保険業界の動向・職種・大手5社比較を大公開! リアルな実態とは?

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルティング技能士/C&Lデザイン合同会社代表

    Fumiko Yoshida〇全国60大学で、民間・公務員・看護師と幅広い志望の学生を支援。インストラクショナルデザイナーとして、キャリアコンサルタントに向けた研修設計・講師力向上研修もおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 保険業界の最新動向をチェックして将来性を確認しておこう
  • 保険業界大手5社の給与&福利厚生を比較して業界研究を進めよう
  • 選考前に確認しておくべき5つのポイントを紹介

就活を進めていき保険業界に興味を持った人の中には、「保険業界ってどんな仕組みでどんな職種があるのだろう……」「将来性はある業界なのかな?」と興味はあるけどまだまだわからないことが多いという人もいるのではないでしょうか。

この疑問を解決するには、保険がどのような流れで顧客の元にたどり着くのか、ビジネスの流れを知ることが必要です。ビジネスの流れを知って業界全体の動きを理解しましょう。また、保険業界は12個の職種に分かれていて、それぞれの役割を知ることで業界の仕組みを理解することができます。

さらに、保険業界の動向や社会貢献度の高さ、現在取り入れている技術を知ることで、将来性についても把握できます。

この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、加藤さん、吉田さんとともに、保険業界について解説します。保険業界に興味のある人はぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

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目次

実は保険業界は将来性のある業界! 保険業界について知識を深めて選考を突破しよう

保険業界について調べている人の中には、業界の将来性について不安に感じている人もいるかもしれません。しかし、実際には保険業界は今後も伸びていく将来性のある業界なのです。

その理由が社会貢献度の高さです。損害保険の場合は企業の経営をサポートするためのサイバーリスク保険、賠償責任保険などが存在します。挑戦にはリスクがつきものですが、代わりにリスクを請け負い、安心を提供するビジネスをおこなっているため、必ず必要とされるのです。

また生命保険の場合、死亡保障など誰にでも起こるリスクに対しての保険となるため需要が減ることはありません。さらに、AIの活用で業務の革新も進めています。

この記事では、まず保険業界の前提知識を確認しましょう。そのうえで、近年の保険業界の動向をチェックすることで、業界の立ち位置や今後の方向性がわかるため、将来性が理解できます。そして、大手5社の給与・福利厚生の比較表を確認することで、大まかな業界研究ができるので、自分の求める条件がクリアできるのかを見てみてください。

また、12個の職種の紹介や、保険業界の選考対策に重要な求めるスキル・人物像なども解説しているので、併せて確認してみましょう。内定を獲得できている学生の特徴もキャリアコンサルタントが解説していて、選考対策に役立つため参考にしてみてください。

そもそも保険業界とは? まずは基本的知識から身に付けよう

そもそも保険業界とは? まずは基本的知識から身に付けよう

  • 保険の仕組み
  • 損害保険会社とは
  • 生命保険会社とは

保険業界が気になる人の中には、「自分も加入しているし商品のイメージはできるけど、働き方とかはよくわからないな……」と業界全体の動きをとらえられていない人もいるかもしれません。

ここからは、そもそも保険業界とはどんな業界なのかについて詳しく解説していきます。「保険業界について興味はあるけど、まだまだ知識が足りていない」という人は、基本的知識からしっかりと理解していきましょう。

保険の仕組み

まずは、基本的な保険会社の仕組みから解説していきます。自分自身が保険に加入している人もいると思いますが、実際どのような仕組みなのかはわからないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、仕組みについて解説します。

保険会社には2種類存在します。損害保険会社と生命保険会社です。営業の方法はさまざまで、損害保険会社の場合は代理店に販売の委託をして保険を販売する間接営業となり、生命保険会社の場合は直接個人や法人を相手に販売をします

また営業手法は、営業担当が直接顧客と接点を持ち契約を結ぶパターンとインターネットから顧客が申し込むパターンの2通りです。どのように顧客へと販売するのかは、保険会社や商品によっても異なります。

損害保険会社とは

損害保険のビジネスモデル

保険業界には、2種類存在すると解説しました。ここでは、そのうちの一つである損害保険会社について解説します。

損害保険とは第二分野と呼ばれる保険で、予期していなかった事故や突然の火災・災害などで生じた損害に対して、補償するものです。補償は火災などで破損した「物」や事故などでけがをさせてしまった「人」が対象です。補償として支払われる保険金の金額は、事故や火災の大きさによって変動します。

このように実際の損害額に合わせて保険金が支払われることを実損払いと言い、損害保険では基本的にこの支払い方が基本となっています。

損害保険の例

  • 自動車保険
  • 火災保険
  • 地震保険
  • 宇宙保険

また、損害保険にはもう一つ取り扱っている保険があり、第三分野と呼びます。第三分野は、生命保険と損害保険のどちらにも該当しない保険を指していて、この分野はどちらの保険会社でも取り扱うことが可能です。第三分野については、あらかじめ決められた保険金額を支払う定額払いが導入されています。

第三分野の例

  • 傷害保険
  • 医療保険

損害保険は、火災や自然災害など、身に起きてしまうと簡単には日常に戻ることのできない大きなマイナスを解消する役割を担っています。たとえば、大規模な地震が起きた際は、各損害保険会社が協力して保険金を支払うなど、マイナスをゼロにする社会貢献性の高い業界です。

また、「鉛筆からロケットまで」と言われるように身近なリスクだけでなく貿易や宇宙に関する保険など幅広いリスクに対応しています。

生命保険会社とは

生命保険のビジネスモデル

保険業界の2種類のうち、もう1つは生命保険会社です。損害保険会社との違いを理解しておきましょう。

生命保険とは第一分野と呼ばれる保険で、加入者本人が死亡したときに、契約内容に合わせた保険金が家族に支払われる保険です。また、決められた期間加入することで、満期となり、保険金が支払われるものもあります。

生命保険の基本の形

  • 定期保険
  • 養老保険
  • 終身保険

また、損害保険と同様に生命保険でも第三分野の傷害保険や医療保険も取り扱っています。生命保険で取り扱う保険商品は基本的にすべてが定額払いとなっています。

生命保険の加入を検討するタイミングは、就職・結婚・子どもが産まれたときが多く、ライフプランに合わせた提案が必要です。一人の人生に寄り添った仕事ができるので、長い年月をかけて顧客と信頼を築き人生のパートナーとして必要とされたいと考えている人におすすめできます

損害保険と生命保険でどちらが良いという強い気持ちがない場合はどのように選ぶべきでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

BtoBまたはBtoCのどちらが希望と合っているかで決めよう

損害保険か生命保険を選ぶうえで、一つの基準としてあるのが、BtoBとBtoCのどちらをやりたいか、というものです。

Business to Business、つまりBtoBは企業が企業を顧客にし、業務をおこなうものです。一方でBtoCはBusiness to Customer、つまり企業が個人客相手に商売をします。

損害保険では火災保険や賠償責任補償保険などで対企業の商
品を数多く取り扱っており、BtoBの領域が広範囲です。ただし自動車保険などにおいてBtoCの領域もあります。

一方で生命保険会社は保険営業の業務のほとんどがBtoCとなります。特に営業職を志望する人はどちらの領域で活躍したいかを考慮して決めると良いでしょう。

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保険業界の「今」を知る! 近年の動向チェック

保険業界の「今」を知る! 近年の動向チェック

  • 国内の市場は拡大しているが将来的には縮小する見込み
  • AI(人工知能)での商品開発と業務効率化
  • 海外市場への進出

保険業界を志望している人の中には「保険業界は将来性が不安」「目指して良いか迷っている」という人もいるかもしれません。実は保険業界は将来性のある業界なのです。保険業界の現状を知ることで、今後どうなっていくのか、どんなことに期待できるのかなどを理解できるため必ずチェックしておきましょう。

保険業界の将来性がわかると、自分のキャリアの選択肢として保険業界を選ぶべきか選ばないべきかの判断の手助けになるので、しっかりと把握することが大切です。

ここからは、3つのテーマで解説していきます。

国内の市場は拡大しているが将来的には縮小する見込み

現在の損害保険と生命保険は、世の中の需要の高まりに合わせて市場を拡大しています。ここでは、損害保険と生命保険に分けて市場の推移を見ていきましょう。

損害保険の市場動向

まずは損害保険の市場から解説します。日本損害保険協会の発表しているファクトブック2024によると、損害保険の市場の大きさを示している正味収入保険料は、2023年で9兆1,316億円となっています。2017年から比べると7,510億円も増加しているのです。

正味収入保険料とは

損害保険会社が顧客から受け取った保険料のうち、解約返戻金や積み立て貯蓄の保険料を控除して、再保険料を加減して算出したもの

生命保険の市場動向

次に、生命保険の市場です。一般社団法人生命保険協会の発表している生命保険の動向(2024年版)によると、加入者が支払った保険料から算出される利益である保険料等収入は、2023年で42兆9,767億円となっています。2019年の33兆126億円と比べると9兆9,641億円も増加しているのです。

保険料等収入とは

顧客が実際に支払った保険料のことで生命保険会社の収益のこと

このように、損害保険、生命保険どちらの市場でも、現在は拡大しています。しかし、少子高齢化や人口減少の加速により、将来的には国内の市場は縮小していくと予想されているのです。この後に解説しますが、こうした背景をもとに、保険会社は海外進出を進め、業界の拡大に取り組んでいます。

AIでの商品開発と業務効率化

保険業界で、AIの活用が進んでいるのを知らない人も多いのではないでしょうか。これまでの業務を効率化したり、新しい商品の開発のためにAIが活用されています。この取り組みを、保険(Insuarance)×テクノロジー(Technology)で、インシュアテック(Insuratech)と呼んでいます。

AIを活用した例では、自動車保険が挙げられます。車内に設置した測定機器やドライバーのスマホから情報を集め、速度や走行距離を記録します。その記録から、ドライバーの事故のリスクを想定し、安全運転ができているドライバーの保険料を割り引くなどの新しいサービスを展開しています。

また、今までは支払い部門の社員がおこなっていた、保険金の支払いの際の審査や、加入を検討している際のヒアリングもAIを活用することで効率的に進められるようになっています。

たとえば、スマホ×LINEの活用です。顧客がさまざまな選択肢の中から自分の希望に合わせて入力するだけで、該当する保険商品の中から保険料が最も安いものをAIが判断し提案します。また、それだけでなく資料の請求や保険の申し込みもスマホで簡単に操作ができるというものです。

そのほか、これまでの加入者の膨大なデータを利用して、ターゲットに合った営業活動などもできていて、マーケティングにも役立てられているのです。

たとえば、保険会社のサイト内で顧客がどのようなページを閲覧したのかを記録し、閲覧履歴から顧客の興味関心をAIが分析します。その分析結果とサイト内で入力した相談内容に基づき、顧客の悩みにぴったりの相談相手をマッチさせるサービスなどが展開されています。

保険業界でもAIの活用が進んでいると聞いたのですが、この先AIに仕事を奪われることはないのでしょうか……?

加藤 賀子

プロフィール

AIでカバーできない部分があるため仕事を奪われることはない

AIに仕事を奪われるということはないでしょう。

AIは、複雑な計算処理などのディープラーニングが得意なので、顧客に応じた適正保険などがすぐにわかるというメリットがあります。しかし、なぜその保険なのかなどのプロセス部分の透明性が完全ではない部分があったりします。

顧客に納得して加入してもらうには、人間しかできない心の通じ合いが必要です。

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海外市場への進出

かつて保険大国といわれていた日本ですが、加速する少子高齢化や労働人口の減少にともない、国内での保険市場は縮小していくと予想されています。

そのため、国内の需要の変化に合わせて、保険業界は海外市場への進出を進めています。特に新興国では、保険に加入している人も少なく、今後人口が増えたり、経済成長が見込まれるため、市場を拡大できるチャンスがあると判断し、各保険会社が進出している状態です。特に大手保険会社は、海外の保険会社との業務提携やM&Aを進めています。

このように、国内の需要が低迷した場合でも、次に市場の拡大が見込まれる国を見極めて、常に業績拡大を狙っているのです。

2024年3月時点で生命保険業界の売り上げトップの日本生命が公開している海外事業 | 事業戦略 | 統合報告書 2022と、2024年3月時点で損害保険業界の売り上げトップの東京海上日動火災保険が公開している東京海上グループの経営戦略をもとに確認してみましょう。

日本生命海外事業の利益の推移
東京海上日動火災の海外事業の利益の推移

上記の画像からどちらの企業も海外事業の利益が拡大していることがわかります。このように生命保険・損害保険ともに海外事業の市場は拡大しているため、将来性のある業界であるといえます。

アドバイザーコメント

課題に対して多様な保険を生み出したりAIの活用をして対応している

保険業界は、少子高齢化やAIなどの進化、そして環境問題や新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症などさまざまな社会課題のなかで、大きな変革を迎えている業界だと考えています。これらは、ピンチでもありますしチャンスでもあると考えます。

まず、大きな問題として少子高齢化に伴う保険需要が挙げられるでしょう。高齢者層の医療保険や介護保険の需要が拡大する一方で、若年層の加入率減少が課題です。また、保険に入りたくても入れない経済課題を抱えた人も多いです。

しかし、ライフスタイルの多様化に伴い、個人のニーズに応じた新しい保険商品が次々に開発され、より多様な保険が生み出されています。

また、デジタル技術の進化も大きな影響があるといえます。AIを活用することで、的確なリスク分析をし、最適な保険商品を提案するなどが可能となってきています。

そして、環境変化への対応です。国内国外問わず自然災害の増加に伴い、災害リスクをカバーする保険商品への需要が高まっています。同時に、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みをサポートする保険も拡大しています。

これまで進化を繰り返してきた業界のためこれからも変化し続けていく

保険業界の将来性に不安を感じる学生も多いでしょうが、人類史の中でも進化を繰り返してきた歴史ある業界でもあります。保険の起源は諸説ありますが、紀元前のバビロニア帝国の時代から存在したと言われています。そこから海賊の時代を経て海上保険、ロンドン大火を経て火災保険など、今に至ります。

これだけ歴史があり進化を繰り返している業界なので、これからもさまざまな業界や人々のニーズに対応して変化していく必要があります。若い柔軟な思考とチャレンジ精神で今後の業界を支えていってください。

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業界研究に役立つ! 保険業界大手5社の給与&福利厚生比較

ここからは、生命保険会社で2024年4〜9月の売り上げが上位5社の給与と福利厚生を比較していきます。こちらは2024年11月時点の各社の有価証券報告書を参考に作成したものです。保険業界に興味のある人は、大手の待遇を比較して、業界トップ企業の水準を理解しておきましょう。

ただし、希望するコースや最終学歴によっても初任給は変わることがあるため、志望する企業が決まった段階で採用サイトなどで確認することが大切です

保険会社名初任給福利厚生休日休暇
日本生命保険246,000円・独身寮(東京、大阪)
・社宅
・各種福利厚生施設
・社内預金制度
・社内財形制度
・社内保険制度
・休暇制度ありなど
・完全週休2日制
・祝日
・年末年始
・有給休暇 年間21日 (連続1週間程度夏季休暇を含む)
・リフレッシュ特別休暇
・ライフサポート休暇 年間3日
・産前産後休暇
・配偶者出産休暇
・妊産婦休暇
・妊産婦検診休暇
・傷病特別休暇
・介護休暇
・看護休暇
・結婚休暇
第一生命239,280円~334,140円※コースにより異なる・各種社会保険適用あり
・育児休業制度
・介護休業制度
・育児/介護のための短時間勤務制度
・借上社宅(基幹総合職G型のみ)など
・完全週休2日制
・祝日
・有給休暇年間20日(初年度18日)
・夏期休暇
・年末年始休暇
・慶弔休暇
・計画公休制度
・リフレッシュ休暇制度
・産前産後休暇
プルデンシャル生命保険255,000円~287,000円※コースにより異なる・住宅資金借入利子補給
・永年勤続表彰
・退職金制度
・育児支援制度
・結婚・出産祝金
・弔慰金など
・完全週休二日制
・年次有給休暇
・傷病休暇
・特別休暇
・育児/介護休業制度
・ボランティア休暇
・ドナー休暇
・バースディ休暇
かんぽ生命保険203,100円~295,680円・育児休業
・介護休業
・育児部分休業
・介護部分休業
・子の看護休暇
・介護休暇
・資格取得制度など
・完全週休2日制(年間休日120日)
・年次有給休暇
・年末年始休暇
・産前産後休暇
・子の看病休暇
・特別休暇(結婚・忌引き・ボランティア等)
明治安田生命保険248,715円~343,960円※コースにより異なる・社内預金
・社内保険
・退職金
・代用社宅など
・週休2日制(土・日)
・祝日
・年末年始
・年次有給休暇
・その他特別休暇

上記の表からわかるように、保険会社の初任給は志望するコースによって大きく差があります。そのため、志望企業のコースについてはよく理解しておきましょう。また、休日休暇についてはどの企業もしっかりした制度がありますが、福利厚生については各社さまざまなため、自分が望む福利厚生がその企業にあるのかを確かめることが大切です。

初任給の高い企業で働きたいのですが、給料を理由に志望企業を決めるべきではないでしょうか?

柴田 登子

プロフィール

給与だけでなく業務内容や商品内容などを比較して決めよう

確かに給与の額はこれからの人生においてさまざまな影響をもたらすので、そこを選択基準にするのは必然です。しかし、1日の大半の時間を費やす仕事は、自分のやりたいこと、自分に合ったものを選びたいですよね。

保険会社はそれぞれの会社によって、強みを持つ分野や抱えている顧客が大きく違っています。近年では単に損害保険・生命保険の違いだけでなく、通販専門の保険会社も増えてきました。

給与だけで志望先を選ぶのではなく、業務内容や取引先、力を入れている商品などをよく比較して決めるようにしましょう。

こちらの記事では初任給についてまとめています。基本給との違いも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

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就活生の企業選びで大きな決め手となる初任給について、仕組みから業界別の相場、手取りとの違いまでをプロの視点で解説。記事を読めば、高給与の注意点や意外と知られていない昇給のポイントも含め、待遇面から見た企業選びの本質が分かります。

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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

実はこんなに分かれている! 保険業界の職種について知ろう

保険業界の職種

保険業界は実は細かく職種が分かれています。存在する職種について把握しておくと、視野を広げることができ、自分の強みが活かせる職種や将来的に目指したい職種について考えるきっかけになります。

企業は、学生が業界についてどのくらい理解しているのか、長期で活躍してくれる人材なのかなどを面接で見ています。そのため職種について理解しておくことで、将来的なキャリアプランについても話すことができ、業界の理解度や入社の熱意をアピールできます。

ここからは、12個の職種をそれぞれ解説していきます。自分の知っている職種はもちろん、知らなかった職種についてもよく理解して、保険業界の知識を深めていきましょう。

①保険商品の運用

保険商品の運用

  1. 商品開発
  2. アクチュアリー
  3. アンダーライター

まずは、保険商品の運用を担っている職種を3つ紹介します。保険商品の運用は、商品開発・アクチュアリー・アンダーライターの3つです。

保険商品の運用の仕事は、保険の社会的な役割である保険金の支払いと保険会社が存続していくための資金確保の両方を担っています。保険会社がうまく運営していくための最後の砦のような存在です。

それぞれがどのような立場でどのような業務を担っているのかを理解しておきましょう。

商品開発

商品開発とは、市場を調査し、時代の流れにともなって変化していくニーズに合わせた商品を新しく開発していく仕事です。商品を開発する際には、法律で定められた保険料率の中で商品を設計する必要があり、「規定の保険料や解約返戻金を守れるか」「商品の名称が顧客に誤解を与えるものではないか」など細かく設定されているルールを守って開発します。

また商品の開発以外にも、社会情勢などの変化に合わせて既存商品の一部を改定したり、営業活動推進のためのツール開発、契約時に顧客に渡す約款の作成なども担っています。

商品開発の中で大切なのは消費者側の目線を理解することです。たとえば、「どんな商品であれば消費者は保険に加入したいと思うのか」などの消費者のニーズを考えることで消費者に求められる商品を開発することができます。

目まぐるしく変化していく市場の動きを敏感に察知して、時代に合わせた商品を考えていく力が必要となります

加藤 賀子

プロフィール

商品開発を担当する人は、日本社会だけでなく世界の社会情勢や課題なども含め分析したり、今後どのように推移していくのかを推測することが好きな人・得意な人が良いでしょう。また、数値などを用いて論理的に伝えられるスキルも活かせます。

アクチュアリー

アクチュアリーとは、将来起きる出来事を予想して、保険業界が円滑に機能できるようにする仕事です。

たとえば、保険に加入している人が、事故を起こしてしまったり、病気になる可能性がどのくらいあるのかを計算して、保険会社が顧客に支払うお金をしっかり用意できるように、保険料をどのくらいに設定するのかを決める役割を担っています。また、計算したデータをもとにリスク管理の観点から新しい商品の開発にも携わっています。

事故や病気の確率を計算するために、過去どのくらいの人が事故を起こしているのかなどの膨大なデータを使用して計算しており、計算する際には、統計学などの数学を使う高度な知識が必要となります

アクチュアリーの資格は合格率が低く、資格を取得するためには、最低でも2年、平均で8年かかるといわれています。試験科目が多岐にわたるうえ、1科目に200時間以上かけないと合格は難しいとされているため、毎日勉強時間を割いて努力し続けられる人が向いていると言えるのです。

アクチュアリーの基礎情報

  • 主催団体:公益社団法人日本アクチュアリー会
  • 受験費用:1科目8,500円
  • 第1次試験科目:数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論
  • 第2次試験科目:生保1、生保2、損保1、損保2、年金1、年金2
  • 1次試験の合格率:数学20.1%、生保数理35.6%、損保数理44.5%、年金数理15.3%、会計経済投資理論24.5%(2023年度)
  • 2次試験の合格率:生保1 18.5%、生保2 13.3%、損保1 10.4%、損保2 22.4%、年金1 20.6%、年金2 23.1%(2023年度)
  • 合格までの期間:最低2年

また、アクチュアリーの資格を取得するために勉強している人は基本的に、合格後はアクチュアリーとして活躍することが前提としてあります。そのため、アクチュアリーに関する部署で働きながら勉強を続けて、資格を取得するのが一般的な流れとなっています。

アンダーライター

アンダーライターとは、顧客との契約を結ぶ際に、その契約にリスクがないかを調査し、契約を受けるかどうかを判断する仕事です。業務の内容としては、加入希望者にどのくらいのリスクがあるのかをまず調べます。

たとえば、自動車保険に申し込みがあった場合は、その人が過去に自動車事故を起こしていないかや、違反をしていないか、年齢はいくつかなどを確認します。生命保険の場合は、健康状態に問題がないか、過去の病気について、喫煙者なのかどうかなどを確認します。

さらに、その情報が正しいかを調べるために、運転記録証明書から事故の履歴がないかを確認したり、医師の診断書の提出を求めたりするのです。

重要な判断となるので、さまざまなリスクを想定し、慎重に進めることが大切です。アンダーライターという仕事は、保険の基礎知識が身に付くのはもちろん、保険に関する法律の知識、医療に関する知識、情報の分析力など幅広く習得できるため、保険業界の中でも専門職のスペシャリストを目指していきたい人におすすめの職種になります

レベルごとにできる仕事の幅が決まっているので、自分のキャリアを広げていきたい人は、日本アンダーライティング協会資格試験の初級・中級・上級の試験に合格する必要があるのです。日々自分の業務と真剣に向き合い、向上心を持って取り組める人が向いているといえます。

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受けない方がいい職業を診断しよう

就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。

就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
  • 自分に合う職業がわからない人
  • 入社後のミスマッチを避けたい人
  • 自分の強みを活かせる職業を知りたい人

②お金の運用

次に、お金の運用を担っている職種です。ファンドマネージャーとクオンツアナリストの2職種を紹介します。この2職種は、保険業界を志望していても、あまり聞きなじみのない職種ではないでしょうか。

保険業界には保険業務のほかに、資産運用をする部署があります。お金の運用を担う部署では、顧客が支払っている保険料を運用して保険会社の資産を増やし、保険金や配当の財源にします。保険会社が保険金を支払うための財源を生み出す重要な業務になります。

新卒で業務を担当することはほとんどなく、入社後に知識を身に付けて挑戦できることが多い職種ですが、保険業界を支える重要な職種のため、しっかりと理解しておきましょう。

ファンドマネージャー

ファンドマネージャーとは、保険の契約者が毎月支払っている保険料を資金として、株式・不動産・投資信託などに投資をおこない、利益を生み出す仕事です。資産運用のスペシャリストとして業務を担っています。

保険業界は、加入者から支払いの要請があった際に、場合によっては多額の保険金を支払う必要があり、いつでも支払えるように十分な資金がないと保険会社としての役目を果たせません。

保険会社には収支相等の原則といって、顧客が保険会社に支払う保険料の合計額と保険会社が受取人に支払う保険金の合計額が同じでないといけないというルールがあり、既定の割合以上に利益を得ることができないため、投資で利益を生み出す必要があります。

そのため、常に変動している市場の動きを敏感に察知し、スピード感のある意思決定をする必要があります。

ファンドマネージャーの判断によって、大きな利益を生み出すことができるため、プレッシャーを感じる日々となりますが、その分やりがいはとても大きいです。投資のプロとして日々の勉強を怠らず、プレッシャーに打ち勝つ強い精神力を持っている人が向いている職業といえます。

クオンツアナリスト

クオンツアナリストとは、ファンドマネージャーが投資の判断をする際のサポートをする仕事です。

企業の業績がどのように変動しているのかであったり、金融市場がどのように動いているのかなどの大量のデータを数学のモデルを使って分析します。そこから、投資のリスクを管理したり、過去のデータから、株価の変動を予測し、投資先や資産の運用方法を決める大変重要な業務です

正しい判断をするために、統計学や数学を用いて市場の動きを分析・調査する必要があります。そのため、数学に関する高度な知識が必要です。また、さまざまなシステムを駆使して業務を進めるため、ITの知識も必要となってきます。

クオンツアナリストを募集している企業は少なく、また総合職とは応募のコースが違うため、志望企業の採用コースを確認するようにしましょう。将来的に目指したい人は、金融の知識とITのスキルを身に付けて少しずつステップアップしていくことが必要です。

柴田 登子

プロフィール

保険会社では新卒入社の場合、資産運用部門を志望していても最初は営業職に配属されることが多くあります。そこで顧客ニーズや市場をよく理解し、併せてファイナンシャルプランナーや証券アナリストの資格などを取得します。

資産運用業務では海外の事情にも精通することが必要なため、英語で情報収集できるレベルの語学力を身に付けておいてください。

③営業関連

営業関連

  1. 個人営業
  2. 法人営業
  3. 代理店営業
  4. 営業事務

そして、保険業界を志望する際に1番最初に思いつく人が多いのが営業職です。保険業界の営業職には、個人営業・法人営業・代理店営業の3つの種類があります。また、営業職をサポートする事務職も大変重要な職種です。

入社後に配属される可能性が高い部署の一つが営業職となるため、仮に営業職に配属されたときにどのような仕事を自分が担当することになるのかを理解しておきましょう。営業職について理解しておくことで、入社後に営業職となった際のイメージができ、保険業界が自分に向いているかどうかを確認する指標にもなります。

また、営業を希望する人は円滑に仕事を進めるためにも、一緒に働くことになる営業事務の仕事についても理解しておきましょう。

個人営業

生命保険会社での個人営業とは、個人向けの保険商品を個人に対して提案・販売をする仕事です。個人営業では、顧客一人ひとりの人生設計をヒアリングして、将来に備えられる商品を提案する必要があります

そのため、大切な人生の相談役として、顧客に寄り添い、自分ごとのように考えられる人が向いているといえるのです。また、一人ひとりにしっかりと向き合い、提案したい人におすすめの職種となります。信頼を得ることが契約に結びつくため、心地よいコミュニケーションを心掛けた営業を大切にしましょう。

一方、損害保険会社では個人の顧客に営業が直接商品を提案・販売することはありません。損害保険会社の場合は、代理店営業が個人営業となります。

損害保険の場合は、火事や事故などの想定外のリスクについて顧客に共有し、理解を得る必要があるため、論理的に話せる人が向いているといえます。抽象的なイメージで話をするのではなく、顧客が自分ごととして捉えられるように伝える必要があります。大きな規模の業務に携わりたい人におすすめの職種です。

個人営業では、会社ごとに営業スタイルが異なります。飛び込み営業をおこなう必要があったり、テレアポで新規顧客の開拓をするなどさまざまです。自分の志望する企業が、どのような営業スタイルなのかを確認しておきましょう。

個人を相手とするBtoC営業は、具体的にどのような仕事なのか気になる人もいるかもしれません。どんな仕事なのかについて、キャリアアドバイザーが回答しているので、参考にしてみてください。

法人営業

生命保険会社での法人営業とは、企業の社員に向けた保険商品を企業の担当者に対して、提案・販売をする仕事です。提案する保険商品は、企業が契約者として加入する団体生命保険や退職金の準備のための保険などがあります。

企業に保険を販売する際は、企業のニーズに合わせて提案をおこなう必要があるため、企業が抱えている悩みを理解して、その目的に合った商品を紹介します。商品の提案後は、契約の締結とその後契約当初と企業の実態に変化がないか、それに伴い保険の内容を変更する必要がないかなどをチェックするアフターフォローをおこないます。

損害保険の法人営業とは、企業の将来的なリスクをカバーするための保険商品を、提案・販売する仕事です。たとえば、自然災害や火災、サイバーリスク、またけがや病気の保険なども提案します。

企業の抱えるリスクは、業界や企業規模によってもさまざまです。たとえば、商品を運搬する物流会社では荷物の運搬中の事故による損害、食品製造の企業では製造工場の火災などがリスクとして考えられます。

そのため、提案する商品としては、火災保険や運送保険、賠償責任保険などが該当します。商品の提案後の流れとしては、生命保険と同様に契約の締結、その後のアフターフォローをおこないます。

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代理店営業

代理店営業とは、保険商品の販売を委託している代理店を支援したり、新しい代理店候補を探す仕事です。

具体的には、代理店がしっかりと商品を売れるように営業ノウハウの共有など、代理店教育をメインでおこないます。

ほかにも、新しく代理店として契約を希望する事業者との面談や、すでに委託している代理店と本社を仲介する役割を担っています。また、新しい商品が出たときやキャンペーンをおこなう際に、代理店の担当者と打ち合わせをすることも業務の一環です。

このように保険会社と代理店は二人三脚で商品の販売をおこなっていく必要があります。そのため、代理店と良い関係を構築することが重要です。

コミュニケーションを大切にすることで、販売を委託できる事業者を増やすことにもつながるため、自社の売り上げ拡大に貢献でき、やりがいにもつながります

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将来的に、商品開発に携わりたい場合、個人営業・法人営業・代理店営業では、どの営業を選ぶべきでしょうか。

吉田 隼人

プロフィール

どの営業職を選んでも商品開発に携われる可能性はある

企業の状況によって、キャリアのステップは変わってきますが、基本的にはどの営業職を選んでも商品開発に携われる可能性はあります。

商品開発では消費者側の目線と企業側の目線の両方を考える必要があります。

そのなかで、個人営業は消費者一人ひとりのニーズを考える力が身に付きますし、法人営業は、企業のリスクマネジメントや福利厚生を意識した視点を手に入れることができます。

また、代理店営業では市場全体のトレンドやマーケティングの視点を身に付けることができるでしょう。

最終的にはどの職を選んでも、消費者側と企業側の目線を持ち合わせていくことが必要となってきます。社会人訪問などをおこない、志望企業の商品開発職に行くためにはどのようなスキルやキャリアプランを描けばよいのか確認しておきましょう。

営業事務

生命保険の営業事務は、新たな契約の書類の確認、契約内容の変更の手続き、保険金の請求に関する書類の送付、データ入力などの幅広い業務を担当します。

損害保険の営業事務では、申込書類の確認、顧客や代理店からの問い合わせ対応、自賠責保険の手続き、データ入力、書類の発送などが担当業務です。

どちらの業界でも、営業が取ってきた契約のサポートを担い、円滑な業務進行のために必要不可欠な存在です。

保険業界の事務は、保険商品の知識の習得はもちろん、事務職としてのスキルを身に付けることができるので、ほかの業界への転職にも活かすことができます。また、事務職の中では給与が高い傾向にあるので、給与を重視する人にもおすすめです。

保険商品は、時代の流れに合わせて数年ごとに変わっていくので、新しい情報を学び続ける必要があります。そのため、現状に満足せず、貪欲に向き合い続けられる人に向いているといえるのです。

④保険金支払い

保険金支払い

  1. 保険調査員
  2. アジャスター
  3. 支払査定

最後に、加入者から保険金の申請があった際に活躍する職種を紹介します。保険金の支払いに関する職種は、保険調査員・アジャスター・支払査定の3つです。どの職種も顧客に支払われる保険金の公平性を保つために非常に重要な職種となります

これらの職種についても、入社後すぐに配属される可能性は低いですが、将来のキャリアの選択肢を広げるためにも知っておきましょう。また、保険金がどのように支払われるのかなど大まかな仕組みを知っておくと、保険業界の仕組みをより理解することができます。

保険調査員

保険調査員とは、顧客への保険金の支払いの際に、申告内容は正しいものなのか、損害があるかどうか、損害がある場合どのくらいの金額なのか、などを調査する仕事です

保険の種類はさまざまありますが、自動車保険の場合の調査は、事故現場に訪問し、ぶつかった車の状況や周囲の様子を確認します。また、事故を起こした本人や目撃者に対して、どのような状況だったのか、どうして事故が起きたのかなどをヒアリングし、事故の原因を突き止めます。

そして、最後に調べた結果を報告書にまとめて、会社に提出し、この内容をもとに保険会社が支払う金額を決定するのです。

一方、生命保険の場合は、加入者が病気の診断を受けた病院に訪問し、実際の病気の進行状態や、契約内容に記載のある病気なのかどうかを調査します。その際に、顧客が保険に入ったタイミングと実際に病気と診断されたタイミングを確認し、支払いの義務があるかどうかを確認します。

そして、こちらも損害保険と同様に、報告書を会社に提出し、最終的に金額を決定するのです。

このように、保険調査員の仕事では、多くの人とかかわる必要があるため、円滑なコミュニケーションを取れる力が必要となります。

アジャスター

アジャスターとは、顧客の身に起こった事故を調査して、適正な保険金の金額を決定する仕事になります。保険調査員と業務内容は似ていますが、アジャスターは自動車事故による損害を調査する専門の職種です。また、保険調査員は資格が必要ありませんが、アジャスターは日本損害保険協会の資格を保有する必要があります。

アジャスターに求められるのは、加入者側に立つのではなく、あくまで中立的な立場で正しい判断をおこなう冷静さです

具体的な業務内容としては、今どのような状況なのかを整理し、事故がどうして起きたのか原因を突き止め、事故により発生した損失を確認します。アジャスターの記録により、この事故で支払われる保険金の金額が決まるため、適切な判断が必要です。

また、アジャスターは自動車の事故の調査に携わるため、自動車の知識が求められることを覚えておきましょう。

アジャスターは、顧客とのコミュニケーションが重要な業務となるため、事故で不安な気持ちを抱えている顧客に対してしっかりとケアすることを意識してください。

支払査定

支払査定とは、顧客から保険金の支払いを求める連絡があったときに、実際の契約内容と照らし合わせて問題がないかを確認し、適正な金額を支払う仕事です。不正な請求に対して、保険金を支払わないように正しい判断をする必要があります。

たとえば、事故やけがの申告があったとき、実際にその出来事が起こったのかを調べて、その事故やけがが保険でカバーできる内容なのかを確認します。そして、カバーできる内容だと確認ができたら、けがの治療費の金額などから支払う金額を算出するのです。

支払査定をすることで、契約内容に合った正しい金額を速やかに顧客へ支払うことができ、保険業界の安全性・信頼性を保つために重要な役割を担っています

支払査定は、資格が必要な職種ではないため、未経験からでも挑戦することができますが、顧客の公正性を守る大切な業務となるため、医療や保険の知識を身に付けて業務に取り組んでいきましょう。

新卒で入社する場合は基本的に営業職が多いのでしょうか?専門職に挑戦することも可能なのでしょか?

柴田 登子

プロフィール

最初は業界理解のために営業職に配属される場合が多い

たとえ資産運用やアンダーライティングなどの業務に携わることが前提で採用されたとしても、新卒では特に業界や市場の全容を知るために、最初は営業職に配属されることがとても多いです。

また営業だけでなく、保険金の支払いをおこなう損害調査部門も新人が配属されやすい部門です。

それらの部門で保険とは何か、そして顧客とはどのような企業・人なのかをしっかり理解して、やがて異動により専門職の道が開けるタイミングに備えましょう。

もちろん、上司面談などで自身が希望する職種は何かを伝え続けることも大切です。

選考突破には必要不可欠! 保険業界で求められるスキルを理解しよう

選考突破には必要不可欠! 保険業界で求められるスキルを理解しよう

保険業界の選考を通過するためには、企業の求めているスキルを理解することが大切です。どんなスキルがどのような理由で求められているのかを理解できると、自己PRの際に、より具体性を持って企業に刺さる内容でアピールすることができたり、自分のスキルとのマッチ度を確認できます。

ここからは、6つのスキルについて解説していくので、自分に当てはまるスキルはあるのか確認していきましょう。

コミュニケーション力

保険業界で働くうえで欠かせないスキルがコミュニケーション力です。このスキルはさまざまな職種で活かすことができます。

たとえば営業職の場合、商品内容がどれだけ魅力的でも、営業との相性が悪ければ、契約を考え直す人もいるかもしれません。自分がどれだけ頑張っても、顧客に良いと思わせられない限り契約に結びつけることができないのです。

また、保険はほかの商品やサービスとは違い、将来のリスクに備えるために加入するものになるため、自分の将来を任せられると思われるような信頼関係を築く必要があります。

そして、保険調査員やアジャスターであれば、顧客はもちろん、病院の医師や事故の目撃者とも円滑なコミュニケーションを取ることが求められます。

保険業界で働く際は、顧客をはじめとする、すべての関係者とのコミュニケーションを大切に、会話のキャッチボールを意識するようにしましょう

このように、保険業界では非常にコミュニケーションが重要です。そのため、保険業界の選考ではコミュニケーション力があるかどうかを見ています。選考の中では、面接官との円滑なコミュニケーションを心掛けましょう。

コミュニケーション力を自己PRでアピールするのも有効な手段です。こちらの記事では、コミュニケーション力の自己PRを作成する方法を解説しています。どのように作成すべきかわからない人は参考にしてみてください。

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プレゼンテーション力

プレゼンテーション力は保険業界で必要なスキルの一つです。このスキルもさまざまな職種で役に立ちます。

たとえば、営業職の場合、どのような人にもわかりやすく説明をする必要があります。なぜなら、顧客の知識レベルはさまざまで、保険について詳しい人もいれば、まったく知識がなく初めて説明を聞く人もいるからです。

保険は基本的に、一度契約すると長期間そのまま契約し続ける商品ですが、商品内容が専門的で複雑な場合が多いため、なるべくシンプルにわかりやすく説明することが求められます。しっかりと内容を説明しておかないと、誤解が生まれてしまい、契約後に問題が起きてしまう可能性もあるのです。

また、商品開発にもこのスキルは必要となります。どのような根拠のもと、新しい商品を開発したのかを社内の人にプレゼンし、納得してもらえて初めて商品として世の中に出すことができるからです。

プレゼンテーションに自信がない人は、身近な人に自分をわかりやすく説明してみることから始めてみてください。また、そこでフィードバックをもらうことで、改善点が明確になり、自分に足りない部分が見えてきます。

こうした練習を繰り返していくと、プレゼンテーションのスキルが身に付いていくため、保険業界を目指している人は、少しずつ練習しておきましょう。

論理的思考力

保険営業では、論理的思考力も必要なスキルです。顧客に保険を提案する際は、「この人に必要な保険は何だろう」「どんなことを保険でカバーしたいと考えているのかな」などと、顧客のニーズを汲み取る必要があります。

そのため、提案する商品の選択までに、さまざまな情報をヒアリングし、過去の顧客データと照らし合わせながらその人に必要な商品を分析することが大切です。また、商品を提案する際は、顧客が納得できるように、順を追って根拠を伝える必要があるため、論理的思考力がないと難しい職種といえます。

論理的に説明することができれば、顧客の納得度も高く、信頼度を高めることにもつながるので、保険営業を目指す人は日頃から論理的思考力を磨くことを意識しましょう

データ分析力

保険業界では、膨大な数のデータを分析して、保険商品の開発をおこなったり、資産運用をおこなっているため、分析力は非常に重要視されているスキルとなります。過去の市場の変化を分析して、将来的なリスクを予測し、今後必要とされるサービスを新しく生み出していくのです。

データ分析には、統計学などを使用したり、特別なシステムを使用するため、数学やITの知識がある人が活躍しています

商品の企画や資産運用を担う際には必ず必要となるスキルのため、そうした業務に携わりたい人は、データ分析の経験やスキルをアピールしましょう。

問題解決力

保険業界では、問題解決力も必要なスキルです。商品を提案する際は、必ず顧客が抱えている悩みや課題をヒアリングします。その悩みや課題を解決するためには、どのような保険商品が良いのかを考え提案する必要があるのです。

ここで重要なのは、課題の本質を見抜き、最も適切な商品を導き出す力になります。また、現状の解決のみならず、将来的に考えられるリスクについても、正しい助言を求められることがあるため、道筋を立てて考えられる人が重宝されるのです。

この力は、保険営業で求められているだけでなく、商品開発の仕事や保険金の支払いに関する業務などでも求められるスキルとなります。

選考では、問題解決力について具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。

問題解決力を実際にアピールしようと思うと、どのようにアピールするのが効果的か悩む人もいるかもしれません。こちらの記事では、問題解決力のアピール方法を解説しています。自己PRの例文も付いているので気になる人は参考にしてみてください。

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自己管理能力

保険業界で働く際に求められるスキルの一つに自己管理能力があります。これは営業で活かすことができるスキルです。保険の営業は、常に複数の顧客とのやりとりが発生するため、さまざまな業務を同時並行しながら進めていく必要があります

保険の提案はもちろんのこと、契約の手続きや加入者からの問い合わせ対応など、業務の幅は非常に広いです。このような業務を見落としなく円滑に進められる自己管理能力を保険業界は求めています。

また、保険営業はノルマが厳しい業界でもあるため、自分をしっかりと管理して日々の業務を遂行できる力は、非常に魅力的なスキルといえるのです。選考では、自己管理能力の高さをアピールしていきましょう。

吉田 隼人

プロフィール

職種にもよりますが、営業配属の割合が多いため、営業職で考えると自己管理能力は特に重要になると感じます。

さまざまな企業や顧客との業務をマルチで管理するタスク管理能力はもちろん、ノルマや同僚との競争といったプレッシャーなどのストレス管理もとても重要です。逆にここに耐性がないとなかなか内定しづらい業界でもあります。

当てはまっていたらピッタリ! 保険業界で求められる人物像

当てはまっていたらピッタリ! 保険業界で求められる人物像

  • 顧客の視点に立ち商品の提案ができる人
  • 常に変化し続ける市場に貪欲に向き合い続けられる人
  • 問題意識を持ち続けより良くするためのアイデアを考えられる人

「保険業界に興味はあるけど自分の性格に合っているか不安……」と選考に進むべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。保険業界で求められる人物像を知ることで、自分と業界のマッチ度を把握することができます。

ここからは、保険業界で求められる人物像について解説していきます。自分の性格と照らし合わせてみましょう。どの人物像にも当てはまらなかった人は、保険業界との相性があまり良くないかもしれません。その場合は、別の業界も見てみるなど、幅広い視野を持って就活を進めていきましょう。

顧客の視点に立ち商品の提案ができる人

保険業界では、顧客の視点に立って提案することが大切です。自分に必要のない保険を提案されても、「この営業はただ契約を取りたいだけ?」と不信感につながってしまいます。

生命保険は、短期的なものではなく、何十年も契約をサポートする可能性が高い商品になるため、長い目で見て、顧客にとって契約しておくべき保険を見極め提案することが大切です。

また、生命保険は1度契約したものをそのまま活用していく場合もありますが、結婚や出産などのライフプランの変化に合わせて見直す場合もあります。そのため、顧客の変化に合わせて、その都度ニーズに合う商品を提案し続けられる人が保険業界では求められているのです。

一方、損害保険の場合は事故や火災など起きる可能性は低いが誰しもがリスクとしてかかえていることに対して、そのリスクをカバーできる商品を提案する必要があります。

そのため、顧客一人ひとりの生活環境をヒアリングして、そこから考えられるリスクについて説明しぴったりの商品を選択します。その人に必要なものはどれなのか顧客の視点で考えられる力が求められます。

企業は選考の中で、相手の気持ちを汲み取る力があるのか、自分本位な考え方を持っていないかを確認しています。相手の立場で考えられる力があることがアピールできると、より良い評価を得られるかもしれません。

常に変化し続ける市場に貪欲に向き合い続けられる人

保険業界は、変化し続ける市場で戦っていく必要があるため、変化を恐れず貪欲に向き合い続けられる人が求められています。

保険会社は、経済の動きや人口の減少などの変化に合わせて、提供する商品を変化させていきます。そのため、市場の変化を敏感に察知して、どのような商品が求められているのかを分析する必要があるのです

また、運用の部署でも市場に向き合い続けられる人は求められています。生命保険商品を運用していくためには、債券や株式などの資産運用についての知識、法律や社会保障などの知識、金利の動向などの情報を常に追い続ける必要があります。

そして、損害保険商品の運用には、経済の動向、事故や自然災害が発生するリスクについての知識、資産運用の知識について常に新しい情報を得ていくことが必ず求められます。そのため、学ぶ意欲のある人が向いている業界です。

このように、変化に対して前向きに向き合い続けられる人は、保険業界でうまく成績を残し、キャリアを築いていける可能性が高いといえます。選考では、学び続けられる姿勢をアピールできると高評価につながるかもしれません。

問題意識を持ち続けより良くするためのアイデアを考えられる人

損害保険会社は、ただ保険商品を販売していくだけではなく、顧客や社会全体の安全を守りながら、会社として安定した経営をしていくことが求められます。そのため、将来の事故や災害に対するリスク管理、経済の動向、法律の厳守などさまざまな場面で問題意識を持つことが必要です

また、生命保険会社においては、顧客の将来を保障するための資産を確保するために、資産を運用し、適切なリスク管理をすることが求められます。そのため、資産の運用方法、適切な保険料の算出、経済の動向、保険金支払いのプロセスなどの観点で問題意識を持ち続ける必要があります。

現状に満足せず、どうしたらもっと良くできるのかを考えられる人が保険業界では求められています。特に、商品の運用を担う職種を希望する場合は、この力を求められる場合が多いため、選考の中で、問題解決力があることをアピールできると、高評価につながる可能性が高いです。

加藤 賀子

プロフィール

上記で紹介されている人物像はすべて必要で大切な要素ではありますが、その中でも1番大切なのは「顧客の視点に立ち商品の提案ができる人」です。目の前の顧客の状況や立場、希望を顧客視点に立ち受け止め提案できることが重要です。

保険業界で内定を勝ち取る学生にはどんな人が多い? キャリアコンサルタントが解説

ここまでは、保険業界で求められるスキルや人物像などについて解説してきました。業界全体として求められるスキルが理解できたところで、実際にはどんな学生が内定を勝ち取っているのか気になる人も多いのではないでしょうか。

選考で高評価を得られている学生の特徴を知ることで、良い部分を自分に取り入れることができます。自分に足りない部分を把握して、選考に向けて準備していきましょう。

ここでは、キャリアコンサルタントの柴田さんが、保険業界で実際に内定を勝ち取った学生の特徴について解説します。

「保険業界で高評価を得ている人はどんな人だろう?」と知りたい人は、参考にしてみてくださいね。

アドバイザーコメント

常に学び続ける必要があるため前向きに取り組める人が活躍できる

実は私自身新卒で損害保険会社に就職した経験があります。夫も同じ会社だったのですが、ともに社員時代は常に何らかの勉強をしていました。

損害保険代理店試験やファイナンシャルプランナーなどの資格取得はもとより、次々に登場する新しい保険商品の知識、果ては保険以外の金融商品についても常に学び続けなければなりません。

そのため、周囲にいた上司や先輩、同僚はとにかく勤勉な人が多かったように思います。一つの資格取得や試験が終わればすぐ次、といったふうにどんどん学ぶことを求められ続けます。それに対し前向きに取り組めなければ、仕事をしながら勉強ばかりしていることに耐え続けるのは難しいでしょう。

成長意欲を示すことが内定獲得へのカギになる

だからこそ、やはり新卒で内定を取る人には「新しい知識を得ることに喜びを感じる」といった点をアピールする人が多いように感じます。成長意欲が高いと示すことが内定のカギです。

また、金融機関は証券、保険、銀行とより業界ごとの垣根がなくなってきました。損害保険・生命保険だけではなく、ほかの金融業界についても視野を広げ、今後の業界の展望を述べられるようにしておくと良いでしょう。

天秤にかけて考えてみよう! 保険業界で働くことの魅力と厳しさ

保険業界は魅力溢れる業界ですが、もちろん厳しい一面も存在します。魅力部分だけで判断してしまうと、入社後に「思っていた環境と違う……」とギャップを感じてしまい、早期退職につながる可能性が考えられるのです。

そのため、魅力だけでなく厳しさもしっかりと理解したうえで、保険業界を志望するかどうかを考えていきましょう。ここからは、魅力と厳しさのそれぞれに分けて解説をしていきます。

保険業界の魅力

生命保険業界と損害保険業界の魅力をそれぞれ紹介していきます。

まず、生命保険業界で働くなかでやりがいにつながりやすいのが、多くの人のライフイベントにかかわることができるという点です。

保険は、将来への不安を取り除くための商品となるため、加入を検討したり見直しをするタイミングとしては、ライフステージが変わるときが多いです。そのため、自分の担当する顧客の人生に寄り添った営業ができます。

一方、損害保険会社で働くなかでやりがいにつながりやすいのは、社会貢献度合いが大きいことです。損害保険は、火災や自然災害など、一度起きてしまうと大きなマイナスとなるものに対して補償をしています。また、身近なリスクだけでなく、宇宙事業や貿易などにかかわるリスクも補償しているため、大きな使命感を持って働くことができるのです。

そして、生命保険と損害保険どちらにも共通して魅力だと言えるのが、自分が生きていくうえで役に立つ知識を身に付けられることです。たとえば、保険商品について知識があると、自分の将来のリスクを減らすための最適なプランを選択できます。また、資産運用などの知識も習得できるため、老後に向けた計画的な人生設計が可能です。

さらに、保険業界では、自分の頑張り次第で年収を上げられることも魅力といえます。固定の給料のほか、契約ごとにインセンティブのある保険会社もあるため、頑張れば頑張るほど給料が上がっていくのです。若いうちから高い収入を希望している人にとっては、大きな魅力となります。

保険業界の魅力の一例

  • 生命保険業界ではライフイベントにかかわることができる
  • 損害保険業界では社会貢献度の大きい仕事ができる
  • 生きていくうえで役に立つ知識を身に付けられる
  • 自分の頑張りが評価に直結する

保険業界での転職を考えている人は次の記事も併せて読んでみてください。高収入を実現するために身に付けておくべきスキルを紹介していますよ。

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保険業界の厳しさ

次に、生命保険業界と損害保険業界の厳しさをそれぞれ紹介します。

まず、生命保険業界での厳しさは、長期的な視点を持って商品の提案をする必要があることです。生命保険は、長期にわたり保障をする商品のため、顧客の何十年後のリスクを想定して話を進めなければならず、納得してもらえるように論理立てて話ができないと契約までつなげることができません。

また、人生を左右する大切な保険になるため、責任感やプレッシャーを感じる場合があります。

一方、損害保険業界で働く厳しさは、突然発生する事故や自然災害に迅速な対応を求められることです。大規模な自然災害の場合は、たくさんの人が関係してくるため、クレーム対応をしなければならなかったり、正確かつ迅速な対応が必要になるため、大きなストレスを感じる場合があります。

そして、生命保険と損害保険のどちらにも共通しているのが売り上げのノルマの厳しさです。これは、保険業界に限った話ではありませんが、営業職では基本的に売り上げのノルマが存在します。

保険は、1度加入すると数年間は変更しない場合が多いため、新規の顧客獲得が難しい場合があります。営業として入社する場合は、どのようなノルマがあるのか確認しておきましょう。

そして、保険は経済や人口の動きに影響を受けやすいため、新しい知識や情報を学び続ける必要があります。そのため、学びに終わりがありません。1度インプットした知識も塗り替えていくことが大切です。コツコツと学ぶことが苦手な人には少し厳しい環境かもしれません。自分の苦手分野かどうかを認識しておきましょう。

保険業界の厳しさの一例

  • 生命保険では長期的な視野を持つ必要がある
  • 損害保険では正確かつ迅速な対応が求められる
  • 売り上げノルマがある
  • 新しい知識を学び続ける必要がある
保険業界を志望しているのですが、ノルマが不安で悩んでいます。どのように考えると前向きにとらえることができますか?

加藤 賀子

プロフィール

なぜ保険業界で働きたいのか目的の部分を整理してみよう

ノルマ達成であったり、契約数が自分の給与に反映したりと、その部分だけを見ると不安になりますよね。

仕事をするうえで大切なのは、目的を見失わないことです。ノルマ達成や給与をたくさん稼ぐのが目的で志望しているのではないと感じます。何のために保険業界で働きたいと感じているのか、目的を改めて整理してみましょう。

保険業界の選考までに確認しておこう! 事前に準備しておくべきこと5選

保険業界について知識が深まり、選考に進みたい気持ちが大きくなった人もいるのではないでしょうか。保険業界の選考では、通常の選考対策に併せて準備しておきたいことがあります。

事前準備を怠ってしまうと、当日焦ってしまいうまく答えられないことが考えられるので、あらかじめ対策をしっかりとおこなっておきましょう。

ここでは、事前に準備しておくべきことを5つ解説していきます。保険業界ならではの対策も入っているので確認してみてください。

①損害保険と生命保険の違いを理解しておく

保険業界は、損害保険と生命保険の2種類に分かれています。そのため、選考のなかでは「なぜ損害保険ではなく生命保険を志望したのですか?」などの質問が飛んでくる可能性が高いです。

損害保険と生命保険の違いをしっかりと理解しておかないと、企業の納得できる回答はできません。自分なりの志望理由を準備しておきましょう。

たとえば、「今の日本は老後の貯蓄はすべて個人に任せる状況です。不安を感じている人もいると思うので、私は将来設計をサポートし、長期的なパートナーとして、将来の不安を取り除く手助けをしたいと考えています。そのため、将来に備える保険を提案できる生命保険を志望しました」のような内容だと企業から良い評価を得られる可能性があります。

それぞれの保険の特徴を盛り込む際は、損害保険であれば身近なリスクだけでなく幅広いリスクに対応しているからであったり、生命保険であれば長期にわたりサポートできるからなど、2つの業界の違いを押さえたうえで、なぜそう思ったのかも併せて回答しましょう

②保険がもたらす社会的価値について自分なりの考えを持っておく

保険会社の面接では、「保険という商品についてどのような価値があると考えていますか?」という質問をされる可能性が高いです。事前に準備せずに面接で質問されると、おそらく多くの人が回答に迷うのではないでしょうか。

この質問に対しての回答は、自分自身が保険に加入していて良かったと感じたことや、身の周りの人が保険のおかげで事なきを得たという具体的なエピソードで話せるとより納得感を持ってもらえます

たとえば、「私の母がガンになったのですが、治療費を保険でまかなうことができているため、経済的に悩むこともなく生活を守れています。この経験から、保険は加入した人のみでなく、周りの人々の生活も守り抜くお守りのようなものであると私は考えています」などと回答できると、保険の価値についてしっかりと考えられているアピールになるります。

③志望する企業の独自の強みなどほかの保険会社との違いを理解しておく

保険会社は、競合他社との戦いに勝つためにさまざまな商品やサービスを各社展開しています。そのため、志望理由を伝える際には、「なぜ数ある保険会社の中から御社を選んだのか」の根拠となる具体的な理由を伝えることで、企業理解の深さをアピールすることができるのです。

また、志望理由に具体性を持つことで、ほかの学生との差別化にもつながります。志望理由の完成度を高めるためにも、その企業の独自のサービスや商品などをよく把握しておきましょう

たとえば、2025年の1月には住友生命が1カ月220 円から契約できる賃貸火災保険のサービスの提供を開始しています。こうした新しいサービスについて調べて、選考時に話せるようにしておくと高い評価につながる可能性があるのです。

このような、新しい商品について知りたい場合は、各社が発表しているニュースリリースを調べてみましょう。

志望理由の回答例

私が御社を志望した理由は、保険を必要としているすべての人にサービスを届けようという姿勢に魅力を感じたためです。

御社は25年の1月に1カ月220円から契約できる賃貸火災保険のサービスの提供を開始されました。本来保険は、どんな人にも加入する資格があり、身近な存在であるべきだと思っています。しかし、近年の物価高などの影響で、保険にお金をかけられないという人も増えてきているのではないかと感じています。

その点、御社の新しいサービスは、低価格で気軽に契約ができ、かつ人々に安心を提供できる素晴らしいサービスだと思います。このように、消費者に寄り添い、安心を提供し続ける御社の一員として活躍していきたいと考えております。

④入社後のキャリアプランを明確にしておく

面接で、「入社後5年または10年後にはどうなっていたいと考えていますか?」と将来のキャリアプランについて質問されることがあります。この質問に対しても、事前に準備をしておくことで、将来についてしっかりと考えていることのアピールができるのです。

保険業界に入社後は、さまざまなキャリアを選択することができます。たとえば、営業として入社後トッププレイヤーとして活躍し続けることも選択できますが、5年間営業を経験した後に、経験を活かして商品開発に携わることも可能です。

つまり、キャリアプランについて回答するためには、その企業ではどのような職種があり、どのようなキャリアを築いている人がいるのかを理解しておく必要があります。企業ごとに望めるキャリアは異なるため、自分の志望する企業ではどのようなキャリアプランが可能なのかを調べておきましょう。

たとえば、生命保険であれば営業職からスタートし、生命保険商品の知識を深めます。そして、入社5年目あたりで営業部門を引っ張っていく立場のチームリーダーなどにキャリアアップします。

そこで営業戦略における知識を身に付けたり、顧客満足度向上のための施策に参加して、10年目に部門責任者として全体を管理する役職に就くというキャリアがあります。

損害保険の場合も類似のキャリアプランを歩めます。そのほか、専門職に進む道などもあるため、自分はどうなりたいかを考えておきましょう。

キャリアプランを考える際のコツはありますか?

吉田 隼人

プロフィール

過去の経験の中から未来につながるヒントを探してみよう

キャリアプランを考える際のコツは2つあります。1つ目は、本質的な自己分析をすることです。野球を一度もやったことも見たこともない人がプロ野球選手になりたいと考えることやなれることはないですよね。

皆さんの将来は、必ずこれまでの経験の中にヒントが隠れているはずです。まずは過去の経験を棚卸しして、過去から未来につながるものを見つけていけると良いでしょう。

先輩や両親と話して社会人のキャリアプランを聞いてみよう

2つ目は、社会人訪問を重ねることです。自己分析をしてもキャリアプランが描けないのであれば、具体的に社会人と話してみて実際の社会人がどのようなキャリアを描いているのか、学生時代にどんなキャリアプランを持っていたのか聞いてみましょう。

大学の先輩、バイトの先輩やお客さん、親や親戚、今の時代はマッチングアプリで社会人と出会うこともできます。10人程度話を聞いてみると、少しずつキャリアプランのポイントが見えてきます。

⑤志望する企業の社風や働いている人について理解しておく

各社さまざまな商品やサービスで差別化を狙う保険業界ですが、取り扱う商品に大きな違いはないことも多いです。そのため、自分の志望企業を選択する際には、商品やサービスについてだけでなく、企業ごとの社風やどんな人が働いているのかを理解しておきましょう。

企業の採用ページには、社員インタビューが記載されている場合も多いです。まずは、自分のできる範囲で情報を集めていきましょう。

そして、可能な限り実際に企業の人と話をすることも大切です。企業と直接かかわれる機会は会社説明会のみならず、インターンへの参加や、OB訪問などさまざまあります。気になる企業の社風についてチェックして、志望動機に盛り込んでみましょう。

志望動機に盛り込む際は、「御社の皆さんは、常に前向きな考えで挑戦していく姿勢を大切にされています。挑戦する人を応援する社風にとても魅力を感じました。私もその一員として、現状に満足せず新しい風を吹かす新人として活躍していきたいと思いました」などと社風のどんなところに魅力を感じたのかを盛り込むことを意識してください。

保険業界の志望動機は、いざ書こうと思うと意外と難しいと感じる人もいるかもしれません。こちらの記事では保険業界の志望動機を書く際のコツを紹介しています。これから書き始める人はもちろん、書くのに苦戦している人も参考にしてみてください。

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保険業界は常に変わり続けている! 最新の動向をチェックして業界研究を進めよう

保険業界の将来性について不安を感じている人も、最新の動向をチェックすることで、将来性がある業界だと感じられるのではないでしょうか。保険業界は、時代の流れに合わせて常に変わり続けています。業界研究を進めて、納得感を持って就活を進めていきましょう。

また、保険業界の選考では、業界の理解度を測る質問が多くあります。自信を持って回答するためにも、業界全体の知識に加え、志望企業についてもよく理解しておくことが大切です。

保険業界は多種多様なキャリアを築くことができ、今後も伸びていく将来性のある業界になります。業界の魅力と厳しさを自分自身で見極め、選考に進むかどうかの決断をしていきましょう。

アドバイザーコメント

もっと知りたい部分があればキャリアセンターなどを活用しよう

この記事を読んで、「①保険の仕組み」「②保険会社の種類の違い」「③業界の動向や今後の展開」「④各企業の給与や福利厚生」「⑤保険業界の職種」「⑥求められるスキル」「⑦求められる人物像」「⑧業界の魅力と厳しさ」「⑨事前に準備しておくこと」など保険業界について理解が深まったと考えます。

理解不足の部分があれば、キャリアセンターやOB・OG、会社説明会などを活用し、質問などを通して業界理解をさらに深めていきましょう。

どうして保険業界で働きたいのかを自分の中で明確にして就活を進めよう

保険の仕事は、目の前のお客様の人生を長い目でサポートする、とても尊い仕事です。そのためにも、何のために保険業界で働きたいのかを明確にし、ブレることがないように自身にも落とし込んで就職活動に取り組んでいきましょう。

無形商材であるため、有形商材よりも難しいと感じる人がいるかも知れませんが、仕事を通して、金融の知識や顧客に合わせたプランを提案する提案力、顧客が何を望んでいるのかを理解するヒアリング力やコミュニケーション能力も身に付きます。社会人人生の素敵な門出になることを応援しています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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