世の中には多くの仕事があり、そのすべてが社会の維持・発展に貢献しています。就活をするうえでは、その多様な仕事のなかから自分の力を発揮できるものを選択できれば、いきいきとした社会人生活を送ることができるといえます。
この業界・職種大全では、8業界・11職種を取り上げ、各業界の各職種がどのように社会とかかわっているのかを網羅的に理解するための情報を掲載しています。気になる仕事が見つかったら、詳細記事をチェックしてさらに理解を深めていきましょう。
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業界とは

業界とは、展開する事業やサービスによって会社を分類したものです。業界が同じである場合、展開しているビジネスモデルも基本的には共通しているため、どのような形で社会に貢献したいかが決まっている人は業界から就職先を絞り込むことをおすすめします。
業界を理解することで、業界における各会社のポジションも考えることが可能になります。会社の社会的影響力や成長性を考えるうえでも、業界研究は欠かせません。
さらに、一つの業界を把握すると、業界同士のつながりが見えてきます。たとえば、ペンが店舗に並ぶまでにも多くの業界がかかわりますが、メーカーがペンを製造し、ペンを買い付けた商社が小売へ商品を卸し、かつそれぞれのやり取りの間でペンを運ぶのは物流です。
各業界のつながりを知っていくと、より広い視野で自分に合った環境を探すことが可能になります。加えて、業界のつながりを知ることで各業界のビジネスモデルや特性も理解できます。
特に新卒から若手の就活では、業界への理解と志望動機の納得性が、そのまま仕事に対する熱意や企業への志望度の高さと結び付けられやすいです。変革期を迎えている業界も多いので、正しい情報やトレンドを志望動機に織り込めると、熱意がより伝わりやすくなります。
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業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
「就活を始めたけど、業界研究のやり方がわからない……」という人は多いでしょう。この記事では、業界研究のやり方について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。志望業界を見つけるためにも、早めに業界研究をおこなってくださいね。
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メーカー業界

メーカー業界とは
あらゆる「モノ」を製造する業界。製造業とも呼ばれる
メーカー業界の分類
- 素材メーカー:製品の原料となる素材を製造する
- 部品メーカー:素材を仕入れ、製品を構成する部品を製造する
- 加工メーカー:部品を組み合わせ、製品を完成させる
- 総合メーカー:素材の製造から加工までを一社でまかなう
「モノ」を製造するからこそ、メーカー業界が含む業種は多岐にわたります。衣食住など生活の根幹を担うモノ、生活をより豊かにするモノ、あるいは日々意識していなくともあなたの生活を支えるモノ、あらゆる「モノ」によってメーカー業界が構成されています。
また、メーカー業界は1種類の製品に複数企業がかかわることも少なくありません。各企業が製造するものによって、どの工程を担うかが決まります。全工程を自社でまかなう企業もあります。
人気が高く、業種の幅も広いメーカー業界への就職を志望する人は「なぜこの業種に惹かれるのか」「どうしてその会社で働きたいのか」を選考のなかで明確に示さなくてはなりません。
メーカー業界が向いている人の特徴
- ものづくりに興味がある
- サービスよりも形あるモノを提供したい
- 規模が大きい事業に携わりたい
メーカー業界の業種説明
建設業界/アパレル業界/鉄鋼業界/スポーツメーカー/ゲーム関連
メーカー業界の志望動機
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商社業界

商社業界とは
あらゆる商品やサービスの取引を仲介する業界。原材料費や工場運営の費用がかからないため、売り上げが人件費に充てられる割合も高い傾向にある
商社業界は総合商社と専門商社に二分されます。
総合商社は幅広い商品・サービスの取引を仲介するため一般における知名度も高く、例年学生からの人気も非常に高い業種です。扱うものの母数が大きいため、それに比例して仕事の規模や取引額も大きくなりやすい特徴を持ちます。
一方、専門商社は特定分野の商品・サービスを扱う業種であるため、分野によって仕事の規模や取引額は大きく差が出ます。専門商社に共通する特徴としては、商品・サービスの提供元に対して中立の立場を保ったまま専門性を深めることができる点が挙げられます。
加えて、商社は自社独自の商品やサービスを持たず、ビジネス展開もBtoBが前提です。商社を志望する人は自分が業界のどこに惹かれているかだけでなく、商社業界においてどのようなスキルが求められているのかも把握しましょう。
総合商社が向いている人の特徴 | 専門商社が向いている人の特徴 |
---|---|
幅広いサービス・商品を通じて さまざまな業界・企業とかかわりたい人 | 特定の領域のスペシャリストとして 各業界・企業とかかわりたい人 |
好奇心旺盛な人 | 専門性を活かして働きたい人 |
規模の大きな仕事に携わりたい人 | 顧客と深い信頼関係を構築できる人 |
商社業界の業種説明
商社業界の志望動機
小売業界
小売業界とは
メーカーや商社などから仕入れた商品を消費者へ直接販売する業界。一般的に店舗を構える
業種 | 商品 | ビジネスモデル |
---|---|---|
百貨店 | 衣料品・食品など | 各企業の商品を百貨店が代理販売して その売り上げからマージンを得る |
スーパー マーケット | 食品・生活用品など | 商社などから商品を仕入れて 店舗で販売する |
コンビニエンス ストア | 食品・生活用品など | 直営店の売り上げと フランチャイズ店からのロイヤリティのが 企業の利益になる |
専門店 | 医薬品(ドラッグストア) 衣料品(アパレルショップ) 生活用品(ホームセンター) など | 自社製品や商社などから仕入れた商品を 各店舗で販売する |
小売業界は、消費者と直接対面する店舗と、各店舗を統括する本部に分かれています。店舗と本部では働き方が大きく異なりますが、おおまかには店舗は現場の運営を、本部はブランドや会社の経営を担っています。
店舗を運営する小売業界は業種を問わず人材不足という課題を抱えやすく、特にここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響もあって通信販売の利用が増えたため、店舗展開の規模や、あるいはビジネスモデルそのものを見直さなくてはならない変革期を迎えています。
しかし、デジタル化は通販による海外展開や新たなプロモーションをも可能にもしました。スマートフォンのカメラを使って、買う前の家具を部屋に置くシミュレーションをおこなえるようになったのもその一つです。
小売業界が向いている人の特徴
- 顧客と直接やり取りをしたい
- 初対面の相手ともスムーズにコミュニケーションが取れる
- 生活に直結する仕事がしたい
小売業界の志望動機
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金融業界

金融業界とは
個人・組織に対して資金を融通するためのサービスを提供する業界。資金取引の仲介をおこなう。仲介方法は多岐にわたり、総じて事業規模が大きい傾向がある
金融業界の業種の例
- 銀行・証券
- クレジット
- 信販・リース
- 生保・損保
金融業界は大きく直接金融と間接金融に分かれます。直接金融は資金を必要とする人・組織が株式や債券を発行し、それらの購入者から資金を調達するビジネスモデルです。
一方間接金融は、資金を必要とする人・組織が金融機関から融資を受けるビジネスモデルになります。金融機関が預金者と貸付先の間に入るため間接と呼びます。
証券が直接金融の代表例です。証券会社は確かに顧客と証券市場の間に入りますが、そのやり取りのリスクは負いません。対して、銀行は間接金融に当たります。顧客の預金を元手にして融資などをおこない、もしその融資が失敗に終わったら顧客の預金を補填するのは銀行です。リスクを担うのが誰なのかを考えると、直接金融と間接金融の違いがわかりやすくなります。
ビジネス領域が広いうえに専門性が高い非常に複雑な業界なので、まずは概要をとらえるところから始めましょう。
金融業界が向いている人の特徴
- 分析力や論理的思考力が高い
- 幅広い世代の人とスムーズに打ち解けられる
- 幅広い業界のビジネスに興味がある
金融業界の業種説明
金融業界の志望動機
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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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サービス・インフラ業界
サービス・インフラ業界とは
社会の維持・発展に必要なサービスを提供する業界。個人の生命や生活に密接したものに限らず、社会基盤にかかわるサービス全般を提供する業種が該当する
サービス・インフラ業界の業種の例
- 不動産
- 鉄道・航空・運輸・物流
- 電力・ガス・エネルギー
- フードサービス
- ホテル・旅行
- 医療・福祉
- アミューズメント・レジャー
- コンサルティング・調査
- 人材サービス
- 教育
インフラ業界にはガス・水道・電気、サービス業界には物流や医療・福祉、コンサルティングなどの業種が含まれます。基本的には無形商材を提供する業種が該当すると考えましょう。
社会の基盤を支えるというやりがいの大きさから学生からの人気が高い業界ですが、業種によって差があることも事実です。その差は日常生活とのかかわりの多寡、給与、働き方に起因します。
インフラ系の生活基盤を支える業種は、新規参入のハードルが高いうえに需要も安定的にありますが、国内人口の減少に伴って市場は緩やかに縮小している傾向にあり、新たなビジネス軸の確立が求められる変革期の只中にあると言えます。
一方、コンサルや教育、人材は競争率が高いものの、企業利益の創出・拡大に寄与するビジネスなので、需要は今後も高まる見込みです。BtoBのなかでも、利益創出や人材獲得、人材育成は業界業種を問わずすべての会社が向き合わなくてはならない課題なので、顧客層が広く、将来性が高いと言えます。
サービス業界が向いている人の特徴
- 人や組織の成長をサポートする仕事がしたい
- 規模の大きな事業に携わりたい
- 向上心・成長意欲が強い
インフラ業界が向いている人の特徴
- 人の生活を支える仕事がしたい
- 地域に密着した働き方がしたい
- 規模の大きな事業に携わりたい
サービス・インフラ業界の業種説明
サービス・インフラ業界の志望動機
不動産業界/航空業界/物流業界/インフラ業界/ガス会社/ホテルフロント/旅行会社/医療業界/コンサル業界/人材業界/教育業界
ソフトウェア業界

ソフトウェア業界とは
ソフトウェアを開発・提供する業界。広義には、ソフトウェアに関連して通信やインターネットにかかわる商品・サービスを提供する業界
ソフトウェア業界とは、いわゆるIT業界です。成長性が非常に高く学生からの人気も高いですが、需要に供給が追い付いていない傾向にあります。
業界の特徴として、一つの製品を開発・提供するまでの過程に複数企業がかかわるケースが多いことが挙げられます。顧客からヒアリングした情報をもとに製品の内容を決める上流工程、上流工程で決まったことに従い実際に開発をおこなう下流工程のうち、その会社がどちらを担っているかによって業務内容は大きく変わります。大きな会社であれば一社で全工程をまかなう場合もあります。
また、ソフトウェア業界の主力ビジネスはBtoBです。各会社が求めるシステムを開発・提供するのに加え、そのシステムが正常に運用されるためのメンテナンスもおこないます。一度発足したプロジェクトが長期間利益を創出できるビジネスモデルなので、デジタル化が加速する現代社会では市場拡大を狙いやすい業界です。
ソフトウェア業界が向いている人の特徴
- 新しいモノ・技術に興味がある
- 分析力や論理的思考力が高い
- 向上心・成長意欲が強い
ソフトウェア業界の業種説明
ソフトウェア業界の志望動機
広告・出版・マスコミ業界

広告業界とは
個人・会社からの依頼を受け、依頼主のサービスの宣伝を代行する業界。マーケティング業界とも呼ばれる。テレビ・新聞・Webなどのメディアに広告を載せるほか、プロモーションのためのイベント企画・運営などもおこなう
広告業界は顧客の依頼を受けて広告を制作し、その広告をメディアに掲載したり、販促用のイベントを運営することで顧客のサービスの宣伝を代行しています。そのため、広告業界に属する会社は一般的に広告代理店と呼ばれます。
広告を掲載する際には、広告業界から各メディアへ広告費が支払われているため、特にマスコミ業界はこの広告費がおもな収益になります。そのため、両者はきわめて密接な関係にあります。広告業界は消費者へ向けて宣伝をおこなうので、強い影響力・拡散力を持つメディアほど広告費を得られます。
広告業界が向いている人の特徴
- 規模の大きな事業に携わりたい
- 幅広い業界・企業にかかわりたい
- バイタリティがある
出版・マスコミ業界とは
各メディアを通じて消費者へ情報を提供する業界
メディアのうち、特にテレビ・ラジオ、新聞といった、消費者からの収益がほとんど見込めないビジネスモデルの媒体は、広告費がなくては成立しません。加えて近年はWebに影響力を奪われつつあり、ビジネスの転換を求められています。
しかし、書店やコンビニへ出版物の販売を委託する出版社は上記の媒体ほど広告費を重視しているわけではありません。出版社もまたインターネットの普及によって市場は縮小しつつありますが、コミックスを中心とした電子書籍の売り上げは順調であり、今後は業界全体よりも各社のビジネス展開に注目が集まると予測できます。
広告・出版・マスコミ業界は身近な存在であるため、学生からの人気が高い業界です。業界全体への理解と業界の将来を見通す力が選考突破には必要不可欠です。
出版・マスコミ業界が向いている人の特徴
- 好奇心旺盛
- 探求心が強い
- 文章を読み書きするのが好き
広告・出版・マスコミ業界の業種説明
広告・出版・マスコミ業界の志望動機
官公庁・公社・団体

官公庁・公社・団体とは
営利をおもな目的とせず、国や地域に住む人々の健全で安全な生活の維持のためのサービスを提供する業界
官公庁・公社・団体の業種例
- 中央省庁
- 地方自治体
- 裁判所
- 公立学校
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 独立行政法人
官公庁とは官庁および地方公共団体を指し、その国や地域の生活基盤を支えています。そして公社や団体はもともと国が担っていた業務を代行する法人のことであり、いずれも公的サービスを担っている点が共通しています。代表的なのは行政を支える中央省庁・地方自治体、公立学校です。
たとえば教員は、生徒の生徒の心身の健やかな成長のためにさまざまな業務をおこないます。授業やそれに使う教材を用意することはもちろん、生徒同士のつながりを作ったり、保護者や各種団体との連携を取ったりと、多角的に生徒を支援するのが役目です。
公的サービスは人々の生活に欠かせないため需要が安定していて、特に国家資格を必要とする業種は給与水準も高いです。一方で、利益創出を目的とする民間企業に比べると個人の成果が評価されにくく、その安定性がかえって欠点ととらえられる場合もあります。
官公庁・公社・団体を志望する人は、まずは一つの公的サービスへの理解を深め、自分がどのような形で社会貢献をしたいのかを考えるための指標を持ちましょう。
官公庁・公社・団体が向いている人の特徴
- 国や地域の発展に興味がある
- 組織や人の成長に貢献したい
- バイタリティがある
官公庁・公社・団体の志望動機
職種とは

職種とは、社内で各人が担当する仕事を、内容や性質で分類したものです。職種と似た言葉に業種がありますが、業種は会社の事業の分類です。職種はあくまでも個人の仕事の分類であり、基本的に業界が違えど職種が同じであれば、実務で活かせるスキルは共通します。
一つの会社の中で各職種は連携していて、たとえばメーカーの場合、営業職が「こんな製品を作ってほしい」という依頼を獲得してきたら、研究職が用意した材料のもと、技術職が設計や生産をおこないます。製品によってはデザイナーなどのクリエイティブ系の職種がかかわることもあるでしょう。
もしこれがソフトウェア会社での話であれば、営業職が「こんなシステムが欲しい」という依頼を獲得した後、コンサルタントやエンジニアがシステムの内容を練り上げ、実際にエンジニアがシステムを形にします。この2つの例を比べた時、業界が違えど営業職の担当領域が同じであることがわかります。
つまり、仕事でどのようなスキルを獲得・活用できるかは職種に由来するところが大きいのです。自分の強みを活かして働きたい人や、専門性を伸ばしたい人は職種から仕事を探すことをおすすめします。
どのような職種があるのかは以下の記事でも詳しく紹介しているので、併せて確認してください。
関連記事
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう
就活の軸を決めるために、さまざまな職種の種類について理解を深めましょう。この記事では職種の種類を紹介するだけでなく、向いている職種の選び方をキャリアコンサルタントが解説します。自分のキャリアを明確にして職種を選択するカギにしてください。
記事を読む

事務・管理系

事務・管理系の職種とは
組織の管理を担い、組織活動の効果・効率の向上を支援する職種。コーポレートとも呼ばれる。担当する分野によって業務が細分化される傾向にある
事務・管理系の職種は組織の運営を支えるポジションのため、その組織・部署への深い理解が必要になります。したがって、新卒で事務・管理系へ配属される人は少ないです。
たとえば、人事は人材の育成や配置の適正化を担当します。どの人材がどの部署で活躍できるか、あるいはどのような成長を遂げると組織の利益につながるかなどを総合的に考えるのが仕事です。採用もその一環で、自社で活躍できそうな人材を数多の応募者のなかから見抜いて内定を出しているのです。
このように事務・管理系の職種は、所属組織についての深い理解や、組織全体の利益について考えを巡らせなくてはなりません。その組織での一定以上の経験や、社会人としての経験がなくては対応の難しい業務を担っています。
事務・管理系の職種が向いている人の特徴
- スケジュール管理や整理整頓が得意
- 困っている人を先回りしてサポートできる
- イレギュラーな事態にも柔軟に対応できる
事務・管理系の職種説明
事務・管理系の志望動機
企画系

企画系の職種とは
社内のさまざまな課題に対して立案・提案を担う職種。商品・サービスのみならず、経営や職場環境などへのアイディア提供もおこなう
広報やマーケティング、経営企画などの企画系の職種は、「会社や、自社サービスが外部からどう見えているか」を調査分析し、自社の今後の行動の軸を策定・改善しています。そのため、担当領域にかかわらず、広い視野と思考力が欠かせません。
たとえば経営企画は、会社のトップと密に連携を取りながら、会社の利益を拡大するためにどのように自社のビジネスを展開させるべきかの方針を練るのがおもな役目です。利益創出のために、事業のみならず、労働環境の整備や、社会的な評価を上げるための取り組みなどもおこないます。
この時、各部署の状況を正しく把握していないと適切な判断は下せません。会社全体を俯瞰する視点が重要なのです。
このように、企画職は自社だけでなく他社や市場全体についての知識も必要になるので、新卒で配属されることは珍しく、入社後にキャリアチェンジを図るのが一般的です。しかし、選考の段階で「ゆくゆくは企画系にもチャレンジしたい」といったキャリアプランを伝えることでそのチャンスをつかむことは十分可能です。
企画系の職種が向いている人の特徴
- 分析力や論理的思考力が高い
- 抽象的な物事や自分の考えの言語化が得意
- アイデアを出すのが得意
企画系の職種説明
営業系

営業系の職種とは
商品・サービスを販売し、会社の業績構築を担う職種。大きくは会社・組織を顧客とするBtoB、個人を顧客とするBtoCに二分される
会社の最前線を担う営業系の職種は、新入社員が配属されやすい傾向にあります。自社の商品・サービスについての理解を深められるとともに、直接顧客の声を聞くことができる職種なので、企業理解を深めるには効果的なのです。
そして、営業職は努力が売り上げという数字でわかりやすく表れる点で、強いやりがいを感じられます。売り上げに応じて個人やチームごとにインセンティブが付くことも多く、若いうちから収入アップを狙える点も特徴です。
営業のスタイルはさまざまで、商材や顧客層によっても販促手法は大きく異なります。各営業スタイルや、それぞれで求められるスキルや素質を十分に理解したうえで選考に臨みましょう。
営業職が向いている人の特徴
- 分析力や論理的思考力が高い
- 競争心や向上心が強い
- 幅広い世代の人とスムーズに打ち解けられる
営業系の職種説明
BtoB営業/BtoC営業/反響営業/代理店営業/セールスエンジニア/企画営業
営業系の志望動機
技術・研究系

技術・研究系の職種とは
商品・サービスの製造・改善・担保を技術面で支える職種。専門知識・スキルを必要とする
性質上、専門性を持った人でないと目指しにくい職種です。そのため新卒採用でも、「学生時代に業務につながる分野で実績を収めているかどうか」が注目されやすくなっています。
まず技術職は、飛行機や電車の整備、工事現場の安全管理など、メンテナンスや監督によって利用者や従業員の心身の安全に責任を負っています。一方研究職は、既存商品・サービスの改良、新規商品・サービスの開発に携わり、それらの提供や利用にあたって健康被害のリスクがないかなどを確認しています。
人々の心身を危険にさらす、あるいは健康を損なわせた場合、会社の社会的信頼は大きく下がります。また、サービスの根幹にかかわる情報が流出した場合には、会社の社会的価値を低下させることもありえます。会社の社会的地位を支える職種であり、責任は重大ですが、そのぶんやりがいも大きいです。
メーカー業界やサービス・インフラ業界はもちろん、情報システムを定期的にメンテナンスする金融業界、ソフトウェア業界にも欠かせない職種です。しかし営業系などに比べると採用枠は少ない傾向にあります。倍率の高い選考を突破するには、専門性に加え、ライバルと差をつけるための対策が必要です。
技術・研究系の職種に向いている人の特徴
- 探求心が強い
- 精密な作業が得意
- 専門性を活かして働きたい
技術・研究系の職種説明
技術・研究系の志望動機
販売・サービス系

販売・サービス系の職種とは
店舗・事業所での商品・サービス提供や、その運営のサポートを担う職種
販売・サービス系の職種の例
- 接客スタッフ(店舗・サロンなど)
- 調理スタッフ(飲食店)
- 店長(店舗)
- 客室乗務員(空港)
- パーサー(空港)
- ドライバー(バス・タクシー・物流など)
これらの職種に共通しているのは、現場や顧客に近い位置で働いている点です。店舗や空港などの現場から顧客へ直接アプローチをしたり、商品を小売店舗へ届ける物流ドライバーのように現場の運営を支えたりと、BtoCの最前線を支える職種です。
たとえばアパレルショップの接客スタッフは、顧客の要望をヒアリングして適切なアイテムを提案し、顧客満足度や店舗の売り上げの向上に貢献しています。客室乗務員は機内における乗客の安全と安心を確保するため、飲食などのサービス提供のみならず、急病対応や避難誘導を担う場合もあります。
どのような場所でどのように顧客・会社に貢献したいかを考えて職種を絞りましょう。
販売・サービス系の職種が向いている人の特徴
- 顧客と直接コミュニケーションを取りたい
- イレギュラーな事態にも臨機応変に対応できる
- 人の生活を支える仕事がしたい
販売・サービス系の職種説明
販売・サービス系の志望動機
専門系
専門系の職種とは
専門性の高い職種。特定の資格を取得しなくては就けない仕事も多い
専門系の職種の例
- MR(医薬情報担当者)
- コンサルタント
- 講師・インストラクター
- 保育士・幼稚園教諭
- 栄養士・管理栄養士
- アナウンサー
- インテリアコーディネーター
- カラーリスト
- ブライダルコーディネーター
このサイトでは特に、後述する「金融系」「クリエイティブ系」「IT系」「医療・福祉系」に分類できない、専門性の高い仕事を指します。
MR(医薬情報担当者)や保育士、栄養士は資格を必要としますが、コンサルタント、アナウンサー、インストラクター、コーディネーターは資格取得は必須ではありません。しかしすべての職業で各分野の専門性が問われるため、アシスタントや営業職として現場経験を積んでから独り立ちを図るのが一般的です。
これらの仕事は専門的立場から顧客へ直接指導や提案をおこなうので、専門的な知識や、豊富な現場経験が必要になります。個人の力量が問われる傾向にあり、責任感や成長意欲が必要となります。なお、属人的になりやすい分、独立やフリーランスへの転向も比較的おこないやすいです。
専門系の職種が向いている人の特徴
- 向上心・成長意欲が強い
- 初対面の人ともスムーズにコミュニケーションが取れる
- 専門性を活かして働きたい
専門系の職種説明
専門系の志望動機
金融系

金融系の職種とは
資産運用やその代行、またはアドバイザリーを担う職種。金融についての高い専門性が必要となる
クリエイティブ系の職種の例
- 為替ディーラー・トレーダー
- 融資・資産運用マネージャー
- 証券アナリスト
- ファイナンシャルアドバイザー
- アクチュアリー
いずれも資産運用についての深い造詣を持つとともに、社会情勢や市場のトレンドに精通していなくては務まらない仕事です。個人・組織の資産に直接関与するため、責任の大きさに比例して給与水準は高い傾向にあります。特に顧客の利益を増幅させた場合、個人へインセンティブが支払われることが多いです。
金融系の代表格でもあるディーラーは、個人業の印象を持つ人もいるかもしれません。しかし証券会社などで会社の資産を運用・増幅させる職種もディーラーと呼びます。対して、顧客の依頼によって資産運用を代行する職種がトレーダーです。資産運用に欠かせない情報の精査・分析をおこなう証券アナリスト(金融アナリスト)といった仕事もあります。
いずれも金融業界での実務経験がなくては目指しにくい職種で、新卒採用はほとんどおこなわれていません。そのため、業界で経験を積んだのちに資格などを取得しつつキャリアチェンジを図ることをおすすめします。
金融系の職種が向いている人の特徴
- 分析力や論理的思考力が高い
- 精密な作業が得意
- 幅広い業界のビジネスに興味がある
クリエイティブ系

クリエイティブ系の職種とは
個人・組織の依頼に応じてモノを制作する職種。クリエイターとも呼ばれる。成果物のクオリティが個人の手腕に依存しやすいため、フリーランスも多い
クリエイティブ系の職種の例
- 記者・ライター
- ゲームクリエイター
- ファッションデザイナー・パタンナー
- CGデザイナー
- 空間デザイナー
- フォトグラファー
- 広告デザイナー
イラストレーターやライターなど、さまざまなイメージを具現化する職種全般を指します。メディアに掲載するデータの制作、ファッションやインテリアなどのデザイン、ゲームシナリオの作成など、さまざまなシーンで仕事があります。専門性は高い一方、資格などを必要とすることは少なく、個人の努力次第で短期間でのスキルアップも可能です。
趣味が高じてジョブチェンジする人など、参入経路は多様ですが、安定的な収入を得たい場合はデザイン会社などに入社することをおすすめします。入社後はアシスタントとして実務経験を積み、独り立ちを目指していくのが一般的です。ゆくゆくはクリエイターチームを率いる立場としてプロジェクトを牽引していくことになります。
クリエイティブ系の職種が向いている人の特徴
- 向上心・成長意欲が強い
- 初対面の人ともスムーズにコミュニケーションが取れる
- 専門性を活かして働きたい
クリエイティブ系の職種説明
クリエイティブ系の志望動機
IT系

IT系の職種とは
インターネットを活用した製品・サービスの導入や、開発・運用・保守を担う職種。専門性が高い職種だが就職後にスキルを身に付ける場合もある
IT系の職種の例
- ITコンサルタント
- データサイエンティスト
- プログラマー
- エンジニア
- カスタマーサポート
- Webデザイナー
IT系の職種は専門性が高い一方、人材が不足している点が現状の特徴です。エンジニアなど人手が必要な職種は未経験者を歓迎している会社も多いので、専門性を要するそのほかの職種に比べると専門性はネックになりにくいです。
IT系の職種は数多いですが、開発・運用・保守のどの工程に携わっているかという大枠でとらえていきましょう。
ITコンサルタントは顧客のニーズに応じてシステムの導入を促す役割です。Webデザイナーはサイトなどのデザインを担うため、おもには開発工程にかかわります。そしてエンジニアはシステムの開発から運用保守まですべてにかかわります。
IT系の職種が向いている人の特徴
- 分析力や論理的思考力が高い
- 向上心・成長意欲が強い
- 幅広い世代の人とスムーズに打ち解けられる
IT系の職種説明
ITコンサルタント/Webデザイナー/データベースエンジニア/ITエンジニア/Webエンジニア/システムエンジニア/セキュリティエンジニア/サーバーエンジニア/インフラエンジニア/ネットワークエンジニア
IT系の志望動機
医療・福祉系

医療・福祉系の職種とは
心身の不調を抱える人や、日常生活を送るのに補助を必要とする人へ専門的なサービスを提供する職種
医療・福祉系の職種の例
- 薬剤師
- 介護職・ヘルパー
- 理学療法士
- 精神保健福祉士
- 看護師
- 臨床検査技師
- 歯科衛生士
生命や健康の維持に大きくかかわる仕事なので専門性が高く、資格の取得や試験の合格が必須の職業がほとんどです。したがって、医療・福祉系の職種に就きたい人は早期に進路を決める必要があります。
病院や薬局、老人ホームなど、専門機関・施設に勤める人は基本的にこの職種に相当します。目的を持って施設へやってきた人を、チームで連携して治療・ケアします。そのほかにも教育機関や一般の会社などで人々の心身へアプローチしたり、ケアを必要とする人の自宅を訪問する場合もあります。
なお、緊急の対応に備えなくてはならない総合病院や介護施設などに勤める人は、夜勤を含むシフト制の働き方になる可能性が非常に高いです。訪問診療や訪問介護も緊急対応を求められる場合があるので、時には緊張状態が長く続くことが想定されます。その保障として、給与水準は高い傾向にあります。
医療・福祉系の職種が向いている人の特徴
- 人を助ける仕事がしたい
- バイタリティがある
- イレギュラーな事態にも臨機応変に対応できる
医療・福祉系の志望動機
官公庁系
官公庁系の職種とは
公的サービスの維持・提供を担う職種。国や地域の運営、治安維持などが領域に入る。専門性が高い職種も多い
官公庁系の職種の例
- 国家公務員
- 地方公務員
- 警察官・自衛官
- 消防士
人々の生活や財産を守る仕事だからこそ、資格の取得や試験の合格が必須であることの多い点が特徴です。必須条件を満たすためには早いうちに進路を定めなくてはならない場合もあり、特に警察官や消防士などの身体能力が生存に直結する職業は、採用試験の受験資格に年齢制限が入っています。
社会維持に必要不可欠な存在なので、やりがいは非常に大きいです。ただし、資格などをはじめ、就職までのルートが民間企業とは異なるので思い立ってすぐに就ける仕事は少ないです。
官公庁系の職種が向いている人の特徴
- 国・地域の発展に興味がある
- 人の役に立つ仕事がしたい
- 一つのことを長く続けられる
官公庁系の志望動機
文系学生が営業以外で就ける職種
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi