この記事のまとめ
- 動画選考とはWebカメラで撮影した動画を通じておこなわれる選考方式
- 5つの対策を事前に講じておけば他の志望者と大きく差をつけよう
- 動画選考をおこなう際のOK&NG動画も大公開
新型コロナウイルス感染症の流行以降に増加した動画選考は、動画を用いて自己PRをしたり、面接官からの質問に受け答えしたりする選考形式です。通常の書類選考や面接とまったく異なる形式であるため、苦手意識を持つ学生も多いかもしれません。
ただ動画選考は、新しい形式で慣れている学生も少ないことから、しっかり対策できればほかの学生と差をつけられる絶好の機会になり得ます。撮影の仕方や注意点といった基本を押さえれば、確実に高評価を得られるのです。
この記事ではキャリアアドバイザーの上原さん、渡部さん、木村さんのアドバイスを交えつつ、動画選考で面接官に好印象を残し、評価を高める方法を解説します。
元人事としての経験を持つ谷所さんからは、動画選考の準備におけるポイントについても詳しく聞いているため、これから動画選考の準備に取り掛かる人はぜひ参考にしてくださいね。
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動画選考は5つのポイントを理解して臨むことが選考突破につながる
動画選考は「評価基準がわからないので、どのように対策すれば良いかわからない」と多くの就活生が頭を悩ませます。しかし、実はこの記事で解説する5つのポイントを押さえておけば、スムーズに対策して選考突破を勝ち取りやすくなるのです。
この記事では、簡単に就活に用いられる動画選考の種類を解説した後、結論となる動画選考対策で意識すべき5つのポイントを解説します。動画選考の流れを交えて具体的な対策方法を解説するので、流れに沿って準備を進めてみてください。
前半で基本を押さえたら、後半では撮り直しができる場合とできない場合の撮影の注意点や、動画選考を課す企業の意図などをチェックして、動画選考に向けた細かい部分まで理解を深めましょう。
最後まで読めば動画選考を突破するためにすべきことを理解して、自信を持って動画選考に臨めます。「第一志望群なので絶対に受かりたい」という人はぜひ実践してみてくださいね。
プロのアドバイザーはこう分析!動画選考は近年広まりつつある効率的な選考方法
木村 千恵子
プロフィールを見る動画選考は、アメリカなど海外ではすでに多くの企業が導入している選考手段です。日本でも最近急速に導入する企業が増えてきています。
特に、応募者が集中する人気の大手企業を中心に、航空、商社、建設、メディア、エンタメなどの業界でグループ面接に代わる選考方法として、すでに数百社で導入を始めているようです。
毎年応募者の多い企業側にとっては、グループ面接で必要な会場確保と期間中の面接官の人員確保の面で大きなコストがかかりますが、学生が各自で撮影した動画を集めて選考をおこなう場合は物理的な会場は不要となり、大きなコスト削減が見込めます。
学生側も自分らしさを発揮しやすいメリットがある
さらに、グループ面接では他の応募者の様子が気になり本来の自分らしさを面接官に伝えられない学生も、動画で自己PRや志望動機を伝える場合はあらかじめ準備したうえで撮影できるため、よりリラックスして自分らしさを伝えることが可能になります。
今後は、大手企業での動画選考が定着するとともに、動画選考を導入する企業はコミュニケーション能力を重視する業界と業種を中心に加速していくものと思われます。
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まずは押さえておこう!動画選考の種類
動画選考の種類
- 自分で動画を撮影・録画し企業に送る
- 企業からの動画での質問にオンデマンドで答える
動画選考が使われる理由は理解できたと思いますが、実は一口に動画選考と言っても2つの種類があります。
それぞれで動画の撮影の仕方や注意点などが変わってくるので、まずは動画選考の種類を知っておきましょう。そのうえで、自分が受ける選考に合わせた対策ができると良いですね。
動画選考とは?
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末やパソコンのWebカメラで撮影した動画を、企業が指定する投稿フォームにアップしておこなわれるもの
形式①自分で動画を撮影・録画し企業に送る
まずは、動画選考の主流である、あらかじめ定められた質問に対しての回答を述べる様子を撮影するパターンです。自己PR動画などがこれにあたりますね。
時間制限が設けられており、多くの場合は数十秒から1分程度、質問数によっては3分程度であることが多いです。
動画選考の際に求められることが多い質問は、自己PRと志望動機だと思います。ほかにも、自己紹介や学生時代に頑張ったことが含まれることもあります。また、1つの質問にはおよそ1分前後の時間指定が多いようです。
こちらの記事では録画面接のコツをプロが解説しています。録画面接に不安がある人はぜひ参考にしてみてください。
自己PR動画の提出で悩む学生は多いと思います、自己PR動画については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
形式②企業が用意した動画内での質問にその場で回答する
あらかじめ質問内容が選考前に学生には伏せられているケースもあり、企業から指定されたURLに入ると録画がスタートし、質問が普通の面接のようにその場で提示されます。
①と違って、事前に質問への回答をしっかり固めておくことができないのが難しいところですね。時間も企業や使用ツールによって決まっていたりいなかったりとさまざまです。
また、動画を撮影するのではなく、インターネット経由でライブで面接をおこなうWeb面接もあります。
プロのアドバイザーならこうアドバイス!企業は目的に合わせて動画選考の形式を使い分けている
野村 芳克
プロフィールを見る動画選考にはこの記事で紹介しているように「①自分で動画を撮影・提出する形式」と「②企業が用意した質問にその場で答える形式」の2種類があります。この2種類を企業が使い分ける理由は、おもに目的に違いがあるからです。
まず、形式①は、応募者のプレゼン力や準備力、編集・構成力を評価する狙いが強く、自己PRや志望動機を自由にまとめる力、時間管理力などを見極めたい企業が採用します。特に広告・企画・営業系など、発信力を重視する職種に多く見られるでしょう。
一方、形式②は、即応力や思考の柔軟さ、瞬発的な表現力を測る目的で導入され、外資系・IT系・コンサルなどスピード感や対応力を重視する企業で導入するケースが増えています。
動画選考に臨む際には形式ごとの特徴を押さえて対策をおこなおう!
受験者側の注意点として挙げられるのは、形式①であれば、原稿作成と練習を重ねて、照明や音声、構図を整えて撮影することが重要です。フリップボードなどの小道具でオリジナリティを出すのも効果的でしょう。
形式②は、台本が使えないため、想定質問への1分自己PR練習などで瞬発的に簡潔な回答をまとめる訓練が必須です。
どちらも表情・目線・話し方といった基本的なマナーを整え、提出前の確認を徹底することが選考突破の鍵になります。
WEB面接は対面面接と同じ対策をしてしまうと落ちてしまう場合があります。Web面接の対策はこちらの記事を参考にしてください。
また、WEB面接ではなく電話で面接をおこなう企業もあります。電話面接の対策を知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
動画選考で押さえるべき5つのポイント
次に、自分を印象をアップさせ、採用担当者を惹き付けるための5つのコツをお伝えします。
動画だからこそできる工夫や、自分のことをより知ってもらうためにできることはたくさんあります。ぜひ参考にして、多くの応募者の動画とひと味違う動画を撮影しましょう。
動画選考突破のために押さえておきたいポイントについてはこちらのQ&Aでも解説しているので、あわせて確認してみてください。
①最初と最後のあいさつに気を配る
アピールの中でもっとも重要なものは、最初と最後の挨拶です。人間には、最初と最後の印象に大きく左右される初頭効果と終末効果があると言われています。
そのため、どんなに回答が魅力的でも、初めと終わりがあいまいであれば回答そのものもパッとしない印象に感じられるかもしれません。
また、採用担当の元には多くの動画が届きますよね。そのすべての動画を初めから終わりまで確認するのは非常に手間です。初めのあいさつだけで学生を評価し、見る動画と見ない動画を決めていてもおかしくありません。最後まできちんと自分を見てもらうためにも、挨拶には一番気を遣いましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!元気な第一声で明るい人柄を印象付けよう
上原 正光
プロフィールを見る驚くべきことに、私たちが出会ってから相手への印象を持つまでに要する時間は「3~15秒」と言われています。
ほんの一瞬で決まってしまうので、清潔な見た目や明るい表情、ハキハキした返答や優しい口調を最初から心がけ、良い印象を持ってもらえるようにしましょう。対面でも動画でも人の印象には最初の第一声が大きな影響を与えます。
当然話す内容は大切ですが、それと同じくらい印象が大事です。自然な笑顔が出るように、表情に気を配りましょう。また、冒頭と同じくらい最後の印象も強く残ります。最後に元気な挨拶で締めくくることで、明るい印象を残すよう意識してみてください。
②撮影の構図にこだわる

撮影をするうえでは構図が非常に重要です。見え方によって、あなたの印象が大きく変わわります。撮影をするうえでおすすめの構図を2パターン紹介します。
バストショット
胸のあたりから頭の先まで映るような構図をバストショットと言います。
バストショットのメリットは、上半身の動きがわかりやすいうえに、表情がよく見える点です。いきいきとした表情や笑顔を見せるのにはぴったりですね。
ミディアムショット
バストショットに比べて、腰あたりまでが映るような構図をミディアムショットと言います。
上半身がすべて映る分、身振りや手振りが見えやすく、元気な印象や話をわかりやすく伝えられるのがミディアムショットのメリットです。。小道具などを使う場合は、顔が隠れない十分なスペースを確保できるのでこちらがおすすめです。
撮影の際は映える背景を選ぶことも大切です。白や明るいグレーの壁などが良いですね。大きめの模造紙を購入して、背景にして撮影するのがおすすめです。
自宅の他、大学の教室や会議室を借りて撮影するなどの工夫をして背景を無にすると、人事担当者の注意は本人の印象にクローズアップされます。
③小道具を活用してオリジナリティを出す
小道具を使った目の惹き方
- フリップ
- 過去の成果を表現できるもの
動画と面接の大きな違いは、自分らしさを存分に発揮できるところです。動画だからこそ、自分のことをさらにアピールできるような小道具を使ってより印象付けましょう。
ただし、オリジナリティに意識が向きすぎて小道具と顔とかぶってしまったり、うまく声が届いてなかったりしないように注意しましょう。あくまでも自分の話がメインで、小道具は印象を良くするための要素ですよ。
小道具①フリップボード
よく学生が使う小道具がフリップボード。スケッチブックなどにアピールポイントを書き込み、それを見せながら話を進めることで、話の内容を強調できるのが大きなメリットです。
たとえば自己紹介では自分の名前、自己PRでは強みやエピソードなどを箇条書きにして示すことができますね。言いたいことを可視化できるので、アピールが伝わりやすくなります。
小道具➁過去の成果を表現できるもの
また、小道具として効果的なものに「過去の成果を表現できるもの」があります。たとえば部活などでの頑張りを示す表彰状やトロフィーなどがそれにあたります。
表彰状を片手に、部活動での頑張りや成果を示すと、話の内容に説得力が出ますね。また、ずっと練習に使っていたシューズやユニフォームなどを見せてこれまでの努力を見せるのも、臨場感がでてあなたのアピールが面接官に伝わりやすくなります。
過去の成果を表現できる物の例
- 表彰状
- トロフィー
- メダル
- シューズやユニフォーム
サークルやボランティア活動などの話をするときに、活動の様子をイメージしやすいように仲間と一緒に写っている写真を拡大したものを見せると、活動に積極的にかかわっている雰囲気が伝わって話の内容をイメージしやすくなります。
④照明に気を配る
動画だからこそ注意しなければならないものの一つに照明があります。先ほどもお伝えした通り、光の当たり具合によっては影ができてしまい、自分の表情が暗く見えてしまうことも。
絶対に避けたいのは真上のみから光が当たる場所です。顔に影ができ、暗い印象になります。
撮影する際は、顔が明るく見える自分の斜め上から光が当たる場所がベストです。
自然光を活かす
もっともカメラ写りがよくなるのは自然光です。そのため自然光のある日中に撮影することをおすすめしています。
ただし、光が強すぎるのは逆効果。逆に顔が白飛びしてしまい、明るすぎて表情が見えないこともあります。自然光が真正面からあたる場所は避けましょう。
⑤レフ版を使う
光が足りず、どうしても暗くなってしまうときは、レフ版を使うのがおすすめです。白は光を反射するので、適度な光を当てられます。顔色が明るく見えますよ。
レフ版と聞くと「用意が難しい」と考えてしまうかもしれませんが、実は白い画用紙や模造紙などでも代用できます。
白は光を反射しするので、適度な光を当てられます。顔色が明るく見えますよ。
レフ版はカメラの範囲に映らない位置で、あごの下に置くと良いでしょう。
相手に届けることを意識する
一般的な面接では、面接官に自分の言いたいことを理解してもらおうと工夫して話しますよね。
しかし動画選考では、動画を撮ることや制限時間内に話し切ることを第一に考えてしまい、早口になりがちです。しかしそれでは、動画を見る相手にあなたの魅力が伝わりにくくなってしまいます。
以下のコツを生かして、動画選考でも相手に話が届くように工夫しましょう。
相手に話を届けるコツ
- 笑顔は絶やさない
- 身振りや手振りは少し大げさに
- 目でも訴えかける
プロのアドバイザーならこうアドバイス!相手に届けるためには「納得」と「共感」を得ることが大切
渡部 俊和
プロフィールを見る選考の目的はあくまでも「共に働く仲間探し」です。何を伝えるにしても、相手の「納得」と「共感」を得られるように、という観点を忘れないでください。
「納得」は論理的な整合性であり、話す内容にもかかわることですが、「共感」は好き嫌いや感情など、論理的ではない根拠のないものです。
たとえば「話が上手すぎて軽薄な感じがする」という人がいるとします。話が上手いことは論理的、客観的に考えれば決してマイナスではないはずなのですが、実際にはそういう人が選考で落ちてしまうこともよくあります。
その人を「仲間」として選ぶかどうかの根拠は、全てが論理で説明できるものではないのです。
正解がないからこそ自分らしく臨もう
話が上手いことを好感をもって見る人もいれば、下手な話を一所懸命になりながら汗をかいて話す姿に好感を覚える人もいます。
「共感」を得られるための決まった「答え」はありませんが、それは実際の仕事の場でも同じことであり、不確実なことに立ち向かう姿勢も選考の一部と考えましょう。結局は自分らしくベストを尽くして「伝えよう」とすることが一番大事です。
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動画選考の流れ
それでは実際にどのように動画選考をおこなうのか、その流れを解説していきますね。これから動画選考に臨む人は特に想像を膨らませながら読んでみてください。
①原稿を作る
まずは原稿を作りましょう。すでに質問が決まっている場合は、その質問への回答を考えます。
質問が公開されていない場合、過去に質問された内容や頻出質問などを参考にして、想定質問とそれに対する回答をセットで考えておきましょう。
また、こういった動画選考では主に自己PRや志望動機などの定番の質問が聞かれがちです。どんな質問が来るかまだわからない人は、よくある質問はマストで回答を用意しておき、加えていくつかほかの質問も想定しておけると良いですね。
- 上手に話すために、原稿づくりの時点で注意しておくべきことはありますか?
声に出すことを想定して準備しよう
原稿作りの時点で話しやすい言葉を使うようにしましょう。何度か口に出してみて、言いにくいところやつっかえてしまうところは違う言葉にしてみると良いですね。
なるべく短い文章にしたり漢字を少なくしたりすると撮影時に読みやすい原稿になりますよ。
自己PRや志望動機の考え方は以下の記事で詳しく解説しています。内容に不安がある人は参考にしてください。
自己PRの例文
面接の自己PRの伝え方! 構成・例文20選つき
志望動機の例文
面接の志望動機の答え方を3ステップで解説|志望業界別の例文20選
制限時間を意識しよう
多くの場合、動画面接では制限時間が設けられていることが多いです。制限時間を超えてしまうと、マイナス評価になってしまったり、評価すらされないこともあるため、厳守しましょう。
時間オーバーを防ぐためには、原稿の段階から制限時間を想定して回答に文字数を定めておきましょう。一例として、30秒で話せる文字数はおよそ150~250字と言われています。事前に話す内容を紙に書き起こし、文字数を確認しながら回答を作りましょう。
時間数と目安の文字数
- 1分…300字
- 30秒…150~250字
- 15秒…60字
②練習する
回答が完成したら、次は回答の練習に移りましょう。「回答さえ覚えればあとは話すだけだから練習はいらない」と考える人もいるかもしれませんが、ぶっつけ本番だと緊張してしまい、言葉に詰まってしまったりとうまく話せないことが多いです。
落ち着いて本番に臨むためには、練習はマストですよ。ただしただ練習をするのではなく、本番を想定して段階を踏んで練習をしていきましょう。
STEP①対人で練習
動画選考は伝える相手の姿がわからないため、一方的なアピールになりがちです。面接官に向けて話すわけではないものの、動画を「見る」相手を意識して話しましょう。
動画の閲覧者を意識するためにも、まずは面接練習のように、人を相手に練習をします。練習を終えたら、一方的に話していなかったか、聞き取りやすい声だったかなど確認してみると良いですよ。
STEP②本番同様に練習
相手を意識することが身に付いてきたら、次は本番同様にカメラに向かい、実際に録画しながら練習しましょう。どんなに気を付けていても、実際の話し方や雰囲気は意外と自分ではわからないものです。
「意外と目が泳ぐなあ」「ここ聞き取りづらいかも」など、改善点がいくつか見つかるはずです。話す自分の様子を動画に収め、本番に向けてブラッシュアップを重ねましょう。
特に名前や結論などの大事な部分が雑にならないように注意してください。
話すことは練習量に比例して上手くなるため、1回だけでなく繰り返しおこなうのが良いでしょう。日を空けて自分の録画を見直すときっと驚くはずです。
練習の際は、以下の記事を参考にしながら取り組んでみてください。面接の内容ごとに、それぞれのコツや注意点などを解説しています。
面接での自己紹介
面接の自己紹介の作り方・伝え方|やってはいけないNG例も紹介
面接での志望動機
面接の志望動機の答え方を3ステップで解説|志望業界別の例文20選
面接のコツ
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説
③動画を撮る
十分練習ができたら、次はいよいよ提出用の動画を撮影しましょう。話す内容については練習で積み上げたものをそのまま伝えれば良いだけです。そのうえでさらに印象を良くするために気を付けたいことをいくつか紹介しますね。
身だしなみ
動画選考は、画面に写っている情報で学生のことを判断せざるを得ません。
面接官の視野が狭くなることでより細かい部分にまで目がいき「服装の汚れや乱れ」が目立つと言われます。細かい点には特に気を配りましょう。
動画選考において身だしなみは通常よりも気を付けたいところです。特に髪型は、通常の面接では問題なくとも、動画では天候や時間帯の違いによっては光の当たり具合が変わることで影ができてしまうことがあります。顔全体が暗く見えないよう、事前にチェックしておきましょう。
また服装はスーツが基本です。下半身は見えないだろうと考え上半身だけ身なりを整える人もいますね。何かの拍子に不用意な姿が映りこんでしまう可能性もあるので、必ず上下きちんとスーツを着用しましょう。
身だしなみの注意点
- 髪型…基本の身だしなみは必ず意識+いつもよりも顔がよく見えることを意識
- 服装…上下スーツ着用は必須
身だしなみなどのマナーはこちらの記事でも詳しく解説しているので、マナーに不安がある人はぜひ参考にしてください。
撮影環境
身だしなみ同様に意識したいのが撮影環境です。自分をアピールするために最善の環境で撮影したいですよね。撮影場所は、白やベージュなどの無地の壁を背景にすることをおすすめしています。
また、背景にものが映りこまないよう、周りのものはすべて片づけるか無地の布をかぶせておくなどしましょう。企業は背景からもあなたの人柄や性格を想像します。背景が散らかっていては、あまり良い印象は持てませんよね。
撮影環境の注意点
- 背景…白かベージュなど明るい無地の壁が望ましい
- 周辺環境…画面にものが映りこまないよう、事前に片づけるか布をかぶせて見えないようにする
また、撮影する場所だけでなく通信環境にも注意が必要です。特にオンデマンドの場合はインターネットへの安定した接続が重要になります。
建物に備え付けのWi-Fiだと、住民の状況によっては接続が悪くなってしまうので、光回線やポケットWi-Fiを使うのがおすすめです。
準備すべきもの
動画をスマホで撮影する人は、三脚やブックスタンドなどでスマホを固定させておきましょう。
手に持ちながらの撮影では手振れで画面が安定しない可能性が高く、企業にとって少し見にくくなってしまいます。
腕が疲れて、回答に集中できないこともあります。万全の状態で望むためにも、以下のような簡単な機材だけは準備しておきましょう。
動画選考の撮影で準備すべきもの
- 三脚
- スタンド
- ブックスタンド
表情・目線

画面越しの場合、対面よりも表情が暗く見えてしまうこともあるでしょう。自分では微笑んでいるつもりでも、相手からは表情がこわばっているように見えているかもしれません。
あなたの表情が正しく伝わるよう、「少し大げさかな?」と思うくらい、いつもよりも明るい表情を意識しましょう。練習の際にも回答だけでなく表情にも気遣えると良いですね。
また、動画を撮影していると画面に映る自分に視線がいきがちですが、それでは採用担当者から見たときに下を向いて話しているように見えてしまいます。再生時に採用担当と目を合わせるために、画面の自分ではなくカメラに目線を向けましょう。
表情や目線の注意点
- 表情…口角をいつもよりも上げて、微笑むよりもにっこりした笑顔を意識する
- 目線…画面ではなくカメラを見る
- 位置…カメラの正面か少し上に目線が来るように調整する
表情や目線以外に、全体的に「良い雰囲気を感じ取ってもらうこと」を意識してください。普段以上に明るくはきはきとした雰囲気を出すことを心掛けましょう。
話し方
画面越しの場合、話し方には特に注意が必要です。はきはきと話すことは通常の面接でも重要ですが、動画では対面時以上にはきはきと、明るく話すことを意識しましょう。面接時と同じでは、聞き取りづらいこともよくあります。
また、制限時間があると時間ばかりを気にしてしまい、焦りから早口になってしまいこともあるでしょう。重要なことは「自分の魅力を伝える」ことです。落ち着いて、相手がいることを意識した話し方を心掛けましょう。
話し方の注意点
- 声の大きさ…普段よりも少し大きめを意識する
- 話し方…普段より口をしっかり動かすことを意識してはっきり話す
- 声のトーン…普段より1トーン明るく話す
- 話すスピード…焦りすぎない。相手に届けることを意識する
「言い切る」ことも心掛けると良いですね。普段の会話で言い切ることは少ないと思いますが、選考用の動画では話す内容も結論もはっきりしているはずなので、「えー」とか「あのー」などを繰り返さないよう、文末をはっきり言い切りしましょう。
ここまで説明した面接での振る舞いに関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。対策しながら目を通し、より完璧な受け答えを目指しましょう。
面接での話し方
面接を突破するための話し方のコツ7選|OK例とNG例の違いも解説
面接で気をつけること
面接で気をつけることとは? 就活のプロから学ぶ面接の心構えとコツ
身振り手振り
面接は身振り手振りを適切に使って制す! 好印象を残すコツを解説
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
④確認する
撮影が終わったら、一度録画を確認しましょう。その際は、ここまでで挙げた注意点を満たしているかを入念にチェックすると良いですね。
企業によっては撮り直しができる場合があるので、もし気になるところがあれば再度撮影しましょう。
- この動画で良いのかいまいち自信が持てません。確認する際のチェックポイントを教えてください。
5つのチェックポイントを第三者を交えて確認しよう
確認ポイントとしては、①提示されている質問にきちんと答えているか、②話のポイントがわかりやすいか、③話す声の大きさとスピードは適切か(普段よりも若干大きい声でゆっくりめ)、④指定された時間内に収まっているか、⑤自然な笑顔で話せているか、をチェックしましょう。
できれば、自分でチェックしたうえで、学校のキャリアセンターの職員や教務の先生などに見てもらい、不自然な点や気になるところを指摘してもらうのが良いですね。
⑤企業に送る
確認が完了したら、いよいよ企業への提出です。基本的には提出用のフォーマットが指定されていて、ナビサイトにそのままアップロードすれば良いことが多いです。
フォーマットが指定されていない場合
もし提出フォーマットが指定されていなければ、Googleドライブやクラウドにアップロードすると良いでしょう。アップロード先のURLを送れば企業も動画を確認することができます。
企業へ一報入れる
企業への送信が完了したら、企業に一報入れましょう。無言で送るよりも挨拶があったほうが企業も気付きやすく、親切ですよね。細かいところではありますが、多少なりとも良い印象につながるかもしれません。
送信メッセージ
TO〇〇〇〇@theport.jp
CC
件名選考用動画送付のご連絡/就活大学 港太郎
株式会社〇〇人事部
採用担当〇〇様
お世話になっております。
就活大学 文学部英米文学科の港太郎と申します。
先ほど、選考用の動画をお送りしましたのでご連絡いたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認の程よろしくお願いいたします。
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港 太郎(Minato Taro)
就活大学 文学部英米文学科
〒100-2345
東京都港区青山1丁目2-3-4
コーポ青山506
t-minato@shukatsu-u.ac.jp
090-1234-5678
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プロのアドバイザーならこうアドバイス!動画選考突破の鍵は原稿作成! 土台作りに時間をかけよう
谷所 健一郎
プロフィールを見る上記の5つのステップで特に動画選考突破に直結するものは、「原稿を作る」ことです。
なぜなら、これは単に話す内容を書き出す作業ではなく、限られた時間のなかで、自分の強みや企業への熱意をどう伝えるかという、動画選考の根幹を戦略的に練るプロセスだからです。
どんなに話し方が上手でも、内容が不明瞭だったり、企業の求める人物像とずれていたりすれば、評価にはつながりません。
入念に練られた原稿は、その後の練習や撮影の質を向上させる土台となります。最初の原稿作りを丁寧におこなうことが、動画選考突破の最も確実な道と言えるでしょう。
ぶっつけ本番はNG! 撮影前には何度も練習して身体に馴染ませよう
「原稿を作る」ことで土台が固まったら、次に重要なのが「練習する」ことです。良い原稿があっても、棒読みになってしまうようでは、魅力は伝わりません。
繰り返し練習することで、言葉が自然と身に付き、本番で落ち着いて話せるようになるでしょう。
最後に、「動画を撮る」ステップでは、練習で培った成果を最大限に発揮するための準備を整えます。カメラの向こうにいる採用担当者を意識し、明るい表情で話すことが大切です。
また、背景を整理し、十分な明るさを確保するなど、撮影環境を整えることで、好印象を与えられます。
面接官からの評価が点数でわかる! 本番に備えて面接力を測定しよう!
自分が面接官の目にどう映っているか、きちんと把握できていますか?
「面接力診断」では、あなたが面接本番でどれほどの力を発揮できるかを100点満点で測ります。
39点以下だと実力を発揮できていない可能性が高いです。診断結果から改善策を提案するので、本番に向けて対策しましょう。
- もうすぐ初めての面接がある人
- 自信のあった面接に落ちてしまった人
- 面接への不安を和らげたい人
動画選考のOK・NG例
では、実際の動画選考の例を見てみましょう。まずはOK例です。
明るい表情で、はきはきとゆっくり話せています。フリップを使って工夫しているのも良いですね。リーダーシップが強みである人柄をしっかり印象づけることができています。
次にNG例です。
部屋の照明が暗く全体的に見にくい印象です。表情が硬く、声も聞き取りづらく、一緒に働きたいと思わせる魅力が足りません。
また、話の本題から入り、自己紹介が抜けているので、ぶしつけな印象を残してしまうかもしれません。
大切なのはスラスラ話すことよりも人柄が伝わること
ここまで動画選考での注意点や対策についてお伝えしてきましたが、実際に動画を撮影する際は、企業が動画選考で何が知りたいのかを心に留めたうえで対策・撮影をおこないましょう。
重要なことは自分の人柄や雰囲気を企業に伝えること。回答を暗記してスラスラと答えることが求められているわけではありません。
もちろん回答に詰まってしまうことは避けたいですが、必ずしも「完璧な回答ができなかったから不合格」とは限りません。あくまで自分をアピールすることを念頭に置いて臨むようにしてくださいね。
- これから動画選考の準備をします。企業に人柄をしっかり伝えるためにアドバイスをください。
相手に与える印象を意識して臨もう
企業や職種によって評価ポイントは異なりますが、共通して言えるのは、短い時間では話している内容と共に印象が大事だということです。内容以上に「あなたの雰囲気を感じ取ってもらうこと」にもこだわってください。
動画で実際に話している姿を見ることで、紙に書いてある文章を読むだけでは伝わってこないその人の雰囲気、その人らしさを感じることができます。
声の調子や顔色で伝えられる人柄が大きく変わってくるものです。笑顔でハキハキと明るく話をすること、嘘をつかず真の自分を出すこと、曖昧な表現を避けきちんと話をすることに気を付けると人柄が伝わりやすくなりますよ。
選考タイプ別! 撮影上の注意点と対策
動画選考の流れや必要な工夫がわかったら、形式別の具体的な取り組み方をマスターしましょう。自分の選考タイプに合わせて対策を講じておけば、動画面接を突破するだけでなく、ほかの志望者と差をつけ、今後の選考をより有利に進められます。
ここからは撮り直しができる場合と、できない場合に分けて意識すべきポイントや注意点、対策方法を解説します。
効率よく動画選考を突破する方法が知りたい人は、ぜひこの章もチェックしておいてくださいね。
撮り直しが可能な場合
撮り直しが可能な場合、暗記してスラスラ話すことよりも自分の熱意や雰囲気、良さが伝わるように意識しましょう。何度も撮り直し、本来の自分の良さ・強みが画面越しで伝わる回を提出してください。
採用担当が見たいのはあなたの人柄や雰囲気です。暗記をしたことを話すだけだと回答が機械的になってしまい、本来のあなたが見えにくくなります。言葉に詰まらないことは重要ですが、より重要な「あなたの良さ・熱意を伝える」ことを念頭に対策を進めましょう。
対策時は、人を相手に話す練習を繰り返すのがおすすめです。聞く相手を意識し、言いたいことを伝えることを意識すれば、より感情を込めた回答ができるはずです。
練習ごとに以下のようなポイントを相手に確認して、改善を重ねましょう。
相手にフィードバックしてもらうポイントの例
- 自分の話や人柄は伝わったか?
- 暗記したことを話すだけの単調な受け答えになっていないか?
- 動画にした時も同じように伝わりそうか?
プロのアドバイザーならこうアドバイス!完璧を求めすぎずに自然体で臨むことも大切
木村 千恵子
プロフィールを見る撮り直しができる場合、提出用の録画には、どうしても完璧を求めてしまいがちになります。しかし、面接官が求めているのは、ありのままの自然体の学生の人間性と良さがわかるビデオです。
選考用の動画なので、もちろん皆さん自分を良く見せたいですし、良い自分を演出する感覚もある程度必要ですが、あまり動画選考用のビデオで完璧な自分を演出しすぎると、実際の面接のときに余計なプレッシャーを感じることになってしまいます。
面接とのギャップが大きくならないように気を付けよう
実際の面接で、面接官に動画選考用のビデオとのギャップが大きすぎると感じられてしまうのはもったいないですよね。
まるで暗記したかのようにスラスラと質問の答えを話すよりも、顔の表情も豊かで声にも張りがあり、自分の言葉で熱意を伝えることが一番大切です。
必要以上に自分を良く見せようとせずに、ありのままの自分を録画すればよいという姿勢でビデオに収めることを目標に録画に臨んでください。
録画を始める時は、最初にゆっくりビデオカメラに自然な笑顔を向けてから話し始めると、自然体を意識できるためおすすめです。
撮り直しが可能な面接に望む場合は、以下の記事も併せてチェックしておきましょう。事前にチェックしておけば、さらにクオリティの高い動画に仕上げられます。
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面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。
簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。
- 近く面接本番を控えている人
- 自分の面接の改善点を知りたい人
- 過去の面接で力を発揮しきれなかった人
撮り直しができない場合
撮り直しができない場合、本番は非常に緊張しているはずです。また質問の内容が決まっていなければ、ピンポイントに質問の対策もできず、不安に思う人が多いことでしょう。
だからこそ、撮り直しができない場合のポイントは焦らず面接に望めるような工夫をしておくことです。具体的には、以下のような対策を講じておきましょう。
当日焦らず望むためにしておくべきこと
- どんな質問が来ても、まずは笑顔で「はい」と答えることを癖づける
- 撮影前に心を落ち着けられるルーティンを作っておく
- 基本的な質問だけでなく、想定される質問はすべて練習で網羅しておく
質問がわかっていない場合に最も有効な対策は、考えられる質問の回答をできるだけ多く挙げ、それぞれに回答を用意します。
基本的に、動画選考は一次面接の前など比較的早いフェーズでおこなわれるため、深掘りした質問が投げかけられることは少ないと考えられます。だからこそ、さまざまなタイプの質問を想定し、対策しておく方法が有効なのです。
プロのアドバイザーならこうアドバイス!リラックスした状態で臨むには念入りな準備が不可欠
渡部 俊和
プロフィールを見るどのような場合でも、人はある程度リラックスした状態の方が良いパフォーマンスができます。
撮り直しができない場合、準備をしっかりやれてさえいれば、あとは自分の持っているものを出すだけと割り切って、「開き直る」ことで緊張状態がほぐれリラックスできますよ。
もし準備が十分にできなかった場合も、結局はその場で何とかするしかないので開き直るのは同じなのですが、ある程度やれることをやったうえで臨むのと、不安や後悔を感じながら臨むのとでは心理状態が大きく違います。
練習や準備は本番で成功するメンタルのためにおこなうと考えて、念入りに準備をしておきましょう。
準備を尽くしたうえでありのままの自分を見せよう
「開き直る」などと言うと「何もぜずありのままの自分で良いのではないか」と誤解する人もいるのですが、準備を尽くしたうえでの「ありのまま」と何もしない「ありのまま」は全く違います。
同じミスをした場合でも、後者には成長性や将来性が感じられませんよね。新卒採用はまさに将来性を買う場なので、心構えの部分も大事にしてほしいと思います。
就活初期の面接で投げかけられる質問の例は、以下の記事で詳しく解説しています。想定質問をリストアップする際の参考にして、できるだけ完璧に近い対策を講じておきましょう。
その他、基本的な質問の対策方法は以下の記事をチェックしてくださいね。
基本的な質問の対策方法は以下の記事をチェックしてくださいね。
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企業が動画選考をおこなう意図
企業が動画選考をおこなう意図
- 採用活動の効率化のため
- 書類だけではわからない魅力を知るため
- 地方学生を採用するため
- 応募ハードルを下げるため
企業の選考方法には必ずそれを使う理由があります。動画選考の場合、「感染リスクが理由だろう」と決めつけていたら、表現力を評価されていた、といったギャップに注意しましょう。
相手のニーズを考えることは仕事の場でも重要なので、社会人の練習だと考えて企業側の意図を把握するようにしてください。
基本的に選考フローは、エントリーシート(ES)や履歴書で書類選考をおこない、それを通過した人が面接に進めるという流れが一般的でした。
しかし近年なぜこのように動画選考をおこなう企業が増えているのでしょうか。企業が動画選考を取り入れる理由を見てみましょう。
採用活動の効率化のため
優秀な人材を求めている企業としては、できれば応募者全員と面接をしたいと考えています。
しかし、採用担当者のリソースが足りないため、面接に呼ぶ学生の数をある程度絞らなければいけません。
動画選考なら、企業はわざわざ対面で面接する時間を割くことなく志望者の雰囲気をチェックできます。学生の良さを多面的に判断し、かつ学生の数を絞る方法として、動画選考は非常に効率が良いのです。
動画選考では、リアルに近い形で学生の特徴を知ることができます。
また複数の面接官が同じ学生の動画を任意に繰り返し視聴できるため、選考基準の偏りの是正にも役立てられることから、採用活動の時間やコスト削減を狙う企業に導入されている面があります。
書類だけではわからない魅力を知るため
ESや履歴書の内容では「いまいちだな」と感じる学生でも、実際に会ってみると非常に魅力を感じる学生もいるものです。このような学生を落とさないために、動画面接が導入されています。
ESだけではその学生の内面的な魅力や人柄などは計り切れません。多くの企業は学生の人柄や自社とのマッチ度を注視するため、実際の学生の話す姿や雰囲気を知ることで、評価が変わることもあります。
そのような学生に出会い、よりマッチする人材を採用することが、企業が動画選考を取り入れる理由です。
個人を相手にするBtoCの業界は、対人スキルを重視し面接のウェイトが高くなります。
対面の機会が限られる場合は動画選考に前向きになるでしょう。また、慣れないであろう動画を作る過程の努力を評価したい企業もあると思います。
地方学生を採用するため
学生の中には、現在は地方に住んでいるものの就職は東京をはじめとする首都圏でしたいと考えている人もいます。しかし、従来の就活では対面でおこなう選考が多かったため、地方学生にとっては選考への参加が難しく、都心での就職を諦めてしまった学生も少なくありません。
そのような学生の中で自社にマッチする人材を発掘するために、現在では動画選考が増えてきているのです。
動画選考をおこなっている会社であれば就活にかかる負担や費用が減らせるので、地方の学生でも選考に挑戦しやすいですよね。企業にとっても、自社に魅力を感じてくれる学生と出会う機会を失わずにすむため、動画面接が広がっているのです。
反対に、地方企業の採用担当者にとっても、距離のハンデは大きいものでした。
リモートワーク主体の求人も増えており、地域を問わず採用できる職種ならば、動画選考は費用と労力の少ないうってつけの方法と言えます。
応募のハードルを下げるため
ESが苦手な学生の応募ハードルを下げるのも、動画選考を取り入れる企業の狙いの一つです。ESだけで面接に進めるかどうかを決めるよりも、動画面接で自分の雰囲気や人となりを知ってもらえたほうが応募時に工夫しやすく、幅広い学生が挑戦しやすくなります。
2つの選考タイプ
- A社:ES提出⇒一次面接⇒二次面接⇒最終面接
- B社:ES提出・動画選考⇒一次面接⇒二次面接⇒最終面接
このような二社があったとき、どちらのほうが「受けてみようかな」と思いやすいでしょう。A社で面接に進むためには、ESの出来が鍵を握ります。その点B社は書類選考に併せて動画選考が設けられているため、ESが苦手でも動画選考で挽回できます。
動画選考はESとは異なり、直接自分の思いを口で伝えることができる貴重な機会です。文章が苦手な学生にとっては、自分の言葉でアピールできる分、ESのみの選考よりも難しさを感じない学生もいることでしょう。
このように動画選考を用いることで応募のハードルを下げ、より幅広い学生からの応募を集める狙いもあるのです。
また、動画選考は新型コロナウイルス感染症の蔓延以降に広がった方法でもあります。非接触で面接できる方法は、ESと対面面接の中間的な選考方法としての地位が確立され始めており、企業・志望者互いにメリットの多い方法として現在も取り入れられているのです。
ESにあるような文字数の制限を気にせずに、自分らしい言葉と笑顔を活かして魅力を伝えられることも、就活生にとっては応募しやすい特徴の一つといえます。
プロのアドバイザーはこう分析!選考の精度を上げることも動画選考を実施する理由の1つ
渡部 俊和
プロフィールを見る実際、企業側もESだけで人物評価をするのは難しいのです。初期段階で落としてしまった応募者の中に良い人材がいた可能性もありますし、選考が進むにつれて人数が足りなくなるなど、採用の見込みがずれてしまうケースも多くなっています。
動画選考は「コストをかけずに初期段階の選考の精度を上げたい」という目的が最も大きいと思われますが、その背景には、短時間での人物の見極めが難しい、面接官のスキルに不安がある(同じような学生を評価してしまいがち)ということもあるかもしれません。
本来、組織は多様な人が集まって強みを発揮し、弱みをカバーするものなので、選考の材料は多角的な方が望ましいのです。
動画だからこそその人の姿勢やこだわりが見えるという一面も
また、誰でも簡単に動画やプレゼンテーションソフトが使えるようになった今、あるものを工夫して使ってみる、新しいものに取り組んでみる、というチャレンジ精神やクリエイティビティの部分も動画選考で垣間見える可能性もあります。
そうした人物評価は、対面の面接でも見えにくかった要素なので、発想力を重視する企業などでは動画を作り込む姿勢やこだわりなどが見えるのも動画選考を取り入れる1つの理由になります。
よくある疑問に回答!
最後に、動画選考についてよく学生から相談される質問に回答します。
多くの学生が疑問に思う内容をキャリアコンサルタントの見解を交えて解説するので、動画選考に関する疑問をここで解消しておきましょう。
①カンペは見て良いの?
基本的に、カンペを見ることはおすすめしません。
記事では、暗記がダメな理由として「あなたの人柄がうまく見えないから」とお伝えしました。カンペを読むのも同じことです。用意された回答をそのまま答えてしまうと、暗記同様に、あなたの魅力が伝わりづらくなります。
また、目線がカメラを向いていないと、面接官はどこか集中していないように感じてしまいますし、カンペを読んでいることはすぐにばれます。暗記した言葉からは入社への熱意が感じられないため、印象はマイナスになってしまうでしょう。
- なかなか文章を覚えられません……。カンペや暗記以外にいい方法はありませんか?
丸暗記ではなくキーワードで覚えよう
面接官が求めているのは、ありのままの、自然体の学生の人間性と良さが分かるビデオです。そのため、まずは大枠を覚え、あとは自分の言葉で話す意識でいると良いでしょう。
具体的には、文章そのものを覚えようとせずに、伝えたいことの流れに沿ってキーワードを決めておき、そのキーワードの順番に話を進めていくと、丸暗記よりも自然に話すことができます。
②撮り直しはできる?
撮り直しに関しては、企業次第です。たとえば特に決まったツールはなく、ただ「動画を撮影して送る」ということであれば、納得のいくまで撮り直して、出来が良いものを送付できます。
しかし企業が使用するツールによっては、撮り直しの回数が定められていたり、そもそも撮り直しができないものもあります。
撮り直し前提で臨んだ結果、実は撮り直しができなかったということがないように、事前に撮り直しの可否について確認してから撮影に臨みましょう。
③編集や加工は必要?
特に女性に多いですが、自分をよく見せたいと考えて、スマホアプリなどで自分の顔を少し加工して動画を撮影する人もときどき見受けられます。企業によっては加工を禁止するところもありますが、指定がない場合でも顔そのものの加工は控えたほうがベターです。
また、企業はあなたの編集技術を評価したいわけではありません。もちろんクリエイティブ系の企業だと、編集も求める場合がありますが、特に指定がなければ加工や編集はおこなわず、撮ったままの動画を送りましょう。
印象をよくしたいのであれば加工ではなく、光の加減や表情を工夫してあなたのよさが自然に伝わる努力をしてみてください。
④服装は私服OK?
基本的にスーツで臨むのが無難です。なぜなら私服は企業や面接官によっては悪い印象を与える可能性があるためです。通常の面接同様、できるだけスーツで臨みましょう。
ただし、自分という人柄をアピールしたい際は、ユニフォームや衣装などを身に付けて撮影しても問題ありません。むしろ話す内容が部活やサークルでの取り組みの場合は、そういったものを身に付けていたほうが人柄や努力が伝わりやすいでしょう。
ルールの範囲内で、自分のよさが一番相手に伝わりやすい服装を選択してください。
⑤カメラの向きは?
カメラの向きに関しては多くの学生が悩むことでしょう。結論としては、どちらのカメラを使っても問題はありません。インカメラは話しながら自分の表情を確認できますが、確認できる分目線が動きがちです。
動画を見る相手にしてみると、目線の揺れは集中力の散漫さと取られる可能性もあるため、その点は大きなリスクといえます。
そのためインカメラを使うなら、練習の際はインカメラで自分の表情を逐一確認し、本番は外カメラで臨むのがおすすめです。また、スマホの場合横向きで撮影することをおすすめしています。
顔の大きさが変わるので、カメラとの距離を調節することも大切です。また、身振り手振りがどこまで映るかも調整すると良いですね。
動画選考は5つのポイントを押さえて選考を突破しよう!
動画選考は対面での面接と違い勝手が効かない分、苦手意識を持っていたり不安を感じる人が多いでしょう。しかし、動画選考だからこそ工夫できるポイントもあり、しっかりと対策をおこなえば、面接につなげるための大きなチャンスとなります。
ESだけではわからない雰囲気や人柄を伝えること。動画選考の目的をしっかりと理解して、5つの対策で万全の準備を整えて動画選考に臨んでくださいね。
アドバイザーからあなたにエール完璧である必要はない! 誠実でひたむきな姿勢が評価につながる
瀧本博史
プロフィールを見る動画選考を前に不安を感じているあなたへ。
まず伝えたいのは、「完璧に話さなくても大丈夫」ということです。多くの学生が初めての動画選考で緊張し、「噛んだらどうしよう」、「途中で止まったらもう終わりだ」などと感じますが、企業が重視するのは完成された台本ではなく、あなたの人柄や真剣さの部分です。
たとえば、自己PR動画の途中で言葉に詰まった学生が、笑顔で「少し緊張していますが、この仕事に本気で挑みたい」と素直に伝えたことで、採用担当者に強い印象を残し、好評価となった事例もあります。企業は「失敗しない人」ではなく、「誠実に伝えようとする姿勢」を高く評価するのです。
自分の思いを自分の言葉で伝える! あなたらしさを大切にしよう
動画選考は、声のトーンや表情、話し方であなたらしさを伝える絶好の機会と言えます。照明やカメラアングル、話すペースも大切ですが、最も重要なのは「カメラの向こうの担当者を意識して自然体で話す」ことです。
動画は相手を思う気持ちが、表情や話し方に現れます。練習の努力は必ず動画にも表れるのです。言葉がスムーズに出なくても気にせず、深呼吸をして、まっすぐな目で「ここで働きたい」という思いを込めて話してみてください。
その真剣さと熱意が、採用担当者には届きます。完璧でなくても問題ありません。あなたの温度感と誠実さが、合格へとつながる大きな力です。就活は点数を競うものではなく、出会いの場ととらえてみましょう。あなたらしさを大切に、第一歩を踏み出してみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi













4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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