アパレル業界の全貌がわかる! 最新の動向から選考対策まで解説

アパレル業界の全貌がわかる! 気になる現状から選考対策まで解説のサムネイル

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 永田 修也

    永田キャリアコンサルタント事務所代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号17078719)/メンタル心理カウンセラー SNS:YouTube/ブログ  

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  • 若林 宏美

    一般社団法人テツナグ代表理事/クリエイティブチームRutsubo代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号21086984) SNS:Instagram

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  • 田邉 健

    なべけんブログ・よちきゃり派遣 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19005362) SNS:X(旧Twitter)/Instagram

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この記事のまとめ

  • アパレル業界を志望するなら最新の動向を押さえよう
  • アパレル業界に関連する業種や職種は多岐にわたる
  • 6つのポイントを押さえてアパレル業界の就活を成功させよう
  • この記事を読んでいる人におすすめ

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衣料品の製造や流通を担うアパレル業界。華やかでおしゃれなイメージから憧れている人もいるでしょう。しかし「アパレル業界の販売職以外の仕事のイメージがつかない」「将来性はどうなんだろう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

ファッションに携わる仕事は、店舗での販売職以外にもさまざまな業種や職種があります。アパレル業界に興味を持っている人は、ビジネスモデルや職種への理解を深め、自分に合った働き方を見つけましょう。

この記事ではアパレル業界の特徴や多様な働き方について、キャリアアドバイザーの永田さん、若林さん、田邉さんと一緒に解説していきます。アパレル業界を詳しく知りたい、今後選考を受けたいと考えている人はぜひ参考にしてくださいね。

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徹底した業界研究で変化の大きいアパレル業界への理解を深めよう!

アパレル業界は、景気の動向やトレンドなどに影響を受けやすく、変化の大きい業界です。そのため就活を成功させるためには、最新の動向やビジネスモデルを理解して、アパレル業界の実態を把握する必要があります。

この記事では、まずアパレル業界の特徴や課題を解説します。変化の大きいアパレル業界の現状を把握しましょう。そのうえで、アパレル業界の業種や職種など、仕事内容を細かく解説します。アパレル業界の種類や働き方をチェックして、自分が何をしたいのか考えるきっかけにしてくださいね。

加えて記事後半では、アパレル業界を受けようと思っている人向けに選考対策のポイントを解説します。企業の目線を踏まえて解説するのでぜひ参考にしてくださいね。

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まずは押さえよう! アパレル業界の特徴

アパレル業界とは、衣類やインナーウェア、靴、カバンなどの製造・販売・流通などに携わる仕事を指します。

最先端のファッションを扱ったり、トレンドを生み出したりする業界のため、ファッションやおしゃれに関心のある学生から特に人気の高い業界です。

アパレル業界を理解するために、まずは特徴を理解しましょう。ここからは、アパレル業界の特徴を市場規模と現状の2つに分けて解説します。

アパレル業界の市場規模

国内アパレル業界総小売市場規模推移

矢野経済研究所の国内アパレル市場に関する調査によると、アパレル業界の総小売市場規模は、2021年で7.6兆円でした。

アパレル業界の総小売市場規模は2016年から2018年までほぼ横ばいでしたが、2019年からマイナス傾向に転じ、2020年では前年比81.9%と大幅に減少しています。

特に2020年は、新型コロナウイルス感染症による店舗の閉鎖や営業時間短縮、外出自粛が大きな打撃になったと考えられます。また、国内での消費を支えていた訪日外国人のインバウンド消費もなくなってしまったことも、アパレル業界の売上減少につながりました。

2021年には新型コロナウイルス感染症対策の行動規制が緩和されたこともあり、前年よりやや増加しましたが、新型コロナウイルス感染症流行前の水準には戻っていないのが実情です

アパレル業界の現状

アパレル業界の現状

  1. ECサイトの市場が拡大
  2. 事業の多角化を図る企業が増加
  3. M&A実施件数が増加

アパレル業界は、景気やトレンドなど、時代の流れに沿って大きく変化する業界です。そのため、アパレル業界を受けるのであれば、現状をしっかり理解しておく必要があります。

変化の大きいアパレル業界の現状を捉えて、より理解を深めていきましょう。

ECサイトの市場が拡大

アパレル業界のEC化率の推移

経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、ECサイトの市場規模は年々堅調に成長していて、2021年の衣類・服飾雑貨などのEC市場規模は2兆4,279億円で前年比の伸び率は9.35%、EC化率は21.1%でした。

アパレル業界のEC化が加速した背景として、新型コロナウイルス感染症による影響でオンラインの需要が一気に伸び、企業もEC化に力を入れたことが挙げられます。

利便性が高いため消費者からのニーズもあり、企業側もコストをかけずに効率的に販売できるため、今後もEC化は進むと予測されます

若林 宏美

プロフィール

アパレルを店舗展開する際には、テナント料・人件費といった運営費がかかりますが、ECサイトに移行するとそういったランニングコストを削減することができます。

ECサイトのみで展開するブランドも増加傾向にあり、今後ますますEC化は進むと思われます。

事業の多角化を図る企業が増加

アパレル業界では、自社の持つブランド価値を利用して、事業の多角化を図る企業も増加しています。事業の多角化は、ブランドの価値向上だけでなく経営のリスク分散も期待でき、たとえどれか一つの事業が停滞しても、ほかの事業でカバーできるメリットがあります

アパレル企業の事業の多角化例

  • ストライプインターナショナル(koe)
    ファッション・音楽・食・宿泊という切り口から、ブランドの世界観を感じる体験型店舗として「hotel koe tokyo」をオープン
  • アダストリア(niko and…)
    niko and…ブランドの家具販売や、異業種とのコラボレーションを積極的に実施
  • ベイクルーズ(JOURNAL STANDARD)
    家具やフィットネス、ハンバーガーショップ、カフェを運営

事業の多角化は、ほかの業界から良い影響を受けて企業価値の向上につながるという点もメリットといえます。

事業が幅広くなればなるほど求められるスキルも多岐にわたるため、多様な事業を展開している場合は事業内容について徹底的にリサーチするのがポイントですね。

M&A実施件数が増加

国内の人口減少にともなう市場縮小や、ファストファッションの台頭により競争が激化しているアパレル業界では、生き残りを賭けてM&Aが積極的に実施されています。

企業研究をする際はM&Aの実績についても調べておきましょう

アパレル業界のM&A事例

アドバイザーコメント

アパレル業界ではサステナブルファッションの流れが広がってきている

アパレル業界の動向としては、SDGsに関する取り組みも広がっています。代表的なものでいえば、「サステナブルファッション」があります。

衣類の生産・購入(着用)・廃棄までのプロセスにおいて、持続可能であることを目標にしたファッションです。たとえばユニクロや無印良品などでは、古着の回収をおこないリサイクルやアップサイクルで新たな人の手に渡る取り組みをおこなっています。

以前は廃棄されていたサンプル品や汚れなどのあるB品をアウトレットなどで販売するのも、サステナブルな取り組みの一環ともいえますね。

今後のアパレル業界は社会や環境にどのように貢献していくかも見られていく

ただし、こうした取り組みには生産に手間がかかるなどコスト高になるため、どうしても販売価格も上がってしまうという問題点もあります。

そのため、比較的小規模なブランドがサステナブルファッションに取り組む際には、自社ECサイトとInstagramなどのSNSを活用し、店舗運営にかかるコストをカットし、逆に「自社ECでしか購入できない希少性」をブランディングする企業も出てきました。

つまり今後はブランド本来のデザイン力はもちろんですが、どう社会や環境に貢献しているのかもユーザーから見られる時代に移行していくことが予想されます。

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やばいって本当? アパレル業界の課題

アパレル業界の課題

  • 国内市場の縮小
  • 衣料品への支出額減少
  • 原材料費や郵送費の高騰

「アパレル業界はやばい」「アパレル業界の今後は厳しい」などの声を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。アパレル業界を志望する人にとってはこのような声も気になるポイントですよね。

ここからは、アパレル業界の課題を解説します。就活では業界の課題に関してどのような考えを持っているか問われる可能性もあるため、理解を深めておきましょう。

永田 修也

プロフィール

業界の課題を正しく捉えることができていると、業界研究をしっかりしてきた印象を与えることができます。

併せて今後の対応策なども自身の考えを述べることができると良いですね。

国内市場の縮小

日本では少子高齢化が加速し、人口が減少しています。それにともなって消費者の数が減ることで全体の売上も減少してしまい、アパレル業界の国内市場は年々縮小していくと考えられます。

また、人口減少だけが市場規模の縮小の要因ではありません。低価格でかつ高品質なファストファッションの人気やフリマアプリやサブスクの台頭など、消費者のニーズが多様化している点も、アパレル業界の国内市場縮小の一因です。

国内市場のさらなる縮小を見越して、アジアや欧州、北米などの成長が著しい国への海外展開を視野に入れている企業も増加しています

衣料品への支出額減少

経済産業省の繊維産業の現状と経済産業省の取組によると、衣料品の購入単価および輸入単価は、1991年を基準にして6割前後の水準に下落しています。

新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、ヒューネルが女性500人を対象に実施したファッションについてのアンケート調査によると、新型コロナウイルス感染症流行前後でファッションにかける金額が変わったと回答した人は58%です。その中で、89%の人は金額が減ったと答えています。

ファッションは趣味や娯楽など嗜好品の要素が強いため景気の波を受けやすく、景気が低迷すると消費者の購買意欲も薄れ、支出額も減少してしまうのです

原材料費や郵送費の高騰

円安による原材料費や郵送費の高騰もアパレル業界の課題の一つです。

帝国データバンクが実施した円安に関する企業の影響アンケートによると、アパレル製品を取り扱う「繊維・繊維製品・服飾品卸売」では、9割以上の企業がコスト増の負担を実感していると回答しています。

仕入れのコストの上昇により、商品の値上げをせざるを得ない企業もあり、さらなる消費者離れが懸念されています

課題が多そうで将来を不安に感じます。アパレル業界を受けるのを避けた方が良いでしょうか?

永田 修也

プロフィール

不安な気持ちが大きくなりすぎるならやめた方が良いかも

たしかにアパレル業界は、その年の流行り廃りに大きく左右されたり、物価高に影響を受けることもあります。課題が一定数あるというのも事実ですが、それはこの業界に限ったことではありません。

観光業界や食品業界などそのほかの業界でも、その業界特有の課題は発生します。将来的に安泰である業界など誰にもわからないというのが現実です。

しかし、それによってアパレル業界での不安な気持ちが大きくなり避けたい気持ちがあればやめておいた方が良いでしょう。

今一度「なぜこの業界が良いと思ったのか」という思いに立ち返り、ほかの業界の課題感と比較して分析してみると良いかもしれませんね。

上記のとおり、アパレル業界だけでなくほかの業界でも特有の課題があります。ほかの業界の動向や課題についても調べておきたい人は、以下の記事も併せて確認しましょう。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!

ほかの業界について詳しく解説している記事があるので、こちらもぜひ併せて読んでみてくださいね。
鉄鋼業界
就活で鉄鋼業界を視野に入れないのは損! 業界知識まで完全解説

ビジネスモデルを理解しよう! アパレル業界の関連業種

川上
原料・材料を生産する
繊維メーカー
テキスタイルメーカー
テキスタイルコンバーター
川中
原料・材料から商品を作る
アパレル商社
アパレルメーカー
OEM
ODM
SPA
川下
商品を消費者に販売する
アパレル小売店
ECモール
アパレル物流
アパレル業界の関連業種

アパレル業界の全体像を理解するために、まずはビジネスモデルを把握しましょう。アパレル業界には身近な小売店やECモール以外にさまざまな業種が関連しています。

アパレル業界の流通は、商品の流通経路を川の流れにたとえて、川上・川中・川下の3つに分類されます。

ここからは、具体的に川上・川中・川下にどのような業種があるのか、それぞれの事業内容や企業例を解説します。理解を深めて視野を広げましょう。

繊維メーカー

繊維メーカーは、アパレル商品に使われる繊維を研究・開発・製造する業種です。綿・絹などの天然繊維や、ポリエステル・アクリルなどの合成繊維を取り扱っています。

近年ではアパレル向けに限らず、ノウハウを活かして樹脂やフィルムなどの事業を展開する繊維メーカーも増えていて、事業内容は多様化しています。グローバルに事業展開している企業も多いため、配属先によっては海外とのやりとりがあったり、海外出張や海外赴任になるケースも多いといえます。

繊維メーカーの企業例

若林 宏美

プロフィール

昨今では培ってきた技術を建築・医療・ITなどの分野へ応用する繊維メーカーもあります。

たとえば、旭化成では住宅建材の開発をおこなっており、子会社には住宅建設を専門とする会社があるなど、繊維以外の分野の業務も広がっています。

「志望動機を考える時間がない......」という悩みは、ツールを使えば解決します

「この仕事に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのかをうまく説明できないと悩む学生は多いです。

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ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。

簡単な質問に答えて、あなたの強みが伝わる志望動機を完成させましょう
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 実際にツールで作成した志望動機例文 
 (IT業界の場合) 
私は貴社が掲げる顧客維持率向上に貢献し、日本企業のIT化の一助になりたいと考えています。私は飲食店でアルバイトをしているのですが、感染症の増加により新しい施策に取り組むことを余儀なくされていました。このとき、新しいシステムを導入してオンライン販売を開始すると、常連客の注文率が60%以上になりました。この経験から、リピーターをつくることとシステム導入の大切さを実感しています。貴社は、先端技術を活用したSaaSを提供しているだけではなく、顧客維持率の向上を事業戦略に掲げており魅力に感じております。入社した際には、営業職として企業へのSaaSの提案・リピート顧客獲得で貢献したいと思っています。

テキスタイルメーカー

テキスタイルメーカーは、後述するアパレルメーカーやテキスタイルコンバーターなどから依頼を受けて生地を開発・生産します。大きく2つに分類され、織物を作る機屋(はたや)と、ニット生地を作るニッターがあります。

生地は使う糸や織り方、編み方によって商品の印象が大きく変わるため、顧客が求める生地を仕上げる必要があり、大変奥深い仕事です

近年では差別化や生き残りを賭けて、独自のブランディングを打ち出す企業や、オンラインで一般消費者に直接販売する企業も登場しています。

テキスタイルメーカーの企業例

テキスタイルコンバーター

テキスタイルコンバーターは、テキスタイルメーカーとアパレルメーカーの間に位置する生地問屋の中でも、服地卸売業の役割を担います。ただ生地をアパレルメーカーに販売するのではなく、アパレルメーカーの要望をもとにトレンドを予測して生地の企画・提案を求められるケースもあります。

テキスタイルメーカーとテキスタイルコンバーターの違いは、生地生産の有無です。テキスタイルメーカーは生地を生産しますが、テキスタイルコンバーターは生産機能を持たず、テキスタイルメーカーや工場に生産を依頼します

近年、アパレルメーカーがテキスタイルメーカーや工場と直接やり取りすることも増えていますが、テキスタイルコンバーターを仲介することにより、ニーズに適した糸や織り方、染め方、加工方法を見極めて、最善の生産背景を組めるのです。

テキスタイルコンバーターの企業例

テキスタイルコンバーターは、傾聴力がある人が向いています。アパレルメーカーの要望だけでなく、背景までヒアリングすることで、別の視点から新しい提案をすることが可能になります。

仲介役として、生地の知識だけでなく提案・交渉のためのスキルがあるかどうかも大切ですよ。

アパレル商社

アパレル商社は、国内外問わず衣料品の原材料やアパレル商品を仕入れて販売する業種です。アパレル流通の各段階で、売り手と買い手の仲介役や需要と供給の調整役を担います

アパレル商品やサービスに特化したアパレル専門商社だけでなく、総合商社の中にテキスタイルや繊維・原料などを取り扱う部署が設けられていることもあります。

国内外からテキスタイルやアパレル商品を仕入れて販売する貿易事業を主軸に、インポートブランドの輸入や海外ブランドの使用権を取得するライセンスビジネスなど、幅広い事業展開をする企業が増えています。

工場の多い中国や東南アジアとの取引が多いので、英語以外の語学を身に付けていると働くうえで強みになる可能性が高くなります。

ファッションに興味がある場合、総合商社ではなくアパレル専門商社を志望するべきでしょうか?

若林 宏美

プロフィール

総合商社でも専門商社でもどちらでも問題ない

どの程度ファッション業界で働きたいかによりますが、総合商社でもアパレル関連事業をおこなっている会社は多いため、総合商社を志望しても良いかもしれませんね。

ただしアパレル専門商社でも総合商社でも、配属先によっては、人事や総務などの直接ファッションにかかわれない部署に配属されるかもしれません。

そうした点も踏まえて、どの程度ファッションに携わる仕事がしたいのかを考えて志望する会社を絞り込んでくださいね。

アパレル商社を含む商社の働き方やビジネスモデルについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説

アパレルメーカー

アパレルメーカーは、アパレル商品の企画・製造を担い、小売店に卸売する業種です。

自社工場を保有している国内アパレルメーカーは少ないため、商品の企画をした後は生地を繊維商社や繊維メーカーに依頼し、縫製は縫製会社に依頼することが大半です。また、海外ブランドとライセンス契約を結び、海外ブランドの製品の製造や流通を担う場合もあります。

アパレルメーカーは、扱う商品や流通ルートによって以下のように分類されます。どのようなジャンルに携わりたいかで企業を絞っていきましょう。

アパレルメーカーの分類

  • 専業アパレルメーカー:特定のジャンルのみを扱う
  • 総合アパレルメーカー:複数のジャンルを扱う
  • 百貨店メーカー:百貨店向けのブランドを扱う
  • 専門メーカー:専門店向けのブランドを扱う

アパレルメーカーの企業例

永田 修也

プロフィール

アパレルメーカーはアパレル業のなかでもイメージしやすい職種ですが、イメージしやすい職種だけで就職先を選んでしまうのは、単純に自分が本当に携わりたかった仕事に出会うチャンスの確率を下げる、いわば機会損失になると思います。

自分だけの知識だけでなく、いろんな人に意見を聞いてまわると思わぬ視点での発見もあり未来の方向性が定まることがあります。

OEM

OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」の略で、企業やブランドから委託を受けて、委託元の自社ブランド製品を製造する業種です。

自社工場を持たないブランドや企業が商品企画までを担い、指定の素材やデザインをOEM企業に依頼して、商品を生産してもらいます

日本では「相手先商標製造」や「相手先ブランド販売」などと訳されることもあります。

ODM

ODMは、「Original Design Manufacturing」の略で、企業やブランドから委託を受け、商品のデザインから設計・開発・製造までを代行します。

OEMとODMの違いは、デザイン設計の有無です。OEMは依頼主がデザインなどの企画・設計を担当しますが、ODMは商品のデザイン設計から製造までを請け負います

委託企業がODMを活用すると、生産サイクルを早められたり、人件費を削減できたりといったメリットがあります。そのため、ファストファッションが流行している現代で特に広がりを見せている業種です。

OEMが発展してODMが生まれたため、両方の事業を展開する企業も多く存在しますが、両者の違いは押さえておきましょう。

SPA

SPAは、「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略で、もともと米国のGAPが自社の業態を定義した言葉です。日本では製造小売業と訳され、商品の企画、設計、製造、販売までを一貫して担う業種を指します。

中間マージンの削減などのコスト面だけでなく、世間のトレンドや消費者のニーズを迅速に反映できる点がメリットです。一方で、ある程度の生産量がないと工場に発注できないため、SPAを展開しているのは大手企業が多いといった特徴があります。

若林 宏美

プロフィール

アパレルメーカーがおこなう企画・製造に加え、アパレル小売りが担う販売までを一手におこなっているのがSPAです。

会社によっては店舗(地域)採用と本社採用など、採用が分かれていて、採用される形態によっても業務内容が変わるので、事前にしっかり調べておきましょう。

アパレル小売店

アパレル小売店とは、アパレルメーカーや中間流通業者から仕入れた商品を消費者に販売する業種です。具体的には、百貨店、量販店、アパレル専門店などの実店舗が挙げられます。

小売店では、ただ仕入れた商品を販売するのではなく、コーディネートの提案などの付加価値を付けて販売することが求められています

アパレル小売店の企業例

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

ECモール

ECモール(通信販売)は、アパレル商品を販売するネット上の店舗を指します。

幅広いブランドやメーカーの商品を扱うファッション専門通販サイトだけでなく、近年は実店舗とECモール両方を展開する企業も増加しています

ECモールの例

また、スマートフォンの普及によりSNSやインターネットでの買いものが社会に浸透したことで、実店舗を持たないECブランドも増加し、D2Cというビジネスモデルも拡大しています。

D2Cとは

「Direct to Consumer」の略で、自社で企画製造したオリジナルのアパレル商品を、小売店などは通さず、自社が運営するECサイトやSNSで販売する方法。
集客方法はSNSやインターネット広告が一般的。

D2Cは仲介業者を通さずに消費者に商品を届けられるため、中間マージンを抑えて収益性を高められるメリットがあります。また自社のECサイトやSNSで直接販売することで、顧客データの収集や分析がしやすくなるというメリットもあるのです。

EC業界の将来性や今後の動きが気になる人は、こちらのQ&Aもおすすめです。キャリアコンサルタントがEC業界の今後の動向について解説しています。

アパレル物流

アパレル物流は、アパレル商品や生地などの仕入れや運搬、保管など、物流に関する一連の業務を管理する役割を担います。

アパレル物流の特徴として、同じデザインでもサイズやカラーを分けて取り扱う必要があるため、管理が複雑なことが挙げられます。また、季節やトレンドなどさまざまな要因に応じて流通量の調整も必要です。

タグ付けやネームの付け替え、不良品の補修など、アパレルに関する知識や技術が必要な業務も含まれます。

アパレル物流を含む物流業界に興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。物流業界のビジネスモデルや業務内容を詳しく解説しています。
例文8選|物流業界の志望動機は2つのコツで差別化しよう

アドバイザーコメント

どんな仕事があるかを「知る」ことから始めよう

おそらくアパレル業界に入ってみたいという人の多くは、お洒落することが好きだったり、衣服を作るのが好きだったり、アパレル業界の「入り口」部分に漠然と興味があるのだと思います。

アパレル業界の中でも華やかなイメージを持つショップスタッフやメーカーなどが想像しやすいので、業種を絞るためにさまざまな職種の中から選ぶといってもなかなかイメージしづらいのではないでしょうか。

企業のブログや動画などでイメージを膨らませるのおすすめ

まずは、どんな仕事があるのか「知る」ということから始めてみてください。

なんとなくざっくりとわかっているかもしれませんが、それぞれの仕事がどんな働き方なのか、どんなタイプの人が多いのか、将来的にはどんな働き方になるのか、自分が実際にその職種で働いているところを想像しながら考えてみましょう。

そのように考えていると「この仕事は少し自分には合わないかも」「この仕事はとても興味がある」といった感覚が出てくると思います。外からは見えにくい部分だとは思いますが、企業が出しているブログや動画、HPなどでしっかりと研究して知識を増やしてみてください。

仕事内容をイメージしよう! アパレル業界の職種

アパレル業界で働くというと、アパレルショップで働く販売員をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし販売職以外にもアパレル業界の仕事は多岐に渡ります。

ここからは、アパレル業界の職種を解説します。仕事内容を理解し、具体的にイメージできていると自分に合った働き方を見つけやすくなりますよ。

そもそもどのような職種を目指すべきかわからない人は、こちらの記事で職種の全体像を把握しましょう。
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう

マーチャンダイザー

マーチャンダイザー(MD)は、商品販売の戦略立案を担当する職種です。ブランドが販売する商品全体を統括するため、ブランドの方向性を決める重要なポジションといえます

マーチャンダイザーの仕事内容

  • マーケットリサーチ
  • 自社ブランドの売上状況の把握
  • シーズンコンセプトの作成
  • 商品企画
  • 生産計画
  • 販売計画
  • 価格設定
  • 予算管理

マーチャンダイザーは商品が消費者の手に届くまでのほとんどの工程にかかわるため、スケジュール管理能力やリーダーシップが求められます。

また市場の動向やトレンドを分析して何が売れるのかを予測するのも仕事なので、トレンドを先読みする分析力や、データ分析に基づいて計画立案する論理的思考力も必要なスキルです。

幅広い知識が求められるため、アパレルメーカーや小売店に入社し、さまざまな部署で経験を積んでからマーチャンダイザーとして配属されるケースが一般的です。

マーチャンダイザーは、臨機応変に対応できる人に向いている仕事です。

立案した戦略通りに進まないときには、市場の状況などに応じて新しい戦略を考えなければなりません。広い視野を持って状況にあわせて対応する柔軟性が求められます。

アパレル業界に限らず、企画職に興味のある人はこちらの記事も参考にしてみてください。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

デザイナー

デザイナーはアパレル商品のデザインをする専門職です。アパレル業界のデザイナーの仕事はデザインを描くだけでなく多岐に渡ります。

ファッションデザイナーの仕事内容

  • 市場やトレンドのリサーチ
  • コンセプトやイメージの発案
  • デザイン画の作成
  • 生産工場への仕様書の作成
  • サンプル品の確認
  • 販売価格の設定

アパレルメーカーやOEMなどに勤務する人が多く、服飾系の専門学校を卒業した学生を採用する企業が多いです。

デザインセンスだけでなく、トレンドをキャッチする感度の高さや、素材や生地に関する深い知識が求められます

専門学校で学んでいなくてもファッションデザイナーになることは可能ですか?

未経験でもファッションデザイナーになる方法はある

ファッションデザイナーの専門学校があるため、専門的に学ばなければ就職できないのではと不安になりますよね。結論、ハードルは高いですが、未経験からファッションデザイナーに就職した人もいるので、不可能な道ではありません。

はじめからファッションデザイナーとして採用されるだけでなく、アパレルメーカーで販売員として働き、人事異動によってキャリアチェンジするパターンもあります。

また、インターンなどで実績をつけてから就職する人もいますよ。ただし、いずれもデザイナーへの意欲を示すことが重要なので、コンテストに応募したりポートフォリオを作成したりして志望しましょう。

デザイナーを目指す中で「自分に向いていないのでは……」と不安な人は、以下のQ&Aを参考にしてみてください。キャリアコンサルタントがデザイナーに必要な能力について解説しています。

パタンナー

パタンナーは、デザイナーが作成したデザイン画をもとに商品のパターン(型紙)を制作します。

パタンナーの仕事内容

  • パターンの作成
  • 仮縫いのサンプル(トワル)作成・チェック
  • マスターパターン・縫製仕様書の作成
  • サンプル品のチェック・修正

アパレルメーカーや繊維メーカーに勤務する人が多く、デザイナーと同様に服飾系の専門学校卒業生を採用する企業が多い職種です。

近年、パターンを作成する際にCADを使うことも増えたため、パターン技術だけでなくCADの知識を持っていると活躍しやすくなります。また、デザイナーの意図を汲み取って形にする傾聴力も求められています。

生産管理

販売計画や商品企画をもとに、最適な工場を選定したり、品質管理などをするのが生産管理の仕事です。商品づくりの一連の流れを担い、計画通りに商品製造過程が進むよう管理します。

生産管理の仕事内容

  • 工場の選定
  • 資材調達
  • 縫製仕様書、加工指示書の作成
  • 原価交渉
  • 納期管理

主に管理業務を担うため、高いマネジメントスキルや計画性、判断力が求められます。また外部の工場とのやりとりも多く、交渉役も担うため、コミュニケーション力も必要です。

永田 修也

プロフィール

生産管理で一番重要となってくるのは、「スケジュール管理」であると思います。

納期に間に合わせたり、遅延した場合に再度調整するなど、日々間に挟まれ追われながら仕事をするので、調整力は必須といえます。

バイヤー

バイヤーは、国内外のブランドやメーカーから、店舗で販売する商品の買い付けや管理をする職種です。バイヤーのセンスや交渉力次第で、売上を左右する重要なポジションです。

バイヤーの仕事内容

  • 市場調査
  • 販売戦略・予算計画立案
  • 商談
  • 在庫管理

企業によって仕事の範囲は異なりますが、マーチャンダイザーと一緒に販売戦略や予算計画を立案し、計画をもとに展示会などで商談をします。

バイヤーは限られた予算の中で必要な商品を適量仕入れる必要があるため、取引先と交渉する場合もあります。加えて、適切な買付をするためにも、情報収集力やトレンドを先読みするセンス、コミュニケーション力が求められます。

若林 宏美

プロフィール

バイヤーというと商品の買い付けをする仕事というイメージがあるかもしれませんが、商品の在庫管理やファッショントレンドのマーケティングなども業務内容に含まれることが多い職種です。センスはもちろんですが、管理能力も必要な仕事です。

プレス

プレスはPRや広報と呼ばれることもあり、会社やブランドの宣伝広報を担う職種です。商品のイメージ向上や認知拡大のために、雑誌やテレビなどのメディア媒体での宣伝活動を中心に対応します。

華やかなイメージを持っている人も多い職種かもしれませんが、雑誌の原稿チェック、商品サンプル管理、プレゼンテーション用の資料作成などの事務作業も多い職種です

プレスの仕事内容

  • テレビや雑誌へのサンプル貸出対応
  • スタイリストと打ち合わせ
  • 広告制作、進捗管理
  • 掲載誌のチェック
  • 展示会やイベントの企画・実施
  • 資料作成
  • SNSでのブランドイメージ発信

また、メディアなどに自ら出て、企業ブランドの顔として商品を紹介する可能性もあります。

人気の高い職種ですが、未経験募集の求人は多くありません。まずは、ブランドの販売スタッフとしてキャリアをスタートするのも一つの手段といえます。

将来はプレスになりたいと考えています。すぐに配属になることはほぼないと思うのですが、志望動機でアピールしない方が良いですか?

永田 修也

プロフィール

むしろ積極的にアピールしよう

アピールしても良いと思います。むしろアピールしないとなかなか近付けない部署かもしれません。

プレスは、ある程度現場での経験や会社の中枢での業務経験、ファッションの高度な知識と最先端の流行チェック、コミュニケーション能力も比較的高いレベルが求められることでしょう。

おこなう業務は多岐に渡るので経験値を積んでおくことが望ましいです。

志望動機で伝える際には「プレスを目指しているが、そのためにどのような経験を積んでおくべきか?」という質問ができると意欲的に映り、入社後どこかのタイミングで配属される可能性があるかもしれませんね。

ディストリビューター

ディストリビューターは、マーチャンダイザーやバイヤーが仕入れて倉庫に届いた商品をそれぞれの店舗に適切に分配し、商品在庫を調整する役割を担います。

ディストリビューターの仕事内容

  • 各店舗へ商品を分配
  • 在庫の店舗間移動
  • 自社倉庫からの商品補充
  • 売上状況の把握・分析

同じブランドでも店舗の場所によって、人口や気温、客層、売り場の特徴が異なるため、すべての店舗に同じ商品を同じ量で分配しても在庫に差が出てしまいます。各店舗の売上金額や在庫数、SNSや商品レビューなどから商品分配や在庫調整をするため、情報収集能力や分析能力が求められる仕事といえます

ディストリビューターの采配次第で売上が大きく変わることもあるので、責任が大きい分、やりがいも感じられるでしょう。

ディストリビューターは、数字の分析に苦手意識がない人におすすめです。

売上を分析するだけでなく、統計の知識を使って予測を立てることもあります。理系である必要はありませんが、統計学などの知識が活かせる仕事であることは覚えておきましょう。

営業

アパレル業界の営業は、企業によって異なりますが、主にアパレルメーカーやアパレル商社に勤務し、自社商品を百貨店やアパレルショップなどの販売店へ売り込む役割を担います。

アパレル営業の仕事内容

  • 営業活動
  • 受注から納品までの窓口対応
  • 展示会の対応
  • マーケットの情報収集や分析
  • 販売促進活動の企画

営業先であるバイヤーは商品選定のプロであるため、服の素材やデザイン、トレンドに関して詳しい知識を持っています。バイヤーと対等に交渉を進めるためには、アパレル営業も相応の知識が必要不可欠です

永田 修也

プロフィール

私はアパレルの店舗で働いていたときがありましたが、仕入れ先の営業担当とバイヤーを通さず電話で仕入れを直接やりとりすることもあったので、その点ではあらゆる人と円滑にやりとりできる知識とコミュニケーション力が必要かもしれませんね。

営業職を志望している人はこちらの記事がおすすめです。志望動機の書き方や求められる力を解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

アパレル業界の営業職に興味があるものの、適性があるか不安な人は、以下の記事も参考にしましょう。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説

アパレル業界の営業はおもに法人向けの営業です。こちらの記事でBtoB営業について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説

ビジュアルマーチャンダイザー

ビジュアルマーチャンダイザーは、商品を魅力的に見せる売場づくりを担う職種です。シーズン別に店舗の内装やディスプレイ、レイアウトを考え、店舗の雰囲気やブランドのイメージを構築します。

ビジュアルマーチャンダイザーの仕事内容

  • ショップの内装、レイアウトのプランニング
  • 什器(じゅうき)やマネキンの手配
  • 店内ディスプレイの変更、調整
  • 新店舗の店内デザイン
  • 販売員のトレーニング

ブランドのイメージや商品を魅力的に見せることが仕事のため、ブランドの魅力を正しく理解し、表現する力が求められます。また、消費者に興味を持って買ってもらうためのショップ作りが求められるので、消費者目線を持って店内を作り上げていく必要もあります。

顧客がどのようなディズプレイに興味を示すのか、どのような見せ方をすると効果的なのかを学ぶために、店舗で経験を積んでから配属されることが一般的です。

エリアマネージャー

エリアマネージャーとは、特定のエリアで複数の店舗を管理・統括する役職を指し、「スーパーバイザー(SV)」と呼ばれることもあります。

エリアマネージャーの仕事内容

  • 担当エリアの業績管理
  • 担当エリアの市場調査
  • 店舗へのフィードバック
  • スタッフの業務指導
  • 本社と店舗の連携

エリアの店舗を巡回し、店舗運営に関するアドバイスや仕入れ判断のサポートなどを担います。また、担当エリアの競合の調査もエリアマネージャーの仕事です。エリアの特性を捉えて分析するスキルも必須といえます。

本社の意向を各店舗に伝えて実行させることもエリアマネージャーの重要な役割ですが、現場の声を本社に伝えて経営に活かす役割も担っています。各店舗と本社をつなぐ架け橋となる存在のため、傾聴力やリーダシップが求められます

まずは販売員として販売スキルを学び、その後店長を経験してマネジメントを学んだ後に、エリアマネージャーにキャリアアップしていく企業がほとんどです。

販売員

実店舗があるアパレル小売店やSPAに入社した場合、配属される可能性が最も高いのが店舗の販売員です。総合職採用であっても一定期間販売員として経験を積ませる企業も多くあります。

販売員の業務は多岐にわたり、以下のようなものが挙げられます。

販売員の仕事内容

  • 接客
  • レジ打ち
  • 商品の陳列
  • 検品
  • 売上管理
  • 在庫管理
  • 顧客管理

販売員は顧客と直接かかわる仕事のため、販売員の印象や接客がブランドのイメージに関係するといっても過言ではありません。顧客からさまざまな質問や相談をされることも多いので、商品に関する知識や最新のトレンドを学び、わかりやすく説明できるように準備しておかなくてはなりません

またアパレル小売店では、アルバイトやパートのスタッフが働いていることも多いため、正社員以外のスタッフの指導やシフトの管理も業務の一つです。

経験を積んで店長になると、店舗責任者として店全体のマネジメント業務も担当します。

若林 宏美

プロフィール

会社やブランドによって異なりますが、飲食業などと比較すると顧客と会話する時間が多いのもアパレルの販売員の特徴です。

そのためアパレルに関する知識に加え、顧客と会話し適切な商品をおすすめするなどのコミュニケーション能力も必要とされます。

アパレル業界だけでなく、販売職に興味のある人はこちらの記事も参考にしてみてください。
販売職を徹底調査! 仕事内容から就活を成功させるコツまで紹介

EC

ECとは、「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、アパレル業界では、商品をオンライン上で取り扱うネットショップやECモールでの運営業務をする職種を指します。

企業によってEC担当の業務範囲は異なりますが、ECサイト制作や商品撮影、データ解析など幅広い業務があります

そのためファッションへの興味関心だけでなく、パソコンスキルや数字分析スキルもEC担当として活躍するために必要なスキルといえます。

ECの仕事内容

  • 予算策定
  • サイト構築
  • 撮影・採寸・原稿
  • 商品情報登録
  • 在庫管理
  • 商品発送
  • データ解析
  • オンラインコンテンツの企画デザイン
  • メールマガジン送信

Webマーケティングに興味がある人は、ECサイト運営に向いていますよ。

自社サイトを認知されるために、SNSやWebサイトでの集客などの勉強が必要なのですが、これらは数字の分析がメインのため、数字を扱うことに抵抗がある人は挫折する可能性があるため注意してください。

カスタマーサービス

カスタマーサービスは、商品購入前後の顧客が抱える疑問や要望の解決を電話やメールなどを通してサポートする職種です。ヒアリングした顧客の意見や要望をもとに商品や接客の質を高めることで、顧客の満足度向上につながります

カスタマーサービスの仕事内容

  • 問い合わせ対応
  • データ作成
  • フィードバック

カスタマーサポートに連絡する顧客の多くはトラブルや悩みを抱えています。相手の話をよく聞いて意図を汲み取る傾聴力や、相手に納得してもらえるように伝える説明力も求められます。

アパレル業界のカスタマーサポートも含まれているコールセンターの仕事に興味のある人はこちらの記事も参考にしてください。
例文8選|コールセンターの志望動機で絶対盛り込むべき4要素

アパレル業界のさまざまな職種の中で、どのような基準で職種を決めると良いのでしょうか?

若林 宏美

プロフィール

インターンやアルバイトで実際の仕事を経験してみよう

アパレル業界には多岐にわたる職種がありますが、ここまでの記事を読んでも「どの仕事をしたいのかわからない」という人もいるかもしれませんね。

そのようなときには、アパレル業界のインターンに参加したり、アパレル業界でアルバイトをしたりと、何らかの形でアパレルの仕事に触れる機会を作ってみてください。

外から見るよりも、実際に経験することで自分が希望する職種が見つかりやすくなりますよ。

さまざまな視点から見てみよう! アパレル業界の企業

アパレル業界の企業

  • 売上高ランキング
  • 平均年収ランキング
  • 勤続年数ランキング

多くの関連業種や職種があることを知って、どの企業を受けるべきか悩む人もいるのではないでしょうか。

そこで、ここからはさまざまな視点でアパレル業界の企業を解説します。どのような基準で企業を絞るべきか悩んでいた人は、企業選びの軸として参考にしてみてください。

売上高ランキング

アパレル業界の全体図を把握するためには、まずは売上高上位企業を知っておく必要があります。売上高が高いということは、トレンドや消費者のニーズに合わせた商品展開ができていると考えられます。業界を牽引している企業を把握し、業界研究に活かしましょう

また、影響力のある仕事に就きたいと考えている人は、売上高の高い企業を見るのもおすすめですよ。

各社の有価証券報告書から、2022年時点のアパレル企業の売上高上位5社を紹介します。

アパレル業界の売上高が高い企業

平均年収ランキング

次にアパレル業界の平均年収ランキングを紹介します。

年収の高さだけで就職先を決めてしまうと、入社後にミスマッチを感じてしまう可能性もあるため危険ですが、判断材料の一つとして考えるのは問題ありません。国税庁の民間給与実態統計調査によると、2021年の給与所得者の1人当たりの平均年収は443万円となっているので、それと比較してみても良いかもしれませんね。

それでは各社の有価証券報告書から、2022年時点のアパレル企業の平均年収上位5社を紹介します。

アパレル業界の平均年収が高い企業

上記で紹介した企業の年収は、その企業で働くすべての年代・職種の平均年収です。職種や勤続年数によって異なる点に留意しておきましょう。

永田 修也

プロフィール

当たり前かもしれませんが多店舗展開をしていて、従業員数が1,500名〜5,000名規模の企業は平均年収も高い傾向にあります。

衣食住の一端を担うアパレル業界は生活の中で欠かせないものなので、収入も安定して推移していく傾向にあるかと思います。

給料が高いとはどれほどの額を指すのか基準が知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。給料の高い企業の特徴や給料で企業を選ぶリスクも解説しています。
給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説

勤続年数ランキング

次に勤続年数ランキングを紹介します。平均勤続年数が長い企業は、働きやすい環境が整っていると予測できます

国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の2021年の平均勤続年数は12.6年となっているので、見比べて考えてみましょう。

それでは、各社の有価証券報告書から、2022年時点のアパレル企業の平均勤続年数上位5社を紹介します。

アパレル業界の平均勤続年数が長い企業

アパレル業界の企業研究をする際、どのような軸で見ると良いでしょうか?

アパレル企業の企業分析は自分の軸にあわせて考えよう

本文で紹介されているように、さまざまなランキングがあり、何を重視すれば良いかわからず不安になりますよね。結論、あなたの就活の軸にあわせて、どのランキングを見るのか判断をしましょう。

たとえば、年収を重視しているなら「平均年収ランキング」を見て、理念を重視するなら「各企業の企業理念」、協働する人を重視しているなら「OB・OG訪問をして社風を確かめる」が必要です。

ランキングはあくまでも参考情報なので、あなたが重視することが満たされるかを各社チェックしましょう。

就活の軸がまだよくわかっていない人は、以下の記事を参考に、自分だけの軸を見つけてみましょう。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説

アパレル業界で働く魅力

アパレル業界で働く魅力

  • 洋服に囲まれて働ける
  • ファッションセンスを磨ける
  • コミュニケーション能力を身に付けられる

アパレル業界の現状や課題を知って、志望するかどうか迷っている人もいるかもしれませんね。

ここからはアパレル業界で働く魅力を解説します。自分の価値観と合っているかどうか検討しながら見てくださいね。

洋服に囲まれて働ける

洋服やおしゃれが好きでアパレル業界に興味を持った人も多いでしょう。好きなものとかかわりながら働けることは仕事のモチベーションにつながるので、アパレル業界で働く魅力の一つといえます。

また、自社商品を社割で購入できることも多いため、通常より安価で好きな洋服を手に入れられる点もおしゃれが好きな人にとってうれしいポイントです。

ただし、志望する理由が「洋服が好きだから」「ブランドのファンだから」だけでは、説得力が欠けてしまいます。企業は「企業に貢献できる人材」を求めています。好きな気持ちだけでなく、自分が社員としてどのように貢献できるのか熱意を持って伝えましょう

ファッションセンスを磨ける

アパレル業界では、常にアンテナを張り、トレンドを敏感にキャッチする必要があります。そのため、必然的に最新のファッションやトレンドに詳しくなるのです。

また日々ファッションに囲まれて仕事をし、今後流行するアイテムを考えたりコーディネートを研究したりする中で、ファッションセンスも磨くことができます。

周囲の人もファッションやおしゃれが好きなことが多いため、互いに影響を受けながら自分の知識やセンスをアップデートできる点も、アパレル業界の魅力の一つです

ファッションセンスは面接やインターンの際も見られていますか?

永田 修也

プロフィール

服装のセンスだけでなく身だしなみなども見られている

選考の基準として公にしていないかもしれませんが、やはりファッション業界に身を置く人からすれば服装のセンスも気になるというのが正直なところでしょう。

面接ではスーツ、インターンではスーツかビジネスカジュアルな服装だと思いますが、私服ではなく型にハマった服装だから個人のセンスは問われないだろうという気持ちは少し危険です。

服装センスは細かい場所にも表れ、プロから見れば一発で見抜けるポイントです。

髪の毛の整え方、ネクタイの締め方、シワの有無、靴やベルトの色味といった細部までこだわることができている人は、清潔感もあるので受け入れられやすいと思います。

これはファッション業界だけに言えることではないですが、特にアパレル業界の中では気を付けた方が良い事柄でしょう。

以下のQ&Aでもアパレル業界の選考での身だしなみについて、キャリアコンサルタントが解説しています。

コミュニケーション能力を身に付けられる

アパレル業界の仕事は、どの職種でも周囲とのかかわり合いが必須のため、コミュニケーション能力を身に付けられます。

特にアパレルショップの販売員は、顧客のニーズを的確に把握し、そのニーズに合った商品や着こなしを提案する必要があります

商品を売るために「どのように商品をアピールするのか」や「顧客の隠れたニーズは何なのか」などさまざまな工夫を凝らして日々努力することで、コミュニケーション能力が徐々に向上します。

アドバイザーコメント

努力の成果が目にみえることもアパレル業界で働く魅力

アパレル業界を志望する理由に「よりその企業の商品を広げたい」という思いがある人もいるでしょう。

もしほかの業界であれば無形商材を扱う場合もあり、認知されている実感が持てない場合もありますが、アパレル業界であれば商品を身に付けていることが目で確認でき、ブランドが広がっていることが実感できます。このように影響力の大きさがわかりやすいのはアパレル業界の魅力の一つです。

アパレル業界は自分が企業に貢献していることを感じやすいのも特徴

たとえば、ユニクロは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」を理念に掲げています。ユニクロの商品を身に付けている人が増えれば増えるほど、人々の暮らしの充実に貢献できるということです。

アパレル業界は生活するうえで必要不可欠な衣食住の一つなので、多くの業界よりも自分がかかわった価値を体感することができます。顧客が喜ぶ顔を見たり商品が広まったり、自分が貢献したことを体感したい人はやりがいを感じて活躍することができますよ。

事前に把握しよう! アパレル業界の大変なところ

アパレル業界ならではのやりがいや魅力がある一方で、大変な面もあります。

ここからはアパレル業界の大変なところを解説します。良いところだけに注目するのではなく、大変なところも理解しておくことで、入社後のミスマッチを防げる可能性が高くなりますよ。

①体力が求められる

アパレル業界は華やかでおしゃれなイメージとは裏腹に、体力勝負な一面もあります

特にアパレルショップの販売員は一日中立っていることも多く、体力は必須といっても過言ではありません。ヒールが高い靴やパンプスを履いて店頭に立つ場合もあり、足腰に負担がかかってしまうこともあります。

また、重いマネキンや什器、商品の入ったダンボールの持ち運びをしたり、商品に合わせてディスプレイを変更したりと体を動かす仕事が想像以上に多くあるため、体力的にきついと感じる人もいるかもしれません。

②おしゃれに手が抜けない

おしゃれを楽しめる点がアパレル業界で働く魅力でもありますが、同時に大変なところでもあります。

たとえばアパレルショップの販売員やPRなどは、「今朝は時間がないから洋服は適当で良いか」というわけにはいきません。なぜなら、販売員やPRは自分自身もブランドの魅力をアピールする広告塔のような存在でもあるからです

また、最新のファッションやトレンドを意識して毎日の服装を決めるため、被服代もかさみます。社員割引で通常よりも安く購入できても、シーズン別に新しい服を準備するため、お金がかかるという点は大変な点かもしれませんね。

③平均年収が低め

業種によって異なりますが、アパレル小売店が属する小売業は年収が低めです。

dodaの平均年収ランキングによると、2021年9月〜2022年8月の1年間にdodaエージェントサービスに登録した、小売/外食業種で働く人の平均年収は351万円です。全体の平均年収は403万円なので、低めであることがわかります

しかし、すべてのブランドの年収が低いわけではなく、年収が全体の平均以上の企業も多くあります。特に外資系ブランドや商品の単価が高いブランドは、年収も高い傾向なので一概には言えませんが、低い傾向にあるというのは理解しておきましょう。

④不規則な勤務になりがち

アパレル小売店で働く場合は、サービス業のため基本的には土日祝日が忙しくなります。平日にシフト制で休みを取ることになり、休日が不定休のため、友人や家族とのスケジュールが合わないことも多くあります。

販売職以外の職種も、展示会などのイベントがあるときや新作発表前などは、残業をして遅くまで準備したり、海外にまで買付におこなったりと不規則な勤務になりがちです

不規則な勤務になることが比較的少ないアパレル業界の職種はありますか?

若林 宏美

プロフィール

バックオフィス系の職種は不規則な勤務になりにくい

総務や人事など、他業種の会社にもある会社を運営するうえで必要な部署は、比較的残業が少ない傾向があるようです。最近増えているEC関連やSNS戦略をおこなう事業部も、販売職と比較すると残業は少ないようです。

ただし夏・冬といった業界の繁忙期や決算前などは、部署によっては残業があります。まったく残業のない職種は少ないと思っておいた方が良いでしょう。

⑤本社勤務は狭き門

アパレル業界では、総合職採用でもまずは販売職として配属されることが多くあります

そのため、最初から本社勤務の職種で働ける人はごくわずかです。さらに、本社勤務の職種への希望を出しても、そのタイミングで本社勤務の募集がなければチャンスは巡ってきません。

本社勤務の職種は人気のため、販売員として成績を残すことが求められ、非常に狭き門といえます。

ほかにもアパレル業界では、販売職だとノルマが課せられるブランドが多いことも注意が必要です。個人だけでなく店舗で目標売り上げがあるため、達成意欲があることが求められます。

ペナルティを課す企業は少ないものの、プレッシャーに感じる可能性もあることを覚えておきましょう。

アパレル業界の就活を成功させる6つのポイント

アパレル業界にはさまざまな業種や職種があり、関連する企業も多く存在します。そのため、内定を獲得するためには正しいステップを踏んで、業界の情報や知識を得ながら就活に挑む必要があります。

ここからはアパレル業界の就活を成功に導くポイントを解説していきます。アパレル業界ならではの準備方法もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。

①アパレル特化型求人サイトを利用する

アパレル業界の企業を調べるためには、アパレル業界に特化した就活サイトを利用する方法もおすすめです。

おすすめのアパレル業界に特化した就活サイト

特化型の就活サイトを利用することで、リクナビマイナビなどの大手ナビサイトでは得られないアパレル業界に特化した情報を得ることができ、業界研究や企業研究をより深く進められます

②企業の特色を把握する

興味のある企業をある程度絞れたら、企業研究をして企業の特色を把握しましょう。企業研究を念入りにすることで、説得力のある志望動機を作成できたり、入社後のミスマッチが生じるリスクを軽減できたりといったメリットがあります。

アパレル業界の企業を研究する際に、特に意識して理解したい点は「ブランドのコンセプト」と「ターゲットや販路」の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう

アパレル業界の企業研究の仕方はこちらの記事でも解説しています。志望動機の内容を差別化するポイントについても解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
例文11選|アパレル業界の志望動機に必須の準備と書き方を解説

ブランドのコンセプトを理解する

アパレル業界の企業研究の際は、企業理念や経営方針に加えてブランドのコンセプトも理解しましょう。

ブランドのコンセプトとは「顧客にどのような価値を届けるブランドなのかを言語化したもの」を意味し、企業の強みやこだわりが反映されていることが多くあります

ブランドのコンセプトを理解できていないと、自分に合ったブランドかどうか正しく判断できません。自分のやりたいことや目指す方向性が、ブランドのコンセプトと合っているのか事前に確認しておきましょう。

ブランドのコンセプトを理解するためには、ブランドのホームページ(HP)を確認するだけでなく、店舗へ足を運んでみましょう。雰囲気や接客の様子を確認できるのでおすすめですよ。

ターゲットや販路を理解する

ターゲットや販路の理解も必須です。就職活動を成功させるためには、顧客目線にとどまらずに企業側の目線で物事を理解することが重要なためです

ブランドがターゲットとしている客層や販路を理解することで、企業がどのようなこだわりを持って商品展開しているのか、どのような戦略で事業展開しているのかなどを企業目線で捉えられます。

ターゲットや販路を理解するためには、まずは企業のHPやECサイトを見てみましょう。たとえばアパレル商品を着用しているモデルの年齢層でターゲット層を読み取れます。また、社長のメッセージやプレスリリースに目を通すと、企業のこだわりや今後の事業展開などの情報を手に入れられますよ。

若林 宏美

プロフィール

アパレル業界には多くの会社があるため、同業他社とのコンセプトの違いをしっかりと把握しておきましょう。

アパレル業界だけではありませんが、同業他社との比較はミスマッチを防ぐためにも有効です。

③インターンシップに参加する

インターネットでは得られない生の情報を得るためには、インターンシップの参加がおすすめです。実際に働いている人の話を聞いたり、仕事を体験したりする中で自分の働くイメージをつかむことができます

アパレル業界のインターンは、アパレルショップの販売員として実際に店頭に立つインターンや顧客対応をグループワークで考えるインターンなど、さまざまな種類があります。自分がインターンを通して何を学びたいのか、目的に応じて選びましょう。

まずは興味のある企業のHPや就活サイトを確認して、インターンの募集がないか確認してみてくださいね。

こちらの記事でインターンの情報を解説しています。あわせて参考にしてみてください。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説

④アルバイトとして働く

入社したいと考えている企業があれば、アルバイトで働く方法もおすすめです。販売員のアルバイトであれば、学生でも働けることも多いため、志望企業のアルバイト求人を見てみましょう。

企業によっては、アルバイトスタッフからの社員登用制度を設けている場合もあります

また、アルバイトで学んだことや感じたことを盛り込めば、説得力のある志望動機や自己PRを作成できます。働いてみると見えることもあるため、適性を判断するために役立ちますよ。

志望企業以外のアパレル企業でアルバイトをしていた場合は、面接で言わない方が良いですか?

志望企業以外でもアパレルのアルバイト経験はアピールになる

志望企業以外で働いていると、志望する熱意がないと感じられないか不安になりますよね。しかし、企業からマイナス印象になることはなく、むしろプラス印象になることが多いため、積極的にアピールするのがおすすめです。

企業は、どのブランドでアルバイトをしているかよりも「入社後に活躍してくれるのか」を重視しています。別の企業であっても「入社後に貢献してくれる」と判断されれば、内定に大きく近付きますよ。

学んだことをアピールする際は、数字を使ってアピールしましょう。たとえば、「店舗の売上に貢献した」ではなく、「店舗の売上10%アップに貢献した」の方がイメージが湧きますよね。

アルバイト先の社員に質問して、できるだけ数字ベースで語れるようになりましょう。

アルバイトはたしかにアピール材料として使えますが、うまく両立しないと就活が進まなくなる可能性もあります。就活とバイトを両立させる方法は、以下の記事で解説しています。
就活とバイトを両立するのは危険? よくある不安と対策を徹底解説

⑤アパレル業界でアピールできる資格を取得する

アパレル業界で働くために必須な資格はありませんが、資格を持っているとアパレル業界への熱意や関心度の高さをアピールできます。

アパレル業界でアピールできる資格の例

アパレルに特化した資格以外に、語学力やマナーを身に付けていることが証明できる資格もおすすめです。

特に、職種によっては海外とのやりとりや外国人観光客の接客などをする場合もあるため、語学力があることが重宝される可能性が高くなります

アパレル業界に特化した資格以外も、さまざまな業界で就職に有利な資格があります。こちらの記事で紹介しているので参考にしてみてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

英語力をアパレル業界の就活でアピールしようと考えている人はこちらの記事も参考にしてください。ケース別に求められる英語のレベルを解説しています。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説

⑥アパレル業界の関連用語を理解する

アパレル業界を目指す学生は、アパレル業界にまつわる関連用語も理解しておきましょう。

関連用語を理解することで、企業研究や業界研究がスムーズに進みます。また面接やインターンなどで関連用語が使われる可能性もあるため、覚えておくと安心です。

ただし、面接で安易に使用することは避けましょう。理解が浅いと業界研究が不十分な印象を与えてしまうためです。

アパレル業界関連用語

  • サスティナブルファッション:ファッションの生産や流通において自然環境や社会に配慮し、持続可能であることを目指す取り組みのこと
  • アスレジャーファッション:スポーツウェアをおしゃれとして取り入れたファッション
  • ノームコアファッション:トレンドに左右されずシンプルでありながらこだわりのあるファッション
  • RFIDタグ:情報が書き込まれた専用タグで、セルフレジや在庫管理などに利用されている
  • SKU:「Stock Keeping Unit」の略で在庫管理で最小の品目数を数える単位
  • FKU:「Face Keeping Unit」の略で店舗の売り場に出す商品の単位
  • コンペティター:ターゲットやテイストが似ている企業やブランドのことで競合他社を指す

永田 修也

プロフィール

アパレル業界では、結局「誰よりも服が好き」ということが1番のアピールポイントになるのではないでしょうか。

その中でも「自分は特にこれが大好きなんだ」とピンポイントでオタク的なほど熱量があることを伝えられると、ほかの学生と差別化をはかることができます。

アパレル業界の全体像を把握して納得のいく就活をしよう!

アパレル業界に関連する業種や職種は多岐に渡ります。アパレル業界を志望する人は、全体像を把握して自分の希望に合った仕事を選びましょう。

また、アパレル業界は景気やトレンドなどに影響を受けやすい特徴があるため、最新の動向を踏まえて研究していくことが重要です。

正しい業界理解が納得のいく就活につながるため、ぜひこの記事を参考に業界への理解を深めてくださいね。

アドバイザーコメント

アパレル業界のキャリアパスも理解しておくと仕事への解像度が高まる

アパレル業界といえば、洋服の企画や販売といった職種を思い浮かべますが、いろいろな職種があることがわかりましたね。

ファッションに興味がある人やおしゃれが好きな人などは、「自分のお気に入りのブランドで働きたい」「デザインや企画の仕事がしたい」といった志望動機を挙げる学生も多いのですが、どんな業種・会社に就職しても希望どおりの職種に就けるとは限りません。

特にアパレル業界では、記事でも述べられているとおり最初は販売を担当することが多く、最初から本社勤務などの希望職種に就くのは難しいと考えておきましょう。

ただしブランドや会社についての理解を深めたり、現場を知ることでより顧客のニーズを把握できたりするため将来的なキャリアにとってはプラスになります。

ファッションが好きならさまざまな職種に目を向けてみよう

学生たちと話していてもアパレルを志望する人は多く、人気の業種の一つといえるでしょう。特に人気のブランドをかかえる会社は人気があるので、インターンに参加してしっかりとアピールするのもおすすめです。

好きなことを仕事にできるのは、仕事のやりがいやモチベーションにもつながります。ファッションが好きで、仕事にしたいと思うならいろいろな職種にも目を向けて挑戦してみてください。


執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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