仕事で何がしたいかわからない人必見|未来を切り拓く1stステップ

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/ヒトノビ代表

    Tamao Koseki〇就職時は準備不足で苦労するも大手企業に入社。転職して実用書の編集者を10年経験し、独立。キャリアコンサルタント資格を取得し、現在は強みを引き出して活かす人材育成をおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

    プロフィール詳細

無職の人の中には、就職しない理由として「自分が何の仕事がしたいかわからないから応募に踏み切れない」という人が一定数います。

一方で働いている人の中にも、「この仕事が本当に自分のやりたいことなのだろうか」「今の仕事が本当にしたいことかわからないがなんとなく続けている」と、自分が何がしたいかわかっていない人は多くいます。

自分がどんな仕事をしたいのか自覚することは、人生を豊かにすることにつながります。ぜひこの機会に、自分が心から関心を持てる仕事を見つけ出しましょう。

この記事では、キャリアアドバイザーの秋田さん、小関さん、渡部さんのアドバイスを交えつつ、明確なビジョンを描いていく方法を解説します。

目次

仕事で何がしたいかわからないときこそ未来を切り拓くチャンス

日々の生活の中で、自分がしたい仕事を追究する余裕がある人は少なく、自分のキャリアについて見つめ直すことはなかなかありません。だからこそ、「自分は本当は何をしたいのだろう」と疑問を持った今こそ未来を切り拓くチャンスです。

自分が心からしたいと思える仕事に就いて、日々意欲的に仕事に取り組めば、社会人生活が豊かになることはいうまでもありません。この機会に、自分が心からしたいと思える仕事を見つけましょう。

記事ではまず、自己分析のプロともいえるキャリアコンサルタント3人から何がしたいかわからない人へ、キャリアに関する基本的な考え方や仕事探しの心構えなどをアドバイスします。

さらに記事では、自分がしたい仕事を見つける方法について、3段階に分けてわかりやすく解説。無職、在職中、転職を繰り返しているといったケースごとの対処法についても詳しく説明しています。

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キャリアの専門家と考える! 「この仕事がしたい!」と心から言えるようになる方法

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  • 秋田さん流! 何がしたいかわからない状態との向き合い方
  • 小関さん流! 仕事で何がしたいかわかるようになる方法
  • 渡部さん流! 自分が本当にしたい仕事を見極める方法

キャリアコンサルタントは、大学生やキャリアについて悩む社会人から「自分が何がしたいのかわからない」という悩みを寄せられ、ヒアリングを重ねながら一緒に答えを探すことを仕事の一つとしています。

ここでは、そんなキャリアの専門家3人から、「この仕事がしたい!」と心から言えるようになる方法を解説します。さまざまなキャリア支援の経験を踏まえたキャリアコンサルタントからのアドバイスをぜひ参考にしてくださいね。

秋田さん流! 何がしたいかわからない状態との向き合い方

自分が何がしたいかわからなくて、漠然とした焦りや不安を感じている人もいますよね。一方で、「別にこのままでもいいかな」とそこまで重く受け止めていない人もいるでしょう。

「自分が何がしたいかわからない」という現状に対して、どう向き合うのが正しいのでしょうか

ここでは、キャリアコンサルタントとして多くの人の転職やキャリアプランの相談に応じたり、産業カウンセラーとしてさまざまな業界の人たちとの面談を実施してきた秋田さんが、何がしたいかわからない状態との向き合い方を解説します。

アドバイザーコメント

常に自分と向き合う習慣を身に付けよう

「何の仕事がしたいのか」と考えたところで簡単にわかれば苦労はしません。ただ、ヒントを見つけることはできます。それが自己理解です。

自分の価値観や能力、強みを知ることで目指すべき方向性が見えてきたりします。何をやっても自分のやりたい仕事が明確にならない場合、無理に決める必要はないと私は思っています。

「今の自分に向き合うこと」、この癖を身に付けてください。そうすることで「気づき」に敏感になります。さまざまな経験をしていく中で、やりたいことを見つけていく気持ちで日々を過ごすと気持ちにもゆとりが持てると思います。

物事に能動的にかかわることでチャンスが広がる

私自身の経験ではありますが、物事に対する向き合い方は人生に大きく影響します。何の仕事がしたいのかわからない人は、仕事に対する向き合い方を変えてみてください。

斜めではなく正面から向き合いましょう。わかりやすく言うと、能動的にかかわることです。それは「行動」として表れ、いろいろなことが変化していきます。

自分が予想していない変化が起きるので、気づきも多く「自分のやりたいこと」が見えてくるチャンスが広がります。結果的に、私はやりたいことに出会えました。

小関さん流! 仕事で何がしたいかわかるようになる方法

仕事で何がしたいかわからないと言いながら、さらに心の奥深くでは「自分が意欲的になれる仕事は本当に存在するのだろうか」と疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか

「本当にしたい仕事は何か」という問いに対して、すぐに具体的な仕事を挙げられる人は多くはありませんが一定数存在するのも事実です。

ここでは、キャリアコンサルタントとしてさまざまな企業の経営者や社員を見てきた小関さんが、自身の経験談も交えながら、仕事で何がしたいかわかるようになる方法を解説します。

アドバイザーコメント

まずは全力でやってみる。その過程で意欲が湧くものを見つけよう

仕事で何がしたいのかわからないのは、ある意味当然かもしれません。世の中にはさまざまな仕事があり、まだ社会人経験が浅ければ、その知識も経験もないからです。

また、仕事に就く前に「この仕事を心からしたい」という意欲があったとしても、自分に向いているか、活躍できるかは別の話です。「自分はこの仕事は嫌だな」と思っていても、実際にやってみると、意外に向いていたり、意欲が出てくることもあります。

やってみた先で意外と意欲的になれる仕事が見つかることも

まずは、アルバイト、ボランティア、地域の仕事でもなんでも良いので、与えられた仕事を全力でやってみましょう。やってみる中で面白さや奥深さを感じられれば、その仕事に意欲が湧いてくることでしょう。

私自身も、以前「営業」の仕事は敬遠していましたが、独立起業し、営業をせざるを得なくなりました。

しかし、相手の話を聴くこと、相手の望みをかなえるための提案をすることに意外にも面白さを感じた経験があります。そんなふうに、やってみる中で意欲が湧いてくることもあるのです。

渡部さん流! 自分が本当にしたい仕事を見極める方法

「したい仕事に就いたけどやってみたら思っていたのと違った」というように、自分がしたい仕事を見極めきれなかった人もいるのではないでしょうか

「この仕事をやってみたいな」「楽しそうな仕事だな」と思える仕事が見つかっても、実際にその仕事に就いた後も魅力的に感じ続けられるとは限りません。

ここでは、3万人以上のコンサルティングの実績を持ち、多様なバックグラウンドを持った人たちのキャリア支援をおこなってきた渡部さんが、自分が本当にしたい仕事を見極める方法を解説します。

アドバイザーコメント

「したい」と「できる」が両立する仕事を探すことが重要

「したい仕事」と「できる仕事」を、それぞれ異なる時間軸で考えてみることが大切です。新しい仕事に就くときは、自分自身が圧倒的に経験不足という状況なので見極めができないこともあり得ます。

どんなにやりたい仕事でも、まず経験をしてみないと本当のことはわからないと考えておきましょう。

そして、やりたい仕事に就いても、それがずっとできない状態のままであれば、やりたい気持ちが失せてくることがあります。できるかできないかは適性もありますが、教え方や職場環境にも影響されます。

自信を持てることや達成感を得られることが仕事に対する意欲の源泉にもなるので、「やりたい」だけでなく「できる」が両立することを目指してください。意欲が持続しなければ続けられません。

したいと思えなくてもやり続けた先でしかわからないこともある

逆に、始めはそれほど関心のなかった仕事がやっていくうちにできるようになり、できるようになると面白くなるということもあります。ただそれは数年をかけて経験を積んでみて初めてわかることです。

見切りが早すぎるとそこまで感じないうちに職を転々として迷走してしまうこともあるので、短い時間軸だけでなくその仕事ができるようになったときに続けていけるかどうか、成長できるかどうかという観点も持てるようにしましょう。

そもそも仕事で何がしたいかわからないのはなぜ?

そもそも仕事で何がしたいかわからないのはなぜ?

  • 自分への理解が足りていない
  • 選択肢を狭く見積もっている
  • リスクやコストばかりを気にしている

ここからは、仕事で何がしたいのかわからない人に向けて、本当にしたいと思える仕事の見つけ方を順を追って解説していきます。

自分が何がしたいのかわからない人が多数いる一方で、「この仕事が自分が最もやりたいことだ」と捉えられている人や、「この仕事に就きたい!」と断言してその仕事に就くために努力している人もいます。

この差がどうして生まれるのかをたどれば、何がしたいのかわからない人がやるべきことが見えてきます。ここでは、仕事で何がしたいかわからない原因を解説します。まずは現状の課題を理解したうえで、適切な対処をしていきましょう。

①自分への理解が足りていない

自分のことは何から何までわかっていそうなものですが、意外なことに自己理解が不足している人は少なくありません。実際に「自分が何がしたいのかわからない」という人は、自分の価値観や志向性を他人にうまく説明できないのではないでしょうか。

自分がどんなときにやりがいを感じ、どんな環境で力を発揮できるのかを自覚すれば、「人とかかわる機会が多い」「成長を実感しやすい」というように、仕事に求める条件が挙げられるようになります。

自己理解は、本当にやりたい仕事を見つけるうえで基盤となる重要なステップです。「自分のことはわかっているつもり」という人も、「まだ自覚できていない価値観や志向性があるかもしれない」と疑って自己分析に取り組みましょう。

こちらは新卒向けの記事ですが、自己分析の方法がわかりやすく解説されているので、ぜひチェックしてくださいね。

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②選択肢を狭く見積もっている

選択肢が少ないほど、自分がしたいと思える仕事と出会える可能性は低くなってしまいます。本当にその選択肢がすべてなのか、認識していないだけでほかに自分が選べる選択肢があるのではないかと疑う姿勢が必要です。

世の中には数え切れない種類の職業が存在します。確かにスキルや経験によって、現実的に選択肢に含められない仕事もありますが、選択肢を広げていくことは適職と出会うために欠かせません

本当にしたい仕事と出会うために幅広い職業について学び、自分とのマッチ度を測り、選択肢を広げていきましょう。

幅広い仕事について知るには、以下の記事で業界や職種といった仕事の分類を学ぶことが効果的なので、ぜひチェックしてください。

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職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう

社会人経験が浅く、スキルや実績も乏しい自分に幅広い選択肢があるとは思えません。

小関 珠緒

プロフィール

想定している以上に世の中には多くの選択肢がある!

仕事というのは多岐にわたって数多くあります。キャリアコンサルタントである私自身も、いまだに「こういう仕事があるのか」と驚くことがあるくらい、世の中にはいろいろな仕事があります。

社会人経験が浅い場合、知っている職業の幅が狭いため、まずは仕事に対するアンテナを高くしましょう。

スキルや実績が必要な職業もありますが、人柄、興味、関心などが、その仕事に一致していることも大切な要素です。「自分がどんな人間なのか」を改めて棚卸ししてみましょう。

自己理解を深めた後に、友人やキャリアコンサルタントにどんな仕事が向いているかを聞いてみても良いですね。

③リスクやコストばかりを気にしている

たとえば、30代目前の普通の会社員が「医者になりたい」と思ったとして、医学部の受験に受からないリスク、授業料や在学中の生活費などのコストを気にせずにはいられません。

このように、目指す職業によってはリスクやコストが発生します。仕事と生活は切り離せない以上、気持ちだけでキャリアの目指す方向性を決めるのは難しいですよね。

ただ、リスクが大きく、多大なコストがかかるとしても、本心で「この仕事をやってみたい」と思うのであれば、その気持ちと徹底的に向き合うべきです

「リスクやコストがかからない仕事の中から自分のしたいことを見つけなければ」と思い込んでいないでしょうか。一度その縛りを解いて、自分がしたいと思っている仕事が本当にないか改めて見つめ直してみましょう。

秋田 拓也

プロフィール

リスクを恐れてチャレンジするべきか悩んでいる時点では、まだ行動を起こす段階ではないと思います。

自分の中でやりたいことのレベルがどこまで高まっているかが重要です。あらゆるリスクにもブレない確信が持てたそのときが行動を起こすチャンスです。

まずは自己理解から! したい仕事探しの軸の決め方

まずは自己理解から! したい仕事探しの軸の決め方

  • 「得意」は仕事探しで特に重視するべき
  • 「好き」は広く捉えて探してみよう
  • 「理想」はその原点まで掘り起こそう

自分がしたい仕事を明らかにするには、まず自分の価値観や志向性を自覚しなければなりません。自分がどんなことにやりがいを感じ、どんな環境で力を発揮できるのかがわかってこそ、それらを軸に適職を探せるようになります。

そのため、ここでは仕事探しの軸の決め方を解説します。仕事探しの軸は、「得意」「好き」「理想」のこの3つが鍵です。それぞれを掘り下げて、まだ自覚できていない自分の強みや価値観を見いだし、仕事探しに活かしましょう。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

「得意」は仕事探しで特に重視するべき

「得意」は、少ない努力で上手にできることと捉えてください。たとえば、初対面の人と話すこと自体は誰でもできますが、初対面であっても抵抗なく話しかけられ、コミュニケーション力を活かして会話を盛り上げられる人は多くありません。

このように、あまり努力しなくてもうまくできたことを思い出してみましょう。

たとえば、「絵を描くこと」「文章を書くこと」などは、特技として自覚している人も多いのではないでしょうか。一方で、「人の顔と名前を覚えること」「論理的に説明すること」など、普段の生活で何気なく発揮されている得意なこともあるはずです。

得意なことを仕事にすれば、少ない努力で成果を出しやすく、うまくいかずにストレスを感じる場面も少なくて済みます。また、自分の得意なことを活かして人の役に立てればやりがいを感じられるでしょう。よって、「得意」を活かせるかどうかは仕事探しで特に重視するべきなのです。

渡部 俊和

プロフィール

人を動機づける要因の一つに「自己効力感」があります。「何かができる」という自信は成長のエネルギーになります。得意なことを仕事にすることは、小さな自信を積み重ねながら順調に成長できる可能性が高いという利点があるのです。

「好き」は広く捉えて探してみよう

好きなことを仕事としても好きでいられるかどうかは、実際に働いてみなければわかりません。「得意」と比べて「好き」は変わりやすく、たとえば本が好きだったけど、本を売ったり編集する仕事は向いていなくて本が好きとはいえなくなったというケースも珍しくないのです。

とはいえ、好きだからこそ意欲的になりやすいのも事実です。そのため、対象を絞り過ぎないように、「好き」を広く捉えてみることをおすすめします

たとえば、本が好きな場合、本の何に惹かれるのかを掘り下げて考えてみましょう。「物語を作る」「文章を書く」「テキストで何かを伝える」というように、さまざまな角度から本について掘り下げられます。

本が好きだからといって、「本屋」「出版社」というように、就職先に直接関連付けるのではなく、「物語の制作にかかわる」「テキストで世の中に向けて発信する」というように動詞で考えることで、自分の根底にある価値観を反映した軸が決められますよ。

「理想」はその原点まで掘り起こそう

「理想」は自分の価値観から生み出されるものです。つまり、「理想」の原点を掘り起こせば自分の価値観が見えてきます。

たとえば、「海外で暮らす」という理想を持っている場合、以下のような流れで価値観にたどり着くことができます。

「理想」の原点の掘り起こし方の例

①海外で暮らしたい
 なぜ?⇓
②文化や価値観が異なる海外の人と交流したいから
 なぜ?⇓
③自分にはない考え方や視点を学ぶのが楽しいから

このようにして価値観がわかれば、「自分にない考え方や視点を学べること」が仕事探しの一つの軸になり得ます

「海外で暮らせる仕事」というように理想をそのまま軸にするのではなく、その原点にある価値観を軸にしてくださいね。

お金持ちになるのが理想です! ただ、どんな仕事に就けば良いのかわかりません……。

秋田 拓也

プロフィール

まずはお金持ちになった後のビジョンを明確化しよう

漠然と「お金持ちになりたい」と思っているだけで、ほとんどの人はお金持ちになった後のことを描いていません。

何のためにお金を手に入れるのかが明確になっていないと、お金を手に入れた後には何が残るでしょうか。虚無感だけのような気がします。

ただ、お金持ちになると「できること」や「やれること」の範囲も増えます。そんなことも考えながら目標設定していくのも一つの方法です。

会社の売り上げに直結するような営業的な仕事などは、多くの報酬を手に入れるチャンスが多いと思います。会社の給与には上限がありますが、個人事業や会社を起業すれば報酬の上限はありませんよ。

本当にしたい仕事と出会うために! 選択肢の広げ方

自分がどんな人間かわかったら、次はそんな自分に合う仕事を見つけるステップになります。ただ、世の中に存在する仕事を少ししか知らなければ、なかなか適職は見つからないでしょう。

そこでここでは、本当にしたい仕事と出会うための選択肢の広げ方を、「学習編」と「体験編」に分けて解説します。知っている仕事を増やして、自分に適した仕事と出会う可能性を高めましょう。

学習編:幅広い仕事について理解を深める

学習編では、知識を増やす方法について解説していきます。

繰り返しになりますが、世の中には数え切れない種類の職業が存在しているため、それら一つひとつをやみくもに調べていてはキリがありません。

ここで解説する2つの方法を実践して、幅広い仕事について効率的かつ実態に迫れる学習をおこないましょう

気になる業界一覧を作成して1日1業界のペースで勉強する

まずは、自分用の気になる業界一覧を作成しましょう。作成の際に、書籍の業界地図を用意すると、目次で細かい業界の分類が確認できるため、ざっと眺めて気になる業界をピックアップすれば、簡単に一覧が作成できますよ。

気になる業界一覧の例

  • 素材
    ・鉄鋼
    ・紙・パルプ
  • 医療・食品
    ・医療機器
    ・化粧品・トイレタリー
  • 金融
    ・キャッシュレス決済
    ・生命保険
    ・損害保険
  • メディア
    ・新聞・テレビ・ラジオ
    ・動画配信・ベイテレビ
  • サービス
    ・人材
    ・教育
    ・イベント運営

上記のように、「素材」を一つの業界として取り扱うのではなく、素材業界の中から気になる分野をピックアップして1業界としましょう。そして、毎日1業界ずつ勉強していきます。

業界地図を持っているなら該当する業界のページを熟読したり、ネットでその業界のトレンドや動向を調べながら、自分が働きたいと思える業界かどうかを判断してください

業界地図を持っていない人は、こちらの記事の業界一覧を参考にしてください。

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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

さまざまな職種の人の話を聞いてみる

業界についての勉強からは業界の構造や将来性は理解できても、実際にそこで働く人たちの姿は見えにくいはずです。事実に即したイメージを持ったうえで、自分がその仕事をしたいと思えるかどうかを判断するためにも、実際に働いている人と会って話を聞いてみましょう

さまざまな職種の人との接点の作り方

  • 社会人向けのOB・OGとのマッチングサービスを利用する
  • 転職フェア・合同企業説明会に参加する

話を聞く場がセッティングできた際は、有意義な時間とするためにあらかじめ質問を考えておくと良いですよ。業界研究からは見えてこなかった、普段の仕事内容や働き方、やりがい、大変なことなどを中心に聞いてみたいことをリスト化しておきましょう。

こちらは新卒のOB・OG訪問を想定した記事ですが、既卒・第二新卒や社会人のOB・OG訪問でも聞いておきたい質問例も多数あるので、ぜひチェックしてください。

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小関 珠緒

プロフィール

企業・業界をよく知るには、実際にそこで働いている人に話を聞くことがおすすめです。

希望する業界で働く人がいないか、友人・知人などに聞いてみて、いれば紹介してもらったり、転職フェアや就職支援センターなどに行き、業界の話を聞くのも良いでしょう。

体験編:実際に仕事をしてみて適性を確かめる

学習編でさまざまな仕事を知る方法を解説しましたが、知った段階ではその仕事を将来の選択肢の一つに含めるにはまだ早いといえます。「自分にできる」「自分に向いている」と適性に確信を持てたときこそ、安心して選択肢に含められるのです

学習編で認識した仕事を本当に選択肢に含めて良いのかを確かめる方法として、ここでは2つの体験を取り上げます。自分にとって取り組みやすい方法を実践してくださいね。

スキル習得講座を受けてみる

今の自分にできそうにない仕事は選択肢から除いてしまいがちですが、今からでもスキルの習得は可能かもしれません。特に最近では、社会人向けのスクールが充実していて、働きながら学ぶ人も多くいます。

人気のスキル習得講座(有料の場合あり)

  • Webデザイン
  • プログラミング
  • コピーライティング
  • マーケティング

講座を受けてみることで、自分の適性を確かめたり、スキルが身に付き選択肢が広がったりします。ただ、受講料は高額な場合もあるため、気軽に受けるのはおすすめしません。後で詳しく解説しますが、長期的な計画を見据えたうえで受講するか判断してくださいね。

渡部 俊和

プロフィール

少しでも興味があって、その後の仕事や生活に役立つと思うものがあれば、スキル習得講座もやる価値はあります。ただ、資格が欲しくてやみくもに簡単そうなものを受けたり、興味のないものに手を出すのは無駄なので注意してください。

クラウドソーシングに応募してみる

クラウドソーシングとは

企業や個人がインターネットを通じて不特定多数の人に向けて業務を発注するサービス。基本的に納品や支払いまですべてサイト上で完結できる

代表的なクラウドソーシングサイトとして、CrowdWorksLancersが挙げられます。これらのサイトに登録し、興味のある仕事を受注すれば、責任を持って取り組むのは前提として、就職しなくても仕事を体験することができます

特に、デザインやライティング、動画編集、翻訳などのクリエイティブな仕事はクラウドソーシングで体験しやすいです。興味がある人は、まずはサイトをのぞいてどんな仕事が募集されているのか見てみましょう。

クラウドソーシングは未経験の領域でも始められるのでしょうか?

秋田 拓也

プロフィール

継続的にオファーを受けるには実績を積んでいくことが重要

副業のスタートとしては、クラウドソーシングはリスクも少なく手軽に始めやすいと思います。自分の得意なことや興味のある分野の仕事を委託されるやり方です。あるいは、自分ができる仕事を探します。

受注が増えて仕事を順調に依頼されるようになれば、副業から複業へ移行して、さらには独立への道も開けます。

今は、VUCAの時代と呼ばれるように予測不可能な世の中です。パラレルキャリアの考え方を持ち、時代の変化にも柔軟に対応する必要があります。

クラウドソーシングの注意点は「信頼性や実績」が重視されてしまうので、スタート時は仕事を受注できない状態が続くでしょう。しかし、コツコツと受注を増やし実績を積んでいくとオファーがくるようになります。継続することが大切です。

現実的な計画に! リスクやコストも踏まえたしたい仕事の見つけ方

現実的な計画に! リスクやコストも踏まえたしたい仕事の見つけ方

  • 時間面:まずは休日や終業後にできることから始める
  • 金銭面:必要な金額を洗い出して長期的な計画を立てる
  • スキル面:契約社員やアルバイトからのスタートも検討する

あらゆる仕事について知っていけば、自然と惹かれる仕事が見つかるはず。ただ、惹かれるからといってその仕事を目指そうと思えるかはまた別問題ですよね。

一般的に多くの人がしたいと思うような仕事は、倍率が高くて就くのが難しかったり、資格や専門知識が必要だったりで目指す前に諦めてしまいがちです。実際、就職難易度が高い仕事を目指しても成功する保証はないわけで、リスクやコストを理由に目指さないのは正しい決断だともいえます。

ただ、冷静に計画を立ててみたら、意外と非現実的ではないことがわかる場合もあります。

「この仕事に興味があるけど就くのは難しそう」「今から目指しても良いのだろうか」と迷っているなら、ここで解説する3つの側面から現実的な計画を作成したうえで、「自分がしたい仕事」とするべきか判断しましょう。

時間面:まずは休日や終業後にできることから始める

たとえば、未経験からエンジニアを目指したり、法律を勉強したことがない人が弁護士を目指すような場合、働きながらだとなかなかスキルや知識を習得する時間がなく、非現実的なように思えます。

だからといって、いきなり仕事を辞めて学習に専念したとしても、本当にその仕事に向いているのか、意欲的に続けられるのかは予測できません。そのため、まずは休日や終業後にできる学習から始めてみることで、自分の適性を確かめつつ、目標に近づくことができます

最初は難易度の低い検定や資格取得を目指してコツコツと取り組んでみて、「自分には適性がある」「本格的に学習に専念すれば夢をかなえられる」と確信を持ててから、正式に「自分のしたいこと」として目指しましょう。

こちらは新卒向けに取りやすい資格を紹介しています。どの資格からチャレンジしようか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

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取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

学生生活や就活の合間を縫って資格を取得するためには、取りやすい資格を選定することが重要です。この記事では取りやすい資格の基準や資格勉強の進め方、取得する際の注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。

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取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

金銭面:必要な金額を洗い出して長期的な計画を立てる

惹かれている仕事が給料がかなり低かったり、その仕事に就くために学校に通う必要があってその授業料が高額な場合など、したい仕事探しでは金銭面の悩みも発生しがちです。

金銭面については「なんとかなるだろう」と楽観的に考えるのは危険です。せっかくしたい仕事が決まってその夢に近づいている最中で、お金の問題で断念しなければならない事態は避けたいですよね。

そのため、必要な金額を洗い出して長期的な計画を立てたうえで判断しましょう。まずは、興味のある仕事に就くにはどのようなステップを踏む必要があるのか、そしてそれにはどれくらいの費用がかかるのか、就いた後の経済事情はどうなるのかを明らかにしてください

現時点ではしたい仕事を目指すためのお金が足りないとなっても、しばらくは現職を続けて貯金したり、副業で収入を増やしたりなど、長期的に考えれば打開策は見えてくるはずです。

小関 珠緒

プロフィール

長期的な計画を立てて、お金が足りなくなる事態は防ぎましょう。お金がないと学校や本など必要な費用を払えなくなるほか、精神的なゆとりを失い、焦りを招いたり、冷静な判断ができなくなったりするからです。

スキル面:契約社員やアルバイトからのスタートも検討する

興味のある業界が狭き門というケースはよくあります。たとえば、テレビ局や出版社、新聞社はいずれも人気の就職先ですが、例年の採用人数は少なく、さらに中途の未経験から正社員になれるケースは極めてまれです。

ただ、それらの仕事に惹かれる気持ちが捨てきれないなら、少しでも現実的な手段として契約社員や派遣社員、アルバイト雇用の選択肢が挙げられます

正社員でないため、期限付きの雇用であったり、給料が低かったり、昇進が難しいなどさまざまなデメリットもあります。ただ、それでも、心の奥底で憧れていた仕事ができるのであれば構わないと思える人もいるのではないでしょうか。

正社員以外であれば、未経験者も採用される可能性が高くなります。自分のスキル不足で選択肢を減らしてしまう前に、契約社員やアルバイトからのスタートも一度検討してみましょう。

エンタメにかかわる仕事にひそかに憧れ続けています。このまま何もしなければいつか後悔しそうで、どうするべきか悩んでいます。

渡部 俊和

プロフィール

安定性よりも優先したいと思える仕事があるのは幸せなこと

リスクを取ってでもやりたい仕事であるならば、非正規社員からスタートするのも一つの方法です。

そもそもエンタメ業界の場合は、業種の性格上、安定したキャリアパスを経て順調にステップアップする方が珍しい場合もあり、まずは業界に入ってから経験を基にスキルを高めていく方がプロへの近道かもしれません。

今の時代、安定性を捨ててもやりたいことがあるのは幸せなこととも考えられます。好きなことに本気で打ち込んだ経験があると、仮に将来違う道に進んだとしても活かせることが結構あるものです。

正社員以外の雇用形態で働くことを検討している人は、こちらの記事でそれぞれの特徴を押さえましょう。

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正社員で働く8つのメリット! 他の雇用形態との違いと格差問題とは

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正社員で働く8つのメリット! 他の雇用形態との違いと格差問題とは

契約社員になるリスクについては、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが詳しく解説しているので、検討している人はぜひチェックしてください。

タイプ別に解説! 仕事で何がしたいかわからないときの対処法

仕事で何がしたいかわからないときのタイプ別対処法

「自分が本当はどんな仕事がしたいかわからない」と悩む人は多くいますが、その人たちの状況は大きく3タイプに分かれます。状況が違えば、それぞれにとって適切な対処法は異なります。

そこでここでは、タイプ別に仕事で何がしたいかわからないときの対処法を解説します。自分が該当するタイプにとって適切な対処法をチェックして、ぜひ実践してくださいね。

タイプ①したい仕事が見つからず無職の状態が続いている

「何の仕事がしたいかわからない」と悩んでいるということは、就職したい、働かなければという気持ちが少なからずあるからだといえます。無職の状態が続くと、就職への意欲を失ってしまう人もいます。

だからこそ、「自分って何の仕事がしたいんだろう」「自分がしたいことを明らかにしたい」という思いを持ち続けることが非常に大切です。そのうえで、以下の対処法を実践してくださいね。

対処法:「できること」を増やしたうえでしたいことを探す

無職の状態が続くと、自分ができることとできないことの正しい判別をしづらくなります。そのため、「どうせ自分にはできない」と選択肢が少なくなったり、逆にできるだろうと思って始めてみたら思いのほかできなくて後悔することになりがちです。

そのため、したいことを探す前に「できること」を増やす目的で新しいことに取り組んでみるのがおすすめです。無職の人にまず検討してほしいのが、地域若者サポートステーション(サポステ)でのスキル獲得です。

サポステでは、ビジネスマナーやパソコンスキルに関する講座が無料で受けられます。スキルを身に付けて「できること」が増えれば、選択肢が増えてしたいことが見つかりやすくなりますよ。

無職の人がしたい仕事を見つける方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてチェックしてくださいね。

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小関 珠緒

プロフィール

アルバイトやボランティア、家の手伝いなどで構わないので、まずは誰かのために動いてみましょう。その中で自分の得意なこと、好きなこと、不得意・苦手なことなどを探っていくのがおすすめです。

「こういうことが上手だよね」と褒められたりなど、他人からの客観的な評価を知ることもできます。

タイプ②ほかにしたいこともないのでなんとなく今の仕事を続けている

定職に就いているものの、今の仕事が自分の最もやりたい仕事だと胸を張って言える人は決して多くないでしょう。辞めるほどの不満や問題が今の仕事にないのであれば、あえて自分が何がしたいのか明らかにしなくても良いようにも思えます。

そんな中、ほかに自分が心からやりたいと思える仕事があるのではないかと動き出すことは、自分の将来を大きく変えるきっかけになるかもしれません

いきなりすっぱりと仕事を辞める必要はなく、今の環境を大きくは変えずにリスクを抑えてできることもあります。その方法として2つ解説するので、ぜひ検討してくださいね。

対処法①:興味がある仕事を副業として始めてみる

「この仕事がしたい!」と断言はできなくても、「なんとなく向いていそう」「やってみたいかも」と思える仕事はあるのではないでしょうか。まずは副業としてやってみると、仕事の実態が見えたり、自分の適性が確かめられたりします

副業のやり方としては、休日や終業後にアルバイトをしてみたり、クラウドソーシングサイトで案件を受注してみるなどの方法があります。

ただ、社員の副業を禁止している会社もあるため、就業規則を確認したり、上司の確認をとったうえで始めるようにしましょう。

対処法②:現職でできる新しい仕事に挑戦してみる

今の仕事が自分のしたいことだと思えなくても、同じ会社の中にはさまざまな仕事があるため、転職をせずにしたいと思える仕事と出会える可能性はあります

たとえば、新しいプロジェクトを任せてもらったり、異動で部署が変われば仕事内容が大きく変わりますよね。新しい仕事に積極的に取り組んでみると「もっと極めたい」「この仕事のプロフェッショナルになりたい」と思えるような出会いがあるかもしれません。

はたから見てそこまで魅力的に思えない仕事でも、やってみれば想像と違ったということはよくあります。現職でさまざまなチャレンジをしながら、したいと思える仕事を探しましょう。

秋田 拓也

プロフィール

したい仕事ではない現職に集中している状態では、したい仕事に気づく可能性も低くなります。何をやっているときに自分は活き活きするのか、興味を持って集中できることなど、まずは自分にベクトルを向ける習慣を心掛けてください。

タイプ③転職を繰り返しているが一向にしたいと思える仕事が見つからない

「この仕事がしたい!」と思って就職したのにやってみたら向いていなくて転職。それなのに転職先の仕事もしっくりこない……というように、複数の仕事を経験しても自分のしたい仕事が見つからないというケースもあります。

転職を繰り返してさまざまな仕事を経験してみることが悪いわけではありませんが、ただリスクがあるのも事実です。転職回数が多いほど、一般的に転職市場では不利になるといわれています。

そのため、次こそは本当にしたいと思える仕事に就職して、定着したいと考えているのではないでしょうか。自分が長期的にやりきれる仕事は何か明らかにするためにも、以下の方法を実践しましょう。

対処法:さまざまな仕事の経験から自分の軸を明らかにする

さまざまな仕事の経験は、本当にしたい仕事を見つけ出すうえで必ず役に立ちます。実際に働いてみたときに感じた自分の適性や価値観を整理して、徹底的に自分を分析しましょう

これまで経験した仕事を挙げていき、それぞれに対して自分がどう感じたのか、どんな成果を出せたのかを書き出しましょう。そこから下記のように、自分の性格や能力を明らかにできます。

仕事の経験から自分の性格や能力を明らかにする方法

  • 販売の仕事でPOPを考える仕事は楽しかった
    →デザインを考える仕事は楽しめる
  • 事務の資料作成の仕事はすぐ飽きた
    →ルーティンワークは苦手

自分の性格や能力が明らかになれば、どんな仕事が楽しめて、どんな仕事が向いていないのかがわかるはずです。それを仕事に求める条件にして、クリアできるかどうかを見ていけば、本当にしたい仕事が見つかりますよ。

自分が仕事で何がしたいかわからないときに思い出してほしい現実

自分が仕事で何がしたいかわからないときに思い出してほしい現実

  • 今の仕事が天職だと断言できる人は決して多くない
  • 仕事への満足度はさまざまな要素が絡み合って決まる
  • 何がしたいかは変わっていって当たり前

ここまで自分がしたい仕事を見つける方法を解説してきましたが、見つける過程で「やっぱり自分が何がしたいかわからない」と悩む人もいるでしょう。

もし、なかなか自分がしたいことが見つからずに不安になったときは、ここで解説する内容を思い出してください。自分の置かれている状況を悲観したり否定することなく、前向きに向き合うようにしてくださいね。

①今の仕事が天職だと断言できる人は決して多くない

周囲に意欲的に働いている人たちが多くいると、「なんで自分のことなのに何がしたいのかわからないんだろう」「やりたいことがわからないなんて自分はやばい状況にあるのではないか」と悲観的に捉えてしまいがちです。

しかし、今の仕事が天職だと断言できる人は決して多くありません。それだけ、自分が本当にしたい仕事を見つけるのは簡単ではないということです。

長期間働く中で自分の強みを発揮できるようになり、天職に感じる人も多くいます

したいことがすぐに見つからなくても、重く受け止めすぎずに気長に考えるぐらいが適切かもしれません。

「天職」という言葉を耳にしたことある人は多いと思います。以下の記事では「天職」の意味と天職をみつける方法をまとめています。

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今はいまいちしっくりこなくても、続けていればいつかこの仕事が天職だといえる日がくる可能性もあるのでしょうか?

渡部 俊和

プロフィール

スキルが身に付けば仕事との関係性が変わる

仮にやりたいことでなくとも、続けてスキルアップできれば面白くなり、使命感や責任が出てくることでいずれ天職だと思えるようなこともあり得ます。

たとえば伝統的な職種や家業を継ぐような人など、その家に生まれたことでやりたいことでなくともやらねばならない状況になっている人もいますが、数十年経ってやはりやって良かったと言えるだけの実績や満足感を得ているケースもあります。

続けているうちに、どこかの時点で仕事の中に面白みややりがいが出てくることが考えられるので、意欲が持続することがやはり必要条件ではあると思います。

②仕事への満足度はさまざまな要素が絡み合って決まる

仕事内容そのものはとても魅力的に思えたとしても、その仕事に就いて幸せに働けるかといえば、そうとは限りません。仕事への満足度は、待遇、人間関係など、さまざまな要素が絡み合って決まります。

たとえば、車の運転がとても好きで運転手として就職しても、賃金が低かったり、上司との関係が悪ければ、仕事に対する意欲は下がりかねません。

もし「この仕事がしたい!」と思って就職したのに、思ったよりも満足できなかった人がいれば、就職を決めた際に重視した要素以外の部分に問題があると考えられます。

その仕事に惹かれた気持ちを全否定するのではなく、自分にとって重要なほかの要素を明らかにしてくださいね

③何がしたいかは変わっていって当たり前

最後は、自分がしたい仕事を探すときも、したい仕事に就いた後も、覚えておいてほしいことです。

「以前はとても魅力的に思えた仕事が今は正直そうでもない」「とてもしたい仕事だったはずなのにほかに興味がある仕事が見つかった」というように、自分の気持ちの変化に戸惑う人もいるかもしれません。

しかし、何がしたいかは変わっていって当たり前です。自分のスキルや置かれている環境が変わったときに、新たな選択肢を検討することはまったく悪いことではありません

ただ、一時の感情で転職したり、仕事を辞めるのは危険です。自分の中で変化が起きたときは、まずは冷静に受け止め、それが一時的なものではないのか慎重に見極めたうえで、動き出すようにしましょう。

秋田 拓也

プロフィール

気持ちが変わったことに気づくことは大切なことです。自らが体験したからこそ気づきがあります。否定するのではなく、その気持ちを受け止め、本当にしたいことなのかをよく考えてください。

その繰り返しによって本当にやりたいことに出会えるかもしれません。

仕事で何がしたいかを明らかにしてキャリアの指針にしよう

自分がしたいことが明らかになれば、それをかなえることが目標となります。目標が明確になるのは、満足度の高いキャリアを描いていくうえで非常に重要なことです。

自分が本当は何がしたいのか、本気で考えたことがない人がほとんどなのではないでしょうか。この機会に徹底的に自分と向き合い、さまざまな仕事について知ってください。自分を深く理解し、知識を広げることは、人生を豊かにすることに直結します。

ぜひ、この記事を未来を切り拓く入門書として、参考にしてくださいね。

アドバイザーコメント

仕事をしながら自分がしたい仕事を見つけていくのでもOK

自分がしたい仕事がわからなくても、ひとまず、わからなくて大丈夫です。わからないまま、職業訓練校に通う、アルバイトをする、キャリアカウンセリングを受けるなど、行動をする中で、自分自身に気づけることでしょう。

何か行動すると、自分の得意・不得意、どこに興味関心が向くか、何なら苦もなくやれるかなどがわかってくると思います。その中から、自分がしたい仕事が見つかることが多いです。

仕事から「選ばれる」のが実態だが挑戦し続けることが大切

とはいえ、残酷な話になりますが、実は仕事は選べません。仕事の方から選ばれるのです。

わかりやすい例でいうと、俳優を目指し、勉強や練習など努力を続け、高い演技力をつけても、オーディションで必ず選ばれるかというとそうではありません。一方で、それほど努力しなかったにもかかわらず、オーディションに受かり、その後、有名俳優になる人もいます。

努力することがムダというわけではありませんが、自分の意欲があっても、したい仕事ができるわけではないのです。

ですが、悩みながらも行動し、自己分析を重ねながらいろいろなことに挑戦していくことが大事です。他人からの評価を受け、自分がどういう仕事が向いていて、どういう仕事に意欲が湧くかがわかると思います。まずは、行動してみましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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