仕事でやらかしたらどうすべき? 適切な対処法を失敗談を交えて解説

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中

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  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう

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「仕事でやらかした……」というときは頭が真っ白になってしまいますよね。仕事で悪いことが起きて動揺してしまうと、「自分はクビになってしまうのかな」「やらかしてしまったけど報告するのが怖い……」といったネガティブ思考に陥ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、そうした不安感や焦った気持ちを持ったままでは、適切な対処ができなかったり、やらかしをより大ごとにしてしまったりする可能性があるのです。

この記事ではキャリアコンサルタントの木原さん、永田さん、柴田さんとともに、仕事でやらかしてしまったときの対処法や気持ちの切り替え方について解説していきます。

キャリアコンサルタント3人の社会人時代のやらかしエピソードなども紹介するので、ぜひ参考にして、失敗を次につなげていきましょう。

目次

仕事でやらかしたときはその後の対処の仕方次第で結末が変わる

大切な書類を捨ててしまった、重要な取引で金額を間違えてしまっていたというような、仕事での大きなやらかしは、動揺してしまううえに、その先の𠮟責やペナルティに対しても不安感や恐怖を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

たしかに自分にとって都合の悪い事態は「隠したい」「自分で何とかしなければ」と考えてしまうものですよね。しかし仕事は自分だけの責任でおこなうものばかりではないため、失敗した後の対処を間違えてしまえば、事態をどんどん悪化させてしまいかねません。

そこでこの記事ではまず、社会人の先輩ともいえるキャリアコンサルタント3人の失敗談を紹介していきます。ミスをしない人はいないからこそ、やらかしたことを悲観し過ぎず、まずは冷静に状況を受け止めてくださいね。

次は、仕事でミスをしたときに取るべき4つの対処法について解説します。起きてしまったことは仕方がないことなので、気持ちを切り替えて事態を収拾しましょう。

最後は同じやらかしを繰り返さないための3つの再発防止アクションについて解説します。今回の失敗を学びに変え、自分の成長につなげていってくださいね。

失敗は誰にでもあることです。まずは深呼吸して落ち着きましょう。焦ってしまうと次のステップでミスを重ねてしまう可能性があります。

失敗してしまったと落ち込むだけではなく、経験から学ぶ姿勢が成長につながるので、前向きにとらえて対処しましょう。

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自分だけじゃない! 仕事のやらかしは多くの人が経験していること

ビジネスパーソン1,000人に聞いた仕事で失敗する頻度

仕事でやらかしてしまったときほど、焦りや動揺で周りが見えなくなってしまいますよね。中には「こんな失敗をするのは自分くらいなのでは……」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。

しかし仕事に限らず、失敗しない完璧な人間は存在しないため、仕事でのやらかしは誰にでも起こり得ることなのです。

英会話のGabaがおこなったビジネスパーソンの「失敗」に関する調査2020によると、全国の20~59歳のビジネスパーソン1,000人(男性500人・女性500人)のうち、仕事での失敗の頻度が「多い方だと思う」または「どちらかといえば多い方だと思う」と答えた人は全体の36%でした

また全体の4割以上の人が「どちらかといえば少ない方だと思う」と答えていることからも、一度も失敗をしたことがないという人はほとんどいないと言っても過言ではないのです。

このように仕事での失敗は多くの人が経験していることだからこそ、やらかしてしまった自分を責めすぎる必要はありません。やらかして気持ちが沈んでいる人や、「辞めて責任を取ろう」などと思い詰めている人は、失敗は誰にでもあるという考え方で、まずは冷静さを取り戻してくださいね。

柴田 登子

プロフィール

仕事でミスをしたことが発端で「この仕事に向いていない」などと転職相談に来る人はあまり見かけません。

むしろそういったことをどのように解消すべきなのか、という相談ならしばしば見かけますね。

そもそもしょっちゅうミスをする人というのは、どんな仕事をしていてもミスをするものなので、根本を正さずその都度転職していては、いたずらに職歴が増えてしまうことになります。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

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社会人の先輩に聞いた! 仕事でのやらかし経験と失敗から得た教訓とは

社会人の先輩に聞いた! 仕事でのやらかし経験と失敗から得た教訓とは

  • 放送・行政・人財開発などさまざまな職種を経験してきた木原さんの場合
  • 自動車部品やアパレルなど多様な業界での社会人経験を持つ永田さんの場合
  • 企業や職業訓練校などで働き方の支援をおこなっている柴田さんの場合

繰り返しになりますが、人は間違えてしまうときもあるため、仕事でやらかしたときにあまり自分を責めないことが大切です。「失敗は成功のもと」ということわざがあるように、失敗とどのように向き合うかで良い結果につなげることができます

そこでここでは、多くの社会人経験を経てキャリアコンサルタントとして活躍する木原さん、永田さん、柴田さんに、これまでの仕事で味わったやらかしと、そこから学んだことについて聞いてみました。

自分の失敗のことで頭がいっぱいになっている人は、3人の失敗談を参考に、失敗を学びに変えるヒントを見つけてみてくださいね。

放送・行政・人財開発などさまざまな職種を経験してきた木原さんの場合

木原さんは放送や行政、人財開発などさまざまな仕事を通じてキャリア支援に興味を持ち、現在はカウンセラーや研修講師として多くの人のキャリアの実現をサポートしています。

そんな木原さんの社会人時代のやらかしエピソードと、そこから得た学びについて聞いてみました。

アドバイザーコメント

もともと苦手意識がある業務でうまくいかず焦ってしまった

以前、オンラインで大事なプレゼンテーションをおこなう機会がありました。もともと電子機器の取り扱いには苦手意識があり、得意ではなかったため、事前にパソコン上の資料を投影する手順は確認していました。

しかしいざ本番になると、なぜかうまく投影することができませんでした。「ちゃんと確認したはずなのに……」と、何度もリハーサルと同じ手順を繰り返しましたが、やはりうまくいかず、どんどん焦りが大きくなりました。

結果的には先輩が投影してくれ、プレゼンを実施することはできたのですが、大事な時間をロスしたうえに参加者に不安感を与えてしまい、後から上司に叱られてしまったのです。

予期せぬ状況でも冷静に対処する柔軟性が大切

振り返ってみると、リハーサルではきちんと投影できることを確認しましたが、その後にPCの設定を変更してしまっていたことが原因でした。

この経験から、事前準備は本番と同じ環境で念入りにおこなうことや、トラブルに対する柔軟な対応力の大切さを学びましたね。

それ以来、何度も練習を繰り返し、本番直前まで必ず確認をしっかりとおこなうようにした結果、オンラインでのプレゼンが得意になり、周囲からも頼られるようになりました。

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

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自動車部品やアパレルなど多様な業界での社会人経験を持つ永田さんの場合

永田さんは自動車やアパレル、福祉などあらゆる業界での勤務経験を持つキャリアコンサルタントです。現在はYouTubeやブログを通じたカウンセリングで、多くの人の仕事や就職に関する悩みに寄り添っています。

ではそんな永田さんは、社会人時代にどのようなやらかしを経験しているのでしょうか。失敗談とそこから得た教訓について聞いてみました。

アドバイザーコメント

福祉業界での仕事で利用者の命にかかわる事態が発生した

私が過去にした失敗は小さなものを含めると無数にありますが、一番印象に残っているものとしては福祉業界にいたときの失敗ですね。

障害を抱えている人を預かる施設で宿泊の利用者がいたときに、その人が夜施設の外へ徘徊してしまったことがありました。運が悪いことに時期は冬で、雨が降っていました。

朝方まで職員総出で大捜索しましたが、なかなか見つからず、ご家族も駆けつける始末。朝方になり「もしかしたら最悪の事態もありえるかも……」と覚悟を決めたときに、ある職員から「見つかりました!」と報告が入り、すぐに救急車を呼ぶという事態がありました。

どんな仕事でもプロ意識を持って取り組むことが大切

私が直接引き起こしたミスではありませんでしたが、当時は主任だったため、行政やご家族、関係各所に説明やらいろいろと大変だったことを覚えています。

ここから学んだ教訓は、「命を預かる仕事である以上、想定外は言いわけにならない」ということでした。

どんな職業も突き詰めれば顧客の命や大切なものを預かることにつながるはずです。仕事といえど決して軽い気持ちで望んではいけないのだと、そして常にプロ意識が必要であると、私に取っては深く心に刻まれた出来事でしたね。

企業や職業訓練校などで働き方の支援をおこなっている柴田さんの場合

柴田さんは、おもに製造業界の企業で従業員のキャリア形成をおこなう傍ら、若者の自立支援センターや公共職業訓練校において働き方や就職支援などをおこなっているキャリアコンサルタントです。

これまで多くの人に就職や働き方の極意を説いてきた柴田さんには、どんな失敗エピソードがあるのか聞いてみました。

アドバイザーコメント

自分一人で重要な仕事をやり切ろうとして確認を忘れてしまった

新卒で損害保険会社に勤務していた時、代理店の人から保険料を計算してほしいと依頼があり、取り扱ったことがない保険にもかかわらず、自分なりにマニュアルを見て計算し、15万円と計算しました。

しかし本来の保険料はなんと2千円という、金額に大きな開きがあり、当然強いクレームに発展しました。当時の私は重要な仕事を任された、という嬉しさが先走り、計算した結果を先輩にチェックしてもらうことも、何度も確認することもすっかり頭から抜けてしまっていたのです。

自分の仕事は顧客や周囲の人のためにあるという意識が大切

そのことから、初めてやる業務や作業は必ず手順を周囲に確認し、できた後もチェックしてもらうことを学びました。

そして、仕事を任されたから自分一人でやり遂げるぞ、という気持ちはまったくもって自分中心の考え方で、仕事は顧客やかかわる相手のためにやるものであるということも意識するようになりました。

きっと私の新卒のときの失敗も、「難しい保険料の計算でも頼んでもらえるし、できると思われている」という気持ちがなければミスにはつながらなかったはずです。

自分のプライドだけで仕事をすると、顧客や取引先に迷惑をかけ、果ては会社の信用も失墜させる。そこを理解して今も業務に取り組んでいます。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

仕事のやらかしは「その後」が大事! ミスしたときの4つの対処法

失敗は誰にでもあるものとはいえ、仕事での大きなやらかしというのは、多くの人にとってあまり経験したことがないものでしょう。

あまり経験のない事態が自分の身に起こると、そのことで頭が真っ白になり、次にどうすべきなのかわからなくなってしまいますよね。

しかし仕事で問題が起きたときは迅速に対処することが求められるため、事態を冷静に受け止め、次にどうすべきかを考えて行動に移すことが重要です。

そこでここからは、仕事でやらかしてしまった後に取るべき4つの対処法について解説します。自分のミスで焦って次の対処がわからなくなっている人は、参考にして、事態の早期解決に動き出してくださいね。

①できるだけ早く上長や周りに報告する

仕事において「やらかした」と思ってしまうほどの大きな失敗は、自分一人の力だけでは解決できないレベルのものである可能性が高いです。そのため、そうした事態になったときには、できるだけ早く上司や先輩に事態を報告しましょう。

先でも述べたように、自分の失敗や都合の悪いことは隠したくなるものであり、それを伝える相手が上司や先輩ならなおさら言いづらいことかもしれません。やらかしの内容によっては𠮟責されることもあるでしょう。

しかしだからといって、自分のしてしまったことを隠してやり過ごしたり、一人でどうにかしようとしたりするのはNG行為です。

自分でミスに気付いていたのに隠していたことがわかれば、すぐに伝えたときよりも強い𠮟責を受けることになるうえ、身近な上司や先輩では収拾できないほどの事態にまでなってしまっているかもしれません。

きちんと気付いた時点で周囲に報告することで、職場の全員で問題解決に向けて動き出せるため、これ以上の事態の悪化を防ぐことができます

すぐに自力で何とかできるやらかしなら報告しなくても大丈夫ですか?

仕事は自分だけのものではないためきちんと報告しよう

ミスを自力で何とかできる場合でも、報告することをおすすめします。上司への報告は信頼関係を築くために重要です。

ミスを報告することで、上司はあなたが問題に対して責任を持ち、対処していると評価します。そして彼らは、同じミスを繰り返さないためのアドバイスやサポートをしてくれるはずです。

またあなたがミスをしたということは、ほかの人でも同じようにミスをしてしまう可能性があります。そのため周囲に報告することは、結果的に職場全体のミスを予防することにもつながるのです。

②自分のミスは素直に認めて謝罪する

自分一人では収拾できないほどのやらかしに対しては、多かれ少なかれほかの人のサポートが必要不可欠になります。仕事では一緒に働く人同士の信頼関係がとても重要になるため、こうしたミスを起こしたときほど、迷惑をかけたことへの謝罪やサポートに対する感謝を伝えることを忘れないようにしましょう。

ここでのNG行為は、自分のやらかしを少しでも軽く見せようと噓をついたり、ほかの人のせいにしようとしたりすることです

自分を取り繕おうとする態度は、相手からすれば心から反省しているようには見えません。やらかしたのに反省していないことが伝われば、人としての信用を失ってしまうことになり、その後も良好な関係で仕事をすることができなくなってしまいます。

③現状の問題を解決する方法を自分なりに考える

仕事では任されたことに対して最後まで責任を持つことが社会人としての鉄則です。それは失敗してしまったときも同じで、やらかした後の事態を解決する方法を自分なりに考えて行動することが重要となります。

もし皆さんが仕事の仲間にミスをされた側だったとして、やらかした本人が事態の収拾に主体的に動こうとしなかったらどう思うでしょうか。「問題を起こすだけ起こしておいてその後は何もしないのか」と思う人もいるかもしれません。

つまり、やらかした後に自分がどのように行動するかで、周囲の自分に対する見方は変わるのです。自分が受け持った仕事がどのような状況になったとしても、最後まで責任を持ってやりきる姿勢を意識するようにしましょう

そうすることで、素直に謝罪すること以上に、やらかしたことに対する反省の気持ちを周囲に伝えられます。

柴田 登子

プロフィール

やらかした直後にすぐ同じ作業に取り掛かると、焦る気持ちがさらなる失敗を呼んでしまうことにつながります。

やらかしたと思ったら、まずは手を止めて何がいけなかったのか、どうするべきだったのかを振り返ると良いでしょう。

上司や先輩にその振り返りについてフィードバックをしてもらうのも一つの手です。

やらかしてしまったことで「仕事が怖い」と感じてしまっている人は、以下の記事がおすすめです。仕事への恐怖心を軽減して前向きな気持ちを取り戻す方法を、キャリアコンサルタントが解説しています。

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④同じやらかしをしないために再発防止に努める

仕事でやらかした時、事態を無事収拾できたとしても、また同じようなミスをしてたびたび周囲に迷惑をかけてしまっては、自分の信用や評価を大きく下げることになってしまいます。

そのため仕事でやらかした後は、次にまた同じやらかしを繰り返さないような働き方をすることが重要です。

たとえば、自分の確認が不十分だったことによって起きたミスなのであれば、それ以降の仕事では確認を徹底する癖を付けるなど、これまでの自分の働き方を見直して改善してみてください

このように率先してやらかしを防ごうとする姿勢は、謝罪よりも具体的な反省の意識を周囲に示せるため、やらかした後の働き方で自分の評価を挽回していきましょう。

仕事で大きなやらかしをしてしまったことで「自分は働くことに向いていないかも」とまで思い詰めてしまった人は、以下の記事をチェックしてみてください。仕事に対する不安を取り除く方法をキャリアコンサルタントがアドバイスしています。

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キャリアの専門家が解説! やらかしを悪化させる人に多いNG対処とその結末とは

仕事での失敗や大きなやらかしは、多くの人にとって恥ずかしいこと、あまり人には知られたくないことと感じられるものです。そのため、自分自身がやらかしてしまったときは「周囲にバレてしまう前に自分でなんとかしたい」と思う人もいるかもしれません。

しかし、仕事というのは多くの人がかかわり合って進めていくものが多いため、仕事での大きなやらかしは自分一人の判断でどうにかしようとして良いものではないのです

そこでここからは、仕事でのやらかしをさらに大ごとにしてしまう人に多いNG行動と、それによってどんな結果を招くことになるのかについて、キャリアコンサルタントの永田さんに解説してもらいます。

アドバイザーコメント

やらかしを故意に隠すと訴訟や賠償請求など深刻なペナルティにつながる

やらかしてしまったときに一番取ってはいけないNG行動は、「失敗を隠す・なかったことにしようとする」ということです。

私の過去の話で恐縮ですが、かつて17歳ごろ、当時の私はガソリンスタンドでバイトをしていました。ふざけていて事務所の前にある大きなガラスをガシャーンという大きな音とともに盛大に割ってしまいました。そのときまさに「やらかした」と一瞬で凍りつきました。

当時は私は高校生であり、「これは弁償か、クビか、どうなるんだろう……」と焦っていましたが、すぐに所長へ直接経緯を電話で説明しました。

誠心誠意謝って真摯な姿勢を見せることが何より大切

このときのやらかしは、隠せるような場所や大きさでもなかったので逃げられなかった、という部分もありましたが、怒られる覚悟を決めて正直に話すことができたおかげで、なんとか丸く収まったことを覚えています。

これが仮に「自分じゃない、あの人のせいだ」「その場から逃げてしまおう」という考えで行動していたら、訴えられたり賠償責任に発展したりしていたかもしれません。

これが責任ある立場で、ある程度年齢や経験を積み重ねている場合ならば話は別ですが、わざとでないのであれば、まずは誠心誠意謝ることがとにかく大事ですね。

仕事でやらかしてしまうのはなぜ? ミスを引き起こす4つの原因

前述のとおり、やらかした後はそのときの事態を収拾させることはもちろんですが、同じミスをしないための対処も重要です。

とはいえ、そのやらかしがなぜ起きてしまったのかを明確にしておかなければ、適切な対策が取れませんよね。

そこでここからは、仕事でやらかしてしまうときに考えられる4つの原因について解説していきます。やらかしたことで頭がいっぱいで、まだ失敗の原因がよくわからない人は、ぜひ参考にしてみてください。

①仕事や業務への理解や経験が足りない

まだ始めて間もないことやよくわからないことに取り組むときは、誰でも失敗しやすいですよね。これは仕事に対しても同じことがいえ、業務への知識不足や経験不足はやらかしの原因の一つになり得ます。

「やり方がよくわからない部分があったけど何となくで進めてしまった」「初めての状況で焦ってしまって周囲に相談せずに進めてしまった」などという経験がある人もいるのではないでしょうか。

特に経験が浅いと、イレギュラーな事態や初めて経験する事態が起きたときに焦ってしまうことも多いため、そうしたときは適切な判断ができず大きなミスにつながってしまうのです

経験が浅かったり知識不足だったりした場合でも、やらかしの内容によっては大きなペナルティが課されるのでしょうか?

初期の失敗は成長の一環ととらえられ解雇などの可能性は低い

職場でのミスは誰にでも起こり得るものです。特に経験が浅かったり知識が不足している場合、ミスをすることは学びの一環としてとらえられることが多いでしょう。

大切なのは、ミスをした際の対応とその後の行動です。上司や同僚にすぐに報告し、問題解決に向けて積極的に取り組む姿勢を見せることで、信頼を得ることができます。

解雇などの最悪な事態になることは稀です。多くの場合、サポートやトレーニングなどによって成長の機会が与えられます。自分を責めすぎず、ミスから学んで次に活かすことを意識しましょう。

②集中力を維持できていない

注意力が散漫になっているときは、うっかりミスが多くなってしまいますよね。仕事でやらかしてしまうときは、こうした集中力が維持できていないことも原因の一つと考えられます。

たとえば、気になることがあったり、考えごとをしていたりすることで、いつもならしないようなミスをしてしまい、それが結果的に大きな問題へと発展してしまう可能性があるのです。

また集中力は、きちんと休養を取れていなかったり、身体に疲れが溜まっていたりすることでも切れてしまいやすくなるため、仕事でのミスの頻度は日々の体調管理とも深い関係があるといえます

③周囲とのコミュニケーションが不足している

仕事での経験や知識が十分にあり、集中力も維持できていたとしても、間違っていることを正しいことだと勘違いして進めてしまえば、それは結果的にミスになってしまいます

こうした仕事での勘違いは、周囲とのコミュニケーションが不十分なことが原因で起こることが多いです。

たとえば「この資料を次のプレゼンまでにまとめておいて」という指示を上司からされていた場合、ここでの「次のプレゼンまでに」とは、プレゼンが始まる直前までのことなのか、上司が確認できる前日までを意味するのかなど、違った捉え方ができますよね。

しかしそこで上司の意図を確認せず、また業務の進捗を報告しないまま、仮に前者の認識で仕事を進めてしまうと、プレゼンの前に上司の確認や手直しが必要だった場合、そのプレゼンは成功させられないかもしれません。

このように、確認や報告などのコミュニケーションを綿密に取らずに自分の認識だけで仕事を進めてしまうと、相手の指示したことと違った結果を招き、やらかしにつながってしまうのです。

永田 修也

プロフィール

やらかしの原因では「上司の意図を汲み取れていない」というパターンが最も多いと思います。

逆に、上司の気持ちが手に取るように理解でき、上司へは事後報告でも許されるぐらいの状態になれたら、さほど大きな失敗はしなくなっているはずです。

④慣れからくる気の緩み

先では、人は経験が浅かったり知識が足りていなかったりするときにミスをしてしまいやすいと解説しましたが、仕事のミスは業務に慣れてきたころにも起こりやすくなる可能性があります。

たとえば、「いつもやっていることだから失敗しないだろうと思って、確認をしなかった」「滅多に在庫がなくならない商品だからと、確認せずに注文を受けてしまった」など、業務に慣れてしまうことで、仕事のやり方が雑になってしまった経験はありませんか。

こうした仕事に慣れることからくる「多分大丈夫だろう」という気の緩みこそが、後々大きなやらかしにつながるような行動を誘発してしまうのです

やらかしを繰り返さないためには? ミスの再発を防ぐ3アクション

やらかしを繰り返さないためには? ミスの再発を防ぐ3アクション

  • 業務の確認や振り返りを丁寧におこなう
  • 自分だけの判断で仕事を進めず報連相を徹底する
  • 集中を保てるような工夫をする

ここまでは、やらかしの原因の部分について詳しく解説してきましたが、具体的にどうすればその原因を改善し、大きなやらかしを防げるのかイメージしづらい人もいるかもしれません。

そこでここからは、仕事でのやらかしを防げる3つのアクションについて解説していきます。もう二度と大きなやらかしをしたくないという人はぜひ参考にして、今後の働き方を改善してみてくださいね。

①業務の確認や振り返りを丁寧におこなう

仕事での大きなやらかしというのは、業務のなかでしてしまったミスに気付かないまま仕事を完了させることで起きてしまいます。そうした自分でも気付かないミスを防ぐには、こまめに確認をおこない、自分の業務を振り返ることが大切です。

「多分大丈夫だろう」ではなく、「もしかしたらミスをしているかもしれない」という考え方で仕事を進めることを意識しましょう。また、上司や先輩など第三者にも確認をお願いすることで、ミスの見落としまで防ぎ、より仕事の精度を高めることができますよ。

さらに、一日の終わりにその日の仕事ぶりを振り返り、反省点や良かった点を振り返ることもおすすめです

やらかしてしまったことだけではなく、「ここはもっと改善すべき」「自分はここが得意だ」などと自分の働き方への理解を深めて今後に活かすことで、自分自身を大きく成長させることにつながります。

普段から仕事の振り返りとして日報を書いていますが、どう書けばミスの予防につながるのかいまいちわかりません。

柴田 登子

プロフィール

各業務の達成度や改善策を書いて仕事の質を向上させよう

日報はその日にこなした業務をただ単に羅列するだけではなく、きちんと5W1H(When:いつ、Who:誰が、Where:どこで、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)を押さえながら詳細に記述するようにしましょう。

そのうえで、一つひとつの作業について、達成度や改善策などを併記します。それにより次回同じ作業に取り掛かったときの質はアップするはずです。

また、各々の作業にかかった時間も記録し、翌日以降に仕事のスケジュールを立てるときの参考にしましょう。

焦ってミスをすることが多い作業は、時間に余裕を持たせると事後の確認が何度もできるので、ミスを防ぎやすくなりますよ。

②自分だけの判断で仕事を進めず報連相を徹底する

報・連・相の正しい使い方

先でも解説したとおり、仕事のやらかしは「多分大丈夫」のように自分本意に判断して、よくわからないまま行動してしまうことで発生します

そうした事態を防ぐには、わからないことは確認する、仕事の状況をこまめに周囲に共有するなど報連相を徹底し、自分だけで仕事を完結させないことが重要です。

人は誰しも完璧ではなく失敗してしまうこともあります。しかしそれは、周囲と協力し合うことで、一人ひとりのミスにお互いが気付き、未然に防ぐことができるのです。

そのことを常に意識して周囲とより良い協力関係を築くことができれば、どんな仕事でも大きなやらかしに発展することなく、パフォーマンスを高めることができますよ。

③集中を保てるような工夫をする

やらかしを防いで仕事のパフォーマンスを高めるためには、常にほど良い緊張感のなかで集中力を維持することが重要になります。そのため、働き方だけでなく、働く環境にも目を向け集中を保てるように工夫してみましょう。

たとえば、常にデスク周りの整理整頓を心掛けることで、自分が仕事をしやすい状態を保つことにつながるため集中力も維持しやすくなります

逆にデスクがいつも散らかっていると、ほしい道具や資料を探すという不必要な手間がかかるうえに、探すたびに仕事を中断しなければいけないため、集中力が散漫になりやすく、思わぬやらかしにつながってしまうのです。

このように、自分がどんな状況なら仕事の集中力やパフォーマンスを高められるのかを考え、日々のささいな行動を工夫することで、やらかしを防ぐことにつながります。

私は集中を維持するために、一度に取り組むタスクは1つに絞ることを意識しています。

複数のタスクを同時におこなうと、注意力が分散されるため、一つひとつのタスクに集中することが難しく、ミスが増える可能性が高くなってしまうのです。

またコーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、適量を摂取することで、一時的に集中力を高める効果があります。集中力が必要な仕事に取り掛かるときは、お気に入りの飲み物を入れるのもマイルーティンです。

やらかして落ち込んでいる人必見! 気持ちを前向きに立て直す2つの方法

やらかして落ち込んでいる人必見! 気持ちを前向きに立て直す2つの方法

  • 失敗は成功のもとであるという意識で学びにつなげる
  • ミスをした自分の悪い部分ではなく良い面も明確にする

仕事のやらかしにはすぐに対処すべきということや、再発防止のアクションが大切なことはわかっていても、失敗をしてしまったときは気持ちが落ち込んで、なかなか前向きに行動に移せないこともありますよね。

そこでここからは、やらかして沈んだ気持ちを立て直す2つの方法について解説していきます。まだ自分のやらかしたことを受け止めきれず、暗い気持ちになってしまっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

①失敗は成功のもとであるという意識で学びにつなげる

やらかしや失敗と聞くと、悪いこと、恥ずかしいことのように受け取ってしまう人もいるかもしれません。しかしやらかしてしまうことは必ずしもダメなことではなく、そこでの失敗とどう向き合うかで自分にとって価値ある経験にすることができるのです。

自分のやらかしを全否定して落ち込んでしまっている人はまず、「失敗は成功のもと」という意識を持って自分の失敗と向き合うことで、気持ちを楽にすることができます。

とはいえ、失敗は成功の「もと」というだけで、失敗しただけで成功につながるわけではありません。失敗を振り返らずそこから何も学ぶことができなければ、それは次に成功するための「もと」にはならないのです。

だからこそ、自分がやらかしてしまったことは真摯に受け止めつつ、その後その失敗をどのように改善し、成功につなげるべきなのかを前向きに考えてみてくださいね

仕事でやらかしたことで落ち込んで「仕事がつらい……」と感じてしまっている人は、以下の記事を参考にしてみてください。仕事のつらさを軽減する方法や仕事との向き合い方について、キャリアコンサルタントが解説しています。

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②ミスをした自分の悪い部分ではなく良い面も明確にする

大きなやらかしをしてしまったときというのは、そのことで頭がいっぱいで余裕がなくなってしまいますよね。またそうしたときほど、ネガティブな思考に陥り、自分の悪い部分ばかり目についてしまうという人もいるのではないでしょうか。

しかし、ミスをすること自体は悪いことではなく、誰にでも起こり得ることなのです。むしろその後何も対処できずに同じ失敗を繰り返したり、気持ちを立て直せず、何をするにも前向きに取り組めなかったりすることの方が問題といえます。

「やらかしてしまったけど、その後のこの部分ではきちんと対処できた」「ここのやり方がわからなくてミスをしてしまったけど、今回のミスで正しいやり方を覚えられた」というように、ミスをした自分の悪い面だけでなく良い面も明確にしてみましょう

自分は失敗もするけどこんな良い面もある、と自分を肯定することで、やらかしを前向きに受け止め、それを学びや成長に変える意欲につなげることができますよ。

とんでもないやらかしをしてしまい立ち直れません……。

永田 修也

プロフィール

今はつらくても時間が経てば自然と落ち着いていくもの

どんなに優秀な人でも必ず一度は、「やらかした」といえるほどの大きな失敗を経験し

それが人生に多大なる影響を及ぼさないものでない限り、大体のことはその後すぐに挽回することができ、気持ちも時間が経過することで落ち着いてくるものです。

私も何度かやらかしていますが、そのほとんどは今になってはあまり覚えていません。失敗なんて大体がそんなものだと思います。

そのときは冷や汗が出るくらい焦って「もう終わりだ」と思ってしまうかもしれませんが、時間が経ってしまえば本当に笑い話になります。

だからこそ、そのときはしっかり反省をし「次は失敗しないようにしよう」と思うだけにして自分で気持ちを切り替えることが一番大切ですね。

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仕事でやらかしたときこそ素直な姿勢で対処して挽回に向けて動き出そう

仕事とは多くの人がかかわり合って進んでいくものであるため、やらかしてしまうと、周囲への罪悪感を感じたり、自分を責めたりしてネガティブになってしまうかもしれません。

しかし、間違えない人などこの世に存在せず、それは皆さんの周囲にいる先輩や上司でも同じです。そのため、やらかしてしまったことを重く受け止めるよりも、気持ちを切り替えて次にどうすべきかを考えましょう。

仕事では一人ひとりが互いの仕事ぶりを信頼し、協力し合うことで円滑に進むため、仕事でやらかしてしまったときは、その後にどう対処するかで周囲との関係性や事態の結末が大きく変わります。

迅速で的確な対処をおこないつつ、周囲への謝罪と感謝の気持ちも忘れないようにしましょう。誠実な姿勢で一つひとつ対処していくことができれば、仕事のやらかしを学びに変え、より良い働き方ができる人材を目指せるはずです。

アドバイザーコメント

どんな人もやらかしを経験することで成長していくことができる

仕事をしていると誰でも失敗はつきものです。大なり小なり誰でも経験していると思います。

こうしたある程度の失敗をすることは、自分の成長には必要なものです。なぜなら人は、一度失敗したことに関しては二度とそのミスを起こさない、と注意を払って気を引き締められるからです。

逆にいえば、一度も失敗をしなければ、ミスはせずとも徐々に気持ちがだらけてきて、惰性で仕事をするようになってしまいます。これでは技術的にも人間的にも成長できませんよね。

落ち込んでいる時間を有効活用して次につなげていこう

永遠に同じ業務を繰り返せば良い会社などありません。だからこそ、日々の改善を生み出し、さらに失った緊張感を取り戻すためにも、失敗は必要なことなのです。

失敗したからといって落ち込む必要はありません。むしろ落ち込んでいる暇があるのなら、二度と同じ失敗をしないように自分を振り返り、対策を立てましょう。自分一人ではなかなか改善策を見出せない人は、上司や先輩に相談してみてください。

失敗してすぐに会社を辞めてしまう人が近年増えてきましたが、その前にできることはなかったのか、改善すべきことがあるのではないかと、いったん立ち止まってみることが大切です。

それで失敗を克服できれば、あなた自身の成長につながります。また、その成長が今の仕事のさらなるモチベーションにつながるかもしれませんよ。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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