「尊敬できる人がいない」という理由だけですぐに転職するのは早計かもしれません。

現在では「社内にロールモデルがいないんです」という人は多分ほとんどだと感じるくらい、働き方や価値観も多様化しています。

そのため、昔のように3～5年後のロールモデルとなる先輩を社内で見つけるのが非常に難しい時代になっていると思います。

完璧なロールモデルを一人探すのではなく、「A先輩のこの部分は素敵だ」というように、社内のいろいろな人から尊敬できるパーツを見つけ、自分のなかで組み合わせてロールモデル像を作ってみてはいかがでしょうか。

社外にメンターを見つけるのも有効

また、社外のコミュニティや外部セミナーに参加して、メンターとなるような人を見つけるのも一つの方法です。

私は福岡で活動していますが、福岡でも社外メンター制度や女性をつなぐネットワークコミュニティなどが活発におこなわれています。

そうした場所に顔を出してみて、尊敬できるような存在を作ることも、キャリア形成のなかで十分ありえると感じます。

こうした工夫を試してもなお会社の風土自体が合わないと感じるようであれば、改めて転職を検討するのが良いのではないでしょうか。

社内に尊敬できる人が見当たらないからといって、すぐ転職と決めるのは性急です。

まずは「何を尊敬できないのか」を分解するのが先決です。品質・スピード・誠実さといった仕事の基準なのか、意思決定の透明性なのか、学びの機会の乏しさなのか。どのようなものなのかで取りうる選択が変わります。

3カ月の検証期間を置き、仕事の基準なら評価者と期待値の再定義をおこなう、学びの機会の乏しさなら、担当領域・プロジェクト・学びの投資など自分で選べる範囲を最大化する。

社内にどうしてもいなければ、社外メンターやコミュニティでロールモデルを補う。

このように手を打つと、環境由来の不満がどこまで改善可能かが見えます。

価値観の衝突が原因なら転職を検討しよう！

なお、尊敬できない＝長時間労働の称揚、倫理観の不一致、ハラスメント耐容などの価値観の根本が衝突している場合は、早めの転職検討が合理的です。

転職の判断基準は成長の質、健康、金銭、関係性この4つのスコアを可視化し、現職と想定転職先を比較すること。現職での仮説検証をやり切ってなおズレが埋まらないなら、悔いなく次へ進めます。