Q
日本の就活は海外から見るとおかしいのでしょうか?
日本の就活に対して疑問に思うことが多々あります。
まず学生は学業が本業なのに、研究が忙しい時期に就活を始めなければならない点です。企業が6月頃から採用をスタートすれば、学生はそれに合わせて動くしかありません。本音では学業に集中したいと思っている学生が大勢いるはずです。
採用基準が不明瞭な点もどうなんだろうと思います。いっそのこと学歴や保持資格を重視してくれた方が不採用でも納得がいきます。このほかにも地味な服装を強要されたり、企業が優位な点など挙げればキリがありません。
海外の就活を調べてみると、日本とはだいぶ異なるようですね。日本のようなきっちりとした就活マナーがなく、学歴やインターン経験など実力で評価されるらしいと聞き、やはり日本の就活はおかしいのではないかと思いました。
ぜひ、就活の専門の方のご意見をお聞きしたいです。日本の就活はおかしいのでしょうか。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
ベストアンサー
雇用に対する考え方が異なるため海外から見ると特殊なシステムになっている
たしかに質問者さんが言うように、日本の大学生の就職活動は「これって変じゃない?」と疑問に思う点が多々あるのは事実です。
どうして皆同じように黒髪でスーツを着ないといけないのか、大勢が同じようなスケジュールで活動しないといけないのかなど、現在当たり前におこなわれていることも、海外と比べると特殊な点があります。
これは、日本の雇用に対する考え方と効率の良さが理由として考えられます。日本では新卒の学生を採用するとき、「この仕事で」と仕事内容やポストを決めて採用しません。会社に入るという約束だけです。
仕事は未経験でも、能力があり社風とマッチした人材を採用してから成果を出せるように育成するというのが日本の考え方です。
日本の雇用に対する考え方が海外の影響を受けつつある
しかし、海外では「この仕事」「このポスト」というものがあり、それに対する報酬も決まっていて、それを任せられる人を採用するのが一般的です。
これは、昨今日本でも話題になってきている「ジョブ型雇用」と呼ばれるものです。ポストが決まっていないけど、とりあえず採用するという日本とは大きく異なります。
どちらにもメリット、デメリットはあり一概に良い悪いは言えませんが、現実問題として日本の大学を卒業し、日本の企業に就職しようと思うのであれば日本の採用の流れに沿って就職活動をするしかありません。
それがどうしても気に入らないのであれば、ベンチャー企業や外資系企業など日本の一般的な採用活動とは異なる採用方法を取り入れている企業を探すのが良いと思います。
「スーツ禁止&私服で面接」「一芸のある人採用」などユニークな採用方法を取り入れている企業もひと昔前に比べると増えています。自分が仕事をしたい企業が、今の日本の就活の流れの中に存在しているのであれば、それを踏まえて攻略を考えるのも一つの能力です。
どうしても日本式就活が気持ち悪いというのであれば、その外にある企業を選ぶのも自分らしい人生を送るための方法です。質問者さんは日本の就活がおかしいと感じているようで、どうしてもそれが我慢ならないのであれば、先ほど挙げたような形の就職を目指してみてはどうでしょうか。
現在の日本の就活は実は学生にとってのメリットが大きいといえる
日本の就活の特殊性は、新卒一括採用というスタイルが定着しているために派生したものです。質問で挙げられている点はこれらのデメリットの部分ですが、実は学生にとってメリットも大きいと考えられる点があります。
海外の就職では、ご指摘のように実績、実力が優先されます。そのため、選択できる業界は学生時代に専門的に学んできた分野に限られます。
専門性のある人材にしか門戸が開かれないからこそ、学業をしっかりやって資格などを取得してから、その分野でしか就職できないのが海外の就職です。
一方、日本の学生は何も知らない業界でも就職でき、仕事をしながら知識と経験を身に付けていくことができます。教育を効率的に進めるために同時期に入社してもらい、数年間企業が教育費を負担して仕事ができるまで育ててくれます。
日本の就活は人の可能性を大事にしていると客観的に捉えてみよう
そのため、スケジュールが学生にとって厳しいものになります。たしかに学業に集中したい人にとっては問題のあるスケジュールですね。この仕組みは高度成長期にはとてもうまく機能していたのですが、今後見直しが進んでいくでしょう。
そして、見直しが進むとどうなるかと言えば、私は学生の方が大きく損をする状況になっていくと考えています。
まず、採用する人材が実力で決まり、そのうえ就職時期がバラバラになるため、仕事能力に通じるスキルアップはすべて自分の費用で賄わなければならないということになります。
また、役割期待が明確なので、役割以外のこと、評価につながらないことはやろうとしません。これは組織運営上、良い部分と悪い部分の両方があります。
極端な例をあげれば、日本の会社は皆で職場全体をきれいに保とうとしますね。
しかしアメリカやフランスの職場だったら、働いている人にとって労働契約の中にパブリックスペースの掃除は入っていないので、パブリックスペースを皆でキレイに保つのは仕事ではないと捉えるでしょう。そして掃除はコストを払って業者に依頼するようになります。
考え方の違いがあるのでどちらが良いとは言いませんが、私個人としては日本のやりかたはおかしいというより、日本の文化や民度のほうが先進的で理解されにくいのだと考えています。
外国の方が日本で公共の場所がきれいだと感嘆しているのを耳にしますし、スポーツの大会などで日本チームのロッカーの美しさが話題に上がりますが、合理性を重んじすぎる欧米のスタイルにも良い点と悪い点があるように感じます。
どちらかを肯定したり否定したりしすぎることなく、客観的な視点で事実を見て、今の就活というものがやむを得ない状況でできてきたこと、人の可能性を大事にしている側面もあることなども考えていただきたいと思います。
日本の就職活動のスケジュールは、こちらの記事で詳しく解説しています。
もし就活を進める中でつらいと感じるようになっている人は、こちらの記事で対処法を解説しているので参考にしてくださいね。
「日本の就活なんてやめたい」と思っている人は、就活以外の選択肢も考えてみましょう。こちらの記事でさまざまな将来の選択肢を解説しています。
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