働きながら転職ってどう? 退職後との違いや効率的な進め方を解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう

    プロフィール詳細

転職を考えてはいるけれど、今の仕事を辞めてからにすべきか働きながら転職活動すべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

働きながら転職活動を進める場合、現職以外の時間で活動しなければならないため「時間の確保が難しい」と不安に感じてしまいますよね。

基本的には、転職は働きながら進めるのがおすすめです。退職後ならば時間の確保はできるものの、収入面や職歴などでリスクを背負って転職活動を進めることになるからです。

この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、永田さん、柴田さんのアドバイスを交えつつ、働きながら転職活動を進めるか退職後に進めるかを比較しながら解説します。

また、働きながら転職活動するメリットや効率的な進め方も説明するので、働きながら転職するかどうか悩んでいる人は参考にして、計画的に転職活動を進めましょう。

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目次

基本は働きながら転職活動がおすすめ! ただし退職後との比較はしたうえで決めよう

転職を考えた際「時間が足りず働きながらでは転職できるか心配」と考えてしまいますよね。

転職は、基本的には働きながら進めるのがおすすめです。退職後の転職活動もダメではありませんが、双方には収入面や転職時間の使い方、職歴などで違いがあるため比較したうえで自身に合った転職活動の進め方を選んだ方が良いのです。

記事では、まず働きながら転職活動する前提知識を説明した後に、退職後との違いを説明します。双方のメリットやリスクを知り、自身にあった転職への道を選びましょう。

次に解説する、働きながら転職活動するうえでのメリットと効率的な進め方も理解すれば、働きながら転職活動を進めるイメージが湧きます。働きながらでも転職活動を進めることは十分に可能なため、記事を読み進め、目指すべきキャリアを実現させましょう。

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まずは知っておこう! 働きながら転職する場合の前提知識

まずは知っておこう! 働きながら転職する場合の前提知識

  • 転職の活動期間は2~3カ月になることが多い
  • 在職中に転職活動する人は7割を超える
  • プライベートの時間を割いて転職活動することになる

働きながら転職がおすすめといわれても、そもそも転職活動にどれくらいの期間がかかるか知らない人もいるのではないでしょうか。

具体的な転職期間を把握すれば、逆算していつから動きだすかが明確に決められて計画的に転職活動に進めます。また、在職中に転職に踏み出す人の割合を知って、働きながら転職すべきかも判断しましょう。

ほかにも、どのように転職活動を進めていく必要があるかを説明するので、働きながら転職活動をするうえでの前提知識として覚えておいてくださいね。

転職の活動期間は2~3カ月になることが多い

転職活動は一般的に2〜3カ月程度かかり、以下のような動きになることが多くあります。

転職期間の内訳

  • 企業探しと応募:1週間~3週間
  • 面接:3週間目~1.5カ月
  • 内定から退職まで:1.5カ月目~3カ月

まずは、企業探しと応募に1〜3週間ほど期間を費やし、次に書類選考を通過した後の面接は、企業側の都合もあるため3週間目〜1.5カ月の間におこなわれます。

内定承諾後は、在職する職場を退職するまでの期間に1~1.5カ月の引継ぎ期間を設けることになり、すべてを通して転職活動は2〜3カ月はかかると考えておきましょう

ただし、上記のスケジュールはすべての手順がスムーズに進んだ場合の期間です。実際は、行きたい企業が見つからず応募に時間がかかったり、複数の企業に応募したりとさまざまな要因で転職期間は長くなる可能性があります。

そのため、時間に余裕を持って計画を立て、転職活動を進めていくようにしましょう。

転職先に選ぶ職種や業種によって転職期間が変動することはありますか?

柴田 登子

プロフィール

職種の専門性や業種の需要・流動性によって変動することはある

職種や業種によって転職活動の期間が長くなったり短くなったりすることはあります。職種であれば専門性が高いほど、その経験や内容の精査に時間がかかるので、転職活動期間はおのずと長めになります。

また、業種についてはIT系など需要や流動性の高い業界については比較的選考はスムーズで早く内定が出るケースがあります。

大手企業に関しては採用のプロセスに多くの部門や人がかかわり、決済システムも複雑なケースが多いので、比較的内定が出るまでに時間がかかる傾向があるのです。

そもそも転職するタイミングはいつが良いのかわからない人もいるはずです。以下の記事では、転職のタイミングから目的に合わせた時期を解説しているので参考にしましょう。

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在職中に転職活動する人は7割を超える

2024年転職動向調査によると、在職中に転職活動をした人は約7割を超えるという結果が出ています。働きながら転職活動をする一番のメリットは、収入が途絶えないため経済的な不安を抱えずに済む点です。

退職してから転職活動をおこなう場合、すぐに次の転職先が決まるとは限りません。転職先が見つかるまでの間、収入がない状態が続くことに不安を感じる人もいますよね。その点、在職中に転職活動をおこなえば収入が途絶えることがないため、安心して転職活動に集中できるのです。

もちろん、ブラック企業で働いていたり、ハラスメントを受けていたりするなど、今の会社で働き続けることが困難な場合は、退職後の転職活動も視野に入れて問題ありません。

在職中の転職活動が多い理由は、経済的な安定を保ちながら次の職場を探せる点にあります。

退職後の空白期間を避け、収入を維持しながら活動することで、焦らずに希望条件に合った職場を選べるため、リスクを抑えた転職が可能です。

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プライベートの時間を割いて転職活動することになる

働きながら転職活動をする場合、企業探しや履歴書作成、応募や面接といった転職にかかわるすべての活動を本業以外の時間におこなうことになります。

平日の仕事終わりや休日を利用して、転職活動の時間を確保しなければなりません。そのため、転職活動中はスケジュールが過密になりやすく、趣味や休息の時間が減ってしまったり、生活リズムが変化したりする可能性があります

とくに、短期間で転職先を決めたいと考える場合は、体力面と精神面の負担が大きくなり体調を壊すことも考えられるのです。

転職活動中は、無理のないスケジュール管理と体調管理をおこないながら進めるようにしましょう。

就活のプロに聞く! 働きながら転職活動を進めるのはおすすめ?

ここまで、働きながら転職活動を進める前提知識を解説しましたが、そもそも働きながら転職すべきなのか疑問に思う人もいるでしょう

また、転職活動が2〜3カ月と短期間で終わるのであれば、「貯金を切り崩しながら転職先を探せば良いのでは?」と考えた人もいるかもしれません。

そこでキャリアコンサルタントの柴田さんに、働きながら転職活動を進めるのがおすすめなのかを聞いてみました。

これから新たなキャリアに踏み出そうとしている人は、働きながら転職活動するメリットやおすすめの理由を知って、不安を抱えることなく転職活動を進められるようにしましょう。

アドバイザーコメント

働きながらと退職後では転職活動のモチベーションに大差あり!

退職後に転職活動をするとおのずとブランク期間ができてしまう、収入が途絶えてしまう、などなど、転職活動を在職中にしたほうが良い理由は多々あります。しかし、転職活動は在職中にすべき! と私が皆さんに強くお伝えしている理由はほかにもあります。

それは、退職してからの転職活動はモチベーションを保つのが難しい、というものです。人は誰でも「忙しい」と考えているときは、必要であれば時間をやりくりして行動を起こします。

一方で、時間があり余っていれば「いつでもできるから」とすぐに行動を起こさなくなってしまいます。そのため、退職後に転職活動をすると、案外行動を起こさずにダラダラと過ごしてしまう傾向があります。

「所属の欲求」が満たされない状態になりモチベーションが下がり続ける

また、人には「所属の欲求」というものがあります。Aの社員、B大学の学生、などと自分がどこかの組織に属していることで安心ができるのです。

そのため、どこにも所属しない状態で日々を過ごすと、とても不安になります。その状態で就職活動をするとどこか自己否定的になり、おのずと良い結果が出ず、モチベーションは下がりに下がるのです。

以上のことからもぜひ転職活動は在職中におこなっておくようにしましょう。

比較して判断しよう! 働きながら転職か退職後かで出てくる4つの違い

働きながら転職退職後に転職
収入面収入があり経済的に安心無収入になり不安を抱える
転職活動の時間プライベートの時間を使うことになる時間があり転職活動に集中できる
職歴空白の期間がない空白の期間ができてしまう
内定後の入社退職日や入社日の調整が必要になる即入社が可能
働きながら転職か退職後かで出てくる4つの違い

働きながら転職活動を進める場合、退職後と比較すると収入面や転職活動の時間に違いがある点は理解していても、ほかの点でも違いがあることを知らない人もいるのではないでしょうか。

在職中と退職後の転職活動では、4つの違いがあり双方にメリットとデメリットが存在します。収入面や転職活動の時間など、人によって優先すべき点も異なるため、双方の違いはきちんと理解しておきましょう。

比較してみて自身が何を優先すべきかを決めて、働きながら転職活動するか退職後に動くかを判断してください。

収入面

働きながら転職活動をする場合、現在の収入を維持したまま次の仕事を探せます。収入が途絶えないため、経済的な不安がなく活動を進められ、生活費の心配をする必要がありません。

転職活動中は履歴書代や証明写真代など、普段の生活では発生しない出費が発生するものです。人によっては、スーツを買い替える必要がある人もいるかもしれません。

そういった突発的な出費にも、在職中に転職活動する場合は現職の給与から対応できるのです

一方、退職後に転職活動をする場合は、収入が途絶えてしまうため、経済的な不安が大きくなります。 貯蓄を切り崩しながら生活しなければならないため、転職活動が長引けば長引くほど、生活への影響も大きくなってしまうのです。

永田 修也

プロフィール

生活費については、人によるので何ともいえないのですが、最低でも「家賃」「食費」「光熱費」など生きていける最低限の費用を3カ月〜半年ほどは確保しておけば安心できるラインではないでしょうか。

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転職活動の時間

在職中の転職活動では、仕事との両立が必要になるため、時間の確保が難しくなります。企業探しや応募書類の作成、面接などをプライベートの時間を割いてこなさなければなりません。

平日の仕事終わりや休日を有効活用し、効率的に転職活動を進める必要が出てきます

退職後に転職活動をする場合は、時間に余裕があるため転職活動にのみ集中できます。在職中ではスケジュールの都合上難しいとされる、複数の企業への同時並行での応募も可能になるのです。

また、自己分析や企業研究、求人情報の収集から応募書類の作成まで、じっくりと時間をかけて転職活動を進められるのは、退職後の大きなメリットといえるでしょう。

柴田 登子

プロフィール

求人サイトなどの案件の多くは金曜日に投稿されます。そのため、在職中に転職活動をするなら土曜日にそれらをじっくり閲覧、検討し、日曜日に応募書類を準備する、といったスケジュールを習慣づけるのがおすすめです。

しばらくの間土日に遊びに行くのは我慢して週末を有効活用しましょう。

職歴

双方には職歴にも違いがあり、働きながら転職活動をする場合は転職先が決まってから退職するため、職歴に空白期間が生じません。空白期間がなく継続的に働いているので、転職先の企業から職歴を確認されたとしても、違和感を感じられることなく転職活動に支障も出にくいのです

しかし、退職後に転職活動をする場合は、活動期間中は無職の状態になるため、職歴に空白期間が生じてしまいます。面接官によっては、空白期間があることで「なぜ空白期間が生じたのか?」「その期間はどのように過ごしていたのか?」と疑問に思い、空白期間に何をしていたのかを質問してきます。

その際は、空白期間を誤魔化すような嘘をつかずに、正直に話すのはもちろんですが、その期間でどのように成長できたのかや、入社後に企業にどのように貢献していきたいか説明できるようにしておきましょう。

実際のところ、職歴に空白期間があるとマイナスに感じ取られてしまうのですか?

マイナス評価の可能性はあるが伝え方次第で高評価になり得る

採用担当者によっては、空白期間はマイナスにとらえられます。空白期間があると、仕事に対する意欲や能力に疑問を抱かれる可能性があるのです。

また、空白期間が長いほど、スキルの陳腐化や適応力の低下を懸念されることが多くなります。

しかし、必ずしも空白期間がマイナスに働くわけではありません。空白期間を自己成長やキャリアの見直しに充てた具体的な理由があれば、それを積極的に説明することでポジティブに評価されることもあります。

転職活動の際には、空白期間を前向きな経験としてアピールし、その間に得たスキルや視点が新たな職場でどのように活かせるかを明確に伝えることが重要です。

職歴がない人は就職に不利になるのかと不安に感じる人もいますよね。以下の記事では職歴がなくても就職する方法を解説しています。記事を読み進め、職歴がなくても内定を勝ち取りましょう。

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職歴なしでも就職できる! ビハインドを脱却して成功を収める方法

職歴なしの人は就活の進め方に悩む人も多いでしょう。不安になるかもしれませんが、たとえ職歴がなくても希望の会社に就職することは十分可能です。記事では、キャリアコンサルタントと職歴なしの人の就活の進め方や応募書類の書き方、面接のコツを解説します。

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内定後の入社

在職中に別企業の内定が決まった場合、退職手続きや業務の引き継ぎをおこなう必要があります。そのため、現職では退職日の日程を決め、同時に転職先には入社日の相談をしなければなりません。

転職先によっては、早期入社を希望する企業もあるため、退職までのスケジュールを調整する必要があるのです

一方、退職後に転職活動をする場合、内定が決まり次第すぐに入社が可能です。転職先の希望する入社日にも対応できて、新しい環境でキャリアを再スタートできます。

ただし、入社日までの期間が長くなる場合は、その分無収入の期間も長くなってしまうため、当面の生活費がかかることは覚えておきましょう。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

働きながら転職活動を進めることで得られるメリット

ここまで在職中と退職後での転職活動の違いを説明しましたが、まだどちらで転職活動を始めるか悩んでいる人もいるかもしれません。また、すでに働きながら転職に動き出すイメージが湧いた人もいるのではないでしょうか。

実は、働きながら転職活動を進める場合、退職後では得られない2つのメリットが存在します。

転職活動をどちらで動くか悩んでいる人は、メリットを知り、転職活動をどのように進めていくかを判断しましょう。また、すでにイメージが湧いた人もメリットを把握すれば、より具体的な転職活動の進め方がイメージできますよ。

転職活動をやめたとしても現職で働き続けられる

転職活動をいざ始めてみると、他企業と比較して現在の職場の良さに気づくことがあります。また、もう少し現職で頑張ってみようと判断することも珍しくありません。

そういった理由で転職活動をやめる場合、働きながら活動していたのであればそのまま現職で働き続けられるのです。

また、退職後に転職活動をしていると、「早く転職先を決めなければ」という焦りから、妥協してしまい希望に合わない企業を選んでしまうかもしれません

働きながら転職活動をおこなえば、そのようなリスクを回避し、再度転職したくなったときに自身のタイミングで動き出せるのです。

希望の求人が出るまで待ち続けられる

転職活動では、希望する条件に合致する求人が必ずしも見つかるわけではありません。ときには見つかるまで数カ月かかることもあるので、働きながら転職活動を進めておけば、希望の求人が出るまで待ち続けられるのです。

退職後の転職活動では、収入がない状態で転職活動しなければならないため、数カ月待つのは難しいですよね。

在職中は収入がある状態で待ち続けられるため、妥協せずに自身のキャリアプランに合った求人を探し続けられます

さらに、希望の求人が見つかるまでは、現職で働きながらスキルアップしたり資格を取ったりすることで、より良い条件での転職を目指せる可能性も高まりますよ。

辞めたい期間までに希望条件に合う求人が見つからない場合、妥協した方が良いのでしょうか……?

永田 修也

プロフィール

退職日が決まっているならある程度の妥協は必要になる

もし既存の職場でまだ続けられそうな状態(環境や精神状況)であるならば、辞めようと考えている期間を延長してでも自分に合う職場を徹底的に探すほうが後々の自分のためにもなります。

しかし、どうしても辞めたい期日で退職を決めているのであれば妥協できる範囲内で条件を緩和して検討することも大切ですね。

起業して自分が働きやすい会社を作るなどしない限り、どこまで言っても自分の最大限の希望に合う求人には出会うことは難しいので、ある程度のところで割り切ることも必要かもしれません。

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働きながらでも効率的に進めよう! 転職活動の進め方4ステップ

働きながら転職活動をする際のスケジュール

働きながらでも効率的に進めよう! 転職活動の進め方4ステップ

働きながら転職活動することで得られるメリットを解説してきましたが、「実際何から始めれば良いの?」と疑問に感じる人もいますよね。

在職中に転職に動きだすのがおすすめだとは理解できても、プライベートの時間を割いて転職活動することになるため無駄な時間は使いたくないと考える人もいるでしょう。

ここからは、働きながらでも転職活動を効率的に進められる手順を4ステップで解説します。準備段階から内定後まで説明するので参考にして、希望の転職先への内定につなげましょう。

①準備段階

働きながら転職活動を効果的に進めるには、準備段階が重要です。この段階では自身の目標や現状を明確にし、計画的に行動するための土台を作ります。

たとえば、具体的な退職希望時期を先に決めておけば目標の地点が決まり、ゴールに向かって集中的に取り組めますよね。逆に準備を怠ると、転職が漠然とした活動になりがちで、希望に合った求人を見つけるのが難しくなるのです。

また、計画性のない転職活動は長期化する可能性があり、モチベーションの低下にもつながります

準備段階でしっかりと自己分析や目標設定をおこなうことで、効率的に転職活動を進められるので、以下の具体的な準備内容を見ていきましょう。

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いつまでに辞めたいのかを明確に決める

転職活動は、求人探しから入社まで2〜3カ月程度かかるのが一般的です。そのため、逆算して転職活動のスケジュールを立てるためにも、まずはいつまでに転職したいのかを明確に決めておきましょう。

目標時期を設定することで、転職活動に取り組む際の集中力も高まります。もし転職時期を半年後と設定したのであれば、「半年後までに転職を完了させる」という目標のもと、計画的に行動できるのです。

また、期限までに時間があれば、焦ることなく複数の求人を比較検討したり、納得いくまで企業研究を進めたりするなど、余裕を持った転職活動が可能になります。

転職活動を始めるのにおすすめの時期は、企業の採用活動が活発になる1月~3月、または9月~11月です。

新年度や下半期の計画に合わせた求人が多く出されるため、選択肢が広がりやすい時期といえます。

会社の退職に関する規定を把握する

転職活動を進めるうえで、忘れてはならないのが、現職の退職に関する規定の確認です。就業規則には、退職を希望する場合どれくらい前に申し出れば良いのか、退職の手続きはどうすれば良いのかが定められています。

退職前には引継ぎが必要なため、一般的には約1カ月前に申し出れば良いとされています。しかし企業によっては、退職の2カ月前や3カ月前など規定が異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

規定を確認せずに退職の意向を伝えてしまうと、突然の退職願いにより会社との関係が悪化したり、次の職場への入社時期に影響が出たりする可能性があります。

余裕を持って転職活動を進めるためにも、転職活動の初期段階で、会社の退職に関する規定を確認しておきましょう。

退職を伝えるのは辞める2週間前でも良いと聞いたことがありますが、実際はどうなのでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

法律的には問題ないが現実的に2週間での円満退職は難しい

確かに法律上は2週間前に伝えれば問題はありません。しかし、勤務先の就業規則には「1カ月前」としているところもあるので確認が必要です。

また、ルール上は問題ないとしても、現実的には2週間で引継ぎなどを円満におこなうのはとても難しいケースもあります。

これまでの業務内容を精査し、誰に引き継いでもらうのかを決め、次の担当者と詳細をすり合わせ、取引先にも挨拶をする、などなどとても2週間で済ませられないという人は多いでしょう。

この先どこで今の職場の人にお世話になるかわからないので、なるべく勤務先に迷惑をかけないよう、余裕を持って退職日を決めるようにしてください。

転職先に何を求めるのかの優先順位を考える

転職活動では、多くの求人情報のなかから自身に合った企業を見つけなければなりません。やみくもに求人を探すのではなく転職活動をするうえで、どのような条件を重要視するのか優先順位を決めておきましょう。

具体的には、以下のような項目を参考に優先順位をつけてみてください。

転職先に求める優先順位

  • 給与
  • 年間休日数
  • 勤務時間
  • 仕事内容
  • 福利厚生
  • 通勤時間

給与や年間休日はもちろんのこと、勤務時間などの勤務体系にも順位を付けましょう。たとえば、給与よりもワークライフバランスを重視する場合、年間休日数や勤務体系が優先される項目になります。

もちろんすべての条件を満たす企業を見つけるのは難しいですが、優先順位が明確になれば、条件に合致しない求人に無駄な時間を使うことなく、効率的に転職活動を進められるのです

将来のキャリアに向けて自身の強みを再確認する

転職活動をするときは、自己分析をして自身の強みを再確認しておきましょう。強みを明確にしておけば、応募書類で自身を効果的にアピールできるだけでなく、面接での自己PRや志望動機を伝える際にも役立つからです

たとえば、営業職や接客業で転職を考えていて、自身の強みがコミュニケーション能力だと再確認できたとします。その場合「顧客との信頼関係を築くこと」や「ニーズを引き出し最適な提案をおこなうこと」など、入社後の具体的な貢献度を交えながら応募書類や面接で効果的にアピールできるかもしれません。

さらに自己分析をすることで、今の職場で得た強みを新たに発見できる可能性もあります。希望する求人だけでなく、今まで考えもしなかった別の職種で活かせる能力を持っているかもしれないため、自己分析して強みを理解しておきましょう。

永田 修也

プロフィール

個人的には「ジョハリの窓」という自己分析法がおすすめです。

自分でも知らない盲点となる部分が見えてくることで新たな視点を手にいれることができ、転職活動に大きな影響をもたらす可能性を秘めていると思います。

自己分析にはいろいろな方法があるため、やり方がわからない人もいるはずです。以下の記事では自己分析を7ステップで解説しているので参考にしてください。

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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。

記事を読む

自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

②求人探し・応募

転職活動が本格的にスタートしたら、求人探しと応募を始めます。 数ある求人情報のなかから、希望条件に合う企業を見つけ出し応募していきましょう。

転職活動を成功させるためにも、やみくもに求人を探すのではなく、条件を付けて探すことが大切です。給与や年間休日などの条件だけでなく、準備段階で見つけた自身の強みや将来のキャリアビジョンも参考に探していきましょう。

しかし、仕事が忙しくて探す時間がない人もいるはずです。効率的に転職活動を進めるために、転職エージェントの活用方法も解説するので参考にしてください。

強みが活かせる職種やキャリアビジョンに合った企業を探す

求人探しでは、準備段階で明確にした自身の強みや希望条件を基準に企業を探しましょう。給与や勤務時間、年間休日などの待遇面だけでなく企業理念や社風、将来のキャリアビジョンなども視野に入れてください。

具体的には、以下の点に注目して求人を探しましょう。

求人を探す際に指標にすること

  • 自身のスキルや経験が活かせる職種か
  • キャリアビジョンが合うか
  • 企業の将来性があるか
  • 業界や企業規模は希望に合うか
  • その他優先順位で上位に設定した条件に合うか(例:給与、年間休日など)

たとえば、現職の営業スキルを活かしたいのであれば、顧客とのコミュニケーションを重視している企業や、成果が評価につながりやすい体制が整っている企業を探してみましょう。

また、事務処理能力に自信があるのであれば、正確性を評価してくれる企業やデータ収集が必要な企業で活躍できると判断できます。

もちろん、希望する条件に合致する企業が簡単に見つかるわけではありませんが、妥協せずに、根気強く求人情報をチェックし探してみましょう

未経験の業界や職種に挑戦する場合、求人探しの際にどこに注意して探せば良いですか?

教育体制の有無にかかわる記載に注意しよう

未経験の業界や職種に挑戦する際には、まず「未経験歓迎」や「研修制度充実」といった条件が記載されている求人を探しましょう。

こういった記載がある企業は、新しい業界や職種にスムーズに適応できるように、未経験者の育成サポート体制が整っているケースが多いです。

具体例として、IT業界に未経験で挑戦する場合、「IT未経験歓迎」「プログラミング研修あり」などの文言がある求人を探すことで、基礎からスキルを身に付けられる企業を見つけることができます。

また、営業職に挑戦する際も「業界知識不問」や「OJTあり」の記載がある求人は、未経験者に配慮した教育体制が整っている可能性が高いです。

Web面接を対応している企業も条件に入れて調べる

働きながら転職活動を進める場合、時間の確保が課題となります。とくに、面接は企業側とのスケジュール調整が必要となるため、求人を探す際にはWeb面接に対応している企業かどうかを確認しましょう。

Web面接であれば、企業まで足を運ぶ必要がなく、自宅やコワーキングスペースなど自身が都合の良い場所で面接を受けられます。移動時間を削減できるため、空いた時間を面接対策にあてる時間に使えるのです

すべての企業が対応しているわけではありませんが、時間を有効活用するためにもWeb面接に対応しているかどうかは条件に入れて探すのがおすすめです。

Web面接が未経験な人は、以下の記事でWeb面接のマナーを解説しているので確認しておきましょう。

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転職エージェントを活用する

転職活動の経験がない人や、一人で転職活動を進めることに不安を感じている人は、転職エージェントの活用も検討しましょう。

転職エージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが以下の項目についてサポートしてくれます。

転職エージェントがサポートしてくれる内容の例

  • 自己分析や強みの確認
  • 条件に合った求人探し
  • 応募書類の作成サポート
  • 面接対策

上記のように、転職活動の全般をサポートしています。また、企業側の求める人物像や、面接で聞かれやすい質問など自身では気付きにくい点も教えてもらえるため、効率的に転職活動を進められますよ

ほかにも、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあるため、転職が初めての人や時間が足りない人は転職エージェントの活用も検討してみてください。

転職エージェントが多すぎてどこが良いのかわかりません。活用するときの選び方はありますか?

永田 修也

プロフィール

信頼できそうか・寄り添ってくれるかで見てみよう

確かに、巷にはたくさんの転職エージェントの会社が溢れていてどの会社を選べば良いのかわからなくなってきますよね。

選択の指標となる部分としては「信頼できそうかどうか」は重要だと思っています。

サービスの充実度だけではなく、親身になってくれるだろうか、自分に寄り添ってくれるだろうかという視点で探してみることが結果的に良い転職活動につながると考えます。

③面接

書類選考を通過した後、企業の採用担当者と直接顔を合わせて話す機会となるのが面接です。企業は面接を通して、応募書類だけでは伝わらない応募者の人物像や仕事への熱意を評価します。

働きながら転職活動をする際は、現職の時間以外で面接を受けることになるため、応募企業とスケジュールを調整しなければなりません。応募する企業によっては、就業時間後や休日など、応募者の都合に合わせて柔軟に対応してくれる場合もあるため、事前に確認してみましょう。

また、転職の場合は就活と違い、志望動機以外に転職する理由を聞かれるケースが考えられます。理由を正直に伝えるのではなく、前向きな言い方に変換する必要があります。後述の転職理由はポジティブな理由に変換して伝えるを併せて確認してください。

時間休・有給を使用して面接を受ける

面接は、企業の営業時間内におこなわれることがほとんどです。 そのため、働きながら転職活動をする場合は、現職の時間休や有給休暇を取得して面接を受けましょう。

企業によっては、面接時間の調整に応じてくれる場合もあるため、可能な限り自分の希望する時間帯を伝えてみましょう

たとえば、午前中の早い時間帯や業務終了後の時間帯であれば、比較的調整しやすいというケースも少なくありません。 事前にしっかりと企業と連絡を取り、スムーズに面接を受けられるように調整をおこなってください。

柴田 登子

プロフィール

会社によっては交渉次第で就業時間後や土日祝日にも面接してくれるところもあります。遠慮せずに先方にお願いしてみてください。

また、オンライン面接であれば移動時間の必要もないのでお昼休みの時間を活用するのも良いでしょう。

転職理由はポジティブな理由に変換して伝える

面接では、転職理由を聞かれることがほとんどです。 企業側は、応募者がなぜ転職したいと考えているのか、自社でどのようなキャリアを築きたいと考えているのかを知りたいと考えています。

転職理由がネガティブな内容だったとしても、そのまま伝えてしまうと企業側に「前職に不満を抱えている」や「ネガティブ思考の持ち主」といったマイナスな印象を与えかねないため、ネガティブな理由であれば正直に話すのは避けるのがおすすめです

たとえば、「人間関係がうまくいかなかった」「仕事内容にやりがいがない」など、ネガティブな理由で転職を希望する場合でも、以下のように前向きな言葉に言い換えるようにしてください。

ネガティブな転職理由ポジティブに変換した転職理由
人間関係が悪かったより風通しの良い環境で、チームで協力しながら仕事に取り組みたいと感じたから
正当な評価を受けられないと感じていたこれまでの経験を活かしながら、さらに成長できる環境で、新たな挑戦をしたいから
仕事内容にやりがいを感じられなかった自身のスキルや経験を活かせる仕事に就き、社会に貢献したいから
ネガティブな転職理由をポジティブに言い換えた例

上記のように、転職理由を前向きに伝えることで、仕事への意欲や将来のビジョンを効果的にアピールできるため、前向きな理由に変換して伝えるようにしましょう。

転職理由は伝え方が重要です。伝え方を間違えれば、面接官にマイナスな印象を与えてしまうため、以下の記事を読んで好印象をつかむ伝え方を知りましょう。

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④内定後

希望の企業から内定を得られたら、転職活動も最終段階です。内定後は、現職の会社に退職の意思を伝え、円満退職するための準備を進めていきましょう。

就業規則に定められた期間で退職の意志を伝え退職日を決め、後継者への引継ぎを開始しなければなりません。また、入社日を決めるため、転職先とのやり取りも発生します。

内定後におこなうことは新しいキャリアに進むための最後の転職活動です。新たな環境で気持ちよくスタートを切れるよう以下の動きをして、最後まで気を抜かずに退職と入社への準備を進めましょう。

退職日と入社日を調整して決める

内定が確定したら、現職の退職日と、転職先の入社日を調整して決定します。

まず、準備段階で確認しておいた現在の会社の退職規定を再確認しましょう。企業によって異なりますが、一般的に退職の1〜2カ月前には申し出る必要があります。

もし、退職の意志を伝えるのが遅れてしまうと、後任者の選定や業務の引き継ぎがスムーズに進まなくなる可能性もあるため、企業側とトラブルになってしまうかもしれません。そのため、規定に沿った期間で退職の意志を伝え、退職日を決めるようにしましょう。

退職日が決まったら、転職先へ入社日の相談をします。企業によっては、入社時期を希望する場合もあるため、可能な範囲で企業側の要望に合わせて入社日を決めましょう。

業務の引継ぎや退職に向けた準備を進める

退職日が確定したら、担当してきた業務の引き継ぎや、退職に向けた準備を進めていきましょう。

業務の引き継ぎは、できるだけスムーズにおこなえるよう事前に資料をまとめておいたり、後任の担当者に業務内容を説明したりするなど、できる限りの事前準備をしておくことが大切です

また、以下の退職に向けた準備も進めておきましょう。

退職前に対応しておく項目

  • 所属部署への挨拶
  • デスク周りの整理
  • 私物の持ち帰り
  • パソコンのデータ削除やアカウントの削除
  • 企業から配布されているものの返却(社員証や名刺、携帯電話など)

円満に退職するためにも、最後まで責任を持って業務を遂行し、関係者への挨拶も忘れずにおこなってくださいね。

アドバイザーコメント

転職活動の中でも関係者への挨拶は早めにしておこう

同時進行で進めなければならないので、やらなければいけないことが多くて大変だと思います。記事のなかでの内容として「所属部署への挨拶」は早めにおこなっておく必要がありますね。

業務の引き継ぎは会社にとって重要な事項です。ここを円滑におこなうことで自分が円満に退職することが可能になるかと思います。

また、取引先の数が多ければ長い期間をかけて挨拶をする必要があります。面倒に感じて「辞めるから適当で言いか」と思ってしまいそうですが、同じ地域で仕事をしていく場合などはどこで再会するかわかりません。そのため、しっかりとケジメをつけて次につなげていくことが大切になってきます。

退職を応援してもらえることもあるためマナーを意識して堂々としよう

また、その際に仲の良かった人やお世話になった人には菓子折りを渡すなどの社会人としてのマナーも同時に必要となるでしょう。

退職を悩んでいる状態では引き留めに会う確率も高くなりますが、すでに決定している事項に対しては多くの人が受け入れ応援してくれるものです。ですから、気持ちの面でも下を向かず堂々と転職に向けての準備に取り組んでいくと良いかと思います。

働きながら転職活動するときにやってはいけない行動

ここまで、働きながらでもできる効率的な転職活動の進め方を説明しました。理解できた人のなかには、転職活動のイメージが湧き、すぐにでも新しいキャリアに向かって動き出したい人もいますよね。

しかし、働きながら転職活動をする際は、やってはいけない行動があります。転職に夢中になるあまり、ミスを犯してしまい、現職の企業とトラブルに発展してしまう人もいるのです。

これから働きながら転職活動を進めていく人は、円満に退職し転職できるように以下2つの行動をしないようにしましょう。

会社のパソコンや携帯で転職活動をしてしまう

働きながら転職活動をする場合、企業に転職活動がバレてしまうだけでなく情報漏洩のリスクもあるため、会社のパソコンや携帯で転職活動をするのはやめましょう。

企業によっては、パソコンの使用履歴や閲覧履歴などをチェックしている場合があり、転職サイトを閲覧したり、企業にメールを送信したりすると、企業側に発覚する恐れがあります。その結果、業務態度や仕事への姿勢を疑われ、印象が悪くなり企業からの信頼を失ってしまう可能性があるのです

転職活動は、あくまでもプライベートの時間を使っておこなうようにし、会社のパソコンや携帯電話は使用しないように徹底しましょう。

また、私用の携帯電話で転職活動をおこなう場合、登録時には転職用のメールアドレスを用意しておくと安心です。私用のアドレスでは、プライベートなメールと混同してしまい、重要な情報を見逃してしまうかもしれないため、新しくアドレスを作成して登録しましょう。

転職活動に気を取られ現職の仕事をおろそかにしてしまう

転職活動をすすめる人のなかには「どうせ転職するから」や「もうじき退職するから」という気持ちから、現職の業務を手を抜いてしまう人もいるかもしれません。

しかし、転職先が決まり退職日が決まったとしても、最後まで現職の社員であることを自覚し、責任を持って業務に取り組みましょう。

業務を引き継ぐ後任者や企業にとっては、引継ぎがスムーズにおこなわれないと、大きな負担がかかってしまいます。最後まで責任感を持って業務をやり遂げる意志を持ち、会社や同僚からの信頼をなくすことなく、円満に退職できるようにしてください

また、転職活動の忙しさから気付かないうちに現職の仕事がおろそかになっている人もいるはずです。転職だけにとらわれず一度休息を取ることも忘れないようにし、現職の業務に支障が出ないように転職活動を進めましょう。

転職活動中も現職の経験はスキル向上や自己成長につながるととらえることが大切です。

今の職場で成果を出すことが次の職場へのステップアップに自信を与え、ポジティブな転職活動が進められます。

仕事がつらいときは退職後の転職活動も視野に入れよう

ここまで、働きながら転職活動を進める流れを解説しましたが、人によっては仕事がつらくて今すぐにでも退職し、転職したいと考える人もいますよね。

ブラック企業に勤めていたりハラスメントを受けたりしている場合、働きながら転職活動を進めるのはつらいものです。そういった人たちは、退職後に転職活動することも視野に入れましょう。

決して、転職活動を始める前に退職するのは悪いことではありません。在職しながら転職活動を進めることで仕事でストレスを抱えてしまい、体調を壊してしまう可能性もあります。

もちろん、収入が一時的に途絶えたり、職歴に空白ができてしまうリスクは理解したうえで、退職後の転職活動に向けて動き出してくださいね。

自身の会社がブラック企業か判断が付かない人もいますよね。以下の記事では、ブラック企業かどうか見抜く方法が記載されているので参考にして、退職すべきかを判断しましょう。

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理由が人間関係の場合、退職を決意する前にまず会社側に相談して改善を図るべきでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

相談することで働きやすい環境が整う可能性は充分にある

もちろん相談すべきです。自分自身が「もうどうにもならない」と思い込んでいても、先輩や上司に相談することで、その解決に力を貸してくれることもあるからです。

また、転職して自分がその会社を辞めなくとも、社内での異動をさせてくれるなど、なんらかの対策を講じてくれる場合もあります。

今はどの会社も空前の人手不足です。以前よりも人材の定着は喫緊の課題なので、一人で悩んでいるくらいなら「退職したいほどつらい」と伝えることで、あなたが会社に残れるような環境づくりをしてくれるかもしれません。

働きながら転職活動をする社会人は多い! 関連するQ&Aを参考にしよう

この記事を読んでいる人のなかには、働きながら転職活動を進める人が、どのような疑問や悩みを抱えているのか気になる人もいるのではないでしょうか。

そこで、PORTキャリアに寄せられた悩みから転職に関する6つのQ&Aを紹介します。キャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、働きながら転職することで周りが感じている疑問を自身の就活にも役立てていきましょう

働きながらの転職は逆算がカギ! 転職期間を把握して計画的に進めよう

在職中に転職を考えたときは、働きながら転職活動するのがおすすめです。しかし、必ずしも働きながら転職活動しなければいけないわけではないため、退職後の転職活動との違いは理解したうえで行動しましょう。

働きながら転職を成功させるには、まずは転職期間を理解し、そこから逆算して計画的に動き出さなければなりません。

ただ転職したいからといって、やみくもに求人を探していては希望の求人に出会えないだけでなく、自身が何をしたいのか不明確なまま転職活動を進めることになるのです。

働きながらか、退職後かの違いを把握して行動に移し、新たなキャリアへの道を歩んでいってくださいね。

アドバイザーコメント

働きながら転職する場合は時間管理を徹底し無駄のない活動を心掛けよう

働きながらの転職活動は、収入が途絶えないメリットとともに時間の制約もあります。転職活動に必要な時間を、仕事の合間や休日を利用して確保する必要があるため、スケジュール管理が重要です。

転職活動を効率的に進めるためには、準備段階で目標の退職時期や優先順位を明確にし、転職エージェントを活用するなどして無駄のない活動を心掛けることが大切です。

前向きな姿勢と現職への責任感を持った対応が大切

また、転職理由は慎重な回答が必要です。企業側は面接で転職理由を重視するため、ネガティブな理由は前向きな表現に変換して伝えることが求められます。たとえば、職場の人間関係が悪かったという理由ではなく、「より良いチーム環境で成長したい」など、ポジティブなアピールを心掛けましょう。

さらに、転職活動中は現職に対しても最後まで責任感を持ち、現職での評価や信頼を失わないよう、引き継ぎや業務の終了までしっかりと対応することが、円満退職につながります。

転職活動は大きな決断ですが、働きながらの活動であれば、経済的な安定を保ちながら余裕を持って進められます。目標と計画をしっかりと立て、希望するキャリアを実現するチャンスを広げましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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