この記事のまとめ
- SPIの数学問題はきちんと対策すれば怖くない
- SPIの数学で出題される問題を網羅的に理解しておこう
- 苦手意識がある人でも対策をすれば高得点を狙える
就活の適性検査として多くの人が受ける可能性のあるSPI。そのなかでも数学問題に苦手意識を感じている人もいるのではないでしょうか。特に文系の人のなかには、「どうやったら突破できるかわからない」と悩む人がいるかもしれません。
しかし、そのような人でもSPIの数学問題は正しい方法で対策することで合格を狙うことができます。
この記事では、キャリアコンサルタントの瀧本さん、板谷さん、高尾さんと一緒にSPIの数学問題の内容や対策方法を解説します。対策につまずいた場合の対処法も解説するので、苦手意識のある人はぜひ参考にしてください。
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SPIの数学問題は苦手意識があっても対策次第で高得点を狙える
冒頭のとおり、SPIでは数学問題が出題されます。中学・高校時代から数学に苦手意識を感じていて、SPI対策も諦めモードに差し掛かってしまっている人もいるのではないでしょうか。
しかし、数学に苦手意識を感じている人でも対策次第では高得点を狙える可能性は十分にあるのです。
この記事では、前半でSPIの数学問題の基本情報、出題内容を例題付きで解説します。スムーズに対策できるようにするためにも、どんな問題が出題されるのか基本を押さえておきましょう。
そして、記事後半ではSPIの数学問題の対策方法や、対策でつまずいた際の対処法などを解説します。対策時点で壁にぶつかってもそれを乗り越えられる対処法は存在するため、諦めず取り組むようにしましょう。
SPIの数学問題において、企業は学生の論理的思考力や、限られた時間のなかで冷静に問題を解答することができるストレス耐性、多角的な視点から問題解決を図ることのできる力などを見ようとしています。
数学問題の解き方のコツを押さえて、上記のような力をしっかりアピールしましょう。
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SPIの数学とは「非言語」のこと! 基本の特徴を確認しよう
SPIの数学とは「非言語」のこと! 基本の特徴を確認しよう
- 出題傾向:データを読み取る問題や計算問題など
- 問題のレベル:中学〜高校卒業レベル
- 合格ライン:6〜7割
SPIについて調べていると「言語問題と非言語問題が出題される」と解説している記事が多くあると思います。そのなかで、数学は非言語問題を指します。
ここからはそんなSPIの非言語問題の出題傾向やレベルなど基本的な特徴を解説します。対策を取り組み始める前に知っておくべき前提とも言えるため、必ずチェックしておくようにしましょう。
SPIの非言語問題については以下の記事で解説しています。数学と非言語問題は同じですが、より詳しい対策方法やコツを解説しているので参考にしてください。
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出題傾向:データを読み取る問題や計算問題など
SPIの数学では以下の問題が出題されます。
SPIの数学の出題内容
- 料金
- 代金精算
- 分割払い
- 損益
- 速度算
- 通過算
- 流水算
- 仕事算
- 特殊算
- n進法
- 推論
- 順列・組み合わせ
- 場合の数
- 割合と比
- 濃度算
- 集合
見たことがない問題が多いと感じる人もいるかもしれません。ただ、これらのほとんどは計算問題、もしくはデータを読み取る問題となります。
とはいえ、スムーズに問題を解答するためには慣れが必要なのも事実です。そのため、計算やデータの読み取りの経験があっても、改めて対策しておくことが大切といえます。
問題のレベル:中学〜高校卒業レベル
SPIの数学では、中学から高校卒業レベルの問題が出題される傾向にあります。大学で専門的に学ぶような難易度の高い問題は出題されません。中学・高校の教科書を読めば解答できるほどの比較的解きやすい問題が出題されます。
しかし、「中学レベルの問題であればぶっつけ本番でも大丈夫だろう」と安心するのはおすすめしません。出題範囲が広く、忘れてしまっている問題が出題される可能性があるため、改めて対策して問題に慣れておくことが大切なのです。
また、SPIでは制限時間も設けられているため、素早く解答する練習も必要です。素早く解答するためには練習を積み重ね、問題の傾向や時間の感覚をつかんでおく必要があります。苦手意識がある人は特に重要な行程といえるため、しっかり対策しましょう。
SPIのレベル感については以下の記事で詳しく解説しています。難しいと感じる場合の対処法や対策方法も解説しているのでチェックしてみてください。
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合格ライン:6〜7割
SPIをはじめとする適性検査の合格ラインは企業によって異なります。そのなかで、一般的に正答率が6〜7割以上は必要といわれていることは覚えておきましょう。
なお、合格ラインは業界や職種によって似た傾向が見受けられます。たとえば、金融業界やコンサルティング業界など、高い知的能力が求められる業界・職種では90%以上の正答率を求められるケースもあります。
一方で、正答率は重視していなく、あくまでも選考の判断材料の一つに過ぎないととらえている企業も存在するのです。
とはいえ、正答率が6割を下回ると「基本的な知的能力が不十分」と判断される可能性が高まるため、合格ラインを超えられるよう対策しましょう。
SPIの合格ラインについて、より詳しく把握しておきたいと考える人は以下の記事を参考にしてください。数学だけでなく、ほかの出題内容も含めてどれくらいの点数を取れば良いかを解説しています。
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研究職や数学的スキルが求められる職種の場合、一般的に数学の合格ラインが高く設定される傾向があります。これは、業務で必要とされる論理的思考力や数値分析能力を評価するためです。
一方、非数学的な職種では、数学のスコアに対する期待値が比較的低くなることがあります。
ただし、全体的な合格ラインは企業ごとの基準や募集ポジションの要件に依存するため、正確な基準は企業の公開情報や過去のデータを確認することをおすすめします。
全16種類! SPI数学の出題内容と例題
全16種類! SPI数学の出題内容と例題
SPIの数学では全部で16種類の問題が出題されます。必ずしも一回の検査ですべての問題が出題されるわけではありませんが、どの問題が出題されてもある程度解答できるようにしておかなければ、出る問題次第で合格を逃してしまうかもしれないため、網羅的に対策することが大切です。
ここからは、SPIの数学の出題内容を例題付きで解説します。また、問題の特徴別で分けて解説しているため、傾向やパターンをつかみながら読み進めていきましょう。
言語問題や英語なども含め、ほかにも例題を見ておきたいと考える人は以下の記事を参考にしてください。SPIの例題を38選掲載しています。
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満点を狙いたい基本の問題
満点を狙いたい基本の問題
- 料金精算
- 分割払い
- 損益
SPIの非言語では基本的な計算問題が多く出題されます。文章を読み、計算によって導き出された解答をいくつかの選択肢から選ぶ形式です。
これらの問題はSPIの数学のなかでも難易度は低く、確実に満点を狙いたい問題ともいえます。また、できれば解答スピードを上げて、ほかの難易度の高い問題に時間を割けるようにするのがベストです。
ここからは、満点を狙いたいSPI数学の基本問題を解説します。レベル感や出題傾向を理解しておきましょう。
①料金
料金は合計金額や割引額を計算する問題です。問題を解答する際のポイントは、どの時点で割引されているのかを見極め、割引の前後で計算式を分けることです。分けて計算することでよりシンプルな式で計算できるようになります。
料金の例題
あるレンタルオフィスの利用料は1カ月3万円が基本料金となっている。ただし、4カ月以上利用すると4カ月目以降の利用料が基本料金の15%引き、さらに10カ月目以降の利用料は基本料金の25%引きになる。12カ月利用した場合の合計利用料金はいくらか。
【選択肢】
①31.05万円 ②36万円 ③38.4万円 ④40.2万円 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
割引を求める際には以下の公式を使います。
・定価 × 割引率 = 割引される額
・定価 × (1-割引率)= 割引後の額
利用期間を以下のように分けて、それぞれの料金を計算します。
最初の3カ月(割引なし)
3万円×3カ月=9万円
4〜9カ月目(15%引き)
3万円×(1−0.15)=3万円×0.85=2.55万円
2.55万円×6カ月=15.3万円
10〜12カ月目(25%引き)
3万円×(1−0.25)=3万円×0.75=2.25万円
2.25万円×3カ月=6.75万円
合計利用料金
9万円+15.3万円+6.75万円=31.05万円
答え ①
②代金精算
代金精算は、異なる料金の商品を複数人で購入した場合に、一人当たりが使った金額の平均を算出する問題です。最初に登場人物それぞれが使用した金額を明確にすることで、平均を求められます。
代金精算の例題
X、Y、Zの3人がキャンプに行った。Xが全員分の宿泊費81,000円を支払い、Yが全員分の交通費36,000円を支払い、Zが全員分の食材費を支払った。帰ったあとで精算したところ、Yは4,000円、Zは37,000円をそれぞれXに支払うことになった。このとき1人あたりの食材費はいくらか(なお、宿泊費、交通費、食材費は3人とも同額とする)
【選択肢】
①1,000円 ②1,500円 ③2,000円 ④3,000円 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
1人あたりの食材費を x円 と設定します。
全員分の食材費は 3x円 です。
各人の負担額を計算式で表します。
1人分の負担額が等しいことから、以下の関係式が成り立ちます。
・Xの負担額 = 宿泊費 − Yからの支払い − Zからの支払い
・Yの負担額 = 交通費 + Xへの支払い
・Zの負担額 = 食材費 + Zが支払った金額
Xの負担額:宿泊費81,000円
Xが受け取ったお金 = 4,000円+37,000円=41,000円
Xの実際の負担=81,000円−41,000円=40,000円
Yの負担額:交通費36,000円
Yが支払った金額 = 4,000円
Yの実際の負担=36,000円+4,000円=40,000円
Zの負担額:食材費3x円
Zの支払い = 3x円+37,000円
Zの実際の負担=3,000+37,000円=40,000円
3x+37,000=40,000
x = 1,000円
答え ①
- 料金と代金精算にはどのような違いがあるのでしょうか? 違いがあまり見いだせません……。
料金と代金には計算の目的と計算式の適用範囲に違いがある
料金は特定のサービスや商品の対価として支払う金額を計算する問題が中心です。具体的には、割引率や時間単位の課金、複数の条件を組み合わせた計算が含まれます。
一方、代金精算は、複数人で支払った金額を公平に分担するための計算を指します。たとえば、グループでの食事代や旅行費用を分ける際、誰がいくら支払うべきかを求める問題です。
両者の違いは、対象となる計算の目的と計算式の適用範囲にあります。練習を通じて、それぞれの計算方法や考え方をしっかりと身に付けることが重要です。
③分割払い
分割払いは、ある代金を分割払いした際の総額を求める問題です。計算をする際は、分数の母数をそろえることで、求めやすくなります。
分割払いの例題
ソファーの購入時に総額の1/10を支払い、納品時に総額の2/5を、次の給料日には総額の1/4を支払った。支払い残額は総額のどれだけにあたるか。
【選択肢】
①1/4 ②7/20 ③9/20 ④1/5 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
総額を1とします。
総額が1の場合、それぞれの支払い割合を加算して、支払い残額を求めます。
購入時の支払い:1/10
納品時の支払い:2/5 = 4/10
給料日での支払い:1/4 = 2.5/10
合計支払い割合
1/10 + 4/10 + 2.5/10 = 7.5/10 = 3/4
総額の残りは、1から合計支払い割合を引いたものであるため、
1 - 3/4 = 1/4
答え ①
④損益
損益とは、原価をもとにして定価や売値を計算する問題です。まずは、原価や利益、定価などの用語の定義を理解しておくことが必須です。そのうえで、それぞれどう算出するのかを考え、順番に計算していくことが求められます。
損益の例題
ある商品を定価の2割引で売ると、300円の利益が出るように定価を設定したい。仕入れ値が1,200円の時、定価はいくらにすれば良いか。
【選択肢】
①1,500円 ②1,875円 ③2,000円 ④2,500円 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
損益の問題を解く際に覚えておくべき用語はこちらです。
原価:商品を仕入れた値段
利益:単純な売り上げ
定価:原価に利益を上乗せした金額
次に条件にもとづいて式を立てていきます。
・定価の2割引で売る → 売値は定価の80%(0.8X)
・利益は売値から仕入れ値を引いたものであるため、0.8X−1,200=300
次に方程式を作成して解きます。
0.8X=1,200+300
X=1,875
答え ②
計算や問題に直接出るとは限らないのですが、損益計算に必要な用語を一通り押さえておくのがおすすめです。
売り上げ、純利益、粗利益、販売管理費、原価、固定費、変動費などの用語は一通り何を指しているか確認してみましょう。
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志望度が高い企業にSPIで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
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出題のパターンをつかめば攻略可能な問題
出題のパターンをつかめば攻略可能な問題
- 速度算
- 通過算
- 流水算
- 仕事算
- 特殊算
- n進法
SPI数学のなかには、パターンをつかむことで攻略できる問題も出題されます。パターンを理解せずともその場で計算することも可能ですが、時間がかかる可能性が高いため効率的とは言えません。素早く、かつ正確に解答するためにも、対策の時点で問題の傾向をしっかり理解しておきましょう。
ここからは、出題のパターンをつかむことで攻略できる問題を解説します。一度見ただけではパターンをつかむことはできないため、何度も繰り返し練習するようにしましょう。
⑤速度算
速度算は、異なるスピードで進む2人以上の対象物が、どのくらいの時間で出会うかを求める問題です。問題のタイプには、時間差で出発した2人がどちらかに追いつく場合や、円のコースを逆方向に進んで出会う場合などがあります。
問題文から速度・距離・時間のいずれかを算出し、算出した数値をもとに計算していくのがコツです。
速度算の例題
ある犬が自宅から80m/分の速さで走り始めた。5分後、飼い主が自転車に乗って同じ道を200m/分で犬を追いかけた。飼い主が犬に追いつくのは、飼い主が自宅を出て何分後か。
【選択肢】
①2分後 ②3分後 ③4分後 ④5分後 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
まず、犬が走った距離を計算します。
犬の速さは80m/分なので、5分間で進んだ距離は80×5=400m
つまり、犬は飼い主が出発する時点で400m先にいるということです。
次に、 飼い主が犬に近づく速度を計算します。
飼い主の速さは200m/分、犬の速さは80m/分であるため、飼い主が犬に1分間で近づく距離は、200−80=120m/分
そして、犬の追いつく計算をすると、400/120 = 10/3 = 3.33分
答え ⑤
⑥通過算
通過算は、電車や車の速度や動き続けた時間を参考にして、対象物の長さを求める問題です。通過算を解答する際に大切になるのが、すべての速度の単位を同じにすることです。km/時やkm/分などが混ざってしまうと、計算が難しくなってしまいます。
通過算の例題
全長180mの列車Bが72km/時で橋を通過するのに20秒かかった。橋の全長は何mか。
【選択肢】
①220m ②240m ③420m ④360m ⑤ ①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に列車の速度を秒で合わせます。
72km/時 = 20m/秒
次に、列車が20秒で移動した距離を求めます。
20m/秒×20秒=400m
そして、橋の全長を求めましょう。
橋の長さ=移動距離−列車の長さ
橋の長さ=400m−180m=220m
答え ①
通過算や速度算の問題は、単なる計算能力ではなく、論理的思考力や問題解決能力を評価するために出題されています。
また、限られた時間内で条件を正確に理解し、効率的に答えを導くスキルは、業務におけるタスク処理に通じる重要な力です。さらに、緊張する試験であっても冷静に対応する集中力や安定したメンタルも見られています。
⑦流水算
流水算は、川の流れが特定の位置まで進むのにどのくらいの時間がかかるかを求める問題です。川上と川下などの地点によって川の流れの速さが異なる問題が多く、それぞれの地点までどのくらいの時間がかかるかや、合計の時間を求めるのがコツです。
流水算の例題
ボートBがP地点から40km上流にあるQ地点まで川を上るのに8時間かかる。Q地点からP地点まで下るのにかかる時間はどれだけか。川の流れの速さは常に3km/時とする。
【選択肢】
①3時間 ②4時間 ③4時間30分 ④5時間 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に上りの速さを計算します。
40km ÷ 8時間 = 5km/時
次に、静水時の速さを求めます。
静水時の速さ=上りの速さ+流れの速さ
静水時の速さ=5km/時+3km/時=8km/時
また、下りの速さも求めましょう。
下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ
下りの速さ=8km/時+3km/時=11km/時
そして、最後に下りにかかった時間を計算します。
40/11 = 3.64時間
これを時間と分に変換すると、3時間38分
答え ⑤
⑧仕事算
仕事算とは、一つの仕事をやるのに異なる時間がかかる2人、または2つのものが、一緒に仕事をした際にかかる時間を計算する問題です。全体の仕事量を100%とし、提示された時間内にそれぞれどのくらいの割合の仕事を進められたかを計算することで、答えを導き出せるようになります。
仕事算の例題
機械Aなら50分、機械Bなら75分かかる作業をAとBの2台でおこない、30分で作業が終わった。途中、機械Bだけが停止した時間は何分か。
【選択肢】
①6分 ②8分 ③10分 ④12分 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に機械AとBが1分間にできる作業量を求めます。
機械A:1分間に1/50
機械B:1分間に1/75
次に、機械AとBを同時に動かした場合の1分間の作業量を求めましょう。
1/50+1/75=5/150
作業が完了する状態を1としたとき、この2つの機械を両方とも動かし続けた場合にかかる作業時間は以下の通りです。
1÷5/150=30分
よって、機械Bが停止していた時間はなく、常に2台とも動き続けていたことになります。
答え ⑤
⑨特殊算
特殊算は、金額が異なる2つ以上の商品を購入した際、特定の商品の金額や購入した個数などを求める問題です。不明な数値はXと置き換え、Xを活用しながら計算式を立てることで答えを求められるようになります。
特殊算の例題
1個60円のジュースと1個90円のサンドイッチをそれぞれ何個かずつ購入したところ、代金が1,200円だった。サンドイッチを多く購入した時、ジュースは何個購入したか。
【選択肢】
①2個 ②6個 ③8個 ④10個 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
サンドイッチだけを購入したことを仮定した個数を求めます。
1,200円÷90円=13.33個
次に、サンドイッチのうちx個をジュースに交換します。
サンドイッチ1個をジュースに交換すると、差額は90−60=30円/個
x個分交換する場合の式は13個のサンドイッチ×90−x×30=1,200
x=1
そして、最後にジュースの個数を計算すると、x×1個の交換 = 2個
答え ①
特殊算を解く際のポイントは、問題の種類ごとに基本的な解法を確実に理解することです。特に「仕事算」や「旅人算」では、状況を式に落とし込む力が重要です。
まず、問題文をしっかりと読み、条件を整理して式を立てましょう。また、単位や比率に注意して計算ミスを防ぎつつ、反復練習を通じて典型的な問題パターンに慣れることがスムーズな解答につながります。
⑩n進法
n進法とは、ある数字を進法で表した際の正しい数値を選ぶ問題です。
n進法とは
数字を表す方法で、n個の記号を使って数字を表すことを指す。
10進法を指定されたnで割り切れなくなるまで割っていくことで求めることができます。
n進法の例題
10進数の45を2進数で表したときの正しい数を選べ。
【選択肢】
①101111 ②111001 ③101101 ④1011011 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
計算手順
・45 ÷ 2 = 22 あまり 1
・22 ÷ 2 = 11 あまり 0
・11 ÷ 2 = 5 あまり 1
・5 ÷ 2 = 2 あまり 1
・2 ÷ 2 = 1 あまり 0
・1 ÷ 2 = 0 あまり 1
あまりを下から読み上げると:101101
答え ③
n進法は学習指導要領の改訂により授業から削除されたり、高校数学や情報の範囲に組み込まれたりするということがおこなわれていました。
このように、中学・高校でn進法を学んでいない可能性があるため、n進法の問題自体がSPIの問題集に掲載されていることはあるものの出題される可能性は低いです。
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複雑で思考力が求められる推論系の問題
複雑で思考力が求められる推論系の問題
- 推論
- 順列・組み合わせ
- 場合の数
SPIの数学では、ただ計算するだけでなく、問題文で提示された情報を組み合わせて回答を導く問題も出題されます。問題文が複雑であるため、しっかり思考することが求められるのが特徴です。
ここからは、複雑で思考力が求められる推論系の問題を解説します。複雑ではあるものの、入念に対策することで素早く解答することが可能なため、まずはどんな問題が出題されるか見てみましょう。
⑪推論
推論とは、問題文から与えられた情報から内訳や順序などを解答する問題です。問題文自体は複雑に見えますが、複雑な計算を要することは多くありません。ただ、慣れが必要なため何回も練習することが求められます。
推論の例題
25名が多数決でX・Y・Zの3案から1つ選んだところ、投票数が多い順にX・Y・Zで、投票数が同じものはなかった。無投票がなかった時、Xの投票数はいくつか。当てはまるものをすべて選びなさい。
【選択肢】
①7票 ②8票 ③9票 ④10票 ⑤12票
解説
最初に与えられた情報を整理します。
・合計票数は 25票
・投票数が多い順に X > Y > Z
・投票数が同じものはなく、無投票もない。
次に平均投票数を求めます。
25÷3=8.33票
最多のXの投票数は平均より多い必要があるため、Xは9票以上となります。
そして、各選択肢について検証していくと以下のようになります。
・①Xが7票→平均以下のため不適。
・②Xが8票→平均以下のため不適。
・③Xが9票→Y=8票、Z=25−9−8=8票でY=Z で同数となるため不適。
・④Xが10票→Y=9票、Z=25−10−9=6票で条件X>Y>Z を満たすため適。
・⑤Xが12票→Y=9票、Z=25−12−9=4票で条件X>Y>Z を満たすため適。
答え ④⑤
SPIの推論の具体的な内容や対策方法は以下の記事で解説しています。推論に苦手意識がある人はチェックしておきましょう。
関連記事
SPIの推論が得意になる! 頻出の出題11パターンを徹底解説
SPIの推論に苦手意識のある人は多いでしょう。しかし、正しい勉強方法や解き方のコツを押さえれば、高得点を獲得し希望する企業への内定に近づけます。本記事では、SPIの推論を攻略するノウハウやよく出る問題パターンの解法例を、キャリアコンサルタントの解説とともに詳しく解説します。
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⑫順列・組み合わせ
順列・組み合わせは、あるものについて考えられる組み合わせの数を求める問題です。組み合わせの数を求める際は必ず以下のような公式を活用する必要があります。
順列と組み合わせの公式
- 順列:nPr=n! / (n−r)!
- 組み合わせ:nCr=nPr / r! = n! / r! (n−r)!
そのため、公式を覚えて本番でも使えるようにしておきましょう。
順列・組み合わせの例題
ある日、Xから2回、YとZから1回ずつメールが届いた。メールが届いた順番は何通りあるか。
【選択肢】
①12通り ②24通り ③36通り ④48通り ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
届いたメールは X, X, Y, Z の4通です。
同じXが2回あるため、重複順列の公式を使います。
n! /k!
n! :すべてのメールの順列=4! =24
k! :重複するXの順列=2! =2
計算式は以下のようになります。
4! /2! =24/2=12
答え ①
組み合わせの問題を解く際には、問題の設定や条件を正確に把握することが最も重要です。
特に順列と組み合わせの違いを理解し、それぞれの公式を状況に応じて正確に適用することが求められます。焦らず丁寧に条件を確認することが正解への近道です。
⑬場合の数
場合の数は、問題文から与えられた条件について、何通りの組み合わせが考えられるのかを算出する問題です。問題の条件を整理し、対象物それぞれの選び方を明確にすることで答えを導き出せるようになります。
場合の数の例題
X、Y、Zという3種類のケーキがある。それぞれにチョコ味とストロベリー味がある時、X、Y、Zを2個ずつ買うと、味の選び方は何通りあるか。
【選択肢】
①8通り ②12通り ③27通り ④81通り ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に問題の条件を整理します。
・Xの選び方: チョコチョコ、チョコストロベリー、ストロベリーストロベリーの3通り
・Y、Zも同じく 3通り
次に全体の組み合わせを計算します。
X、Y、Zの選び方は独立しているため、すべての選び方は3×3×3=27通り
答え ③
問いの読解力が求められる割合と比率の問題
SPIの数学では、文章問題が出題されます。多くの問題が比較的シンプルな問題文ですが、なかには読解力が求められるような問題も出題されるのです。難しく感じる人もいるかもしれませんが、複数回問題を解いて傾向をつかむことで、瞬時にどう解答すべきかが考えられるようになります。
ここからは、問いの読解力が求められる、割合と比率の問題を解説します。問題文自体は複雑なケースが多いですが、パターンに慣れておくことでスムーズに解答できるようになります。
⑭割合と比
SPIの問題のなかには、問題文で提示される条件から割合と比率を求めるものもあります。掛け算や割り算など、計算式自体はシンプルなものを使用するのが特徴です。
ただ、計算していくうちに頭のなかでどんどん複雑になっていくこともあるため、計算式を都度紙に書き出し、問題の内容を整理しながら取り組みましょう。
割合と比の例題
ある学校では徒歩通学でない生徒が全体の60%いる。そのうち自転車通学の生徒の割合は75%で180人である。この学校の全生徒数は何人か。
【選択肢】
①240人 ②300人 ③320人 ④400人 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に徒歩通学でない生徒数を求めます。
180÷0.75=240人
次に、全生徒数を求めます。
240÷0.6=400人
答え ④
⑮濃度算
濃度算とは、2つの異なる濃度の物質を混ぜた時、問題文で提示された合計の分量にするにはそれぞれどのくらい必要なのかを求める問題です。求める量をXと置き、計算式を立てることで解答できるようになります。
濃度算の例題
C、Dという2つの砂糖水の濃度は、Cが15%、Dが30%である。
Cの砂糖水の重さが300gで、砂糖の量を等しくするにはDの砂糖水の量はいくらか。
【選択肢】
①150g ②200g ③250g ④300g ⑤①〜④で当てはまるものはない
解答
最初に砂糖の重さを計算します。
砂糖水の重さ × 濃度 = 砂糖の重さ
Cの砂糖の重さ=300g×15%=300×0.15=45g
Dの砂糖水の量を Xg とすると、Dの砂糖の重さは0.3X
CとDの砂糖の量は等しいため、0.3X=45
X=150g
答え ①
図やグラフを活用する視覚的な問題
SPIの数学問題のなかには、問題文の複雑さから、グラフや図を作成して視覚的な理解を得ながら解答すべき問題も出題されます。特に集合問題は図を活用することで問題が解きやすくなるのです。
ここからは、図やグラフを活用する視覚的な問題を解説します。図を作成して解くということを知っているのと知らないのとでは、解答のスピードと正確さが変わるため、どう解答すべきかを把握しておきましょう。
⑯集合
集合とは、ある条件から指定された人の人数を導き出す問題です。ベン図という図を活用することで解答しやすくなります。
ベン図とは
複数の集合の関係や集合の範囲を視覚的に表したもの
集合の例題
生徒80人のうち、通学に徒歩だけを利用している人は50人、徒歩と自転車の両方を利用している人は10人、どちらも利用していない人は8人だった。自転車だけを利用している人は何人か。
【選択肢】
①12人 ②20人 ③30人 ④32人 ⑤①〜④で当てはまるものはない
解説
最初に問題文を整理しましょう。
・全生徒数:80人
・徒歩だけを利用している人:50人
・徒歩と自転車の両方を利用している人:10人
・どちらも利用していない人:8人
徒歩と自転車のどちらも利用している人を計算します。
80−8=72人
次に、自転車だけを利用している人を計算しましょう。
どちらかを利用−徒歩だけ−徒歩と自転
車の両方
72−50−10=12人
答え ①
集合問題以外にも、割合と比率、速度算や通過算、場合の数や組み合わせ、濃度算などで図や表を活用するのがおすすめです。
特に、情報が多い集合問題ではベン図、比率を扱う問題では線分図や棒グラフ、組み合わせや場合の数ではツリー図、速度や時間を整理する問題では道のりを図示するなどで、情報を整理しながら解答のスピードと正確さを向上させる効果があります。
5ステップで苦手意識を克服! SPIの数学問題の対策法
5ステップで苦手意識を克服! SPIの数学問題の対策法
ここまでSPIの数学問題の出題内容を解説しましたが、やはり苦手意識を感じてどう対策したら良いかわからないと悩む人もいるのではないでしょうか。
そこで大切なのが、どこがどう苦手なのかを深掘りして考えることです。この作業をしなければ「数学が苦手」という曖昧な苦手意識がある状態で頭打ちな対策をしてしまい、苦手が改善される可能性が低くなってしまいます。
ここからは、SPIの数学問題の対策方法を解説します。順に取り組んで少しずつ苦手を取り除いていきましょう。
「そもそもSPIの対策をいつから始めたら良いのだろう」と悩む人は以下の記事を参考にしてください。SPIの対策をいつから始めるべきか、また計画の立て方について解説しています。
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多くの就活生がSPIを受検することになりますが、いつから対策を始めたら良いかわからない人もいるでしょう。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、SPI対策をいつから始めるべきかの考え方や具体的な勉強方法を解説します。
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①一通り問題を解いて解けない場合は解説を見ながら練習する
SPIの数学を対策するにあたって、まずは一通り出題される問題を解いてみましょう。実際に解いてみて、各問題について以下を確認してみてください。
一通り問題を解く際に確認すべきこと
- 正解できたか(Yes or No)
- 解くのに時間がかかったか(Yes or No)
- 同じような問題をもう一度解くことができそうか(Yes or No)
上記のなかで一つでもNoが当てはまる場合は苦手意識を持っている、または解答方法を理解できていない可能性があります。確実に解答できるようになるためにも、改めて対策することが重要です。
そして、解けなかった問題は解説を見ながら練習してみましょう。無理に自己流で解答するのではなく、解答の解説部分を見て解き方を理解しながら練習するほうが効率的といえます。
②問題のパターンを理解して同じ形式を繰り返し練習する
SPIで出題される数学問題のほとんどにはパターンが存在します。特に以下の問題はパターン化されていることが多いです。
パターン化されやすい問題
- 速度算
- 通過算
- 流水算
- 仕事算
- 特殊算
- n進法
パターンを理解しておくことで、同様の形式の問題が出題されたときに効率的、かつ正確に解答することが可能です。
このようなパターンは同じ形式の問題を何度も繰り返し練習することで覚えることができます。逆を言えば、1回練習しただけでは身に付けられないものであるため、特に数学に苦手意識の感じる問題は何度も繰り返し練習するようにしましょう。
- 問題のパターンを理解するためには一般的にどのくらい繰り返し練習したほうが良いですか?
解答方法を理解したうえで実際に問題を解けるまで練習する
問題のパターンを理解するための繰り返し練習の量は個人差があります。間違えた問題の解法を最初は写しながら理解するところから始めてみるのも一つの方法です。
解答方法を思い浮かべて、実際に解答することができるようになるまで何度も繰り返し練習します。
③苦手な数学の分野を明確にして重点的に練習する
ここまで、SPIの数学問題を一通り解き、パターンの理解に努めても腹落ちしないという問題があるかもしれません。そのような問題は特に苦手な分野である可能性が高く、入念な対策が必要です。
この段階まで来たら、苦手な問題を解く回数をほかの問題よりも増やして重点的に練習しましょう。解答パターンを理解し、同様の問題を解説を見ずに解答できるまで練習することで、苦手を潰すことができます。
苦手なことに取り組み続けることになるため、楽しくない時間が続くかもしれませんが、高得点獲得を狙うためには必要な行程であるため、根気強くおこないましょう。
- 苦手が多すぎて何から手を付けて良いのかわかりません……。対策する項目の判断基準はどう決めれば良いですか?
苦手な項目ごとに優先順位を決めて取り組もう
「頻出度」→「苦手意識」→「難易度」→「時間配分」→「目標点数」を基準に、取り組む優先順位を付けましょう。
まずは、出題確率が高い速度算、通過算、割合と比率などから対策するのがおすすめです。
次に、過去に自分が最も解けなかった問題や、解くのに時間がかかった問題を優先的に克服しましょう。
さらに、難易度の高い問題に時間を割くのではなく、難易度の低い基本問題を確実に解けるようにすることで、安定した得点が狙えます。
なお、SPIの数学では制限時間があるため、スピードが求められます。時間配分も考慮して進めることで、効率的な対策が可能です。SPIにおいては、全分野を完璧にする必要はありません。
目標ラインを定め、対策するべき分野の優先順位をつけていきましょう。
④制限時間を意識した練習に取り組む
苦手分野をある程度潰し終えたら、制限時間を意識した練習も進めましょう。特定の問題を重点的に練習する場合でも、「1分以内に解答する」などの目標を決め、ストップウォッチで時間を計りながら練習します。
また、模擬試験形式で全問題を時間を計りながら通しで解答してみるのもおすすめです。SPIの非言語問題の制限時間は約35分で、問題数は約30問といわれています。つまり、一問につき約1分で解答しなければいけません。
このように、SPIは時間との勝負でもあるため、素早くかつ正確に解答できるようにしておくことも大切です。
SPIの解答時間は以下の記事で解説しています。「どのくらいの制限時間で解かなければいけないのだろう」と悩む人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。
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⑤公式は使い方とセットで覚える
SPIの数学問題には覚えておくと便利な公式がいくつか存在します。この公式は覚えておいて損はありません。
しかし、ただ公式を覚えるだけでは不十分です。公式を暗記しただけでは、然るべきタイミングでどの公式を使うべきかわからなくなり、結果的に解答スピードや正答率の向上にはつながりにくくなってしまうのです。
どのような場面で使用するかセットで覚えておくことで実践で使えるようになります。
たとえば、速度を求める問題が出題されたら「速さ=距離÷時間」を使うといったように、公式とそれを使用すべき問題を把握しておくことで、瞬時にどの公式を使うべきか判断できるようになるのです。
SPIの数学問題に役立つ公式は次章で解説します。数学が苦手な場合でも、より効率的に解答するコツを押さえて、SPI合格を現実的なものにしていきましょう。
楽に解く方法を知ろう! SPIの数学問題に役立つ公式
SPIの数学問題では以下の公式を覚えておくことで、効率的に問題を解答できるようになります。
SPIの数学問題で役立つ公式
- 損益算:利益 = 売価 – 原価
- 損益算:定価 = 原価×(1 + 利益の割合)
- 損益算:売価 = 定価×(1 – 割引率)
- 速さ:速さ=距離÷時間
- 濃度算:食塩水(g)×濃度(小数)=食塩(g)
- 濃度算:食塩水(g)/100×濃度(整数)=食塩(g)
- 順列:nPr=n! / (n−r)!
- 組み合わせ:nCr=nPr / r! = n! / r! (n−r)!
また、濃度算のように公式を理解していなければ解答できない問題も存在するため、理解しておくことがおすすめです。
しかし、前述のとおり、ただ公式を覚えるだけでは実際に問題が解けない可能性があります。実際に練習を重ねて、どのような場面で使用する公式なのかを覚えておくことで、然るべきタイミングで公式を思い出し、素早く問題が解けるようになります。
SPIの数学問題では、一次方程式や連立方程式の解き方、増加率計算の公式、割合や比の基本ルールを確実に覚えることが重要です。
また、時間・距離・速さの問題では「距離=速さ×時間」や平均速度の計算方法を理解し、確率問題では和事象(少なくとも1つの事象が起こる場合の集合)や積事象(2つの事象が同時に起こる場合の集合)、余事象(ある事象Aの補集合)の考え方を押さえておくと効果的です。
SPI数学の対策におすすめの参考書
SPIの数学問題を対策するにあたって、参考書を活用するのがおすすめです。数多くの過去問が掲載されているだけでなく、各問題の解説もあるため、網羅的かつ具体的な対策ができるようになります。
そして、SPIの数学問題の対策に特におすすめの参考書はこちらです。
書籍名 | 出版社 | おすすめな人 |
---|---|---|
これが本当のSPI3だ! | 講談社 | 数学問題をはじめ、網羅的にSPIの対策に取り組みたい人 |
7日でできる! SPI[頻出]問題集 | 高橋書店 | 本番までにあまり時間がない人 |
ひとりで学べる SPI【完全】予想問題集 | 高橋書店 | SPIの数学問題のコツを押さえて高得点を狙いたい人 |
どの参考書でも十分な対策ができますが、自身の状況と照らし合わせて、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
選ぶ問題集は1冊に絞り、何度もやり込むのがおすすめです。複数の問題集でそれぞれの項目を広く浅く対策するよりも、1冊の参考書で何度も練習することで、出題範囲を深く理解でき、網羅的に対策できます。
就活のプロが解説! SPIの数学対策につまずいたときにすべきこと
ここまで解説した対策に取り組んでも、「いまいち成果が出ている気がしない」と、つまずきを感じている人もいるかもしれません。そのような人でもSPIの数学問題の攻略が可能な対処法はあります。
ここからは、就活のプロであるキャリアコンサルタントの板谷さんに、SPIの数学対策でつまずいたときにすべきことを聞いてみました。対策段階で頭打ちを感じている人は、板谷さんのアドバイスを参考にして、実践に移してみましょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る何につまずいているのかを洗い出してから対策に取り組もう
つまずいている分野に対しては、解答を読みながら一つひとつ理解していくことが大切です。最初は解説を読みながら時間を気にせず、取り組んでみましょう。
もし、解説を読んでも理解できないようであれば、中学・高校の数学の基本に立ち戻ってみましょう。同じ分野の問題を10~15題解いて解けるようであれば、その分野を克服したと思っても問題ありません。
友人と一緒に対策を進めるのも理解を深めるおすすめの手段
つまずきながら一人で解くことにつらさや苦痛を感じたときは、友人と一緒に学ぶというのも方法の一つです。得意な部分を教えることで理解の定着を図ることもでき、友人に教えてもらうことで理解につながることもあります。
一人だと取り組むことを後回しにしたり、先延ばしにしてしまうこともありますが、友達と一緒だと「一緒に頑張ろう」という気持ちが生まれて乗り越えることができます。
諦めずに粘り強く取り組むには、どんなご褒美や楽しみを自分に与えてあげたら喜ぶのか、「この問題が解けたら、高級アイスを食べよう!」などと自分なりの楽しみを用意しながら楽しみながら取り組んでみましょう。
SPI数学は苦手分野を徹底的に潰して選考突破を目指そう
中学・高校時代から数学に苦手意識を感じていた人は、SPIの数学でも苦手意識を持つ可能性があります。ただ、この苦手を潰して選考を突破しなければ、志望企業への就職はかないません。
志望企業の内定を獲得し、理想の社会人生活を送るためにも、SPIの数学を攻略することは必要不可欠です。この記事を参考にして、SPIの数学の苦手意識を取り払い、選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る難しさの感じ方はまちまちだが対策をすれば克服可能
SPIの数学問題は中学~高校レベルの基礎的な内容が中心です。決して難易度が高いわけではなく、しっかりと対策をすれば十分に克服可能です。
しかし、学生時代から数学が苦手だった、など苦手意識がある場合、最初は挫折しやすいかもしれません。そこで重要なのは「どのように取り組むか」という計画と方法です。
最初のステップとして、まずは一通りの問題に触れてみて、「どの問題が得意で、どの問題が苦手か」を明確にしましょう。そして、苦手な分野や解けない問題に対しては、解説をしっかり読み込み、基本的な解法を理解したうえで、同じ形式の問題を繰り返し練習してみましょう。
次に、パターンを覚えることも大切です。SPIの数学には頻出パターンが存在します。たとえば、速度算、割合、濃度算などは典型的な問題が多いため、繰り返し練習することで効率的に得点力を高めることができます。
また、公式をただ暗記するだけでなく、その公式がどのような問題で使われるのかを理解しておくと、実際の試験でも即座に適用できるようになります。
制限時間を意識した対策を積んで確実に高得点を狙おう
さらに、SPIは時間制限のある試験です。すべての問題にじっくり取り組むことは難しいため、得意分野で確実に点数を取ることを意識し、苦手な問題に必要以上の時間を費やさないようにしましょう。模擬試験形式で練習し、解答スピードを高めるトレーニングも効果的です。
最後に、SPI対策は、焦らずコツコツと取り組むことが大切です。一度にすべてを完璧にしようとせず、少しずつ理解を深め、苦手を克服していくことで自信がつきます。
志望企業の選考突破を目指すための道として、あるいは皆さんが理想のキャリアを実現するための第一歩として、SPI数学をポジティブにとらえ、前向きに取り組めば、徐々に道は開けていきます。応援しています!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細