この記事のまとめ
- 秘書検定は秘書以外の仕事にも役立つ汎用性の高い資格
- 3級、可能なら2級以上あれば優れたビジネス力をアピール可能
- 秘書検定を履歴書に記載するコツや例文も解説
秘書検定は、社会人として働くうえでの基本的なビジネスマナーを身に付けられる資格です。大学生のうちに取得しておけば、いずれ必要となるコミュニケーション能力などを入社前に身に付けられます。
入社後に即戦力として活躍できることをアピールできるため、秘書検定を持っているなら積極的に履歴書へ記載しましょう。ただし、履歴書にふさわしい表現で正しく記載しなければ、かえってビジネスマナーを疑われてしまうため、注意が必要です。
この記事では、キャリアアドバイザーの平井さん、若林さん、またマナー講師で秘書検定1級を保有する樋口さんのアドバイスを交えつつ、秘書検定の実績を履歴書に書くコツを解説します。秘書以外の職種にも活用できる汎用性の高い資格なので、ぜひ有効にアピールして就活を有利に進めてください。
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秘書検定は強みになる! 履歴書での正しいアピール方法を学ぼう
秘書検定は優れたビジネススキルを持っていることの証明になるため、履歴書でアピールすると大きな強みとなります。しかし、履歴書での正しいアピール方法を理解しておかなければ、その強みを正しく伝えられません。
この記事では、秘書検定を履歴書でアピールする際の正しい書き方を解説します。間違った書き方をするとせっかくの実績がマイナスポイントとなりかねないため、しっかり習得しましょう。
その後、秘書検定を活かせる具体的な職種の例や、履歴書で秘書検定をアピールする3つのコツと例文を説明します。秘書検定を武器に就活へと活かし、志望企業への内定をつかみ取るためにも、ぜひ参考にしてください。
秘書検定では、社会人としてのビジネスマナーや会社の一員として効率的に仕事をする能力を学べます。
つまり秘書検定を持っている人は入社後の即戦力として期待できるので、ほかの学生より有利に働くことも。ぜひアピールしましょう!
履歴書の書き方の基礎については、以下の記事で詳しく解説しています。履歴書の記入に自信がない人は、まずはこちらの記事がおすすめです。
新卒用履歴書の書き方完全版|よくある失敗や受け渡しのマナーも解説
履歴書の資格欄を書く際のポイントを知りたい人は、以下の記事を確認しておいてください。
履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅
秘書検定を就活に活かす方法は、以下の記事で解説しています。
秘書検定は就職に活かせる! 取得メリットやアピール方法を徹底解説
履歴書を書く時間がない時は、「履歴書完全マニュアル」を活用しよう!
履歴書に何を書けばいいか困っていませんか?就活は限られた時間の中で準備する必要があるので、履歴書だけに時間をかけてはいけません。
そんな時は履歴書のポイントを網羅した「履歴書完全マニュアル」を参考にしましょう。この資料を見れば、選考を突破できる履歴書をすぐに書くことができます。
実際に利用できるテンプレートもついているので、書き方を参考にしながら志望企業の選考を突破しましょう。
秘書検定とは
秘書検定の基礎知識
- 主催団体:公益財団法人実務技能検定協会
- 試験日:年3回(3級・2級)、年2回(準1級・1級)
- 受検費:3,800〜7,800円(年度・級によって異なる)
秘書検定は一般常識やマナーなど、社会人としての基礎知識が問われます。学生や社会人1年目など、秘書の仕事に関わりがなくとも役に立つ資格です。
秘書検定は「1級」「準1級」「2級」「3級」が存在しますが、特に就活を控える学生にとって注目されるのは、2級と3級の資格です。
項目 | 2級 | 3級 |
---|---|---|
出題内容 | 職務知識/一般知識/マナー・接遇/技能 | 職務知識/一般知識/マナー・接遇/技能 |
合格率・難易度 | 約60%・やや難しい | 約71%・比較的易しい |
勉強時間の目安 | 20〜50時間 | 20〜50時間 |
受検時期 | 2月・6月・11月(年3回) | 6月・11月(年2回) |
秘書検定を取ることで就活にどのような影響を及ぼすのか、取得するメリットを知りたい人はこちらのQ&Aがおすすめです。
秘書検定の他にもこれからの時代に役立つ資格はたくさんあります。以下の記事ではこれからの時代に役立つ資格をまとめているので参考にしてみてください。
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これからの時代に役立つ資格には、どんな特徴があるのでしょうか。この記事では、これからの時代に役立つ資格をキャリアコンサルタントとともに解説します。10年後やAI時代に生き残る資格の特徴・選び方や注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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秘書検定は何級から履歴書に書ける?
資格は履歴書の免許・資格欄に記載することで、自身の能力のアピールになります。しかし、企業が求めるレベルに対して低すぎる資格を記載してしまうと、かえって能力が不足していると判断されて書類選考通過率が下がってしまう可能性があるため注意が必要です。
以下では、秘書検定は何級からであれば履歴書に書けるのか解説します。
3級が履歴書に書ける最低ライン
秘書検定を履歴書に書く際は、最も難易度が低い3級でも履歴書に記載して問題ありません。秘書検定3級でも十分、社会人として必要な知識を持っていることを伝えられるためです。
そもそも学生の時点で仕事を意識し秘書検定を受検・取得している人は少数派です。秘書検定の3級を取得している人は、それだけで十分企業へのアピールになるため、自信を持って履歴書に記載しましょう。
秘書検定3級は、一般常識と基本的なビジネスマナーを習得できます。
言葉遣いや名刺交換、席次など、社会人として最低限身に付けておきたいビジネスマナーを習得できることは、実務において大きな強みになります。
たとえば上司や顧客との日々のコミュニケーション、会議や面談、メールのやりとりなど、あらゆる場面で役に立つのです。
就活での書類提出や面接でも必須のスキルばかりなので、ぜひ受検することをおすすめします。
2級あれば即戦力をアピールできる
秘書検定2級は社会人も受けることの多い資格であり、取得していれば社会人として働くうえでの基礎的な知識と技能を身に付けていることを伝えられます。
2級は3級よりも実践的な知識が求められるため、学生の段階で取得し履歴書に記載すれば即戦力をアピールできるのがポイントです。
特に、将来的に秘書を目指す人にとっては大きな武器となるため、履歴書の免許・資格欄や自己PR欄に積極的に記載しましょう。
応募者が秘書検定2級を持っていると、学生から社会人になることを自分なりに考え、今からできることに取り組んでいる人だなと感じます。
さらに応募書類の書き方や問い合わせメールなどに検定で学んだ成果がうかがえれば、ぜひ会ってみたくなると思います。
自己PRが思いつかない人は
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自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
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ミスなく作ろう! 秘書検定の履歴書への正しい書き方
ミスなく作ろう! 秘書検定の履歴書への正しい書き方
- 合格証に記載の取得年月を記載する
- 秘書検定は正式名称で表記する
- 勉強中であることを自己PR欄で記載しても良い
秘書検定で習得できる知識は企業での仕事に直結するため、採用担当者の目に留まりやすいです。しかし、間違った書き方をしてしまうとマイナスイメージにつながり、書類選考通過率が下がってしまう恐れがあります。
以下では、秘書検定の履歴書への正しい書き方を説明します。ミスなく履歴書を作成し、秘書検定を活かして入社後に活躍できるという自身の強みを有効にアピールしましょう。
履歴書の資格欄を正しく書くことは、採用担当者の信頼を得ることにつながります。
たとえば正式名称で表記することで誰が見ても誤解がなくなり、応募側と採用側で資格取得に対する統一の認識ができることにつながります。
また取得した年月・正式名称を丁寧に書くことで、応募者側は努力して得た資格への達成感を思い起こすことができ、それが就活への自信にもなるでしょう。
合格証に記載の取得年月を記載する
履歴書に記載する年月は、合格証に記載されている取得年月です。間違って受検した年月を記載しないように注意しましょう。
合格証を紛失してしまった場合は、公式サイトの問い合わせページから再発行を依頼できます。
ただし再発行には手数料として500円がかかります。郵送でのやり取りとなるため、再発行し手元に届くまで一定の期間がかかることも覚えておいてください。
秘書検定は正式名称で表記する
秘書検定を履歴書のような正式書類に書く際は、正式名称での表記が求められます。
免許・資格欄に書く際の秘書検定の正式名称
文部科学省後援 秘書技能検定試験〇級 合格
秘書技能検定〇級 合格
一般的には秘書検定と呼ばれますが、正式名称は秘書技能検定です。秘書検定◯級と略称で書くとせっかくのビジネススキルを疑われる可能性があるため、注意しましょう。
- 秘書検定という表記のまま履歴書を提出してしまいました。書類選考に落ちてしまいますか?
それだけで落ちることはないが残念に思われるかも
直接合否に影響することはないですが、せっかくビジネスマナーに強いといわれる秘書検定を取得しているのに、書き方が正しくないと少し残念に思われるかもしれません。
秘書検定の資格だけでなく、履歴書は正式名称で記載するのが原則です。もし書き方に自信がなければ、ネットで調べたり誰かに聞いたりして、書き間違いのないようにしておきましょう。
勉強中であることを自己PR欄で記載しても良い
履歴書の自己PR欄は、自身の強みや価値観をアピールするための項目なので、現在進行形で取り組んでいることや今後の目標を伝えても問題ありません。
秘書検定の取得に向けて勉強中の場合は、その旨を免許・資格欄に記載するとともに、履歴書の自己PR欄でその旨をアピールしましょう。未取得であっても、社会人を意識し秘書検定の勉強をしているだけで、採用担当者に意欲や熱意は伝わります。
資格取得予定の場合の免許・資格欄への書き方
◯◯◯◯年◯◯月に◯◯資格を取得予定(取得年月は空欄)
- すでに秘書検定を取得済みです。資格欄と自己PR欄どちらにも秘書検定を書くのはありですか? それとも自己PRは内容を変えたほうが良いですか?
資格欄と自己PRは役割が異なるので両方書いても良い
どちらにも書いて大丈夫です。資格欄には取得年月と名称を正しく記載しましょう。
自己PRでは、「なぜ資格を取ろうと思ったのか」「取得のために工夫したことや苦労したこと」「取得の勉強をして自分が成長したこと」「入社したらどんなふうに資格を活かしたいか」などを書いてください。
免許・資格欄の情報は、資格を持っていることを伝えるだけです。その資格を題材にして、あなたの強みや良いところを伝えるのが自己PRです。
強みをアピール! 秘書検定を履歴書に書く3つのメリット
強みをアピール! 秘書検定を履歴書に書く3つのメリット
- 社会人に必要なマナーや知識を証明できる
- ビジネスコミュニケーション能力を評価される
- ほかの学生と差をつけられる
秘書検定は社会人としての基礎的な能力を保持していることを証明できる資格のため、採用担当者の目に留まりやすいです。
以下では、秘書検定を履歴書に書く3つのメリットを解説します。秘書検定を持っていることの強みをしっかり理解し、書類選考通過率アップや望むキャリアを実現させましょう。
メリット①社会人に必要なマナーや知識を証明できる
秘書検定で学べる内容は、社会人で必要とされるスキルに直結することが多いです。特に、社内外とのやり取りは多くの仕事で発生するため、秘書検定を持っていることは大きな強みとなります。
特に、社外の人とかかわる際は、ビジネスに適した言葉遣いや身だしなみの理解は必須です。秘書検定はこういった知識も習得できるため、履歴書に書いておくと即戦力として活躍できるという主張に納得感をもたせられます。
メリット②ビジネスコミュニケーション能力を評価される
秘書検定の内容には、実際の仕事を想定した電話応対や接客方法といったビジネスコミュニケーション能力も含まれます。学生の時点からこれらの基礎知識を持っていれば、入社後に即戦力で働けるとアピールできます。
履歴書の免許・資格欄や自己PR欄でアピールするだけでなく、秘書検定で学んだ敬語やビジネスマナーを面接でも発揮することで、志望企業への内定に一歩近づけます。
コミュニケーション能力の高さを活かして就活を有利に進めたい人は、以下の記事も参考にしてください。
コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき
自己PRで悩んでいる人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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メリット③ほかの学生と差をつけられる
履歴書などの書類選考では、いかに企業側に自分の強みを伝えるかが大切ですが、特別なアピールポイントを持っていない学生が多数です。特に、秘書検定のようなビジネスに直結する資格を持っている学生は少ないのが実情です。
そこで実務と関連性の強い秘書検定取得の実績があれば、他の学生と差をつけ内定に一歩近づけます。
採用担当者の目に留まりやすくなり、「即戦力として活躍してくれそう」と思ってもらいやすくなるため、積極的に履歴書でアピールしましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る秘書検定を持っている学生は意外にも少ない
秘書検定は1~3級までありますが、学生に特に人気があるのが2級です。就活を有利に進めたい、就職後の強みがほしいといった学生が取得するようです。
しかし意外と取得率は少なく、私の肌感とデータを総合すると、全体の5~7%くらいだと思われます。
秘書検定という名称からか女子学生の受検が多いようですが、秘書検定は女性だけの資格ではありません。男子学生でビジネスマナーを身に付けたい、会社で即戦力として活躍したいという人は、取得を検討しても良いと思います。
男子学生で秘書検定を持っている人は少ないので、面接の際の良いネタにもなり、面接官の興味を引くこともできるでしょう。
資格だけで合格することはないが選考で有利に働く
秘書検定2級は合格率が50~60%という水準のため、「秘書検定を持っているから選考に通過する」といった類の資格ではありません。
しかし何人か候補がいて並んだ場合、最終的な合否を判断するときにプラスに働くことがあります。また面接官からの質問にきちんと発言する力も身に付きます。
秘書検定は就活に必須ではありませんが、「何か資格を取得したいけれど、興味のある分野がわからない」といった人にはおすすめの資格ですよ。
要チェック! 秘書検定を履歴書に書くと有利になる職種
要チェック! 秘書検定を履歴書に書くと有利になる職種
ここまでで説明したように、秘書検定は多くの社会人に役立つスキルの証明となります。中でも、秘書や事務職といった職種は、秘書検定が有利に働きやすいです。
以下では、秘書検定を履歴書に書くと有利になる職種を解説します。秘書検定の活かし方や価値をしっかり理解し、どういった仕事に役立てたいかイメージしながら読み進めてください。
- 実際に秘書を目指す予定がなくても、秘書検定を履歴書に書いて良いのでしょうか。
書かないともったいない! 意図や学んだことを書こう
大丈夫です。「秘書検定」をとおして、基本的なビジネスマナーを習得したことを伝えましょう。
自己PRに秘書検定を取った意図、たとえば「社会人に求められるビジネスマナーを学ぶため」「自分自身の意識を切り替えるため」などと記載することもできます。
また免許・資格欄の取得年月・検定名を記載した次の行に、「社会人としての基礎的なビジネスマナーを習得できました」と追記するのもありです。書かない方がもったいないですよ。
秘書
秘書とは、上司の補佐として会議や来客対応といったスケジュールの管理などを担う仕事です。
非常に重要なポジションなので、新卒がおこなう業務としては現実的ではありません。秘書検定を取得していても、新卒からストレートに秘書の職に就くことは難しいのが実情です。
しかし、多くの企業では、他の部署での経験を積んだ後、ステップアップとして秘書のポジションへの移行を目指せる可能性があります。新卒の段階であらかじめ秘書検定を持っていると、秘書としての活躍の可能性を見込まれ内定に一歩近づけることもあります。
将来的に秘書を希望するのであれば、履歴書で秘書検定のアピールとともに秘書業務への意欲を伝えるのがおすすめです。
秘書を目指している人は以下の記事も併せて参考にしてみてください。仕事内容や向いている人の特徴をまとめています。
秘書に向いている人の特徴5選! 仕事内容や有利になる資格も解説
事務職
事務職は、書類作成や電話応対、窓口対応といったさまざまな役割を任されます。特に顧客とのコミュニケーションの質は企業イメージにもかかわる、責任ある業務です。
秘書検定では、事務職に必要とされるあらゆる知識が含まれているため、入社後に即戦力として活躍しやすいです。また、事務職は職場内でのコミュニケーションも多いため、秘書検定を通して学べる対人スキルやコミュニケーション能力も役立ちます。
事務職を希望するなら、秘書検定は履歴書で積極的にアピールしましょう。
秘書検定を活かして事務職を目指したい人は、以下の記事もチェックしておきましょう。
事務職の4つの誤解に要注意! 仕事内容・適性・選考対策を徹底解説
事務職を志望する際の自己PRのコツは、以下の記事を参考にしてください。
例文17選|事務職の自己PRで差別化するなら4要素を盛り込もう
接客
接客業は直接顧客と接するため、対応の際の態度やコミュニケーション能力が業績に大きく影響を与えるポジションです。顧客に不快感を与えてしまうと、企業全体のイメージダウンにつながってしまいます。
秘書検定ではビジネスマナーや対人スキルが学べるため、接客業に活かしやすいです。顧客から信頼される高品質な接客をするためにも、秘書検定は大きな強みになるといえます。
営業
営業は、企業の商品やサービスのアピールポイントを顧客に伝え、自社に利益をもたらす役割を果たす重要な仕事です。
自社の商品を購入してもらうためには、商品の特徴だけでなく顧客との信頼関係を構築するコミュニケーション能力が必要です。信頼関係を築くには、ビジネスに適したマナーを知っておく必要があります。
秘書検定では顧客と円滑にコミュニケーションを取るための基礎を習得できるため、営業に活かしやすいです。
ただし営業には向き不向きがあります。向いている人の特徴を詳しく知りたい人は、以下の記事を確認しておいてください。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
また、個人ではなく企業を相手とする営業のことをBtoB営業といいます。BtoB営業については以下の記事で詳しく解説しています。
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説
そのほかのあらゆる職種
秘書検定で身に付く能力は、企画、開発、製造、マーケティングなど、あらゆる職種で役立ちます。
特定の職種だけでなく、さまざまな役職や業務でも基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力は必須です。一人で完結する仕事はほとんど存在しないため、特に他者とのコミュニケーションを円滑に進めるうえで秘書検定は有利に働きます。
秘書検定はほかにも、講師やインストラクター、あるいは司会、プレゼンターなど、人前に出て話をする職業を目指す人にもおすすめです。
正しい言葉遣いでの適切な話し方、礼儀や立ち居振る舞いなど、人前に出ても恥ずかしくないスキルを身に付けることができます。
実際私も講師業をしていますが、秘書検定で学んだことが大いに役立っていますよ。
- 反対に、秘書検定を履歴書でアピールしない方が良い職種はありますか?
応募先によって見せ方を工夫すればどの職種でも問題ない
アピールしないほうが良い職種は、思いつきません。ただ「秘書」というネーミングから、「うちは秘書は募集していない」と思われる可能性があります。
そういった誤解を防ぐためには、検定で学んだ内容を少し翻訳して伝える工夫が必要です。
秘書検定では上司をサポートすることを学びますが、その内容は対上司だけでなく周囲の人へのサポートにも使えますよね。「翻訳して」というのは、たとえばそういうことです。
秘書検定の内容は、どんな職種にも必要とされることです。応募する職種をしっかり研究して、秘書検定のどんな内容が応募職種に役立つのかを伝えましょう。
秘書検定を履歴書の自己PR欄でアピールする3つのコツ
秘書検定を履歴書の自己PR欄でアピールする3つのコツ
- 取得した理由・目的を述べる
- 取得までの苦労や克服エピソードを伝える
- 希望職種と関連づける
秘書検定を履歴書でアピールする際は、免許・資格欄だけでなく、自己PR欄で触れるのも有効です。単に秘書検定を持っていることだけでなく、その背景や目指す理想の未来とリンクさせることで、自身の意欲を強く伝えられます。
以降では、秘書検定を履歴書で最大限にアピールするための3つのコツを解説します。秘書検定取得の事実を適切に伝えることで、志望企業の書類選考通過率をアップさせましょう。
コツ①取得した理由・目的を述べる
自己PR欄に資格を記載する際は、単に「取得した」という情報だけでなく、「なぜ秘書検定を取得したのか」を明確に伝えましょう。
秘書検定を取得しているという事実だけでは、そのスキルをどのように活かし活躍できるかが採用担当者に伝わらないため、志望企業の内定につなげるのは難しいです。秘書検定を取得した理由や活かし方を、自身の言葉で表現することが大切です。
秘書検定を取得した目的を伝える例文
接客業では顧客との円滑なコミュニケーション能力が求められるため、秘書検定を取得し学んだビジネススキルやマナーを活かし貴社に貢献したいです。
秘書検定を用いてどのように活躍したいのか、目的意識を持って資格取得に取り組んだことを伝えるよう心掛けてみてください。
- なんとなく就活で有利そうだったので秘書検定を取得しました。その場合は履歴書でどのようにアピールするのが良いでしょうか。
企業に合わせた内容にしよう! メールや電話対応には特に活かせる
秘書検定を取得したものの、目的が特にない人もいますよね。そんなときは企業に合わせてPRをアレンジしてみましょう。
たとえば広告代理店なら「上司や先輩と円滑にチームで活躍するために取得した」、IT企業なら「基本的なビジネスマナーを身に付けたので、顧客とのメールのやり取りも自信があります」など。
特にメールや電話対応などの基本的なコミュニケーションツールは、意外と使いこなせていない社会人が多い印象を受けます。(私が仕事をするうえで、スタッフに注意する内容ベスト3に入ります)
その点に自信があるとアピールすれば、企業側に好印象を与えられますよ。
コツ②取得までの苦労や克服エピソードを伝える
秘書検定を取得するにあたって経験してきた困難にどう立ち向かい乗り越えたのかを伝えることで、向上心や粘り強さといったプラスアルファの強みを伝えられます。
秘書検定に限らず、資格の取得は簡単なことではありません。目的に向けて努力できる人材は企業でも求められるため、ぜひ積極的に履歴書の自己PR欄に記載しましょう。
苦労や努力を伝える例文
学業とアルバイトと秘書検定の勉強を同時に実現するために、1週間ごとの学習スケジュールを立てて計画的に進めた結果、秘書検定2級を取得できました。
秘書検定を取得した際の背景や工夫を交えることで、目標達成に向けて粘り強く努力できる人材であることをアピールできます。
コツ③希望職種と関連づける
秘書検定のようなビジネス関連の資格の場合、知識やスキルをどのように業務に活かしていくのかを具体的に伝えましょう。希望職種に内定し入社した後の活躍イメージを自分の言葉で伝えられれば、即戦力となれることを採用担当者にアピールしやすくなります。
営業職に応募する際の例文
秘書検定で学んだコミュニケーションスキルやビジネスマナーを活かし、クライアントのニーズを満たせる商品を紹介し貴社に貢献したいです。
このように、希望する職種と秘書検定を関連づけることで自身の意欲や熱意が伝わりやすくなります。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る学習の効果がすでに出た場面を探してアピールしよう
上記以外にも、秘書検定を学んだことですでに効果が表れたことをアピールするのもおすすめです。以下のような例が考えられます。
①学生から社会人への違いを考えるきっかけにできた
「就活を始めるにあたって秘書検定を学んだことで、社会人の基本的なビジネスマナーを習得できた。また上司との関係をどのように作っていくのか、知識として学べた。これらの学びを通じて、学生と社会人の違いを考えるようになった」
②企業への応対に自信がもてた
「アルバイトは接客経験しかなかったので、電話のかけ方やメールの書き方、書類の書き方がわからず、就活の進め方に不安があった。
秘書検定を勉強して、電話応対やビジネス文書の書き方、メールの出し方などがわかったので、就活で企業とのやりとりに自信がもてた」
③仲間をサポートする考え方ができるようになった
「秘書検定では『上司の仕事をやりやすくするためにどうすべきか』を学んだ。誰かをサポートしてその人がやりやすいように手助けする発想はなかったので、多くの気づきがあった。
サークル活動でこの考え方を取り入れて、縁の下の力持ち的な役割を果たせるようになった」
上記は一例ですが、ほかにも効果を感じる場面があると思います。検定で身に付けたことを今からどう活かせるか、考えてみてください。
履歴書の自己PRを書くコツや例文をさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしておいてください。
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
秘書検定を履歴書の自己PR欄でアピールする例文
事務職を志望するシチュエーションを想定し、秘書検定を履歴書の自己PR欄でアピールする例文を以下に記載します。
事務職志望で秘書検定の履歴書でアピールする例文
私は大学2年生で秘書検定3級、大学3年生で秘書検定2級を取得しました。秘書検定は社会人に必要とされるビジネススキルが学べることに加え、私が志望する事務職に活かせると感じたからです。
学生の本分である勉強に加え、放課後や休日は接客のアルバイトをしていたため、秘書検定の勉強と同時におこなうことは非常に苦労しました。
そこで、忙しい中でも資格勉強の優先度を高め、余裕を持って出題範囲をカバーするために、試験日から逆算して1週間ごとの学習スケジュールを立てて計画的に取り組んだ結果、秘書検定2級を取得できました。
今思えばこの過程で得た計画性も、社会人で役立つビジネススキルの一つと思っています。
また秘書検定の中で出題されたビジネス文書の作成スキルは、入社後の事務業務の中で質の高い書類を作成する際に役立つと考えています。業務の中で必要とされるビジネスコミュニケーション能力に関しても習得しました。
これらを活かして、社内の業務を円滑に進めるだけでなく、相手にとって気持ちの良いコミュニケーションを心掛け、チーム全体の士気を高めていきたいです。
履歴書でアピールポイントを伝えるコツと例文は、以下の記事で解説しています。参考にして人事担当者の目を引く履歴書を作りましょう。
厳選例文30選! 履歴書が映えるアピールポイントの書き方のコツ
秘書検定以外で履歴書に書けるビジネス系の検定
秘書検定以外で履歴書に書けるビジネス系の検定
- ビジネス文書検定
- ビジネス実務マナー検定
- ビジネスコンプライアンス検定
秘書検定以外にも、社会人に役立つ資格は存在します。秘書検定に加えて取得し履歴書に記載すると、優れたビジネススキルを持つ人材として認められやすいです。
以下では、履歴書に書くことでビジネススキルの証明につながる秘書検定以外の検定を3つ解説します。いずれの資格も実務で使えるスキルが学べるため、積極的に挑戦・取得してみてください。
ビジネス文書検定
ビジネス文書検定の基礎知識
- 主催団体:公益財団法人 実務技能検定協会
- 試験日:年2回
- 受検費:3,800〜7,000円(級によって異なる)
ビジネス文書検定は、正確なビジネス文書を作成できる能力が身に付く検定試験です。特に秘書や事務職は文書を作成する機会が多いため、ビジネス文書検定の内容が直接活きやすいです。
ビジネス文書検定を取得して得られるスキル
- ビジネス場面に適した表記方法
- 質の高いビジネス文書の表現方法
- ビジネス文書の取り扱い方法
ビジネス文書検定の履歴書への書き方
文部科学省後援 ビジネス文書検定試験◯級 合格
ビジネス文書検定には「正確な文章」「わかりやすい文章」という検定領域があり、これは論理的思考と密接な関係があります。
正確でわかりやすい文章とは、論理的で筋道のとおった文章です。この能力を鍛えておくことは、どんな職種にも役に立ちます。
ビジネス実務マナー検定
ビジネス実務マナー検定の基礎知識
- 主催団体:公益財団法人 実務技能検定協会
- 試験日:年2回
- 受検費:3,800〜7,800円(級によって異なる)
ビジネス実務マナー検定は、ビジネスマナーや実務に関する基本的な知識を有しているかを判定する試験です。
出題範囲は幅広く、電話応対やメール対応、会議時のマナーといった実務で想定されるあらゆるビジネスシーンでの知識を問われます。
ビジネス実務マナー検定を履歴書でアピールできれば、秘書検定と同様に社会人として必要な能力が備わっていることを伝えられ、書類選考通過率アップにつながります。
ビジネス実務マナー検定を取得して得られるスキル
- ビジネス場面に適した話し方・伝え方
- 社外に対する正しい電話応対の方法
ビジネス実務マナー検定の履歴書への書き方
文部科学省後援 ビジネス実務マナー技能検定試験◯級
- 秘書検定とビジネス実務マナー検定は似ているように感じますが、どちらを取得するのが良いでしょうか。
身に付くスキルや受検時期によってどちらが良いか考えよう
一番大きな違いは、秘書検定はビジネスマナーと上司をサポートする能力を問われるのに対し、ビジネス実務マナー検定は上司だけでなく同僚や取引先といった仕事にかかわるすべての人に対しての知識やスキルなどが身に付く検定です。
また秘書検定は表情や言葉遣いなどについても問われるため、社会人としての行動指針について学ぶこともできます。
どちらが良いとは一概には言えませんが、ビジネス実務マナー検定が年に2回の受検に対し、秘書検定は年に3回受検できます。
そのため個人的には、どちらも2級を受ける場合、秘書検定の方が思い立ったときに勉強しやすく、受検までがスムーズだと思います。
ビジネスコンプライアンス検定
ビジネスコンプライアンス検定の基礎知識
- 主催団体:コンプライアンス検定委員会
- 試験日:年2回
- 受検費:5,700~8,200円(級によって異なる)
ビジネスコンプライアンス検定は、企業や社員が把握しておくべきコンプライアンスに関する基本的な知識の理解が求められます。
近年、多くの企業がコンプライアンスの重要性を強調する時代になりました。企業のルールや法律を守る姿勢を持っていることを強くアピールできると、大きな強みになります。
そこでビジネスコンプライアンス検定を取得しておけば、倫理観があり違反を起こさず誠実に行動できることを強くアピールできます。
また、学生の段階からコンプライアンスを意識している人は少ないため、ビジネスコンプライアンス検定を持っているだけでも人事担当者の目を引くと考えることもできます。
コンプライアンスとは
法令やルール、モラルを守ることであり、企業の存続に重要な要素
級によって、コンプライアンスという用語の基礎知識や、法律に関する知識が問われます。
ビジネスコンプライアンス検定を取得して得られるスキル
- 法律に対する基礎知識
- コンプライアンスの重要性の理解
- コンプライアンス経営で必要な行動・考え方
検定の履歴書への書き方
ビジネスコンプライアンス検定◯級 合格
秘書検定は秘書以外にも有効! 履歴書でアピールし就活を有利に進めよう
秘書検定は社会人として必要なスキルを証明する材料となるため、履歴書でアピールできると就活を有利に進められます。
履歴書に記載するなら即戦力を示せる2級がおすすめですが、3級でも十分なアピールにつながります。秘書検定を持っている学生は少数派のため、積極的に履歴書に記載しましょう。
また、秘書検定を履歴書に記載する際は、免許・資格欄だけでなく自己PR欄でアピールするのもおすすめです。今回解説した履歴書への秘書検定の書き方やアピール例文を参考にして、志望企業の内定をつかみ取ってください。
アドバイザーコメント
樋口 智香子
プロフィールを見る秘書検定で学ぶ知識やマナーは人生全体で力を発揮する
秘書検定で身に付けた知識は、生涯自分を助けてくれるツールになります。なぜなら、秘書検定で学んだマナーや知識は、日常生活で即活用できるものがほとんどだからです。
たとえば適切な敬語や正しい言葉遣いで話すことは、仕事だけでなく日常生活のあらゆる人付き合いに役立ちます。上司への接し方や心遣いを学ぶことは、コミュニケーション能力の向上とともに、人間関係を良くすることにつながります。
あるいは仕事の進め方や実務を学ぶことで、自分はもちろんのこと上司など周囲の人の仕事がスムーズになり、職場に貢献することが可能です。
さらにはビジネスマナーや日常生活でのマナーも習得できるので、仕事上だけでなく冠婚葬祭といった人生の大切なシーンにも大いに役立ちます。
このように秘書検定で身に付けるスキルは、日々の仕事や暮らしに密接に関係のあるものばかりなのです。
礼儀やマナーを自分のものにできるので就活でも差が付く
秘書検定の取得は、就活でも大きく差が出るでしょう。なぜなら検定では礼儀やマナーを繰り返し学習するので、本当に自分のものになるからです。
面接対策のために一時的にマナーを学ぶのとは、まったく違う結果を得られるのが秘書検定です。ぜひチャレンジしてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細マナー講師/アカデミー・なないろスタイル代表
Chikako Higuchi〇元資生堂ビューティーコンサルタント。現在は全国の企業・自治体でマナーとコミュニケーションの研修を実施。月間約1000人の新入社員に、社会人に必要なビジネスマナーを伝授
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