この記事のまとめ
- BtoB営業とは企業に自社の製品やサービスを営業すること
- 就活成功にはBtoB営業の仕事内容を深く理解することが欠かせない
- BtoB営業の志望動機例文を業界別に紹介
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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営業職にはBtoBとBtoCなどのビジネスモデルが存在します。なじみがない言葉のため「BtoB営業って何?」「BtoC営業と何が違うのだろうか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
営業職と言っても、ビジネスモデルによって仕事の内容が異なります。BtoB営業の特徴を理解できていないと、選考対策がうまくいかない恐れがあることに加えて、入社後に思っていたのと違うなどのギャップが生じる恐れもあります。
納得のいく就活をするためにも、BtoB営業の特徴や魅力を理解して、自分にあった企業を選択しましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、田邉さん、平井さんのアドバイスを交えつつ解説します。BtoB営業について興味がある学生は、この記事を参考にしてくださいね。
BtoB営業への正しい理解が就活成功のカギ
BtoB営業の就活を成功させるためには、BtoB営業について正しく理解することが重要です。そのほかのビジネスモデルの営業職ではなく、なぜBtoB営業を志望しているのかを明確に伝えられるようにしましょう。
この記事では、まずBtoB営業の特徴や仕事内容を解説します。BtoC営業などそのほかのビジネスモデルの営業職についても紹介するので、相違点を押さえていきましょう。
あわせて、BtoB営業に就職する魅力や大変なところ、求められているスキルを解説します。自分の適性に照らし合わせて、BtoB営業として働くイメージをしてみてください。
さらにBtoB企業に興味を持った人向けに、BtoB営業の企業研究のポイントや、選考を突破する秘訣も解説します。企業側の目線を踏まえて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
あなたが営業に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、営業に向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
BtoB営業とは
BtoB営業とは
BtoBとは「Business to Business」の略で、法人向け営業のこと。
企業に対してモノやサービスを営業する。法人営業と呼ばれることもある。
BtoB営業で扱う商材は、完成品だけでなく、商品の製造に使う原料や素材、部品、企業の悩みを解決し要望をかなえるためのサービスなどです。
営業職はBtoB営業以外にも数多くのビジネスモデルがあります。ほかのビジネスモデルとの違いを理解することで、よりBtoB営業に対しての理解が深まるため、異なるビジネスモデルについても押さえましょう。
BtoB企業について詳しく知りたい人は、こちらの記事もあわせて確認してください。BtoB企業に就職する魅力や探し方について解説しています。
BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
BtoB営業とBtoC営業の違い
まずは、営業職を志望するうえで必ずおさえておきたい、BtoB営業とBtoC営業の違いについて解説します。
BtoC営業とは
BtoCとは「Business to Customer」の略で、個人向け営業のこと。
一般消費者(個人)に対してモノやサービスを営業する。リテール営業と呼ばれることもある。
BtoB営業 | BtoC営業 | |
顧客 | 企業(法人) | 消費者(個人) |
知名度 | 低くなりやすい | 高くなりやすい |
意思決定者 | 複数 | 個人 |
契約までの時間 | 長い | 短い |
取引額 | 高額 | 少額なことが多い |
BtoB営業は、顧客が法人であることから、消費者との接点がないことも多く、どのような事業をおこなっているのか見えづらいです。
一方で、私たちが顧客になることもあり、営業と聞いて一番イメージしやすいのがBtoC営業です。テレビCMやチラシなどは個人向けにアプローチしていて、目にすることが多いため、企業や商品・サービスの知名度は高い傾向にあります。
意思決定者は、BtoC営業は購入者本人のため、購入までのプロセスが短いです。しかしBtoB営業は、多くの人の審査を受けて契約が決定することも多く、提案してから契約に至るまでに長い時間を要します。
BtoB営業は企業を相手にしているため、扱う金額が大きいという特徴もあります。
BtoB営業は案件ごとの単価がBtoC営業とはまったく異なります。
商品やサービスの魅力だけでは受注に至らないことが多く、営業担当の信頼感や、顧客の課題を当事者として考えられる提案力など、プラスアルファの要素が求められます。
以下の記事では対個人のリテール営業について詳しく解説しています。興味がある人は参考にしてみてください。
リテール営業とは? 仕事内容や5つの必須スキルを専門家と解説
BtoBとBtoC以外のビジネスモデルもある
BtoBとBtoC以外にも多くのビジネスモデルがあります。さまざまなビジネスモデルの特徴を押さえることで、企業選びの際に参考にしてください。
概要 | 例 | |
CtoC | 個人が個人に対してモノや サービスを提供する | フリマアプリ、 クラウドソーシングなど |
DtoC | メーカーが店舗などを介さず 直接消費者に商品を提供する | メーカーが自社ECサイトを 構築して直接販売するなど |
BtoE | 企業が従業員に対して商品やサービスを提供する | オフィスコンビニ、 ランチ宅配サービスなど |
BtoG | 企業が行政に対してモノや サービスを提供する | 道路や鉄道整備の公共事業など |
GtoC | 行政が個人(一般消費者)に対して 商品やサービスを提供する | 住民票の電子申請、 e-Taxによる確定申告など |
さまざまなビジネスモデルがある中で、自分にあった仕事を見つけたい人は、こちらの記事も参考にしてください。探し方の具体例なども解説しています。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
- 正直ビジネスモデルと言われてもあまりイメージが湧かないのですが、就活時点ではビジネスモデルをどの程度理解しておくべきでしょうか?
ビジネスモデルはざっくりとでもつかんでおこう
ビジネスモデルをイメージするには、①登場人物、②商品やサービスの動き方、③お金の動き方をざっくりとつかみます。
たとえば、A株式会社がB株式会社に部品を売っているなら、「①登場人物:A株式会社とB株式会社、②商品サービス:A株式会社からB株式会社に移動、③お金:B株式会社からA株式会社に移動」となります。
B株式会社がA株式会社から買った部品を使って製品Xを作り消費者に販売していたら、「①登場人物:B株式会社と消費者、②商品サービス:B株式会社から消費者に移動、③お金:消費者からB株式会社に移動」となります。
ここを把握できれば、A株式会社はBtoB企業、B株式会社はBtoC企業であることもわかります。消費者からみると、B株式会社は見えますがA株式会社は見えません。
あなたが営業に向いているか確認してください
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
BtoB営業の手法
BtoB営業は「新規開拓」と「ルート営業」の2つの手法に分類できます。
BtoB営業は顧客が法人のため、基本的にルート営業がメインの企業が多い傾向にあります。しかし、必ずしもルート営業だけではなく、新規開拓もおこなう企業もあるため、2つの手法についてよく理解しておきましょう。
新規開拓
新規開拓とは
新しい顧客を発掘し、市場を広げる手法
新規開拓は、新たな顧客を開拓することで売り上げやシェア率を伸ばす目的でおこないます。
電話やDM、直接訪問など、これまでにサービスや商品を利用していない企業に対して、こちらから営業をおこなったり、自社のホームページ(HP)やSNS、イベントなどを通じて問い合わせのあった顧客に対してアプローチをしたりして、新しい顧客を開拓します。
手当たり次第に営業すれば良いのではなく、顧客のターゲットやニーズを捉える力が求められています。
新規開拓では、既存顧客への営業に比べて忍耐力が求められます。新規開拓は成約率が低く、企業担当者からあしらわれてしまうことも多いです。
断られても諦めず、新規の顧客へ営業活動を続けることが重要ですね。
ルート営業
ルート営業とは
すでに取引実績のある顧客に営業していく手法
ルート営業は、既存の顧客と長期的な関係を築くことで、売り上げを維持することが目的です。また、良好な関係に発展させて、追加契約をしてもらうなど、顧客単価を上げることも求められます。
ライバル企業に切り替えられてしまわないように、定期的にフォローをおこなったり、継続的に情報を提供したりして信頼関係を構築する必要があります。
ルート営業では、ヒアリング力、問題発見力、提案力が重要です。
訪問時の何気ない会話や様子などから潜在的な問題を見つけ、自社製品を使った解決策を提案します。ただ客先に顔を出していれば良いわけではありません。
新規開拓・ルート営業にはそれぞれの大変さがあります。ルート営業について詳しく知りたい人はこちらのQ&Aも確認しましょう。
仕事の流れをイメージしよう! BtoB営業の仕事内容
BtoB営業の仕事内容
- 訪問準備
- 商談
- アフターフォロー
BtoB営業は、普段接する身近な職業ではないため、どのような仕事内容なのかイメージできない人も多いのではないでしょうか。
働くイメージを明確に持てなければ、説得力のある志望動機を作れないことに加えて、入社後に思っていた仕事内容と違うなどと認識の違いが生じる恐れがあります。
これからBtoB営業の基本的な仕事内容を解説するので、具体的な業務を把握して働くイメージをつかみましょう。
①訪問準備:商材をどのようにアピールするのか戦略を練る
まずはアプローチする企業を選定し、アポイントを取得します。電話をかけて訪問の約束を取り付けることがほとんどですが、メールでやり取りをする場合もあります。
アポイントが取れたら、訪問のための事前準備をおこないます。事前準備を怠ると、相手のニーズを捉えきれずに手探りのアプローチになってしまいます。どんなに素晴らしい商品を営業していても、相手のニーズを捉えられていなかったら受け入れてもらえないことがほとんどです。
確実かつ効率的に商談を成功させるために、顧客は何を求めているのか常に考え、事前準備はしっかりおこなう必要があります。
訪問準備でやることの例
- 資料をそろえる
・自社のパンフレット
・商材の紹介資料など - アプローチする企業を調べる
・訪問先企業のHPや関連ニュースなどを確認する - どのようにアピールするのか戦略を練る
・ニーズの仮設を立てる
・自社商材を使って、何ができるのかを整理する
・質問されそうなことを考え、回答を準備する
②商談:ニーズを捉えて提案する
アポイントを取った顧客に、商品の提案をおこないます。
商材をただアピールするのではなく、相手のニーズをヒアリングすることも重要です。相手の真のニーズを捉えたうえで提案することで、相手に受け入れられやすくなるためです。
事前準備で立てた仮説をもとに相手にヒアリングし、自社商材を使うとどのようなメリットがあるのかを説明します。
商談は複数回おこなうことも珍しくありません。初回の商談で顧客のニーズや課題を把握し、提案を改めておこなう場合や、初回は担当者と、2回目では決済者と商談をおこなう場合があります。
③アフターフォロー:信頼関係を構築する
BtoB営業は、契約を結べば終わりではありません。契約後のアフターフォローを丁寧に実施することも欠かせないプロセスです。
アフターフォローの例
- 納品時に立ち合う
- 商材の使い方を説明する
- トラブル発生時に対応する
- メンテナンス時期に連絡する
- 「ご不便やお困りごとはありませんか」と定期的に連絡をする
きめ細かいアフターフォローをおこなうことで、顧客との信頼関係を構築でき、今後も良好な関係を維持できる可能性が高くなります。
営業担当者からすると、契約を結べばゴールだと考えてしまいがちですが、顧客にとっては、契約してからが取引開始です。BtoB営業にとってアフターフォローは重要であることを意識しましょう。
このほかにも、新規開拓などでは、企業選定以前に市場調査やマーケティング戦略の立案、プロモーション活動などをおこなうこともあります。
展示会や業界内のイベント出展などを通じて、顧客企業との接点を作るところから営業担当が主体となり活動します。
営業職全般の仕事内容を確認したい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。営業で求められる力や魅力についても解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
仕事内容を知って「営業職は向いていないかも……」と自信がなくなってしまった人はこちらの記事も参考にしてみてください。適性を確認すると視野が広がることもあります。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
あなたが営業に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、営業に向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
BtoB営業の魅力ややりがい
BtoB営業の魅力ややりがい
- 顧客と信頼関係を構築できる
- 扱う金額や数量が大きい
- 土日休みを取りやすい傾向にある
「BtoC営業の方が身近で魅力もわかりやすいし良いかな……」と感じた人もいるかもしれません。たしかにBtoB営業は身近な存在ではないため、魅力ややりがいについても想像しにくいですよね。
ここからはBtoB営業についてより深く理解するために、魅力ややりがいを解説します。BtoB営業として働くことはどのような魅力ややりがいがあるのかを理解して、自分の価値観とすり合わせてみてください。
また、正しく魅力ややりがいを理解すると、志望動機を作成する際に役立てることができますよ。
顧客と信頼関係を構築できる
BtoB営業では顧客に信頼してもらうことで、成約につながり、一度成約すると長期的に付き合っていくことも多くなります。
また、信頼関係を構築することで、顧客が抱える課題や問題についてより深い相談をしてもらえることもあります。
一方BtoC営業は、購入までのプロセスが短いことや、その場限りのかかわりになることも多いため、顧客と信頼関係を構築することが難しい場合もあります。
顧客と長期的に信頼関係を構築して仕事ができる点は、BtoB営業ならではのやりがいといえます。
扱う金額や数量が大きい
BtoB営業は、企業が顧客のため、一度に扱う金額や数量が大きい点も特徴としてあげられます。
たとえば、自動車を営業する際、BtoC営業では買い手が個人の消費者のため、一度に一台しか売れません。しかしBtoB営業の場合は、買い手が企業であることから、一度に数十台発注されることもあります。
何千万、何億円の金額を動かすこともあるため、責任やプレッシャーも大きいですが、困難を乗り越え目標を達成することにやりがいを感じる人にとっては、魅力的な仕事といえます。
- あまりプレッシャーに強くないんですが、その場合はBtoB営業は向いていないのでしょうか? 高額の取引となるとプレッシャーがすごそうです……。
取引額だけでは適性を判断できない
たしかに金額が大きいとより責任が重いように感じ、プレッシャーに押しつぶされるのではないかと不安になりますよね。
しかし、金額の大小だけで仕事の責任感を判断することはミスマッチにつながる可能性があるため注意が必要です。
たとえ販売業の数百円であっても、顧客に商品を購入してもらうために責任感を持って取り組むべきですよね。就職した後の仕事は金額の大きさにかかわらず責任感を持って取り組むことが大切です。
また、金額の大小は就職後に慣れることも多いため、自分の興味や強みが活かせるかどうかで仕事選びをしましょう。
土日休みを取りやすい傾向にある
社会人になったら、土日休みが良いと考えている人もいるのではないでしょうか。
BtoC営業は顧客が個人であるため、多くの人が休みで連絡のつきやすい土日に出勤し、平日休みを取ることが多くなります。
しかし、BtoB営業の多くは土日休みです。顧客である企業も土日休みが多く、平日以外は連絡が取りづらく営業できないことから、BtoB営業も平日出勤、土日休みを採用していることが多い傾向にあります。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るBtoB営業は顧客企業の成長にかかわることができる
BtoB営業は、自社の商品やサービスが顧客企業の成長に直接リンクする醍醐味があります。また、その過程を通じて自分自身の視野も広がり、成長を実感することができます。
たとえば、中小企業の顧客を二人三脚で支え、上場まで果たしたような伝説の営業担当は、顧客企業からも全幅の信頼を得て、やがて顧客企業の名前で呼ばれるようなこともありました(「〇〇」の鈴木、というように)。
親身に企業の課題に向き合うと顧客の業界にも詳しくなり、ビジネスマンとして成長できる機会も増え、自社はもちろんのこと、顧客企業の歴史に残るようなインパクトのある仕事ができる可能性があります。
BtoB営業は売れるたときの達成感が大きいのも魅力
また、上記にもありますが、売れるまでの手間と時間がかかり単価も高いということは、売れた時の達成感が非常に大きいということにもなります。
法人顧客は、多様な嗜好を持つ個人とは違い、自社のサービスに合ったマーケティングや営業戦略を見出し、成功するパターンを理解すれば、幅広い顧客企業に対して応用が利きやすく成果を出しやすいのも大きな魅力です。
BtoB営業の大変なところ
BtoB営業の大変なところ
- 購買決定に時間がかかる
- ノルマや目標の達成が難しい
- 一つの案件で抱える責任が大きい
BtoB営業ならではのやりがいや魅力も多いですが、志望する前に把握しておくべき大変なところもあります。
やりがいや魅力だけに注目するのではなく、大変なところも理解しておくことで、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔せずにすみます。
これから解説するBtoB営業の大変なところを理解して、納得のいく選択をしましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
購買決定に時間がかかる
BtoB営業の購買決定プロセスの特徴
- 商品を売り込む担当者と契約を決める決済者が異なることが多い
- 複数人の審査を受けて購買決定することが多い
BtoB営業は、さまざまな人が関与して購買を決定するため、購買の検討を開始してから購買を決定するまで時間がかかってしまいます。
そのため、購買決定までに時間がかかることを考慮したスケジュールの調整をすることや、継続したコミュニケーションを取ることが求められます。
また、決済者は上位の役職のため、現場に出ていないことも多く、BtoB営業は現場の担当者だけでなく見えない決済者まで納得させなければならない点も、大変なところと言えます。
ノルマや目標の達成が難しい
BtoB営業は、ノルマや目標を設定されていることが多い傾向にあります。
前述したとおり、一度の取引での金額や数量が大きいですが、購買決定に時間がかかることや、決済者に直接営業できないことなどと、成約に至るまでの道のりは厳しいです。
なかなか成果を得られないことから、ノルマや目標がプレッシャーになることもあります。
企業によって個人にノルマや目標が課せられている場合と、チームに課せられている場合があります。企業研究の際にどのようにノルマや目標を設けているのか確認してみると安心です。
- ノルマが不安なんですが、BtoBとBtoCではどちらの方がノルマが厳しいのでしょうか?
BtoB営業は数値目標や結果がはっきり出るので厳しいと感じる場合もある
ノルマの考え方は会社によって異なります。数値目標や結果がはっきりでるので、プレッシャーを感じるのも無理ありません。
「ノルマ=数値目標」はあくまでも結果、と捉えればどうでしょうか。結果を出すためにはプロセスが重要です。
「やるべきことを明確にする」「計画を立てて実行する」「結果をふりかえる」「上司や先輩と相談しながら目標達成に知恵を絞る」など、このように結果を出すための行動をとることは、仕事を通しての成長や充実感につながります。
どうしてもプレッシャーと感じるようなら、ノルマのない会社を選ぶのもありです。
一つの案件で抱える責任が大きい
BtoB営業は一度の取引で扱う金額や数量が大きいといった特徴があります。
これは「規模の大きな仕事ができる」「影響力が大きい仕事ができる」といったポジティブな面もありますが、一方で商談が成功しなかった場合の損失が大きくなるリスクもあります。
また、一つの企業と信頼関係を構築して、継続的に取引をしている場合も多いため、信頼関係を崩してしまい、同業他社に契約を取られてしまった際の影響も計り知れないものがあります。
そのようなプレッシャーのかかる環境であることを、あらかじめ理解しておきましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るBtoB営業の大変さはさまざま! 納得のいく選択をしよう
企業が扱っているサービスは多岐に渡ることが多く、中には自分が納得感を持てないサービスを扱うこともあります。企業へ提案する商品やサービスを自分で選べないことは、学生によっては精神的な苦痛を感じるのではないでしょうか。
たとえば、就活時に希望していた部署以外に配属をされてしまうパターンです。他にも企業によっては人事異動もあるため、入社時は希望する部署であっても、希望しない商品を扱う可能性もあります。
また、自社の利益を追求するために、顧客が求めていない商品・サービスを営業しなければならないこともあります。
ミスマッチを起こさないためにはしっかりと自己分析しよう
このようなミスマッチが生まれないように、「就活の軸」や「BtoB営業に向いているかどうか」を自己分析することが重要です。達成意欲が強い学生や1社でも多くの企業に貢献したいと考える学生にとっては、ここで紹介した懸念は気にならないですよね。
BtoB営業に対するイメージだけで良し悪しを判断するのではなく、自分ときちんと向き合い営業を希望するかどうか決めましょう。
どんな人が向いている? BtoB営業で求められるスキル
BtoB営業で求められるスキル
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
- 提案力
- リサーチ力
- デジタルスキル
BtoB営業の大変なところを知って「自分に向いているのかな」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
ここからは、BtoB営業にどんな人が向いていて、どのようなスキルが求められているのか解説します。自分と当てはまるところがないか、照らし合わせてみてください。
①論理的思考力
BtoB営業は、論理的思考力が高いレベルで求められます。
論理的思考力とは
複雑な事柄を整理し、わかりやすく説明できる能力
BtoB営業の仕事は「自社の商品やサービスを通して、企業の課題を解決すること」です。顧客の抱えている課題は、さまざまな要因が絡んでいて複雑なことが多々あります。
そのため、BtoB営業は課題の要因を捉えて、本質的なニーズを把握し、自社の商材による解決案をわかりやすく提案する必要があります。
この課題を明確化したり解決策を組み立てたりする際に、論理的思考力は大いに役立ちます。
根拠が明確な提案ができれば、顧客は提案にメリットを感じやすく、成約率にもつながります。
- 論理的思考力が足りないと思っています。高めるためにはどうしたら良いでしょうか?
考えるときにフレームワークを使ってみよう
まず必要なことは「書き出す」ことです。頭の中で漠然と考えているだけでは必ず抜け漏れが出ます。何かの原因を考えるときには「なぜ?」を繰り返し、考え得ることを抜け漏れがないように書き出していきます。
その際に有効なのが「フレームワーク」という先人が遺した考えの「型」です。原因分析ならば「なぜ」の理由を枝状に列挙し、それら一つひとつに更に「なぜ?」を問い掘り下げていくWHYツリー。
何かの対策を考えるならば、「どうやって?」を繰り返し枝状に広げていくHOWツリーといった「ロジックツリー」などが基本になります。フレームワークにはいろいろなものがあるので、目的に合ったものを探して実践してみてください。
②コミュニケーション力
BtoB営業は、顧客とコミュニケーションをとり、信頼関係を構築しながら営業活動をおこなう必要があります。
自社商材の魅力を一方的に伝えて売り込むのではなく、相手の話に耳を傾け、ニーズを汲み取り最適な提案をしなくてはなりません。
また、相手の話を引き出す質問をしたり、商材の魅力を相手にわかりやすく伝えたりすることも重要なため、コミュニケーション能力がある人はBtoB営業に向いているといえます。
- 積極的な性格でないため、コミュニケーション能力があるとは言い難いです。BtoB営業ではなく、他の職種を目指すべきでしょうか?
BtoB営業に必要なコミュニケーションスキルが備わっていれば問題ない
積極的な性格とは、どんなことをイメージしていますか。「自分の思ったことややりたいことをやる」ということなら、必ずしもBtoB営業には必須ではありません。
BtoB営業は、まずは顧客の話をじっくり聞くことから始まります。顧客の話から問題に気づき、解決策を提案するのが、BtoB営業に必要なコミュニケーションです。
人の話を聞くことが得意、他人の問題を一緒に解決することに興味がある、などに該当する人は、BtoB営業も選択肢に入ると思います。
③提案力
BtoB営業は、顧客に最適な商材を提案する「提案力」が求められます。提案力とは、自社商材の機能や価格などをただ説明して提案することではありません。
BtoB営業で求められている提案力は、「相手の真のニーズ」を捉えて、「どうすれば顧客の課題を解決することができるか」を考え、「どのように伝えれば顧客の心を動かすことができるか」を工夫して伝える力です。
コミュニケーション力や提案力は、傾聴能力とも言い換えられます。
企業に寄り添って傾聴できていれば、提案すべき潜在的なニーズを把握することができますよね。話すことだけでなく、聴くこともコミュニケーションであると意識しましょう。
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④リサーチ力
リサーチ力もBtoB営業として重宝されるスキルです。
前述したとおり、BtoB営業が確実かつ効率的に商談を成功させるためには、事前準備が重要です。
事前準備の際に、ニュースをこまめにチェックしたり、企業の情報を調査したりすることで、顧客や顧客を取り巻く環境を把握する際にリサーチ力が役立ちます。
情報を収集するだけでなく、自分なりに分析して伝えられるようにしておくことも重要です。リサーチ力が高い人は、情報量も多く、顧客のニーズに対して必要な情報と照らし合わせて問題解決に導くことができます。
顧客会社だけでなく、他社事例や業界動向、社会のトレンドを知っておくことで、顧客会社の問題を予測したり、新しい解決策を発想できたりします。
これは一朝一夕には蓄積できないので、日ごろからスキマ時間を使ったりして、情報収集の時間を確保することが有効です。
⑤デジタルスキル
かつては対面スタイルがメインだったBtoB営業ですが、インターネットの普及や新型コロナウイルス感染症の流行などで、BtoB営業の働き方も大きく変化しています。
顧客の情報をデータベース化したり、商談をオンラインでおこなったりと、さまざまなデジタルツールを活用する機会が増えるため、デジタルスキルがあることも求められます。
この時代の変化に対応し、デジタルツールを使いこなせるかどうかが、営業成績に直結することになる可能性もあります。
デジタルスキルがあることは、就活でも求められるようになってきました。Webでのテストや面接の際に、デジタルスキルがあることをアピールできることもあります。あわせて確認してみてください。
Web面接
WEB面接の流れと攻略法! やってしまいがちな失敗も紹介
Webテスト
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説
Web適性検査
Web適性検査の練習でおすすめのサイト7選|本やアプリも紹介
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るBtoB営業は売り込むスキルよりも相手の話を聴くスキルが求められる
法人営業に求められるスキルはここ数年で大きく変わってきています。昔は押しが強い、話が上手い、粘り強いなどが「デキる営業」のモデルでしたが、人口減少、高齢化など経済成長が見込めない国内市場では、勢いに任せて積極的にリスクを取るような営業スタイルは信頼を得られなくなってきているのです。
顧客視点で考えれば、誰もが売り込まれることは嫌いなのですが、これまでは売る側も買う側もお互いリスクを取って大きなリターンを得られる場合もあり、それが「売り込まれる」デメリットをある程度補っていました。
BtoBでは「押す」営業よりも「わかってくれる」営業が成果を出せる
しかし商材が何であれ、それによる大きなリターンを見込めなくなっている今では、話など下手でもいいから誠実に対応してくれる営業、レスポンスが早い営業、細かな要望にマメに応えてくれる営業、「押す」よりも「わかってくれる」営業の方が成果を出しているようです。
顧客の信頼を得る、というスキルは共通なのですが、相手の課題を共に考え解決に向かう姿勢、売り込むよりも相手の話を聴くスキルが求められます。
どのような企業を目指すべき? BtoB営業が活躍する業界の例
BtoB営業が活躍する業界の例
- IT
- 人材
- メーカー
- 広告
- インフラ
- 不動産
BtoB営業に興味を持っても、「具体的にどの業界を目指したら良いかわからない……」という人もいるのではないでしょうか。BtoC営業と異なり、接点が少ないためにイメージすることが難しいですよね。
ここからはBtoB営業が活躍する業界を解説していきます。業界によって異なる特徴がある場合もあるため、比較してみてください。
この他にも、BtoB営業が活躍する業界はさまざまです。どのような業界があるのか知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。業界の特徴を知ることで視野が広がる可能性もあります。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
IT
IT業界のBtoB営業が扱う商材は、ITシステムやツールの企画開発、マーケティングやウェブサイトの運営などさまざまです。
既存の商材を売るのではなく、顧客のニーズに合った商材を開発したり、カスタマイズしたりするソリューション営業が多いことが特徴です。
契約すれば終わりではなく、システム導入の進捗管理やアフターフォロー、メンテナンスなどもおこないます。
システムエンジニアやウェブデザイナーなどの専門職ともコミュニケーションを取り、協力して顧客の問題を解決するため、IT全般に関する知識が必要です。
IT企業の商材は、顧客企業のビジネス上の課題を解決するものです。
顧客の課題を把握する力と、課題を解決したあとの顧客が手にする「ベネフィット=課題解決後にどうなっているか」を伝える力が必要です。
IT業界に興味のある人はこちらの記事も参考にしてみてください。IT業界に挑戦するために必要な知識やスキルを解説しています。
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説
IT業界を志望している人はこちらの記事もおすすめです。志望動機の書き方のコツを解説しています。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
人材
人材業界のBtoB営業は、求人広告の掲載や新卒採用支援、転職エージェントなどの中途採用支援といった自社のサービスを、人材に関する課題を持った企業に提案するのが主な仕事です。
人材業界のBtoB営業は、新規開拓がメインで、飛び込み営業やテレアポをおこなうことも多い傾向にあります。高い営業力が求められる厳しい面もありますが、採用の課題を抱えている企業と、仕事を求める人の両方の役に立てることは大きな魅力といえます。
媒体の営業の場合は、年々高度化していくシステムやオプションを顧客に丁寧に伝えていく仕事が増えています。
派遣や紹介などの場合は、顧客の求める人物像を的確に理解し、フォローを欠かさないことが重要で、難しいところでもあります。
人材業界に興味がある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。人材業界の動向や、求められるスキルも解説していて、志望動機作成に役立ちます。
例文6選|人材業界の志望動機を作る3ステップとやりがちなNG例
メーカー
メーカーのBtoB営業は自動車や食品、素材などの自社製品を企業に対して販売しています。ルート営業か新規開拓かは企業や部署によって異なります。
具体的には、小売店に自社の商品を販売してもらうように営業したり、別のメーカーに精密機器の部品を使ってもらうよう営業したりします。
個人向けの商品と法人向けの商品の両方を取り扱う企業も多く、キャリアパスによりBtoB営業からBtoC営業に配属されることや、その逆も考えられます。
海外展開している企業も多く、海外の企業へ営業活動をすることもあり、自社商品についての深い知識だけでなく、語学力を重視している企業も少なくありません。
また、顧客の声をダイレクトに聞ける役割であることを活かし、顧客の声を入手して企業に伝えることで、顧客の要望を反映した商品作りの一端を担うこともできます。
メーカーのBtoB営業は、すでに取引がある企業へのルート営業が多い特徴があります。そのため、1社と長い関係性を築くこと、丁寧なコミュニケーションを取ることが求められますよ。
- 現時点で語学力に自信がない場合は、海外にも顧客がいる企業は避けた方が良いでしょうか?
言語力に自信がなくても問題ない
まったくそのようなことはありません。語学はあくまでもツールにすぎないので、どちらかに通訳できる人がいれば良いのです。
また、語学力以上に商品、サービスの魅力やあなたの信頼感が伝われば、言葉のハンデはそれほど大きくありません。
むしろ、未熟なうちにどんどんそうした顧客とやり取りをすることによって、自身の語学力をもっと向上させたいというモチベーションが上がっていき、良い影響が得られると思います。
語学力はあるに越したことはありませんが、コミュニケーションの本質は言語だけではありません。
若い頃、私もカタコトの英語で海外で取引をしていましたが、先方もこちらがネイティブ並みに話せるなどとは誰も期待していないので、マナーさえわきまえていれば大丈夫です。
メーカーの中でも食品業界に興味がある人はこちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
例文9選|食品業界の志望動機でやりがちなNG例と高評価のコツ
広告
広告のBtoB営業は、商品やサービスの宣伝をしたい企業に対して、テレビや雑誌、ウェブメディアなどの媒体を用いた広告活動のサポートをおこないます。
広告の企画・提案だけでなく、契約後は広告制作のフォローやスケジュール管理、予算管理なども担当します。場合によっては、広告出稿後の効果測定までおこなうこともあり、業務内容は多岐に渡ります。
広告というと、テレビCMや雑誌、新聞が主流でしたが、近年ではインターネット広告の市場が拡大しています。そのため広告のBtoB営業は、営業スキルだけでなくITに対する知識も求められます。
広告営業の仕事は幅広く、会社によってかなり異なります。広告の提案やスケジュール管理、効果検証などを基本に、大手ではプロモーション企画にかかわることも。
インターネット広告にはITスキルも必要です。自分がどんな仕事をしたいのかを考えて、応募先を選びましょう。
広告業界に興味のある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。広告業界の特徴や求められるスキルを解説したうえで、志望動機の例文を紹介しています。
例文7選|広告業界で勝ち抜く志望動機の書き方と差別化のコツ
インフラ
インフラのBtoB営業は、電気・水道・ガス・鉄道などの生活に欠かせないサービスを企業や病院、学校などに販売しています。
競合企業が少ないため、企業の業績も安定しやすい傾向にあります。また生活に欠かせないものを商材としているため、社会への貢献を感じながら働くことができる点も魅力といえます。
厳しいノルマが課せられることも少なく、穏やかな社風の企業が多いため、「スピード感を持って働きたい」「競争することが自分に合っている」といった人には物足りない可能性もあります。
インフラ業界のBtoB営業は、すでに取引がある企業へ別サービスを営業することが多いです。たとえば、電力契約を結んでいる企業に対して、再生可能エネルギーの導入などですね。
インフラ業界の中でも海運業界に興味がある人は、こちらの記事も参考にしてください。
海運業界を徹底解説! 理解必須のトレンドから志望動機例まで紹介
ガス会社に興味のある人は、こちらの記事も参考にしてください。インフラ業界におけるガス会社の立ち位置や向いている人はどのような人なのか解説しています。
ガス会社の志望動機は社会貢献では落ちる! 例文付きで作り方も解説
不動産
不動産営業は、不動産の売買を仲介する仕事です。BtoC営業の場合は、住まいとなる物件の売買がほとんどですが、BtoB営業の場合以下のようなオフィスや倉庫などの物件の仲介が主流です。
不動産業界におけるBtoB営業の仕事内容の例
- オフィスの賃貸サポート
- 店舗や倉庫などの法人向け物件の売買仲介
- 自社の物件を企業向けに販売
- 投資目的の不動産売買のサポート
一つの案件での取り扱う金額が大きく、成約までに時間がかかることが一般的です。契約を取ることが難しかったり、個人の成績が明確に数字で表されるなどの厳しい面もありますが、他の職種に比べてインセンティブの比率が高く、給料体系も基本給プラス歩合給の企業が多い傾向にあります。
事業用の物件を扱うので単価の高い取引が多く、資格者でなくとも、物件の交渉や仲介の際に、一定の法律や施工の知識などが求められます。
また、顧客の要望を聞き、限られた条件の中で取引を成立させる難しさ(=面白さ)があります。
ディベロッパーに興味のある人は、こちらの記事もあわせて確認してみてください。ディベロッパーの不動産業界内での立ち位置や現状について詳しく解説しています。
ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法
後悔しない選択をしよう! BtoB営業の企業研究のポイント
BtoB営業の企業研究のポイント
- 大手企業だけに絞らずに企業を探す
- 企業が取り扱う製品の役割を把握する
- BtoB営業を取り巻く環境を理解する
- OB・OG訪問やインターンに積極的に参加する
BtoB営業に興味を持っていても、商品やサービスを身近に感じる機会がないため、どんな企業なのかわからない人もいるのではないでしょうか。
企業研究が不十分だと、選択肢を狭めてしまったり、想像していた業務内容と違ったりしてあとから後悔してしまう可能性もあります。
ここからは、BtoB営業の企業研究のポイントを解説します。自分に合うBtoB企業を探して、後悔のない選択をしましょう。
大手企業だけに絞らずに企業を探す
BtoB企業の探し方
- 就職四季報や業界地図で探す
- BtoB企業向けの表彰から探す
- 就活のプロに相談して探す
良い企業を探そうと考えた際に、大手企業や知名度がある企業をイメージする人も多いのではないでしょうか。ただでさえBtoB営業は普通に生活していると目にすることはほとんどないため、大手企業を探しがちになるかもしれません。
なんとなく大手企業だから、知名度があるからなどの理由で選んでしまっては、就活の幅を狭めることになってしまいます。
中小企業であっても、高い技術力を持っていたり、世界で活躍している企業も多くあります。大手企業だけと最初から絞らずに、広い視野を持って企業を探しましょう。
大手企業で働くことに憧れがあるかもしれません。しかし、大手企業と中小企業は社風や裁量、キャリアパスなども異なります。
イメージだけで大手企業に就職すると入社後にミスマッチとなる可能性があり注意が必要です。
まだ業界を絞れていない人向けに、こちらの記事では業界の絞り方を解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
就職四季報や業界地図で探す
就活サイトなどで検索しようと思っても、特集が組まれていたり、人気企業として表示されていたりする企業はBtoCが多いこともあります。「BtoB」と検索すれば何社も表示されますが、そこからどのように選定すべきかわからないこともありますよね。
就職四季報や業界地図で、どのような企業があり、どんな企業なのかを確認する方法もおすすめです。何社も企業について詳しく調べるには相当な時間がかかりますが、就職四季報や業界地図では、まとまって知りたい情報が記載されているため、数社を比較検討する際にも役立ちます。
就職四季報では、業界別に就活生に役立つ企業情報が網羅されています。そのため、今まで知らなかった企業を知る機会になります。
また実態に沿った内容であることも、就活生にとって嬉しいポイントです。
たとえば有給に関しても、通常企業HPで記載されている有給日数は「最大休める日数」ですが、就活四季報では「実際に休めたか」を示す有給取得(消化)日数や、付与日数に対する割合も掲載しています。
就活四季報で得られる情報
- 平均年収・初任給とその内訳
- 昇給・給与格差
- 平均賃金(25歳・30歳・35歳)
- 配属勤務地・部署
- 採用数・採用実績校
- 新卒3年後離職率・全従業員の離職率
- 従業員数・平均年齢・平均勤続年数
- 有給取得状況・付与日数に対する割合
- 残業時間・残業代
- 情報開示に積極的か否か
業界地図は業界を細かく分類して、順位、業績、提携関係などを地図のようにわかりやすく視覚的に見ることができるものです。
業界地図で得られる情報
- 企業同士の関係
- 業界シェア上位企業
- 業界別に必要な資格
- 業界の規模
- 業界全体の好不調
- 主要企業の好不調
- 業界のトレンド
- 業界のビジネスモデル・利益構造
- 就活四季報も業界地図もページ数が多すぎてどこから見たら良いのかわかりません。おすすめの見方はありますか?
予備知識のある企業とライバル企業をチェックしてみよう
まず、利用したり商品を買ったりしていて、あらかじめ多少予備知識のある企業の情報を詳しく見ることから始めましょう。
次に、そのライバルとなる企業の情報を見て、比較してみましょう。掲載されているのは上場企業なので、調べようと思えば決算書の詳細も株主向けに公開されています。
その2社の比較で、事業の内容、利益率の違い、販路や主要取引先(どのような企業を顧客にしているか)、財務内容なども比べることができます。
どちらにどのような強み、弱みがあるのかを考えてみると良いでしょう。一つの身近な企業でこのやり方に慣れていれば、あとは業界や規模の違う企業にも当てはめることができます。
BtoB企業向けの表彰から探す
優れたBtoB企業を探す方法として、BtoB企業向けの各種表彰を確認することもおすすめです。今まで聞いたことのなかった企業を見つけられる可能性もあります。
BtoB企業向けの表彰
- 2020年版グローバルニッチトップ企業100選
世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している素材などの事業を有する優良な企業を選定
運営:経済産業省 - NIKKEI BtoBマーケティングアワード
BtoB企業のマーケティング活動全般に対して、創造性や新規性、経営へのインパクトなどを基準に審査
運営:日経新聞 - 日本BtoB広告賞
BtoB広告の普及、振興をはかるために開催しているBtoB広告作品のコンテスト
運営:日本BtoB広告協会 - Webグランプリ
Webサイトの健全な発展を目的として、優れた功績を残した企業および人物を表彰する
運営:デジタルマーケティング研究機構
BtoB企業のような知名度は高くないものの優良企業と呼ばれる企業はたくさんあります。こちらの記事でさらに詳しい探し方を解説しているので、併せて参考にしましょう。
隠れ優良企業158社を厳選|探し方から内定獲得のコツまで徹底解説
就活のプロに相談して探す
BtoB企業は数多くあるため、その中から自分に合った企業を探し出すのは至難の業です。時間は限られているため、効率的にBtoB企業を探したいという人もいるのではないでしょうか。
効率的に探すのであれば、就活のプロに相談する方法もおすすめです。具体的には、大学のキャリアセンターやハローワーク、就職エージェントのキャリアアドバイザーなどです。
自分の就活の軸や、譲れない条件などをしっかり分析したうえで「BtoB企業を探している」と伝えると、あなたに合ったBtoB企業を紹介してくれます。
就活の相談先は、実はさまざまあります。自分に合った相談先に相談して、視野を広げましょう。こちらの記事では幅広い相談先を解説しているので、参考にしてみてください。
就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説
中小企業の探し方はこちらのQ&Aも参考にしてください。自分にあった中小企業を効果的に探す方法をキャリアコンサルタントが回答しています。
企業が取り扱う製品の役割を把握する
BtoB企業を研究する際に、どのような仕事をするのかに着目しがちですが、企業が取り扱う製品の役割についてしっかりと把握しておきましょう。
BtoB営業の仕事は、企業に自社の製品を営業する仕事です。自社の製品に誰よりも詳しくなければ、顧客が心を動かす営業はできません。
また、製品の価値を理解できていると、企業への熱意をアピールしやすくなります。似た企業を取り扱っている企業が多数あることも多いため、ほかにはない製品の魅力や役割を把握しておきましょう。
- HPや採用ページを見る以外に、製品について詳しく知る方法はありますか?
パンフレットを取り寄せよう
HPには限られた情報しか書かれていないため、パンフレットならより詳しい情報が確認できることもあります。パンフレットはHPから請求したり、合同説明会で配布されていたりしますよ。
ただし、HP経由で取り寄せるときには、企業担当者しかパンフレットの取り寄せができないことがあります。情報を偽ってパンフレット請求をすると企業へ迷惑になることもあるため避けましょう。
BtoB営業を取り巻く環境を理解する
デジタル化により、BtoB営業を取り巻く環境も変化しています。
たとえば、オンライン営業の導入やWebマーケティングのニーズの拡大などです。
オンライン営業は、移動の必要がないため、スケジュールの調整をすることが容易になったり、遠方の顧客とも商談できるメリットがあります。一方で、画面越しのコミュニケーションになるため、対面で有効だったプレゼンスキルが通用しない、実際の商品を手にとってもらえないなどの難しさもあります。
オンライン上でも上手にコミュニケーションを取るスキルや、商材を説明する資料の作成スキルなどの対面での営業とは異なるスキルが必要であることも理解しておきましょう。
また、顧客自身が商材を検索し比較検討するようになったため、Webマーケティングのニーズも拡大しています。
たとえば、自社サイトを通して自社商材の魅力をアピールし、購買意欲を高めてから、営業が最後のひと押しをするために訪問するなどです。
従来のとにかく多くの企業に声を掛けてアポイントをとる、顧客のもとに何度も足を運ぶなどといった営業手法から大きく異なることを理解しておきましょう。
時代の変化によって変わる環境について理解を深めておくことで、活躍し続けられるBtoB営業はどのような人なのかを考えるきっかけになります。
コロナ禍とDX(デジタル・トランスフォーメーション)により、営業のやり方も大きくかわっています。具体的には、顧客が能動的に情報を収集し商品比較や自社の課題を明確にしていること、非対面・非接触での商談が増えたことなどです。
これらの変化を知ることで、これからのBtoB営業に必要なスキルについて仮説を持ち、自己アピールを工夫して就活を進めることができます。
OB・OG訪問やインターンに積極的に参加する
企業のHPやインターネットで調べただけでは、具体的に何をするのか想像できないという人もいるのではないでしょうか。
ある程度興味のある企業が絞れてきたら、OB・OG訪問やインターンに参加することもおすすめです。
実際に働く人の話を聞くことで、企業の雰囲気や働いている人の様子などリアルな情報を手に入れることができます。
OB・OG訪問のやり方や質問例はこちらで解説しています。参考にしてみてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
インターンシップに挑戦しようと考えている人は、こちらの記事もあわせて確認してみてください。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
インターンの選考に関する記事はこちらです。選考対策をしっかりおこないインターン参加のチャンスを手に入れましょう。
面接
インターンシップの面接を突破する3つのカギ|質問と回答例12選
自己PR
例文18選|インターンシップ選考を勝ち抜く自己PRは5ステップで完成!
志望動機
例文19選|インターンシップの志望動機づくりはこれで完璧!
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る周囲から一歩リードするためにはOB・OG訪問を最大限に活用しよう
ほとんどの学生が企業研究で同じ情報を見るため、大きく差をつけることはできないと感じている学生がいるかもしれません。そこで、実際にBtoB営業として活躍している社員へOB・OG訪問をすることがおすすめです。
実際に働いている社員の目線で、他社との差別化ポイントや企業ごとの強みを知ることができます。すると、他の学生は語ることができない志望動機をアピールすることができますよね。自分が志望する企業で働いている社員ではなくても、他社から見た企業の立ち位置や印象を把握することもできます。
OB・OG訪問では効率的な就活情報を聞くことも可能
また、OB・OG訪問をすることで、BtoB営業の特徴について研究できるだけでなく、内定実績のある社員から効率的な就活対策について知ることもできます。就活の成功体験だけでなく、失敗体験を聞くことで、自分の就活に活かすこともできますよね。
もちろん良い話を引き出すためにはOB・OG訪問の準備が重要です。知りたいことが引き出せるように、質問内容をまとめてから訪問しましょう。
BtoB営業の選考を突破する秘訣
BtoB営業の選考を突破する秘訣
- 自分にとって良い企業の軸を明確にする
- 清潔感のある身だしなみを意識する
- 説得力のある回答を意識する
BtoB営業に興味を持ち、志望しているものの、どう就活を進めていけば良いかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここからは、BtoB営業の選考を突破する秘訣を解説します。攻略のポイントを押さえて、行動に移してみてくださいね。
自分にとって良い企業の軸を明確にする
知名度があるから、世界で活躍している企業だからと言ってあなたにとって良い企業かどうかはわかりません。
自分軸で企業選びをしていないと、入社後に思っていたのと違うなどと認識の違いが生じる恐れがあります。
どのような企業で、BtoB営業としてどのようにして働きたいのかをしっかり考えたうえで、企業を選びましょう。
また、自分にとって良い企業が明確にできていると、企業選びだけでなく志望動機の作成時にも役立ちます。面接ではさまざまな切り口で志望動機を聞かれることがありますが、自分にとって良い企業の軸が決まっていればブレずにアピールができます。
企業選びの軸が明確な学生は、入社意思や志望理由がブレない印象があります。
自分の価値観がしっかりしているので、価値観にあった企業に納得して入社し、入社後の早期退職のリスクも少ないのではないかと思われます。
自己分析をおこない就活の軸や企業選びの軸を明確にすることで、自分にとって良い企業は何か考えることができます。以下の記事も参考にしてみてください。
自己分析のやり方
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
就活の軸の考え方
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
企業選びの軸の考え方
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
清潔感のある身だしなみを意識する
BtoB営業は、顧客を相手にするため、清潔感のある身だしなみをすることが重要です。
面接官も、営業先で顧客に信頼されるような人物かどうかといった点を判断しています。面接で話す内容や、BtoB営業で活かせるスキルを持っていることも重要ですが、清潔感のある身だしなみとマナーが伴わなければ評価されません。
身だしなみや服装を整え、第一印象がよくなるように準備しましょう。
面接での身だしなみのマナー
- メイクは濃すぎずナチュラルにする
- 表情が見えやすい髪型にする
- シワのなく清潔な服装か確認する
- だらしない服装の着こなしになっていないか確認する
- 靴が汚れていないか確認する
- マスクは柄なしで白地が無難
- 相手を不快にさせる匂いがしないか確認する
服装は当日慌てて整えようとすると、気づかない所に汚れや破れがあったりするので、前日までに早めに用意しておきましょう。
ここでの身だしなみは「おしゃれ」とは違います。誰からも嫌われない身だしなみを念頭に置いてください。
面接時の身だしなみにおけるマナーは、以下の記事でも解説しています。
面接の服装に迷う就活生必見! 基本マナーから私服対策まで完全網羅
説得力のある回答を意識する
BtoB営業は顧客に「自社の製品を使うとどのようなメリットがあるか」を説得力のある説明をして営業する仕事です。
面接でも、説得力のある回答を意識するようにしましょう。自分を志望企業に売り込むといった点では、就活もBtoB営業と同じです。
面接での回答に説得力がないと、「論理的思考力に欠けている」「伝える力が弱いのかな」とBtoB営業に向いていない印象になってしまう可能性もあります。
説得力のある回答をするポイント
- 具体的な根拠を交える
- 客観的な数値や評価を交える
- なぜそう思ったのかなど思考の部分を交える
- 丸暗記せず自分の言葉で話す
- PREP法(結論→理由→具体例→結論の順に説明すること)を意識してわかりやすい伝え方をする
説得力ある回答をするためには、PREP法で回答することを特に意識しましょう。BtoB営業で活躍している人も使っているフォーマットです。この型を使うと社会人に必要なスキルが身に付いていると高評価も得られますよ。
3ステップ! BtoB営業の魅力的な志望動機の書き方
BtoB営業の魅力的な志望動機の書き方
- BtoB営業になりたい理由
- その企業でなくてはならない理由
- BtoB営業としての入社後の展望
BtoB営業の志望動機を作成する3つのポイントを解説していきます。これらのポイントを意識して作成すると、順序立てられた伝わりやすい志望動機になります。
BtoB営業は、身近ではない職種のため、志望動機の内容が浅くなりがちです。それでは説得力がなくなってしまうので、なぜBtoB営業のその企業で働きたいのかをしっかりとアピールし、入社に対する意欲が伝わる志望動機を作成してくださいね。
①BtoB営業になりたい理由
まずは、BtoB営業になりたい理由から伝えましょう。結論から伝えることはPREP法といい、ビジネスでのコミュニケーションの基本です。PREP法を使って物事を説明できることは、実際の商談の際にも活かせるので、今のうちから習得しておきましょう。
結論から先に伝えることで、話の展開がわかりやすくなります。結論から伝えずに、エピソードから話してしまうと、何を伝えたいのかわからなくなってしまうため注意してください。
BtoB営業になりたい理由の例
私は自動車の安全にかかわる部品を世界中に広めたいという思いから御社の法人営業を志望しています。
志望動機では、書き出しで面接官を惹きつけることがポイントです。こちらの記事もあわせて確認しましょう。
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
②その企業でなくてはならない理由
次になぜその企業のBtoB営業を選んだのかを述べましょう。
「BtoB営業になりたいのなら、ほかの企業でも良いのでは?」と面接官に判断されてしまわないよう、なぜその企業でなくてはならないのかを説得力をもたせて伝えることが重要です。
企業研究や業界研究をしっかりおこない、なぜその企業でなければならないのかを明確にしましょう。
また、ただその企業の魅力を伝えるのではなく、自分の価値観と志望企業の共通点を見つけて、企業独自の志望動機を伝えられると、説得力のあるアピールができます。
その企業でなくてはならない理由の例
御社を志望した理由は、自動車の安全装置の部品に力を入れていることと、「国境を越えて世界中から事故をなくす」という理念に惹かれたためです。
- どの企業も良いと思ってしまい、その企業でなくてはならない志望理由を考えることが難しいです。企業独自の志望理由を考えるポイントがあれば教えてください。
自己分析を徹底しよう
企業独自の志望動機を考えるためには、企業研究に力を入れると考えている学生が多いのではないでしょうか。
たしかに、企業分析をして違いを把握できたら他社との差別化ができます。しかし、実際に働いている社員ですら、他社との違いを具体的に把握するハードルが高いです。
企業独自の志望理由を考えるためには、自己分析で言語化した「自身が就活で重視すること」に対して、企業の特徴を当てはめることがポイントです。企業を志望する理由が自身の具体的な経験なので、オリジナリティがある内容になりますよ。
このように志望理由の根拠を具体化することで、他社に当てはまらない動機を作りましょう。
企業理念に共感したと伝えたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ
志望動機で社風について魅力を感じたと伝えたい場合は、こちらの記事がおすすめです。
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
③BtoB営業としての入社後の展望
面接官は、入社後に活躍できる人材かどうかを見極めています。どんなに自分と企業が合っているとアピールしても、面接官があなたが企業で活躍するイメージを持てないと、選考を通過できない可能性が高くなります。
志望動機の最後は、BtoB営業として実現したいことやチャレンジしたいことなどの、入社後のビジョンを明確に伝えるようにしましょう。
また、自分の強みや経験と絡めた内容にすると、面接官が入社後活躍するイメージを持ちやすくなるためおすすめです。
BtoB営業としての入社後の展望の例
御社の安全装置の部品を世の中に広め、世の中から事故を少なくすることに貢献したいと考えています。
入社後の展望の具体的な考え方はこちらの記事で解説しています。なかなかイメージが持てない人は参考にしてみてください。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
志望動機の最後のまとめ方はこちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
「志望動機が上手に書けない……」と悩んでいる人は、こちらの記事を参考にしてみてください。必要なステップを意識すれば、上手に組み立てられるようになりますよ。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
業界別! BtoB営業の志望動機例文6選
BtoB営業の志望動機例文
- IT
- 人材
- メーカー
- 広告
- インフラ
- 不動産
BtoB営業の魅力や回答するポイントを理解しても、実際にどう作成すれば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここからは、解説した志望動機の書き方を踏まえて、志望動機の例文を紹介します。例文は業界別に紹介しているので、興味のある業界と照らし合わせて参考にしてみてくださいね。
例文①IT
IT業界のBtoB営業を志望する理由
私は、顧客のニーズを捉え、顧客に合ったサービスをカスタマイズして提供する営業に魅力を感じ、IT業界の営業を志望しています。
複数のIT業界の説明会やインターンに参加しましたが、御社はチームビルディングを定期的におこない、チームワークを大切にしている点に魅力を感じました。
私は大学時代、バスケ部のマネージャーをしていました。長らく公式戦で勝利できずにいたため、私はマネージャーとして課題を分析し、一人ひとりに合った練習メニューを提案しました。
その結果、チーム一人ひとりの実力が向上し、公式戦で勝利を収めることができました。仲間からも感謝の言葉をもらい、自分の提案で誰かに喜んでもらえること、チームの一員として目標に向かって努力することに喜びを感じました。
御社でも法人営業として、顧客が抱えている真の課題を捉えて、顧客に寄り添った解決策を提案し、顧客満足度を高めることでチームに貢献していきたいと考えています。
よく書けている例文ですね。もっと良くするためには、「課題分析をどのように進めたか」や「データを重視したとか全員にヒアリングをした」というような具体的な記述があると、入社後の再現性をイメージすることができます。
例文②人材
人材業界のBtoB営業を志望する理由
私は、企業と人の架け橋のような存在になりたいと考えて、人材業界を志望しています。
その中でも御社の法人営業を志望する理由は、求職者を紹介したら終わりではなく、紹介後も丁寧なサポートに力を入れている点に惹かれたためです。
私は美容部員のアルバイトで、顧客の悩みを解決に導ける化粧品を提案しています。買っていただいたら終わりではなく、その後も顧客にはがきを送ったり、再度来店された際はその後の状況をお伺いしたりと、アフターフォローを意識して接客しています。
その結果、私を指名して来店し、継続して商品を購入してくださる顧客も増えました。
この経験から、丁寧なフォローが顧客との信頼関係を構築し、継続的な取引にもつながるのだと感じました。自分の強みである傾聴力を活かして、顧客のニーズを捉え、継続して顧客の課題を解決し続けることで信頼を構築していきたいと考えています。
上記の例文は、アルバイトの内容が人材紹介の営業と共通項が多いので、説明に納得感があります。特に提案やアフターフォローについて言及している点が好印象です。「傾聴力」という点について具体的なエピソードを聞いてみたいと感じました。
例文③メーカー
メーカーのBtoB営業を志望する理由
私は、自動車の安全にかかわる部品を、世界中に広めたいという思いから御社の法人営業を志望しています。
大学の授業で交通事故の統計を調べた際に、アクセルの踏み間違いの事故が多いことを知りました。ニュースでも度々見ることがあり、一歩間違えば命にかかわる事故を起こすことになる自動車運転をより安全にしたいと考えるようになりました。
御社を志望した理由は、自動車の安全装置の部品に力を入れていることと、「国境を越えて世界中から事故をなくす」という理念に惹かれたためです。
私も御社の一員となり、御社の安全装置の部品を世の中に広め、世の中から事故を少なくすることに貢献したいと考えています。また、将来的には留学経験で培った語学力を活かして、海外のメーカーへの営業もおこない、日本だけでなくグローバルに活躍する人材になりたいと考えています。
職種の志望理由、応募先の事業内容や理念への共感、入社後のビジョンに筋が通っていて、わかりやすくて説得力があります。中長期のビジョンに触れている点も好印象です。
例文④広告
広告業界のBtoB営業を志望する理由
私の就活の軸は「社会に影響力のある仕事をすること」です。
その中でも、広告業界の法人営業を志望している理由は2つあります。1つ目は、さまざまな業界とかかわることができるため、好奇心旺盛な自分の強みを活かせることです。2つ目は、良いサービスや商品を広めることで、ユーザーにもクライアント企業にも良い影響を与えられることです。
私は靴屋でアルバイトをしているのですが、顧客から「あのCMの商品はありますか?」と質問されることや「雑誌に載ってた商品」と紹介すると、顧客の反応が良いことも多くあり、広告の影響力の高さを感じています。
御社は、幅広い分野の広告を手掛けていて、御社の広告によって有名になった商品やサービスはたくさんあります。
私も御社の一員となり、好奇心を活かして幅広い知識を身に付け、顧客に最適な提案をし、良い商品やサービスを世の中に広めたいと考えています。
上記は、顧客との会話など具体的なエピソードが書かれており、志望する理由のイメージが湧きやすい例文です。この例文のように、志望動機を初めて読んだり聞いたりした採用担当者が想像できるように具体化することを意識しましょう。
例文⑤インフラ
インフラ業界のBtoB営業を志望する理由
私は、人々の暮らしに欠かせないインフラにかかわる仕事がしたいと考えています。
震災のボランティアに参加した際に、人々の生活が成り立つためには、インフラの整備が重要であることを感じ、インフラを通して誰かの生活を支え、社会に貢献したいと思うようになりました。
複数のインフラ業界の説明会や座談会に参加しましたが、御社では月に1度、営業以外の部署も交えて意見交換会をおこなっていると伺い、「顧客により良いサービスを提供するための姿勢」に魅力を感じました。
私は携帯ショップでアルバイトをしていて、顧客のニーズを引き出す傾聴力や、コミュニケーション能力に自信があります。
御社で法人営業に携わり、顧客のニーズに沿った価値あるサービスを提供することで、人々の生活を支える一端になりたいと考えています。
職種の希望理由、会社への共感がよく書けていますね。アルバイト先の携帯ショップとインフラ業界ではBtoCとBtoBとの違いがあるので、共通して活かせるスキルや経験を具体的に入れるとさらによくなりますよ。
例文⑥不動産
不動産業界のBtoB営業を志望する理由
私は笑顔の空間をつくりたいという思いから、御社での法人営業を志望しています。
私は結婚式場でのアルバイト経験を通して、人の笑顔の空間を創り出すことが、自分にとってやりがいに感じると考えました。
御社でのインターンに参加した際に、「たった一つの商業施設ができただけでも、人の流れが変わり、街が変わる」と知り、不動産のもつ影響力やスケールの大きさに惹かれました。また、御社の商業施設以外にも、リゾートやオフィスなど、開発領域が広く幅広いノウハウがある点や、挑戦しやすい社風にも魅力を感じています。
御社で営業部に携わり、顧客のニーズや立地などを勘案しながら、その場所に合わせた施設を提案し、顧客と共に笑顔あふれる空間作りをしていきたいと考えています。
上記の例文は、簡潔によくまとめられています。一見抽象的な「笑顔の空間」という言葉にも、以降の内容と矛盾するところは無くスムーズに伝わっています。具体的な質問はいろいろ出てきそうですが、志望動機の導入としては問題ないと思います。
できる人の共通点! BtoB営業で成果を出すコツ
キャリアプランなどの将来のビジョンを考える際に「BtoB営業で活躍している人はどんな人だろう」と考える人もいるのではないでしょうか。
ここからはBtoB営業で成果を出すコツを解説します。入社前からコツを理解しておくことで、将来のビジョンを描きやすくなるだけでなく、営業のマインドがよくわかっていると面接官から評価されることもあります。
BtoB営業で成果を出している人の特徴を今のうちから把握することで、面接のアピール時に好印象を与えられます。BtoB営業で活躍する人の特徴を把握して、共通点があれば積極的に自己PRしましょう。
営業職のキャリアプランについて悩んでいる人は以下の記事を参考にしてください。営業側のキャリアプランを考えるコツをまとめています。
営業職の6つのキャリアプランとは? なりたい将来像を想像してみよう
顧客の事業を把握する
BtoB営業において、商品を売ることは、顧客企業の課題を解決することにつながる場合がほとんどです。顧客の課題を解決するためには、顧客の事業についてよく理解していなくてはなりません。
顧客の事業を理解できていなければ、顧客にとって有益な情報やサービスを提供することができないほか、担当者からの信頼を得ることもできません。
顧客の事業について把握できていれば、事前に「顧客が何を困っていて」「自社の商材を使って何ができるか」を考え、顧客に合わせた資料を用意しておくことができます。
準備ができていると、商談を有利に進めることができるだけでなく、顧客から質問を受けた際にもスムーズに回答ができ、「この人はわかっている人だ」と思ってもらえるため、信用を得ることにつながります。
商談相手の立場を把握する
相手を知ることは、顧客の事業を知るだけでなく、商談相手の立場を知ることも重要です。
相手がどのような立場で、何を目的に相談に臨んでいるのかを把握しておきましょう。
担当者の立場や目的を聞く例
- 〇〇様は現在どのようなお仕事をなさっていますか?
- 導入後、実際に使用するのはどなたでしょうか?
- どういったきっかけで、当社にお声がけいただいたのでしょうか?
- 今回、特に気になることがあれば事前におしえてください。
たとえば相手の立場が実際にサービスを利用する立場の人であれば、サービスを利用するメリットをわかりやすく伝え、社内で上司に報告する際に使う資料を共有するなどの工夫ができます。
売り込む気持ちを忘れない
BtoB営業は顧客企業と信頼関係を構築することが重要です。しかし、良い印象を持ってもらいたい、信頼してもらいたいという気持ちが強くなるあまり、自社商品の売り込みが弱くなってしまっては意味がありません。
良好な関係を顧客と構築すれば、顧客があなたから商品を買ってくれるわけではないため、売り込む意識を持つことも必要です。
良好な関係を築くことは、契約を獲得する最初の一歩であることを理解して、自社の商品はどのようなもので、企業にどのようなメリットをもたらすのかをしっかり説明して、売り込みましょう。
継続的なフォローをおこなう
BtoB営業は、前述したとおり、担当者とは別に決済者がいることも多く、契約までに時間がかかってしまうことも多くあります。
契約までの時間に途中で意思が変わってしまう可能性や、比較するために複数の企業と打ち合わせをおこなっている可能性もあります。自社をアピールするためにも、定期的な連絡をとることは必要です。
適宜タイミングを見て顧客のためになる情報を連絡するなど、時間を空けすぎないよう工夫してフォローしましょう。
また継続的な信頼を得るためには、導入時や契約後のフォローも重要です。こうした気配りが顧客との関係構築につながり、売り上げを安定させることにもつながります。
BtoB営業で成果を出すコツは、高額な商品やサービスを売ることに臆しないことです。営業は「相手のために売る」という姿勢を忘れないでください。
相手の懐具合を勝手に判断して「これは高すぎるかも」と臆することはむしろ相手に失礼だと考えてくださいね。
隠れた優良企業も多数! BtoB営業を理解して自分に合う企業を見つけよう
BtoB営業とは、企業に対して自社の商品やサービスを営業する仕事です。普段生活しているとかかわることが少ないため、身近な仕事ではありませんが、世界を相手にしている企業や事業が安定している企業など、隠れた優良企業も多数存在します。
なじみがないからと選択肢を狭めるのではなく、BtoB営業を正しく理解して自分に合う企業を見つけましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るサプライチェーンの観点で企業を見るとBtoB営業の理解が深まる
BtoB営業に興味をもち、どんな企業があるのかを知りたいなら、「サプライチェーン」の観点から企業を見るのも一つの手です。
サプライチェーンとは、商品の原材料調達から生産加工や在庫管理、流通や販売、各プロセスに携わる物流など、商品の開発から消費者の元に届くまでの一連の流れのことです。
たとえば、自動車メーカーを消費者目線でみると、自動車の購入でしかかかわりが見えません。しかしサプライチェーンの観点でみると、自動車の製造に必要な部品や原材料の仕入れ先である、部品メーカーや材料メーカーなどの存在が見えてきます。BtoB営業はこれらのチェーンを支える存在です。
BtoB営業をビジネスとする企業は隠れた優良企業がたくさんある
経済産業省の令和4年度 デジタル取引環境整備事業 報告書(電子商取引に関する市場調査)よると、BtoC電子商取引が約22.7兆円であるのに対し、BtoB電子商取引は約420.2兆円と圧倒的に大きな規模になっています。
BtoB企業は表に出にくいですが、優良企業がたくさんあります。BtoB営業はその最前線での仕事です。本記事を参考に、じっくり探してみてください。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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