転勤の質問は条件付きOKが最も無難です。企業は全国どこでも飛ばせる人ではなく一定の柔軟性がありつつ、嘘はついていない人を求めてます。

だから、「全国OKです」「転勤できません」この極端な2択はどちらも危険です。模範解答は「条件付きで前向きに検討できる」スタンス、これが一番誠実で、評価も落ちません。

完全拒否や曖昧な回答を避けて柔軟性を示そう

実は企業が転勤の質問で見ているのは「ビジネスとしての柔軟性があるか」「キャリアへの意欲があるか」「ウソをついてないか（後で揉めるのを避けたい）」という点です。

つまり、「どこでも行け」とは思ってないけど、完全拒否の人は困るというのが本音です。絶対に避けるべきNG回答としては「行けません」という完全拒否で、その場で落ちる企業もあります。

「どこでも大丈夫です」という回答は、入社後に辞める確率が上がり、企業も警戒しています。「はい、できると思います……」と曖昧に濁すのは一番印象が悪く、「自分の意見がない」「後でトラブルになりそう」と思われます。

面接官目線で言うと転勤の質問は「YES、NO」を聞いているのではなくて、「この人は将来トラブルにならないか」「無理のない働き方ができるか」ということを確認しているだけです。

だから、前向きに検討しつつ、希望も丁寧に共有することが、一番評価を安定させるやり方となります。

志望度の高い企業の面接で、転勤の質問について悩んでいるのですね。本命企業で働きたい気持ちと、できることなら地元で働きたい気持ちの板挟みにあい、悩んでいる気持ちはよく理解できます。

どちらの希望も通せたら良いのですが、なかなかそうもいかないのが現実です。

企業としては、転勤を拒否する学生は望ましくないというイメージがあるため、「転勤不可」と言えば、内定が遠のく可能性が高まります。しかし、転勤したくないのに「可能」だと答えると、入社後にミスマッチが起こるのは明白です。

私も転職活動の際、首都圏在住で首都圏で働きたいと思っていましたが、本命の企業の面接で、新たにできる大阪支社での採用の是非を聞かれ、曖昧な返答をしてしまった経験があります。

結果、ミスマッチが起きることを見透かされ、面接後のメールでフォローの連絡をいただき、結果私から辞退したということがありました。

忠実な姿勢を示しつつ希望を伝えてミスマッチを防ごう

本音と建前のバランスを取るベストな回答は、会社の決定を尊重しつつ、希望を謙虚に伝えることです。

具体的な回答例は以下です。

・組織へのコミットメントを表明（建前を優先）：「御社への貢献を通じて成長したいという思いが強く、転勤の可能性についても十分に理解しております。会社の判断には柔軟に対応する所存です。」

・希望を謙虚に伝える（本音を加える）：「その上で、可能であれば、私自身〇〇（地元の地名）での生活経験が長く、〇〇（地域名）の市場特性も理解しているため、将来的に〇〇での勤務経験を活かし、地域貢献も果たしたいと考えております。」

このように、最初に「会社の決定に従う」という柔軟性を明確に示した上で、地域貢献などのポジティブな理由を添えて希望を伝えることで、悪い印象とならずに本音のバランスを取ることができます。