隙間産業とは? 将来性や就職するメリット・デメリットについて解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

隙間産業は大企業が進出していないような、小規模または専門性の高い産業です。

「ちょっと変わった仕事がしてみたい」「新しいことがしてみたい」という人には隙間産業がピッタリです。

とはいえ、隙間産業についての情報は少なく、目指すのに不安を感じている人もいるでしょう。

そこで本記事ではキャリアアドバイザーの野村さん、瀧本さん、隈本さんのアドバイスも交えながら、隙間産業に就職するメリット・デメリットや求人の探し方について解説します。

向いている人の特徴についても解説するので、隙間産業に興味のある人は目指す際の参考にしてみてくださいね。

目次

隙間産業は就活の穴場! 普段意識しない業種にも目を向けて選択肢を増やしてみよう!

隙間産業は小規模な市場や企業が多く、就活においては穴場的存在です。

目を向けてみることで選択肢が増えるだけでなく、自分に合った意外な仕事が見つかるかもしれません。

そこでこの記事ではまず、隙間産業の具体例を紹介するので、どのような企業があるのかイメージを持ちましょう。

またキャリアコンサルタントとともに隙間産業に就職するメリット・デメリットについても解説します。向いている人の特徴についても紹介するので、自分が隙間産業を目指すかどうか検討しましょう。

また、後半では隙間産業のおすすめの見つけ方についても解説します。隙間産業に興味を持って応募してみたいと思ったら、ぜひ参考にして自分にぴったりの企業を探してくださいね。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

イメージを持たせよう! 隙間産業の具体的な成功例

隙間産業とは

隙間産業は小規模な市場であるため、言葉だけ聞いてもイメージを持ちにくいですよね。

そこで、ここからは隙間産業で成功した企業の具体例を3つ紹介します。

上記の企業名を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。一見ニッチに見えないような企業でも、独特の企業戦略や商品で知名度を獲得した結果、今では広く知られるようになっています。

まずは隙間産業のイメージを持つためにも、それぞれの企業の特徴を一緒に見ていきましょう。

①地域特化のコンビニ「セイコーマート」

セイコーマートは北海道に拠点を置くコンビニエンスストアです。

コンビニ=隙間産業というイメージを持ちにくい人もいるかもしれませんが、セイコーマートの特徴は「北海道に特化している」ということです

セイコーマートは地域密着型の経営戦略を取ることで、北海道という狭い市場ながら成功を収めました。

具体的には、割引商品の多さやニーズに合わせた商品を入荷する、弁当や惣菜を店内で手作りするなど、大手コンビニチェーンではなかなかできない戦略を実行し、地域住民の心を掴んでいます。

現在のコンビニ業界はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社がほとんどを占めますが、北海道においてはセイコーマートがこの3社を押さえてシェア1位を獲得しています。

②他社にない機能性やデザイン「バルミューダ」

バルミューダは2003年に東京で創業した家電メーカーです。バルミューダと聞くと、トースターを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

実際にバルミューダが広く知られるようになったきっかけはトースターです。

バルミューダは創業当初は主にパソコンの周辺機器などを生産していましたが、トースターや扇風機・炊飯器のような生活家電にも力を入れるようになりました。

特にバルミューダのトースターは科学的なアプローチでおいしさを追求しており、機能性とデザイン性も兼ね備えています。

価格は2~5万円程度と他社のトースターに比べてかなり高価ですが、逆にそれが「ちょっと良い家電」としての地位を確立しました

③独自のサービスを提供する宿泊施設「星野リゾート」

星野リゾートは旅館やホテルの運営を手がける企業です。近年、星野リゾートが人気になっている理由は「ほかと被らない体験」ができるからです。

星野リゾートはホテル内でその地域ならではの体験ができ、テーマパーク的な楽しみ方ができます

たとえば、栃木県の川治温泉にある「界 川治」では、きな粉作りや和紙作りが体験できます。露天風呂や足湯も川を見下ろせる設計になっており、景色を楽しみながらリフレッシュできるのも魅力です。

このように星野リゾートはそのホテルならではの体験を売りにすることで、業界での地位を確立させました。

隙間産業で成功を収めた企業にはどのような共通点がありますか?

瀧本博史

プロフィール

成功した企業はターゲット市場を明確に絞り込んでいる

たとえば、株式会社星野リゾートは特定の顧客層に向けてサービスを提供し、そのニーズに100%以上応えることを目指しています。このような特化戦略により、不要なサービスを省き、コストダウンと顧客満足度の向上を実現しています。

また、株式会社解決本舗のように、通常の市場で対応できない小ロットの注文に応じることで、他社が参入しにくいニッチ市場を開拓しています。

楽天ブックスネットワークは本を卸売りする際の最低ロットを撤廃し、小規模店舗向けにサービスを提供することで成功を収めています。加えて、常に市場の動向を注視し、競合が少ないうちに市場を独占することを目指しています。

タカラベルモント社のように、理容・美容機器に特化することで限定的な市場でシェアを獲得し続けています。

これらの企業の成功の背景には、顧客ニーズに深く応える姿勢や競合が少ない市場での先行者利益を活かす戦略があると言えます。

まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります

今すぐ診断する(無料)

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

魅力満載! 隙間産業の企業に就職するメリット

魅力満載! 隙間産業の企業に就職するメリット

  • 競合が少ないため安定している
  • そこでしかできない経験ができる
  • 顧客に深く寄り添ったサービス提供ができる
  • 企業が急成長する可能性がある

隙間産業に興味はあっても、どんなメリットがあるかわからずに悩む人もいるでしょう。隙間産業は企業が少ない分情報を入手しづらく、なかなか安心できる材料が集まりません。

そこで、ここからは隙間産業の企業に就職する一般的なメリットについて4つ紹介するので、隙間産業への就職を目指す際の参考にしてくださいね。

競合が少ないため安定している

隙間産業の大きな特徴として、ほかの企業が参入していないということが挙げられます。参入していない理由は市場が小さかったり新しい取り組みであったりとさまざまです。

どの業界にも言えるのは、競合が少ないということは顧客の取り合いが発生しないため、安定しているということです

その企業でしか扱っていない商品があれば、商品を必要とする顧客は必ずその企業で商品を購入することになります。リピーターが多くつくような商品を販売しているなら、安定的な収益も見込めるでしょう。

また、安定しているということは、少ないリスクでチャレンジができる環境でもあります。そのため新規顧客の開拓や新しいサービスに携わってみたいという人に向いています。

安定した企業に就職したい人は、以下で安定している職業の特徴について解説しているので、併せて確認してみてください。

関連記事

11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ

「安定した職業に就きたい」「将来性のある仕事がしたい」という人に向けて、記事ではキャリアコンサルタントとともに安定した職業11選を紹介します。就職を決める前に知っておくべき情報も解説しているので、ぜひ仕事探しの参考にしてくださいね。

記事を読む

11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ
競合が少ない企業に就職すると、成長意欲がなくなりそうで心配です……。

競合が少ない企業でも自分のスキルや知識を伸ばしていくことは可能

大切なのは、自分自身の成長意欲を持ち続け、自らのキャリアを積極的に切り開いていくことです。競争が少ない環境では、リーダーシップを発揮する機会も多く、自分の成長を実感しやすい場合もあります。

まず、自分のキャリア目標を定めて何を学びたいのか、どのようなスキルを身に付けたいのかを明確にし、企業内で新しいプロジェクトに挑戦したり、自主的に勉強会を開催したりするなど、自分の成長のための機会を作り出す取り組みを意識しましょう。

そこでしかできない経験ができる

隙間産業はその商品を扱う企業数が少ないため、そこでしかできない経験ができます。型にとらわれない働き方がしたい人は、大いに楽しみながら仕事に取り組めるでしょう。

また、長く働くことでその業界や商品のスペシャリストになることができるのも魅力です。業界・商品について深く知っている人は自分以外にほとんどいないため、その唯一性は自己肯定感を上げることにもつながります。

さらに、市場が大きくなった際には人材としての市場価値も大きく上がる可能性があります。

野村 芳克

プロフィール

ユニークなスキルを持っている人は独自性があり、他者と比べた競争優位性を生み出すことができるため、市場価値が高まります。特定のニッチな市場で非常に重宝されるため、将来的なキャリアにも大きなメリットとなるでしょう。

顧客に深く寄り添ったサービス提供ができる

ニッチ市場は小規模であることが多いため、顧客は限られてしまいます。しかし、逆に顧客が少ない分、顧客一人ひとりに深く寄り添ったサービスをできる強みもあります。

たとえば、先述した星野リゾートのようなサービス業であれば、より丁寧なおもてなしができることで、顧客の満足度も上げられるでしょう。

顧客が満足すれば、その顧客はリピーターになってくれる可能性があります。リピーターを獲得すればさらなる収益にもつながり、安定した経営ができるようになります

さらに、満足した顧客は知人やSNSに良い情報を流してくれるかもしれません。良い噂を聞きつけた人が商品を購入してくれれば、市場の拡大や収益アップにつながります。

企業が急成長する可能性がある

隙間産業は規模が小さい反面、企業が急成長する可能性をはらんでいます。口コミやマスメディアのような何かがきっかけで、ある日突然商品が流行するかもしれません。

特に最近はSNSの発展により、商品や企業が「バズる」ことも往々にしてあります。

企業が急成長すれば忙しくなるかもしれませんが、その分収入アップや昇進の可能性も高まります。

また、「商品を流行させた」「急成長する企業で活躍していた」という実績は、キャリアアップするうえでも大いに評価されるでしょう

瀧本博史

プロフィール

急成長した企業のうち、バルミューダとセイコーマートの労働者は、高い顧客満足度を維持するための教育やトレーニングを受け、やりがいのある環境で働くことができています。

たとえば、セイコーマートの従業員には安定した雇用が提供されているため、安心して過ごすことができています。

こんな点には注意! 隙間産業の企業に就職するデメリット

こんな点には注意! 隙間産業の企業に就職するデメリット

  • 事業が失敗するリスクがある
  • 企業が急成長すると非常に忙しくなる
  • 求人を探しにくい

隙間産業はそこでしかできない貴重な経験ができたり、市場や企業が成長する場面に立ち会えるなど魅力が多くありますが、一方でデメリットもあります。

デメリットについて理解しておかないと、入社してから取り返しのつかない事態になるかもしれません。

以下では隙間産業に就職するデメリットについて解説するので、理解したうえで応募を検討しましょう。

事業が失敗するリスクがある

隙間産業は事業が当たれば大きな利益を得られる一方で、失敗するリスクと隣り合わせにあります。

事業が失敗すると、最悪の場合は勤務先が倒産して職を失う可能性があるので注意してください

不安定な企業へ就職してしまうのを避けるためには、事前に企業研究を深めるのはもちろん、業界の将来性についてもよく調べておきましょう。

実際に、隙間産業では以下のような失敗例もあります。

隙間産業の失敗例

  • 太陽光発電:参入する企業が増え過ぎて、自治体からの補助金がもらえなかったり、思った利益を上げられない企業が続出した
  • 液晶テレビ:後から参入した大手企業との競争に巻き込まれ、競争力を失った
事業に失敗した企業はどうなるのでしょうか……?

野村 芳克

プロフィール

最悪の場合倒産する可能性がある

倒産してしまえば、社員は職を失い、給与や福利厚生の保障がなくなるリスクもあります。

失敗の原因には市場の変動や過剰な競争が含まれますが、隙間産業の企業はリスクを克服し成功することで、新たな市場を創造する可能性もあります。

つまり、リスクがある一方で、成功すれば貴重な経験を積むことができるため、成長の一端を担うことも可能なのです。

悪い面もありますが、良い面も多いことを理解して、慎重に判断することが重要ですよ。

企業が急成長すると非常に忙しくなる

隙間産業は何かのきっかけで企業が急成長する可能性があります。企業が急成長すると自分の収入アップの可能性がある一方で、非常に忙しくなることが予想されます。

そもそも小さな規模で商品を販売していたのに、突然SNSでバズって商品の生産が追いつかないくらいに注文が殺到すると、売り切れや販売中止を余儀なくされるかもしれません。

需要に応えるためには生産力を上げる必要がありますが、いきなり従業員を増やすわけにもいかず、安定するまでは必死に働かなければならないでしょう

今まではやりたい仕事でワークライフバランスも取れていたのに、仕事に忙殺されるようになってしまうと「こんなはずじゃなかった」「仕事がつらい」と思うようになり、離職につながる危険もあります。

事業が急成長して後悔した人の事例として、小さなスタートアップ企業に就職し、初めは新しいチャレンジに満足していたものの、事業の急成長とともに、業務量の増加や長時間労働によって当初のアットホームな雰囲気が失われ、ストレスを感じるようになったというケースがあります。

求人を探しにくい

隙間産業の企業に入りたくても、そもそもの企業数が少ないため求人を探しにくいというデメリットもあります。

特に小さい企業は求人広告を打ち出す余力があまりないため、費用のかかる大手求人サイトに掲載していない可能性もあります

隙間産業の企業を探すならSNSを駆使したり、業界研究を深めたり、さまざまな就活サービスに登録したりと、あらゆる手段を講じなければならないでしょう。

また、企業に関する情報も少ないため、仮に企業を見つけたとしても選考対策が難航する可能性も考えられます。

これらの理由から、時間の限られた就職活動の中で隙間産業の企業を目指すのは効率が悪いと言わざるを得ません。

ただ、ほかにはない魅力があるのも間違いないため、目指すのであれば覚悟を持って取り組みましょう。

野村 芳克

プロフィール

隙間産業の求人は数が少なく探しにくいですが、SNSや業界研究、就活サービスの活用が鍵となります。企業情報が限られているため、大学の先輩や知人などの人的ネットワークを活用して直接アプローチすることも効果的でしょう。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

知らない人が多い! 隙間産業の意外な魅力

知らない人が多い! 隙間産業の意外な魅力

  • 特定の市場を独占できる
  • ファンができやすい
  • リピーターが多い

企業研究をするうえで、「この企業はどうしてわざわざニッチ市場を狙うんだろう」という疑問が湧く人もいるのではないでしょうか。

一般的に考えれば需要の見込める商品を売った方が、安定した利益が出しやすいと思いますよね。

ここからは隙間産業が持つ意外な魅力について解説していきます。隙間産業の魅力がわかれば、より目指してみたいという気持ちが強くなるでしょう。

特定の市場を独占できる

隙間産業は参入企業が少ないため、特定の市場を独占できます。顧客が買うのは自社の商品であるため、企業は安定した収益を上げられるでしょう。

市場が大きくなると後からさまざまな企業が参入してくる可能性もありますが、それでも企業戦略がうまくいけば先駆けのブランドとして一定の地位を獲得できます。

隙間産業で成功したうえでブランド力を落とさず収益を上げ続けるためには、「その企業ならではの魅力」が必要です

就活の選考対策においては、企業や扱う商品の魅力がハッキリとしているため、言及しやすいとも言えます。

ファンができやすい

隙間産業は競合がいないため、ファンを獲得しやすいのも魅力です。ファンは自社のほかの商品を買ってくれたり、知人やSNSに宣伝してくれたりといったメリットをもたらします

たとえば、先述した「バルミューダ」のトースターは他社にはない機能性とデザインを備えています。そのため次の買い替えでもバルミューダのトースターを選んだり、ほかの家具もバルミューダにして統一感を出したりといった行動を起こすファンもいるようです。

瀧本博史

プロフィール

ニッチ市場では、企業は独自の価値提案をすることと顧客ニーズへの理解を深めることで新規顧客を獲得しています。

たとえば、星野リゾートは特定の顧客層にターゲットを絞り、高い顧客満足度を実現しています。また、バルミューダは高機能でおしゃれな家電製品を提供することで成功しています。

競合が少ない分価格競争に巻き込まれず、価値向上に集中できているのです。

リピーターが多い

市場を独占していると、顧客は繰り返し商品を買ってくれます。たとえ市場を独占できていなくても、ブランド力を上げればリピートしてもらえるでしょう。

ニッチな市場にいる顧客は大企業が提供するような既存のサービスでは満足していない人が多い傾向であり、ニーズに応えられれば継続的な収益が期待できます

また、リピーターはコアなファンになる可能性があり、顧客の絶対数が少ない隙間産業では、リピーターの獲得は必須です。

どんな人が向いている? 隙間産業にマッチする人の特徴

どんな人が向いている? 隙間産業にマッチする人の特徴

  • 好奇心旺盛な人
  • 何かの分野のスペシャリストになりたい人
  • 周囲の目を気にしない人

隙間産業の概要やメリット・デメリットについて解説してきましたが、自分が隙間産業に向いているかどうかわからず応募するのを悩んでいる人もいるでしょう。

そこで、以下では隙間産業にマッチする人の特徴を3つ紹介します。当てはまったら適性があるので、ぜひ応募を検討してみてくださいね。

好奇心旺盛な人

隙間産業は珍しい商品を扱い、関わる顧客も普通の市場では出会えないような人が多くいるため、好奇心旺盛な人は飽きることなく仕事に取り組めるでしょう。

また、好奇心旺盛な人は新しいアイデアを考案できるため、ビジネスの成功につながる可能性もあります

顧客に興味を持てば、顧客のニーズについても深く理解でき、より良い商品を生み出すきっかけにもなるでしょう。

さらに好奇心旺盛で何事にも前向きに取り組めるため、選考においても有効にアピールできます。隙間産業では新しいことへのチャレンジや新規先の開拓が重要です。そのため、主体的に動ける人材は特に需要が高いと言えます。

好奇心旺盛であることをアピールしたい人は、以下で自己PRの作成ポイントについて解説しているので、併せてご覧ください。

関連記事

例文12選|自己PRで好奇心旺盛を最高の武器にする考え方4ステップ

自己PRで好奇心旺盛をアピールしたい人向けに、アピール方法や例文を紹介しています。キャリアコンサルタントからのアドバイスが付いた自己PRを参考にしてみてください。周りと差別化した好奇心旺盛の自己PRで選考を突破しましょう。

記事を読む

例文12選|自己PRで好奇心旺盛を最高の武器にする考え方4ステップ

好奇心旺盛な人は隙間産業で、珍しい商品の開発や独自のマーケティング戦略を立案する際に強みを発揮して成功に導くことができるでしょう。

たとえば、ユニークな健康食品を開発し、特定のニーズを持つ顧客層にアプローチして売上を飛躍的に伸ばすなどです。

何かの分野のスペシャリストになりたい人

専門的な職種を選べばスペシャリストにはなれますが、こと隙間産業においてはほかにいないユニークな人材になれる可能性があります。

市場が小さかったり商品が売れていなかったりする段階では他業界では役に立ちにくいスキルかもしれませんが、市場が成長して他企業が参入すると、一気にその市場価値は高まります

場合によってはマネジメントする立場になり、大幅な収入アップにつながるかもしれません。ただし、スペシャリストになるためには常に勉強を継続する忍耐力や覚悟が必要になることも覚えておきましょう。

野村 芳克

プロフィール

スペシャリストになるメリットは、個人の価値観や興味に合った専門性を高められる点です。

ユニークなスキルが評価されて市場価値が急成長する可能性もあり、キャリアの幅が広がり、マネジメント職や収入アップのチャンスも増えます。

周囲の目を気にしない人

隙間産業の企業に就職すると、周囲からは会社の安定性や将来性を心配される可能性があります。確かに隙間産業の企業は事業が失敗すると経営が傾くリスクを抱えています。

しかし、隙間産業で働く多くの人はそのリスクを承知のうえで、チャレンジ精神を持って業務に当たっています。周囲の目を気にする人ではリスクが気になってしまい、積極的なチャレンジはできないでしょう。

ただし、無謀なチャレンジをしている企業に就職しても、失敗するだけです。何も考えずに選ぶのではなく、事業の将来性や経営方針など深く研究したうえで伸びしろを考え、成功すると思った隙間産業を選ぶことが重要です。

瀧本博史

プロフィール

周囲の目を気にしないタイプの人は、自分の強みを明確にして自己分析をしっかりおこなうことが重要です。自分の価値観に基づいてキャリア選択を進めましょう。

多様な企業や業界を調査し、自分の興味と合う企業を見つけることが大切です。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

新卒で隙間産業の企業に就職しても良い? キャリアコンサルタントが徹底解説

新卒で隙間産業の企業に就職することに不安を感じている人も一定数いるでしょう。社会のことをよく知らないのに、いきなりチャレンジするのは不安ですよね。

そこで、ここでは隙間産業を含むあらゆる業界に詳しい野村さんに、新卒で隙間産業の企業に就職するメリットやリスクについて質問しました。

一度きりの人生ですから、しっかりキャリアを考えたうえで検討しましょう。

アドバイザーコメント

隙間産業では実力がダイレクトに評価されやすい

新卒で隙間産業の企業に就職することの不安はよく理解できますが、自分のキャリアプランをしっかり考えることが重要です。

隙間産業は確かにリスクを伴いますが、それと同時に独自の価値を提供できるチャンスも広がります。隙間産業の企業は通常、市場が狭く競合が少ないため、業務で高い専門性を磨くことができ、個々の貢献がダイレクトに評価されやすいです。

隙間産業の実情を理解したうえで自分の意志を大切にしてキャリアを選択しよう

隙間産業は、市場が成長した際にほか企業が参入する過程に立ち会うことで、成功のチャンスが広がります。

このような状況での経験は、将来的に大きなキャリアアップにつながる可能性があります。事業が成功すればマネジメントのポジションや収入の増加も期待できるでしょう。

ただし、隙間産業は不安定な面もあるため、事前に企業の将来性や経営方針をよく調査することが大切です。

業界のトレンドや企業のビジョンを理解し、自分の興味や価値観に合った選択をすることで、リスクを最小限に抑えながらチャレンジすることができます。

周囲の意見に影響されすぎず、自分自身のキャリアビジョンを明確に持つことが成功の鍵となりますよ。

隙間産業はどうやって見つける? おすすめの探し方

隙間産業はどうやって見つける? おすすめの探し方

  • 就活サイトを利用する
  • 就活エージェントに相談する
  • SNSを活用する

隙間産業は企業数が少なく、顧客も少ないため情報を入手するのが困難です。隙間産業の企業に就職したくても、そもそも求人が見つからなければ応募できませんよね。

そこで以下では隙間産業のおすすめの探し方を3つ紹介します。より多くの企業と出会うために、すべての方法を併用して幅広く探すのがおすすめです。

就活サイトを利用する

求人を探すオーソドックスな方法として、就活サイトを利用する方法があります。就活サイトには数百~数万件の求人が掲載されており、目当ての求人が見つけやすいのが特徴です。また、自分の好きな時間に好きな検索方法で探せる手軽さも魅力です。

大まかな業界が定まっているなら、業界に特化した就活サイトを利用するとニッチな企業が見つかる可能性もあります。

ただし、就活サイトはマッチングは不得意で、自分と掲載企業との相性が分かりにくいというデメリットがあります。

さらに、就活のプロのサポートも受けられず、選考対策は自分でしなければならない点には注意しましょう。

就活サイトで隙間産業の企業を見つけるには、検索キーワードに「ニッチ市場」「専門特化」などと入力し、業界フィルターで「新興企業」や「スタートアップ」を選択すると効果的です。

また、企業説明や口コミでビジネスモデルを確認することも大切です。

就活エージェントに相談する

就活エージェントに相談すれば自分にマッチした企業を紹介してくれ、企業に合った対策もしてくれるので、納得感のある内定を得ることができます

キャリアアドバイザーにキャリアプランの相談もできるので、隙間産業の企業に就職した場合のキャリアも一緒に考えてもらいましょう。

就活エージェントのデメリットは、自分の希望と違った求人を紹介される可能性があるという点です。エージェント側は適性があって紹介してくれているのですが、隙間産業に絞って就活をしたい人にとっては鬱陶しく感じるかもしれません。

また、就活エージェントは就活サイトと比べると求人数で劣るため、希望の求人を取り扱っていない可能性がある点にも注意しましょう。

SNSを活用する

隙間産業はそもそもの知名度が低いため、企業は知名度を上げるためにさまざまな取り組みをしています。特に最近では運用コストの低いSNSを活用して積極的に発信をおこなっている企業が増えています

発信の形態はさまざまで、YoutubeやTikTokなどの動画を活用している企業や、X(旧Twitter)やInstagramなどの写真・文章をメインにアピールしている企業があります。

どんな企業との出会いがあるかわからないので、より多くの企業を効率よく探すなら、幅広くSNSを利用して情報収集しましょう。

アドバイザーコメント

企業探しの手段への理解を深めて有効活用できるようにしよう

就活サイトは多くの企業の求人情報を提供しているため、特にリクナビやマイナビといった大手サイトでは、豊富な求人情報にアクセスできます。

さらに、OpenESのように一度作成したエントリーシート(ES)を複数の企業に応募できる機能があり、効率的な就職活動が可能です。ONE CAREERのようなサイトは、企業の詳細情報やインターンシップ情報が豊富に掲載されているため、情報収集に非常に便利です。

就活エージェントは、キャリアアドバイザーが個別にサポートを提供し、就活生の強みを引き出す手助けをします。リクナビ就職エージェントやdoda新卒エージェントなどが代表的で、書類添削や面接対策など、選考に向けた具体的なアドバイスを受けられます。

また、エージェントは大手企業だけでなく、中小企業やベンチャー企業の求人情報も提供しているため、多様な選択肢のなかから企業を選ぶことができます。

InstagramやXなどのSNSでは、企業の最新動向や採用情報をリアルタイムで知ることができます。自分の興味のある業界のプロフェッショナルとつながることで、情報交換をしたりアドバイスを受けられたりするでしょう。

さらに、プロフィールや活動内容を公開して企業にアピールすることで、自分をより効果的にPRすることができます。

企業探しをする際はさまざまな手段を併用することがおすすめ

求人検索型サイトを利用する割合を40%、スカウト型サイトを30%、エージェント型サービスを20%、SNSを10%程度の割合で活用するのが効率的です。

一つの方法に頼って隙間産業を探すのではなく、さまざまな視点を組み合わせて多角的にリサーチすることで、効率的かつ効率的な就職活動が可能となるでしょう。

隙間産業には魅力的な企業が多い! 丁寧に企業研究して自分に合った企業を探そう

隙間産業の企業は他社にはない商品を扱っており、働くと「面白い」と感じるでしょう。事業に成功すれば一気に企業が成長するため、次々に成果が出る喜びも感じられます。

しかしもちろん事業に失敗するリスクもあるため、事業の将来性や企業の経営方針をよく確認したうえで、自分のキャリアに合った企業を選びましょう。

なかなかピンとくる企業が見つからない場合は、本記事を参考に根気強く探してみてくださいね。

アドバイザーコメント

隙間産業にはほかの企業にはない魅力がたくさんある

隙間産業は、大企業が手をつけない小規模で専門性の高い分野で活躍しているため、ほかにはない独自の魅力があります。

競合が少なく、比較的小規模で安定した経営をおこなっている企業も少なくありません。また、企業が急成長する可能性もあり、その成長の一端を担うことで自身のキャリアも飛躍的に伸びるでしょう。

リスクやデメリットも理解したうえで納得のいくキャリアを築こう

隙間産業にはリスクも伴います。事業が失敗するリスクや急成長による忙しさ、求人の探しにくさなどのデメリットもあります。これらを乗り越えるためには、企業研究を深くおこない、将来性や経営方針をしっかりと見極めることが重要です。

自分で求人を見つける際には、就職サイトを活用して「ニッチ企業」「隙間産業」などのキーワードで検索してみましょう。また、就職エージェントサービスの利用も効果的です。

好奇心旺盛で新しいことに挑戦したい、何かの分野でスペシャリストになりたい、そして周囲の目を気にせずに自分の道を進む勇気があるといった人は、隙間産業はぴったりです。

未知の世界に飛び込んで、自分だけのユニークなキャリアを築き上げてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

関連Q&A

カテゴリーから探す

目次

TOP

PORTキャリア