生成AIパスポートの練習問題94選と解き方! プロの解説付き

業界経験のある専門家がこの記事を監修しました
馬場 岳
馬場 岳
国家資格キャリアコンサルタント
Gaku Baba〇製造メーカーやITベンチャーの企業人事に従事する傍ら、キャリアエージェントとして数多くの転職希望者の支援も実施。幼児教育事業も展開するなど、幅広い年代のキャリア支援に携わる

生成AIパスポートは、ビジネスパーソンや学生を対象にしたAIリテラシーの資格試験です。

プログラミングなどの技術的な専門知識は問われず、AIの歴史・仕組みといった基礎知識から、著作権・個人情報保護などの法・倫理、そして実務で即活かせるプロンプト手法まで、AIを「使う側」に必要なリテラシーが幅広く出題されます。

この記事では、業界経験のある馬場さんとともに生成AIパスポートの対策方法を解説します。

記事後半では最新のシラバスに対応した練習問題94問を紹介しているため、まずは前半で試験の全体像や1問あたりの時間配分などの解答のコツを把握してから、腕試しに挑戦してみてください。

目次

例題を解く前に確認しよう! 「生成AIパスポート」の解答のコツ

「生成AIパスポート」の概要

  • 問題パターン:四肢択一
  • 1問あたりの時間:約1分
  • 出題頻度:テストセンター(◯)ペーパーテスト(×)Webテスティング(◯)
生成AIパスポートの対策のコツを教えてください!

国家資格キャリアコンサルタント

馬場 岳

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「リスク・法・倫理」から対策しよう! ビジネス直結の問題は配点が高い

生成AIパスポート試験は、プログラミングのような専門技術を競うものではなく、AIを安全かつ効果的に使いこなすための共通教養を問う内容です。そのため、問題のレベル感も基本的な概念の理解が中心であり、高校生から一般教養レベルの知識があれば十分に合格を狙えます。

ただし、専門用語の定義は正確に暗記しておきましょう。最も優先して対策すべきなのは「リスク・法・倫理」の分野です。特に著作権法や個人情報保護法、AI事業者ガイドラインにもとづく各主体の責務は、ビジネス実務に直結するため配点も重視される傾向にあります。

基本的な解き方としては、まず設問が「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」のどの立場について問うているのかを整理することが重要です。

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「生成AIパスポート」の概要

生成AIパスポートは、AI開発者ではなくAIを「使う側」のビジネスパーソンや学生をメインターゲットとした資格試験です。試験は全5章で構成されていて、AIの基礎から実務活用・倫理・法律まで体系的に出題されます。

生成AIの進化は非常に速いため、試験の出題内容に影響するニュースが日々増えています。そのため、過去のテキストだけでなく最新の動向にも常にアンテナを張っておくことが、高得点への近道です。

以下に出題範囲をまとめているため、学習を始める前に全体像を把握しておきましょう。

出題範囲をここからチェックする(クリックして開く)
中項目出題範囲
第1章:AI(人工知能)AI(人工知能)の定義AIとは
AIとロボットの区別
AIの研究
AIに知能をもたらす仕組み知能をもたらす2つの仕組み
ルールベースとは
機械学習とは
機械学習の手法
機械学習の考え方
人間の脳とニューラルネットワーク
AIが画像を認識する仕組み
AIが自ら学習して改善される仕組み
過学習(オーバーフィッティング)
過学習を避ける手法
転移学習
AIの種類AIの4つのレベル
弱いAI(ANI)と強いAI(AGI)
AIの歴史第一次AIブーム
第二次AIブーム
第三次AIブーム
シンギュラリティ(技術
的特異点)
シンギュラリティ(技術的特異点)
第2章:生成AI(ジェネレーティブAI)生成AIの誕生まで生成モデルの誕生
自己回帰モデルとディープラーニング(深層学習)
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
VAE(変分自己符号化器)
GAN(敵対的生成ネットワーク)
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)
LSTM(長・短期記憶)
Transformerモデル
Transformer登場以後の派生モデルの系譜
ChatGPTChatGPTとは
対話型AIの変遷とChatGPTの歴史
GPT-1
GPT-2
GPT-3
GPT-3.5
GPT-4
Code Interpreter
GPTs
GPT-4o
GPT-o1
GPT-o3
GPT-o4
GPT-4.1
GPT-5
Sora
Operator
Codex
Image Generation
その他の主要生成AIGemini
Claude
Copilot
第3章:現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向生成AIが出来ることと主なサービステキスト生成AI
画像生成AI
音楽生成AI
音声生成AI
動画生成AI
ディープフェイク(深層偽造)技術ディープフェイクとは
ディープフェイクによる事件
RAGRAGとは
RAGの歴史と発展
RAGの仕組みとメリット
RAGのユースケース
AIエージェントAIエージェントとは
AIエージェントの仕組み
AIエージェントのツール事例
MCPと外部連携
第4章:情報リテラシー・基本理念とAI社会原則インターネットリテラシーインターネットリテラシーとは
セキュリティとプライバシー利用者の興味を引くフィッシング詐欺
悪意のあるQRコードWi-Fiに潜む罠
アップロードサービスに潜む詐欺
不適切なコンテンツへのWebアクセス
ソーシャルエンジニアリング攻撃
プライバシー設定
生成AIの技術的発展に潜む脅威
個人情報保護の観点個人情報保護法
個人情報の詳細な定義
要配慮個人情報
機微(センシティブ)情報
匿名加工情報
生成AI活用における個人情報の取り扱い
制作物に関わる権利知的財産権
生成AI 活用における知的財産権
肖像権とパブリシティ権
生成AI活用における肖像権とパブリシティ権
不正競争防止法
生成AI活用における不正競争防止法
AI生成物に関する権利
AI生成物に関する事実確認
AI生成物が既存の権利を侵害する可能性
AI生成物の著作権の所在
AIを取り巻く理念と原則・ガイドラインAI社会の基本理念
AI社会原則
共通の指針
高度なAIシステムに関係する事
業者に共通の指針
AI ガバナンスの構築
AI の事業活動を担う3つの主体
AI新法AI新法の必要性
AI新法の基本構造
AI新法の内容
注意すべき具体的なリスク
AI事業者ガイドラインとの関連
第5章:テキスト生成AIのプロンプト制作と実例LMとLLMLM(Language Model : 言語モデル)
LLM(Large Language Model: 大規模言語モデル)
プロンプトエンジニアリング
プロンプティングの基礎Zero-Shot プロンプティング
Few-Shot プロンプティング
LLMプロンプティングの実践文章の校正、校正箇所の確認
文章の整理
文章の要約
箇条書きを文章に変換、文章
を箇条書きに変換
文章の対象を変更する
話者の設定を変更する
文章を会話のやり取りへ変換
例え話で理解を深める
数字の変換
テキスト生成AIを用いたビジネス応用メールの作成
アンケート項目の作成
アンケートの分析
キャッチコピーの作成
ビジネス書類のテンプレート作成
アジェンダの作成
業務の手順を分解
タスクの抽出
外国語の翻訳
英単語から英文の作成
海外企業宛のメール文章の作成
ディベートを行う
姓と名の分離
ふりがなの記載
ブレインストーミング
質問させながら一緒に進める
テキスト生成AIの不得意なこと正確な文字数の指定
計算
最新の情報
芸術の批評

「生成AIパスポート」練習問題94問|馬場さんによる解き方の解説付き!

ここからは、生成AIパスポートの練習問題を馬場さんによる解説付きで94問紹介します。第1章から第5章までの全範囲を出題するので、AIの基礎知識・活用手法・法倫理・最新動向まで幅広く対策できます。

試験の概要や解答のコツをまだ確認していない人は、例題を解く前に確認しよう! 「生成AIパスポート」の解答のコツと「生成AIパスポートの概要」を読んでから問題に取り組みましょう。

問題1(難易度:★★☆☆☆)

問題

機械学習をその学習用データの与え方や学習形態で分類したとき、一般的な分類に含まれないものはどれか。

選択肢

正解:D


機械学習のおもな学習手法は、正解データを与える「教師あり学習」、データ自体の構造を捉える「教師なし学習」、報酬を最大化するように試行錯誤する「強化学習」に分類される。また、これらを組み合わせた「半教師あり学習」も存在する。

一方で、提示された「暗記型学習」という用語は、機械学習の主要な分類として一般的に用いられるものではない。機械学習は単なるデータの暗記ではなく、未知のデータに対しても判断ができる「汎化」を目的としている。

問題2(難易度:★★☆☆☆)

問題

1950年代後半から1960年代にかけて起こった「第一次AIブーム」において、おもな研究対象とされた「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


第一次AIブームでは、論理的な「推論」と「探索」を用いることで、ルールが明確なパズルや迷路などを解くことができた。これらは「トイ・プロブレム」といわれ、当時は大きな期待を集めた。しかし、現実社会の複雑な問題(フレーム問題など)を解くには至らず、ブームは終焉を迎えることとなる。

選択肢Dは第二次ブームのエキスパートシステム、AとBは第三次ブーム以降の機械学習や深層学習による成果に近い記述である。

問題3(難易度:★★☆☆☆)

問題

1980年代から始まった「第二次AIブーム」において、専門家の知識を「もし~ならば、~である」というルールとしてコンピュータに記述し、特定の分野で専門家のように振る舞わせるシステムの呼称として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


第二次AIブームでは、専門家が持つ膨大な知識をルール化して取り込み、特定の問題に対して回答を出す「エキスパートシステム」が普及した。これによって医療診断や化学分析といった分野で実用化が進んだが、人間が持つ膨大な常識をすべて記述することの困難さ(知識獲得のボトルネック)などの課題に直面し、のちに冬の時代を迎えることとなった。

選択肢AとDは第三次ブーム以降の技術、Bは第一次ブームを指す。

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問題4(難易度:★★☆☆☆)

問題

Google社によって開発され、テキスト、画像、音声、動画といった多様な種類のデータをネイティブに統合して処理しうる、マルチモーダルAIのブランド名はどれか。

選択肢

正解:B


Geminiは、Google DeepMindによって開発された最先端のマルチモーダルAIである。設計の段階から異なる種類のデータを同時に扱うことを前提として構築されており、情報の理解や推論において高い性能を発揮する。

また、Googleが提供する検索エンジンやドキュメント作成ツールといった、さまざまなサービスへの統合が進められている。

選択肢AはAnthropic社、CとDは画像生成特化型のAIを指すため、不適切である。

問題5(難易度:★★☆☆☆)

問題

AIの安全性や倫理性に関する独自の憲法(Constitutional AI)を掲げ、ChatGPTの有力な競合モデルの一つである「Claude」を開発・提供している企業はどれか。

選択肢

正解:C


Claudeは、AIの安全性と人類の利益にかなう振る舞いを重視するAnthropic社によって開発された。同社はOpenAIの元メンバーらによって設立され、AI自身に守るべき原則を教え込む手法などで注目を集めている。

Claudeは、自然な対話能力とともに、長文の読み込みや論理的な推論において高い性能を発揮し、ビジネス領域でも広く利用されている。

問題6(難易度:★★☆☆☆)

問題

以下の生成AIモデルの中で、おもに自然言語を用いた対話や文章の生成、要約などの「テキスト」処理を目的としているものはどれか。

選択肢

正解:C


LlamaはMeta社が開発した大規模言語モデルであり、テキストの理解や生成をおもな目的としている。これに対し、Stable Diffusion、Midjourney、DALL-E 3、Adobe Fireflyは、いずれもテキストによる指示から画像を生成する画像生成AIに分類される。

生成AIはモデルによって得意とするアウトプットの形式が異なるため、目的に応じて適切なモデルを選択することが重要である。

問題7(難易度:★★☆☆☆)

問題

Stability AI社によって開発され、モデルの重みデータなどが一般に広く公開(オープンソース化)されたことで、画像生成AIの普及に大きな影響を与えたモデルはどれか。

選択肢

正解:C


Stable Diffusionは、Stability AI社が中心となって開発した、テキストから画像を生成するモデルである。このモデルはソースコードや学習済みの重みが公開されたため、個人のPC環境での動作や、特定の画風を学習させるなどのカスタマイズが容易となり、画像生成AIの分野に劇的な進化をもたらした。

選択肢Aは対話型AI、BはDiscord上で利用する画像生成AI、DはOpenAI社の画像生成AIを指すため、不適切である。

問題8(難易度:★★☆☆☆)

問題

生成AIの中でも、入力されたテキストから自然な音声を合成して出力する「音声生成」の技術に関連する名称やモデルとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


TTSは「Text-to-Speech」の略称であり、入力された文字情報を人工的な音声へと変換する技術を指す。OpenAIが提供するTTSモデルは、人の話し声に近い自然なイントネーションで音声を生成できることが特徴である。

これに対し、選択肢AとBは画像生成AI、Dは動画生成AIに分類される。生成AIを活用するうえでは、出力したいコンテンツの形式に合わせて、音声、画像、動画などの適切なカテゴリのモデルを選択する必要がある。

問題9(難易度:★★☆☆☆)

問題

AI技術を悪用して作られた精巧な偽の映像や音声、画像などを指し、世論の操作や詐欺などの社会的な脅威として問題視されている用語はどれか。

選択肢

正解:B


ディープフェイクは、ディープラーニング(深層学習)とフェイク(偽物)を組み合わせた造語である。AIを用いることで、特定の人物が実際にはおこなっていない振る舞いや発言を、きわめて本物に近い形で再現できる。これが偽情報の拡散やプライバシー侵害、名誉毀損など、悪意ある目的で使用されるケースが増えており、法的規制や検知技術の開発が急がれている。

ほかの選択肢であるフィルタリングは情報の選別、デジタル署名は送信者の証明、ブロックチェーンはデータの改ざん防止を目的とした技術である。

問題10(難易度:★★☆☆☆)

問題

生成AIから得られた回答をビジネスや学習に活用する際、インターネットリテラシーの観点から取るべき最も適切な行動はどれか。

選択肢

正解:A


生成AIは、確率的にそれらしい文章を作る仕組みゆえに、事実とは異なる情報を出力するハルシネーションが発生しうる。そのため、得られた情報の出典を確かめ、その真偽を自ら検証するクリティカルシンキングの姿勢がきわめて重要である。

情報の正確性を公的なデータや一次資料と照らし合わせて確認することは、インターネットリテラシーにおける基本かつ不可欠な行動といえる。

そのほかの選択肢は、情報漏洩やサイバー攻撃などのセキュリティリスクを招く不適切な行為である。

問題11(難易度:★★☆☆☆)

問題

街中のポスターやメールなどに記載された、悪意のある第三者によって作成された不正なQRコードを読み取った際に発生しうる、最も典型的なセキュリティ上のリスクはどれか。

選択肢

正解:B


QRコードは、目視では遷移先のURLが正しいものかどうかを判別できない。この性質を悪用し、正規のログイン画面を精巧に模倣したフィッシングサイトへ利用者を誘導する攻撃手法が存在する。利用者が偽サイトと気づかずにIDやパスワード、クレジットカード情報などを入力してしまうと、それらがそのまま攻撃者へと渡ってしまう。

生成AIを用いて本物に近いメール文面やサイトを安易に作成しうる現代において、身元不明のQRコードを不用意に読み取らない姿勢が重要である。

問題12(難易度:★★☆☆☆)

問題

カフェや駅などで提供されている無料の公衆Wi-Fiを利用して、生成AIサービスに機密情報を入力する際、最も警戒すべきセキュリティ上の脅威はどれか。

選択肢

正解:A


不特定多数が利用する公衆Wi-Fiの中には、正規のサービスを装った「偽のアクセスポイント」が設置されている場合がある。これを利用すると、攻撃者が通信の間に介在する中間者攻撃により、生成AIへの入力内容やログイン用のパスワード、クレジットカード情報などが第三者に盗み見られる恐れがある。

重要な業務をおこなう際は、VPNの利用やモバイル通信への切り替えといった対策が不可欠である。

その他の選択肢は、セキュリティ上の脅威には該当しない。

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問題13(難易度:★★☆☆☆)

問題

システムの技術的な欠陥を突くのではなく、管理者のふりをして電話でパスワードを聞き出したり、肩越しにキー入力を盗み見たりするなど、人間の不注意や心理的な隙を利用して機密情報を入手する攻撃手法の総称はどれか。

選択肢

正解:B


ソーシャルエンジニアリングは、情報通信技術を用いずに人間の心理的な隙を突いて情報を盗み出す手法である。

たとえば、清掃員を装ってオフィスに侵入する、ゴミ箱から書類を回収する、あるいは緊急事態を装って電話でパスワードを聞き出すといった行為が該当する。生成AIを悪用して本物に近い偽メールを作成し、相手を信じ込ませる手法も、この広義の攻撃に含まれる。

システムの防御を固めるだけでは防げないため、一人ひとりの意識付けが重要となる。

問題14(難易度:★★☆☆☆)

問題

SNSや生成AIサービスのアカウントを運用する際、プライバシー保護の観点から推奨される設定の基本原則はどれか。

選択肢

正解:D


SNSなどのプライバシー設定においては、意図しない情報の拡散や不正アクセスを防ぐため、公開範囲を必要最低限に絞ることが最も重要である。これはセキュリティにおける「最小権限の原則」にもとづく考え方であり、利便性よりも安全性を優先すべき場面で特に有効である。

位置情報の常時共有や無制限な連絡先同期などは、プライバシー上のリスクを高める行為となるため、設定の際によく検討する必要がある。したがって、最小権限と公開範囲の限定を挙げた選択肢が、最も適切である。

問題15(難易度:★★☆☆☆)

問題

企業が自社の保有する顧客の問い合わせ履歴などを活用して、独自の生成AIモデルを開発したり、回答の精度を高めるために学習させたりする際、個人情報保護法の観点から、最初におこなうべき対応として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


生成AIの開発や利用においても、個人情報を取り扱う以上、個人情報保護法の遵守が不可欠である。まず、どのような目的でデータを利用するかを具体的に特定し、それを本人に通知するか、あるいは公表しなければならない。特定した目的の範囲を超えて個人情報を取り扱うこととなる場合は、原則として本人の同意を得る必要がある。

また、外部サービスへの入力時には個人情報の漏洩リスクに細心の注意を払い、適切な安全管理措置を講じることが求められる。したがって、目的の特定と公表を挙げた選択肢Cが、最も適切である。

個人情報保護法において、データをAI学習に使う場合は「何のために使うか」を具体的に特定して公表しなければなりません。

「サービス向上のため」といった曖昧な表現ではなく、具体的な目的を示すことが透明性の確保と法的遵守の第一歩です。

問題16(難易度:★★☆☆☆)

問題

生成AIへの入力やデータの学習において、特に厳格な管理が求められる「要配慮個人情報」に該当する例として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


要配慮個人情報とは、本人に対する不当な差別や偏見、不利益が生じうる記述が含まれる情報を指す。具体的には、宗教などの信条、病歴、犯罪歴、人種などがこれに該当する。

これらの情報は、原則として本人の同意を得ずに取得することが禁止されており、生成AIを利用する際も入力しないよう細心の注意が必要である。

一方、氏名や郵便番号などは「個人情報」には該当するが、法律上の「要配慮個人情報」には当たらない。したがって、信仰や病歴を挙げた選択肢Cが最も適切である。

問題17(難易度:★★☆☆☆)

問題

生成AIへのプロンプト入力や学習データの収集において、流出や不適切な利用が個人の尊厳を傷つける恐れがあるため、特に慎重な取り扱いが求められる「機微(センシティブ)情報」に該当するものはどれか。

選択肢

正解:C


機微(センシティブ)情報とは、個人の思想、信条、宗教、人種、病歴、犯罪歴など、不当な差別や偏見を招く可能性がある情報の総称である。これらの情報は、個人情報保護法における「要配慮個人情報」とも重なり、本人の同意なしに取得や利用をおこなうことが原則として禁止されている。

生成AIにこれらの情報を入力することは、プライバシー侵害のリスクを著しく高める行為となる。

一方、公開されている企業情報や公共のデータなどは機微情報には該当しない。したがって、思想や病歴を挙げた選択肢Cが、最も適切である。

問題18(難易度:★★☆☆☆)

問題

日本の個人情報保護法において、特定の個人を識別できないように個人情報を加工し、かつ、当該個人情報を復元できないようにした「匿名加工情報」の要件として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる情報であって、当該個人情報を復元できないようにしたものをいう。

法律上の要件として、特定の個人を識別できる記述の削除や、個人識別符号のすべてを削除すること、およびそれらを元に戻せない状態にすることが求められる。これにより、本人の同意を得ることなく目的外利用や第三者提供が可能となる。

したがって、復元不可能な状態での適切な加工を挙げた選択肢Cが、最も適切である。

問題19(難易度:★★☆☆☆)

問題

現在の生成AIにおいて広く活用されているLLM(大規模言語モデル)の主要な特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


LLMは、インターネット上の膨大な文書データなどをあらかじめ学習しているため、与えられたプロンプトに対して文脈を理解した柔軟な応答ができる。従来のチャットボットのように固定されたシナリオにしたがうのではなく、一つのモデルで翻訳、プログラミング、要約など、さまざまな用途に活用できる汎用性が最大の特徴である。

AIが自律的に判断するわけではなく、あくまで人間による入力(プロンプト)をきっかけとして、学習にもとづいた確率的な予測によって文章を生成する。

問題20(難易度:★★☆☆☆)

問題

生成AIに対して、より望ましい回答や高品質な成果物を得るために、入力する指示(プロンプト)の構成や記述を工夫・最適化する手法である「プロンプトエンジニアリング」をおこなう直接的な目的はどれか。

選択肢

正解:C


プロンプトエンジニアリングは、生成AIの能力を最大限に活用するための技術である。AIは入力される言葉のわずかな違いによって出力結果が大きく変わる特性を持つ。そのため、役割の定義や具体的な制約条件の付与、出力形式の指定などを工夫することで、ユーザーの意図に沿った正確かつ高品質な回答を得ることが主眼となる。

これはモデル自体の再学習や設計変更をともなわず、あくまで入力側での調整によって結果を制御する手法である。したがって、回答の精度や品質向上を挙げた選択肢Cが、最も適切である。

問題21(難易度:★★☆☆☆)

問題

大規模言語モデル(LLM)に対して、ニュース記事や会議の議事録などの要約を依頼する際、出力される情報の密度や長さを適切に制御するために最も効果的な手法はどれか。

選択肢

正解:C


生成AIに要約を依頼する際は、出力の形式や分量を具体的に指定することがきわめて重要である。箇条書きなどの形式指定や、文字数・行数の制限といった制約条件を与えることで、AIは情報の優先順位を判断しやすくなり、利用者の目的に合った回答を出力できるようになる。

単に「要約して」と指示するだけでは、出力が長すぎたり、重要でない部分が強調されたりすることがあるため、具体的な指示を心掛けることが良い結果につながる。

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問題22(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AI(ジェネレーティブAI)の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


生成AIは、学習した膨大なデータをもとに、テキスト、画像、音声、プログラムなどの新しいコンテンツを生成できる技術を指す。従来のAIがデータの分類や予測を主目的としていたのに対し、データの背後にある確率分布を学習して未知のデータを生み出す点が大きな特徴である。

ただし、常に正しい事実を回答するわけではなく、もっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」が発生しうる点に注意が必要となる。

問題23(難易度:★★★☆☆)

問題

AIにおける「機械学習」の概念とその特徴について、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


機械学習は、人間が明示的にルールをプログラミングするのではなく、コンピュータがデータから学習をおこなう技術である。大量のデータから特徴を抽出することで、未知のデータに対しても予測や判断ができるようになる。

選択肢Aは従来のルールベースの説明であり、選択肢Cはロボット技術、Dは単なるデータ収集の説明である。現在の機械学習は、特定のタスクにおいて、データにもとづく統計的な処理をおこなうものといえる。

問題24(難易度:★★★☆☆)

問題

AIの歴史において、人間が知識や判断のルールを論理的に記述して実現する手法と、大量のデータからコンピュータが自律的にパターンを抽出する手法の組合せとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


AIの実現手法は、大きく二つの流れに分けられる。一つは「ルールベース」であり、人間が「もし~ならば~せよ」という規則を定義する手法である。もう一つは「機械学習」であり、データにもとづいて統計的にルールを構築する手法である。

これらは、記号を用いて知識を記述するシンボリックAIと、神経回路網などを模したコネクショニズムの対比とも重なる。

選択肢Bは機械学習の中での分類であるため、大きな枠組みとしては不十分である。

問題25(難易度:★★★☆☆)

問題

1980年代の第二次AIブームにおいて主流となった「エキスパートシステム」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


エキスパートシステムは、特定の分野の専門知識をルール化してコンピュータに組み込み、専門家のように推論させる仕組みである。これはルールベースAIの代表的な例であり、人間が知識を直接記述する点が特徴である。

しかし、すべての知識をルール化することの難しさ(知識獲得のボトルネック)などの課題に直面し、のちの冬の時代を迎える原因ともなった。

選択肢AやBは、現在の主流である機械学習やディープラーニングの説明である。

問題26(難易度:★★★☆☆)

問題

従来の「ルールベースAI」と比較したときの「機械学習」の特性として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


機械学習の核心は、人間がすべてのルールを明示的にプログラミングするのではなく、データから統計的なパターンを自律的に学習する点にある。

ルールベースでは、複雑な条件や例外が増えるほど記述が困難になる「知識獲得のボトルネック」という課題があった。しかし、機械学習はこのプロセスを自動化し、画像認識や自然言語処理などの高度なタスクを可能にした。

したがって、データから法則を見出すという記述が最も適切である。

機械学習と従来のプログラムの最大の違いは「ルールを誰が作るか」です。人間がルールを書くのがルールベース、データからAIが自律的にルール(パターン)を見つけ出すのが機械学習です。

就活生の皆さんは、AIの「自律性」がビジネスの自動化を支えているという文脈で理解しましょう。

問題27(難易度:★★★☆☆)

問題

ディープラーニング(深層学習)を実現するための基本的な構造であり、人間の脳にある神経細胞の仕組みを模倣した数学的モデルとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


ディープラーニングは、ニューラルネットワークを多層に重ねた技術である。これは、人間の脳にある神経細胞(ニューロン)の結合構造を模倣したモデルにもとづいている。各層の間で重みを調整することで、データに含まれる複雑な特徴を段階的に学習できる点が特徴である。

選択肢Aは造語であり、Cは機械学習の他の手法、Dはデータの分散管理技術を指すため、いずれも脳の仕組みを模倣したモデルの説明としては不適切である。

問題28(難易度:★★★☆☆)

問題

自然言語処理の分野において、文章の文脈を双方向から学習し、高い精度で意味を理解することに長けたモデルとして最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleが発表した自然言語処理モデルである。文章内の単語を双方向から文脈としてとらえることで、文の意味を深く理解できる点に特徴がある。

選択肢AのCNNはおもに画像認識に用いられ、CのRNNは時系列データの処理に適しているがBERTほど高度な文脈把握はできない。DのGANは生成モデルを指す。

問題29(難易度:★★★☆☆)

問題

深層学習(ディープラーニング)が、従来の機械学習において大きな課題であった「特徴量設計」に対してもたらした変化として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


従来の機械学習では、予測や判断に役立つ要素(特徴量)を人間が試行錯誤して抽出する必要があった。これを「特徴量設計」と呼ぶ。

しかし、深層学習は多層のニューラルネットワークを用いることで、生データから直接、適切な特徴量を自動的に学習する「特徴表現学習」が可能となった。このことが、画像認識や自然言語処理における飛躍的な精度の向上につながった。

したがって、自ら特徴量を獲得できるという記述が最も適切である。

ディープラーニングが革命的なのは、人間が注目点(特徴量)を教えなくても、AIが勝手に「どこを見るべきか」を学習する点です。この「特徴表現学習」により、画像認識などの精度が爆発的に向上しました。

AIが自ら着眼点を見つける技術」と覚えるのがコツです。

問題30(難易度:★★★☆☆)

問題

機械学習において、モデルが学習用データ(訓練データ)を過剰に学習してしまい、そのデータに含まれるノイズや細かな癖まで覚えてしまう「過学習(オーバーフィッティング)」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:A


過学習は、モデルが学習用データに過度に適応し、汎用的な特徴ではなく個別のノイズまで学習することで発生する。このとき、学習済みのデータには完璧に近い回答ができるようになるが、新しいデータに対する予測能力(汎化性能)は損なわれる。

これを防ぐためには、データを学習用とテスト用に分ける交差検証をおこなうことや、モデルの複雑さを抑える正則化などの手法を用いることが一般的である。

問題31(難易度:★★★☆☆)

問題

ある特定のタスクで学習済みのモデルを、別の新しい関連タスクの学習に再利用する「転移学習」のおもなメリットとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


転移学習は、大規模なデータで事前に学習されたモデル(学習済みモデル)の知識を、別のタスクに役立てる手法である。これにより、本来であれば膨大なデータと計算資源が必要となる深層学習において、少数のデータと低コストな計算環境でも、効率よく高性能なモデルを構築することが可能となる。特に、画像認識や自然言語処理の分野で広く活用されている。

したがって、少ないデータや時間で精度を得られるという記述が最も適切である。

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問題32(難易度:★★★☆☆)

問題

一般的に提唱されている「AIの4つのレベル」において、各段階を区分するための基準として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


AIの4つのレベルは、知的な処理の複雑さに応じて段階付けられる。レベル1は単純な制御、レベル2は古典的な探索や推論、レベル3は機械学習を取り入れたもの、レベル4は深層学習などによる高度な判断を指す。レベルが上がるにつれて、AIが自律的にルールを学習し、複雑な状況に対応できる能力が高まっていく。

したがって、実現しうる機能や技術の段階にもとづいた区分であるという記述が最も適切である。

問題33(難易度:★★★☆☆)

問題

「汎用人工知能(AGI)」とも呼ばれる「強いAI」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


強いAI(汎用人工知能:AGI)は、人間のように未知の状況にも対応し、自ら学習して多様な問題を解決しうる知能を指す。これに対し、特定のタスクに特化した現在の主流なAIは「弱いAI(特化型AI)」と呼ばれる。

選択肢Aは特化型AIの説明であり、BやDは特定の計算や物理作業に限定された仕組みである。

強いAIは、人間が持つ汎用的な知性をコンピュータで再現することを目指した概念であり、特定の用途に縛られない点が最大の特徴である。

問題34(難易度:★★★☆☆)

問題

2010年代から始まった「第三次AIブーム」が、それ以前のブームと比較して飛躍的な進歩を遂げた要因として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


第三次AIブームは、大量のデータ(ビッグデータ)と、それを処理するための高い計算能力、およびデータの中から自動で特徴を抽出できる深層学習(ディープラーニング)の登場によって牽引された。これにより、画像認識や音声認識などの分野で精度が劇的に向上した。

選択肢Cは第一次ブームの特徴である。また、フレーム問題は依然として完全な解決には至っておらず、量子コンピュータも第三次ブームの主因とはいえない。

問題35(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AI(ジェネレーティブAI)が持つ、従来の「識別系AI(判別モデル)」にはない本質的な機能として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


生成AIの最大の特徴は、単なるデータの分類や予測にとどまらず、学習したパターンの中から新しいコンテンツを自律的に生み出す点にある。従来の識別系AIは、既存のデータが何であるかを「判別」することに特化していたが、生成AIは「生成モデル」を用いることで、未知のデータを創出しうる。

選択肢AやBは従来の識別系AIやルールベースのシステムの説明であり、生成(クリエイション)のプロセスを含まないため不適切である。

問題36(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIの基盤技術の一つである「GAN(敵対的生成ネットワーク)」において、精度の高いデータを生成するために採用されている学習の仕組みとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


GAN(Generative Adversarial Networks)は、ジェネレーター(生成器)とディスクリミネーター(識別器)という二つのネットワークを対立させて学習をおこなう。

生成器は識別器をだませるような精巧な偽物を作り、識別器はそれを本物と見間違えないように厳しく判定する。このプロセスを繰り返すことで、最終的に人間が見ても本物と区別がつかないほど高品質なデータを生成できるようになる。

この手法は、画像生成の発展においてきわめて重要な役割を果たした。

「生成器(偽造者)」と「識別器(警察)」という2つのAIを戦わせて精度を上げる手法です。お互いが切磋琢磨することで、最終的に人間が本物と見分けられないほど高精細な画像が生まれます。

画像生成AIの発展において、この「敵対的(Adversarial)」という仕組みは非常に頻出です。

問題37(難易度:★★★☆☆)

問題

「RNN(回帰型ニューラルネットワーク)」が持つ構造上の大きな特徴と、その特性を活かして処理することに最も適しているデータの組合せとして、正しいものはどれか。

選択肢

正解:B


RNNは、内部に情報のループ構造を持つことで、過去の情報を現在の処理に反映させることができるニューラルネットワークである。このため、単語の並びや音の変化といった、情報の順序が重要な意味を持つ時系列データ(シーケンスデータ)の処理においてきわめて高い性能を発揮する。

画像認識に特化したCNN(畳み込みニューラルネットワーク)や、生成を目的としたGAN(敵対的生成ネットワーク)とは、データの扱い方が根本的に異なる。

問題38(難易度:★★★☆☆)

問題

2022年後半から2023年にかけて、生成AIが世界的に大きな注目を集め、急速に社会へ浸透したおもな要因として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


ChatGPTをはじめとする対話型AIの登場は、専門的なスキルを持たない一般のユーザーであっても、自然言語を用いて高度なAIの能力を引き出すことを可能にした。このアクセシビリティの飛躍的な向上が、ビジネスや教育など、さまざまな分野での利活用を一気に加速させる原動力となった。

従来のAIは特定の技術者のみが扱うものという印象が強かったが、汎用的な対話インターフェースの普及によって、社会的な認知度が劇的に高まった。

問題39(難易度:★★★☆☆)

問題

GPT-4が、従来モデルであるGPT-3.5と比較して、技術的および機能的に大きく進化した点として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:A


GPT-4は、GPT-3.5までのテキスト処理能力をさらに向上させたうえで、新たに画像データを読み取って解析できる「マルチモーダル」な性質を持つようになった。これにより、図表の意味を理解したり、画像の内容について説明したりすることが可能となった。

また、司法試験などの難関試験において上位の成績を収めるなど、高度な推論能力や論理性においても顕著な進歩が見られる。

したがって、マルチモーダル機能の導入を挙げた選択肢Aが最も適切である。

GPT-4の大きな進化点です。テキストだけでなく、画像などの異なる種類のデータ(モーダル)を一度に扱えることを指します。

人間と同じように、目で見た情報(画像)を言葉(テキスト)で説明できるようになった。これは、汎用AIへの大きな一歩として非常に重要なキーワードです。しっかり押さえておきましょう。

問題40(難易度:★★★☆☆)

問題

ChatGPTの機能である「高度なデータ解析(旧称:Code Interpreter)」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


高度なデータ解析は、チャット内でPythonコードを生成・実行できる機能である。サンドボックスと呼ばれる安全な環境で動作するため、アップロードしたデータの集計や可視化、画像加工などを直接おこなうことができる。

AIが言語モデルの限界を超えて、数学的に正確な計算や統計処理の結果を出力しうる点が最大の特徴である。

したがって、一時的な実行環境での計算やグラフ作成を挙げた選択肢Cが、最も適切であるといえる。

問題41(難易度:★★★☆☆)

問題

OpenAIが提供する「GPTs」を用いて、特定の業務に特化したカスタムAIを開発する際、望ましい出力を得るために最も優先すべき事項はどれか。

選択肢

正解:B


GPTsの設計においては、システムプロンプトを通じて「どのような役割を果たすか(Role)」や「どのような入力を受け取り、どのような形式で出力するか(Input/Output)」を具体的に指定することが肝要である。目的が不明確なままでは、生成AIの汎用性が仇となり、意図しない回答を招く恐れがある。したがって、役割や制約条件を明確に定義することが最も重要といえる。

これに加え、必要に応じてナレッジのアップロードやアクションの設定を組み合わせることで、実用性の高いツールとなる。

問題42(難易度:★★★☆☆)

問題

2024年5月に発表された「GPT-4o(オムニ)」が、それ以前のモデルと比較して飛躍的に向上させた能力や特徴として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:A


GPT-4oは「オムニ」の名が示すとおり、テキスト、音声、画像を同一のネットワークで処理するオムニモーダルなモデルである。従来のモデルでは複数のモデルを組み合わせていたために発生していた遅延が大幅に短縮され、平均320ミリ秒という人間と同等の速度で音声対話ができるようになった。

また、話者の感情を読み取ったり、歌うような抑揚をつけて発話したりすることも可能となり、より自然なコミュニケーションが実現している。

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問題43(難易度:★★★☆☆)

問題

OpenAIが開発した大規模言語モデル「GPT-4」の機能的特徴および、現在の技術的な限界について、下記の問題に答えよ。

このモデルに関する記述として、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:D


GPT-4は、GPT-3.5と比べて正確性や安全性が飛躍的に向上し、画像も扱えるマルチモーダルに対応したが、ハルシネーション(もっともらしい嘘)の問題を完全に克服したわけではない。AIは確率的に次の言葉を予測する仕組みであるため、事実とは異なる情報を生成する可能性は依然として残っている。

利用者は出力された内容を鵜呑みにせず、常にファクトチェックをおこなう必要がある。したがって、嘘がまったく出ないと断定する記述は誤りである。

問題44(難易度:★★★☆☆)

問題

OpenAIが発表したモデルである「Sora」が分類される、生成AIのカテゴリとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


Soraは、テキストの説明から最大で1分程度の高品質な動画を生成できるモデルである。

従来の動画生成技術と比較して、物理法則をある程度理解したような一貫性のある動きや、複雑なシーンの描写が可能となった。これは画像生成AIの技術を時間軸へと拡張したものであり、クリエイティブ業界や広告業界など、さまざまな分野での活用が期待されている。

したがって、動画生成AIに該当するとする記述が最も適切である。

問題45(難易度:★★★☆☆)

問題

OpenAIによって開発された「Codex」が、おもに学習対象としたデータの種類と、それによって実現される機能として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


Codexは、GPT-3から派生したモデルであり、GitHubなどに公開されている膨大なソースコードを学習データとして用いている。このモデルは、人間が日常的に使う自然言語による命令を理解し、それをPythonやJavaScriptといったプログラミングコードへと変換することに特化している。

GitHub Copilotなどの開発支援ツールの基盤としても活用されており、ソフトウェア開発の効率を大幅に高める役割を果たしている。したがって、コード生成に特化しているとする記述が最も適切である。

問題46(難易度:★★★☆☆)

問題

以下の生成AIモデルやサービスのうち、入力された指示にもとづいて「動画」を生成することをおもな目的としたものの組合せとして、正しいものはどれか。

選択肢

正解:C


動画生成AIは、テキストや画像から数秒から数十秒の映像を作り出すモデルを指す。Sora、Runway、Luma Dream Machineなどは、いずれも動画生成の分野において高い性能を持つ代表的なサービスである。

選択肢Aは音声生成や認識、Bは画像生成、Dはテキスト生成に特化したモデルの組合せである。各モデルがどのような形式のデータを出力するのかを正確に把握しておくことが重要である。

問題47(難易度:★★★☆☆)

問題

自社の代表取締役が不適切な発言をしているかのような、AIによって生成された精巧な偽動画(ディープフェイク)がSNS上で拡散され、顧客の間に混乱が広がっている。このとき、企業の広報担当者が取るべき初期対応として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


ディープフェイクによる偽情報が拡散された場合、情報の空白期間が長いほど被害が深刻化する恐れがある。そのため、信頼できる公式な窓口から、迅速かつ明確に「事実ではない」というメッセージを発信することが、被害を最小限に抑えるための最も重要な初期対応となる。透明性を持って正確な情報を公開することは、顧客や取引先からの信頼維持につながる。

したがって、公式チャネルを通じた速やかな事実公表と注意喚起を挙げた選択肢Cが、最も適切である。

問題48(難易度:★★★☆☆)

問題

大規模言語モデルが持つ知識の限界を補い、最新のニュースや組織内部のドキュメントにもとづいた正確な回答を得るために用いられる「RAG(検索拡張生成)」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、モデルの外部にある信頼できる情報源から関連データを取得し、それをプロンプトに含めてモデルに渡す手法である。これにより、モデルが学習していない最新情報や非公開データにもとづいた回答が可能となり、ハルシネーションを抑制する効果が期待できる。

モデル自体の再学習(ファインチューニング)をおこなうことなしに、事実にもとづいた精度の高い出力を得られる点が大きな利点である。

したがって、外部情報の検索と抽出を挙げた選択肢Cが、最も適切といえる。

AIに「最新情報」や「社内資料」を答えさせるための必須技術です。

AIに覚え込ませる(学習)のではなく、外部の信頼できるデータベースから情報を「検索」し、それを参考に回答を作らせます

ハルシネーション(嘘)を劇的に減らせるため、現在のビジネス活用で最も注目されている技術です。

問題49(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIをビジネスの実務に導入する際、直面する課題やデータの特性に応じて最も適切な技術的アプローチを選択する能力を問う問題である。

ある企業において、社内の規程やマニュアルに関する問い合わせに回答するチャットボットを構築したいと考えている。対象となる資料は情報の更新頻度がきわめて高く、そのたびに大規模言語モデルの再学習をおこなうことは、コストや運用負荷の面から現実的ではない。このような条件下において、最新の情報を反映しつつ、事実にもとづいた正確な回答を得るために採用すべき手法として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:D


情報の更新が頻繁なケースでは、モデル自体を再学習させるファインチューニングは、計算コストや時間の面で非効率である。

これに対し、RAG(検索拡張生成)は、回答の生成時に外部の最新ドキュメントを検索して参照するため、モデルの再学習を必要とせずに最新情報を反映できる。また、回答の根拠となる原文を提示しやすいため、ハルシネーション(もっともらしい嘘)を抑制し、事実にもとづいた正確な回答を維持するうえで最も適した手法といえる。

問題50(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIを活用したシステムの一種である「AIエージェント」が、従来のチャットボットと比較して際立っている特徴として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


AIエージェントは、単に問いかけに回答するだけでなく、特定の目標(ゴール)に対して「何をおこなうべきか」を自ら考えて実行する点が最大の特徴である。

必要に応じてウェブ検索をおこなったり、プログラムを実行したり、外部アプリケーションを操作したりといったアクションを自律的に繰り返す。人間がいちいち細かな指示(プロンプト)を積み重ねなくても、複雑なワークフローを完遂しうるため、業務の自動化においてきわめて重要な役割を果たす。

したがって、自律的な計画と実行を挙げた選択肢Bが、最も適切といえる。

単なるチャットボットとの違いは「自律的に計画を立てて実行する」点です。ゴールを与えれば、AIが自分で手順を考え、ブラウザで検索したりツールを使ったりしてタスクを完遂します。

将来の業務自動化を期待できる概念であり、「自律的な計画と行動」がキーワードです。

問題51(難易度:★★★☆☆)

問題

業務において外部の生成AIサービスを利用し、文章の要約や分析をおこなう際、個人情報の保護とセキュリティの観点から取るべき最も適切な行動はどれか。

選択肢

正解:B


生成AIを利用する際の原則は、プロンプトに個人情報を入力しないことである。

どうしても個人に関する情報を扱う必要がある場合には、入力する前に特定の個人を識別できないよう仮名化や匿名化を施し、必要最小限の情報に絞り込む「情報の最小化」を徹底しなければならない。たとえ入力データが学習に利用されない設定であっても、サービス提供側のサーバーにデータが送信される以上、漏洩のリスクは完全には拭えない。

したがって、入力前の匿名化と最小化を挙げた選択肢Bが、最も適切である。

問題52(難易度:★★★☆☆)

問題

実在する著名人の顔や名前を生成AIで再現し、商品のプロモーションに活用しようとする際、守るべき権利の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


肖像権は、みだりに自己の容貌を撮影されたり公表されたりしないという、すべての個人に認められる人格権に由来する権利である。これに対し、パブリシティ権は、著名人の氏名や肖像が持つ「顧客を惹き付ける力(顧客吸引力)」から生じる経済的な利益や価値を、本人が独占的に利用できる財産権としての性質を持つ。

生成AIで著名人の容姿を無断で再現し、商用利用する行為は、パブリシティ権の侵害にあたる可能性がきわめて高い。したがって、権利の性質を正しく対比させた選択肢Bが、最も適切である。

有名人の画像を生成AIで扱う際の注意点です。誰にでもある「勝手に撮られない権利(肖像権)」に対し、著名人の「名前や顔が持つ経済的価値を独占する権利」をパブリシティ権といいます。

AIで有名人を作る行為は、この「財産的な価値」を侵害するリスクがあるため厳禁です。

問題53(難易度:★★★☆☆)

問題

企業が独自に蓄積した精緻なプロンプト集や、特定の業務に特化して調整された学習用データセットが、日本の不正競争防止法において「営業秘密」として保護を受けるために、同時に満たしていなければならない三つの要件として、正しいものはどれか。

選択肢

正解:B


営業秘密として法的保護を受けるためには、三つの要件をすべて満たす必要がある。

一つ目は、刊行物に掲載されていないなど、一般的に知られていない「非公知性」。二つ目は、事業活動に役立つ情報である「有用性」。三つ目は、アクセス制限やパスワード設定など、秘密として厳格に管理されている「秘密管理性」である。

生成AIの開発において重要な役割を果たす独自データであっても、インターネット上で誰でも閲覧できる状態であったり、社内で誰でも自由に持ち出せたりするようでは、営業秘密として認められない。したがって、三要件を正しく挙げた選択肢Bが適切である。

問題54(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIを利用して作成した画像や文章などの「AI生成物」に著作権が発生するかどうかを判断する基準として、日本の著作権法および文化庁の見解にもとづき、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:D


日本の著作権法では、著作物は「思想または感情を創作的に表現したもの」と定義されている。AIは人間ではないため、AIが自律的に生成しただけのものには著作権が発生しない。

しかし、人間がAIを道具として活用し、具体的なプロンプトの調整、生成された図形の部分的な修正、あるいは複数の生成物を組み合わせるなどの行為を通じて、人間に「創作的寄与」が認められる場合には、その人間に著作権が認められうる。したがって、人間による創作的表現の有無を基準とする記述が、最も適切である。

日本の現在の解釈では、人間が「道具」としてAIを使い、思想や感情を「創作的に表現」した場合にのみ著作権が発生します。単に短いプロンプトを入力してAI任せに出力されたものには、原則として著作権は認められません。

「創作的寄与(人間がどれだけ関与したか)」が判断基準です。

問題55(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIを用いて特定の人物に酷似した画像を生成し、それを商業的な広告やキャンペーンなどで利用する際、その人物の持つ「顧客吸引力」という経済的価値を保護する観点から、特に関係の深い権利はどれか。

選択肢

正解:C


パブリシティ権とは、有名人などの氏名や肖像が持つ、顧客を惹き付ける経済的な価値(顧客吸引力)を排他的に利用できる権利である。

生成AIによって実在の著名人の顔や声を精巧に再現し、本人の許可なく広告などに用いる行為は、このパブリシティ権を侵害する可能性がきわめて高い。

肖像権がすべての人間に認められる人格権としての側面を持つのに対し、パブリシティ権は経済的な財産権としての性質が強い。したがって、人物の顔や名前の利用と密接に関係する権利は、パブリシティ権である。

問題56(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIによって出力された画像や文章を利用する際、既存の著作物に対する著作権侵害が成立するかどうかを判断するための要件として、正しいものはどれか。

選択肢

正解:C


生成AIによる出力であっても、通常の著作権侵害と同様の基準で判断される。具体的には、既存の著作物と表現が似ている「類似性」と、その著作物をもとに作成されたという「依拠性」の二つが認められると、著作権侵害となる。

AIが特定の著作物を学習しており、その特徴を強く反映した結果を出力した場合、依拠性が認められるリスクがある。したがって、たとえAIの生成物であっても、公開や利用にあたっては既存の権利を侵害していないか慎重に確認する姿勢が求められる。

AI生成物でも、通常の著作権侵害と同じ「類似性」と「依拠性」で判断されます。既存の作品と似ている(類似性)、かつ、その作品をAIが学習していた(依拠性)とみなされると侵害となります。

AIだから許されるわけではないため、公開前には既存作品と似ていないかの確認が必須です。

問題57(難易度:★★★☆☆)

問題

日本の「人間中心のAI社会原則」において、AIが社会に受け入れられ、信頼されるために必要とされる基本的な考え方のうち、その趣旨に反するものはどれか。

選択肢

正解:D


人間中心のAI社会原則では、公平性、透明性、説明責任、セキュリティなどが重要な柱として掲げられている。AIが社会に浸透するなかで、その判断プロセスがブラックボックス化することは避けなければならず、適切な情報公開や透明性が求められる。したがって、情報を意図的に隠匿する「秘密主義の徹底」は、社会原則の趣旨にまったく合致しない。

AIの開発や運用に携わる者は、技術的な安全性だけでなく、社会的な納得感を得るための責任を果たすことが重要である。

問題58(難易度:★★★☆☆)

問題

企業が生成AIを導入し、持続可能な事業運営をおこなううえで「AIガバナンス」を確立することが強く推奨されるおもな理由として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


AIガバナンスとは、AIの活用にともなうハルシネーションや不当な差別といったリスクを適切に管理するための体制である。企業はAIの判断プロセスを可能な限り明確にし、公平性を保つことで、利用者や取引先からの信頼を維持しなければならない。

技術の進歩にともない、社会的な影響力が増大しているなか、単なる効率化だけでなく、説明責任を果たしうる倫理的な枠組みを構築することが企業の責務といえる。したがって、リスク管理と説明責任の体制整備を挙げた選択肢Bが、最も適切である。

問題59(難易度:★★★☆☆)

問題

AIに関する事業活動やガバナンスの構築において、責任の所在を明確にするために区分される「三つの主要な主体」に含まれないものはどれか。

選択肢

正解:D


政府のガイドライン等では、AIに関わる主体をおもに「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」の三つに区分して定義している。AI開発者はモデルの安全性を、AI提供者はサービスの適切な提供を、AI利用者は適切な運用をそれぞれ担うことで、社会全体としてのガバナンスを実現する。

選択肢Dのような、すべてのAIモデルを公的に審査して発行許可を与える「AI審査官」という独立した主要主体は、現行の政府指針やガバナンスの枠組みには存在しない。

AIのライフサイクルにおける各フェーズでの責任を考えるうえで、この三つの区分を正しくとらえることが不可欠である。

問題60(難易度:★★★☆☆)

問題

大規模言語モデル(LLM)に対して、タスクを実行させるための具体例をプロンプトに一つも含めず、指示文のみを与えて直接的に回答を求める手法の名称として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


Zero-Shotプロンプティングは、AIに対して事前の例示(Shot)を一切おこなわず、命令のみで目的のタスクを実行させる手法である。現在の高性能なLLMは、膨大な事前学習によって広範な知識を持っているため、例を与えなくても指示の内容を正しく理解し、適切な回答を出力できることが多い。

一方、一つまたは少数の例を与える手法は、それぞれOne-Shot、Few-Shotといわれ、複雑な形式を指定する際などに使い分けられる。したがって、例を与えない手法を指す本問の正解は、Zero-Shotである。

問題61(難易度:★★★☆☆)

問題

大規模言語モデル(LLM)に対して指示を出す際、回答の精度を向上させたり特定の出力形式にしたがわせたりするために、いくつかの具体的な回答例をプロンプトに含めて提示する手法として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


Few-Shotプロンプティングは、プロンプトの中に少数の具体例(Shot)を含めることで、AIに出力のパターンや文脈を学習させる手法である。これにより、複雑な抽出タスクや特殊な形式での回答を求める際、Zero-Shotよりも格段に精度が安定しやすくなる。例を一つだけ提示する場合はOne-Shotと呼ばれる。

したがって、複数の例示を用いる本問のケースでは、Few-Shotプロンプティングが最も適切である。

その他の選択肢は、外部データの参照やモデル自体の微調整などを指す別の概念である。

AIに「回答例」をいくつか見せてから本題を出す手法です。例(Shot)がゼロならZero-Shot、1つならOne-Shotとなります。

Few-Shotは複雑な形式やトーンをAIに学習させるのに非常に効果的で、プロンプトエンジニアリングにおける最も基本的かつ強力な技法の一つです。

問題62(難易度:★★★☆☆)

問題

社外向けの重要な報告書の校正を生成AIに依頼する際、AIが文脈を正しくとらえ、修正箇所が明確にわかる回答を得るためのプロンプトとして、最も適切な手法はどれか。

選択肢

正解:B


生成AIから精度の高い校正結果を引き出すためには、AIに特定の役割(ロール)を与え、校正の対象や目的、具体的なチェック項目を細かく指定することが重要である。たとえば、敬語の使い方や誤字脱字など、どのような観点で修正してほしいかを明示することで、AIはより的確な判断をおこなえるようになる。

また、修正された箇所が一目でわかるように、修正前後の比較表や差分表示を指定する手法も、人間が内容を確認する際の手間を減らすためにきわめて有効である。

問題63(難易度:★★★☆☆)

問題

打ち合わせの要点をまとめた箇条書きのテキストをもとに、生成AIへ正式な報告書の体裁に整えるよう依頼する際、AIが情報を正しく変換し、かつ適切な文章構成で出力するために最低限必要となるプロンプトの要素はどれか。

選択肢

正解:B


箇条書きから文章への変換を依頼する際は、「何をもとに(入力形式)」「どのような成果物を作るか(出力形式)」を明確に指示することが不可欠である。

たとえば、入力が会議メモであることを示し、出力として「です・ます調の報告書形式」を指定することで、AIは文脈に合う適切な言葉選びをおこなう。モデルの内部構造や外部ファイルの指定は、文章作成タスクの精度向上には直接関係しない。

したがって、入力と出力の形式を正しく指定することを挙げた選択肢Bが、最も適切である。

問題64(難易度:★★★☆☆)

問題

非常に複雑な最新のAI技術に関する論文の内容を、技術的な背景を持たない一般の営業担当者や新入社員向けにわかりやすく解説する資料を作成したい。このとき、生成AIから最も適切な語彙や表現を引き出すためのプロンプトの工夫として、正しいものはどれか。

選択肢

正解:B


難解な概念を特定の相手に伝える場合、プロンプトで「中学1年生」や「専門知識のない新入社員」といった具体的なペルソナ(対象)を指定することは、きわめて効果的である。これにより、AIは専門用語を一般的な言葉に置き換えたり、抽象的な概念を具体的な例え話で補足したりするよう、出力のトーンを適切に調整する。

一方、専門用語の維持や厳密な文字数指定は、わかりやすさを向上させるという目的には適さない。したがって、対象と手法を具体化した選択肢Bが、最も適切である。

問題65(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIに対して、特定の文脈にふさわしい振る舞いや、特定の専門家のような語り口で回答を生成させるために、プロンプトの冒頭などで「役割(ペルソナ)」を設定する技法として、正しいものはどれか。

選択肢

正解:B


AIに特定の役割(ロール)を与える手法は、プロンプトエンジニアリングにおける有力な技法の一つである。「あなたは〇〇です」と定義することで、AIはその役割にふさわしい言葉遣いや専門知識、視点にもとづいて回答を生成するようになる。たとえば、広報担当者という役割を与えれば、対外的な配慮がなされた丁寧な語り口を引き出すことができる。

一方、出力形式の指定やデータの抽出などは、回答の「内容」や「見た目」を整える指示であり、AIの「人格や立ち振る舞い」自体を変えるロールプレイとは異なる。

問題66(難易度:★★★☆☆)

問題

「量子コンピューティング」や「ブロックチェーン」といった、高度に抽象的で理解が難しい技術用語の本質を、小学生や専門外の人にも伝わるように解説させたい。このとき、生成AIから最もわかりやすい説明を引き出すためのプロンプトの工夫として、正しいものはどれか。

選択肢

正解:C


難解な概念を説明させる際、日常的なシーンや身近な物事に「たとえさせる(アナロジーを用いる)」ことは、きわめて有効なプロンプト手法である。これにより、AIは専門知識がなくてもイメージしやすい具体的な構造に情報を変換して出力する。

単なる用語の定義や直訳では、初学者が直感的に理解することは難しい。

したがって、日常的な事象へのたとえを求める指示が、最も適切である。情報の正確性を保ちつつ、相手の知識レベルに合わせて表現を調整させることが、生成AI活用の鍵となる。

問題67(難易度:★★★☆☆)

問題

生成AIを日々の業務に導入し、仕事の効率化を図る具体的な場面として、法的・倫理的な問題を回避しつつ、その能力を最大限に引き出せる活用例はどれか。

選択肢

正解:B


ビジネスにおける生成AIの活用は、定型的な文章作成や情報の整理において最も高い効果を発揮する。議事録の草案作成やメールの返信文作成は、AIの得意とするタスクであり、人間の最終確認を前提とすることで業務効率を大幅に向上させることができる。

一方、機密情報の入力や、人間による検証を欠いたプログラムの実行、倫理に反する虚偽情報の作成などは、重大なセキュリティリスクや法的トラブルを招く恐れがあるため、厳に慎むべきである。

したがって、定型業務の補助を挙げた選択肢Bが、最も適切である。

問題68(難易度:★★★☆☆)

問題

新製品に関する数千件のアンケート結果のうち、自由記述欄に含まれる膨大な意見をテキスト生成AIで分析し、社内向けの報告書を作成する場合の活用法として、最も不適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


生成AIでアンケート分析をおこなう際、個人情報がそのまま含まれたデータを扱うことは、プライバシー保護やセキュリティの観点からきわめて不適切である。特に社外公開用のレポートを作成する場合、本人の同意なしに個人が特定しうる情報を転載することは重大な法令違反や倫理的問題を招く恐れがある。

AIに入力する前に、個人を特定できる情報を削除するマスキング処理などの適切な加工が不可欠である。

一方、要約や傾向分析、改善案の作成などは、AIの得意とする有効な活用例である。

問題69(難易度:★★★☆☆)

問題

顧客から寄せられた大量の問い合わせメールを分類し、優先順位を付けたうえで返信案を作成するという一連の業務を生成AIで自動化したい。このとき、AIの判断精度を高め、出力の再現性を確保するために最も効果的なプロンプト設計の手法はどれか。

選択肢

正解:C


複雑な業務を自動化する場合、一挙にすべての処理を依頼するよりも、タスクを論理的なステップに分解して指示するほうが精度は安定する。

各段階での入力データ、判定ルール、期待される出力形式を具体的に示すことで、AIは文脈を正しくとらえ、人間が意図した通りの結果を出しやすくなる。特に判定基準を明確にすることは、業務の再現性を高めるうえで不可欠である。

包括的な指示や情報の丸投げは、かえって誤認識や精度の低下を招く恐れがある。

問題70(難易度:★★★☆☆)

問題

ある新製品のプロモーション戦略について、自らが考案した施策の潜在的なリスクや論理的な不備を客観的に検証したい。このとき、生成AIの能力を活かして、アイデアの弱点をあぶり出すために最も有効なアプローチはどれか。

選択肢

正解:B


生成AIに特定の視点や役割(ペルソナ)を付与する手法は、アイデアの検証にきわめて有効である。特に、反対の立場から論理的に反論させる「ディベート」形式をとることで、考案者本人が無意識に避けていたリスクや、論理の飛躍を客観的に指摘させることができる。

AIによる多角的なクリティーク(批判的検討)を受けることは、施策の精度を向上させ、不測の事態への備えを強化することにつながる。

単なる賛同や無関係な情報の収集では、自らの思考の弱点を克服することはできない。

問題71(難易度:★★★☆☆)

問題

新規事業の企画会議において、メンバーが固定観念に縛られてしまい、斬新な発想が出にくい状況にある。この課題を解決するためにテキスト生成AIを補助ツールとして導入したとき、最も期待しうる具体的なメリットはどれか。

選択肢

正解:B


テキスト生成AIは、膨大な事前学習によって広範な知識や文脈を保持しているため、人間が思い付きにくい斬新な組み合わせや、異なる業界の事例を応用した視点などを提示することに長けている。ブレインストーミングのような発散型の思考が必要な場面では、短時間で大量の案を出すことで、人間側のさらなる発想を刺激する「伴走者」として機能する。

ただし、AIは統計的な確率にもとづいて文章を作っているにすぎないため、出力された内容の真偽や、コスト面での正確な実現可能性については、人間が改めて精査する必要がある。

問題72(難易度:★★★☆☆)

問題

新規プロジェクトの基本計画書を生成AIに作成させる際、ユーザーが持っている前提条件や細かい要望を漏れなく反映させ、精度の高い初稿を得るための最も効果的なプロンプトの工夫はどれか。

選択肢

正解:B


生成AIに高度なタスクを依頼する場合、一度のプロンプトですべての必要情報を網羅することは難しい。そこで、AIに対して「不足している情報を質問させる」というステップを設けることで、人間とAIとの対話を通じた情報の補完が可能になる。

このヒアリング形式の手法を用いることで、ユーザーの真の意図やプロジェクト固有の制約条件が明確になり、結果としてハルシネーション(もっともらしい嘘)を抑えた精度の高い成果物を得ることができる。

丸投げや情報の省略は、かえって品質の低下を招くため、適切な対話の設計が重要である。

AIに「情報が足りなければ質問して」と指示する高度な手法です。

一度の指示で完璧な回答を求めるのではなく、対話を通じてユーザーの意図をAIにヒアリングさせることで、ハルシネーションを抑えてより精度の高い、ユーザーの意図に沿った成果物を得ることが可能になります。

問題73(難易度:★★★☆☆)

問題

大規模言語モデル(LLM)は、膨大なデータから次にくる言葉を確率的に予測するという仕組みにもとづいています。この特性上、現在のテキスト生成AIが一般的に不得意としているタスクとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


LLMは単語の出現確率にもとづき文章を生成するため、統計的なパターン処理は得意であるが、厳密な論理構築や精密な数値計算を必要とするタスクでは誤り(ハルシネーション)が生じやすい。特に、途中の計算過程が最終的な結果に直結する複雑な数学の問題は、確率的な推論だけでは対応しきれないことがある。

要約や模倣、アイデア出しといった言語の流暢さが求められるタスクは、モデルの特性と合致しており、一般に得意分野とされる。

問題74(難易度:★★★☆☆)

問題

前日のニュースの内容や、自社で今朝公開されたばかりの社内規定など、AIが事前学習していないはずの最新情報を前提とした回答を生成させたい。このとき、情報の正確性を担保するために最も有効な手法はどれか。

選択肢

正解:C


LLMは学習時点のデータしか持たないため、未知の最新情報については事実と異なる回答を生成するリスクが高い。これを補うには、外部のデータベースや検索エンジン、特定の文書を参照させて回答させるRAG(検索拡張生成)などの運用が不可欠である。

これにより、AIは自身の記憶ではなく、提示された確かな情報源にもとづいて文章を構成できる。

パラメータの調整や単純な推論のみでは、存在しない事実を捏造する問題は根本的に解決できない。

問題75(難易度:★★★☆☆)

問題

大規模言語モデル(LLM)を用いて、特定の小説や絵画に対する「芸術的な批評」を作成させる場合、AIの特性から生じる限界に関する記述として最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


生成AIは、人間のような喜怒哀楽の感情や主観的な意識を持っていない。したがって、作品に対して「感動した」などの評価を出力したとしても、それは自身の感性によるものではなく、学習データの中にある一般的、客観的な評価の傾向を確率的に組み合わせているにすぎない。

芸術批評においてAIができることは、既存の批評理論や世間の反応を効率よくまとめ、多角的な視点を提示することである。この限界を理解したうえで、人間が最終的な判断をおこなう補助として活用することが重要である。

問題76(難易度:★★★★☆)

問題

1956年に開催されたダートマス会議において、初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉を提唱し、その後のAI研究に大きな影響を与えた人物として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


ダートマス会議の開催提案者の一人であり、初めて「人工知能」という用語を用いたのはジョン・マッカーシーである。

アラン・チューリングはAIの概念的な基礎を築いたが、会議以前に他界している。ジェフリー・ヒントンは近年のディープラーニングの発展に貢献した人物であり、レイ・カーツワイルはシンギュラリティの提唱で知られる。

アーサー・サミュエルは機械学習という言葉を広めたが、この会議の代名詞的な提唱者としてはマッカーシーが最も適当である。

問題77(難易度:★★★★☆)

問題

未来学者レイ・カーツワイルらが提唱した「シンギュラリティ(技術的特異点)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


シンギュラリティは、AIの知能が人類の能力をはるかに超え、それによって文明の進歩が爆発的に加速し、予測不能な変化が社会にもたらされる時点を指す。AIが自らより賢いAIを設計する「自己再帰的な改善」の連鎖が起こることで、知能が加速度的に増大するといわれている。

レイ・カーツワイルは、この時期を2045年ごろと予測している。特定の技術的限界や単なる労働の自動化とは異なる、文明的な転換点を指す用語である。

2045年問題とも呼ばれ、AIが人類全体の知能を超える時点を指します。ポイントは、AIが「自分より賢いAI」を自ら設計し始める「自己再帰的な改善」が起きるという点です。

単なる「仕事がなくなる日」ではなく、文明の進歩が予測不能なスピードになる転換点であると理解しましょう。

問題78(難易度:★★★★☆)

問題

現在の生成AIにおいて、文章生成などのタスクで広く利用されている「自己回帰モデル(Autoregressive Model)」の動作原理として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


自己回帰モデルは、時系列データや文章の生成において、それまでの出力内容を条件として次に来る値を予測するモデルである。

大規模言語モデルでは、文脈の中で「次に出現する確率が最も高い単語」を一つずつ順番に選んでいくことで、自然な文章を生成する。このプロセスが繰り返されるため、自己回帰といわれる。

選択肢AはTransformerの内部的な並列処理と混同しやすいが、生成プロセス自体は逐次的であるため不適切である。

ChatGPTなどのLLMの動作原理に関する問題です。

「これまでの言葉の並びから、次に来る確率が最も高い単語を一つずつ選ぶ」という作業を繰り返します。この「自分が出した言葉を次の入力に使う」というループ構造が「自己回帰」です。

文章が統計的な確率で生成されていることを示す重要な概念なので覚えておきましょう。

問題79(難易度:★★★★☆)

問題

生成モデルの一種である「VAE(変分自己符号化器)」の基本的な仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:B


VAEは、オートエンコーダの潜在変数に確率分布(通常は正規分布)を導入したモデルである。エンコーダが入力データを平均と分散という統計量に変換し、デコーダがその分布から得られた潜在変数をもとにデータを再構成する。これにより、学習データに似た新しいデータを生成することが可能となる。

選択肢AはGAN(敵対的生成ネットワーク)、Dは通常のオートエンコーダの説明であり、VAE特有の確率的な性質とは異なる。

問題80(難易度:★★★★☆)

問題

RNN(回帰型ニューラルネットワーク)の改良版である「LSTM(Long Short-Term Memory)」が、従来のRNNと比較して、長い文章や時系列データの処理においてきわめて高い性能を発揮できるようになった技術的な理由はどれか。

選択肢

正解:C


従来のRNNには、入力データの時系列が長くなるほど過去の情報が失われる「勾配消失」という課題があった。これに対してLSTMは、情報の忘却や保存を制御する「ゲート」という構造を内部に導入した。

これにより、長い文章の最初の方に出てきた情報を、後の生成や予測において適切に反映させる「長期記憶」が可能となった。これは自然言語処理が飛躍的に進歩するうえで重要な役割を果たした。

選択肢AはCNNの説明である。

問題81(難易度:★★★★☆)

問題

大規模言語モデルの主流となっているアーキテクチャ「Transformer」において、入力データの中で注目すべき重要な情報の関係性を動的に計算し、文脈を高度に理解するために用いられる革新的な仕組みはどれか。

選択肢

正解:C


Transformerは、2017年に発表された「Attention Is All You Need」という論文で提案されたモデルである。従来のRNN(回帰型ニューラルネットワーク)とは異なり、逐次的な処理をおこなわず、Self-Attention機構によって文中の全単語間の関連性を同時に計算する。これにより、長い文章における文脈の把握能力が飛躍的に向上した。

また、並列処理が可能になったことで、膨大なデータを用いた効率的な学習が実現し、現代の生成AIの基盤となった。

Transformerモデルの核となる技術です。文中の「どの単語が、どの単語と強く関連しているか」を動的に計算します。これにより、従来の技術では難しかった長文の文脈把握が可能になりました。

文中の重要な場所に注目(Attention)する」という直感的なイメージでとらえましょう。

問題82(難易度:★★★★☆)

問題

自然言語処理モデルである「BERT」と「GPT」の基本的な構造および文脈の捉え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:C


BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、その名称のとおり双方向から文脈を読み込むため、文章の意味理解や分類に優れている。

一方、GPT(Generative Pre-trained Transformer)は、それまでに出現した単語をもとに次に来る単語を予測する自己回帰的なプロセスを繰り返すため、自然な文章の生成に強みを持つ。

どちらもTransformerを基盤としているが、学習の方向性において対照的な特徴を合わせ持っている。

どちらもTransformerベースですが、「向き」が違います。

BERTは文の前後を同時に見る「双方向」で意味理解に強く、GPTは左から右へ単語を予測する「自己回帰」で文章生成に強いという特徴があります。

用途によって「理解のBERT、生成のGPT」と整理しておきましょう。

問題83(難易度:★★★★☆)

問題

OpenAIが発表してきた大規模言語モデルであるGPT-1、GPT-2、GPT-3の各モデルにおける、一般的なパラメータ規模の推移として、最も適切な組合せはどれか。

選択肢

正解:A


GPTシリーズは、世代を重ねるごとにパラメータ数が飛躍的に増加してきた。

2018年のGPT-1は約1.17億、2019年のGPT-2は約15.5億、そして2020年のGPT-3では約1750億へと大規模化した。この大規模化にともない、特定のタスクを個別に学習させずとも、多様な指示に対して高い精度で回答できる「汎用性」が向上した。

現在では、このパラメータ規模とデータ量、計算資源の三つが性能を左右するという「スケーリング則」が重要視されている。

問題84(難易度:★★★★☆)

問題

2020年に発表され、その後の生成AIブームの火付け役となった「GPT-3」の性質に関する記述として、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:C


GPT-3は、圧倒的なパラメータ数と学習量により高度な文章生成能力を実現したが、基本的にはテキストデータの処理に特化したモデルである。

画像や音声といった異なる種類のデータを同時に扱う「マルチモーダル」に対応したのは、後継モデルであるGPT-4からである。したがって、GPT-3が画像の理解や説明をおこなえたとする記述は誤りである。

そのほかの選択肢は、当時のGPT-3が持っていた特徴や課題を正しく述べている。

問題85(難易度:★★★★☆)

問題

2025年5月に発表されたOpenAIのモデル「GPT-4.1 mini」の展開に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:A


GPT-4.1 miniは、2025年5月のアップデートにともない、従来のGPT-4o miniの後継として登場した。このモデルは、高度な推論能力を維持しながらも動作が軽快であり、無料プランを含むChatGPTの全ユーザーに対して標準的なモデルとして提供が開始された。

これにより、日常的なタスクから複雑な指示まで、幅広い層が最新の生成能力を手軽に享受できる環境が整った。

したがって、全ユーザーが利用可能になったとする記述が最も適切である。

問題86(難易度:★★★★☆)

問題

大規模言語モデルの弱点である知識の陳腐化や虚偽情報の生成を抑制するために開発された「RAG(検索拡張生成)」の提唱者や背景に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

正解:A


RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、2020年にMetaの研究チームが発表した論文によって提唱された手法である。

これは、モデルが学習済みの知識のみに頼るのではなく、質問に関連する外部の文書を検索して抽出し、それを補足情報としてモデルに与えることで回答の正確性を高めるものである。これにより、モデルを再学習させることなく、最新の情報や特定の組織内データにもとづいた回答が可能となった。

ハルシネーションを低減する実用的な解決策として、現在多くの対話型AIシステムで採用されている。

したがって、本技術の提唱者と背景を正しく述べた選択肢が、最も適切である。

問題87(難易度:★★★★☆)

問題

RAG(検索拡張生成)の一般的な処理プロセスとして、正しい順序で並んでいるものはどれか。なお、各工程の内容は以下の通りとする。

a.インデックス構築(文書を数値化してベクトルデータベースへ登録する)
b.類似度検索(ユーザーの問いに対して関連性の高い情報をデータベースから抽出する)
c.埋め込み生成(取り込んだテキストデータをベクトル形式の数値へと変換する)
d.回答生成(検索された情報を補足として大規模言語モデルに与え、最終的な出力を得る)

選択肢

正解:B


RAGの工程は、まず外部文書を「埋め込み生成(c)」によりベクトル化し、次にそれを「インデックス構築(a)」としてデータベースへ登録しておく準備段階がある。その後、実際の利用時にユーザーの入力と照らし合わせて「類似度検索(b)」をおこない、抽出された情報を元に「回答生成(d)」をおこなう。この一連の流れにより、モデルが学習していない最新情報や専門的な知識にもとづいた回答が可能となる。したがって、c→a→b→dの順序が最も適切。

問題88(難易度:★★★★☆)

問題

AIエージェントが複雑な目標を達成するために必要とされる、一般的な構成要素や処理のプロセスの記述として、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:B


AIエージェントは、一般的に「知覚」「思考」「記憶」「行動」の四つの要素を循環させることで自律的に動作する。知覚によって現状をとらえ、脳の役割を果たすLLMが計画を立て、記憶を参照しながら行動を選択・実行するという流れが基本である。

エージェントにとって感情の模倣や「共感」は、特定の対話サービスにおいては付加的な要素となりうるが、自律的なタスク遂行のための必須構成要素とはいえない。したがって、共感を基本的な構成要素とする記述は誤りである。

問題89(難易度:★★★★☆)

問題

ある企業が、競合他社の未公開の製品開発プロンプトや、秘密裏に管理されている学習用データセットを、不正な手段で入手したAIエージェントを用いて取得し、自社の生成AI開発に流用した。この行為が、特許権や著作権の侵害とは別に、営業秘密の侵害として「不正競争防止法」に抵触するかを判断するうえで、最も重要な三つの要件の組合せはどれか。

選択肢

正解:B


不正競争防止法において「営業秘密」として保護されるためには、「非公知性」「秘密管理性」「有用性」の三つの要件をすべて満たしている必要がある。非公知性とは、公に知られていないこと、秘密管理性とは、秘密として管理されていること、有用性とは、事業活動に有用な情報であることを指す。

たとえ生成AIの学習に有用なデータであっても、インターネット上で誰でも閲覧できる状態(公知)であったり、企業内でアクセス制限などの適切な管理がなされていなかったりする場合は、営業秘密としての法的保護を受けられない。

生成AIの台頭により、データそのものの価値が高まっているなか、これらの法的要件を正確に把握し、自社のデータを守るとともに他者の権利を侵害しないよう、厳格な情報管理が求められる。

企業の独自のプロンプトやデータセットを守るための法律です。

「非公知性(秘密であること)」「秘密管理性(厳重に管理されていること)」「有用性(ビジネスに役立つこと)」の三要件が重要となります。

AI時代において、データという資産をどう守るかという視点で理解しましょう。

問題90(難易度:★★★★☆)

問題

日本のAI新法において、安全かつ適正なAIの利活用を促進するために構成される主要な「三つの柱」の記述として、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:D


日本のAI法規制の検討において、基本的な骨子となるのは「基本理念」「国の責務」「事業者の責務」の三つである。基本理念では、あくまで「人間中心」の社会を維持することを強調している。

したがって、AIが人間を管理したり、人間と同等の法的主権や権利を持ったりすることを認める考えかたは、この法制度の枠組みには含まれない。AIはあくまで人間を助ける道具としての位置付けであり、開発や提供をおこなう人間側が適切な責任を負うべきであるという考え方が根底にある。

問題91(難易度:★★★★☆)

問題

2024年に発効した欧州の「EU AI Act」において、施行から半年後の2025年2月に最も早く適用が開始された規制措置はどれか。

選択肢

正解:C


EU AI Actは、AIのリスクレベルに応じて規制内容を変える「リスクベース・アプローチ」を採用している。

施行スケジュールは段階的であり、最も深刻な懸念とされる「許容できないリスク(Unacceptable risk)」をともなうAIの使用禁止が、2025年2月に最も早く適用された。これには、人々の潜在意識を操作する技術や、特定の属性にもとづく社会的スコアリングなどが含まれる。

ハイリスクAIへの義務や汎用AIへの規制は、その後のステップで順次適用されるため、適用の順序を正しく把握しておくことが重要である。

世界初の包括的なAI法です。リスクを4段階に分類しており、生体監視などの「許容できないリスク」は即座に禁止されます。

日本の指針にも影響を与える「リスクベース・アプローチ(リスクの大きさに応じて規制を変える考え方)」の代表例として、施行スケジュールとともに覚えましょう。

問題92(難易度:★★★★☆)

問題

社内の勤怠管理データから異常値を抽出し、対象となる従業員への通知文を自動生成するシステムをプロンプトエンジニアリングによって構築する。この際、判断の誤りを最小限に抑え、かつ論理的に正しいプロセスで処理をおこなわせるために、プロンプト内で採用すべき最も適切なアプローチはどれか。

選択肢

正解:C


高度な判断を要する自動化プロンプトでは、思考のプロセスを段階的に示す手法(Chain-of-Thoughtなど)が有効である。異常値の定義を明確にしたうえで、どの項目をどのような順序で比較・検証すべきかというステップを分解して記述することで、AIの論理破綻を防ぐことができる。

単に結果だけを求めるのではなく、判断の手順を構造化して伝えることが、実務における信頼性の高い自動化を実現するための鍵となる。包括的な丸投げや論理的な手順の欠如は、ハルシネーション(もっともらしい嘘)のリスクを高める。

AIに「ステップバイステップで考えて」と指示し、論理的な思考プロセスを出力させる手法です。

結果だけを求めず、「考え方の手順」を示させることで、複雑な計算や推論の正答率を劇的に高めることができます。

ハルシネーションを防ぐための実務上のコツでもあります。

問題93(難易度:★★★★★)

問題

2025年8月に発表された「GPT-5」において、ユーザーの問いかけに対して「素早い応答」と「深い推論」を最適に提供するために採用された、核となるシステム構成はどれか。

選択肢

正解:B


GPT-5は、単なる一つのモデルではなく、素早いレスポンスを返す機能と時間をかけて論理的に考える推論機能、そしてそれらをタスクの内容に応じて自動で最適化するルーターが統合されたシステムである。これにより、日常的な会話から高度な数学的証明まで、効率よく処理することが可能となった。

従来のモデルのようにユーザーが用途ごとにモデルを選択する手間が軽減され、システム側で最も適切なリソースが割り振られる点が最大の特徴といえる。

問題94(難易度:★★★★★)

問題

Anthropic社が提唱し、AIモデルがさまざまなデータソースや外部ツールと安全かつシームレスに接続することを可能にするオープンな標準規格「MCP(Model Context Protocol)」のおもな役割はどれか。

選択肢

正解:B


MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルとデータが存在する場所(Google Drive、Slack、GitHubなど)を接続するためのオープンな標準規格である。

従来、AIエージェントを外部ツールと連携させるためには、接続先ごとに独自のプログラムを組む必要があった。しかし、MCPという共通の規格を用いることで、一度の実装でさまざまなツールやデータソースとのやり取りが可能となる。これにより、AIが最新の文脈(コンテキスト)をより効率的に取得し、実務に即した自律的な行動をおこなえるようになる。

したがって、外部システムとの統合規格を挙げた選択肢が、最も適切である。

Anthropic社が提唱した、AIと外部ツールをつなぐ「共通の通信ルール」です。各ツールごとに接続プログラムを個別に書く手間が省け、安全にデータをやり取りできるようになります。

AIの活用範囲を広げるためのインフラ知識として今後の試験でも重視される可能性が高いので押さえておきましょう。

「​​生成AIパスポート」を対策する際のポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!最新シラバスまでカバーしよう! 用語と解説の深い理解が鍵

国家資格キャリアコンサルタント

馬場 岳

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生成AIパスポート試験対策は、過去問演習とシラバスのキーワードを紐付ける練習が最も効果的です。単なる暗記に留めず、なぜ他の選択肢が不適切なのかを解説で確認し、一問一対で理解を深めることが重要となります。

学習時間は基礎知識があれば10時間、初心者でも20時間集中すれば、合格基準である80%以上の正答率に到達可能です。

重点的に対策すべきは、ビジネス実務に欠かせないRAGの処理工程や、AI生成物の著作権帰属に関する問題です。特に最新シラバスで追加されたGPT-o1やGPT-o4などの新モデル、AIエージェントやMCPといった最新技術の動向は差がつくポイントになるので気を付けて確認してみてください。

まずは倫理・リスクに関する問題をマスター! AIの特徴をとらえよう

AIに苦手意識がある人は、倫理・リスク問題の土台である「AI社会原則」や「AI事業者ガイドライン」の共通指針から把握していくことをおすすめします。

間違いやすい点として、新旧モデルの機能差や確率的生成による「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」の混同が挙げられます。AIは常に正しいわけではないという大前提を念頭に置き、出力結果を人間が検証するプロセスの重要性を忘れないように注意してください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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