
この記事で得られること
- どんな人に読んでほしい?
①やりたい仕事がないと感じている人
②これから就活を始める人 - このオピニオン記事で得られること
①「やりたい仕事」を見つける方法
②本当にやりたい仕事を見つけるための考え方
③小寺さん流・「やりたい仕事」との向き合い方
本コンテンツは、PORTキャリアに参画するアドバイザーによるオピニオンコンテンツです。アドバイザー自身の一次的な実体験や、これまでの具体的な支援実績に基づいた「その人にしか語れない」独自の知見をお届けします。
※ 記事内で紹介する事例は、関係者のプライバシー保護とキャリアコンサルタントとしての守秘義務の観点から、個人が特定されないよう細心の注意を払って編集・構成しています。
インタビュー・執筆:瀧ヶ平史織(PORTキャリア編集部)
「やりたい仕事がなければ、就活はできない」
「もう就活をしなければならないのに、やりたい仕事がない……」
そのように感じて悩んでいる人へまずお伝えしたいのは、焦る必要はないということ。
大学生のキャリア支援をするなかでも同様な悩みを何度も聞いてきましたし、何よりも今ではキャリアコンサルタントとして働いている私自身が、学生の頃に同じ悩みを抱えていました。
しかし、結局のところやりたい仕事を見つけたうえで就職をしても、やりたい仕事がないまま就職をしても、結果はそう変わらないというのが持論です。
むしろ大切なのは、入社をしてからのキャリアの歩み方。
入社後のキャリアの歩み方についてすぐに知りたい人はこちらの章を参照してください▼
就活はどう進める? 「やりたい仕事がない」への2軸のアプローチ
入社後に持つべき心構えができていないと、どのような仕事をしても満足できるキャリアは歩めません。
では実際にどのような心構えを持つべきなのか。実際の就活はどのように進めていけば良いのか。これまで多くの学生を支援してきた経験や、私自身の実体験をもとにキャリアの第一歩の踏み出し方をお話します。

キャリアコンサルタントの小寺さんも抱いた「やりたい仕事がない」という悩み
小寺さんいわく、「高校生までの自分は、敷かれたレールの上を順調に歩いてきた」とのこと。キャリアについて自分自身で選択をしてこなかったこと、だからこそ将来の明確な希望を描こうと思ってもなかなかビジョンが湧かないことに、漠然とした不安を抱いていたそうです。
そこで起こした行動が、インターンへの参加。大学は理工学部で街づくりの分野を学んでおり、建設系の企業を見てみた結果「何か違う」と気づきました。この気づきこそが、悩みを打開する大きな一歩になります。
そこから教育、エンタメ分野と非常に幅広い業界を見ていき、「誰かに何かを伝え、たくさんの人に影響を与えられることがしたい」と軸を定めました。
では何を伝えていきたいのか。小寺さんは、そこで自分の最大の悩みである「キャリア」を掛け合わせたのです。自分と同じ悩みを抱える人をサポートしたい。悩む人が一人でも減れば良い。その思いから、キャリアコンサルタントの資格を取り、キャリア支援の道を進み始めました。
やりたい仕事がなくても良い。就活に向けて知っておくべき大前提
相談に来てくれる学生にも「やりたい仕事がない」と悩んでいる人は非常に多いです。そんな人へ伝えたい言葉は一つ。「それでも別に良いんじゃない?」ということ。
決して突き放しているわけではなく、必ずしも今やりたい仕事を見つけておく必要はないと思っています。
というのも、結局はやりたい仕事を見つけても見つけなくても、入社後のキャリアに大きな違いはないから。
どうしても内定を「ゴール」ととらえてしまいがちですが、それは大きな間違い。本当に大切なのは入社後です。
入社後に意思を持ってキャリアを歩もうとするか、ただ漫然と仕事をするか。それがあなたのキャリアを大きく変えます。

やりたい仕事が見つかるタイミングは人それぞれで、就活をするなかで見つかる人もいれば、なんとなく就職した先で見つける人もいますし、なかには転職先で見つかる人も。無理に就職前に見つける必要はありません。
そもそも、社会人として仕事をしたこともないのに、急にやりたい仕事を選べと言われても難しいのは当然のこと。肩肘張る必要はないのです。
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就活はどう進める? 「やりたい仕事がない」への2軸のアプローチ
では、実際に就活をどう進めていけば良いのか。2軸のやり方があると思っています。
それは、「やりたい仕事を見つけたうえで就活をする」方法と「将来的にやりたい仕事を見つけるつもりで就活をする」方法。
どちらでも、自分が現実的にできそうだと思える方法で就活を進めましょう。
やりたい仕事を見つけて就活に臨む
やりたい仕事を見つけて就活に臨む人の特徴
- 行動を起こすまでのスピード感が早い
- 就活に関する情報収集を積極的におこなえる
- 自分がやるべきことを宣言できる
学生と話をするなかで、最終的にやりたい仕事を見つけるのは、多くの場合すぐに行動を起こせるタイプ。
「じゃあこれに参加してみよう」と言った時、次の面談までに参加しておけるような、フットワークが軽い人は結果としてやりたい仕事を見つけている印象があります。なぜなら、行動量が多い分多くの情報を手に入れられるから。

就活は結局のところ情報戦で、知識を得た分だけ選択肢が広がっていきます。選択肢が多ければやりたいことが見つかりやすくなる、ということですね。
逆に、なかなか動き出せない人は自分から情報を手に入れられないもの。結果として将来的にやりたい仕事を見つける方向にシフトして就活をする人が大半です。
ちなみに、行動を起こすのはどのような形でも良いと思うのですが、照準を定めたいときは以下の流れで考えてみるのがおすすめですよ。

部活を頑張ってきたなら知識を活かせる分野、音楽が好きならエンタメ業界など、これまでの経験に結び付けられるものはたくさんあります。まず自分と向き合って、どのようなことに興味を持てるか、これまでの経験がどのような仕事に結びつくかを考えてみてください。
そして次の行動が定まったら、ぜひ「これをやるぞ!」と宣言しましょう。宣言したことは自分自身との約束。自分の行動に責任を持つための第一歩です。
宣言のもとにおこなったことであれば、結果はどうあれ納得感が持てるはず。キャリアにおいて自分が行くべき道は、心の底から納得できる道だということを心得ておきましょう。
将来的にやりたいことを見つけるつもりで就活に臨む
将来的にやりたいことを見つけるつもりで就活に臨む人の特徴
- 働くことに前向きでない
- キャリアについて考えた経験がない
- 就活そのものに苦手意識を抱いている
- 自己分析をする際にこれまでにやってきたことが浮かばない
これまで学生から話を聞くなかで、就活の間にやりたい仕事が見つからなかった人に共通するのは、「就活」というものに対して前向きでないということ。
またあくまで傾向ですが、進学も基本的には推薦で自分で選んだことがないなど、これまでキャリアについて自分の意思で選択した経験が少ない人が多いように感じますね。
あとは、自分の経歴に「目立ったところがない」と思い込んでいる人。この場合、大抵「これまでどんな経験をしてきた?」と聞いても、「何もない」「特に何もしてこなかった」というような回答になりがちです。
「何もしてこなかった」と感じる人の特徴(編集部制作)
- 部活やサークルに参加した経験がない
- アルバイトをしたことがない
- 学校の活動に精力的に参加してこなかった
とはいえ、最終的に就職先はどこかを選びたい、経歴にブランクを作りたくないという人には、「やりたくないこと・大変だと感じること」を聞いています。
やりたい仕事を見つけるのは難しくても、やりたくないことであれば答えられる人は案外多いもの。どうしてもやりたいことが見つからないなら、反対にやりたくないことから考えてみるのがおすすめです。
「やりたくないこと」の例(編集部制作)
- 肉体労働はしたくない
- 数字を使う仕事には苦手意識がある
- 人とかかわる仕事は向いていないと感じる
やりたくないことがわかれば、あとはそれをかなえられる仕事を絞り込んでいくだけ。条件に合う仕事を考えていくと、おのずといくつかの仕事に絞られていくはずです。
もちろん、その仕事を見つけるにも選択肢は知っている必要があるので、できるだけ仕事については情報収集をしておくと良いと思いますね。
まずは「仕事」にアンテナを。入社後にも生きる「やりたい」を見つける視点の持ち方
前提として、学生は仕事から遠いもの。仕事を知らないから何をしたいのかがわからなかったり、将来の希望が持てなかったりするのですよね。だからこそ、やりたい仕事を見つけるために何よりも大切なのは知ろうとすることです。
まずは、周りを見る際の「視点」を変え、日常で接する仕事にアンテナを立ててみてください。自分とは関係のないものでなく、すべてが将来の自分の選択肢となり得るものとして見てみましょう。
日常に隠れている仕事
- 教師
- スーパーの従業員
- 駅員
- ライブスタッフ
その仕事がたとえ自分の希望とは違ったとしても、「仕事」として考える意識を持ちましょう。それを続けることで、徐々に仕事が見えやすくなってきます。
目には見えなくても「これも誰かの仕事で成り立っているんだよな」「こういうことならしてみたいかも」ということが見つかるかもしれません。
反対に、「これはやりたくない」という意思を持つのも、自己分析の一つ。ただ、やりたくないで終えるのではなく必ず「なぜやりたくないのか」まで考えるのは習慣にできると良いですね。それが将来「やりたい」を見つける種になりますから。
就活は出発点。内定後のキャリアを軸に「今」の行動を見極めよう
これから社会に出る皆さんへ、どのような環境を選ぶにしても、まずは実際に仕事をしてみてどう感じ、どう考えたかに向き合ってほしいということは伝えておきたいです。
「何となく違うな」「自分に合っているな」ということを明確にするだけでも大きな収穫。これをあいまいにしたまま働き続けるのは、キャリアを停滞させます。
そのキャリアの停滞こそが、最も避けるべきこと。どんなに就活の時点でやりたいことを探しても、最終的に「何だか仕事が楽しくない」「気づいたら希望とは全然違う場所にいる……」と後悔する声を何度も聞いてきました。
そんな事態を避けるためにも、今後どう働くのか、どのように働いていきたいのかを常に自分自身に問い続けましょう。そしてその希望に向かうためにできることを一つずつこなしていくことが、何よりも大切です。
編集後記●思えば、私自身も必死にやりたい仕事を見つけようとする就活生でした。結局入社した先は「何となく良いか」と思えるような企業でしたが、今ライターとして好きな仕事ができているのは、社会人になってから今一度「本当は何がしたいだろう」と考えた瞬間があったからこそ。もっと早く考えていれば、もっと早く今の仕事に巡り合えていたのかもしれません。(瀧ヶ平)
就活の企業研究の方法を知りたい人に贈るQ&A集!
「やりたい仕事がない」と悩み、就活をしていても不安を抱えている人は多いものです。
以下の記事では実際の学生や当社で就職支援をするなかで寄せられた相談・疑問へ、プロのキャリアアドバイザーから回答をもらったQAコンテンツを掲載しています。
就活のリアルな悩みへの回答を知ることで、状況を打開できることもあるはず。悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
企業選択に悩んでいる人向け
やりたいことがなく仕事を選べません。どうやって決めるべきですか?
やりたい仕事がありません。
自分のやりたいことがわからず追い詰められています。
自己分析から「やりたいこと」は見つかりますか?
やりたい仕事が見つかりません。
やりたくない仕事への向き合い方がわかりません。
やりたいことがわからないときの仕事探しはどうしたら良いのでしょうか?
面接対策がしたい人向け
やりたいことがなく、何もアピールできません。
就活そのものに不安を抱いている人向け
社会でやりたいことがなく、就活する気力が湧きません。
やりたいことが見つからないまま就活ってできますか?
やりたいことがないまま就活を進めてしまっています。
就活を始めましたが、やりたいことがわかりません……。
就活で将来やりたいことが見つからず、困っています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi




