この記事のまとめ
- インフラエンジニアは未経験からでもなれる
- インフラエンジニアの種類と仕事内容を徹底解説
- 未経験からインフラエンジニアになるのに有利になる資格を4つ紹介
インフラエンジニアになりたいと考えている人の中には「未経験からなれるのか?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。 第一線で活躍しているインフラエンジニアの中には、未経験からエンジニアのキャリアをスタートした人がたくさんいます。
この記事では未経験からインフラエンジニアになるためのロードマップから、転職を成功させるためのヒントまで紹介します。インフラエンジニアへ転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
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技術やスキルがあれば未経験でもインフラエンジニアになれる
インフラエンジニアの仕事は、ネットワークやサーバーを含めたITインフラの構築や管理をするのが仕事です。そのため、ネットワークやサーバーの知識や技術を身に付ければ、学歴や前職の内容に関係なく、誰でも未経験から転職できます。
知識を身に付けるためには、最初は専門書を読んだりITスクールに通ったりして自分なりの勉強方法を見つけて徹底的にITインフラの知識を吸収するところから始める必要があります。そして、知識が身に付いたら自分で手を動かしてネットワークやサーバーを作って技術スキルを高めたり、資格を取得することで、採用されやすくなります。
まずはインフラエンジニアとして業務をするための知識や技術をどのように身に付けて、どんな転職活動をしたら良いか理解しましょう。
未経験からインフラエンジニアになれる4つの理由
未経験からインフラエンジニアになれる4つの理由
- ITシステムがある限りインフラエンジニアの求人はなくならない
- 資格を取得すれば就職しやすい
- 慢性的な人材不足の影響で未経験でもスキルがあれば採用される
- インフラエンジニアには未経験からできる簡単な仕事もある
インフラエンジニアはITシステムの根幹であるネットワークやサーバーを作って運用や保守をするのが仕事です。インフラエンジニアの求人はITシステムが存在する限りなくならず、さらに慢性的な人材不足の影響もあるので、未経験者でも技術スキルがあればインフラエンジニアへの転職はできます。
ここでは未経験からインフラエンジニアになれる理由をいくつか例を挙げて紹介します。
①ITシステムがある限りインフラエンジニアの求人はなくならない
ITシステムが存在する限りインフラエンジニアの求人がなくなることはありません。
ITシステムが動くためには、ネットワークやサーバーを作るインフラエンジニアが必要です。ネットワークやサーバーを作った後はITシステムが安定して動くためにネットワークやサーバーの運用や保守をするのもインフラエンジニアです。 ITシステムが動いている間は常にインフラエンジニアがどこかで仕事をしています。

また、デジタルトランスフォーメーション(DX)や業務効率化を含めあらゆる分野でITの需要は増えており、新しくITシステムの導入をしたい企業があれば、構築や運用のためにインフラエンジニアの求人が出ます。
そのため、ITシステムの数に比例してインフラエンジニアの需要も増えているので、未経験者でも求人に応募することで採用される機会がたくさんあります。
②資格を取得すれば就職しやすい
インフラエンジニアは資格を取得することで転職しやすい傾向にあります。
たとえば、ネットワークの資格であるCCNAでは、ネットワーク構築でよく使われるシスコ製品に関する知識が得られるため、合格すれば、資格取得で得た知識をそのまま業務で使えるため、採用されやすくなります。
そのほか、Linuxの資格であるLPICでは、Linuxサーバーの構築や運用に必要なLinuxコマンドから、LinuxOSやサーバーの知識まで習得でき、CCNAと同様に資格で得た知識を業務でそのまま活かすことができます。インフラエンジニアの採用基準のひとつとして特定のIT資格を指定している企業はたくさんあります。
資格とエンジニアのスキルは必ずしも比例しませんが、インフラエンジニアとして仕事をするためには、必要最低限のITインフラの知識が必要になります。
そのため、資格を取得することで採用担当者からはITに関する知識があると評価され、未経験者でもインフラエンジニアとして採用される可能性が高くなります。
③慢性的な人材不足でスキルを身に付ければ年齢に関係なく転職できる
企業の中途採用は主に経験者採用が多いですが、慢性的な人材不足のため技術スキルを身に付けていれば未経験者でも採用する企業はたくさんあります。平成30年度に経済産業省が発表したIT人材需給に関する調査では、IT人材の不足数は増加傾向で2030年度には79万人不足すると予測されています。

求人の数に対してエンジニアの数が足りていないわけなので、採用をする企業からすれば要員を満たすためには未経験者でも技術スキルさえあれば採用する必要があります。
また、エンジニアの育成には費用も時間がかかるため、未経験者であっても技術スキルを身に付けていれば企業も前向きに採用を検討してくれます。
④未経験からできる簡単な仕事もある
エンジニアの業務をするためには高度な知識や技術が必要だと思うかもしれません。しかし、インフラエンジニアの業務は簡単な仕事から、高度なスキルが求められる業務まで難易度はさまざまで、実務未経験者の人ができる簡単な業務もあります。
たとえば、ネットワークの運用や監視業務はルーティン作業が多いので、基本的なITインフラの知識があれば、未経験者でも現場で用意されたマニュアルやフローを理解して業務ができます。
また、インフラエンジニアの業務は設計や構築など高度なものもあります。最初は簡単な仕事から慣れていき、少しずつレベルの高い仕事へ幅を広げていきましょう。
そもそもインフラエンジニアとは?
そもそもインフラエンジニアとはどんなエンジニアなのでしょうか。ITインフラはさまざまな技術で成り立っており一言でインフラエンジニアといってもいくつかの種類のエンジニアにわかれます。ここではインフラエンジニアの種類と、それぞれのエンジニアがどんな仕事をするのか紹介します。
未経験からインフラエンジニアを目指す人は、どんな種類のエンジニアがいて、どんな仕事をするのかイメージをつかんでください。
インフラエンジニアの種類
まずは、ITインフラのそれぞれの技術分野でどんなエンジニアがいるか理解しましょう。
そもそもITインフラとは?
ITインフラはアプリケーションが動くための土台になるもので、ネットワークやサーバーのこと。
インフラエンジニアは大きく「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「セキュリティエンジニア」「クラウドエンジニア」の4つにわかれて、それぞれの分野のエンジニアが協力しあってITインフラを作って管理しています。
インフラエンジニアの種類
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- クラウドエンジニア
またインフラエンジニアになるためには、ここで紹介する4つのエンジニアのすべての仕事ができる必要はありません。インフラエンジニアとして活躍している人は、それぞれ自分の得意な技術分野で仕事をしています。
未経験からインフラエンジニアを目指している人は、 ITインフラの中で自分の好きなことや興味のある技術分野を見つけて、自分がどのタイプのエンジニアからスタートするか決めましょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計や構築から運用や保守をするエンジニアです。ネットワークといってもいろんな形態があります。
会社内で使う有線や無線のLANや、携帯電話のネットワーク、インターネットなどさまざまです。ネットワークエンジニアはネットワークの形態にかかわらず、通信できるようにするのが仕事です。
また、ネットワークエンジニアの中でも有線を専門にしているエンジニアや無線を専門にしているエンジニアなどさまざまなタイプのネットワークエンジニアがいます。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築から運用や保守をするエンジニアです。
また、サーバーは「プログラミング言語を用いて開発するサーバー」と「出来上がったサーバーアプリケーションを使って構築するサーバー」の2つにわかれ、サーバーエンジニアが扱うサーバーは後者になります。
サーバーアプリケーションとは?
サーバーアプリケーションはサーバーを構築するためのアプリケーション。たとえばWebサーバーを作るためには Apache(アパッチ)やNginx(エンジンエックス)などがあり、 DNSを構築するためにはBind(バインド)やPowerDNSなどがある。
出来上がったサーバーアプリケーションを使って構築するサーバーには、DNSサーバーや Webサーバーなどがあります。サーバーエンジニアは、サーバーアプリケーションのインストールから設定までおこないます。
また、サーバーを構築する場合は、1つのコンピューターに1つのサーバーを構築することはなく、通常はコンピューターに仮想環境を作って複数のサーバーを管理するのが普通です。そのためサーバーエンジニアは仮想環境も構築します。

セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアはITインフラ全般のセキュリティの実装から運用までおこないます。ITインフラ全般を扱うため、前提としてセキュリティ以外にもネットワークとサーバーの両方の知識も必要になります。そのため業務内容は多岐に渡ります。
ITインフラの構築ではファイアウォールなどのセキュリティ製品を使って、システムを安定して動かすためにどのように外部から攻撃を防ぐか設計から実装までをおこないます。
運用後は外部から攻撃があればログを分析したり、攻撃への対処方法を検討してシステムのセキュリティ改善に努めます。
クラウドエンジニア
クラウドは主にAmazonウェブサービスが運営するAWSやMicrosoftが運営するAzure、さらにGoogleが運営するGCP(Google Cloud Platforn)があります。クラウドエンジニアは、これらのクラウドを使ってITシステムの構築や管理をするエンジニアです。
クラウドエンジニアはウェブブラウザから、それぞれのクラウドにアクセスしてネットワークやサーバーを構築します。
ネットワークやサーバーを作るためにはそれぞれのクラウドで提供されているサービスを使います。たとえば、AWSではネットワークを作るためにはVPCを使い、サーバーを立てるためにはEC2が使われます。
それぞれのクラウドにはたくさんのサービスが準備されており、クラウドエンジニアはそれぞれのサービスを使いこなせなければなりません。クラウドエンジニアを目指している人は最初はクラウドのシェアが一番多いAWSから勉強を始めましょう。
クラウドエンジニアとして業務をしていくためには、多数のクラウドサービスを使いこなせるようにならなければなりません。
インフラエンジニアの3つの仕事内容

インフラエンジニアの仕事内容についても理解しておきましょう。
インフラエンジニアの仕事は多岐に渡りますが、主に「ITインフラの構築」「構築後のITインフラの運用や保守」さらに外部からの攻撃を防ぎシステムを安定して動かすための「ITインフラのセキュリティの維持」の3つに分けられます。
もちろん、インフラエンジニアとして業務をするためにはこれらすべてのことができるのが望ましいですが、業務を担当する工程や会社が請け負った業務範囲によって仕事内容が決まり、すべてを担当することはほとんどありません。
そのため、未経験からインフラエンジニアになろうと考えている人は、必ずしもここで紹介するすべての業務を最初からこなせることが必要であるとは限らないということを理解しておきましょう。
①ITインフラをつくる
ITインフラを作る業務は、上流工程と呼ばれ要件定義、設計、構築などを主におこないます。要件定義ではどんなITインフラをつくるのか決めて、設計では決まったことに対して何を準備してどんな設定にするのかを決めて、構築では実際に設定作業をします。
また、要件定義の段階で誤ったコミュニケーションのやり取りが発生すると、顧客の意図しないシステムを作ってしまう原因になり、後々大きな影響が出るため、このフェーズを担当するインフラエンジニアにはコミュニケーション能力が必要になります。
そのため、要件定義にかかわるインフラエンジニアは、ITインフラの高い知識や技術が求められます。技術知識がないと、顧客がどんなITインフラを必要としているのか理解できません。
②ITインフラの運用や保守をする
ITインフラは作っただけで終わらず、作った後はシステムを安定して動かすために運用や保守をします。
どんなシステムでも、経年劣化や自然災害など、さまざまな要因でシステムは必ずどこかで壊れ、永久に動き続けることはありません。そのため、システムが動き始めると、インフラエンジニアによって運用や保守がおこなわれます。
ITインフラは、24時間監視をされて障害が起こるとメールや監視システムに警告が発生して、警告を確認するとインフラエンジニアは原因の調査から対応します。
ネットワークやサーバーなどのITインフラは、機器が故障してもバックアップに切り替わるようになっているため障害が発生してもすぐにシステムが使えなくなることはありませんが、システムが使えなくなる障害が発生すると迅速な対応が求められます。
そのため、このフェーズで業務をするインフラエンジニアには俊敏性も必要になってきます。
③ITインフラのセキュリティ維持
ITインフラを安定して動かすためには機器の故障から発生する障害だけでなく、システムを攻撃から守るためのセキュリティも大事になってきます。セキュリティ事故が発生すると、場合によっては風評被害が発生して会社に莫大な損失を与えることがあります。
攻撃はいつどのタイミングで何をきっかけに起こるか読めず、完璧なセキュリティを維持することは難しいですが、システムを攻撃からどのように防いで情報資産を守るかが常に問われます。
また、ITインフラのセキュリティは、セキュリティエンジニアだけがおこなうものではありません。ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどの他のインフラエンジニアも、ITインフラを作る段階からセキュリティを実装することで、運用後のセキュリティの維持に努めます。
未経験からインフラエンジニアになるために必要な知識4選
未経験からインフラエンジニアになるために必要な知識4選
- ネットワークの知識
- サーバーの知識
- クラウドの知識
- ITインフラのセキュリティの知識
インフラエンジニアには「ネットワーク」「サーバー」「クラウド」「ITセキュリティ」 の4つの知識が必要になります。
これら4つの知識をすべて持っていることに越したことはありませんが、インフラエンジニアは、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどそれぞれ担当技術が異なるため、最初は自分が担当する技術分野を軸に知識を深めていくと良いでしょう。
ここではインフラエンジニアとして業務をおこなうために、必要になる4つの知識について紹介します。
ネットワークの知識
ITインフラの根幹はネットワークです。 近年では通信しないアプリケーションはほとんどありません。通信ができないとどんなアプリケーションでも機能を発揮できないため、ネットワークはITシステムを動かすために一番大事な基盤です。
また、ネットワークの知識はネットワークエンジニアに限らず、そのほかのサーバーエンジニアやクラウドエンジニアなどほかのインフラエンジニアにも必要な知識です。
構築や運用の業務で機器にログインしたり、ログを取得してどんな通信が発生しているか確認するような業務はネットワークの知識が必要で、サーバーエンジニアやクラウドエンジニアも普通におこないます。
そのため、未経験からインフラエンジニアを目指そうと考えている人は、まずはネットワークの知識を習得するところからはじめることをおすすめします。
サーバーの知識
ネットワークが出来上がったら、ネットワーク上でさまざまなサービスを提供するサーバーが必要になります。サーバーは大きくLinuxOSで作られるLinuxサーバーと、WindowsOSで作られるWindowsサーバーの2つに分けられます。
OS(オペレーティングシステム)とは?
コンピューターを管理するためのもので、ユーザーが使うソフトウェア(ワードやエクセルなどのアプリケーション)と、アプリケーションを動かすためのハードウェア(CPUなどの処理の部分)を仲介するもの。
OSがないと、アプリケーションの開発者はそれぞれのCPUで動作するためのアプリケーションを開発しなければなりませんが、OSがあることで、CPUの管理はOSがおこなうので、開発者はそのOS専用のアプリケーションを開発するだけで済みます。
WindowsサーバーはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)でマウスで画面上のボタンを押して設定しますが、LinuxサーバーはCLI(コマンド・ライン・インターフェース)で、コマンド操作やテキストファイルの編集をしてサーバーを作ります。

そのため、Linuxサーバーを作るためには、Linuxのコマンドを理解していなければいけません。通常使うパソコンはGUI操作のため、コマンドでコンピューターを操作することに慣れてない人は多いでしょう。まずはCLI操作のLinuxから勉強を始めましょう。
クラウドの知識
ITインフラを構築する環境は、ルーターやスイッチ、コンピューターを購入して設定する「オンプレミス環境」とクラウド事業者が提供するクラウドサービスを使ってITインフラ構築する「クラウド環境」の2つにわかれます。
オンプレミス | ・機器を自社で購入する ・現地に機器を設置して現地で作業する |
クラウド | ・機器はクラウドサービスを借りる ・機器はクラウド上にあるのでネットワーク経由で作業する |
元々のITインフラの構築はオンプレミス環境が普通でしたが、インターネット環境が整備されてきてクラウド環境でITインフラを構築するケースが増えています。令和4年度に経済産業省が発表した情報通信白書によると企業のクラウド利用率は年々増加傾向にあるため、インフラエンジニアには今後はさらにクラウドの知識が必要になります。
ITインフラのセキュリティの知識
ITインフラを安定して動かすためにはセキュリティは欠かせません。そのためインフラエンジニアとして業務をするためには、ネットワークやサーバーなどそれぞれの技術分野のセキュリティの知識が必要になってきます。
ネットワークであればどことどこを通信させるのか、サーバーであれば誰に利用させて、どのフォルダやファイルにアクセスさせて、どこまで実行させるかなど、業務用途に応じて必要最低限のアクセス制限をする必要があります。
また、セキュリティは、技術的な観点だけでなく利用者のモラルも大事になってきます。何かのシステムを使う場合はユーザーだけでなく構築から運用まで業務にかかわるエンジニアを含めてセキュリティに対する意識が必要です。セキュリティは実装だけでなくどのように管理するかも大事です。
インフラエンジニアに向いている人とは? 求められるスキル
インフラエンジニアに向いている人とは? 求められるスキル
- コミュニケーション能力
- 英語の読解力
- 縁の下の力持ち作業が好き
インフラエンジニアの業務をするためには、 ITインフラに関する知識や技術が必要ですが、業務をするためにはそれ以外にも求められるスキルがあります。
ここではどんな人がインフラエンジニアに向いているのか、技術スキル以外の観点から紹介します。業務には人それぞれ向き不向きがあります。インフラエンジニアを目指そうと考えている人は自分を分析して参考にしてみてください。
コミュニケーション能力
どんな業務においてもコミュニケーション能力は大事ですが、インフラエンジニアの業務でも同様です。
たとえば、ITインフラを構築する場合は顧客がどんなシステムを欲しがっているのかを理解して、こちらは何ができるかを示すためにわかりやすく解説する能力が必要です。
その他システム障害が起こったときには、顧客や上司などに状況を的確に伝えながら復旧に努めなければならず、周囲と円滑なコミュニケーションを取りながら業務を進めていかなければなりません。
円滑なコミュニケーションを取るためには、論理的な思考で物事を捉えて、難しいことでもまったく知識がない人にわかりやすく説明できる能力が必要です。
英語の読解力
ITインフラの構築や運用で使うシステムは外国製品が多いです。製品によっては日本語のマニュアルが準備されていますが、場合によっては詳細なことを調べるために英語の文書を読まなければならないこともあります。
たとえば、構築や検証をする過程で日本語のマニュアルだけでは動作が確認できない場合は、元々の英語マニュアルや英語で書かれた海外メーカーの公式サイトを読んで情報を拾わなければならないこともあり、障害が起こったときに確認する機器のログはすべて英語です。
インフラエンジニアの業務では、必ず何かしら英語を読む機会があります。ただ、英語が苦手な人はGoogle翻訳と併用しながら業務をすすめていくのもおすすめです。
縁の下の力持ち作業が好き
ITインフラが停止をしてしまうと、そのうえで動いているすべてのアプリケーションが使えなくなってしまいます。しかし、ITインフラはシステムを使うユーザーからすれば動いているのが普通で、直接使うアプリケーションと違って利便性や凄さを実感してもらうことはあまりないかもしれません。
そのため、見えないところでも、縁の下で何かの役に立っていると実感できたり、サポートしたりするのが好きな人はインフラエンジニアには向いています。
インフラエンジニアの業務ではユーザーから見えないところでも、運用業務でITシステムを自分が守っている実感や、構築業務で誰かのために役に立つシステムを作って貢献している実感を持ってモチベーションを維持することも必要になってきます。
未経験からインフラエンジニアになるための3つのステップ
未経験からインフラエンジニアになるための3つのステップ
- インプット(ITインフラの知識を習得)
- アウトプット(知識を使って作ってみる)
- インフラエンジニアの求人に応募する
未経験からインフラエンジニアになろうと考えている人は何をしたら良いか迷っている人もいるのではないでしょうか。インフラエンジニアになるためには「インプット」「アウトプット」「求人へ応募」の3つのステップが基本です。
ここではインフラエンジニアになるためのロードマップを紹介します。最初はインフラエンジニアになるために、どんなことをするべきかイメージをつかむところから始めてみましょう。
ステップ①インプット(ITインフラの知識を習得)
インフラエンジニアとして業務をするためには、まず最初はITインフラの知識が必要です。ITインフラの知識を習得するためには、専門書を読んだり、技術サイトを閲覧したりさまざまな勉強方法があります。
ITインフラには、ネットワークやサーバーなどさまざまな技術分野があり広範囲で覚えなければならないことはたくさんあります。効率よく知識を習得するために、どんな方法で勉強したら良いか自分の環境に合わせて探してみましょう。
また、知識を習得する作業は、どうしても技術用語を覚えなければならず単純な暗記作業になってしまいます。最初から個々の技術用語の暗記作業では勉強してもおもしろくなくなって継続できなくなってしまう可能性があります。
まずは図や表などを使って理解するところから始めましょう。繰り返し何度も理解を繰り返すことで、知識は自然と定着していきます。知識として定着をしていれば、覚えたことを中心にいろんなことが理解できるようになり、さらに知識が増して勉強も楽しくなるでしょう。
ステップ②アウトプット(知識を使って作ってみる)
知識が定着したら、自分で手を動かしてネットワークやサーバーなどITインフラを作ってみましょう。
ITインフラを作っている途中で、設定方法を忘れたりわからなくても、書籍を読んだり技術サイトを閲覧するなどして調べれば良いだけです。まずは、インプットとアウトプットを交互に繰り返しながら技術スキルを高めるのが目的です。
また、第一線で活躍しているインフラエンジニアでも、忘れたりわからないことに遭遇して、調べながらITインフラを構築することはあります。
たくさんの知識があることに越したことありませんが、暗記したり覚えるのが苦手な人は、必要な情報をすぐに引き出せるようにパソコン上にメモをしておいたり、技術のサイトをブックマークしておくなど準備しておくと良いでしょう。
ステップ③インフラエンジニアの求人に応募する
インプットとアウトプットができたらインフラエンジニアの求人に応募しましょう。しかし、未経験者の場合は、前職の経験が書類選考の過程で考慮されない場合があるため、インプットとアウトプットの成果を企業の採用担当者にどのように伝えるかがポイントになってきます。
たとえば、IT関連の資格を取得したり、自分の作ったネットワークやサーバーなどポートフォリオとして提出をするという方法もあります。
未経験者向けの有効な資格や、ポートフォリオの作成についてはこの記事の後半で紹介するので、まずは採用を勝ち取るためにインプットとアウトプットの成果が証明できる方法が必要であるということを理解しておきましょう。
未経験で応募するのは勇気がいりますよね。以下の記事では未経験でインフラエンジニアを応募する際の志望動機について解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
未経験でも安心! インフラエンジニアの志望動機の作り方を徹底解説
ステップ①ITインフラの知識をインプットする方法3選
ITインフラの知識を習得する3つの方法
- 書籍で勉強する
- Webサイトで勉強する
- スクールに通う
インフラエンジニアに必要なITインフラの知識を習得するための勉強方法には「書籍で勉強する」「Webサイトで勉強する」「スクールに通う」の3つがあります。勉強方法は、特定の方法を選ぶ必要はなく自分の環境に合わせて組み合わせるのもおすすめです。
ここではそれぞれの3つの勉強方法のメリットとデメリットについて紹介します。 これから勉強を始めようと考えている人は参考にしてください。
①書籍で勉強する
書籍で勉強する場合の大きなメリットは、専門家監修のもとで作られているため情報の信頼性が高く、コツコツ勉強すれば確実に専門的な知識が習得できる点があります。
その反面デメリットとしては、 書籍で学ぶ場合はどうしても独学になってしまうため、文章が難しかったり技術用語が理解できないと、問題点はすべて自分で解決しなければならずわからなくなってしまえば勉強が進まなくなってしまいます。
また、勉強に適した書籍をどのように選ぶのかがポイントになり、購入をしても内容を理解できない場合は数千円程する書籍代が無駄になってしまう可能性があります。前提知識がない状態で書籍を選ぶ場合は、図や表を使ってわかりやすい優しい文章で書かれているものを選ぶようにしましょう。
インフラエンジニアの勉強におすすめの本
- マスタリングTCP/IP 入門編:ネットワークの基礎知識を習得できる
- 新しいLinuxの教科書:Linuxコマンドの知識を習得できる
- インフラエンジニアの教科書:ITインフラの構築や運用の業務に必要な知識を習得できる
②Webサイトで勉強する
Webサイトで勉強する場合のメリットは、インターネットの環境があればいつでも情報を拾えるという点です。
また、中には第一線で活躍しているインフラエンジニアが公開している技術サイトもあるので、実務内容に直結した知識を得られるというメリットもあります。そのほか、書籍で文章を読むのが苦手で誰かにわかりやすく説明してほしいと思っている人は、Youtubeやudemyなどの動画サイトを使うこともできます。
その反面デメリットとしては、検索で引っかかる情報量が多く勉強に最適なサイトを選ぶのが難しかったり、誰が公開しているのかわからず情報の信頼性に欠ける場合があります。
また、情報そのものは正しくても、サイトが更新されず、内容が古く勉強に必要な情報を得られないということもあります。
③スクールに通う
スクールで勉強する一番のメリットは、 インフラエンジニアに必要な知識や技術を効率よく習得できるカリキュラムが準備されていることです。また、わからないことがあればすぐに講師に質問ができ問題解決が早いため、独学で勉強するよりもはかどります。その結果、短期間で必要な知識が習得できます。
その反面デメリットとしては、スクールは費用が高額になります。 また対面で授業スケジュールが組まれている場合は自分のスケジュールを調整しなければならず、特に平日仕事をしている人となると、平日の夜や土日の空いたところでスケジュールを組まなければならないため、スクールのカリキュラムとのスケジュール調整が難しくなる場合があります。
インフラエンジニアを目指せるエンジニアスクール
- ネットビジョンアカデミー:無料で資格を取得してエンジニアを目指せる
- ウズウズカレッジ:個別指導で教えてもらえる
- システムアーキテクチュアナレッジ:インフラ関連の書籍執筆者の講師が在籍する
ステップ②インプットで得た知識の定着を図るための方法3選
インプットで得た知識の定着を図る3つの方法
- ルーターやスイッチを使ってネットワークを作ってみる
- Linux環境を作ってサーバーを構築してみる
- クラウドを使ってITインフラを構築してみる
インプットで得た知識を定着させるためには、実際にITインフラを作って体系的に理解するのが一番です。インフラエンジニアはネットワークやサーバーなどのITインフラを作るのが仕事です。構築スキルを高めるために何度も繰り返しネットワークやサーバーを作ってみましょう。
ここではインフラエンジニアに必要な技術スキルを習得するためにインプットで得た知識を使って具体的に何を作ったら良いか紹介します。
①ルーターやスイッチを使ってネットワークを作ってみる
インプットで得たネットワークの知識を定着させるために、まずはルーターやスイッチを使ってネットワークを作ってみましょう。ただ、未経験者の人は設定練習をするためのルーターやスイッチをどうやって準備したら良いか疑問に思う人もいるでしょう。
ルーターやスイッチの環境を準備する方法としてはメルカリやヤフーオークションなどで購入するという方法があります。そのほか、「Cisco 中古」で検索をすればルーターやスイッチの中古機器を販売しているお店がヒットするので、こちらで購入をしてみるのも良いでしょう。
また、 ルーターやスイッチの限定的な機能になりますが、シスコ社からパケットトレーサーという無料のネットワークシミュレーションソフトが提供されています。こちらを使えばパソコンにインストールをするだけでルーターやスイッチの簡単なコマンドの実行練習ができます。
②Linux環境を作ってサーバーを構築してみる
インプットで得たサーバーの知識を定着させるために、Linux環境を作ってサーバーを構築してみましょう。
Linuxの環境構築にはWindowsOSにWSLと呼ばれる仮想環境を作ってLinuxを動かす方法や、仮想ソフトをPCにインストールして仮想ソフトのうえでLinuxを動かすなどさまざまな方法があります。
WSLの作り方についてはMicrosoftのページで発表されているのでそちらを参考にすると良いでしょう。
また、サーバーにはいろいろ種類がありますが、最初はDNSサーバー、Webサーバー、メールサーバーなど、実務でよく使われるサーバーを作れるようになるために練習してみましょう。
③クラウドを使ってITインフラを構築してみる
インプットで得たクラウドの知識を定着させるために、業務でよく使われるAWSクラウドを使ってITインフラを構築してみましょう。AWSクラウドを使うためには、最初は無料アカウントの作成が必要になります。
アカウントの作成が完了したら、クラウドコンソールにアクセスしてITインフラに関するサービスを使ってみましょう。AWS では非常にたくさんのサービスが準備されています。 まずはネットワークを作るvpcとサーバーを作るために仮想環境を作れるEC2から触ってみましょう。
また、Linux構築構築で困っている人は、クラウドを使えば数回のクリックでLinux環境がすぐに立ち上がるので効率よくLinux環境を準備して勉強したい人にもおすすめです。
ステップ③未経験からインフラエンジニアになるための求人の4つの探し方
未経験からインフラエンジニアになるための求人の4つの探し方
- 求人サイトを利用する
- 派遣会社や転職エージェントを利用する
- SES企業に応募する
- 転職サポートつきのITスクールに通う
インフラエンジニアになるためには、まずは求人を探すところから始めなければいけません。ここでは未経験からインフラエンジニアになるための求人の探し方について紹介します。
未経験から採用を勝ち取るのは簡単なことではありませんが、まず求人に応募しなければ何も始まりません。インフラエンジニアになるためには、まずは求人を探す方法を理解して、落ちても諦めずに挑戦し続けることが大切です。
①求人サイトを利用する
インフラエンジニアの求人を探すために最も手軽に利用できるのが求人サイトです。しかし、Google検索で「未経験 インフラエンジニア 求人」と入力してもたくさんの求人サイトが表示され、どれを選んだら良いか迷う人もいるでしょう。
目的の求人を探すためには、Googleの検索演算子を有効に活用してみましょう。たとえば、「インフラエンジニア 求人」と入力すれば、インフラエンジニアに関するネットワークエンジニアやサーバーエンジニアに関する求人もヒットするでしょう。
そのほかにもGoogleの検索には隠しコマンドなども用意されています。検索演算子について公式サイトで発表されているので、有効な活用方法を理解して目的の求人サイトを見つけましょう。
検索に有効なコマンドの例
- 「site」特定のサイト内の検索
例:「theport.jp/portcareer/」から「インフラエンジニア」という単語を検索する
site:theport.jp/portcareer/ インフラエンジニア - 「intitle」:特定の単語がタイトルに含まれるページを検索
例:「インフラエンジニア」という単語がタイトルになっているページを検索
intitle:インフラエンジニア
②派遣会社や転職エージェントを利用する
求人を探す方法として派遣会社や転職エージェントを使う方法もあります。派遣会社や転職エージェントの求人はほとんどが経験者採用ですが、未経験者の求人も扱っています。登録だけであれば無料なので、未経験者でもまずは登録をすることをおすすめします。
また、キャリアアドバイザーにも、インフラ系の求人に詳しい人や開発系の求人に詳しい人などいろんなタイプの人がいます。インフラエンジニアの求人を探すのであれば、当然インフラ系の求人に詳しいキャリアアドバイザーの人を探しましょう。
未経験者への求人の紹介はなかなか難しいですが、インフラエンジニア系の求人に詳しいキャリアアドバイザーは自分の目的に合った求人の紹介や、選考対策もおこなってくれます。
まずは積極的に応募して転職活動の意思を示すことが大切です。
③SES企業に応募する
SESとはシステムエンジニアリングサービスの略で、SES企業は時間単位でエンジニアの労働力を提供する会社です。SES企業も派遣会社や転職エージェントと同じくたくさんの求人を扱っており、未経験者OKの求人もあります。
仕事があるときだけ派遣契約をする派遣会社と異なり、SES企業は派遣契約と正社員契約の両方をおこなっています。
派遣会社の場合は仕事がなくなれば契約はそこで終わりになりますが、SES企業で正社員雇用されれば、仕事がない間も会社の規定に沿って給料が支払われるメリットがあります。
正社員としての雇用を希望している人はSES企業に積極的に応募しましょう。
④転職サポートつきのITスクールに通う
インフラエンジニアの求人を探す方法は、求人を扱っている企業に応募する方法だけではありません。転職サポートをしているITスクールに通うのも1つの方法です。企業によっては自社でエンジニアの育成まで手が回らずITスクールと提携をしているところもあります。
転職サポートつきのITスクールに通えば、インフラエンジニアに必要な知識や技術が身に付けられ、カリキュラムを修了すればキャリアアドバイザーと一緒に就職活動ができるので未経験者の人には心強いでしょう。
ただ、ITスクールに通う場合は費用が発生して、カリキュラム内容によっては自身のスケジュールと調整をしなければいけない場合もあります。まずはどんな方法でインフラエンジニアを目指すのが良いか自分の環境と合わせて考えてみましょう。
未経験からインフラエンジニアになるための会社選びのポイント
未経験からインフラエンジニアになるための会社選びのポイント
- ITインフラに関する案件が豊富な企業を選ぶ
- 資格手当や研修制度がある企業を選ぶ
- 勉強のための実機環境が整っている企業を選ぶ
- 上流工程を請け負っている企業を選ぶ
未経験からインフラエンジニアになるためには、求人の探し方だけでなくどんな会社を選ぶのかも大事です。インフラエンジニアとして長く業務を続けていくためには、日々勉強を続けて自己研鑽も大事ですが、会社のバックアップがあればスキルアップも早くなります。
会社の選び方によってインフラエンジニアのキャリアパスが変わってきます。ここでは長くインフラエンジニアとして業務を続けていくために、どんな会社を選んだら良いか紹介します。
①ITインフラに関する案件が豊富な企業を選ぶ
インフラエンジニアとして業務を続けていくためには、当然ITインフラに関する案件を豊富に持っている企業を選ぶのが一番です。また、インフラエンジニアでもネットワークの案件やサーバーやクラウドなどさまざまです。
まずは、自分の目的や身に付けたスキルに合う仕事を見つけられる企業を選びましょう。自分に合わない仕事をしてしまうと、給料や待遇が良くても場合によってはそれがストレスになったり、最悪体調を崩して仕事が続けられなくなる可能性もあります。
会社を選ぶ場合は、 採用してもらうという選ばれるだけの立場でなく、自分の能力やスキルを活かすことができるのか選ぶ側の立場でみることも大事です。
たとえば、企業のサイトを確認してネットワークやサーバーに関する業務をおこなっているか確認したり、取引先や関連企業などが公開されていれば通信キャリアなどITインフラに関する事業をおこなっている企業と業務実績があるか確認すると良いでしょう。
②資格手当や研修制度がある企業を選ぶ
インフラエンジニアとしてスキルアップするために、より難易度の高い資格取得に挑戦して知識を増やしたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、資格取得するために平日に業務をしながら、独学で土日などの業務時間外を使って勉強の時間を確保するのは大変です。そのため会社内に研修制度があったり、資格手当があればモチベーションも上がりスキルアップも早くなるでしょう。
資格手当や研修制度がない会社に入社してしまうと、スキルアップのために業務時間外で勉強しなければならず、仮に資格を取得しても自己満足で終わり、時間の浪費を感じてしまうかもしれません。
逆に、独学で勉強してスキルアップできるエンジニアであれば、企業に所属せずにフリーランスとして高い給料をもらうことができるため会社を選ぶ必要はなく、案件だけで選ぶことも可能です。
企業を選ぶ場合は、資格手当や研修制度などエンジニアの成長をバックアップできる仕組みがあるか確認しましょう。
③勉強のための実機環境が整っている企業を選ぶ
インフラエンジニアの業務では、ネットワークやサーバーなどさまざまな機器を業務で触るため、インフラエンジニアとして業務を続けていくためには、ネットワークやサーバーなど普段から実機環境を触りながら勉強できる環境が必要です。実機に触れる環境がある企業であればスキルアップも早いでしょう。
ITインフラに関する知識や技術を日々習得してスキルアップするためには書籍から得られる知識だけでなく、実機環境を触りながらセットで勉強することが必要になってきます。たとえば会社にラボがあって、自宅からいつでも接続できて実機をいつでも触れる環境があれば勉強もはかどります。
インフラエンジニアには、ITインフラの知識と実装能力が求められます。そのためには実機に触れる環境が準備されている企業を選びましょう。
④上流工程を請け負っている企業を選ぶ
インフラエンジニアとして高い給料をもらいたいと考えている人も当然いるでしょう。高い給料をもらうためには、ITインフラを使う企業と直接契約をして、設計や構築などの上流工程を請け負っている企業を選ぶのがポイントです。
ただし、上流工程を担当している企業では、マネジメント業務が比較的多くなり、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーのようにエンジニアを統括する業務になるとITインフラに関する設計や構築のスキルは前提として必要になります。
上流工程を請け負っている企業に入社するためには、経験や知識などインフラエンジニアとして高いスキルが求められることを理解しておきましょう。
合格への鍵! 未経験からのインフラエンジニア就職を成功させる2つの秘訣
インフラエンジニア就職を成功させるの2つの秘訣
- 資格を取得する
- ポートフォリオを作成する
未経験からインフラエンジニアとして採用される確率を上げるための方法として資格取得やポートフォリオの作成などがあります。企業の採用担当者は、できるだけスキルの高いインフラエンジニアを採用したいと考えます。
そのため資格を取得していたり、業務に必要な技術スキルが証明できるポートフォリオを作っていれば、採用担当者の目に留まり、合格に大きく近づきます。ここでは資格を取得することとポートフォリオを作ることのメリットについて紹介します。
①資格を取得する
インフラエンジニアとして業務をするためには、 ITインフラに関する豊富な知識が求められます。そのため資格を持っていることで、採用担当者からはITインフラに関する知識があると評価されます。
採用選考は基本的に書類選考から始まるため、その人がインフラエンジニアとしてどれだけのことができるかを履歴書や職務経歴書に書かれた内容で判断されます。履歴書や職務経歴書に、インフラエンジニアとしての経験がない状態で資格取得の記載もなければ、書類選考の段階で落ちてしまいます。
自分がインフラエンジニアとして業務をするために、どんな準備をしてきて、どれだけの知識があるかを証明するために資格は有効な手段のひとつです。
②ポートフォリオを作成する
資格と並んで合格へ大きく近づくためのもう一つの方法がポートフォリオの作成です。特に形式はないので、自分がインフラエンジニアとしてどれだけの知識があり、何ができるかを証明できるための資料をExcelやPowerPointなどでまとめると良いでしょう。
ポートフォリオとは?
自分の成果物をまとめた資料。
また、求人に応募する場合、一般的には履歴書と職務経歴書をセットで送ることが多いです。そこにプラスアルファでレベルの高いポートフォリオを作っていれば、当然採用担当者の目に留まり、どんな人か会ってみたいと思われ、書類選考の通過の可能性も高くなります。
合格を勝ち取るためには、自分をどんな方法でアピールするかも大事になります。
ポートフォリオについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
企業に刺さるポートフォリオの自己紹介|職種別例文6選
資格を取得して勉強の成果を証明しよう
未経験からインフラエンジニアになるために、ITインフラに関する知識を証明するために資格取得を目指しましょう。知識を習得するためには資格の勉強をするのが最短のコースです。
ここでは未経験からインフラエンジニアになるために、最初に取得しておきたいITインフラに関する資格を紹介します。それぞれの分野別に紹介するので、自分の目的に合った資格を探してみましょう。
資格種類 | レベル(ITSS) | 学べる内容 | |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験 | 国家資格 | レベル2 | IT全般の基礎知識 |
CCNA | ベンダー資格 | レベル2 | ネットワークの基礎知識 |
LPIC Level-1 | ベンダーニュートラル資格 | レベル1 | サーバー構築のためのLinuxの知識 |
AWSクラウドプラクティショナー | ベンダー資格 | レベル1 | クラウドの基礎知識 |
基本情報技術者試験:IT全般の基礎知識を習得
ITエンジニアになろうと考えている新卒の学生のほとんどが取得を目指す国家資格です。もちろん社会人になってから受験することもできます。試験内容は、コンピューターに関する基礎理論から、マネジメントや経営に関する問題も出題され、IT業界全般で必要とされる基本的な知識を習得するのに最適な資格です。
範囲が広いため、IT初心者の人にとっては覚えることがたくさんあります。また、毎年の合格率が20%台と少し難易度は高めですが、毎年似たような問題がでるため、過去問を繰り返し解きながら問題の傾向をつかむ勉強方法もおすすめです。
そのほか、基本情報技術者試験では、PythonやC言語などのプログラミング言語に関する知識も必要になります。インフラエンジニアの業務ではプログラミングをすることはあまりないですが、プログラミングスキルを身に付けることで、業務効率化ができたりして他のインフラエンジニアよりも一歩リードができます。
未経験からインフラエンジニアを目指そうと考えている人は、何か1つプログラミング言語を使いこなせるようになっておくことをおすすめします。
CCNA:ネットワークの基礎知識を習得
アメリカの大手ネットワーク機器メーカーであるシスコ社が認定するネットワークの基本的な知識が習得できる資格です。ネットワークエンジニアの登竜門的な資格となっており、ネットワークエンジニアを目指す人であれば最初に取得する定番の資格です。
試験内容はネットワーク技術に関する問題に加え、Ciscoのルーターやスイッチの設定や管理方法についての問題も出題されます。そのため、合格のためにはシスコ製品の知識は必須であり、勉強するためにはルーターやスイッチに触れる実機環境は必要です。
そのほか、3年の有効期限があるため、合格してから3年以内に再度試験を受けて合格しなければ資格が失効してしまいます。
CCNAについてはこちらの記事で詳しく解説しているので読んでみてください。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
LPIC Level-1:サーバー構築のためにLinuxの基礎知識を習得
LPICはLinuxの知識が習得できる資格です。Level-1では主にLinuxのオペレーションに関する問題が出題され、合格のためには Linuxのシステムとコマンドを理解する必要があります。Level-2からはサーバー構築に関する問題が出題されるため、サーバーエンジニアを目指す人はLevel-2まで合格を目指しましょう。
また、認定についてはグレードランクの低い資格から合格していかなければなりません。たとえばLevel-1に合格せずにLevel-2だけに合格しても認定されません。Level-1とLevel-2の両方に合格して認定されます。
そのほか、LPICにも5年の有効期限があります。試験に合格してから、5年以内に同じレベルの試験に合格するか、さらに上位の資格に合格することで再度認定されます。
AWSクラウドプラクティショナー:クラウドの基礎知識を習得
AWSクラウドの基礎知識が習得できる資格です。AWSの資格の中では一番難易度の低い資格なので、未経験からクラウドの基礎知識を習得するためには最初に取得しておきたい資格です。試験内容はAWSクラウドでITインフラ構築するために使うサービスや、利用するための料金体系やクラウドの概要に関する基本的な問題ばかりです。
合格のためには書籍だけでなくブラウザからクラウドコンソールにアクセスをしてサービスを設定しながら、体系的に理解しながら知識を習得するのが一番です。初めて勉強する人はAWSで無料のアカウントを作るところから始めましょう。
インフラエンジニア向けの資格はこちらの記事でも詳しく解説しているので読んでみてください。
インフラエンジニアの資格18選|キャリアプラン別に選び方も解説
インフラエンジニアのためのポートフォリオ作成のヒント
ポートフォリオ作成のヒント
- ネットワークを作って資料としてまとめる
- クラウド上でITインフラを作って成果物としてまとめる
- ドメインを取得して簡単なWebサーバーを立ててみる
ポートフォリオは自分の成果物をまとめた資料です。求人に応募する場合は、履歴書や職務経歴書とセットでポートフォリオを提出すれば、自分がインフラエンジニアとしてどれだけのことができるか採用担当者へのアピールにつながります。
また、ポートフォリオといえばWebデザイナーや開発系エンジニアがつくるイメージを持っている人も多いでしょう。インフラエンジニアもポートフォリオを作成できます。ここでは、未経験からインフラエンジニアの採用を勝ち取るためのポートフォリオ作成のヒントについて紹介します。
自分でネットワークを作って資料としてまとめる
ネットワークエンジニアの設計業務ではネットワーク構成図を作ったり機器の設定情報をまとめたパラメータシートを作ったりします。また、構築する場合はどんなコマンドを実行して何を確認するか記載された構築手順書を作業前に作ります。
未経験からネットワークエンジニアを目指している人は、実務でネットワークを構築することを想定して練習のために設計資料を作ってみましょう。そして、実際に設計資料に基づいてネットワークを構築することで、作った資料をポートフォリオとして履歴書や職務経歴書と一緒に提出することで採用担当者の目に留まることは間違いありません。
何よりも実務で作る資料が作成できて、実装までできるわけなので、エンジニアの技術スキルを証明する方法としては効果絶大です。
クラウド上でITインフラを作って成果物としてまとめる
クラウドエンジニアを目指す人は、AWSクラウドでITインフラを実際に構築して成果物としてまとめてみましょう。まとめ方は、どんなネットワーク構成で、それぞれのクラウドサービスでどんな設定をしたかパラメータがわかるようにExcelやPowerPointでまとめると良いでしょう。
そのほかクラウドはインターネットがつながれば誰でもアクセスできるため、職務経歴書などにアクセス先のURLを記載して求人に応募する場合に採用担当者に確認してもらう方法でも良いでしょう。
ポートフォリオは特に決まった形式はないので、どれだけの技術スキルがあるか証明するために「設計資料」と「実際に出来上がった成果物」の2点をどのように見せるかがポイントです。
ドメインを取得して簡単なWebサーバーを立ててみる
サーバーエンジニアを目指す人は、ドメインを取得して実際にWebサーバーを構築してポートフォリオにしてまとめてみるのも良いでしょう。
ドメインはGMOやお名前ドットコムなどで取得できます。ドメインの種類によっては無料で取得もできます。ドメインを取得したら、レンタルサーバーやクラウドを使ってWebサーバーを立ててみましょう。
ポートフォリオとしてまとめる場合は、上記のネットワークを作ったり、クラウド上でITインフラを作ったりするのと同じく、設定したパラメータがわかる資料を作ってアクセス先のURLを職務経歴書に記載して採用担当者に確認してもらう方法で良いでしょう。
資格が知識を証明するためのものであるのに対して、ポートフォリオは技術スキルを証明するためのものです。知識や技術が身に付いたら、自分の技術スキルをどのようにポートフォリオで証明するか考えてみましょう。
インフラエンジニアはきついのか? 目指す前に知っておきたい4つのこと
インフラエンジニアを目指す前に知っておきたいこと
- 仕事によっては夜勤がある
- 単純作業が比較的多い
- 障害対応時はプレッシャーが大きい
- 現場作業を続けているだけでは給料は上がらない
「インフラエンジニアの業務はきついのか?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。業務がキツイと感じる理由は人それぞれ異なり、業務内容によってはインフラエンジニアの業務が合わないこともあるでしょう。
ここでは、未経験からインフラエンジニアを目指す人のために、インフラエンジニアの業務内容の特徴から、仕事の大変さをふまえてあらかじめ知っておくべきことについて4つ紹介します。
①仕事によっては夜勤がある
インフラエンジニアの業務では、システムの運用監視業務があり、勤務体系が24時間のシフト制の場合もあります。
その場合は、夕方に出社して翌朝まで業務が続く夜勤があります。お昼の仕事と比べ夜勤は体への負担が大きく大変と感じる人もいれば、逆に深夜勤務は時給が割り増しされたり深夜手当が支給されることにメリットを感じる人もいます。
また、ネットワークやサーバーは24時間止まることなく安定して動き続けることが求められ、24時間制のシフト勤務でなくても、夜中にシステムの警告が発生して、監視業務をしているエンジニアや顧客から電話連絡を受けて、就寝中でもその場で障害対応しなければならないこともあります。
インフラエンジニアを目指しているが夜勤の業務を避けたいと考えている人は夜勤のない現場や企業を選びましょう。
②単純作業が比較的多い
インフラエンジニアの構築業務では、複数の同じ機器に似たような設定をしたり、同じシステム構成を何度も作ったりすることがあります。運用業務ではシステムが安定して動いているか確認するために、毎日同じ機器にログインをして、同じコマンドを実行してログの確認や状態確認をする単純作業が比較的多くなります。
単純な仕事を繰り返すのが苦手な人や、同じ業務をすることに飽きてしまう人は、少し物足りなさを感じるかもしれません。
単純作業を楽だと感じるか苦痛と感じるかは人それぞれになりますが、インフラエンジニアの業務では似たようなことを繰り返す作業がいくつかあることを理解しておきましょう。
③障害対応時はプレッシャーが大きい
ネットワークやサーバーが完全に使えなくなってしまうと、そのうえで動いているアプリケーションはすべて使えなくなり業務が停止してしまいます。
ITインフラの障害により業務が停止してしまうと会社はビジネスの機会を失い、大きな損失を出したり、場合によっては風評被害に発展することもあります。そのため障害が発生すると、インフラエンジニアには、顧客から迅速な復旧作業が求められプレッシャーも大きくなります。
大規模な障害になると、顧客から何度も状況報告が求められたり、場合によっては障害対応中にシステムが使えなくなったことによる不満を感じるメールやチャットなどを顧客から受け取ることもあります。
障害対応時は社会への大きな影響を感じながら、大きなプレッシャーの中で業務をしなければならないこともあると理解しておきましょう。
④現場作業を続けているだけでは給料は上がらない
インフラエンジニアとしてスキルアップするためには、新しい知識や技術を勉強して自己研鑽を続けることが必要になります。
そのため、現場作業を続けているだけでは、経験は積めますがスキルアップができず給料もなかなか上がりません。特に、監視や運用業務などは単純作業やルーティン業務が比較的多いので、人によっては業務に慣れてしまって現場の業務をこなしただけで満足してしまう人もいるでしょう。
給料アップを狙うためには、業務の空いた時間を使って新しい知識や技術を習得するために勉強したり、土日などのすき間時間を有効活用して資格勉強するなどしてスキルアップに努める必要があります。
ITインフラの知識を習得して未経験からインフラエンジニアになろう
インフラエンジニアは未経験からなれない仕事ではありません。ITインフラの知識を習得して、ネットワークやサーバーを構築できる技術スキルを身に付ければ年齢に関係なく転職はできます。
また、知識が証明できるITインフラ関連の資格を取得したり、技術スキルが証明できるポートフォリオを作れば、採用されやすくなります。未経験からインフラエンジニアを目指している人は、まずはITインフラの知識を習得するところからはじめて、この記事で紹介した準備をして採用を勝ち取りましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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