本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「三井住友信託銀行はやばい」「三井住友信託銀行の企業体質は古すぎる」
そうした口コミを見て、この会社を敬遠したくなっている人もいるかもしれません。でもその評判はどこまで本当なのかどうか。見極めは簡単ではありません。
この記事では、三井住友信託銀行への就活を検討している人に向けて、「やばい」「古い」といわれる理由と、企業の実態、入社の判断の仕方について、プロの意見を交えながら解説します。
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1分でわかる三井住友信託銀行
三井住友信託銀行とは
1925年に住友信託として創業。2012年に三井住友トラスト・ホールディングス傘下の信託銀行3社が合併し「三井住友信託銀行」が発足。
持ち株会社である三井住友トラストグループのもと、銀行、資産運用・資産管理、不動産業務関連などを幅広く取り扱う同グループの中核をなす信託銀行として多様な事業を展開している。
| 会社名 | 三井住友信託銀行(SumitomoMitsuiTrustBank,Limited) |
| 従業員数(連結) | 21,180名(2025年3月期(通期)) |
| 本社所在地 | 東京都千代田区 |
| 主な事業 | ・個人事業、法人事業、資産管理などの投資家事業 ・売買や不動産証券化などの不動産事業 ・金融市場での投資や金融商品販売のマーケット事業 |
| 売上高(連結) | 2兆7,802億円(前年同期比18.32%増)(2025年3月期(通期)) |
| 経常利益(同) | 3,463億円(同301.3%増)(2025年3月期(通期)) |
| 企業HP | https://www.smtb.jp/ |
| 新卒採用HP | https://www.smtb.jp/recruit/new-graduate |
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「三井住友信託銀行はやばい」と言われる5つの理由|プロが読み解く
「三井住友信託銀行はやばい」と言われる5つの理由
「三井住友信託銀行はやばい」と言われる理由を5つにまとめてみました。その理由はそれぞれ間違いないことなのか、客観的なデータと照らし合わせて真相を解明します。
キャリアコンサルタントが説明するデータの読み方を参考に、自分の適性との相性をチェックしてみてください。
➀不祥事があってイメージが悪いから
三井住友信託銀行では2020年代に入り元社員による不祥事が相次ぎました。2021年には元社員が顧客の資金を着服するなどして詐欺罪の容疑で逮捕され(※1)、2025年にはインサイダー取引をおこなっていたことが発覚した元社員が金融商品取引法違反で起訴されています(※2)。
こうしたこともあって企業イメージが悪化した可能性がありますが、決算内容を見ると2022年度以降も増収増益を続けており(※3)、業績には悪影響が及んではいないと考えられます。
一方で不祥事の反省を踏まえて人事制度や報酬体系の課題に対応するため人事制度の改革を検討しています(※4)。また倫理観向上を図る取り組みが、社内の風通しの改善やパワハラ等の懸念解消にもつながる期待が持てそうです。
※1 企業HP プレスリリース
※2 ※4 企業HP プレスリリース
※3 企業HP 第13期有価証券報告書
アドバイザーのリアル・アドバイス!入社前調査や研修で不正防止への取り組みは徹底
就職の際に金融機関では信用調査などがなされており、お金にだらしない人や借金トラブルを抱えている人、破産経験のある人などは入れない可能性が高いです。入社後も定期的に犯罪防止に関する動画やe-lerningなどで学ぶ機会があります。
不正を行うことで仕事も社会的信用も失墜しますし、損失の方が大きいです。大部分の社員は不正に手を染めることもなく真面目に働いています。
企業体質とのミスマッチが大きな悲劇を生む可能性あり
先日、プルデンシャル生命保険では、社員や元社員107名が約500人の顧客から総額31億円を不適切に受領していることが明らかになりました。
結果を出している社員は人格も素晴らしく専門知識を有しており、完全歩合制で3,000万円を超える年収の人もいます。
そういった方に憧れて入社したものの徹底した成果主義の企業体質の中で成果を出すことができず、不正に手を染めてしまうなど、企業の体質と不祥事の関係性もあるのではないかとみています。
➁体育会系の企業風土だから
「体育会系の古い企業体質」を指摘する口コミが少なくありません。体力勝負、縦社会、組織内の風通しの悪さといったイメージにつながりますが、実際はどうなのでしょう。
三井住友信託銀行では、店部長自らが講師を務めて自身の経験や学びを伝授する店部長塾や店部長道場を開催。加えてマネジメント側がワン・オン・ワンのコミュニケーションスキルを学ぶ研修を受けることで職場環境の改善に取り組んでいます(※6)。
目指すのは、社員の心理的安全が担保された風通しの良い職場環境の構築とのことです(※7)。裏を返せば会社側にも、マネジメントのコミュニケーション力や、組織の風通しの良さが必ずしも十分ではないという認識があると想像できます。
※5 三井住友トラストグループHP 人材戦略
※6※7 企業HP 第13期有価証券報告書
プロのアドバイザーならこうアドバイス!高度成長期以降の「モーレツ世代」の名残あり?
高度経済成長期以降、信託銀行は、法人の貸付信託や個人の年金信託、不動産信託のニーズが高まるなかで、互いに競い合って成長を遂げていきました。
信託銀行に限らず、さまざまな業界企業が、高いノルマを課して社員をモーレツに働かせて、日本経済の発展とともに著しく成長を遂げてきました。信託銀行は、取り扱っている業務内容がほぼ同じなので差別化が難しく、人材の専門性や営業力によって激しく競い合ってきました。
ただ、21世紀になって金融業界再編が激しくなり、多くの企業が合併するなど、働く人たちを取り巻く変化が激しくなりました。三井住友信託銀行は、複数の信託銀行が合併してできた信託銀行です。
時間はかかるが着実に働きやすい環境に向かっている
社員のウェルビーイング向上のために、健康経営の推進やエンゲージメントの強化施策によって、社員同士のコミュニケーション活性化を図っています。
ただ、こうした施策は容易には浸透せず、一定の効果が出るまでに5年を超える歳月がかかるとされます。組織自体が大きく、合併による企業文化の融合などによってステークホルダーの数が多いため、新たな企業の風土や文化が定着するためには、相当な時間がかかると思われます。
ただ、働きやすさを追求する施策によって良い方向へ変化する過程の取り組みなので、悲観する必要はないでしょう。
➂高い専門性が求められ過酷だから
不動産、相続、証券代行など扱う領域が広く、また専門性も高い過酷さから、やばいといわれている可能性もあります。
2025年度から開始した新人事制度では「社員と会社が対等な関係を築き互いに高め合う選び・選ばれる関係」を目指すとしており、社員が自律的にキャリアを実現するため自己選択・自己決定できる仕組みを整備中だそうです(※8)。
具体的には各種業務に関して、それに従事している社員に直接質問できる「事業説明会」を開催した上で業務公募を実施しているとのことです(※9)。
さらに社内大学TRUSTUniversityを開設し、外部教育機関と提携した研修や業務スキル向上のための研修、自己啓発などのコンテンツを用意し、人材育成に取り組んでいます(※10)。ちなみに社員1人当たりの研修費用(年間)は14万円となっています(2024年度実績)(※11)。そのため、キャッチアップのための環境は比較的整っているといえそうです。
※8 三井住友トラストグループ100年史
※9※10 企業HP採用サイト
※11 企業HP 第13期有価証券報告書
アドバイザーのリアル・アドバイス!金融業界の常識を打破! 勤務地もキャリアも「自分で選ぶ」
2025年度からコース制度を廃止し、キャリアや働き方に関する社員一人ひとりの自律的な選択を尊重し、社員の意思とスキルに基づいた配置や登用をおこなっています。毎月先輩や上司と1on1の機会も用意されています。
半年ごとに勤務地とキャリアを社員が自己選択できるという柔軟性は転居を伴う異動の多い日本の金融機関では珍しい取り組みです。
また、役割に応じた必要スキルや処遇等の可視化が進められており、「何を身に付けると希望の業務に就けるか」が社員自ら認識できる点も画期的です。
部署を越える学びで自らキャリアをつかめる
入社後も「ジョブ図鑑」と「事業説明会」によって今後のキャリアを考える仕組みが整っていることも比較的珍しいです。社内公募制度自体は普及しつつも実際に活用できていない企業も数多く存在しています。
社内大学の取り組みは資生堂やソニーなど大企業を中心に広まりつつありますが、金融機関としては珍しい取り組みです。また、社内副業として現在の部署、支店に在籍しながらほかの部署の業務を兼務できる制度も特徴的です。
④年功序列の評価制度だから
三井住友信託銀行の従業員の平均年収は2024年度が752万円(※12)と比較的高い水準です。給与の背景にある評価制度は年功序列が重視されているのでしょうか。
三井住友信託銀行の説明によれば同社の人事評価制度は本人参加型。社員は上司とのすり合わせにより具体的な業務遂行課題を決定し、年度末に成果と達成プロセスを上司と共に振り返るため、むしろ実力主義・成果主義といえそうです。(※13)。
年功序列を指摘する声もありますが、信託銀行は資産運用・管理や相続、不動産業務など高い専門性が求められる業務分野を抱えているだけに、経験ある熟練者の評価が高くなる面があり、年功序列と受け止められている可能性もあるでしょう。
賃金の男女差は比較的小さく「コース社員」(社員カテゴリーの一つで全体の75%を占める)では、男性を100とした場合の女性の賃金レべルが2022年度以降56.4%、56.7%、60.4%と着実に向上(※15)。課長以上のポストに就く女性社員比率は2024年度23.2%、マネジメント業務を担う女性社員比率も33.0%まで上昇しています(※16)。
※13 三井住友トラストグループHP 人的資本
※14 企業HP プレスリリース
※15※16 企業HP 第13期有価証券報告書
プロのアドバイザーはこう分析!改革前の制度には不満が集まっていた可能性あり
旧制度では、昇給のタイミングと年次が連動していたり、課長職までは本部人材は給料に差がつきにくいなど年功序列の人事評価制度であったことが口コミで述べられています。また、支店や上司、支店長によって雰囲気が異なることも考えられます。
具体的な企業の評価に関しては、Webサイトなどの企業の公式な広報資料と合わせて、口コミを参考にするケースも見られます。
実際に企業の口コミを記載する人の中には、不満を持って退職した元社員も一定の割合で存在します。2025年度の改革前の旧制度時代に不満を募らせて退職し、口コミを記載したケースもあるのではないでしょうか。
2025年度から意思とスキルを尊重する環境を整備
年功序列の人事評価の課題に関しては三井住友信託銀行も把握しており、2025年度から運用を開始した新人事制度では従来のコース社員制度を廃止し、社員の意思とスキルを尊重した配置や柔軟に登用するための環境を整備しています。
人事部が変革をおこない、研修などを積み重ねても現場の社員一人ひとりの意識や企業文化を変えるには一定の時間が必要です。
現在は旧制度の課題を認識し、改革を進めているところなのではないでしょうか。
| 決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
| 2023年3月期(2022年度) | 716万円 | 41.8歳 | 14.6年 |
| 2024年3月期(2023年度) | 728万円 | 41.9歳 | 14.8年 |
| 2025年3月期(2024年度) | 752万円 | 42.2歳 | 14.8年 |
⑤業務負荷が高く休みが取れそうにないから
業務負荷の高低は本人の受け止め方もあるので一概には言えませんが、企業としてワークライフバランスが求められる社会環境に合わせてさまざまな取り組みをおこなっており、2024年には社員の心身の健康への投資を加速するため健康経営宣言をしています(※17)。
2022年度から2024年度までの労働環境を数字で見ると、有給休暇取得日数は17.9日、19.8日、20.3日と増えており、休暇取得率も66%、73%、75%と伸びています(※18)。
また法定外労働時間(1カ月平均)は19.3時間、18.9時間、19.5時間となっており、残業は許容範囲のレベルです(※19)。
退社から出社まで一定の時間を空ける勤務間インターバル制も導入しており、現在は11時間となっています(※20)。
※17 三井住友トラストグループHP 人的資本
※18※19 企業HP 第13期有価証券報告書
※20 三井住友トラストグループHP 人材戦略
業務負荷を分解して本当に自分にとってやばいのかを考えよう
仕事の難易度の高さや歴史ある企業であるからこその社風・イメージからやばいという噂がありますが、数値や会社の取り組みを見ると、実態は別物だとわかります。
企業が公表する一次情報を参考に、自分の目で確かな情報を確認し、自分の頭で長期的に考え企業選択をしていきましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!充実した待遇が高度な仕事とバランスを取っている
業務負荷は、業務上の負担の度合いのことですが、仕事の量や労働時間と言った可視化できるものだけでなく、業務の難易度の高さのような可視化しにくいものも含まれています。そして、信託銀行の業務は普通の銀行と違い、顧客の資産管理や相続なども扱う専門性の高い仕事です。
三井住友信託銀行の人的資本の情報を見ても、従業員1人当たりの教育投資額では大企業(1,000人以上)平均の3倍以上の投資をしていて、学べる環境の確保にも力を入れていることから、業務上も専門知識と高いスキルを要求されることは容易に想像できます。大手の一角であることも含めて、報酬の高さや充実した福利厚生制度は、そうした高度な仕事内容とバランスが取れているということなのです。
仕事の質的負荷はリターン高! やばいととるか成長ととらえるか
そのため、ここでの業務負荷を考えるうえでは、外見上の労働時間や仕事の量よりも、仕事の質的な側面を考えなければなりません。顧客層も、一般の銀行より富裕層や大企業との取引が必然的に多くなり、そうした顧客から信頼を得なければならないため難易度が高く神経を使う場面も多いはずです。
それを「やばい」と思うか「挑戦しがいがある」と思うかは個人の価値観の違いです。少なくとも外見上の数字で見る量的な部分では「やばい」と思えるような現象は見当たりませんが、目に見えない部分では高い要求があると考えるのが妥当ではないでしょうか。
前向きに考えれば、仕事の量や労働時間のような量的負荷が多い普通の仕事よりも、より難易度の高い質的負荷の多い仕事のほうが、初めは厳しくても将来のスキルアップや大きなリターンが期待できる可能性は高いはずですが、自分が成長するまで継続できなければ話は違ってきます。
専門性の高い仕事にチャレンジする意欲があり、自分が考える仕事の方向性と合っているならば、難易度の高い仕事は他の人と差別化ができ、将来の保証にもなり得るため、むしろ歓迎すべき要素となります。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Kazuyoshi Masuda〇教育研修サービス会社等での勤務を経て独立。キャリア相談、就職支援のほか、大学でキャリアデザイン講座を担当。ミッションは「自分とかかわる人の可能性を信じる」こと。
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細