本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「コムチュアはやばい?」
独立系SIerとして40年以上の歴史を誇るコムチュアについて、気になって調べる人もいるのではないでしょうか。しかし、「部署によって激務」「年収が低い」などの評判が出てくることがあります。
そこで、就活のプロであるキャリアコンサルタントが、コムチュアが「やばい」と言われている理由について解説していきます。この記事を読んで、企業の実態を読み解いてみましょう。
1分でわかるコムチュア
コムチュアとは
1985年創業のIT企業。標語に「お客様には“感動”を、社員には“夢”を」を掲げる。DX時代のデジタルパートナーとしてクラウドやAI等の技術を活用し、システムの提案・構築・運用からIT教育まで一貫したトータルソリューションを提供。
| 会社名 | コムチュア株式会社(COMTURE CORPORATION) |
| 従業員数(連結) | 2,129名(2026年4月1日時点、役員および派遣社員含む) |
| 本社所在地 | 東京都品川区 |
| 主な事業 | ・クラウドソリューション事業:SaaSベンダーと連携したクラウドサービス導入時のコンサルティングやインテグレーションサービスの提供 ・デジタルソリューション事業:AIベンダー等と連携したデータ基盤の構築、データ分析ソリューションの提供、RPAツールを使った業務プロセスの自動化など ・ビジネスソリューション事業:ERPパッケージベンダー等と連携した基幹システムの構築・運用・モダナイゼーションなど ・プラットフォーム・運用サービス事業:ハイブリッドクラウド環境や仮想化ネットワークの設計・構築・運用、システムの遠隔監視サービス、ヘルプデスクなど ・デジタルラーニング事業:ベンダー資格取得のための教育、デジタル人材育成のためのITスキルの習得支援など |
| 売上高(連結) | 363億4,100万円(前年同期比6.30%増)(2025年3月期) |
| 営業利益(同) | 46億3,000万円(同0.65%増)(同期間) |
| 企業HP | https://www.comture.com/ |
| 新卒採用HP | https://www.comture.com/recruitment/ |
「コムチュアがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「コムチュアがやばい」と言われる4つの理由
コムチュアが「やばい」と言われる4つの理由を紹介していきます。キャリアコンサルタントが企業の情報に対する解釈の仕方を解説していくので、参考にしながら読み進めていきましょう。
①部署によって激務になるから
コムチュアの平均残業時間はここ3年程で減少傾向にあります。2022年度までは15.0時間前後で推移していましたが、2024年度には8.8時間にまで短縮されています(※)。そのため、数値上では激務と言い切ることが難しいです。

コムチュアは独立系SIerのため、客先常駐で働く案件も抱えており、配属先によって働き方は変わる可能性があります。客先によっては残業時間に差があったり、リモートワークの可否が変わったりすることが想定されます。
口コミサイト等で見られる激務という評判については、繁忙期や特定のプロジェクトについて書かれた可能性があることを考慮してみましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!コムチュアは労働時間の削減に取り組んでいる
「激務」という言葉、不安になりますよね。
公式データの8.8時間と、口コミの20〜30時間という数字ですが、この差は、IT業界特有のプロジェクトの波にあります。
システム稼働直前などの繁忙期には、確かに集中して踏ん張る時期があるのが現実です。
しかし、コムチュアの強みは、それを「放置しない」姿勢にあります。実際に現場の声で休憩時間が1時間に延長されたり、1時間単位の有給が導入されたりと、労働環境は着実にアップデートされています。
さらに、KPI経営によって、長時間労働ではなく「高付加価値な仕事」で効率良く利益を出す構造への転換を急いでいます。
多忙のなかでも成長できる環境かが分かれ目になる
今のIT市場では、単に楽な環境ではなく、働きやすさと「成長」のバランスが重視されます。
就活生は、残業時間そのものより「忙しい時にどんなサポートがあるか」に注目してください。教育体制が手厚いコムチュアなら、その忙しさは確実に皆さんの専門性として積み上がります。
不安はプロとして歩む準備ができている証拠です、自信を持って一歩踏み出してくださいね。
②年収水準が低いから
令和元年~令和6年度までのコムチュアの平均年収は、情報通信業界の平均を下回っています(※1)(※2)。確かに、給与額は業界のなかでは若干低めであるということがわかります。

平均年齢や平均勤続年数に着目すると、コムチュアは情報通信業界の平均よりも若い企業であると言えます。そのため、一般的には年数に応じて給与が上がることをふまえると、全体的に年収が低めに出ているということが推測されます(※1)(※3)。
| 情報通信業界の企業 | コムチュア | |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 40.8歳 | 35.5歳 |
| 平均勤続年数 | 11.9年 | 6.5年 |
ただ年収が低いというわけではなく、業界のなかでも比較的社員の年齢層が若いために、数値が低く出ているという、根本的な理由を押さえておきましょう。
※1 コムチュア 有価証券報告書
※2 国税庁 民間給与実態統計調査
※3 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
アドバイザーからワンポイントアドバイスコムチュアの給与水準は一般的だといえる
コムチュアは、DXやクラウド支援をおこなう成長企業ですが、給与水準だけで見るとIT業界の中ではやや低め〜平均レベルに位置します。
実際のデータでは、IRBANKのデータを見てみると、平均年収は約600万円程度で、情報通信業界の平均である700万円台と比較すると低めです。
また、若手層では400〜500万円台が中心で、急激に年収が上がる会社ではないという特徴があります。
上流工程への挑戦や高単価案件で収入を上げていこう
コムチュアで年収をあげるとしたら、上流工程(PMやコンサル)などマネジメント業務に行くことで年収をあげることができます。
しかし同時に、責任範囲や管理範囲も広くなるので、適性の有無によっては仕事が大変になります。また、高単価案件にかかわることで、クラウド・AI・DX業務など領域にかかわることで、評価が上がりやすくなります。
③高度なスキルアップを求められるから
2026年3月期~2028年3月期の中期経営計画の一つに、社内の高スキル化を掲げており、資格取得者の人数1,500名を目指しています(※1)。
ベンダー資格取得で技術者の育成を進めており、2025年3月期の実績として、MicrosoftやSalesforceなどのベンダー資格者が増えています(※1)。このように、会社側が資格者を増やそうとしている取り組みに「やばい」と感じる人がいると考えられます。
| グローバルプラットフォームベンダー | 資格者数(前期比) |
|---|---|
| Microsoft | 1,134名(+264名) |
| Salesforce | 657名(+279名) |
| ServiceNow | 217名(+81名) |
| Amazon Web Services | 694名(+160名) |
| Google Cloud | 60名(+7名) |
| SAP/SuccessFactors | 224名(+45名) |
ただ、コムチュアはITスキルに対して入社前から手厚い教育制度が整っているのが特徴です(※3)。そのため、優秀な人を求めているというよりは、優秀な人を育てることに力を入れていると予測されます。
入社前後の研修制度
- 11月~3月:入社準備勉強会
SE業務体験
ITパスポート/基本情報技術者試験/応用情報技術者試験 資格勉強 - 4月~5月:新人全体研修
ビジネスマナー研修
技術研修
基本情報技術者試験 - 6月:部門研修
部門研修 ※部門を分かれて受講
メンターによるフォロー開始
実際に、募集要項では必須となるスキルを明記していなことや、2023〜2025年の入社者は文系出身者が73%(※2)を占めていることなどから、入社時点ではなく、入社後に勉強をしていく姿勢が求められる企業と考えられます。
※1 コムチュア 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)
※2 コムチュア 数字で見るコムチュア
※3 コムチュア 新入社員研修
アドバイザーのリアル・アドバイス!スキルレベルは入社してから高めてほしい
コムチュアで求められる技術力は、入社時点ではそこまで突出して高いものではありません。
文系出身者が7割を超える点からもうかがえますが、専門的な技術力がないと入社できない企業ではありません。入社後の育成を前提としていることが推測できます。
ただし、入社後はクラウド、ERP、データ活用など成長分野を扱うため、継続的な知識習得は欠かせません。
特にベンダー資格の取得は、会社全体の成長戦略に組み込まれています。そのため、平日の業務後や休日の一部を試験対策に充てるなどの学習計画を立てる必要があります。
個人差は大きいのですが、勉強時間の目安としては、資格受験前の時期は週に数時間から10時間程度を充てるつもりでいれば良いでしょう。
流動的な業界だからこそ主体的な学びが必要になる
重要なのは、最初から高い技術力があるかではなく、変化の速いIT業界で新しい知識を吸収し続けられるかどうかです。
会社負担で市場価値の高い資格を取得できるととらえれば、成長機会の多い環境といえます。研修制度や業務経験と並行しながら段階的にスキルを高めていくと考えれば良いでしょう。
④M&Aの繰り返しで莫大な投資をしているから
コムチュアは会社が設立されて以降、M&Aを繰り返してきました。2025年3月期~2027年3月期で50~100億円の投資を計画しているほど、積極的な姿勢がうかがえます(※)。
M&A(エムアンドエー)
「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」を略した言葉で、複数の企業が一つになること。また、企業がほかの企業を合併したり、買収したりすることを指す。
コムチュアのおもなM&A事例(※)
- 2014年4月:株式会社コスモネットをグループ化
- 2015年1月:株式会社シー・エー・エムをグループ化
日本ブレインズウエア株式会社をグループ化 - 2016年10月:株式会社コメットをグループ化
- 2019年4月:ユーエックス・システムズ株式会社をグループ化
- 2021年3月:エディフィストラーニング株式会社をグループ化
- 2022年4月:ソフトウエアクリエイション株式会社をグループ化
- 2023年1月:タクトシステムズ株式会社をグループ化
- 2025年6月:株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジーをグループ化予定
M&Aを繰り返していることで、その度に社内の組織や仕組みが変わってしまうという側面も考えられますが、その変化の反面、会社の業績を伸ばすことにつながるというメリットもあります。実際に、コムチュアの業績は右肩上がりを続けています(※)。

もちろん、M&Aが売上のすべてに影響するわけではありませんが、複数回のM&Aをおこなっても安定的に業績を伸ばせているのは、コムチュアが戦略的に経営判断ができている証拠だととらえられます。
アドバイザーからワンポイントアドバイスM&Aによってコムチュアはより強い組織になる
M&Aと聞くと「社風が変わるのでは?」と不安になりますよね。
コムチュアのM&Aは単なる規模拡大ではなく、皆さんの成長を後押しする環境のアップデートです。
具体的な変化として、たとえば教育事業に強いエディフィストラーニング社をグループに迎えたことで、グループ内のIT人材育成や研修プログラムが非常に充実しました。
また、SAP領域に強みを持つ企業の統合により、エンジニアが成長領域へリスキリング(再教育)できる体制も強化されています。
内部では、コムチュア流のKPI経営を導入し、業務プロセスの統合やノウハウ共有を進めることで、買収した企業の利益率を大幅に改善させるなど、より「高付加価値な仕事」ができる強い組織へと進化しています。
変化はチャンス! 会社の動きに着目しよう
激変するIT市場では「変化しないこと」こそが最大のリスクです。
就活では、その会社がM&A後に「どう体制を融合させているか」に注目してください。多様な専門性を持つプロが集まる今のコムチュアは、新卒の皆さんにとって最強の学び場になるはずです。
変化を「不安定」ととらえるのではなく、自身のキャリアを広げるチャンスととらえてみてください。
コムチュアはやばい企業ではなく成長段階の企業である
コムチュアは入社前後の教育制度や年収帯などから、若い社員の育成に積極的な企業だと言えます。さらに、M&Aによる会社拡大なども含めて、社員と会社が成長している企業ととらえることもできます。
噂だけでなく、その情報が流れている理由を探って、会社の実態を読み解いていきましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!地味に仕事をやり切る姿勢が適性となる
コムチュアに向いている人とは、堅実的にキャリアを積み上げることができる人です。
コムチュアの仕事は、派手な成果よりも、安定した品質を求められます。そのため、一発逆転を狙うよりも、地道な作業を継続できることや、小さな改善を積み重ねられることが大事です。
さらに、任された仕事を丁寧にやり切ることが必要となり、このような人が評価されやすい環境です。
団体行動に抵抗がなく確実な成長を望む人が向いている
また、チームでの連携が重要になってくることから、周囲と協力して進めることが苦ではないこと、報連相がしっかりできること、裏方でも良いという考えを持っている人ほど、働きやすくなります。
堅実的に業務を遂行して、安定した環境で着実に成長したい人ほど、コムチュアで働くことが向いていると言えるでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
国家資格キャリアコンサルタント
Gaku Baba〇製造メーカーやITベンチャーの企業人事に従事する傍ら、キャリアエージェントとして数多くの転職希望者の支援も実施。幼児教育事業も展開するなど、幅広い年代のキャリア支援に携わる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう
プロフィール詳細2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細