この記事のまとめ
- マーケティング職は一般的に中途採用がメインで倍率の高い職種と言われている
- きちんと対策を練れば新卒の学生でもマーケティング職に就ける
- マーケティング職の仕事内容は企業によって大きく異なる
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
おすすめな診断ツール(無料)
多くの学生から憧れを集めるマーケティング職。社会から反響を得られるヒット商品にも携われるマーケティング職は、自分のアイデアで開発から流通までの一連の流れに携われる仕事です。
一方で、採用枠の少なさから同じくマーケティング職を志望するライバルとの激戦が予想される仕事でもあります。マーケティング職に興味があるものの、就活をどのように進めたら良いのか悩んでいる人もいることでしょう。また、マーケティング職の具体的な仕事内容の理解に自信のない学生もいるでしょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの小松さん、谷所さん、平井さんのアドバイスを交えつつ解説します。マーケティング職に興味をもっている人は参考にしてくださいね。
この記事ではマーケティング職について詳しく解説していきますが、他の職種の解説を読みたい人は、以下の記事もおすすめです。
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう
マーケティング職は狭き門? マーケターになりたいなら仕事内容の理解はマスト
マーケティング職を志望しているものの、実際の仕事内容やマーケティング職ならではのやりがいがわからず、就活に失敗してしまう人がいます。マーケティング職の人気に対する門戸の狭さを実感し、諦めてしまう人もいるかもしれません。
この記事では、マーケティング職の仕事内容ややりがい、マーケティング職への就職を有利にする資格などを網羅的に解説します。さらに、マーケティング職に適性がある人の特徴も紹介。マーケティング職の就活をうまく進めるためのコツや志望動機例も取り上げます。
この記事を参考にすれば、マーケティング職の仕事内容や種類を知り、自信を持って選考を進められるようになるでしょう。マーケティング職ならではのアピールを丁寧に作りこんで、就活をスムーズに進めていってくださいね。
あなたがマーケティング職に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、マーケティング職に向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
まずはマーケティング職の4つの種類を知っておこう
マーケティングとは?
商品やサービスが売れる仕組みをつくること
マーケティング職には4つの種類があります。マーケティングと一口に言っても、実際に企業で働いているマーケターの仕事はポジションによって微妙に内容が異なります。あなたが興味のある分野はどの分野なのか、考えながら読み進めてみてくださいね。
①オフラインマーケティング
インターネットを使わずにおこなうマーケティングを、オフラインマーケティングと呼びます。テレビやラジオのCM、ダイレクトメール、電話(テレアポ)などが代表的な事例として挙げられます。
オフラインマーケティングでは、インターネット上で情報を公開するマーケティング手法に比べ、数は限られるものの確実にユーザーのもとへ情報を届けられるため、地道な活動によってマーケティング効果を着実に上げていくことが可能です。
訴求数は限られる場合もありますが、ターゲット層によっては確実に情報を届けることができます。
②デジタルマーケティング
デジタルマーケティングとは、消費者の行動から得られるデジタルデータを使ったマーケティングの手法です。ビッグデータ、デジタルのポイント会員情報、ユーザーのモバイル端末から取得した位置情報、Googleなどの検索エンジン、Eメールなどを活用します。
消費者の行動データを蓄積し分析・検証することで、実行したマーケティング施策に対して、どのような効果があったのかを定量的かつ即時的に判断することが、デジタルマーケティングの基本的な考え方といえます。
- デジタルマーケティングに興味があります。どんな業界や企業を選ぶべきですか?
まずは事業会社かマーケティング専門会社かを選択しよう
まずは、事業会社で自社の商品サービスのマーケティングにかかわりたいか、マーケティング専門会社で顧客の商品サービスのマーケティングにかかわりたいか、どちらかを選ぶことになります。
可能性からいえば、後者のほうが採用の確率は高くなると思います。具体的にはWEB系の広告代理店・コンサルティング会社などです。
事業会社を希望する場合は、その会社がマーケティング職種を募集しているかどうかをしっかり確認する必要がありますね。
③コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、最終的に商品・サービスの購入につなげる、一時的ではなく中長期的な収益を獲得するマーケティングの手法です。ユーザーに対し価値のあるコンテンツを発信することでファンを増やし、サービスの導線へとつなげます。
高品質なコンテンツの制作によって集客を増やすことができれば、資料請求による商談の獲得や購買まで押し上げられる確率も上がります。
④SNSマーケティング
ソーシャル・ネットワーキング・サービスを使うマーケティングが、SNSマーケティングです。最近ではインフルエンサーを起用したプロモーションや、インターネット上で影響力のあるアカウントとのコラボレーションなどにより、集客をおこなう企業も増えてきました。
InstagramやTwitterなどを活用し、商品・サービスの認知度拡大、ファン獲得などをおこなう仕事が、SNSマーケターという位置付けです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る自分が携わりたいマーケティングを明確にしよう
ここまで4種類のマーケティング職を紹介しましたが、担当をきっちり分けずに併用する企業や、担当を分けてそれぞれのマーケティングをおこなう企業など、企業によって形態はさまざまです。
日系企業のメーカーなどでは、マーケティング部門として担当を分けないことがありますが、広告代理店や外資系企業などは、より専門性を極めるためにそれぞれの担当部署を設けていることがあります。
企業によりマーケティングの仕事内容が異なることを理解したうえで、どういったマーケティングに携わっていきたいのかを考えてみると良いでしょう。
インターネットの普及でマーケティングの手法も大きく変化している
インターネットの普及によりこれまでの消費者の購買行動も変化してきており、SNSなどのデジタルメディアやデジタルデバイスデータを活用したデジタルマーケティングは今後さらに伸びていくでしょう。
特にSNSマーケティングは、これまでは広報部門が兼任している場合も多かったのですが、YouTuberやインスタグラマーを活用したインフルエンサーマーケティングの需要が高まっており、SNS専門のマーケティングをおこなう部署を強化する企業もあります。
TV、ラジオなどのオフラインマーケティングも、TVやラジオからインターネットに誘導するような、デジタルマーケティングと併用する手法も今後増えてくるでしょう。
マーケティングの仕事は会社の売り上げにかかわる責任の大きな仕事であり、かっこいいと憧れている人も多いです。ほかにもかっこいい職業に興味がある人は、こちらの記事でチェックにしてみてください。
かっこいい職業25選をタイプ別に解説! 目指すコツや注意点も
あなたがマーケティング職に向いているかわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
マストで押さえて! マーケティング職の仕事内容
マーケティング職の仕事内容
- 市場調査
- プロモーションの企画・運用
- イベントの準備・運営
- 販促品管理
- データ集計・分析
マーケティング職の仕事内容は、多岐に渡ります。「なんとなくかっこいいから」という理由では、ライバルの多いマーケティング職の選考を勝ち抜くことはできません。選考対策の第一歩として、まずはマーケティング職の仕事内容を具体的にイメージできるようになることから始めましょう。
市場調査
市場調査は「マーケットリサーチ」と呼ばれることもあります。
企業は消費者に商品・サービスを売り、利益を上げることを考えます。しかし、企業が売れると思い込んだものを一方的に押し付けるだけでは、利益を上げるのは難しいですよね。
消費者の情報をできるだけ確実に入手し、ニーズを知ることが売れる商品を生み出すための鍵となります。競合他社の商品やサービスの内容を調べながら、差別化できる新しいものを作り出すための手がかりになるような情報を集める仕事が、市場調査です。
商品やサービスが飽和した現代においては、メーカーが作りたい商品を作る「プロダクトアウト」の考え方よりも、ユーザーが求めるものを作る「マーケットイン」の考え方によるマーケティングが有効とされています。
ユーザーのニーズを探るため、市場調査としてアンケート、インタビュー、モニターへのヒアリング、商圏分析、SNS分析などがおこなわれます。
プロモーションの企画・運用
マーケティング職と聞いて、学生がイメージしやすいのが、プロモーションの企画・運用でしょう。たとえば香水メーカーであれば、マーケティング職の担当者が収集した情報から、顧客ターゲットを設定します。
さらに「今年の夏は、〇〇歳向けに△△をテーマにした新しい香水を開発する」という具合に、顧客ニーズを考え、明確な方向性を決定して企画を進めます。
マーケティング職の商品やサービスの企画の対象となるのは、新商品やサービスの開発に限りません。既存の商品やサービスを改善するための企画立案も、マーケティング担当の仕事内容に含まれます。
具体的な例を挙げると、毎年12月に発表される「今年の漢字」を知っている人も多いでしょう。京都・清水寺のご住職が大きく一文字を書き上げるので、京都のお寺のイベントと思う人も多いかもしれません。
しかしあれは「漢検」でおなじみの日本漢字能力検定協会が主催しています。
漢検を創設してしばらくは受検生が伸び悩んでいましたが、「今年の漢字」プロモーションで漢字への興味が高まり、一気に受検生が増えたそうです。
マーケティング職の中でも企画専門の部署を儲けている場合もあります。下記の記事では企画職の詳細を解説しているので参考にしてくださいね。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
イベントの準備・運営
イベントの準備・運営もマーケティング職の大切な仕事です。ここでのイベントとは、主に自社商品の展示会や該当イベントなどのプロモーションイベントを指します。
イベントのテーマ設定や場所を含め、企業と消費者をつなぐ場所としてイベント当日の運営スケジュールなどの考案に携わる場合もあるでしょう。
プロモーションイベントはテストマーケティングの目的でもおこなわれるため、実際の販売前に、製品に対する顧客の反応やリアクションをつかむための重要な場でもあります。
好感度の高いタレントや有名人を起用したプロモーションイベントでは、商品が認知されやすいだけでなくメディアに取り上げられることが多く、イベントを通じた拡散効果が期待できます。このためイベント内容によって、費用対効果が大きく変わります。
販促品管理
販促品管理は、商品やサービスを顧客に購入してもらうための営業方法を考える仕事です。具体的には、ノベルティグッズの企画や作成、管理、配布などを指します。いくら商品が魅力的であっても、営業がうまくいかなければ実際の数字にはなかなかつながらないこともあります。
営業や販売に携わる人員計画の検討や、売り上げが伸び悩んでいるエリアのキャンペーン企画の提案なども販促品管理の仕事に含まれます。
無数の商品やサービス、そして広告で溢れている現代では、いかにして顧客に会社や商品の存在に気づいてもらい、覚えてもらえるかが勝負の分かれ目になります。
マーケティング担当者は自社商材の認知度を上げ、顧客の関心を惹きつけるためにさまざまな施策を講じます。具体的には、ノベルティグッズに加えてサンプル品、クーポン、ポイントカード、LINEスタンプなど多様な販促ツールがあります。
データ集計・分析
データ集計・分析は、商品開発や販売における分析・リサーチを専門とする職種です。マーケティング職において、そのプランやアイディアが実際に課題の解決につながるかを検討するためには、集めたデータを適切に分析し、裏付けをとる必要があるでしょう。
データ集計・分析は、インターネットでのマーケティング手法が盛んになったことにより、最近では企業によって指し示す仕事の内容が変わることがあります。一般的には、以下の2つのどちらかを指し示すと考えてください。
データ集計・分析の仕事内容
- 数字データから分析をおこなう「定量調査」をおこない、その結果をマーケティングに活かす仕事
- 街頭調査などの「定性調査」をおこない、数値化できない消費者心理やニーズの変化を分析する仕事
同じマーケティング職という括りでも、企業の扱う商材や、求めているポジションの社内での役割によって特に仕事の内容が変化しやすいのがデータ集計・分析であることも押さえておきましょう。
実は私もSNSを使ってマーケティングをしています。どんな言葉を使った情報にアクセスが多いのか、どんな経路で私の情報を見つけてくださったのかなどを分析して、発信する情報を変えています。
まして企業ではもっと大掛かりに、精緻に分析をします。顧客が情報を得るルートが多様になったからこそ、個別ニーズを探るためにはデータ分析が欠かせません。
マーケティング職に向いている人は?
マーケティング職に向いている人
- 情報収集や分析が好きな人
- 責任感がある人
- 人と接するのが好きな人
- 相手目線で物事を考えられる人
マーケティング職を志望している人は経営学部やメディア系の情報学科など、文系の学部出身の学生が多いです。しかし、大学でマーケティングについて学んでいたからといって、必ずしも適性があるとは限りません。反対に、社会人になってから初めてマーケティングに触れた人でも、適性があり、大きな成果をあげる人も多くいます。
マーケティング職に興味がある人は、まずはその職種に必要なスキルを知り、自分に向いているのかどうかを確認していきましょう。
情報収集や分析が好きな人
新しい情報へのアンテナが敏感で情報収集が好きな人、またその情報を自分なりに分析したり読み解くことが好きな人はマーケティング職に向いているでしょう。
マーケティング職では、日々更新される市場データや販売実績など、さまざまな数値化されたデータを読み解き、分析したうえで戦略に反映させる必要があります。また、競合他社の新情報や市場の流行りを読み取るアンテナも重要です。
そのため、日頃から情報収集や分析への関心が高い人であれば、マーケティング職で活躍できる可能性は高いでしょう。
特にデータや数字を含む情報に強い人は、マーケティングの仕事で活躍できる可能性があります。
- 現時点で扱えるようになっておくとマーケティング職での就活でリードできるツールはありますか?
Excelを使いこなせるようになっておこう
まず最優先で身に付けておきたいのが、Microsoft Excelの関数やピボットテーブル、分析ツールなどです。Excelで良いのかと思うかもしれませんが、ビジネスの現場で最も頻繁に、汎用的に使われるツールは何といってもExcelです。
万能で汎用的だからこそ、Excelを使いこなせれば、情報処理のあらゆる場面で力を発揮することができます。
これから就職する段階ではExcelのレベルが高ければ十分とも言えますが、他者との差別化を図るうえでは、プラスアルファとしてBIツールやテキストマイニングツールが使えると良いでしょう。
また、PythonやRPAなどが使えると業務効率を飛躍的に高められるので重宝されます。最近ではChatGPTなどの生成系AI(人工知能)ツールを使いこなせるようになると、短時間で質の高いアウトプットを出せるようになるでしょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
責任感がある人
マーケティング職の仕事は多岐に渡るため、一般的に多忙になる傾向があります。多くの人とかかわりながら同時進行で企画を進めたり、時には予期せぬトラブルも起こるでしょう。
そんなときにも、良いものを作ることにこだわりを持って、自社の製品やサービスに責任を持つことができるのがプロのマーケターです。
一度手を付けた物事を投げ出さずに、最後まで完遂できる責任感のある人はマーケターに向いているでしょう。
責任感は正しくアピールできれば、最強の武器になります。責任感の自己PRについては、次の記事を読んでおきましょう。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
人と接するのが好きな人
人と接するのが好きな人も、マーケティング職に向いているでしょう。
マーケティングの仕事はチームでおこなう機会が多いもの。また、マーケターが消費者と意見のやり取りをおこなうこともしばしばあります。さらには、社内でも、上司や関係部署に現状の説明や新商品の企画を提案することが多くあるため、プレゼンの機会が多いこともマーケターの特徴です。
したがって、人と接するのが好きな人やさまざまな場面で会話のやり取りが苦にならない人は、マーケティング職に適性があるといえます。
- 発想力には自信があるのですが、アイデアを人にわかりやすく伝えることに自信がありません。私はマーケターに向いていないのでしょうか?
相手へわかりやすく伝える能力はこれから身に付けられる
優れた発想力があるならば、向いていないことはないでしょう。わかりやすく伝えることに自信がないと自覚しているならば、結論から伝えるようにするなど、わかりやすく伝えるための工夫をするだけでも相手への伝わり方が変わります。
マーケティングの仕事は、商品企画、商品開発、市場調査など商品やサービスが売れるための行動なので、具体的な仕事内容を理解したうえで、発想力をどのように活用していきたいか考えてみましょう。
相手目線で物事を考えられる人
マーケティング職においては、ユーザーの視点から物事を考えることが欠かせません。さらにそれだけではなく、売れる商品を世に出すには、さまざまな企画会議を通過する必要があります。
自社の商品を客観的な視点で見つめ直し、相手の目線に立って「さらに商品をよりよくするにはどうすれば良いか」「相手が商品に懸念を持つとすれば何か」を突き詰めて考えていく力が、マーケターには求められます。
そのため、目の前にある自分の感情を優先するのではなく相手目線で物事を考えられる人はマーケターに向いているでしょう。
相手目線で物事を考えられる強みは、選考で立派なアピールポイントになります。詳しいアピール方法はこちらの記事を参考にしてください。
例文5選! 相手の立場に立って考える力を魅力的に伝える3ステップ
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見るマーケティング職で大切なのは顧客への理解
マーケティング職を担ううえで最も欠かすことのできないものは、何といっても顧客思考です。マーケティングとは「市場を作る」ことであり、そのためには顧客の視点に立ち、顧客の思考や感情を洞察しながら、顧客の潜在的なニーズを捉える力が求められます。
人は必ずしも合理的な判断に基づいて商品やサービスを買うわけではありません。誰しもが「思わず買ってしまった」「何となく買ってしまった」という経験があると思います。理論的、分析的なアプローチだけではなく、情緒や感情、感覚的な側面も含めて、顧客を深く理解することが求められます。
デザイン思考が鍵を握る
また顧客を観察したり、話を聞いたり、代理体験をおこなうなどして、顧客の体験を肌で感じることで潜在的なニーズを探る「デザイン思考」という考え方を身に付けておくことも有効です。
加えて、商品やサービスが飽和し、情報が氾濫している現代においては、いかに自社商材に注目を集め、興味や関心を惹きつけ、顧客の記憶に留めさせるかがマーケティングの成否を左右します。
商材自体はもちろん、情報発信などの販促においても、新規性や独創性が求められますし、そこではコミュニケーション能力も問われます。
相手を理解して、自分を理解してもらう。マーケティングに求められるものは、総合的な人間力といえるかもしれません。
マーケティング職に求められる能力
マーケティング職に求められる能力
- 情報収集・分析能力
- コミュニケーション能力
- 発想力
- 論理的思考力
ここからは、マーケティングにおいて求められるスキルをいくつか解説していきます。
マーケティング職はさまざまな仕事内容を含む職種ですが、この4つのスキルはマーケティング職においてどの企業でも重要になるスキルです。自分にあてはまるスキルがあれば、志望動機でもしっかりとアピールしましょう。
情報収集・分析能力
繰り返しにはなりますが、マーケターの仕事において情報収集・分析能力は欠かせません。
マーケティング職における情報収集・分析能力は、より良い製品やサービスを作るための基盤となるスキルです。
特にデジタルマーケティングの分野においては、専門のツールを使ったり、ある程度のPCスキルが求められるケースも多々あります。情報の収集についても、ただ膨大な情報を集めてくるのではなく、市場の動向やユーザーのニーズに合わせた適切な情報収集の能力が求められるでしょう。
コミュニケーション能力
マーケティング職の仕事は、とにかく人とかかわる機会が多い仕事です。ここでのコミュニケーション能力には、多くの人に製品やサービスの良さを伝える力ももちろん含まれますが、スムーズな進行のために調整する力も重要になります。
一見、花形の仕事にも見えるマーケティング職ですが、多数の部署とやりとりをしながら業務を進めるにあたって、人の話を聴く力や相手に合わせるタイプのコミュニケーション能力も求められることは覚えておきましょう。
マーケティング職では、相手が伝えたいことを的確に把握し、相手の目線に立って説明できる人が向いています。専門性が高い仕事だからこそ、わかりやすく丁寧な説明をおこない、顧客や周囲の理解を得られることが大切でしょう。
コミュニケーション能力に自信がある人は、こちらの記事を参考にして、選考で積極的にアピールしましょう。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
発想力
マーケティング職において、「今までになかったもの」を求められる場面も多々あるでしょう。あるいは、商品やサービスに競合他社との差別化を図るための武器となる強みが必要になる場合もあります。
発想とはゼロからのものではなく、既存のものの新しい掛け合わせであることも多いでしょう。今までになかったものに注目できる柔軟な発想力は、マーケティング職に大いに役立ちます。
発想力はマーケターの命でもあります。就活で発想力をアピールしたい学生はこちらの記事も参考になりますよ。
例文10選|発想力の自己PRで勝負するならエピソードが最重要
論理的思考力
どんなに良い製品やサービスを作り上げたとしても、その良さをわかりやすくユーザーに伝えられなければ、商品は売れないでしょう。論理に基づいて正しく構成された企画であれば、内容が難しいものであってもきちんと理解されます。
また社内・社外問わずプレゼンテーションの機会の多いマーケティング職では、論理的に相手に伝える力を常日頃から求められることになります。販促やプレゼンに限らず、マーケティングの仕事全般において論理的思考力は欠かせないといえるでしょう。
私たちは日常生活の中で、何百何千もの広告を目にして生活を送っています。その中で自社の商材を認知してもらうためには、いかに短い時間で、記憶に残るメッセージを潜在顧客に届けられるかが問われます。
概念をコピーに変える言語化力や人を惹きつける文章を書くライティング能力に長けているとマーケターとして成功できるでしょう。
選考通過率がグッと上がる!
就活対策で悩んだらプロンプト集がおすすめ!
✓チャットでできる!模擬面接プロンプト
✓自己PRで使える強み診断プロンプト
新卒でもマーケティング職になれる!
新卒でマーケティング職の内定をもらうことは可能です。ただし、新卒でマーケティング職へ就職することは、基本的に難しいと言われているのも事実。
一般的にマーケティング職は、会社の利益や企業イメージに深くかかわる部署のため、中途採用で経験者を求めているケースや、社内での部署移動によってマーケティング職の席を埋めることが多く、未経験者や新卒に向けて求人を出すことは稀でしょう。
とはいえ、新卒の学生でも、マーケティング職に就くための対策を踏めば、マーケティング職への内定も夢ではありません。せっかく幅広い業界や職種に挑戦できる新卒カードを持っているのに、「新卒からじゃ絶対にマーケターになれない」と考えて諦めてしまうのはもったいないですよ。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る新卒からマーケティング職は難しいがチャレンジはするべき
新卒でマーケティング職になる難易度は高いですが、マーケティング職になれる道はあるので、就きたい仕事ならばぜひチャレンジしましょう。既存の枠に捉われない斬新な発想を求めている企業もあるので、新卒でもチャンスがあります。
方法①外資系企業を狙う
外資系企業では、部門別採用でマーケティング職の募集をおこなっているので、マーケティング職に就けるチャンスがあります。外資系企業の部門別採用であれば、数年でリーダーとしてプロジェクトを任されることも珍しくありません。
総合職のようにさまざまな仕事を経験するわけではありませんが、マーケティングの専門職としてキャリアを高めていくことができるでしょう。
日系企業の新卒採用では、通常総合職としてジョブローテーションをおこないながら、適性や能力を見極めてマーケティング部門へ配属になることが多いのですが、マーケティング職として部門別採用をおこなっている日系企業のメー
カーもあります。
方法②広告代理店を狙う
広告代理店などは、マーケティング職に就けるチャンスがあります。デジタルマーケティングに特化したベンチャー企業などの広告代理店などは、積極的に新卒を採用している企業もあるのでチェックしてみましょう。
広告業界を目指す人は、こちらの記事で志望動機の対策をしましょう。
例文7選|広告業界で勝ち抜く志望動機の書き方と差別化のコツ
マーケティング職に就くためにやっておくべき4つの対策
マーケティング職に就くためにやっておくべき4つの対策
- マーケティングの仕事内容を理解する
- マーケティングの中でやりたい仕事を明確にする
- インターンに参加する
- 資格をとる
マーケティング職は、商品やサービスを顧客に届けるための施策を立て、実行し、売り上げを伸ばす仕事です。多様な分野において需要が高いため、就活では競争率の高いポジションの一つです。今回は、マーケティング職に就くためにやっておくべき4つの対策を紹介します。
①マーケティングの仕事内容を理解する
マーケティング職に就くためには、まずはその仕事内容を理解することが大切です。マーケティングには、商品企画、広告、販促、データ分析など、さまざまな業務があります。
特にマーケティング職の場合、一口にマーケティング職として募集をかけているポジションであっても、実際の業務内容は企業ごとに異なります。デジタルマーケティングを推進している企業なのか、オフラインマーケティングに力を入れている企業なのかによっても、マーケティングの業務内容は異なるでしょう。
マーケティングの仕事内容を理解することで、入社後に業務内容と自分のミスマッチを防げます。
そもそもマーケティング職にはどのような業務があるのかを把握したうえで、自分がどの分野に興味を持っているのかを考えてみましょう。
その会社の主力商品やサービスが、どんな人をターゲットにしているかを見てみましょう。ターゲットにしている顧客層が集まったりよく使うメディアで、商品・サービスの露出が増えます。
たとえば皆さんのような20代がターゲットなら、インフルエンサーを使って、さまざまなチャネルで情報を提供する企業が多いのでは? シニア世代なら、テレビ広告や新聞広告が中心になると思われます。
②マーケティングの中でやりたい仕事を明確にする
繰り返しにはなりますが、マーケティング職には、多様な業務があります。自分がやりたい仕事を明確にすることが、就職活動を有利に進めるためにも重要です。
ライバルの多いマーケティング職では、自分ごととして捉えられる説得力のあるアピールが求められます。やりたいことが明確だと、面接官に対して説得力のある志望動機や、入社後にやっていきたいことが語れるようになるでしょう。
まずは自分自身が興味を持っているマーケティングの分野を把握し、自分のスキルや特性を考慮しながら、自分が担当したい仕事を見つけましょう。
③インターンに参加する
インターンは、新卒の学生がマーケティング職の実務経験を積むことができる貴重な場所です。
企業によってはマーケティング業務についての知識やスキルを学ぶことができる研修プログラムを用意している場合もあります。最近では、インターン生に自社製品の販促企画を担当してもらったり、商品の特徴やターゲット層を考慮した販促キャンペーンを企画してもらい、SNSなどのメディアを使って実際に展開している企業も。
また、インターン先での自分の業務内容や経験を、選考での自己PRにつなげることもできます。
マーケティング職を目指すならば、マーケティング職を募集している外資系企業のインターンに参加をすると良いでしょう。企業の中には、インターン参加者を積極的に採用している企業もあるので、事前に情報収集をおこない参加しましょう。
インターンへの参加はたくさんのメリットがあります。まずは記事を読んで、インターンの選び方を知っておきましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
インターンに行くべきか迷っている大学2年生は次の記事を参考にしてくださいね。
大学2年生もインターン参加が常識? 本選考が有利になるコツを解説
④資格を取得する
マーケティング職に就くために資格を取ることは、より高い専門性を持つことができ、就職活動での差別化につながります。
ただし、資格はあくまでも補助的なものであり、経験や実績を重視する企業も多くあります。資格を取る前に、自分が就きたい職種や業界でどのようなスキルが求められるかをよく理解し、必要な資格を取得することが重要です。
ここからは、マーケティング職への就職でおすすめの資格を解説します。
統計調査士
統計調査士
- 公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、適切に利用する能力を認定する資格
- 一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している「統計検定」の中の1つで、大きく分けて「統計の基本」「公的統計調査の実務」「統計の見方と利用」について問われる
マーケティングでは、市場調査や消費者分析に基づいた商品・サービスの企画やマーケティング戦略を立てることが重要です。
そのため、統計分析や数値分析ができる人材は非常に重宝されます。統計士の資格を取得することで、より高度な数値分析ができるようになり、マーケティング分野での競争力を高めることができます。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定
- マーケティング実務の知識を総合的に判定するための試験。国際実務マーケティング協会が2005年から主催。仕事ですぐに役立つトータルなマーケティング実務知識が習得できる。試験は、難易度の高い順にA級、B級、C級の3種類。
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング業務の実務的な知識や技能を身に付けた人材を認定する資格です。
マーケティングの基礎知識や調査方法、商品企画、プロモーション戦略、販売管理など、実務に必要な幅広い知識が試験範囲に含まれています。
この資格を取得することで、マーケティング業務における幅広い知識を習得し、企業での業務の幅を広げることができます。
中小企業診断士
中小企業診断士資格
- 中小企業診断士資格は経営コンサルタントとして唯一の国家資格。一次試験の7科目の筆記試験、二次試験の記述試験、さらに口述試験への合格が求められる
中小企業診断士は、中小企業の経営を支援するための資格です。マーケティングの視点から中小企業を支援する場合にも、非常に有効です。マーケティングの観点から、商品企画やプロモーション戦略の立案や、販売促進施策のアドバイスをすることができるでしょう。
また、中小企業診断士は、企業経営の専門家としての知識や経験も身に付けているため、マーケティングの視点だけでなく、企業経営全体を見ることができます。
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定
- Web担当者向けにインターネットマーケティング全般の基本知識を認定する検定試験
- Web形式での受検となっており、自宅および受検者が所属している団体(企業、学校など)での受検となる
ネットマーケティング検定とは、インターネットを利用したマーケティングの知識とスキルを認定する検定試験です。
近年のマーケティング業界は、インターネットを利用した情報収集や商品購入の傾向が増え、ユーザーとの接点がウェブ上に移行しています。この検定に合格することで、インターネット広告の運用やウェブサイトの企画・運営、SNSマーケティングなどの業務に携わる際に必要な知識やスキルを身に付けることができるでしょう。
就職では資格の有無でアピールできる内容の幅が変わります。下記の記事を読んで、就職に有利な資格を押さえておきましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
資格取得には時間がかかります。取りやすい資格が知りたい学生はこちらの記事も参考にしましょう。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
- マーケティング職を目指すのであれば、資格の取得は必須でしょうか?
必須ではないが仕事理解やスキルアップに役立つ
必須ではないと思います。資格があれば採用されるという保証もありません。
しかし、資格を取得しておくことは志望の本気度を伝えられますし、マーケティング関係の資格なら、取得するまでの勉強を通して仕事理解が深まり、自分らしい志望理由や入社後の貢献イメージが作れるでしょう。
もし資格を取得するなら、マーケターに求められる能力で、自分が強みにできることを強化するような資格を検討してみてはどうでしょうか。
情報分析ならExcel上級でもいいですし、コミュニケーションや論理的思考力にも民間資格があります。発想力の資格はあまり見ないので、スキルを鍛えるセミナーや、マインドマップなどのツールを使えるようになるセミナーなどが考えられます。
3ステップで完成! マーケティング職の志望動機の構成
マーケティング職の志望動機の構成
- マーケティング職をやりたい理由を明確にする
- なぜその企業なのかを盛り込む
- 企業にどう貢献できるかを述べる
マーケティング職の志望動機をうまく伝えられなければ、せっかくの企業研究や面接の練習も価値を発揮できません。マーケティング職への就職活動を成功させるには、3つのステップを踏み、自分の志望動機を明確にすることが重要です。
企業と自分の価値観やスキルを合わせ、自分らしいマーケティング職の志望動機を作りましょう。
面接の志望動機の長さがわからない学生もいますよね。次の記事では時間別の志望動機の最適な長さを解説しています。
面接の志望動機の最適な長さは? 時間別の例文付きで解説
①マーケティング職をやりたい理由を明確にする
まずは、なぜマーケティング職に興味を持ったのかを明確にしましょう。たとえば、コミュニケーション能力や分析力があるから、マーケティング職に挑戦したい人もいるかもしれません。
自分が何に興味を持っているのか、何を得意としているのかを整理し、それがあなたの志望する企業のマーケティング職にどうつながるのかを考えます。
志望動機の書き出しに悩む学生は多くいます。インパクトを残す志望動機の書き出しはこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
②なぜその企業なのかを盛り込む
次に、志望する企業について調べ、その企業でマーケティング職に就く理由を明確にしましょう。「マーケティング職になりたい」というアピールだけでは、採用担当者から「自社じゃなくても良いのではないか」と思われかねません。その企業の商品やサービスに共感を覚えたり、企業理念に共感を持った学生もいるでしょう。
その理由を具体的に挙げ、自分がその企業に合った人材であることをアピールしましょう。
食品や日用品、衣料品などの消費者向け商材であれば、その企業の商品を愛用している、ブランドが好きだという話をすることができます。
実際、面接の場で自分が使っている、もしくは家族が使っているという話を志望動機として語る場面を私も見てきましたし、印象は良いです。
一方、法人向け商材の場合は直接的な体験を語ることが難しいため、経営理念や経営トップのメッセージの中から、共感できるポイントを訴求するのがベターです。
具体的な志望動機を書く際に社風に惹かれたことを書きたい人もいるかもしれません。しかし、社風について志望動機で触れるのであれば注意が必要です。下記を合わせて読んでおきましょう。
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
企業理念に惹かれて志望している人は、こちらの記事を参考にして、企業理念への共感を盛り込んだ志望動機を作成しましょう。
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ
③企業にどう貢献できるかを述べる
最後に、自分がその企業でどのような貢献をできるかを述べましょう。マーケティング職においては、企業の商品やサービスを顧客にアピールし、売上を拡大することが求められます。
自分が持つスキルや経験を活かし、どのようにその目標を達成できるかを具体的に説明しましょう。
志望動機の締めくくりはワンパターンになりがちです。こちらの記事では魅力的な志望動機の締めの文章を解説しています。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
入社後にやりたいことでもOK
志望動機のまとめは、入社後にやりたいことでも構いません。
たとえば、あなたがマーケティング職でやりたいことが、「商品を魅力的にアピールすること」である場合、どのような商品を扱いたいのか、それをどのようにアピールするのか、どんな広告キャンペーンを展開したいのかを具体的に考えてみましょう。
また、データを分析して的確な戦略を立てる能力がある場合、どのようなデータを分析したいのか、そのデータをもとにどのような戦略を立てたいのかを明確にすることが大切です。
入社後にやりたいことを具体的に示すことで、企業側からの評価も高まりますよ。
入社後にやりたいことはポイントを押さえずに述べても企業には刺さりません。押さえるべき重要なポイントは次の記事で解説しています。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
面接の志望動機の答え方についても、こちらの記事で実際のマーケティング職の面接の前に確認しておきましょう。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る実践的な経験が評価されるケースもある
富士通は、2022年、2年目の社員を任期付きで課長級に登用しました。この社員は学生時代からイベント企画を複数成功させてきた経験を評価されて、社外への情報発信を任されました。マーケティングそのものではないですが、企業が学生時代の実践的な経験を評価した事例です。
マーケティングで周りと差別化するなら、実践的な経験をしておくのが良いと思います。イベントは時間的に厳しいかもしれませんが、SNSで情報発信をして、データを分析しながらフォロワーを増やすことに挑戦してみてはどうでしょう。いろいろなことが学べますよ。
周りと差がつく! マーケティング職の志望動機例文10選
先ほど紹介した志望動機の構成を踏まえて、次はマーケティング職の志望動機を書いてみましょう。
テーマ別の志望動機を10選用意したので、自分のアピールしたい強みとその経験に合わせて参考にしてみてくださいね。
①アルバイト
①アルバイト
私が貴社のマーケティング職を志望する理由は、商品やサービスを提供する企業の顧客ニーズを把握し、それに基づいたマーケティング戦略を立案し、実行することに魅力を感じているからです。
私は大学2年生のときに、コンビニエンスストアでアルバイトをしていました。そこで、商品の売れ筋を把握し、その商品の販売促進策を立て、実行することで、販売数を伸ばすことができました。
たとえば、商品の陳列場所を変えたり、キャンペーンを実施したりすることで、顧客からの反応が良くなり、売り上げを伸ばすことができました。また、顧客からのフィードバックを聞き取り、それを商品の改善点に反映させることで、顧客のニーズに合った商品を提供することを実現させました。
このような経験を通じて、顧客ニーズを的確に把握し、それに基づいたマーケティング戦略を立案することが大切だということを学びました。企業でのマーケティング職においても、顧客ニーズを把握し、それに合わせたマーケティング戦略を立案し、実行することで、企業の成長に貢献したいと考えています。
マーケティング職を志望する理由について、アルバイト経験からマーケティングの重要性を認識したことを、経験を踏まえて具体的に伝えており評価できる内容です。
アルバイトでおこなった販売促進策でどの程度売り上げが伸びたのか、具体的な数値で説明すると、よりインパクトを与えるでしょう。
②アルバイト
②アルバイト
私は、マーケティング職に興味を持っており、貴社に応募しました。居酒屋のアルバイト経験から、顧客に対するサービスやコミュニケーションの重要性を学びました。
私はマーケティングに関する知識やスキルを積極的に学ぶ意欲があります。大学では、マーケティングに関する講義を履修し、実際に企業に提案書を作成するプロジェクトに参加していました。
その経験を活かし、実際に提案した内容をアルバイト先の飲食店で試したところ、売上を前年比20%増加させることができました。
貴社でのマーケティング職において、私は市場調査やプロモーション企画など、幅広い業務に取り組みたいと考えています。私が持つ自己成長に向けた積極性を活かし、貴社の成長に貢献したいと思います。
大学でマーケティングを学んだだけでなく、アルバイト先で実際に応用して成果を上げたことがとてもいい印象です。アルバイト先での実践のポイントが何だったか、少し盛り込んでも良いと思います。
③インターン
③インターン
私は貴社のマーケティング職に強い興味を持ち、応募いたしました。私が貴社で働きたいと考える理由は、貴社の商品に魅力を感じたからです。私が大学生の時、貴社の商品を使っている友人から商品の良さを聞き、自分自身も使ってみたところ、その品質の高さや機能性に驚きました。
その後、私は長期インターンとして貴社の営業部署で働く機会を得ました。その中で、商品開発やマーケティングのプロセスに携わり、新商品の企画や販売促進活動にも参加する中、売上の増加に貢献できたことを自負しています。
長期インターンの一員としてですが、貴社の商品やビジネスに魅力を感じ、貴社での仕事に今度は社員として取り組みたいと思うようになりました。将来的には、貴社の商品の魅力を広く伝え、貴社のビジネスを拡大するための戦略を立て、実行することができるマーケターになりたいと考えています。
貴社での仕事を通じて、多くの顧客に貴社の商品を認知させ、喜んでもらえるように貢献していきたいと思います。
訴求点は良いと思うのですが、少し表現が抽象的な印象を受けます。
商品の品質や機能性とは具体的に何がどう良かったのか、インターンの経験で具体的に何が魅力的だったのか。
自分が抱いた感情も含めて表現すると、本心から言っているような好印象を与えられるでしょう。
④インターン
④インターン
私は貴社のマーケティング職に強い関心を持っています。
長期インターンではSNS運用のアシスタントを担当し、社内SNSアカウントのフォロワー数を3カ月間で200%増加させることができました。
初めは投稿内容やタイミングの判断が難しく、思うような成果を出せずにいました。しかし、日々のデータ分析や情報収集を繰り返すことで、投稿内容の改善や投稿時間の最適化をおこない、フォロワー数を伸ばすことができました。
その結果、企業のブランド認知度の向上や商品販売数の増加にも貢献することができました。
私はこの経験を活かし、貴社のマーケティング活動に貢献したいと考えています。また、新しいトレンドやテクノロジーにも常に興味を持ち、自己成長を続けながら貢献していきたいと思っています。
インターンで成果を上げたのですね。具体的な取り組みや工夫点が書かれているので、入社後の再現が期待できます。インターン経験で担当した内容にやりがいを感じたなど、あなた自身の気持ちが伝わると、もっと良くなります。
⑤サークル
⑤サークル
私がマーケティング職を志望する理由として、幅広い知識とスキルが求められる分野であり、常に新しいアイデアや戦略が求められるという点に魅力を感じています。
大学では、マーケティングに関する知識を深めるために専門のサークルに所属し、さまざまなプロジェクトに参加しました。その中でも、私が担当したプロジェクトでは、SNSを活用した新規顧客獲得のためのキャンペーンを企画し、実施しました。
この結果、SNSからの新規顧客獲得数が前年度比で50%増加しました。
この経験を通じて、マーケティングの面白さを実感し、より深く学びたいという思いが強くなりました。私は、これまでの経験や知識に加え、マーケティング・ビジネス実務検定を取得し、さらに専門的な知識を身に付けることで、チームの一員として貢献し、成果を上げたいと考えています。
キャンペーン企画による新規顧客の伸び率を具体的な数値で伝えており、実践力が伝わってきます。マーケティング・ビジネス実務検定に関しても、マーケティング職に就きたい本気度が伝わってきます。
「成果を上げたい」について、どのように成果を上げたいのかを具体的に説明するとさらに良くなるでしょう。
⑥サークル
⑥サークル
貴社を志望したきっかけは、貴社のマーケティング戦略に深い興味を抱いたことです。
私は大学時代に、マーケティングサークルに所属し、マーケティング手法や戦略について学びました。サークルでは、新規事業の立ち上げにも携わり、その成長過程を数字で測定し、改善点を把握することができました。その結果、当初の売上高を2倍以上に伸ばすことができました。
また、私は長期インターンを通じて、プロモーション企画の立案や実施にも携わり、コンテンツ制作を活用したキャンペーンでフォロワー数を10%以上増やすことに成功しました。
この経験から、貴社においても、数字で測定し、改善点を把握し、事業を成長させることに取り組みたいと思いました。
貴社のマーケティング戦略には、多岐にわたる施策があるようですが、私はその中でも、SNSを活用したプロモーション企画や新規事業の立ち上げに興味を持っています。私自身が経験したことを活かし、貴社のマーケティング部署で活躍したいと思います。
売上高2倍、フォロワー数10%増など、数字を用いて成果を具体的に表現している点は非常に良いです。一方、ビジネスでは再現性が求められるため、結果だけではなくそこに至るプロセスについても詳しく言及したいところです。
改善点やキャンペーンとは具体的に何なのか、そこにどのような工夫や努力があったのか。それを伝えられると訴求力が高まるでしょう。
⑦資格
⑦資格
私は貴社のインパクトのあるSNSでの広告の手法に興味を持ち、マーケティング業界を志すようになりました。
またマーケティング職を目指すと決めてから、関連する資格を取得しました。その一つが中小企業診断士資格です。この資格を取得したことで、企業の経営戦略について幅広い視野を持ち、マーケティングの観点から企業の課題解決に取り組むことができます。
この資格取得には多大な努力が必要でした。自己学習に取り組むだけでなく、研修や模擬試験を受けることで自己研鑽に励みました。その結果、初回で合格することができたことも大きな自信となっています。
私の中小企業診断士資格は、マーケティング職に就くうえでの強みとなります。企業の現状分析や問題解決の際に、幅広い視野と的確な判断力を発揮することができます。このような強みを生かし、貴社の成長に貢献したいと考えています。
学生で中小企業診断士を取得したことは、インパクトがあると思います。可能なら、在学中に実務補習まで参加して、具体的な取り組み内容とそこで学んだことまで追記したいところです。
⑧資格
⑧資格
私はマーケティング職に強い興味を持っています。マーケティングは、商品やサービスを消費者に届けるための重要なプロセスであり、常に変化する市場に合わせて戦略を練る必要があります。
私は、学生時代にネットマーケティング検定を取得し、オンライン広告やWebマーケティングの基礎知識を身に付けました。この資格を取得するためには、自己学習や模擬試験の繰り返しを通じて努力し、合格率の低さに立ち向かう必要がありました。
しかし、その結果として、私はデジタルマーケティングに関する深い知識を身に付け、自分自身のスキルアップにつながったと感じています。私はこのような努力を惜しまず、自己啓発を続けることで、マーケティング分野で活躍することができると考えています。
そして、貴社のマーケティングチームに加わり、顧客の期待に応えるサービスを提供できるよう、積極的に貢献していきたいと思っています。
マーケティング検定を取得していることで、マーケティング職に就きたい意欲が伝わってきます。
マーケティング知識の自己啓発を続けることも重要ですが、知識だけではなくマーケティングに関連した経験があれば伝えることで、実践力がアピールできるでしょう。
⑨ゼミ
⑨ゼミ
私はゼミでマーケティングについて学び、その中で自分の興味を深めました。特に、消費者の心理について深く掘り下げることが魅力的だと感じました。
私はゼミでおこなった消費者調査において、自分が責任者としてチームを率い、調査対象者500人を対象にしたアンケート調査を実施しました。その結果、商品の認知度が上がり、売上が30%増加したことがあります。
この経験を通じて、マーケティングの重要性を身をもって感じ、自分自身もマーケティングに携わる仕事がしたいと強く思うようになりました。
私は、貴社の商品やサービスがより多くの消費者に届くよう、広告やプロモーションの企画・実行に携わりたいと考えています。そのためにも、貴社でのマーケティングの専門知識やスキルを身に付けることが必要だと思います。
マーケティング業界のトップ企業である貴社で熱心に学び、実務経験を積むことで、貴社に貢献できるよう努力します。
アンケート対象500人、売上30%など数値を用いて規模を正確に表現している点は素晴らしいです。
ただ自分自身がマーケティングの重要性を感じていることは伝わっても、なぜその企業なのかの訴求が弱い印象です。業界トップというだけではなく、その企業の何が魅力的なのかを具体的に示せると良くなります。
⑩ゼミ
⑩ゼミ
私は、マーケティング業界の中でもマーケティングに強みがある貴社で働きたいと考えています。
私は大学のゼミで、コンテンツマーケティングに関する研究をしてきました。その中で、SNS上でのコンテンツ配信において、どのような要素が人気を集めるのかをデータ分析しました。
この結果、特定のカラーを使用することで、ユーザーの注目を集めやすくなることがわかりました。また、配信時のタイミングについても、調査をおこない、ユーザーのアクセス数が多い時間帯を特定し、配信タイミングの最適化に貢献しました。
このように、ゼミ活動を通じて、コンテンツ制作に関する知識と実践的なスキルを身に付けました。これらの経験を活かし、貴社のマーケティング職でコンテンツマーケティングに携わりたいと考えています。
ゼミでの学びが理論や知識だけに終わらず、実践して自分なりの知見を獲得できたことがわかり、とても良いですね。入社後にコンテンツマーケティングを担当してどんな貢献をしたいのかまで述べられると、もっと良くなります。
入社後のビジョンを明確にしてマーケティング職に就こう!
マーケティング職に就きたいと考える学生は、入社後にどのようなビジョンを持ち、どのような成果を出したいのかを明確にすることが大切です。
自分がどのような商品やサービスを扱いたいのか、どのようなターゲット層を想定しているのか、そしてそれをどのようにマーケティングするのかを考えることで、より具体的なビジョンを描くことができます。
また、自分がどのようなスキルや経験を持っているのか、そのスキルや経験をどのように活かして成果を出したいのかも明確にしましょう。入社前にマーケターとしてのこれからのビジョンを描くことで、面接時に自分の熱意や意欲をアピールすることができ、就職活動の成功につながりますよ。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見るマーケティングによってビジネスの本質が学べる
見込み顧客を発掘し、販路を開拓して売上を増やす。企業イメージを高める。
マーケティング職が担う役割は、企業の業績やブランドに大きな影響を与えます。華型の職種としてイメージも高く、志望する人も多いかと思います。
一方、生産や営業などに比べると必ずしも人手が必要な職務ではないため、少数精鋭のチーム編成になります。募集人数が少なく、狭き門であるといえるでしょう。
華々しいイメージはあるものの、市場調査や分析などの実務は泥臭い作業の積み重ねであり、憧れだけで志望すると入社後に理想と現実のギャップに直面することも考えられます。
マーケティングへの興味や関心を分析しよう
業績に直結する業務であり、予算額も大きいことから、経営陣からの要求も厳しくなりがちです。成果が出るまでに時間もかかり、精神的なタフさも求められます。どんな仕事もそうですが、好きでなければ長続きしないかもしれません。
なぜマーケティング職を志望するのか、自分のどのような興味・関心が動機になっているのか。自分のどんな特性や能力がマーケティング業務に活かせるのかを掘り下げて考えてみましょう。
マーケティングはビジネスの本質について学ぶ絶好な環境になります。あなたにとって適職であれば、きっとあなたのキャリアにも大きくプラスに働くことでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細