この記事のまとめ
- 代理店営業の日々の業務内容をわかりやすく解説
- 代理店営業にはほかの営業とは違う魅力や難しさがある
- 3つの重要スキルを磨いて代理店営業を目指そう
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代理店営業に興味を持っても、一体どんな仕事なのかよくイメージが湧かない人が多いのではないでしょうか。「ほかの営業と何が違うの?」「きついって本当かな……」など、実態が気になる人もいるかもしれません。
代理店営業は「商品やサービスを売る」という一般的な営業とは形態が異なるため、仕事内容を理解しないまま目指してしまうと、ギャップを感じる可能性が高いです。一方であまり知られていない魅力もあるため、穴場の仕事ともいえます。
この記事ではキャリアコンサルタントの若林さん、加藤さん、高尾さんとともに代理店営業の仕事内容ややりがい、向いている人の特徴を解説します。代理店営業について正しく理解したい人はぜひ参考にしてください。
代理店営業は難しくともやりがい大! 成長したい人は要チェック
代理店営業はその独特の形態から難しさがある仕事ですが、その分ほかの営業にはない魅力や身に付くスキルがあります。一方で活躍しにくい人もいるため、安易に挑戦するのは注意が必要です。
記事ではまず代理店営業の役割やほかの営業との違いを解説します。日々の業務内容も紹介するので、代理店営業の仕事を具体的にイメージできるようになりますよ。
後半では、代理店営業についてよくある疑問にキャリアコンサルタントが回答します。大変さや働き方の実態まで理解しておきましょう。
最後に向いている人の特徴や求められるスキルも解説するので、代理店営業をさまざまな角度からチェックして、今後のキャリアの参考にしてくださいね。
そもそも代理店営業とは? まずは意味や仕事の特徴を理解しよう
そもそも代理店営業とは? まずは意味や仕事の特徴を理解しよう
- 代理店営業の役割
- ほかの営業職との違い
- 代理店営業が多いおもな業界と特徴
- 代理店営業の平均年収
代理店営業の実態に迫る前に、まずは言葉の意味やほかの営業との違いなど、基本的な情報を押さえておきましょう。
保険やITなど代理店営業が多い業界の特徴や、気になる年収も解説するので、代理店営業の全体像をつかむことができますよ。
代理店営業の役割
そもそも代理店とは、自社の商品やサービスを代わりに売ってくれる店舗のことです。その代理店の数を増やしたり、既存店の売り上げ拡大を担ったりするのが代理店営業です。
企業は代理店を利用することで拠点や人材を増やすコストを削減でき、効率的な売り上げアップを目指せます。また代理店側にとっては、自分たちで製品を作る必要がないというのがメリットです。
ただし代理店だけでは商品知識を網羅することができず、また他社のライバル商品も扱うため自社を優先してくれるとは限りません。そこで代理店営業が代理店に出向いて、自社商品の販売を働きかけているのです。
代理店との良好な関係を構築し、うまく活用できるかどうかが企業の成長に大きな影響を与えます。
効率的に販路を広げて販売コストを抑えるだけでなく、市場のトレンドや競合他社の動向に関する洞察を得て、顧客満足度を向上させる役割も担います。
そこに携わる代理店営業は、企業にとって欠かせない存在なのです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
ほかの営業職との違い
代理店営業は代理店という企業を相手にするため、法人営業といえます。そこで同じく法人営業である「直販営業」や「ルート営業」と違いがわからなくなる人もいるかもしれません。
直販営業は、自社の社員が顧客企業に直接営業をかけて商品やサービスを販売します。直接販売するため「直販」です。ルート営業はその中でもすでに自社と取引がある、つまりルートがある顧客に営業をしていく職種のことをいいます。
一方で代理店営業は、自社と顧客の間に代理店を挟むのがポイントです。自分たちが直接売るのではなく、間接的に自社商品の売り上げにかかわります。また後ほど詳しく解説しますが、代理店のスタッフの育成・指導など、コンサルティング的な業務を担うのもほかの営業と異なる点です。
- 代理店営業はほかの法人営業より難しいのでしょうか?
専門性が高く難しい部分もあるが適性は大きく変わらない
代理店営業は営業に特化した仕事のため、より営業に向いた人が採用される傾向にあります。
営業先によって必要なスキル、知識、コミニケーション能力が変わるため、さまざまな方面の幅広い知識を吸収しなくてはいけません。そういった意味では、自社営業よりは多方面での専門性が求められる職種ともいえます。
ただし、営業に特化した仕事ということは、営業職に向いている人にとっては合う職種だといえるでしょう。
こちらのQ&Aではルート営業のつらさについてキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてみてください。
法人営業と似た言葉に「BtoB営業」もあります。知っておくことで代理店営業の理解も深まるため、こちらの記事で併せて確認しておきましょう。
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代理店営業が多いおもな業界と特徴
代理店営業が多いおもな業界と特徴
- 保険業界:代理店との関係構築が重要
- IT・通信業界:知識のキャッチアップが求められる
- 携帯・スマホ業界:店舗運営に密にかかわれる
代理店営業はどの業界でも積極的に使われる営業形態というわけではなく、特に目立つのが保険、IT・通信、携帯・スマートフォン(スマホ)の3つの業界です。
ここではその3業界における代理店営業の特徴をそれぞれ解説するので、代理店営業に興味がある人はどの業界が自分に合いそうか参考にしてみてください。
保険業界:代理店との関係構築が重要
保険業界は商品が多様で複雑です。また顧客に定期的なサポートや説明が必要な場合も多いため、十分なスタッフを確保できる代理店が利用されやすい傾向にあります。
代理店営業が一般的な業界で、代理店同士もしのぎを削っています。つまり代理店側も、契約企業の中から特に売りやすい商品や利益になる商品を売りたいため、代理店営業はいかに自社の商品を売ってもらうかという関係構築が重要です。
代理店営業は直接顧客に売るわけではないため、ほかの営業より楽そうだと考えている人はこの点で苦労するかもしれません。自ら積極的に売らない代理店もあるため、売ってもらう努力が必要だと認識しておきましょう。
保険業界の代理店営業に興味を持った人は、こちらの記事もおすすめです。保険業界の特色や求められるスキルを解説しています。
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IT・通信業界:知識のキャッチアップが求められる
通信やソフトウェア業界は、専門的に学んできた人でないと理解が難しかったり、専門用語がわからなかったりと営業人材を確保するのが難しい分野です。そのため同じく代理店営業が多い業界といえます。
IT・通信業界の代理店営業の場合、専門知識を身に付けることはもちろん、変化も激しい分野であるため、入社後も常に知識のキャッチアップが求められる点が特徴です。
もともとITに興味がある人や、専門性を高めた営業として活躍していきたい人はマッチするでしょう。
IT・通信業界の代理店営業は、技術職のような深い知識はあるに越したことはないですが、文系・理系どちらでも問題なく、未経験でも可能です。
ただし目指すなら、応募先企業で展開している商品の種類や、それぞれの商品が顧客に対してどのような効果やメリットを与えられるのかはしっかりと押さえましょう。
IT業界の代理店営業に挑戦するなら、まずは業界理解が必須です。こちらの記事で基本知識やトレンドを押さえましょう。
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かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
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そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
携帯・スマホ業界:店舗運営に密にかかわれる
代理店営業が多い業界として、携帯電話のキャリアショップなど、携帯・スマホ業界も挙げられます。保険業界と同じく料金体系が複雑で、説明や契約にも時間がかかるため、代理店を利用した店舗・スタッフの確保が重用されるのです。
携帯・スマホの代理店は保険やIT業界に比べると学生アルバイトなど未経験の人でも挑戦しやすいため、スタッフの入れ替わりが激しいのが特徴です。そのため代理店営業は、スタッフへの商品説明や接客教育など、店舗運営に密にかかわる必要が出てきます。
人に教えるのが好きな人、販売店の運営に一緒に携わっていきたい人は、代理店営業の中でも携帯・スマホ業界を詳しく調べてみるのがおすすめです。
- 代理店営業と代理店の力関係はどんな感じですか? 若いとなめられるのでしょうか……。
若いとたしかに難しい面もあるが努力次第で変えられる!
代理店営業と代理店との間の力関係は、本来であれば上下ではなく協力関係である必要があります。ただし実際の現場では、「若手営業がなめられる」という現象が起きる可能性はゼロとは言い切れません。
しかし年齢や経験の少なさは、あなた自身が自信を持って行動し、代理店営業として専門知識を示すことで克服できることが多いです。
代理店営業として成功するためには、たしかに尊敬を得ることも重要ですが、それは年齢だけでなく、知識、スキル、態度、成果など、さまざまな要素によって築かれるものです。
見方を変えると、若さは新しいアイデアやエネルギーをもたらすともいえます。
年齢にかかわらず、目の前のことに真摯に取り組み、若手ならではの熱意と柔軟性を活かしながら、着実にスキルを高めていくことが大切です。
代理店営業の場合、業界によっては販売職のスキルも求められます。気になる人はこちらの記事で必要な能力を確認しておきましょう。
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代理店営業の平均年収
代理店営業の役割やほかの営業との違いがわかったかと思いますが、では給料はどうなのか、ほかの営業と同じく稼げるのかと気になる人もいますよね。
Indeedで過去36カ月間に掲載された求人、および匿名で提供された給与額から算出した代理店営業の平均年収は、2024年4月15日時点で625万2,013円でした。国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査による日本の平均年収は458万円であるため、国民の平均よりも161万円ほど高くなっています。
ちなみに同じくIndeedによると、法人営業の平均年収は約406万円です。
また、代理店営業はほかの多くの営業職と同じように「基本給+成果に応じたインセンティブ」という給与形態になっているケースが多いです。そのため企業により差はあるものの、新規代理店の開拓や担当代理店の売り上げ向上など、頑張りによって給料を上げていけるといえます。
雇用形態に大きく左右されますが、代理店営業の中でも特に不動産(特に売買)、保険(特に外資)、医療(医薬品)の分野は年収が高くなる傾向があります。
ただしその分基本給が低く設定されているため、能力によっては稼げないといったデメリットもあるようです。
代理店営業に興味のある人の中には、年収を重視している人もいるかもしれません。こちらの記事で給料が高い仕事100選を紹介しているので、併せてチェックしてみてください。
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日々の業務をイメージしよう! 代理店営業のおもな仕事内容
日々の業務をイメージしよう! 代理店営業のおもな仕事内容
- メイン業務:代理店の売り上げアップを目指す
- サブ業務:同時に自社内の業務も進める
代理店営業にまつわる基礎知識を把握できたら、具体的な業務内容も見ていきましょう。企業ごとに細かい違いはありますが、代理店営業の仕事内容は大きく5つに分けられます。
ここではその5つをメイン業務とサブ業務に分けて解説していくので、代理店営業が日々どんなことに取り組んでいるのか理解して、仕事のイメージをより明確にしましょう。
メイン業務:代理店の売り上げアップを目指す
メイン業務:代理店の売り上げアップを目指す
- 育成指導
- 経営支援
- 営業同行
代理店営業は自分の担当店舗をいくつか抱え、その店舗での自社商品の売り上げに責任を持つことになります。
この代理店の売り上げを伸ばすことがメイン業務といえますが、その中でも大きく3つの業務があります。順に解説するので、代理店営業がどんな形で代理店に働きかけているのか理解を深めましょう。
育成指導
代理店のスタッフは自社の社員ではないため、当然自分たちよりも商品やサービスに関する知識はありません。顧客に自社の商品の魅力や特徴をしっかりと説明し、それぞれのニーズに合った商品を薦めてもらうためには、代理店スタッフの教育が不可欠です。
また商品知識だけでなく、効果的な伝え方、アプローチ方法など顧客とのコミュニケーションも売り上げのためには重要です。そこで代理店営業は、スタッフに向けて商品説明や営業ロープレなどの指導もおこないます。
ほかにも代理店向けの勉強会を開いたり、スタッフの悩みや課題を聞く面談をおこなったりと、さまざまな手段で代理店スタッフの育成指導に注力しているのです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
経営支援
代理店営業は現場スタッフの教育だけでなく、店舗運営に関するアドバイスやサポートなど、代理店の経営支援も担います。
たとえば業界の最新情報や役立つデータを集めて提供したり、売り上げなどの数値から店舗の課題を分析したりなど、経営コンサルタントのような業務と捉えるとわかりやすいでしょう。
コンサルがどういう仕事かよくわからないという人は、こちらの記事がおすすめです。新卒向けの記事ですが、コンサルの仕事内容や特徴を解説しています。
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代理店にとっても、自店舗の売り上げを伸ばしていくことは非常に重要です。そのためには両者が協力していくことが不可欠であるため、代理店営業はそのパイプとして、経営目線も持った提案が求められることを認識しておきましょう。
- 代理店の経営支援にはどの程度かかわっていくのでしょうか?
主導権は代理店にあるが初期は態勢を整えるために深く介入する
結論としては、企業の方針によってさまざまです。一般的には、代理店がある程度自走できるようになるまでは密に介入し、その後は月1回程度の割合でかかわっていくことが多いようです。
ただ、代理店の業績が良いと自社にも恩恵があるため、定期的な接触頻度を多くしている企業もあります。
もちろん経営や運営に関する主導権は代理店側にありますが、自社の代理店として営業・販売してもらうために重要な部分については、事前に遵守事項として代理店側に伝えていくという形です。
営業同行
代理店の売り上げアップのため、代理店営業はときには商談に同行することもあり、これは営業同行と呼ばれます。
社員だからこそわかる詳しい商品情報を説明したり、顧客の要望を丁寧にヒアリングしたりなど、商談の満足度をより高めるために代理店スタッフとともに営業することがあるのです。
企業によっては営業同行をあまりしないこともありますが、代理店営業の重要な業務の一つといえるため、顧客と直接かかわることは絶対にないと勘違いしないよう注意しましょう。すでに営業職の経験がある人は、この業務では特にスキルを活かせるかもしれません。
サブ業務:同時に自社内の業務も進める
サブ業務:同時に自社内の業務も進める
- 新規開拓
- 顧客対応
代理店営業のメイン業務となる日々の取り組みがわかったかと思いますが、それ以外に重要な業務もあるため、併せて押さえておきましょう。
ここでは特に重要なサブ業務として、新規開拓と顧客対応の2つを解説します。代理店への働きかけの裏で何をしているかがわかると業務の全体像をさらにつかめるので、ぜひ確認してくださいね。
新規開拓
代理店を利用する企業が売り上げをさらに拡大させていくには、既存代理店の売り上げを伸ばすだけでなく、代理店契約を増やしていくことも重要です。
そのため代理店営業は担当店舗の売り上げアップだけでなく、新規開拓も担うことがよくあります。新規開拓とは、たとえばまだ契約していない代理店に電話をかけたりメールを送ったりしてアポを取り、自社商品を販売するメリットなどを伝えて、代理店契約を結ぶといった流れです。
担当店舗の成績向上だけでなく、この新規開拓も代理店営業の役割として重視する企業は多くあります。既存店舗と関係構築する能力はもちろん、こうしたゼロから切り開いていく交渉力や営業力も求められることを認識しておきましょう。
既存店舗に対する業務と新規開拓は、一概にこの割合とは言い切れませんが、7:3、6:4くらいの比率で、バランス良くアプローチする企業が多いです。
その業界が成熟産業なのか新興市場なのか、また拡大への志向性なども比率に影響します。
したがって企業が何に注力しているのか、また製品・サービスや市場の特徴を知ることで、ある程度比率を類推できるでしょう。
人間関係を構築する能力は、コツを押さえると選考でも効果的なアピールになります。こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントがポイントを解説しているので参考にしてみてください。
顧客対応
自身がスマホの契約状況を確認したいときなどを想像するとわかるかと思いますが、顧客から店舗に問い合わせのメールを送ることがありますよね。
こうした商品や契約に関する問い合わせは、代理店ではなく自社に直接届く仕組みになっている企業もあります。そのため日々のメールチェック・顧客対応も代理店営業の仕事です。
また代理店はさまざまな顧客と接する場である以上、顧客とトラブルになってしまったり、クレームの電話が来たりすることも避けられません。代理店だけでは処理しきれない場合、代理店営業が直接対応に当たることがあるため、仕事の大変なところとして覚えておきましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る代理店営業では営業に特化した専門的なスキルを高めていける
代理店営業は、営業に関する業務に特化した仕事です。
一般企業の営業では、営業に数年配属された後、まったく違う業務にかかわることもありますが、代理店営業の場合はほとんど営業にまつわる業務が中心になります。
また営業そのもの以外にも、代理店の経営についてなどさまざまな知識とスキルも必要になります。
新卒で入社すると、数年は実際に顧客を回るルート営業や、会社によっては電話でのアポイントメント営業を担当することもあるようです。
こうした仕事は向き不向きが出やすい業務内容なので、入社後にどういった仕事をするのかは、会社説明会やインターン、社員訪問などでしっかりと把握しておきましょう。
業務内容は企業によって変わる! 入社前に詳しく企業研究しよう
先述の通り、コンサルタント業務や人材育成業務もありますが、これはかなり会社に左右されると捉えましょう。私の知っている代理店営業ではこうした業務はなく、開拓業務がおもな内容となっています。
一方で別の会社では、経営コンサルタント企業の子会社として代理店営業を営む会社もあります。このように代理店営業は、入社する会社によって将来のキャリアが大きく変わる職種です。
社員訪問は「OB・OG訪問」とも呼ばれます。こちらの記事で詳しいメリットや手順を解説しているので、併せてチェックしてみてください。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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代理店営業のやりがいとは? ほかの営業と異なる3つの魅力
代理店営業のやりがいとは? ほかの営業と異なる3つの魅力
- 代理店とともに努力して喜びを共有できる
- 人材育成やマーケティングなどの経営知識も身に付く
- 飛び込みがほぼなく長期的な売り上げ対策に取り組める
ここまで読んで代理店営業の仕事内容がよく理解できたかと思います。役割だけを読むと大変そうに感じるかもしれませんが、代理店営業にはほかの営業とは異なる魅力も大いにあるため、併せて確認しておきましょう。
ここでは代理店営業の特に大きなやりがいを3つ解説します。自分が営業として働く姿を想像しながら、目を通してみてくださいね。
①代理店とともに努力して喜びを共有できる
代理店営業の一番の魅力は、何といっても代理店と一緒に目標に向かい、成果が出たときの喜びを分かち合えることでしょう。
通常の営業職では自分一人で目標を追うため、成績が伸びたとしても自分の成長を感じるだけです。しかし代理店営業は、代理店のスタッフと協力し合うことで責任範囲も広がり、そこに人を動かす難しさも加わるため、成果が出たときの喜びが大きくなるのです。
個人で黙々と取り組むよりも、チームで大きな目標に向かう方が好きだという人は、特にこの点を魅力に感じるかもしれません。
②人材育成やマーケティングなどの経営知識も身に付く
代理店営業は経営コンサルのような役割も持つと解説したように、人材育成スキルや店舗経営、マーケティングに関する知識など、営業の範囲を越えた能力が身に付くことも魅力の一つです。
どの企業も一人ひとりのパフォーマンスが上がることで利益が伸びるため、人材育成スキルを養うことはその後のキャリアにおいても大きな強みになります。マネジメントに活かすこともできるでしょう。
またマーケティングや経営に関する知識もビジネスに欠かせない貴重なスキルであり、これらが身に付けば市場価値の高い人材になれる可能性があります。
営業力や商品知識だけでなく、このような一歩踏み込んだスキルも獲得したい人は、代理店営業として成長する中でやりがいを感じられるはずです。
営業スキルだけではなく、代理店営業の仕事を通して、代理店の良い点や改善点を客観的に把握することができます。
どのような戦略を打てば良い方向に進めるのかを分析して考える、経営的な視点での能力も身に付くことは、自身のキャリアを築くうえでも非常に大きな武器となるでしょう。
③飛び込みがほぼなく長期的な売り上げ対策に取り組める
営業と聞くと「飛び込み営業は嫌だな……」と感じる人も多いものですが、代理店営業はそうした無理な営業が少ないことも魅力的なポイントです。
新規開拓も担いますが、顧客は個人ではなく企業となるため、基本的に飛び込み営業はありません。その新規開拓においても、ただ契約するのではなく関係を築いて売り上げを獲得していくことが目的であるため、数だけをこなしていく営業ではないことが特徴です。
長期的な成果を重視する分、根本的な売上施策や営業プロモーションにも取り組めます。数を追う営業より、介在価値を発揮するような営業をやりたい人はこの点もやりがいに感じられるでしょう。
ほかにも代理店営業の魅力として、契約によるインセンティブで多くの収入が得られる可能性がある点が挙げられます。
さらに営業に特化したスキルが身に付くため、フリーの営業やコンサルタントとして独立する人もいますよ。独立志向がある人にはこの点も魅力的です。
代理店営業に関する疑問にキャリアのプロが回答! 不安を解消しよう
代理店営業に関する疑問にキャリアのプロが回答! 不安を解消しよう
- 代理店営業は未経験でも稼げる?
- 代理店営業はきついって本当?
- 代理店営業のキャリアパスは?
代理店営業の魅力を解説しましたが、「自分でも稼げるかな?」「やっぱりきついのでは……」と不安な人もきっといますよね。また「仕事内容はわかったけど、5年後10年後のキャリアはどうなの?」と将来像が気になる人もいるかもしれません。
ここではそうした代理店営業に関する疑問について、日々転職や就職の支援をしてさまざまな業界事情に詳しいキャリアコンサルタントから回答をもらいました。代理店営業の実態をつかんで、不安を解消しましょう。
代理店営業は未経験でも稼げる?
代理店営業は一般的な会社員よりも年収が高めだと解説しましたが、そう聞くとハードルが高く感じますよね。代理店の売り上げを伸ばすという独特な営業スタイルのため、成果を挙げるイメージが付きにくい人も多いはずです。
そこでここでは人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきたキャリアコンサルタントの加藤さんに、「未経験でも稼げるのか」という疑問について実情を聞いてみました。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見る大事なのは経験よりも信頼性! 一緒に頑張ってもらう力が重要
結論として、代理店営業は未経験でも稼げるでしょう。経験の有無ではなく、あなたの仕事への熱意・協調性など人間性による影響が大きいからです。
どんな代理店なのかやどんな商品を扱うかも大事ですが、代理店営業では最終的に、営業担当、つまりあなたの人間性を信頼・信用してもらうことで、成果につながります。
代理店に契約を決意してもらい、あなたの会社の商品が導入されることから仕事が始まります。そして代理店と営業の二人三脚で、売り上げを作るために切磋琢磨していくのです。
相手の立場で長期的な視野を持って考えられる人が求められる
営業としての評価によるインセンティブが大きいということは、それだけ代理店と一緒に動くことによる結果が大きいということです。給与は頑張りの賜物でもあります。
こんな代理店営業で求められるのは、自分のことだけでなく相手(代理店)のことも考えて仕事に取り組む姿勢や、目先だけで物事を捉えるのではなく、将来のことも含めて、どのように動いていけば良いかを考える力です。
上記のスキルは、営業として大きな成果を挙げている人が持っている特長です。利己ではなく利他の精神を持って仕事に取り組むことで、自分一人では成し得ない業績や成果を手にすることができるでしょう。
代理店営業はきついって本当?
代理店営業とネットで調べると「きつい」「やめとけ」といったネガティブな情報が出てくることがありますよね。そうでなくても、代理店営業は普段消費者として接することがあまりない存在のため、実態がわかりにくく不安な人も多いものです。
ここではそうした人に向けて、自身も営業やコンサルタントとして活躍した経験のあるキャリアコンサルタントの高尾さんに、代理店営業の大変さなどネガティブ面の実態を聞いてみました。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る精神的にも体力的にもパワーが求められるのは事実
代理店営業はたしかに大変な面があり、きつさがまったくないわけではありません。おもな大変さとしては、以下のような点が挙げられます。
・移動が多いため、体力的・肉体的な負担が大きい
・高い目標を設定され、達成へのプレッシャーがある
・継続的な人間関係の構築が欠かせず、高いコミュニケーション能力が求められる
・顧客からの不満や問題に対処する必要がある
・同業他社との競合環境にさらされ、常に他社を超える優れた提案や営業スキルが必要
・新規開拓は既存営業と比較すると成功確率が低く、時間と労力を要する
・始業から就業後の営業処理作業まで、実質的な拘束時間が長くなりがち
大変さを乗り越える強いモチベーションがあれば魅力も大きい仕事
大変なことばかりで「やっぱりきついのでは」と思った人もいるかもしれませんが、その一方で自由度が高く、動かせる金額も大きいため、やりがいも大きい仕事であるといえます。
自身のパフォーマンスが直接的に収入につながるだけでなく、チームで働くことで大きな達成感や充実感を得られる点が代理店営業の魅力です。
きつさは確かにありますが、そこを乗り越えられる強い精神力と高いモチベーションを持てば、きっと活躍できると思います。
代理店営業のキャリアパスは?
代理店営業の特徴や魅力がわかっても、入社後のキャリアビジョンのイメージがわかないと、挑戦の二の足を踏んでしまう人も多いでしょう。
ここでは代理店営業の具体的なキャリアパスについて、キャリア講座や就職・転職相談の経験が豊富なキャリアコンサルタントの若林さんに質問しました。代理店営業としてどのようなキャリアアップを目指せるのか、参考にしましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る代理店営業のキャリアを築くうえで重要なのは知識を増やす向上心
代理店営業は、実は新卒よりも既卒や転職組が活躍しやすい業種の一つです。
なぜかというと、人と接することの多い業種は、どうしても新卒よりもある程度社会人経験のある人材の方が飲み込みが早く、企業にも重宝される傾向があるからです。
また代理店営業は、自社だけではカバーしきれない細やかなサービスを代理店にお願いすることで、自社のサービスや製品を多くの人に知ってもらえる仕事です。
そういった意味では代理店へのサポートも手厚くしなくてはならず、そのためには知識が不可欠なので、常に向上心を持って学べる人がキャリアアップしていくでしょう。
独立する人や代理店を開業する人も! 実力でキャリアアップできる仕事
友人で実際にこの仕事をしていた人がいるのですが、現在は独立して保険営業の仕事をしています。つまり、最初は代理店契約を依頼する側の仕事をしていたわけですが、今度は自分が代理店の立場になったのです。
代理店になるメリットは、やはり収入面が大きいといえます。自分が頑張った分、収入として反映されるのと、直接顧客に接して喜んでもらえる点が転職して良かったことだそうです。
代理店営業を経験して、このように自分が代理店になるケースもあれば、営業力を活かしてフリーの営業をする人もいます。
営業スキルはどこに行っても求められるものです。特に代理店営業は、その業務内容からスキルアップしやすい職種といえるでしょう。
適性をチェック! 代理店営業に向いている人・向かない人の特徴
代理店営業の実態について専門家のアドバイスから解説しましたが、ここまで読む中で自分には合わないかもしれないと感じた人や、活躍できるか不安になった人もいるかもしれません。
代理店営業に向いているかどうかをより正確に判断できるように、ここでは向いている人・向かない人の特徴をそれぞれ解説します。
もちろんこれに当てはまるからといって、確実に活躍できるわけでも、諦めた方が良いわけでもありません。あくまでもヒントとして、自分と照らし合わせてみてください。
代理店営業に向いている人の特徴
代理店営業に向いている人の特徴
- コンサルティングや経営に興味がある人
- プロを相手にして提案力や営業力を磨きたい人
まずは代理店営業に向いている人の特徴を、大きく2つに分けて紹介します。
それぞれ詳細を解説するので、自分の興味の方向性や強みと合致するか、代理店営業へのイメージと相違ないかなど確認していきましょう。
コンサルティングや経営に興味がある人
これまで解説したとおり、代理店営業では人材育成や店舗経営のサポートも重要な仕事になります。
マネジメントやマーケティングスキル、経営戦略などを積極的に勉強して身に付けていきたいという人は、ほかの代理店営業に差をつけて活躍していける可能性が高いです。
反対に、こうした経営知識やコンサルティングに興味がない人は、代理店営業として成長していくのは難しいといえます。一つの指標としてチェックしておきましょう。
- マーケティングや経営に関する知識がまったくないので、今から代理店営業を目指すなら何から勉強すべきですか?
まずは企業研究の方が大事! 余力があれば必要スキルを高めよう
たしかに代理店営業ではマーケティングや経営に関する知識も必要ですが、そこを急ぐのは的外れになるかもしれません。
前提として、応募先企業がどのような商品を扱っているのか、その商品を通して顧客にどのようなメリットや効果を与えているかを把握することが重要だからです。そのため勉強するなら、まずは応募先の企業研究をしましょう。
また営業職なので、たとえば好感度の高い話し方・聴き方など、人とのコミュニケーションに関するスキルを高める勉強をするのもおすすめです。
プロを相手にして提案力や営業力を磨きたい人
代理店営業は、代理店の店長などの経営層も相手にします。また代理店のスタッフの中には自分より業界歴の長いベテランもいるかもしれません。
つまり代理店営業は、顧客ではなく同じく売る側であるプロを相手に仕事をするということです。その中で信頼を得て自社の要望をうまく伝えていくためには、通常の営業や販売とは異なる技術が求められます。
目上に対しても怖気づかずにコミュニケーションを取っていける人、難しい営業に挑戦して提案力を磨いていきたい人などは、代理店営業に向いているといえます。
代理店営業に向かない人の特徴
代理店営業に向かない人の特徴
- 自分一人の力で成果を挙げたい人
- 人を動かすことやサポートが苦手な人
代理店営業の仕事の特徴を踏まえると、反対にどんな人が合わないか、ストレスを感じやすいかなども見えてきます。
ここでは代理店営業に向かない人の特徴を2つ解説するので、安易に挑戦して後悔しないためにも必ず確認しておきましょう。
そもそも営業職に合うかどうか不安な人は、こちらの記事がおすすめです。営業に向いていない人の16の特徴を解説しています。
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自分一人の力で成果を挙げたい人
代理店営業は代理店と一丸になって売り上げを上げることを目指します。その中ではなかなか自分一人の判断で仕事をすることができないため、自分だけの裁量で仕事を進めたい人にはもどかしく感じることもあるかもしれません。
また代理店営業は代理店まで含めたチームとしての成果を問われる仕事のため、個人で競い合うのが好きな人、誰かに頼らずに一人で頑張りたい人なども合わない可能性があります。
個人プレーで仕事を進めたい人、一人の力で成果を出したい人は、この点に特に注意が必要です。
人を動かすことやサポートが苦手な人
代理店営業は代理店スタッフの育成・指導も重要な仕事です。自分だけでは売り上げを伸ばすことはできないため、自社の利益のために代理店スタッフとうまく関係を築いて、動かしていく能力が問われます。
また単なる教育だけでなく、ときには仕事がうまくいかない悩みに寄り添ったり、面談を通して要望を聞き出したりと、同じ目線に立ってサポートしていくスキルも必要です。
そのため人に指示を出すのが苦手な人や、育てることに興味のない人は、なかなか成果を挙げられないかもしれません。人に教え、その人の成長を感じることに喜びを見いだせる人こそやりがいを得られるでしょう。
代理店営業の特徴を踏まえると、ほかにも以下のような人も向いていないと考えられます。
・移動が多い
→行動力や根気強さに欠ける人、体力・気力に自信がない人
・数字を追いかける
→数字を扱うのが苦手な人、ストレス耐性が低い人
・自由度が高い
→自己管理能力が低い人、上から目線の姿勢になりがちな人
・市況の変化に対応する必要がある
→変化を嫌う人
自身の長所・短所を冷静に見極め、向き不向きを判断することが大切です。
代理店営業を目指すなら3つのスキルを磨いてアピールしよう!
代理店営業を目指すなら3つのスキルを磨いてアピールしよう!
- 相手に寄り添って信頼関係を築く力
- 説明上手なコミュニケーション能力
- フットワーク軽く動けるバイタリティ
代理店営業に向いている人・向かない人の特徴を読んで、活躍する人物像のイメージがついたでしょうか。最後に、代理店営業に求められるスキルの中から特に重要な3つをピックアップして解説します。
ここまで読んで代理店営業に挑戦したい気持ちが高まった人は、ぜひ参考にして選考でアピールしてみてください。
また「活躍できるか不安……」という人も、このスキルを参考にして現在の仕事やアルバイトで磨いていくこともできます。自分の強みから伸ばせるものがないか考えながら目を通してみてください。
重要スキル①相手に寄り添って信頼関係を築く力
代理店営業は直接顧客に営業することができないため、代理店との関係構築が何よりも重要になります。
代理店からしても、売り上げについて丸投げの人や、上から高圧的な態度で接する人より、代理店の立場に立って一緒に売り上げを伸ばしていこうとする担当者の方が、その人のために頑張ろうと思うものです。
そのため代理店営業には、代理店スタッフから信頼されるコミュニケーション能力や、相手に要求するだけでなく寄り添って要望を聞き出せる傾聴力が求められます。聞き上手な人はこの力を磨くよう意識してみると良いかもしれません。
傾聴力のアピールにはコツがあります。こちらの記事は新卒向けですが、効果的なアピール方法を例文付きで解説しているので参考にしてみてください。
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重要スキル②説明上手なコミュニケーション能力
聞き上手であることに加えて、代理店営業では説明上手であることも役立ちます。
先述のとおり、代理店営業は代理店スタッフの育成・指導のために勉強会を設けることもあります。また商品説明も普段から頻繁にするため、相手にわかりやすい説明ができることが非常に重要です。
代理店によっては、ベテランスタッフだけでなく学生アルバイトが働いていることもあります。誰にでも理解できるよう教えるのが得意な人は、そのコミュニケーション能力をぜひ伸ばしていきましょう。
- アルバイトの接客経験は、代理店営業に必要なコミュニケーション能力としてアピールになりますか?
アピールは可能! 具体的な考え・行動・結果まで伝えよう
もちろん、接客経験はアピールになります。
アピールポイントにするなら、さらに自分がその仕事に対してどう考え、良い成果を得ようと思ったのか、そしてその考えや行動が顧客や店舗に対してどのようなポジティブな影響を与えたのかを具体的に伝えましょう。
客観的な視点を加えることで強みがより伝わりやすくなり、あなたの魅力を知ってもらえますよ。
コミュニケーション能力をアピールする際は、自分らしく言い換えるのが効果的です。こちらの記事で言い換え12選を紹介しているので参考にしてみましょう。
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重要スキル③フットワーク軽く動けるバイタリティ
コンサル的な業務があると解説したことから、代理店営業はオフィスワークが中心というイメージを抱いている人もいるかもしれませんが、フットワークの軽さや体力も重要です。
代理店営業はほとんどの場合、一つの店舗だけを受け持つわけではありません。基本的に複数の担当店舗を持ち、人によっては地域をまたいで店舗を任されることもあります。
そのため一日で複数の担当先を回ったり、ときには出張に行ったりと、アクティブに動く仕事です。ほかにも店舗のイベント企画や運営に自ら参加することもあります。このような忙しさにも負けない自信がある人は、選考でそのバイタリティを強調するのがおすすめです。
フットワーク軽く動くのが強みだという人は、そのアピール方法も併せて確認しておきましょう。こちらは新卒向けのQ&Aですが、キャリアコンサルタントがポイントをまとめています。
私なら、解説した中でも特に「相手に寄り添って信頼関係を築く力」をアピールするよう求職者に伝えます。
営業と代理店は、運命共同体のような関係でもあるため、いかに互いを信頼し、協力し合いながら業績や事業を成長させていくかが重要だからです。
決して順調なときばかりではないので、大変なときも相手に寄り添い、一緒に困難を切り抜けていく力が求められます。
営業プラスαの能力を身に付けたいなら代理店営業への就職・転職を検討しよう
代理店営業について、必ず押さえたい基礎知識から詳細な仕事内容、現場で求められる能力まで解説してきました。
代理店営業は間接的に売り上げアップに取り組むという難しさのある仕事ですが、だからこそ身に付く能力も多く、経営やコンサルに興味がある人、人に教えるのが好きな人には魅力的な仕事です。
興味を持った人は、記事で解説した代理店営業が多い業界の中から特に何をしたいか、さらに詳しく調べてみましょう。今は挑戦するのが不安な人も、求められる3つの能力を参考にスキルを磨いて、積極的に挑戦してみてくださいね。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る代理店営業は体力に加えて対人スキルや柔軟性が求められる仕事
代理店営業は企業と代理店の架け橋となる、非常に重要で魅力的な仕事です。チャレンジングな仕事ではありますが、やりがいも大きい仕事といえます。
代理店営業の魅力は、自由度が高く、自らの営業力が直接的な収入に結び付くことです。ノルマという大きなプレッシャーはあるものの、達成感や充実感も得られ、自走力と高いモチベーションがあれば、やりがいを感じて活躍できるでしょう。
一方で、体力的にきつく、移動が多いのも代理店営業の現実です。また代理店との確かな信頼関係を構築する必要があり、高いコミュニケーション能力が求められます。数字を捉える力や、変化への柔軟性も重要なスキルです。
ハードだからこそ大きく成長できる! 適性を見極めて挑戦しよう
このように、代理店営業は楽な仕事ではありませんが、その分あなた自身の可能性を広げ、あなたのキャリアに新たな展望をもたらしてくれる仕事ともいえます。自身のやる気と適性次第で、大きなキャリアアップも夢ではありません。
まずは代理店営業の実態を理解したうえで、本当にチャレンジしたいか考えてみてください。挑戦した先では、きっと新しい自分に出会えるはずです。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
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