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海運業界は今後どうなっていくのか教えてください。

海運業界の今後について聞きたいです。環境問題や人手不足が課題だとよく聞きますが、実際のところどうなんでしょうか?

海運業界に就職したいと考えているので、将来性や今後の動向、新卒の就活事情なども教えてほしいです。

2人のアドバイザーが回答しています

質問日 :

※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています

キャリアコンサルタント/勉強カフェ札幌大通スタジオ代表

渡邊 裕樹

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課題はあるが将来性もあるといえる業界

どちらも質問者さんが聞いたとおり、業界内で課題として挙げられているのは事実です。

環境問題としては、船を動かす際に使う燃料から排出される物質が環境汚染につながっているということから規制が設定され、海運業社はそれらの規制に対応する必要が出てきています。

人手不足についても長年課題として挙げられ、若手の人材確保とあわせてDX化により省力化を推進するなどして対策をおこなっています。

海運業は四方を海に囲まれた日本にとって極めて重要な業界で、日本の貿易に占める海上輸送の割合はおよそ99%です。もちろん海運業は海外とのやりとり(外航)だけでなく、日本国内を行き来するもの(内航)もあります。

どちらにせよ、日本の経済にとって海運業はなくてはならない大事な仕事で、将来にわたっても変わることなく続くと思われます。

一方で、業界内でテクノロジーの導入により省力化が進んだり、世界情勢の影響を受けにくい風力発電などに乗り出したり、シェア拡大のためにM&Aをおこなったりと、さまざまな変化がある業界とも言えるでしょう。

競争率が高い大手企業では差別化した対策が重要になる

大手の海運業社(日本郵船、商船三井、川崎汽船、NSユナイテッド海運など)は学生からも非常に人気で、競争が激しい企業です。しかし海運業社は多数あるため、質問者さんの興味・関心と合う企業がどこにあるのか、まずは広く調べてみるのが良いかと思います。

注意点として、「どうして海運業界を志望するのか」を面接で聞かれるため、しっかりとした根拠をもとに話せるようにしておきましょう。

たとえば「海外とかかわる仕事がしたいから」というイメージ先行の答えだけで終わってはいけません。もちろんそのような「想い」を伝えることは大切ですが、それと合わせて「業界を深く理解していること」も伝えることが内定獲得には大切です。

海運業界のことを調べたうえで、その事実をもとにした話をしましょう。これがあるとほかの応募者との差別化が図れますし、海運業界に入りたい理由がより明確になります。

調べる材料として、たとえば国土交通省が発表している国土交通白書というものがあります。2023年版第5章-第3節「産業の活性化」の中に「海事産業の動向と施策」という項目があります。

国が正式に発表しているものなので、まずはこういったところから基本的な知識を固めて、そのうえで必要に応じて企業ごとの研究をしていくのも良いでしょう。

こちらの記事では人手不足の業界を説明しています。人手不足の業界で働くメリットや注意点を解説しているので、チェックしてみてください。

キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

瀧本博史

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課題はあるものの将来性は安定していると言える

海運業界は、環境問題や人手不足といった課題に直面していますが、それでもなお、将来性は見込まれています。

特に海上職の人手不足は、短期的には運賃高騰の要因となっており、業界全体の収益性向上に寄与しています。コロナ禍による港湾での人手不足は、運べる量の減少と運賃の高騰を引き起こし、海運会社の利益増加につながっています。

また、環境問題に対する取り組みも進んでおり、SDGsへの貢献や環境に優しい燃料の導入など、業界全体での努力が見られます。

海運業界は新卒の学生に多くの機会を提供している

海運業界への就職を目指す際には、業界の仕組みや仕事内容、職種について理解を深めることが重要です。市場規模や動向、現状の課題や今後の動向についても知識を深めることで、就活において有利に立つことができます。

特に、環境問題への取り組みやデジタル技術の進化に注目し、これらの分野でのスキルや知識を身に付けることが将来性のあるキャリアを築くうえでの鍵となります。

海運業界は、少子高齢化と人手不足に悩まされているものの、内航海運を含めた物流の大動脈としての役割は変わらず重要です。学生は、業界の現状と将来性を踏まえ、自身のキャリアビジョンに合った職種や企業を見極めることが大切です。

海運業界でのキャリアを目指すなら、環境対応やデジタル化への適応能力を高め、業界の新たな波に乗る準備をして、就活を進めましょう。

海運業界への就職を目指すには、まずは業界理解を深めることが必須です。こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。

海運業界は物流業界に含まれます。こちらの記事で物流業界の分野とそれぞれの特徴を理解して、海運業界ならではの特徴を押さえた志望動機を作成できるようにしましょう。

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