本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
富士フイルムビジネスイノベーションへの就職を考えている人にとって、企業のネガティブな評判を聞くことは心配になってしまうものです。実際に同社には「将来性が低い」「社名変更で体制が変わった」などの噂があるようです。
そこで、この記事では客観的な視点で噂を読み解いていきます。企業の実態を理解できるように、情報通信業界での勤務経験があるキャリアコンサルタントから正しい情報の読み解き方を解説しているので、ぜひ最後まで読んで、企業研究に活かしてください。
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1分でわかる富士フイルムビジネスイノベーション
富士フイルムビジネスイノベーションとは
1962年に創立された富士フイルムグループの企業。おもな事業として、ビジネスソリューション、オフィスソリューション、グラフィックコミュニケーションにかかわる商品やサービスを提供。
従来の複合機やプリンターにとどまらず、独自のAI・IoT技術を活用したソリューションを展開し、多様な働きを支えながら企業のイノベーションを支援。
| 会社名 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 |
| 従業員数(連結) | 73,526人(2026年3月期) |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| おもな事業 | ビジネスイノベーション(ビジネスソリューション、オフィスソリューション、グラフィックコミュニケーション)にかかわる商品・サービスの提供 |
| 売上高 | 3兆3,569億6,900万円(前年同期比5.0%増)(2026年3月期) |
| 経常利益 | 3,502億1,000万円(同6.1%増)(同期間) |
| 企業HP | https://www.fujifilm.com/fb/ja |
| 新卒採用HP | https://www.fujifilm.com/fb/ja/about/careers/graduates |
「富士フイルムビジネスイノベーションがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「富士フイルムビジネスイノベーションがやばい」と言われる4つの理由
富士フイルムビジネスイノベーションがやばいと言われるおもな理由を4つ紹介します。それぞれにキャリアコンサルタントからの専門的アドバイスも入れているので、気になる点に注目しながら読んでみてください。
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自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
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①ペーパーレス化で将来性が低いから
近年はペーパーレス化が進んでいることで、複写機や複合機の需要が下がっている傾向にあります。そのため、複合機やプリンターなどを事業の一つとして展開している富士フイルムビジネスイノベーションの将来性を危惧する声があるようです。
確かに、2026年3月期の決算において、ビジネスソリューション事業では売上高が前期比2.0%、営業利益は14.6%の減少を計上しました。おもな要因として、海外での販売数低下や、輸出の減少などが挙げられています(※1)。
しかし、同社はむしろペーパーレス化を好機ととらえた施策に取り組んでいます。複合機に頼らないAI(人工知能)やIoT技術を駆使したソリューションやサービスによる価値の創出を進めています。
その甲斐もあり、会社全体での売上高、営業利益は過去最高を記録しています(※2)。

※1 富士フイルムビジネスイノベーション 有価証券報告書 2026年3月期
※2 富士フイルムビジネスイノベーション 有価証券報告書 各年
プロのアドバイザーはこう分析!業界の縮小に負けない将来を見据えた事業展開をしている
ペーパーレス化はかなり進んでいるものの、複合機メーカーだから将来性が低いとは限りません。
富士フイルムビジネスイノベーションは、AIやクラウドを活用した業務改善支援やDXソリューションへ事業領域を広げており、複合機の販売だけに依存しない事業構造への転換を進めています。
また、保守サービスやクラウドサービスなど継続的な収益基盤を強化していることや、富士フイルムグループの技術・販売網を活かした事業展開も、将来性を考えるうえでプラス材料と言えるでしょう。
大切なのは企業の柔軟性! 企業の価値提供の可能性を見極めよう
企業の将来性を評価する際には、「現在の主力商品が伸びているか」だけではなく、「市場の変化に合わせて新しい価値を生み出せる会社か」という視点を持つことが大切です。
富士フイルムビジネスイノベーションは、複合機市場の変化を前提に事業転換を進め、実際に業績を伸ばしており、環境変化への対応力を備えた企業と評価できます。
今後も市場ニーズを的確にとらえながら新たな価値を提供し続けられるかが、同社の持続的な成長の鍵になるのではないでしょうか。
②社名変更や組織再編があったから
2021年4月より、富士ゼロックスから現在の富士フイルムビジネスイノベーションへと社名変更がおこなわれました(※1)。同社はもともとゼロックスとの合弁会社だったものの、ゼロックスのブランドを手放して富士フイルムの100%子会社となりました。
加えて、全国にあった31カ所の販売会社と部門を統合して、新会社の富士フイルムビジネスイノベーションジャパンを設立しました(※2)。この一連の変化について不安に思う人は「やばい」と感じることが考えられます。
会社の体制が変わったとしても、同社は拠点の統合によるコスト削減や、営業方針の統一、また自社ブランドで事業を展開できるといった経営上のメリットを得たという側面も認識しておきましょう。
※1 富士フイルムビジネスイノベーション コーポレートブランドロゴ
※2 富士フイルムビジネスイノベーション キャリア採用サイト
アドバイザーのリアル・アドバイス!モノ売りからDX提案へ! 今の企業が司る役割を知ろう
体制変更によって大きく変わった点は単なる社名変更ではなく、富士フイルムグループの一員として、自社ブランドで事業を広げる形になったことです。
就活生が見るべきなのは、昔の複合機やプリンターを売る会社というイメージから、企業の業務改善やDXを支援する会社へ役割が広がっている点です。
そのため、仕事の内容も、モノを売る営業だけでなく、顧客の課題を聞き、ITやデータ活用、業務効率化の仕組みを提案するソリューション型の仕事が増えていると考えられます。
これは、営業職だけでなく、SEや企画、サポート職にもかかわる変化です。
変革期にある企業で活躍できる人の特徴と確認方法
一方で、こうした事業転換が進む会社では、新しい商品・サービスを学び続けたり、部門を越えて連携したりする力が求められます。
入社後のギャップを減らすには、希望職種で複合機関連の仕事が多いのか、DX・ITソリューション提案が多いのか、若手がどのような業務を担当するのかを説明会や面接で確認すると良いでしょう。
変化を前向きに学べる人には、成長機会の多い環境だと思います。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
③営業のノルマが厳しいから
富士フイルムビジネスイノベーションに関する口コミサイトなどでは、営業職のノルマについてネガティブな意見が書き込まれているようです。
同社は複合機の需要縮小に伴い、オフィスソリューション事業からビジネスソリューション事業への切り替えを進めています。従来とは別の分野で売り上げを作っていくとなると、営業職にはある程度の高い目標が課されるとしてもおかしくありません。
ただし、営業職の働き方がきついと感じるかどうかは人によります。採用サイトには「お客様の課題解決に向けた商談プロセスをリーディングする職種」と紹介があり、「DXを通じた課題解決型の営業」「BtoB営業」に興味のある人には、適性のある職種だと言えます(※)。
※ 富士フイルムビジネスイノベーション Internship Information 営業系
プロのアドバイザーならこうアドバイス!DX提案で生じる苦労がある! きついと言われる本当の理由
単に機器を売るのではなく、DXを通じた課題解決を担うことによる特有の難しさがあると思います。
まず、クラウドやセキュリティなど進化の速いIT専門知識を学び続ける姿勢が不可欠です。
顧客の課題に合わせて複雑なソリューションを組み立て、わかりやすく価値を伝えるプレゼン能力が求められるため、知識が不足していると、提案の難易度は一気に上がってしまいます。
また、同社が掲げる「お客様以上にお客様を知る」という姿勢は、深い信頼を築ける一方で、顧客側の変化への不安という壁にぶつかる場面も多いはずです。
たとえば、経営層はDXに前向きでも、現場は「業務負担が増える」と抵抗感を示すなどです。
こうした利害関係者の認識のズレを調整し、投資対効果を粘り強く示す泥臭いプロセスも必要とされます。
市場価値の高い人間になれる! まずは企業の価値観を吸収しよう
現在の就活市場では、こうした高度な提案力を持つ人材の価値は非常に高まっています。
まずはインターンシップやOB・OG訪問などで「Customer Value Marketing」の考え方を体感し、自分自身の適性を確かめることをおすすめします。
④不祥事がありリストラをおこなったから
2017年6月10日、富士フイルムビジネスイノベーションの海外販売子会社が、会計処理において不適切な対応があったとして指摘を受けたと発表されました(※1)。
また、2018年1月31日、同社は確実な事業成長を目指した構造改革のために10,000人の人員削減を見込んでいることを発表しています(※2)。ただし、不祥事とリストラは直接的につながっているとは述べられていません。
会計処理の対応が指摘された後に経営状況が見直される過程でコスト削減という課題が出たことで、構造改革を実施することなりました。そのなかで人員削減を実行するという話となったようです。
※1 富士フイルムホールディングス 第三者委員会調査報告書の受領及び今後の対応に関するお知らせ
※2 富士フイルムホールディングス 2018年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
アドバイザーのリアル・アドバイス!不祥事=やばいは誤解! 過去と現在を切り分けた企業研究
過去に不適切な会計処理や人員削減があったことは、就活生として「少し不安だな」と感じて良い情報です。
ただし、それだけで今も危ない会社と決めつけるのではなく、その後に会社がどう立て直してきたかを見ることが大切です。
富士フイルムビジネスイノベーションは、社名変更や組織再編を経て、複合機中心の事業から、DXや業務改善を支援する事業へ広げています。
現在の業績が大きく落ち込んでいないのであれば、過去の問題をきっかけに、事業や組織を見直してきた面もあると考えられます。
過去の出来事以外にも現在の取り組みと将来の展望を含めて判断しよう
就活生が確認すべきなのは、「過去に問題があったか」だけではなく、「今はどのような管理体制で仕事をしているか」「若手がどの分野で成長できるか」「今後伸ばそうとしている事業は何か」です。
説明会や面接では、構造改革後の働き方や、若手に期待される役割を確認すると良いでしょう。
過去の出来事を不安材料として見るだけでなく、今の会社がどう変わったのかを見て判断することが大切です。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
企業の噂は深く掘り下げることで実態を掴むことができる
企業がやばいと感じる原因として、噂や情報を断片的に判断している可能性があります。
富士フイルムビジネスイノベーションの噂の一つとして、ペーパーレス化の状況だから将来性が低いというわけではなく、実際は他分野で業績を拡大していることがわかりました。
企業を選ぶ際には、一つの情報を深く調べることで実態を確認して、噂に惑わされないようにしてみましょう。
アドバイザーからあなたにエールあらゆる顧客の働きをサポートしたい人は向いている
適性があるのは、誰かの「働く」を笑顔にしたいという思いがあり、その具体的な原体験がある人です。
同社はAIやIoT技術を駆使し、多様な「働く」を支えることで、社会全体の変革に貢献することを目指しています。
富士フイルムグループのパーパスである「地球上の笑顔の回数を増やしていく」という目標を掲げ、顧客の隣で課題を共に乗り越える姿勢が、全職種の根底に求められています。
変化を楽しみながら学び続けられる人は活躍できる
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)は業務プロセスを根本から再構築する取り組みであり、クラウドやセキュリティなどの最新知識の習得が常に欠かせません。
技術進化を追い続けることを楽しめる知的好奇心は、活躍するうえでの大きな強みになります。
就活市場で圧倒的に高く評価されるキャリアパスの描き方
現在、ビジネスとITをつなぐDX人材は市場で非常に高く評価されており、将来はコンサルタントやプロジェクトマネージャーなど、多彩なキャリアも描けます。
顧客の成功を自分事としてとらえられる優しさと意欲が、現場で求められる力になります。一歩ずつ、自分のペースで挑戦してみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで500名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント
Gaku Baba〇製造メーカーやITベンチャーの企業人事に従事する傍ら、キャリアエージェントとして数多くの転職希望者の支援も実施。幼児教育事業も展開するなど、幅広い年代のキャリア支援に携わる
プロフィール詳細