本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
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1分でわかる博報堂
博報堂とは
1895年に創業された、博報堂DYグループの中核を担う広告会社。発想の原点である「生活者発想」とビジネスの原点である「パートナー主義」をポリシーに掲げる。
多様な個性を持つ「粒ちがい人材」の高度なクリエイティビティを強みとし、現在は広告の枠を超え、コンサルティングやテクノロジーを融合した生活者価値デザイン・カンパニーとして企業や社会の課題解決を幅広く支援。
| 会社名 | 株式会社博報堂 |
| 上場 ※博報堂DYホールディングス | 東京証券取引所プライム市場 |
| 従業員数(連結) | 28,921人(2026年3月時点) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| おもな事業 | ・マーケティングビジネス ・コマースビジネス ・コンテンツビジネス ・共創型ソーシャルビジネス ・ブランドコンサルティング ビジネス ・グローバルビジネス ・テクノロジービジネス ・研究所活動 |
| 収益(連結) | 8,610億300万円(前年同期比9.7%減)(2026年3月期) |
| 経常利益(連結) | 360億6,100万円(同8.0%増)(同期間) |
| 平均年収 | 1,168万3,000円(2026年3月期) |
| おもな福利厚生 | ・健康:診療所、定期健康診断・健診戦、人間ドック ・暮らし応援:保養施設や割引、カフェテリアプラン ・クラブ活動:文化クラブ、体育クラブ ・結婚・出産育児:結婚休暇、出産関連休暇、各種お祝い金・給付金、はなさかす保育園、ベビーシッター法人契約、家事代行サービス費用一部負担、病児保育サポート、育児コンシェルジュ ・妊活・更年期サポート:妊活・不妊相談窓口、妊活関連の休暇制度 ・介護:介護関連の休暇制度、介護休業制度、介護サポートサービス費用一部負担、介護相談窓口(社内外)、介護セミナー/交流会など、両立社員のための働き方選択制度 ・マネープラン・相談:財形貯蓄、ハッピーライフプラン積立制度、職場積立NISA制度、社員貸付制度、財形持家転貸制度、税務・財務相談、住宅・不動産の相談、法律相談 |
| 企業HP | https://www.hakuhodo.co.jp/ |
| 新卒採用HP | https://hakusuku.jp/recruit/ |
「博報堂はやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「博報堂がやばい」と言われる4つの理由
①労働時間が長く激務だから
博報堂の月平均残業時間について、公表されているなかでの最新値は2022年度の47.3時間(※1)となっています。同時期の日本企業の平均が13.9時間(※2)であることを考えると、確かに労働時間が長いことから激務だととらえられます。
そこで同社は、2022年にワークスタイル変革委員会を発足し、労働環境の整備に努めています。たとえば、同社では平日22時以降や休日の連絡を控える風土があったり、年次の有給休暇とは別に休みを取得できる制度があったりします(※3)。
ただし、同社が含まれる広告業界はクライアントに合わせた働き方をする点や、多方面との調整が発生することで繁忙期には激務となる可能性があります。そのため、OB・OG訪問などで実際のスケジュールを確認しておくと、ギャップが防げるでしょう。
博報堂の働き方改革の事例
- プラ休(月1回 週休3日制)
月に最低1日は有給休暇を取得し、生活者としての時間を確保するルール - サイレント10
平日の深夜・土日における不要不急の連絡を控え、心身の負荷を抑制することを目指すマナー - フリーバカンス制度
通常の年次有給休暇とは別に、年に2回、連続5日間の休暇を取得できる博報堂独自の特別休暇制度です
※1 博報堂 統合報告書 2023
※2 厚労省 毎月勤労統計調査 令和4年度分結果確報
※3 博報堂 人材・採用 ウェルビーイング
②年収や福利厚生が良すぎるから
博報堂は広告業界において日本有数の大手企業であり、待遇が良すぎるという意見も見られます。実際に平均年収は1,168万3,000円(※1)と、日本企業の平均486.0万円(※2)を大きく上回っています。
また、福利厚生では社員の健康や生活面へのサポート、結婚や介護等のライフイベントの支援制度など、手厚い補助が整っていることが特徴です。
博報堂の福利厚生の事例(※3)
- 健康面
社内診療所、定期健康診断・検診戦、人間ドック - 暮らし応援
直営保養施設、契約保養施設、割引宿泊施設、法人優遇特典、カフェテリアプラン - クラブ活動
18種類ほどの文化クラブ、体育クラブ - 結婚・出産育児
結婚休暇、出産関連休暇、各種お祝い金・給付金、はなさかす保育園、ベビーシッター法人契約、家事代行サービス費用一部負担、病児保育サポート、育児コンシェルジュ - 妊活・更年期サポート
妊活・不妊相談窓口、妊活関連の休暇制度 - 介護
介護関連の休暇制度、介護休業制度、介護サポートサービス費用一部負担、介護相談窓口(社内外)、介護セミナー/交流会など、両立社員のための働き方選択制度 - マネープラン・相談
財形貯蓄、ハッピーライフプラン積立制度、職場積立NISA制度、社員貸付制度、財形持家転貸制度、税務・財務相談、住宅・不動産の相談、法律相談
※1 博報堂 有価証券報告書 2026年3月期
※2 国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査
※3 博報堂 ワークスタイル・福利厚生
プロのアドバイザーはこう分析!従業員としてのサポートに留まらない! 多様な支援体制を整備
博報堂の福利厚生の特徴は、単なる条件の手厚さにとどまらず、同社が掲げる「生活者発想」を社員自身の働き方にも反映させている点にあると考えられます。
社員が一人の生活者として充実した時間を過ごすことが、良質なアウトプットにつながるという考え方が、制度設計の背景にあります。
具体的には、まとまった休暇取得を可能にする休暇制度をはじめ、インプットと休息を確保するための仕組みが用意されています。
加えて、妊活支援やLGBTQ+への対応、育児・介護との両立支援など、多様な生き方やライフステージの変化に対応するための施策も整備されています。社内診療所やカフェテリアプランといった、健康・生活基盤を支える取り組みも見られます。
仕事外のサポートまで整っていることが博報堂の魅力
「社員を労働力としてだけでなく、一人の生活者として尊重する」という姿勢は、同社の特色の一つと言えるでしょう。
私生活の充実や多様性を後押しする環境が、社員のクリエイティビティや同社の競争力を支える一因になっていると考えられます。
③就職難易度が高いから
博報堂は選考倍率について公表していませんが、一次選考では約41.2%、二次選考では約35.7%(※)が通過するとされています。そのため、書類選考から二度の選考を経ると約85.3%が不採用となることを考えると、決して簡単な選考ではないと言えます。
また、選考ではPersonal Core Sheetという独自のエントリーシートを使用したり、AIとの面談を実施したり、通常の選考とは異なる過程があるため、より詳細な自己理解や企業研究、面接対策などをしていく必要があると言えます。
| 選考フロー | 選考方法 | 選考通過予定者数 |
|---|---|---|
| 書類選考 | エントリーシート 適性検査 AI面談 | 約1,700人 |
| 一次選考 | 社員2人との面談 | 約700人(約41.2%) |
| 二次選考・適性検査 | グループディスカッション 適性検査(テストセンター) | 約250人(約35.7%) |
| 人事面談 | 人事1人との面談 | 選考要素なし |
| 最終選考 | 社員2人との面談 | 公表なし |
ただし、学歴や学部などの指定はありません。また、新卒採用サイトでは、「等身大の自分らしさ」が伝わるかどうか、必ずしも広告に詳しくないといけないわけではないことなどが紹介されているので、選考のポイントを押さえておくことが大事になります。
アドバイザーからワンポイントアドバイス発想力だけでは足りない! 選考を勝ち抜く独自の視点や行動
博報堂の選考では、広告の知識量や華やかな発想だけでなく、その人ならではのものの見方や、課題をどうとらえて行動してきたかが見られると思います。
同社は「生活者発想」と「パートナー主義」を大切にしているため、面接では「面白い企画を考えられます」だけでは弱いです。
日常のなかで、人の行動や気持ちをどのように観察し、そこから何を考え、どんな行動につなげたのかを語れることが重要です。
チーム力も求められる! すぐにできる選考突破の準備
また、博報堂の仕事は一人で完結せず、クライアントや社内外の専門家と協力して進めるため、チームで意見の違いを乗り越えた経験も評価されやすいでしょう。
準備としては、好きな広告や身近なサービスを一つ選び、誰のどんな気持ちを動かしているのか、自分ならどう改善するかまで考えておくと、博報堂らしい視点につながります。
④離職率が低いから
博報堂が発表している離職率のデータで最も新しいものは、2022年度の5.3%(※1)になります。同年度の日本企業の平均が15.0%(※2)であることと比較すると、社員が辞めない傾向にある企業だと言えます。
また、新卒採用者の3年後の定着率は74.7%(2022年度)(※1)と、日本企業の平均66.2%(※3)を上回っていることからも、離職率の低さがうかがえます。
高い定着率を誇る要因の一つとして、同社の社員の意思や挑戦を尊重する文化が挙げられます。2025年の統合報告書でも、社員一人ひとりの「今年何をしたいか」を軸に方針を練っていることが述べられており、個の尊重が根付いていることがわかります。
※1 博報堂 統合報告書 2023
※2 厚労省 令和4年雇用動向調査結果の概況
※3 厚労省 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します
プロのアドバイザーはこう分析!博報堂で離職する原因として3つのミスマッチが考えられる
博報堂は業界内でも社員の定着率が比較的高いとされていますが、実際に早期離職に至るケースには、広告業界特有の構造と個人のキャリア観とのズレが影響していると考えられます。
公式な離職理由データは非公開のため、あくまで業界動向からの推測となりますが、おもに3つの要因が想定されます。
①「業務負荷と働き方のミスマッチ」
クライアントワーク特有の突発対応や繁忙期の長時間労働により、心身のバランスを保ちにくくなるケースです。
②「成長実感の不一致」
分業化が進む中で自身の介在価値や将来像を描きにくく、より速いスキル習得を求めて転職する若手もいると見られます。
③「評価・処遇への納得感」
昇給スピードや年功的要素への違和感が、離職のきっかけになり得ます。こうした離職は能力不足というより、自身が望む成長速度と組織構造との適合度を見極めた結果と考えられます。
博報堂に向いているのは○○な人
博報堂がやばいと言われる理由を掘り下げていくと、具体的な実態のほかに、企業の特徴も見えてきました。そこで、就職を検討している人が意識すべきは、企業の実態を理解したうえで、自分との適性があるかどうかを見極めることです。
最後にどのような人が向いていて、どのような人は向いていないのかを押さえることで、納得のいく企業選びの参考にしてみてください。
向いている人の特徴
・自分で裁量を持って仕事をデザインしたい人
・激しい変化や複雑な課題を「面白がれる」人
・強い個の意志とやり抜く実行力がある人
向いていない人の特徴
・毎日規則正しく、同じ時間割・ルーティンで働きたい人
・受け身の姿勢で仕事をしたい人
・前例や定石に囚われ、変化を嫌う人
アドバイザーのリアル・アドバイス!楽しそうなイメージの反面地元な側面があることも押さえておこう
博報堂を志望する人は、「華やかな広告会社」「自由で個性的な会社」というイメージだけで判断しないことが大切です。
実際には、クライアントの課題を深く理解し、生活者の気持ちを読み取り、社内外の多くの人を巻き込みながら答えのない仕事に向き合う場面が多い会社です。
入社後にギャップを感じやすいのは、自由な発想が求められる一方で、納期、予算、成果への責任が非常に重い点です。また、企画が通らない、修正が続く、関係者との調整が多いといった地道な仕事も少なくありません。
企業の人に実態を確認! やり遂げる仕事かどうか判断しよう
事前に、OB・OG訪問で若手の一日の働き方、繁忙期の状況、企画が形になるまでの過程を聞いておくと良いでしょう。
広告が好きという気持ちに加えて、変化や忙しさのなかでも考え続け、周囲と協力してやり抜けるかを確認することが大切です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





プロのアドバイザーはこう分析!激務につながる要因は徹底的な顧客ファーストにある
キャリアコンサルタント
高尾 有沙
プロフィールを見る残業時間が業界平均を上回る最大の原因は、博報堂のビジネスが単なる広告枠の販売ではなく、顧客の事業課題に深く切り込むパートナー主義を徹底している点にあると考えられます。
同社では、顧客の経営層や現場と併走し、商品開発や事業戦略から体験デザインまで、答えのない課題にゼロから挑んでいます。
発想の根幹にある「生活者発想」を形にするため、多様な個性を持つ社員同士が納得いくまで議論と試行錯誤を重ねる文化があります。この「クオリティへの妥協なき追求」が業務量の増加につながっています。
さらに、キャンペーンの立ち上げやイベントといったプロジェクトの納期前には、業務が集中しやすい業界特有の構造も影響しています。
休暇制度の整備は進んでいるが一定熱量が求められることは理解しよう
単に仕事に追われているというよりは、プロとして120%の成果を追求する熱量が数字に表れていると言えます。
現在は「プラ休(月に少なくとも1日、平日に年次有給休暇を取得して「月イチ週休3日制」を実現する休暇制度)」などの働き方改革も進んでいますが、この労働密度の高さと熱量を理解しておくことが大切です。