本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「ドワンゴはもう終わった」
「合併や経営統合でおかしくなった」
ドワンゴについて情報を集めていると、気になる噂を見聞きして不安を感じる人がいてもおかしくありません。とはいえ根拠があいまいな噂には事実と違う要素が含まれることも少なくありません。
この記事では、ドワンゴへの就活を検討している人たちに向けて、「終わった」「やばい」といわれる理由と、企業の実態などについて、プロの意見も交えながら解読します。
【完全無料】
大学3年生(28卒)におすすめ!
就活準備で必ず使ってほしい厳選ツール
1位:適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
2位:業界&職種マッチ度診断
あなたが行きたい業界・職種のマッチ度を診断しましょう
3位:16タイプ性格診断
あなたの基本的な性格から、就活で使える強みを特定します
4位:面接力診断
39点以下は要注意!あなたの面接力を今のうちに診断しましょう
5位:就活力診断
80点以上が合格!まずは力試しに自分の就活力を測定しましょう
【併せて活用したい!】
選考対策の決定版!内定者が使った2大ツール
①自己PR作成ツール
AIツールを活用して選考前に自己PRをブラッシュアップしましょう
②志望動機作成ツール
他の就活生と差別化した志望動機になっているか、AIツールで確認しましょう
1分でわかるドワンゴ
ドワンゴとは
1997年にネットワークゲームを対象としたシステムの企画・開発・運用・サポート・コンサルティングを目的として設立。2003年に東証マザーズに上場。2006年から「ニコニコ」動画サービスを開始。2010年に角川グループホールディングスと包括業務提携。2014年に㈱KADOKAWAとの経営統合契約を締結。近年では教育事業にも進出し2016年に「N高等学校」、2019年に「N中等部」を開校。
| 会社名 | 株式会社ドワンゴ(Dwango Co.,Ltd.) |
| 従業員数 | 1,600人(2026年3月現在) |
| 本社所在地 | 東京都中央区 |
| 主な事業 | インターネット総合エンターテインメント企業として、プラットフォーム、イベント、教育、電子書籍、技術研究・開発など多彩な事業を展開する。日本最大級の動画・生放送プラットフォーム「ニコニコ動画」を運営。教育事業では学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループと連携しネット時代の学びの場を提供している。 |
| 資本金 | 1億円 |
| 企業HP | https://dwango.co.jp |
| 採用HP | https://recruit.dwango.co.jp |
「ドワンゴはやばい」と言われる4つの理由|プロが紐解く
「ドワンゴはやばい」と言われる4つの理由
「ドワンゴはやばい」とされるのはどのような理由によってなのか。客観的なデータに基づき解説します。キャリアコンサルタントの説明も参考にしながら、対象企業と自分との適性判断に役立ててください。
①ニコニコ動画以外に何をやる会社かよくわからないから
確かに幅広い事業を展開しているために、全体像がよくわからないといわれることも少なくありません。それでも消費者に直接サービス提供するニコニコ動画や電子書籍関連の事業は、触れたことがある人も多く理解しやすいと思います。
採用担当者も「『ドワンゴって、社名はなんとなくきいたことがある!』『ニコニコ動画の会社だよね?』といった声を掛けられる」ことが多いことや、ドワンゴから連想されるのはまさに「ニコニコ」だという点を認めています(※1)。
教育事業もオンライン学習サービスのシステムを提供しており、知る人も多いでしょう。N高等学校とS高等学校の生徒数は2024年9月時点で合計3万648名(※2)で、日本一の規模を誇っています。
一方で世界最大のアニメソングイベントを開催するイベント事業や、スマホ向けコンテンツ配信サービス中心のモバイル事業、KADOKAWAグループ内のDX推進などの事業も展開しており、裏方的なビジネスも幅広く展開していることは意外に知られていません。
※1 ドワンゴ公式note
※2 同上
プロのアドバイザーはこう分析!ドワンゴは多角的な事業展開をしている一面もある
確かに株式会社ドワンゴは「ニコニコ動画」の印象が強い会社です。しかし、事業内容はそれだけにとどまらず、現在は「KADOKAWAグループのテクノロジー拠点」としての性格を強めています。
中核となる動画・コミュニティ事業に加え、電子書籍、イベント、教育といった領域まで展開しています。
注目すべきは日本最大規模の生徒数を抱える「教育事業」です。
単なる映像配信にとどまらず、学習管理システム(LMS)の自社開発や、メタバースを活用した登校空間の提供などをおこないます。IT基盤とコンテンツを活かした独自の成長領域といえます。
また、グループのDX推進を担うソリューション事業や、アニメソングの祭典を運営するイベント事業など、その領域は多岐にわたるものです。
注目すべき資産的価値のある取り組みもおこなっている
さらに、独自のAI技術や音声合成技術の研究開発も継続しており、これらはグループ内の技術資産としての側面を持ちます。
すなわちドワンゴは、コンテンツとテクノロジーを軸に複数の事業を組み合わせて価値を生み出します。KADOKAWAグループ全体のデジタル戦略を技術面から支える「インターネット総合企業」としてとらえると理解しやすいでしょう。
②合併や経営統合で悪化したイメージがあるから
2014年にKADOKAWAと経営統合契約を締結し、2019年頃からは構造改革に取り組み不採算事業の整理などに着手しました。以降、ネット上では優秀な人材が会社を去り職場環境も悪化したといった声が数多く見られるようになったのは確かです。
社員の平均勤続年数は6.8年(※3)なので、転換期前後に会社を去った人たちがいる一方で、その後入社した人が定着しているとも解釈できます。とはいえ3年未満の社員も約3割(※4)いるとのことで、人材確保に関しては流動的な面も否めません。
また多彩な事業を幅広く展開しており、採用対象の職種もエンジニア職、デザイナー職、ビジネス職の3カテゴリーあり、仕事によって職場の雰囲気や環境も大きく違うと考えられます。情報をしっかり収集して判断する必要がありそうです。
※3 ドワンゴ公式note
※4 同上
プロのアドバイザーはこう分析!ニコニコ動画だけではない! グループ内の複数事業を支えている
KADOKAWAとドワンゴは2010年の業務提携を経て経営統合しました。創業者の川上氏が取締役を兼任していた背景もあり、統合は自然な流れであったと言えます。
KADOKAWA自身もかつてのお家騒動や逮捕劇などの紆余曲折を経て成長した経緯があります。現在ドワンゴはグループのWeb・教育事業の中核として、マルチメディア戦略の欠けたピースを埋める役割を果たしています。
これにより「ニコニコ動画」のイメージからの脱却とブランド再構築が可能になりました。
ドワンゴは次の成長軌道に移っている
また、親会社ができたことで事業の安定性やリスク分散ができ、上場廃止と減資によって経営の自由度も増しました。
近年はEd-Tech分野での最先端システム開発や通信制高校等の展開で更なる成長が見込まれています。結果として経営統合は、互いの弱みやリスクを補完し合う形で軌道に乗っていると言えます。
③上場も廃止になり不祥事もあったから
上場の廃止も不祥事も事実ですが、この2つは時期も理由も異なり関連付けて考えるのは妥当とはいえないでしょう。
2014年に上場廃止となったのは、KADOKAWAとの経営統合に伴い、いわば戦略的な撤退に踏み切ったもので前向きな上場廃止と見ることができます。
さらに2019年には資本金を約105億円から1億円に減資(※5)し、外形的には大企業ではなく中小企業となったこともイメージ低下につながった可能性があります。
2024年に発生した大規模なサイバー攻撃によりニコニコ動画を含む全サービスが約2カ月間にわたり停止しました。業績への影響が甚大だったことは会社も認めています。
※5 企業HP 電子公告
④主力のニコニコ動画が低迷してるから
動画・生放送のニコニコ動画は、ファンコミュニティの有料会員が124万人を突破するサービスですが、盤石とはいえないようです。
動画投稿サイトや映像配信サイトの参入などで競争が激化しており、ニコニコの月額有料会員(プレミアム会員)の減少が続いていることは会社の報告にも記されています(※6)。
追い打ちをかけたのが2024年の大規模サイバー攻撃でした。これによってニコニコ関連事業が39億5000万円も減収し、営業利益が21億円減る減益要因(※7)ともなりました。
※6 KADOKAWA HP 2025年3月期通期決算有価証券報告書
※7 KADOKAWA HP 2025年3月期通期決算説明資料
プロのアドバイザーはこう分析!ドワンゴは今後ビジネスの基盤となっていく
ニコニコ動画は今後、単なる動画サイトから創作活動を支える「ビジネスインフラ」へと役割を純化させていくでしょう。
巨大プラットフォームに対し、模倣困難な「共創の熱量」と「クリエイターへの手厚さ」で生き残りを図ります。
2025年の新制度では、一般会員も1再生目から収益化でき、最短24時間の「即払い」機能を導入するなど、個人の機動力を高めています。
既存のイメージを超えた取り組みで進化している
また、二次創作の利益分配を自動化し、ファン活動を独自の経済圏へと進化させました。次世代の姿は特定の競合ではなく、KADOKAWAグループの「IP創出のエコシステム」そのものです。
ニコニコを「才能の発掘現場」とし、生まれた熱量をグループ内でアニメ化や世界配信へつなげる垂直統合戦略を推進します。
リアルイベントや新設の「ZEN大学」等の教育事業も、動画共有の枠を超えた新たな柱となります。再生数に固執せず、日本のIPを絶え間なく生み出す「孵化器」としての独自性を研ぎ澄ますことこそが、ニコニコの歩む未来と言えるでしょう。
一見マイナスに見える情報も短絡せず、意味するところを正確に把握するのが重要
ドワンゴに関してはマイナスの情報が少なくありませんでしたが、「ドワンゴはやばい」とまでいえるのかは疑問です。
経営統合とそれに伴う事業のリストラ、不祥事は事実ですが、それらがすべて「やばい」に直結するわけではありません。それを見極めるためにプロの見解を参考にしてみてください。
プロのアドバイザーはこう分析!ドワンゴは新たなステージに進む段階にいる
中長期的な視点で見ると、株式会社ドワンゴは、成長企業というよりも、事業構造の転換期にある企業としてとらえる必要があります。「ニコニコ動画」に依存するモデルから、より多角的な収益構造へと変化しています。
グループとしては出版や教育、IPビジネスといった複数の収益源を持っている点は強みです。今後のポイントは、これらの事業をどのように連携させ、グループ全体としての価値を高められるかです。
独自性の強い「ニコニコ文化」を維持しつつ、それをN高などの教育事業や、KADOKAWAの持つ強力な知的財産と掛け合わせることが焦点となります。
既存の基盤と時代への柔軟性が鍵となる
特定のプラットフォームに依存せず、グループが持つ膨大なコンテンツをテクノロジーで最大化させる役割を担います。これにより他社にはないポジションを確立できるでしょう。
ただし、複数事業を抱える企業は方向性が分散しやすいため、戦略の一貫性が重要です。どの領域を重視するのか、その判断力が問われます。
独自のポジションを確立した技術集団としての安定性と、変化への対応力を見極める局面だといえます。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は60000件超。30年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細