わせてエピソードは使い分けるのがおすすめです。

たとえば、協調性や柔軟性が求められる企業では、以下のように周囲と協力した経験をアピールしましょう。

周囲と協力した経験をアピールする例文

アルバイトで別の店舗に異動した際、それまでのやり方が通用しない環境で非常に苦労しました。しかし、環境の変化にいち早く対応するため、同僚や上司のアドバイスを積極的に取り入れながら、少しずつ仕事に慣れていきました。

この経験から、環境に応じて周囲と協力しながら進めることの重要性を実感しました。

ここで得た柔軟性は、御社のチームで活動する際も役立つと思います。

自分の魅力を最大限アピールできるエピソードを選んで、内定を勝ち取ってくださいね。

永田 修也

プロフィール

逆に人物像がマッチしているからといって、それだけで勝負する人よりは、どんな仕事においても活かせる内容(エピソード)を持っている人のほうが強いかもしれませんね。

とはいえ、志望する会社の理念や理想をきちんと把握し、できるだけ自分に近いものがないか探ることは重要です。

キャリアコンサルタントが解説! 好印象を持ちやすいエピソード

どんなエピソードが採用担当者から好印象を持たれやすいのか、気になっている人は多くいますよね。

できれば、より好印象を持たれる可能性が高いエピソードを選んでおきたいところです。

そこで、ここでは就活のプロであるキャリアアドバイザーの渡部さんに、好印象を持ちやすいエピソードについて質問しました。

自分の選んだエピソードと比較してどんな特徴があるのか確認して、より魅力の伝わるものに仕上げてくださいね。

アドバイザーコメント

仕事での再現性を想像しやすいエピソードは採用担当者に刺さりやすい

私の場合はかつて流通小売業の採用担当者だったので、当時は対人関係に関することや物を売ること、責任ある立場を任されて苦労したことなどが、仕事での再現性を感じられるエピソードでした。

たとえば、いじめに遭った経験を自分の内面で消化、克服し、自分をいじめていた相手と和解できた話をしてくれた人もいました。

不特定多数を相手にする、お客を選べない仕事である小売業において、多くの社員、非正規社員など立場の違う人々をマネジメントする立場を任せるように育てるためには、そうした経験がある人は心強いと感じました。

応募先企業の仕事を想像して必要な要素を考えよう

また、今現在では、コンサルタントとして製造業の採用のお手伝いをすることもありますが、製造業の場合はモノづくりのこだわりや苦労を知っている人、苦労してできた製品が使われていることに喜びを感じられる人などが採用担当者の求めるイメージに合うように思います。

業種、職種に求められていることは何かを考え、自分の体験が最終的にその要素に結び付くようなエピソードは再現性がイメージしやすいので、選考を通過する可能性が高くなると思います。

エピソードがない! つらかった経験がないときの対処法

どうしてもつらかった経験が思い出せずに悩む人もいるかもしれません。

しかし、誰にでも困難に直面した経験はあるものです。「つらかった」という感情にとらわれ過ぎず、客観的に考えてみましょう。「つらい」という感情をより細分化したり、違う言葉に言い換えるなどして、ネガティブな経験を振り返ってみましょう。

たとえば、新しい環境に適応する際の苦労や難しい課題に取り組んだ経験など、少しのストレスでもいいので、感じた瞬間を探すことが大切です。

また、他人のサポートをした経験やチームでの成功体験など、自分一人の体験でなくても問題はありません。

つらい経験がなくても、課題に直面して成長したことや挑戦を通じて得た教訓を伝えることで、ポジティブな印象を与えることができます。

吉田 隼人

プロフィール

まず一度、モチベーショングラフを書いてみましょう。

人生全般を客観的にアウトプットしてみると、モチベーションが一番下がっているところがわかると思います。

グラフ全体が高い水準にあっても、あなたのグラフの中の一番下がっているところをピックアップし、そこの経験を深掘りしてみてください。

好印象を残そう! 「人生で一番つらかったこと」のOK例文5選

人生で一番つらかったことの構成の仕方や注意点がわかっても、「書き出しや締めの文が思いつかない」「この題材で良いアピールになるか自信がない」という人もいるのではないでしょうか。

頭ではわかっていても、いざ考えようとするとなかなか難しいですよね。

そこで、ここからは人生で一番つらかったことのOK例文を題材別に5つ紹介するので、ぜひ書く際の参考にしてみてくださいね。

①アルバイトを題材にしたOK例文

アルバイトを題材にしたOK例文

私が人生で一番つらいと感じたのは、大学時代に飲食店でアルバイトをしていたときの出来事です。お店が繁忙期に差し掛かり、限られたスタッフで大量の注文をこなさなければならず、連日多忙な日々が続きました。

特にある週末、予想以上に多くの顧客が来店し、注文ミスや長い待ち時間により顧客からのクレームが相次いでしまいました。キッチンとホールの連携もうまくいかず、店内は混乱に陥り、私自身も精神的・体力的に限界を感じとてもつらかったです。

しかし、私はこの経験を通じて、問題解決能力と冷静な判断力を磨くことができました。

まず、落ち着いてスタッフ全員と情報共有を徹底し、キッチンとホールの連携を改善するための新しいコミュニケーション方法を提案しました。また、クレーム対応時には顧客一人ひとりに丁寧に謝罪し、具体的な解決策を迅速に提案することを心掛けました。

結果として、スタッフ全員の協力で状況を改善し、繁忙期を乗り越えることができました。

このつらい経験を通して、チームワークの重要性や問題発生時の冷静な対処法を学びました。

この経験は、今後の職場でも応用できると考えています。特に、プレッシャーのかかる状況でも落ち着いて対応し、周囲と協力して最善の解決策を見つける力を発揮したいと考えています。

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②受験勉強を題材にしたOK例文

受験勉強を題材にしたOK例文

私が人生で一番つらかったのは、大学の受験勉強です。

私は大学で数学の勉強を継続したかったので、高校時代からあこがれていた志望校を第一志望にしました。しかし、志望校のレベルが高く、周囲からは「もう少し現実的な志望校に変えたほうが良い」といわれ続けました。

そのことに次第にプレッシャーを感じ、成績もどんどん落ちていく負のループにはまってしまい、何度も諦めかけました。

そんな中で、このまま諦めたら後悔すると思い立ち、自分の勉強法を見直し、受験から逆算した効率的なスケジュールを立て直すことにしました。

たとえば、得意科目の数学の時間を減らして国語などの苦手科目に力を入れる、朝と夜に短い復習時間を設けるなど、具体的なスケジュールを作って取り組むことで少しずつ結果が出るようになりました。

このことから、つらい状況でも粘り強く取り組むことの大切さを学び、最終的には第一志望であった○○大学に合格できました。

この経験から得た忍耐力とスケジュール管理能力は日常生活でも役に立っており、仕事をするうえでも活かせると思います。

渡部 俊和

プロフィール

受験勉強は進学のためという狭い領域の目標に向かう行動なので、どうしても内容が広がりにくく、自分を説明する材料が乏しくなりがちです。

視野の狭い話にならないように注意し、工夫したことや頑張ったことを極力具体的に伝えましょう。

③部活動を題材にしたOK例文

部活動を題材にしたOK例文

私が人生で一番つらかったのは、高校生の時、部活動のバレーボールで怪我をして、選手としてプレーできなくなってしまったことです。

幼いころから 全日本バレーボール高等学校選手権大会に出場することが夢であり、そのために強豪校に入学しました。部員全員が春校出場を目指しており、そのために日々厳しい練習をこなしていたので、夢が絶たれたときは何も考えられなくなるくらい落ち込みました。

しかし、プレーができなくてもこれまでお世話になった監督や仲間たちの力になりたいと思い、その後はマネージャーとして練習メニューや対戦相手の分析などのサポートに徹しました。

結果としてチームは目標としていた全国大会に出場し、監督からも「お前のサポートのおかげだ」といってもらえました。

私がこの経験から学んだことは、自分にできることを全うする精神と諦めない粘り強さです。仕事でさまざまな困難にぶつかったときも、この2点を大切にし、工夫を凝らして乗り越えたいと思います。

④学校行事を題材にしたOK例文

学校行事を題材にしたOK例文

私が人生で一番つらかったと感じたのは、高校最後の文化祭の準備です。

私は実行委員長としてクラスをまとめる役割を担っていましたが、クラス内で意見が対立し、話し合いは進まない状況が続きました。意見交換の場を設けても話し合いは平行線をたどり、準備も遅れがちになり、焦りと責任感に押しつぶされそうになりました。

途中で投げ出したいと思う瞬間もありましたが、ここで諦めたらクラス全体に悪影響が出ると考え、まずは冷静に状況を見直しました。

そして、私は一人で抱え込まずに、メンバー一人ひとりの意見を丁寧に聞き、それぞれの意見を最大限取り入れる形で解決策を提案しました。話し合いを重ねることで徐々にメンバーの協力を得られ、全員が同じ目標に向かって動けるようになりました。その結果、クラス全員で協力し文化祭を成功に導くことができました。

この経験から、チームワークの大切さと、困難な状況でも粘り強く解決策を見つけるリーダーシップの重要性を学びました。

⑤比較された経験を題材にしたOK例文

比較された経験を題材にしたOK例文

私が人生で一番つらかったのは、常に他人と比較されていた高校時代の経験です。特に成績面で、親や先生から「もっと頑張ればできるはずだ」といわれ続け、自己肯定感がどんどん下がっていきました。

どれだけ努力しても満足のいく結果が出せず、自分の価値を疑うことが多くなり、勉強のモチベーションも下がっていきました。

しかし、この状況から抜け出すために、まずは他人との比較をやめ、自分自身の目標を設定することにしました。具体的には成績の順位ではなく、自身の前期の点数と比較した目標を設定し、その目標に向かって自分のペースで取り組むことにしました。

また、友人や先生に相談し、サポートを得ることで心の負担も軽くなりました。最終的には、自分の成果に満足できるようになり、他人と比較せずに自己成長を喜ぶ姿勢を身に付けることができました。

この経験を通じて、自分らしく前向きに進むことの大切さを学びました。

評価されにくい! 「人生で一番つらかったこと」のNG例文2選

人生で一番つらかったことを書いた後は、必ず見直して問題がないか確認しましょう。

ただ、実際にどんな文章が採用担当者の印象を悪くしてしまうのか、想像しにくいという人もいるかもしれません。

ここからは、よくあるNG例文を紹介するので、見比べてみて自分が同じミスをしていないかチェックしましょう。

①愚痴や批判をしてしまっているNG例文

愚痴や批判をしてしまっているNG例文

私が人生で一番つらかったと感じたのは、大学時代のサークル活動でのことです。

イベントを控えていたのにもかかわらず、サークルの部長がまったく仕事をしないで私たちに責任を押し付けていました。

何度もミーティングを開いて意見を出し合いましたが、意見がまとまらなかったため、イベントの準備や運営は私を含めた数人が担いました。

結果として、イベント当日も私たちがすべての仕事を引き受ける形でイベントは無事に終わりました。

この経験を通じて、予期せぬ状況でも周囲と協力し、責任を持って取り組むことの重要性を学びました。この経験で培った問題解決力や協調性は、チームで活動するうえで役立つと思います。

このNG例文では、リーダーやサークル活動に対する愚痴や批判が多く、学んだことや身に付いたスキルもないため、採用担当者視点でプラスにとらえられる要素はありません

そもそも「他人の尻拭いをした」ようなエピソードは書かないほうが良いですか?

吉田 隼人

プロフィール

書いても良いがネガティブな話にならないよう注意しよう

就活で「他人の尻拭いをした」というエピソードは、伝えてもかまいませんが慎重に言語化していきましょう。

「他人の尻拭い」という表現自体もそうですが、ネガティブなニュアンスが感じ取れると企業側に悪い印象を残す可能性が高くなります。

しかし、適切に話せば、責任感やチームワークなどの強みをアピールできる良いエピソードにもなります。ほかの人に客観的なフィードバックをもらいながらブラッシュアップできると良いでしょう。

面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう

不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。

そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。

簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。

こんな人に「面接力診断」はおすすめ
  • 近く面接本番を控えている人
  • 自分の面接の改善点を知りたい人
  • 過去の面接で力を発揮しきれなかった人

②個人的な問題を題材にしたNG例文

個人的な問題を題材にしたNG例文

私が人生で一番つらかったのは、大学時代に友人関係でトラブルが起きたことです。

ある日、親しい友人グループの一人が突然私を無視し始め、ほかの友人たちにも悪口を言っていることがわかりました。理由はまったくわからず、話し合おうとしましたが、誰も状況を説明してくれず、孤立してしまいました。

毎日一緒に過ごしていた友人たちと急に疎遠になってしまったため、学校生活がつらくなりました。友人たちが私のいないところで集まり、楽しんでいる様子を見ると、とても悲しい気持ちになり、ストレスで体調を崩したこともありました。

何度もこの状況を改善しようとしましたが、結局解決できないまま卒業を迎え、いまだに彼らとは和解できていません。

この経験は本当につらく、今でもその友人たちのことを考えると嫌な気持ちになります。

このNG例文では、個人的な感情や対人トラブルに終始し、具体的な学びやポジティブな解決策が示されていません。問題をどう乗り越えたかという行動もなく、採用担当者から好印象は得るのは難しそうです

永田 修也

プロフィール

まず、その事実確認が取れない以上は本人の主観によるものなので誰にもわかりません。

その中で、他者に責任があると考えることを発言するのは、「仕事でも同じように考えるだろうな」と余計な憶測を抱かせる材料にもなり得ます。

エピソード選びと答え方を工夫して「人生で一番つらかったこと」をアピールしよう

「人生で一番つらかったこと」といっても、必ずしもつら過ぎる経験を挙げる必要はありません。なぜなら、採用担当者が本当に知りたいのはつらい出来事ではなく、その経験をどう乗り越えたか、何を考え学んだかという点だからです。

つまり、エピソードを通して応募者の感性や能力を見ているのだということを覚えておきましょう。

この記事を参考にして、最適なエピソード選びと答え方を身に付け、高評価を獲得してくださいね。

アドバイザーコメント

学びや成長した点を企業でも活かせるかを考えるのが最重要

就職活動で「人生で一番つらかったこと」を話す際のポイントですが、改めてポイントをお伝えします。

まずは、つらかったことを前向きにとらえ、自分の成長をアピールするようにしましょう。つらい経験は事実としてあったかと思いますが、解釈は変えることができます。

あくまで成長の過程としてとらえ、「その経験を通じて何を学んだか」、「どのように自分を成長させたか」ということを説明し、採用担当者にポジティブな印象を残すことを意識しましょう。

そして、その経験を仕事や社会人として、どう活かせるかを結びつけて考えましょう。

社会人になってもつらい瞬間は必ずやってきます。以前のつらかったことを乗り越えたように、今後もつらい経験があっても乗り越えられるよう、その経験がこれからの仕事や社会人生活にどう役立つかを伝えると良いでしょう。

つらい経験にも自分ならではの魅力が隠されている

つらい経験と向き合うことは決して楽ではありませんが、それはあなたが頑張ってきた軌跡であると同時に、あなた自身の強みを見つける絶好の機会です。

つらさを乗り越えたあなたには、ほかの人には語ることのできない独自の強さがあるはずです。つらかったことを乗り越えた自分に自信を持ち、その経験があなたの未来をより強く、より輝かしいものにすることを信じてください。

自分を信じることで、あなた自身のキャリアが開けてきますよ。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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