この記事のまとめ
- いきなり退職届を出すと非常識だと思われる理由とは
- 適切な退職届提出の2つのタイミングを解説
- 円満退社を実現させる退職までの流れを4ステップでつかもう
退職することを決めた人のなかには、「いきなり退職届を提出することは非常識?」「退職届はどのタイミングで出すべき?」など悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
退職届はいきなり提出することもできますが、一般的には非常識と思われてしまうため順序をしっかりと踏み、適切なタイミングで提出する必要があります。
この記事では、キャリアコンサルタントの田邉さん、永田さん、瀧本さんとともに、いきなり退職届を提出すると非常識ととらえられてしまう理由や、退職届の適切な提出のタイミングなどを解説するので、退職を決意した人や退職を検討している人もぜひ参考にしてくださいね。
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円満退社を目指すならいきなり退職届を出すのはやめておこう!
いきなり退職届を出してしまうと、「非常識」などマイナスの印象を持たれてしまったり、会社とのトラブルになったりしてしまうこともあります。そのため、円満に退社をしたい人は、いきなりの退職届を提出することは避けるべきであるといえます。
この記事ではまず、いきなり退職届を出してはいけない理由を解説します。さらに、適切な提出のタイミングやいきなり退職届を出してしまうことで起こりうるリスクについても説明するので、退職時の注意点を確認しましょう。
後半では、いきなり退職届を出しても仕方がないパターンや円満退社をするための退職までの正しいステップを解説します。この記事を参考に、非常識だと思われない退職届を提出するまでのステップを実行し、円満退社を目指してくださいね。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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いきなり退職届は一般的に非常識だと思われる! その理由とは
いきなり退職届を出すのは非常識だと思われる理由
- 就業規則を無視しているため
- 退職後に会社に迷惑がかかってしまうため
いきなり退職届を出すことは、法的には何の問題もないですが非常識だと思われてしまうのが一般的です。やむを得ない事情がない限り、いきなりの退職届提出は避けた方が良いのです。
法律では認められているのになぜ非常識だととらえられてしまうのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
ここでは、いきなり退職届を出すと非常識だと思われてしまうおもな2つの理由を解説するので、しっかりと頭に入れておいてくださいね。
いきなり退職届を出したい人のなかには、仕事に対して強い不満や不安を抱えている人も多いはずです。以下の記事で仕事が嫌なときの対策を解説しているので、併せて参考にしましょう。
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就業規則を無視しているため
ほとんどの企業では就業規則で退職を申し出るタイミングを規定しています。そのタイミングは、退職希望日の1~3カ月前と定められている場合が多く、規定に則り退職届を提出することが常識的なおこないとされています。
つまり、いきなり退職届を提出してすぐに退職という流れは、就業規則を無視しているため非常識だと思われてしまうのです。
ルールを守ることは社会人としての基本的な責任であり、これに反する行動は非常識と見なされてしまうことが多いでしょう。
就業規則を無視して退職する場合、法律的には民法第627条に基づき、雇用期間の定めがない正社員などの場合は退職の2週間前に通知すれば問題ありません。
会社によっては就業規則で「3カ月前までの通知」などを義務付けることもありますが、これは法的には強制力がありません。
とはいえ、就業規則違反が重大と見なされる場合には、懲戒処分を受ける可能性もあるので注意が必要です。
退職後に会社に迷惑がかかってしまうため
突然退職者が出た場合、通常業務に支障が出るなど会社に迷惑がかかってしまうといった点も、いきなり退職届を提出すると非常識だと思われる理由の一つです。
企業は、退職者が出ると退職手続きの準備や後任者の選定をおこなう必要があるため、突然退職されるとこれらの対応が間に合わず業務に支障が出てしまいます。
また、後任者に引き継ぎをせずにいきなり退職されてしまうと、業務や取引先との間にトラブルが生じる可能性も十分に考えられます。
以上のように、いきなり退職届を提出し辞めてしまうと会社に多大な迷惑がかかる可能性があるため、非常識だと思われてしまうのです。
会社を辞めたい思いがつのっている人は、こちらの記事も活用しましょう。今のモヤモヤを解消するコツを専門家が解説しています。
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適切とされる退職届を出すタイミングは?
退職届を出すのに適切とされるタイミング
- 法律上は2週間前で良い
- 就業規則で定められているタイミング
いきなりの退職届の提出は就業規則を無視している、会社に迷惑がかかるなどの理由から、非常識になってしまうため、適切な退職届提出のタイミングを押さえておきましょう。
退職届を提出する適切なタイミングは、2つのことを理解しておくだけで簡単に設定することができるようになります。
理解しておくべき2点について詳しく解説するので、自分の状況に合わせた退職届提出のタイミングを考えてくださいね。
法律上は2週間前で良い
とにかくすぐに退職したいという場合は、退職日の2週間前が退職届を提出する最も適切なタイミングになります。民法では、雇用の期間が定められていない場合、雇用契約の解約の申し入れから2週間を経過すると雇用が終了すると定められているからです。
就業規則よりも民法の方が優先されるため、仮に就業規則で「退職日の1カ月前までに退職届を提出すること」と規定されていても、退職届の提出から2週間後に退職することができます。
しかし、退職届を提出してから2週間後に退職する場合は、就業規則に反している、引き継ぎ業務などをおこなう時間がなく会社に迷惑がかかるといった点から非常識だと思われることが多く、会社と揉めてしまうことも考えられます。
そのためやむを得ない事情がなく、円満に退社をしたいのであれば、退職する2週間前の退職届の提出は避けるのが無難です。
- 退職の意思を伝えてから2週間後に退職する場合、有給休暇は取得できるのでしょうか?
法的には取得できるが会社側が快諾してくれない可能性もある
会社の意向次第ですが、もし有給休暇を10日付与されていて5日以上使用できていない場合は、法律的に労働基準法第39条第7項の違反となり、会社側への罰則が規定されています。
ただ、2週間後に退職というのは一般的にはかなり短い期間です。会社側が好意的に了承するかどうかはまた別の話になるかと思います。
特に問題なく退職手続きができてているならば、上司や会社と相談してみましょう。
就業規則で定められているタイミング
ほとんどの企業では、退職届の提出や退職の意思表示のタイミングが就業規則で規定されていて、退職日の1~3カ月前と定められている場合が多いです。
就業規則に則ったタイミングで退職届を提出すれば、非常識と思われることはないでしょう。
しかし、人員配置の見直しや後任者の選定、引き継ぎなどに時間がかかるため、退職届の提出は早ければ早いほど企業にとってはありがたく、無用なトラブルの回避にもつながるのです。
早急に退職する必要がないのであれば、引き継ぎなどをおこなう期間をしっかりと確保して退職時期を設定しましょう。
以下の記事では退職届を出すタイミングのポイントをより詳しく解説しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
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既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
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再就職にも影響? いきなり退職届を出す2つのリスクを解説
いきなり退職届を出す2つのリスク
- 退職する会社との関係性が悪くなる可能性が高い
- 再就職先に良くない印象が伝わってしまうかもしれない
いきなり退職届を出すリスクは、非常識だと思われることだけではありません。礼儀を欠く行為とも受け取られるため、最悪の場合は再就職に影響してしまうこともあるのです。
ここでは、いきなり退職届を出す2つのリスクについて解説するので、退職後に後悔してしまわないためにもしっかりと頭に入れておいてくださいね。
退職する会社との関係性が悪くなる可能性が高い
退職届をいきなり出してしまうと、会社からは非常識などと良くない印象を持たれて関係性が悪くなってしまうリスクがあります。
退職後も会社の従業員と付き合いを続けていきたい場合や、転職先で今の会社とビジネス上のつながりがある場合は特に注意が必要です。
今までどれほど会社や従業員との関係が良好でも、退職という重要な局面で礼儀を欠いている、会社の事情を顧みていないと思われてしまうと一気に信用を失ってしまいます。
退職後も会社との良好な関係を望むのであれば、退職届をいきなり出すのはできる限り避けるべきでしょう。
特に人手不足の会社の場合は、いきなり退職届を出すと強い引き止めに遭うかもしれません。こちらの記事でそうした状況でスムーズに退職するためのポイントを解説しているので、併せて活用しましょう。
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再就職先に良くない印象が伝わってしまうかもしれない
いきなり退職届を出す形で退職したことが再就職先に伝わり、良くない印象を持たれてしまうかもしれない点もリスクの一つです。
特に、再就職先が前職と同業種や関係のある業種の場合は、退職時の話が伝わる可能性もあると考えておくべきです。
再就職先に非常識、礼儀を知らない、ルールを守らないなど社会人として大きな欠点となるような印象を持たれてしまうと、重要な仕事を任せてもらえないなど働きづらくなったり、昇進・昇給に影響してしまったりと重大な問題に発展する可能性があります。
再就職先での仕事に影響が出ないようにするためにも、退職時の対応は重要になってくることを理解しておきましょう。
転職時の面接においては、前職での評判が採用に影響するかどうかは、退職理由やその伝え方によります。
急な退職が理由で不利になることもありますが、その背景を誠実に説明し、仕事への意欲をしっかりアピールすれば、懸念を払拭することが可能です。
大切なのは、今後は長期的に働きたいという意思を示すことです。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。
自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。
いきなり退職届を出された企業の思いや反応は? キャリアのプロが解説
いきなり退職届を提出すると、企業から思わぬ反応や対応をされることも珍しくはありません。それだけ、企業にとっては驚き戸惑ってしまう行為なのです。
そこで、退職届をいきなり出されると企業はどう思い、どのような反応をすることがあるのかをキャリアコンサルタントの田邉さんに解説してもらいます。
退職届をいきなり出すことの重大性を、客観的な意見から認識してみましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る会社側にも準備が必要なので急な退職届の提出は困るもの
退職届を相談せずに出すと、マイナスな印象にならないか不安になりますよね。急に退職届を出したことが原因で関係性が悪くなり、企業への出戻りなどの選択肢が減ってしまうのでできるだけ避けたいはずです。
結論としては、相談せずにいきなり退職届を出されると、あなたにマイナス印象を持ってしまうことは事実です。企業としては、業務の引き継ぎに対する不安が生じるだけでなく、後任の人事異動・採用なども急ピッチでしなければなりません。
急にこれらの業務を進めることはできないため、「もっと早く相談してくれれば準備ができたのに」と思われてしまいます。
可能であれば退職届を提出する前に会社の人に相談しよう
一方で、事前に相談をしていると、退職届を出しても応援してもらえるケースがあります。
たとえば、「将来的には◯◯業界でも経験を積みたい」や「独立して自分でビジネスをしたい」などを伝えていたときです。
社員のキャリア目標を実現する一歩なので、退職して企業にある程度の迷惑がかかったとしても、退職日の調整や引き継ぎのスケジュールなども協力的になってもらえる傾向にあります。
あなたのキャリアも大切ですが、企業の目線で考えられるようになると、応援してもらえる人が増えて新しいチャンスを手にするきっかけにもなりますよ。
事前に相談が必要とはいえ、誰に・いつ相談すれば良いのか悩む人もいますよね。以下の記事では適切な相談相手や切り出し方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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退職の相談は相手とタイミングの見極めがカギ! 適切な切り出し方も
退職を考えても、誰に相談したらいいかわからず悩む人もいるでしょう。この記事では、退職の相談をする相手や退職までの流れをキャリアコンサルタントと一緒に解説します。自分の状況を整理して、スムーズに退職できるよう準備をしましょう。
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いきなり退職届を出しても非常識にならないおもな3パターンを解説
いきなり退職届を出しても非常識にならないおもな3パターン
- パワハラなどのハラスメントを受けた場合
- 退職の意思を聞き入れてくれない場合
- 健康状態や家庭の事情で就業が困難な場合
一般的にはいきなり退職届を提出すると非常識だと思われてしまいますが、いきなり退職届を提出しても仕方がないといえる場合もあります。
会社やほかの社員への配慮は必要ですが、無理をして仕事を続けるよりも早急な退職を優先するべき状況があるのです。
ここでは、いきなり退職届を提出しても非常識にはならない3つのパターンを解説するので、自分の状況と照らし合わせてみてくださいね。
①パワハラなどのハラスメントを受けた場合
パワハラやセクハラといったハラスメントなど、会社から不当な扱いを受けた場合はすぐに退職届を提出しても良い状況といえます。
パワハラなどのハラスメントは不当な扱いであり、非常識な行動です。そのような扱いをする上司、会社がまともに退職の意思を聞き入れてくれ、手続きを進めてくれることは期待できません。
また、ハラスメントから肉体・精神を守るためであれば、すぐに退職することがベストな選択になることもあるでしょう。
ハラスメントを受けているような場合は、いきなり退職届を提出しても非常識にはならないので、無理をせず自分の身を守ることを優先しましょう。
ハラスメントなどが原因で直ちに退職したい場合は、弁護士に相談しましょう。
退職に関しては、法律では2週間後と決められていますが、ハラスメントの内容によっては、会社側が非を認めれば早期に退職できる可能性もあります。
②退職の意思を聞き入れてくれない場合
退職の意思を聞き入れてくれない、退職の手続きを進めてもらえないといった場合も、いきなり退職届を提出しても非常識とはいえないでしょう。
法律上、企業は退職を拒否することはできません。退職者がマナーに沿って退職の意思を伝え、退職に必要な手続きをおこなおうとしているのにもかかわらず、それを拒否するのであれば、退職届を提出してしまいましょう。
それでも辞めさせてくれない、後から揉めることにならないか不安といった場合は、録音をしながら退職の意思を伝える、内容証明郵便で退職届を送るなどの方法で、退職の意思を伝えた証拠を確保しておくと良いです。
退職する権利は法的に保証されていますが、会社と対立したくないときは、労働組合や社外の労働相談窓口に相談するのも一案です。
第三者の介入で円滑な退職交渉が可能になることもありますよ。
社外の労働相談窓口の例
- 各都道府県の総合労働相談コーナー
- 厚生労働省の労働条件相談ほっとライン
退職の意思を聞き入れてもらえない、拒否をされたという人はこちらの記事も併せて参考にしてください。辞めさせてもらえないときの対処法を解説しています。
関連記事
会社を辞めさせてくれないのは違法? 退職を成立させる手順を解説
会社を辞めたいと申し出たのに辞めさせてくれない時、会社の行為が違法に当たる可能性があります。違法となるケースや辞めさせてくれないときの対処法について、社労士やキャリアコンサルタントとともに解説します。
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③健康状態や家庭の事情で就業が困難な場合
健康状態や家庭の事情により早急に退職する必要がある場合も、いきなり退職届を提出しても仕方がない状況の一つです。
しかし、この場合は企業側に落ち度があるわけではないので、誠意を持って事情を詳しく説明し退職の交渉をしましょう。誠意を持って伝えれば、企業も理解してくれ快く退職を承諾してくれる場合がほとんどです。
また、健康状態や家庭の事情が退職理由となる場合、企業によっては勤務時間を調整してくれるなど退職しなくて済むような提案をしてくれることもあります。退職の意思を伝える前に、相談してみると良いでしょう。
円満退社を目指すならこれ! 退職までの正しい流れを4ステップで解説
退職までの正しい流れ4ステップ
- 就業規則を確認し退職希望日を設定
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 退職届を作成し提出
- 引き継ぎや退社の挨拶を済ませる
円満退社を目指すのであれば、適切なタイミングで退職届を提出することと併せて、退職までの正しい流れを理解し実行することが不可欠です。
退職は会社にとって重大な事柄なため、退職に関するやり取りのなかでルールやマナーを欠いてしまうと印象が大きく低下したり、スムーズな事務手続きができなかったりすることが考えられるからです。
ここでは、退職までの正しい流れを4つのステップで解説するので、これを参考にしてルールとマナーをしっかりと守り、円満に退社をしましょう。
①就業規則を確認し退職希望日を設定
退職の意思が固まったら、まずは就業規則で定められている退職の意思を伝えるタイミングを確認し、退職希望日を設定しましょう。
たとえば退職日の1カ月前までに退職の意思を伝えなければならないと定められていれば、当然退職希望日は、退職の意思を伝える日から1カ月後以降に設定する必要があります。
就業規則を確認する際は、退職願の要否も確認しておきましょう。退職願が必要とされている場合は、次の②直属の上司に退職の意思を伝えるステップを実行するまでに退職願を用意しなければなりません。
就業規則での取り決めと、実際の退職に必要な期間(引き継ぎなど)は異なることがあります。
予定していた退職日より遅れてしまうことで転職先にも迷惑となる場合があるので、引き継ぎなどを考慮して設定しましょう。
転職先が決まってから退職の意思を伝える場合、時間の余裕がなく焦る人も多いと聞きます。こちらの記事で専門家が手順を解説しているので、参考にしてみてください。
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転職先が決まってから退職する手順を専門家が解説|円満退社の秘訣も
転職を検討している人のなかには「転職先が決まってから退職したい」と考える人もいるでしょう。しかし、「そもそも転職先が決まってから退職して問題ないか」や「どんな手順が正しいか」などの疑問を持つ人もいると思います。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、退職の正しい手順や注意点などを解説します。
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②直属の上司に退職の意思を伝える
退職希望日が決まったら、直属の上司に退職の意思を伝えます。この際の注意点は、必ず直属の上司に伝えることです。上司の上司や他部署の上司に伝えることはマナー違反に当たります。
直属の上司が、仕事の割り振りや何かあったときの責任を負っているため、直属の上司が退職の意思を知らないと大きなトラブルにつながってしまう可能性が高いためです。
しかし、直属の上司がまったく話を聞いてくれない、パワハラを受けそうで言い出せないなどの理由からどうしても伝えることが難しい場合は、人事部や役職者に直接伝えるのも一つの方法ではあります。
また、退職の意思をいきなり伝えるのも厳禁です。「今後のことについて大切なお話があるので、お時間いただけますでしょうか」などと、必ず事前にアポイントを取っておくようにしましょう。
退職の意思を伝える際は、併せて退職日のすり合わせや退職届の提出先の確認もしておくと、退職届の作成と提出をスムーズにおこなえます。
退職理由を聞かれると思いますが、上司との関係性が悪くない場合は正直に伝えましょう。
ただし上司との関係性が悪い場合は、転職をするときに転職先に悪い情報を流されることもあるので注意が必要です。
あなたにマイナスにならないように、具体的な理由を伝えるべきかどうかは上司との関係性から判断してください。
本音の退職理由を伝えたくない場合、「一身上の都合」としたい人もいるかもしれません。こちらの記事で注意点と例文を解説しているので、併せて確認しておきましょう。
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退職理由に一身上の都合を使ってはダメ? 使えるケースと例文を紹介
この記事では「退職理由に一身上の都合はダメなのか?」という疑問を解決するべく、一身上の都合を退職理由に使用しても良いのかを解説しています。キャリアコンサルタントとともに、退職理由に一身上の都合が該当するケースや伝え方を解説するので、自身の退職理由が当てはまるかを確認して、円満に退職できるように役立ててくださいね。
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③退職届を作成し提出
上司に退職の意思を伝え、退職日が決まったら退職届を作成します。企業によって退職届のフォーマットが決められている場合もあるため、作成前に必ず就業規則で確認するか、人事部に問い合わせましょう。
退職届が作成できたら、直属の上司や所属部署の責任者、役員など事前に聞いておいた担当者に退職届を提出します。退職届は手渡しが基本となるため、不在の場合でも机上に置いてはいけません。
また、退職届を渡すときは、ほかの社員の目につかないように注意する必要もあります。
退職届の書き方や提出の仕方でもマナー違反と思われてしまうことがあるので、退職届の書式、渡し方や渡す場所などに注意して、失礼のない形で作成・提出するようにしましょう。
④引き継ぎや退社の挨拶を済ませる
退職届を提出し受理された時点で初めて正式に退職が決定します。そのため、退職届の提出後は後任者への引き継ぎや退社の挨拶をおこないます。
引き継ぎや退社の挨拶は、退職者が退職した後も社内の業務や取引先とのやり取りが円滑におこなわれるための重要な業務です。
特に取引先に対して引き継ぎがうまくおこなわれていない場合は、退職者だけではなく会社の信用が下がってしまい会社に損害が出てしまうこともありえます。
どうせ辞めるのだからといって引き継ぎや挨拶をおろそかにすると、会社の評価や信用度が低下し退職後にも影響が出てしまうことを頭に入れておきましょう。
いきなり退職届を出して非常識と思われないよう正しい流れを実行しよう
いきなり退職届を出してしまうと非常識だと思われてしまうため、やむを得ない事情がない限り、規則やマナーを守った適切なタイミングでの提出が円満退社の鍵となります。
また、退職届を提出する前後の流れのなかにもルールやマナーが存在するため、退職するまでの正しいステップを理解しておくことも重要です。
いきなり退職届を出したり、退職までの流れを正しく守らなかったりすると、非常識と思われるばかりか、退職後にも影響する可能性があることを忘れてはいけません。
この記事で解説した内容をもとに、非常識だと思われないタイミングでの退職届の提出と退職までの流れを実行し、次のキャリアへスムーズに進みましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るいきなり退職届を提出しても法的には問題ないが非常識と思われやすい
いきなり退職届を提出することは、法的には問題ありません。解説したように民法第627条により、退職の申し出から2週間経過すれば雇用関係を終了できるため、退職届の提出は労働者の権利です。
ただし、実際には「非常識」と見なされる可能性が高いです。職場では、後任者の手配や業務の引き継ぎなどが必要なため、突然の退職は職場に大きな負担をかけることが多いからです。
そのため円満に退職するためには、まず上司に退職の意思を伝え、その後退職願を提出し、承諾を得た後に退職届を出すのが一般的です。これにより、職場との関係を損なわず、スムーズに退職することができるでしょう。
どうしても迅速に退職したい場合は専門機関に相談して円満退職を目指そう
ただし、体調不良やハラスメントなどやむを得ない事情がある場合は、即時の退職届提出も正当化されます。この場合、会社が退職届を受け取らない場合は、内容証明郵便での送付や労働基準監督署への相談が有効となります。
結論として、いきなりの退職届提出は避けたほうが良いですが、やむを得ない場合には法的に対応が可能です。状況をよく見極めたうえで、できる限り円満な退職手続きを目指しましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細