この記事のまとめ
- SPIの確率は公式を活用することで効率的・正確に解答できる
- SPIの確率の頻出パターンを把握して入念な対策をしよう
- どうしても苦手な人向けに最低限の得点を獲得するコツも解説
就活生の多くが受検するSPIは、言語問題と非言語問題に分けられています。なかでも非言語問題の確率分野の解き方がわからず、悩みを抱える人もいるのではないでしょうか。
確率は一見複雑に見えますが、解き方や公式を覚えることで、より簡単に解答することが可能になります。
この記事では、キャリアコンサルタントの田邉さん、谷猪さん、SPI講師の中村さんと一緒に、SPIの確率の基本的な解き方や解答のコツなどを解説します。確率問題で壁に当たっている人はぜひ参考にしてください。
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SPIの確率は公式と使い方をセットで理解することで苦手克服が可能
「SPIの確率は公式を覚えたら簡単に解ける」と聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、公式を覚えるだけでは不十分です。公式を覚えただけでは、いつ、どの公式を使えば良いかわからなくなってしまいます。
そこで重要なのが、公式と使い方をセットで理解することです。
この記事では、前半でSPIの確率の基本情報や解答する際に役立つ公式を例題付きで解説します。SPIの確率を解答するにあたって基本となる情報であるため、必ず押さえておきましょう。
そして記事後半では、SPIの確率の頻出パターンや対策方法、高得点を獲得するコツなどを解説します。基本に加えてコツを押さえて、高得点獲得を狙いましょう。
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最初に押さえよう! SPIの確率の基本情報
SPIの確率は、毎年出題傾向が高い問題です。しかし、ほかの単元と比べて難易度が高いわけではありません。基本情報を押さえることが、対策する際の土台となるため、しっかり理解しておくことが大切です。
ここからは、SPIの確率の基本情報を解説します。最初に基本を押さえて、のちほど解説する公式や対策方法をスムーズに理解できるようにしておきましょう。
SPIの数学、つまり非言語問題の出題内容や対策方法は以下の記事で解説しています。確率以外にも苦手分野がある人はチェックしておきましょう。
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SPIにおける出題頻度:出題傾向は高い
SPIで確率の問題は出題頻度が高く、多くの試験で出題される重要分野の一つです。特に確率のなかでも組み合わせや確率の法則、余事象の確率などの問題が頻出であり、過去問や模擬試験でも高確率で見られます。
また、確率の出題形式には一定のパターンがあり、くじやコイン、サイコロなどの問題が特に多いです。
これらのテーマは基礎的な確率の考え方を問う問題として出題されやすいのが特徴です。そのため、まずは頻出の公式とパターンを押さえ、練習問題を繰り返し解くことが対策の鍵となります。
確率問題は頻出の問題で、7割以上が出題されるイメージがあります。SPIを2回受験すると、1回は確率が出題されるということです。
そのため、着実に解けるようになることが、高得点を獲得する一歩になります。
難易度:中学・高校数学レベル
SPIの確率問題の難易度は、中学・高校数学の範囲に収まるものがほとんどであり、高校入試レベルの問題をしっかり解く力があれば十分対応可能です。
しかし、単純な計算問題ではなく、文章の形式で出題されることが多いため、問題文の意図を素早く読み取る読解力も求められます。
また、難易度の幅が広く、基本的なくじやサイコロの問題に加え「AかつB」「Aまたは」「少なくともA」といった応用的な確率の考え方も出題されることがあります。
そのため、単に公式を暗記するだけでなく、問題のパターンごとに解き方を整理し、慣れておくことが重要です。
実例を見ながら確認! 確率を解く際に役立つ5つの公式
前述のとおり、SPIの確率は公式を活用して解答するのがおすすめです。
一から計算で確率を求めるのは時間がかかったり、計算ミスが発生したりする可能性が高くなりますが、公式を活用することで、問題文にある数字を当てはめるだけで解答できるようになるからです。
ここからは、確率を解く際に役立つ公式を5つ解説します。実際の例題をとおして公式の使い方も掲載しているので、使い方とセットで覚えておきましょう。
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①組み合わせ

組み合わせの公式は、順番を考えずに、いくつかの要素を選ぶ場合の組み合わせの数を求めるために使います。公式は以下のとおりです。
組み合わせの公式
n!/(n-r)!r!
n:全体の数
r:選ぶ数
具体的には、以下のような問題でこの組み合わせの公式を活用できます。
例題
5人のメンバーの中から、3人を選んでチームを作る場合の選び方は何通りあるか?
解き方
組み合わせの公式を使い、順番を考えずに3人を選ぶ。
5!/3!(5-3)!
=(5×4×3!)/(3!×2×1)
=(5×4)/(2×1)
=10
答え:10通り
組み合わせの問題では、順番を考えないことがポイントです。たとえば、Aさん・Bさん・Cさんを選ぶ場合、「A→B→C」も「C→B→A」も同じ組み合わせとして扱うため、並び方の違いは考慮しません。
SPIの問題では、「チームを作る」「委員を選ぶ」「賞を受ける人を決める」といった場面で組み合わせの公式を使う問題が出題されることが多いため、しっかり公式の使い方を身に付けておきましょう。
②確率の法則

確率の法則とは、確率の基本的な計算ルールであり、解答するうえで必須の知識です。確率は以下の公式で求められます。
確率の法則
確率=起きる場合の数/全体の場合の数
ある事象が発生する確率は、全体の可能性のうち、その事象が発生する場合の割合を表したものということを指します。具体的には以下のような問題で活用可能です。
例題
6面のサイコロを1回振ったとき、4以上の目が出る確率を求めよ。
解き方
サイコロの目は 1、2、3、4、5、6の6通りあります。このうち4以上(4、5、6)の目が出る場合は3通りであるため、確率は次のようになります。
4以上の目が出る場合の数/全体の数=3/6=1/2
答え:1/2(50%)
確率の法則を理解し、SPIの出題傾向に合わせて演習を積むことで、確実に得点できるようになります。
- 全体の場合の数を瞬時に把握するのが難しいです……。
基礎から理解し問題を解く頻度を高めてパターンを覚えよう
全体の場合の数を瞬時に把握するのが難しいということは、順列や組み合わせの基礎ができていないことがほとんどです。
確率は、順列・組み合わせの知識が前提となっています。よって、これらとセットで学習していく必要があります。
また、瞬時に把握することができる人とそうでない人の差は、問題を解いている量の差です。
多くの場合は似たような問題が出題されるので、繰り返し問題を解いて演習することで、自然と瞬時に判断できるようになるでしょう。
③積の法則

積の法則とは、複数の独立した事象が連続して起こる確率を求めるときに使う法則です。独立した事象とは、一方の事象がもう一方の事象に影響を与えない場合を指します。
公式は以下のようになります。
積の法則
Aが起こる確率×Bが起こる確率=AとBが同時に起こる確率
SPIでは、サイコロやくじ引きなどの問題で頻出するため、しっかりと理解しておきましょう。具体的には以下のような問題で積の法則を活用できます。
例題
6面のサイコロを2回振ったとき、1回目に4が出て、2回目に偶数が出る確率を求めよ。
解き方
①1回目に4が出る確率
サイコロの目は 1、2、3、4、5、6の6通りあり、そのうち4が出るのは1通り。
1/6
②2回目に偶数が出る確率
偶数の目は2、4、6の3通り。
3/6=1/2
③積の法則を使って計算
(1/6)×(1/2)=1/12
答え:1/12
このように、積の法則を使うことで、独立した事象が連続して起こる確率を簡単に求めることができます。
④和の法則

和の法則とは、どちらか一方の事象が起こる確率を求める際に使用する法則です。特に、互いに重ならない事象と、重なる部分がある事象の両方に適用できます。
公式は以下のとおりです。
和の法則
その事象が起こる確率をPと表現すると、
同時に起こらない場合の確率P
P(A または B)=P(A)+P(B)
重なる部分がある場合の確率P
P(A または B)=P(A)+P(B)−P(A かつ B)
この法則を理解することで、「○○または△△が起こる確率」といった問題を正しく解くことができます。具体的には以下のような問題で和の法則を活用できます。
例題
6面のサイコロを1回振ったとき、3または偶数が出る確率を求めよ。
解き方
①それぞれの確率を求める
・3が出る確率
サイコロの目は1、2、3、4、5、6 の6通りで、3は1通り。
1/6
・偶数が出る確率
偶数(2、4、6)の目は3通り。
3/6=1/2
②和の法則を適用
3と偶数(2、4、6)は重ならないので、「同時に起こらない場合」として計算
P(3 または偶数)=P(3)+P(偶数)=(1/6)+(1/2)=(1/6)+(3/6)=4/6=2/3
答え:2/3
このように、和の法則を使えばどちらかが起こる確率をシンプルに求めることができます。
積の法則と和の法則の使用場面を瞬時に見分けるには、問題文からパターンを読み取るのがポイントとなります。
複数の事象の発生が「同時に」「かつ」の場合は、事象が同時に発生するか、両方とも成立する必要があるといえるので、「積の法則」を使用してください。
一方で、「または」「いずれか」の場合は、事象がどちらか一方だけでも成立すれば良いわけなので、「和の法則」を使用します。
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⑤余事象の確率

余事象の確率とは、ある事象が起こらない確率を求める方法です。確率の合計は1(100%) になるため、起こる確率から起こらない確率を求めることができます。
公式は以下の通りです。
余事象の確率
P(A′)=1−P(A)
P(A’):Aが起こらない確率
P(A):Aが起こる確率
この法則を活用すると、複雑な問題でも計算をシンプルにできる場合が多く、SPIの確率問題では頻出の考え方です。具体的には以下のような問題で余事象の確率を活用できます。
例題
10本のくじのうち、3本が当たりくじである。このくじを1本引いたとき、ハズレを引く確率を求めよ。
解き方
①当たりを引く確率を求める
10本のうち3本が当たりの場合の当たりを引く確率
P(当たり)=3/10
②余事象の公式を適用
ハズレを引く確率は当たりではない確率であるため、公式に当てはめる
P(ハズレ)=1-P(当たり)=1-(3/10)=7/10
答え:7/10
このように、求めたい確率を直接計算するよりも、余事象の考え方を使うと簡単に求められる場合があります。特に、「少なくとも1つ以上〇〇する確率」や「〇〇しない確率」などの問題でよく活用されるため、しっかりと理解しておきましょう。
つまずきポイントを押さえよう! SPIの確率の例題と解き方
つまずきポイントを押さえよう! SPIの確率の例題と解き方
- Aが起こる確率
- AかつB
- AまたはB
- 少なくともA
SPIの確率は大きく分けて4つのパターンの問題が出題されます。問題文は一見複雑に見えますが、パターンを押さえておくことで、ある程度決まった解き方で解答することができます。
ここからはSPIの確率の解き方を例題付きで解説するので、自身がどの問題でつまずきそうかを見てみましょう。
Aが起こる確率
例題
袋のなかに赤玉5個、青玉3個、白玉2個が入っている。この中から1つ玉を取り出すとき、赤玉を引く確率を求めなさい。
解き方
使用する公式:確率の法則
①全体の場合の数
袋のなかには赤玉5個+青玉3個+白玉2個=10個あるため、全体の場合の数は10通り
②成功する場合の数
赤玉を引くという条件であり、赤玉は5個あるため、成功する場合の数は5通り。
③確率の公式を適用
確率=成功する場合の数÷全体の場合の数=5÷10=0.5
答え:50%
AかつB
例題
袋のなかに赤玉5個、青玉3個、白玉2個が入っている。この中から 2回連続で赤玉を引く確率を求めなさい。ただし、1回目に引いた玉は袋に戻さないものとする。
解き方
使用する公式:積の法則
①1回目に赤玉を引く確率
赤玉の数:5個
全体の数:10個
5/10=0.5(50%)
②2回目に赤玉を引く確率(1回目に赤玉を引いた後)
すでに1個赤玉を取ったので、赤玉は残り4個
全体の数は9個に減る
4/9=0.444(44.4%)
③積の法則を適用
1回目と2回目の確率を掛け合わせる
(5/10)×(4/9)=20/90=0.222(22.2%)
答え:22.2%
AまたはB
例題
あるクラスに男子10人、女子15人がいる。くじ引きをおこない、1人をランダムに選ぶとき、男子またはA型の生徒が選ばれる確率を求めなさい。なお、男子10人のうち4人、女子15人のうち6人がA型とする。
解き方
使用する公式:和の法則
①男子が選ばれる確率
男子の人数:10人
クラス全体の人数:25人
10/25=0.4(40%)
②A型の生徒が選ばれる確率
A型の生徒の合計:4(男子)+6(女子)=10人
10/25=0.4(40%)
③男子かつA型が選ばれる確率(A型の男子)
A型の男子の人数:4人
4/25=0.16(16%)
④和の法則を適用
(10/25)+(10/25)-(4/25)=16/25=0.64(64%)
答え:64%
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少なくともA
例題
1つのサイコロを3回投げたとき、少なくとも1回は6が出る確率を求めなさい。
解き方
使用する公式:余事象の確率
①6が1回も出ない確率を求める
サイコロは1〜6の目が出るため、6が出ない確率は5/6
これを3回繰り返すので、(5/6)×(5/6)×(5/6)= 125/216
②1から引いて、少なくとも1回6が出る確率を求める
1-{(5/6)×(5/6)×(5/6)}=1-(125/216)=91/216=0.4213(42.13%)
答え:42.13%
SPIの確率で特にしっかりと押さえておくべきパターンは「余事象」です。なぜなら、限られた時間のなかで素早く正確に解くためには必須の知識だからです。
たとえば上記の問題を例にすると、単純に解くだけならすべての場合の確率を求めれば良いので、以下の確率をそれぞれ求めて足し合わせれば答えは出ます。
・6が1回出る確率
・6が2回出る確率
・6が3回出る確率
しかしこのやり方では、3つの確率を個別で求めなければならないため、手間と時間がかかります。
そこで余事象の考え方を用いることで、1回の計算で答えを導き出せるわけなので、純粋に計算が早く済みます。余事象の考え方が使える場面は積極的に使用していきましょう。
わかると簡単! SPIの確率で押さえておきたい頻出の5パターン
SPIの確率は解き方だけでなく、問題文にもパターンがあります。解き方に加えて問題文のパターンも押さえておくことで、本番で焦らず解答できる可能性が高まります。
ここからは、SPIの確率で頻出の5パターンを解説するので、本番で焦らず解答し、確実に得点を得るためにもチェックしておきましょう。
①くじ
くじの確率問題は、当たり・ハズレが明確に分かれています。そのため、確率を求める際には「全体の本数」と「当たりの本数」または「ハズレの本数」を正しく把握することが重要です。
たとえば、以下のような問題が出題されます。
くじの例題
15本のくじのうち、5本が当たりだとします。1回ずつ2回引いたとき、少なくとも1回は当たりを引く確率を求めなさい。
解説
全体の15本のうち、当たりでないものは15−5=10本
1回目に外れる確率:
10/15=2/3
2回目に外れる確率:
9/14
2回とも外れる確率:
10/15×9/14=3/7(積の法則を利用)
少なくとも1回当たりを引く確率:
1-(3/7)=4/7(余事象の法則を利用)
答え:4/7
問題文を読む際には以下の点を重点的に確認することで、ミスを防ぐことができます。
くじの問題文を読む際に意識すること
- 全体の本数に対して、当たりが何本あるかを考える
- 引いたくじを戻さない場合は分母が1ずつ減る
- くじを複数回引く場合、順番を考慮する場合は積の法則や組み合わせを使う
くじの確率問題は基本的な考え方がわかれば難しくありません。SPIの試験ではよく出題されるため、しっかり練習しておきましょう。
- くじを戻すパターンの問題を解くのに時間がかかってしまいます……。
くじを戻すパターンは全体の本数が変わらないことを意識しよう
くじを戻すパターンと戻さないパターンの練習をしていると、どちらをどのように計算すれば良いか混乱する人もいるのではないでしょうか。
そのような人は、当たりと外れ、そして全体の数を意識するとスムーズに解けます。
たとえば、10本のうち3本が当たりのくじを1回引いて戻し、もう一度引くときを考えましょう。
このとき、くじを戻すパターンでは1回目に当たりを引いたとしても、そのくじを戻すので、2回目も当たりを引く確率は「3/10」と同じになります。
このように、計算式を暗記するだけではなく、冷静に本数を考えることで間違えずに解けるようになります。
②コイン
コインには表と裏の2つの面しかなく、各面が出る確率は基本的に1/2です。この特徴を活かして問題を解くことが鍵となります。
たとえば、コインの問題では以下のようなものが出題されます。
コインの例題
コインを2回投げたとき、両方とも表が出る確率を求めなさい。
解説
1回目に表が出る確率:
1/2
2回目に表が出る確率:
1/2
両方とも表が出る確率:
1/2×1/2=1/4(積の法則を利用)
答え:1/4
なお、問題文を読む際は「コインを何回投げるか」にも注意が必要です。コインを1回投げる場合と複数回投げる場合では活用する公式が変わるからです。
各面が出る確率が1/2であることを前提にして、複数回投げるときは積の法則を活用し、「少なくとも」というキーワードが含まれる問題は余事象の確率を活用して問題を解きましょう。
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③カード
カード問題は、トランプや数字カードを用いたものが多く、特定のカードが引かれる確率や、複数回引く場合の組み合わせを考える必要があります。
なお、トランプに関する問題が出題されるときは、以下の前提を押さえておくことが必要です。
トランプ問題の前提
- マークは4種類(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)
- 1〜13の数字カードが各マークに存在する
たとえば、カードの問題では以下のようなものが出題されます。
例題
52枚のトランプから3枚引くとき、少なくとも1枚はハートのカードが出る確率を求めなさい。ただし、引いたカードは戻さないものとする。
解説
・「少なくとも1枚がハート」は、「1枚以上のハートが出る」ことを意味する。
・「1枚もハートが出ない確率」を求め、1から引く(余事象の法則を利用)。
1枚もハートが出ない確率:
52枚のトランプのうち、ハートは13枚、それ以外(スペード・ダイヤ・クラブ)は39枚。ここで3枚ともハート以外(39枚)を引く確率を求める。
(39/52)×(38/51)=37/50≒0.438
1枚以上のハートが出る確率:
1-0.438=0.562
答え:約56.2%
基本的には「52枚中、何枚あるか。そのカードが出る確率はどれくらいか。」という問題が出題されます。問題を解く際、「少なくとも」という表現があれば余事象の法則を活用、複数回引く場合は積の法則を活用するなどを意識しましょう。
トランプ以外のカードの問題としては、UNOや花札などが出題されることがあります。
また応用パターンとしては、組み合わせや順列の計算、事象の和の法則、複雑な条件付き確率、二項分布や超幾何分布の理解が必要となる問題が挙げられます。
④サイコロ
サイコロの確率は、すべての目が等しい確率で出ることを前提に計算します。たとえば、サイコロの問題では以下のようなものが出題されます。
例題
2個のサイコロを振ったとき、少なくとも1つが「4以上」の目である確率を求めなさい。
解説
「少なくとも1つが4以上」というのは、「1個または2個のサイコロが4以上の目を出す」ことを意味する。これを直接求めるよりも、「両方とも3以下の目が出る確率」を求めて、1から引いた方が計算が楽になる(余事象の法則)。
1つのサイコロが3以下(つまり1, 2, 3のどれか)の確率:
3/6
2つのサイコロがともに3以下になる確率:
3/6×3/6=9/36=0.25
求める確率:
1-0.25=0.75
答え:75%
このようなサイコロの問題を解く際は、以下の点を意識するのがコツです。
サイコロ問題の解答のコツ
- 1個のサイコロなら、1つの目が出る確率は基本的に1/6で計算する
- 2個のサイコロを振る場合はすべての組み合わせ(6×6=36通り)を考える
- 余事象の法則を活用すると簡単になることが多い
⑤色の付いた玉
色の付いた玉を使った確率問題では、袋や箱のなかに異なる色の玉が入っていて、そこからランダムに玉を取り出す場面を想定して確率を求めます。たとえば、以下のようなものが出題されます。
色の付いた玉の例題
赤玉3個、青玉4個、黄色玉3個が入った袋から2回続けて玉を取り出すとき、1回目も2回目も青玉が出る確率を求めなさい。(取り出した玉は戻さない)
解説
1回目に青玉を引く確率:
4/10=2/5
2回目に青玉を引く確率:
3/9=1/3
両方とも青玉を引く確率:
2/5×1/3=2/15
答え:2/15
基本的には組み合わせの公式が活用でき、「特定の色の玉の個数 ÷ 全体の玉の数」で確率を求めることができます。
しかし、一度取り出した玉を戻すか戻さないかで計算方法が変わります。取り出した玉を都度戻す場合は、母数である「全体の玉の数」を変えないまま計算しましょう。
また、玉を取り出す回数によって、最終的な確率を計算するために求めておくべき確率の数も変わるため問題文を入念に読むようにしましょう。
SPI対策講師が解説! 出題傾向の高いSPI確率の問題と解き方
前述のとおり、SPIの確率は頻出問題であるため、SPIを受検する可能性がある人はしっかり対策しておくことが大切です。そして、確率のなかでも特に出題傾向の高い問題があります。
そこで、SPI対策講師である中村さんに、出題傾向の高いSPIの問題とその解き方を聞いてみました。プロの意見を参考にして、より高得点を狙えるように準備を進めましょう。
アドバイザーコメント
中村 彰
プロフィールを見るSPI確率は基本問題を確実にマスターするのが高得点の鍵
大前提として、基本問題を疎かにしてはいけません。一見、難しそうな問題でも、基礎ができていれば解ける問題もたくさんあります。
たとえば、10円玉、50円玉、100円玉がそれぞれ2枚ずつ袋に入っている状況で、同時に2枚取り出したときに合計金額が150円になる確率を求める場合、面倒に思うかもしれませんが、意外と簡単に解けます。
全体の場合の数と事象が起こる数を個別で考えよう
まず、「それぞれ2枚ずつ袋に入っている」ということから、袋には全部で6枚入っていることが読み取れます。そこから2枚を取り出すわけなので、全体の場合の数は6C2=15通りです。
次に、150円になるのは「50円玉1枚、100円玉1枚」を取り出したときなので、2C1×2C1=4通りです。
よって、求める確率は4/15となります。
このように、単純にコインが5枚のような問題ではなく、10円玉や100円玉などが複数枚出てきて一見難しそうに感じる問題でも、基礎ができていれば解ける問題も多くあります。
しっかり基礎固めをして、諦めず問題に取り組んでいきましょう。
効率的に高得点を狙おう! SPIの確率の基本的な対策方法
効率的に高得点を狙おう! SPIの確率の基本的な対策方法
- 模擬試験を受検して実力試しをする
- 問題集・アプリで確率の部分を重点的に対策する
- 中学〜高校の教科書で復習する
ここまでSPIの確率の各問題に特化した解き方を解説しました。それぞれの解答方法を身に付けることは大切ですが、そのためには基本的な対策をする必要があります。対策方法が効率的でなければ、少しパターンの異なる応用問題に直面した途端に解けなくなってしまうからです。
ここからは、SPIの確率の基本的な対策方法を解説します。効率的に高得点を狙うためにも、ぜひ実践してみてください。
そもそもSPIの対策にどれくらいの時間をかけるべきかわからないと悩む人もいると思います。以下の記事ではSPIの勉強時間の目安やおすすめの勉強方法を解説しています。
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SPIの勉強時間がどれくらい必要なのか不安な人も多いはずです。この記事ではSPI対策の勉強時間の目安や、効果的な進め方をキャリアコンサルタントと解説します。おすすめの参考書も紹介するので、SPIで高得点を目指すならぜひ参考にしてください。
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模擬試験を受検して実力試しをする
SPIの確率問題を攻略するには、模擬試験を活用して本番と同じ環境で解く練習をすることが重要です。SPI対策模試などのWebサイトを活用して模擬試験を受けることで、自身の理解度や苦手分野を把握し、時間配分の感覚を養うことができます。
確率の問題は複数の公式を組み合わせて解くため、実際の問題に触れながら学びましょう。また、試験時間内に多くの問題を解く必要があるため、解く順番や計算スピードを向上させる練習が必要です。
模擬試験を繰り返すことで、本番のプレッシャーへの耐性も強化されます。まずは現状のレベルを確認し、継続的に受検して得点アップを目指しましょう。
確率対策のためにSPIの模擬試験に取り組むときは、確率の部分だけでなくほかの問題も合わせて解く方がおすすめです。
なぜなら、SPIはどの問題が出題されるかわからず、焦って解けなくなってしまうことも多いからです。
確率問題以外も含めて通しで解くことで、より本番に近い緊張感で対策ができます。
問題集・アプリで確率の部分を重点的に対策する
問題集や学習アプリを活用することで、確率の公式の理解だけでなく、実際に問題を解いて解法のパターンを身に付けることができます。
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SPIの対策についていつから始めれば良いのかわからないと悩む人もいると思います。以下の記事ではSPI対策のスケジュールや計画の立て方などを解説しています。
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SPI対策はいつから始めるべき? 計画の立て方と時期別の勉強方法
多くの就活生がSPIを受検することになりますが、いつから対策を始めたら良いかわからない人もいるでしょう。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、SPI対策をいつから始めるべきかの考え方や具体的な勉強方法を解説します。
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中学〜高校の教科書で復習する
SPIの確率問題は、中学・高校数学の基礎がベースとなっているため、教科書を活用して復習することも可能です。教科書には、基本問題から応用問題まで体系的に解説されているため、基礎固めに適しています。
特に、場合の数や順列・組み合わせ、確率の公式などの分野は、SPIの頻出問題と直結しています。
教科書で復習する際は、まずは中学数学の確率の基礎から復習し、公式の意味や基本的な考え方をしっかり押さえましょう。その後、高校数学の順列・組み合わせを学習することで、応用的な問題にも対応できるようになります。
また、教科書には例題や解説が充実しているため、問題の解法を確認しながら学習を進めることができます。学校の授業で習った内容を思い出しながら、重要なポイントを再確認しましょう。
プロが解説! 苦手な人でもSPIの確率で最低限の点数を獲得するコツ
ここまでの解答方法や対策方法を実践しても、SPIの確率に苦手意識を持つ人もいると思います。そのような人は、確率で高得点を狙わずに、最低限の得点だけを獲得して、得意分野で得点を稼ぐという方法もあります。
そこで、キャリアコンサルタントの谷猪さんに、苦手な人でもSPIの確率で最低限の点数を獲得するコツを聞いてみました。SPIの確率に苦手意識がある人は、谷猪さんの解説を読んで、最低限の得点を獲得できるよう実践してみましょう。
アドバイザーコメント
谷猪 幸司
プロフィールを見るSPIの確率は問題文の把握と公式の丸暗記が大切
SPIの確率分野で最低限の点数を獲得するための重要なコツの1つ目は、基本的な用語を理解することです。用語を適切に理解することで、問題文を読んだ際の混乱を軽減することができます。
2つ目に、確率などの公式は暗記することが重要です。公式を覚えておくことでスムーズに回答することができます。
問題パターンの把握と解答時間の効率化で点数アップを狙おう
そして3つ目は、簡単な例題をいくつか解いておくことや問題のパターンを理解しておくことです。これにより、よく出題される傾向を理解でき、点数を獲得することができます。
最後に4つ目として、正解を獲得するためには時間管理も非常に重要になります。確実にわかる問題からサクサク解いていかないと、時間のロスが生じてしまうからです。
SPIは問題の量が多いので、そのボリュームに圧倒されたり、一つの問題にこだわりすぎたりしないことが重要です。
時間管理をおこないつつ模擬試験を繰り返し解き、実践力を身に付けていけば、ある程度の点数を獲得することができます。
SPIでどのくらいの点数を取れば選考を突破できるのかと気になる人もいると思います。以下の記事ではSPIを突破できる点数について解説しています。
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SPIは何割取るべき? 高得点の見極め方やボーダーラインを解説
SPI ボーダー
SPIのボーダーを企業別に解説! 合格率をグンと上げるコツも
SPIの確率の解き方を理解して内定獲得に一歩近づこう
SPIの確率は一見複雑ですが、公式とその使い方を身に付けることで素早く解答できるようになります。ただ、公式を覚えるだけでは本番で使うことが難しいため、何度も練習問題を解いて、公式の使い方まで身に付けるようにしましょう。
この記事ではSPIの確率の問題内容や解き方、対策方法などを例題付きで解説しました。SPIの確率は毛嫌いする人が多い分野ですが、入念な対策をしてほかの就活生と差をつけて選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るSPIの確率では得意なパターンの問題の正答率を高めよう
SPIの確率問題が苦手で、必死で対策に取り組もうと思っているかもしれません。たしかに、出題パターンを押さえれば高得点が取れるので、本文で紹介したことを実践することは大切です。
とはいえ、確率問題の対策ばかりに気が取られて、ほかの対策が疎かになってしまうことには注意が必要です。SPIは回答時間が決められているため、一つの問題に時間をかけすぎないことも求められています。
つまり、得意な問題を100%確実に解けるようになることもポイントなのです。そのため、得意なパターンの問題の解答精度やスピードを上げることで、高得点が狙えることもあります。
SPI以外のほかの就活対策もバランス良く取り組むことが大切
就活対策はSPIだけではなく、自己分析や企業分析、面接練習などもあります。SPIの対策に気が取られてしまい、ほかの就活対策がおろそかになってしまうと、就活で後悔してしまう可能性もあります。
限られた就活期間で最大限の対策ができるように、何にどれぐらいの時間をかけるのかも考えて計画的に対策をしてください。
SPI対策を通じて社会人に必要な計画力というスキルを身に付け、スキルアップをとおして志望企業の内定を獲得しましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
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Akira Nakamura〇学校事務や大学講座運営などの企業にて、営業や講師、キャリア相談など幅広い業務を担当。現在はフリーランスとして、面接指導や適性検査「SPI」の講師を務める
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