この記事のまとめ
- 安易に志望動機を社風にすると選考突破は難しい
- 社風の志望動機は内容次第では強いアピールになる
- 注意点をふまえた社風の志望動機例文を紹介
「社風」は企業ごとの特色が出やすい要素の1つ。志望動機として取り上げやすく、社風を盛り込んだ志望動機を考える人も多いのではないのでしょうか。
しかし、社風を志望動機にすることは、実は非常に難易度が高いのです。安易に社風を志望動機にしてしまうと、選考通過は難しくなってしまいます。
この記事では、難しいと言われる理由をふまえたうえで、社風でも受かる志望動機を作る方法を、キャリアアドバイザーの岩﨑さん、渡部さん、富岡さんのアドバイスを交えて解説します。社風は内容次第では強いアピールにもなり得るので、高レベルな志望動機にしたい人はぜひ参考にしてください。
また社風別の志望動機例文も紹介するので、例文を見ながら内容を考えてみましょう。
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そもそも社風とは?
まずは社風が何かを正しく認識しましょう。社風とは「企業が持つ独特な文化や価値観、雰囲気のこと」です。会社規模や歴史、働く人などさまざまな要因が合わさって形成されます。
社風は客観的な事実ではなく個人が感じる主観的なものです。そのため、同じ企業でも他の社員や学生は異なる認識をしている可能性もあります。
社風は同じ業界でも会社によって異なることがあるため、就活初期の段階でしっかりと調べましょう。
勝手な思い込みで志望動機を書いてしまうと、面接官に「いい加減だ」「志望動機を使い回ししている」と思われる可能性も。また社風を調べることは、職場の雰囲気や価値観が自分に合うかを判断する基準にもなりますよ。
社風が良い企業で働きたいと思っている人もいますよね。以下の記事では社風とは何か詳しく紐解いているので、併せて参考にしてみてください。
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社風とは、企業独自の雰囲気や価値観のことです。記事では自分に合う社風を知るための自己分析のコツや、簡単にできる社風の調べ方をキャリアコンサルタントとともに解説します。志望動機への活かし方や社風が合わないときの対処法も解説するので、参考にして就活に活かしましょう。
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社風を志望動機とすることが難しい3つの理由
社風を志望動機とすることが難しい3つの理由
- 明確な根拠を持ちづらい
- 働くビジョンが見えにくい
- 他の学生と差別化をしにくい
社風を志望動機にして選考を突破することは難易度が高いとお伝えしました。では、なぜ社風の場合は難しいのでしょうか。
社風を志望動機とすることが難しい理由を3つ解説します。社風で志望動機を作って選考に落ちてしまう人の原因は、社風ならではの難しさを理解していないからです。まずはそれぞれの理由を押さえておきましょう。
社風に限らず志望動機の作り方は多くの人がつまずくポイントです。以下の記事では就活支援のプロが好印象を残す志望動機の作り方を解説しているので参考にしてみてください。
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人事を唸らせる志望動機の作り方のポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。企業側の視点を理解した説得力のある志望動機を作成したい人は参考にして、人事からの高評価をゲットしましょう。
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①明確な根拠を持ちづらい
事業内容や経営理念などは企業のホームページ(HP)などに記載されています。しかし社風は主観的なもののため、明確な根拠を持ちづらいですよね。また、企業によっては「社風なんて実際に働かないと分からない」と考える場合もあるでしょう。
志望動機の根拠が薄いと説得力に欠けてしまいます。漠然とした内容になってしまい、企業側に入社意欲が伝わりにくいということです。
人事担当者の話や会社資料を見ただけで「社風が志望動機です」と言われると、面接官は「あなたの考える社風って何ですか」と聞きたくなります。
つまり、「社風とは何か」が学生本人に明確でない場合は説得力が生まれません。
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②働くビジョンが見えにくい
学生が自社でどのように活躍できるのかを企業は見ています。そのため、志望動機では入社後のビジョンや目標などから、企業での活躍を想像させるような内容が必要となります。
たとえば仕事内容に魅力を感じていれば、その仕事を入社後一生懸命取り組むというイメージを持たれやすいでしょう。しかし社風の場合、たとえば「社員の仲が良いところに魅力を感じた」として、そこから入社後の活躍を連想することは難しいですよね。
このように、社風を志望動機とした場合は企業側にとって働くビジョンが見えにくい可能性があります。長期的な活躍を想像させるような伝え方ができるかどうかが重要です。
③他の学生と差別化しにくい
社風を志望動機にあげる学生は多い印象です。特に、「若いうちから大きなことができる」「裁量がある」という言葉は非常によく見かけます。
社風を志望動機とする学生は多くいます。そのため、企業側に「また社風か」と一括りに捉えられてしまうかもしれません。
特に書類選考の場合、大量の応募書類に目を通して通過者を決めます。そこで他の応募者と同じような内容だと合格することは難しいですよね。社風を志望動機にするなら、他の人たちよりも質の高い内容に仕上げる必要があります。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る社風の志望動機は根拠が薄い内容になりがち
就活生の皆さんが志望動機の中でいう「社風」は、恐らく説明会での社員同士の仲の良さであったり、HPから感じ取った雰囲気でしょう。学生の目に付くような場所に書かれたこと、また目の前で話すことは基本的に良いことばかりです。そのため、「少し企業から話を聞いたから社風がわかった」とはとても言えません。
「社風で御社を志望した」と言われて人事が感じることは、他に企業研究をしていないということであり、根拠の少ない薄い志望動機だと思われてしまう危険性もあります。
また、社風を語る人事担当者は本部所属であることが多く、新入社員の多くが配属されるであろう支店や現場の雰囲気と必ずしも同じとは限りません。人事担当者の魅力を志望動機とする学生は、その企業の一部を全体と捉えてしまっています。一度立ち止まって、企業の全体像を俯瞰してくださいね。
社風を志望動機とするメリット
社風を志望動機とするメリット
- 同業他社との差別化がしやすい
- 企業理解の深さをアピールできる
社風で受かる志望動機を作ることは難しいですが、懸念点を解消したうえで作ることができれば社風ならではの強みを発揮することができます。
メリットまで押さえたうえで、社風を志望動機とするかどうか考えてみましょう。
同業他社との差別化がしやすい
同じ事業をおこなう会社でも社風はそれぞれ異なります。社風であれば同業他社と差別化した内容の志望動機を作ることができるでしょう。
企業は選考の中で自社への志望度がどれくらいかを見極めています。そのため「同業他社の中でもどうして自社なのか」というのは気になるところです。
ここを差別化して伝えることができれば、「業界内でもその企業だから志望している」という志望度の高さをアピールできますね。
企業理解の深さをアピールできる
社風というのは社外の人からすると把握しにくいものです。そのため、社風を理解しているということは、その企業のことをよく知っているというアピールにもなるでしょう。
企業のイベントやOB・OG訪問などに参加して社風を体感したのであれば、そうした経験まで話すことで企業への関心や志望度の高さが伝わりますよ。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る社風から「共感」を言語化できれば強いアピールになる
社風を志望動機とすることで高評価となる学生の特徴があります。それは「①社風について自分なりの解釈が明確に説明できること」「②仕事の内容も含めた理解度が高いこと」の2つです。
そもそも企業は採用で一緒に働く仲間を探しているため、本来は共感ポイントが多い学生を採用したいですよね。ただ「共感」というのは理屈ではない部分のため、説明しにくい抽象的な基準です。
まず見えるところ(成績や資格、適性検査結果、選考の評価)が採用基準をクリアできていて、そのうえで社風の理解度、共感度、というのが加点要素として加わると考えましょう。そうなると、社風というのは選考の序盤ではなく、終盤で階層が上である社長や役員にアピールする際のボーナスポイントと考えた方が良いですね。
社風は価値観と捉えて深い解釈を心掛けよう
また、社風を単に「会社の雰囲気」と捉えるのではなく「価値観」と考えることが大切です。その会社が何を大切にしているか、どういう信念(~であるべき、〜すべきでない)に基づいているかを見るようにすることで、より深い解釈ができるようになります。歴史や沿革を踏まえて深く捉えるのが高評価につながるポイントです
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社風を志望動機とする際に盛り込みたい3つの内容
社風を志望動機とする際に盛り込みたい3つの内容
- 自分にとって社風が大切な理由
- 社風を把握した出来事や根拠
- 社風によってどのように活躍できるのか
次に、志望動機の具体的な内容を考えていきましょう。社風を志望動機とする場合説得力に欠けてしまうという懸念がありますが、そうならないために盛り込みたい内容が3つあります。
ここを伝えることで読み手が納得しやすい志望動機となるため、ぜひそれぞれの内容を考えてみてくださいね。
①自分にとって社風が大切な理由
ただ良いと思った社風を伝えるのではなく、なぜあなたがその社風にこだわっているのかを説明しましょう。
そうすることで、「書きやすいから」「なんとなく」で社風を理由にしているのではなく、「明確な軸がありそこにマッチしたからその企業を志望している」という説得力のある志望動機につながります。
まずは、どうしてあなたが社風の合う企業で働く必要があるのかを考えてみましょう。たとえば「周囲との関係性で成果が変わった経験がある」「〇〇な環境だとモチベーションが高まりやすい」など、社風で企業を選ぶには何かしらの理由があるはずです。
例文
大学時代のアルバイト先では、最初の店長が威圧的でなかなか意見を言えないことがありました。しかし店長が代わり私たちアルバイトにも意見を求めるようになった結果、店の売り上げが30%上がりました。
それからチームをより良くするためには全員が意見を言い合うことができる環境が大切だと考えており、風通しの良い企業で働きたいと考えています。
社風が大切な理由が思い浮かばない人は、例文のようにアルバイトや部活、サークル、ゼミなど集団で活動してきたことを思い出してみてください。そして「①チームの特徴(価値観、雰囲気)」「②①が自分にどんな影響を与えたのか(before→after)」を書き出してみましょう。
この振り返りをすることによって環境(社風)とパフォーマンスの関係がわかり、面接官が納得できるストーリーを書くことができます。
②社風を把握した出来事や根拠
次に、社風をどうやって把握したのかを説明します。企業で働いているわけではない私たちからすると、社風は実態を掴みにくいものです。だからこそ話の信憑性を高めるために、社風を把握した出来事や根拠を伝えましょう。
ただ「説明会に参加して〇〇な社風と感じた」と伝えるのではなく「そこでどんな出来事があって何を感じたのか」を具体的に説明することが大切です。きっかけとなる社員がいる場合は、部署名や個人名を出しても良いですね。
注意してほしいのが、根拠が薄い場合は無理に社風を志望動機にしないことです。社風を体感したエピソードがないのであれば、他の理由で志望動機を考えた方が選考に通りやすいでしょう。
社風の根拠が薄いかどうかを判断するには、「①どのような体験に基づいてそう言えるのか」「②他社と比べて何が違うと感じたのか」の2点が言えるか考えてみてください。
情報も少なく企業研究も浅いならばこれに答えるのは難しく、社風を志望動機とする根拠が薄いと思われてしまいます。
例文
貴社のインターンシップに参加した際、商品開発のグループワークで社員のみなさんが私たちの意見を積極的に聞いてくれました。
チームのメンバーが発案した内容が実際の商品に反映されたこともあり、貴社の立場や年齢にこだわらず良いと思った意見を取り入れるという社風に魅力を感じました。
客観的な事実とも結びつける
社風は個人の感覚にしか過ぎないため、誰もが納得する根拠を見い出すには難しい点もあります。説得力を持たせるためには、客観的な事実と結びつけるという方法もありますよ。以下の例を見てみましょう。
例文
貴社の経営理念「全員が活躍できる会社」とあるように、OB・OG訪問をした〇〇さんは3年目でプロジェクトのリーダーに抜擢されていて、若手でも実力次第で活躍の場を広げられるのだと感じました。
この例では、社風を把握した根拠の中に経営理念を含んでいます。経営理念は個人の主観ではなく事実ですよね。こうした客観的な事実と結びつけることで、話の信憑性がより高くなりますよ。
③社風によってどのように活躍できるのか
社風を志望動機にした場合、企業側からするとその学生が活躍するビジョンが見えにくいという懸念があります。そこで、その社風によって自分がどのように活躍できるのかを具体的に説明しましょう。
考え方としては、その社風のある環境だからこそ自分が頑張れることを探してみましょう。自分の強みを活かすような考え方でも良いですね。
例文
入社後はチームワークを大切にする貴社の環境の中で、自分の強みであるリーダーシップを発揮しながらチーム全体としてより良い方向に導いていけるよう取り組んでいきたいと思います。
こちらの記事では「入社後にやりたいこと」の考え方を解説しているので、活躍ビジョンを明確にするために併せて参考にしましょう。
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企業が入社後にやりたいことを質問するのは、就活生の希望を知りたい意向が強いためです。入社後にやりたいことを見つけるための方法やどうしても見つからなかったときの対処法をキャリアコンサルタントが解説します。
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志望動機の「内容」は熟考すると思いますが「長さ」について考えている人は少ないと思います。適切な長さでないと熱意や要点が伝わらない可能性があります。こちらの記事では面接の志望動機の長さについてまとめているので参考にしてみてください。
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アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る情報収集量から企業への熱意をアピールしよう
ここまで解説した3つの内容の、①自分にとって社風が大切な理由は「就活までの過去の経験」、②社風を把握した出来事や根拠は「就活中の現在の経験」、③社風によってどのように活躍できるのかは「未来」として考えましょう。
他の学生と差別化したいのであれば、「就活中の現在の経験」のネタをたくさん集めてください。以下の出来事の順に本気度が強く伝わります。
HPの情報<SNSや新聞、メディアの情報<選考以外の対面
根拠が明確になれば印象的な志望動機になる
検索してすぐ見つかるHP上の情報を志望動機として書かれることは企業も想定内です。しかし、アンテナを立てていないとキャッチできないメディアの情報や、実際に足を運ばなければ得られない体験が根拠として書かれていると、読んでいて印象に残ります。
社風は根拠を持たせにくいからこそ、それを逆手にとって「自分は貴社で働きたいのでたくさんの情報を得て、行動し、判断しました」とアピールしましょう。
特別な動機がなくても大丈夫!
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社風だけでは不十分! 他の理由も考えておこう
社風を志望動機にする際に大切なのは、社風以外の理由も考えておくということです。志望動機が社風だけだと「その社風さえあれば自社じゃなくても良いのでは」と思われる可能性があります。もう1つ企業選びの軸を持ったうえで、2つの軸をかけ合わせたその企業にしかない理由を考えましょう。
社風を志望動機にするメリットの1つは同業他社との差別化がしやすいという点です。そのため、別の軸で業界や企業を絞ったうえで社風でその企業を選んだという理由であれば、企業側が納得感を持つ内容となりますよ。
社風以外の軸が見つからない人は、以下の記事も参考にしてください。企業選びの軸の見つけ方を詳しく解説しています。
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- 社風以外の志望動機が思い浮かばないのですが、どのように考えたらいいですか?
社風から企業を深掘りすれば手がかりが見えてくる
まず、「その企業がなぜそのような社風になったのか」と考えてみてください。多くの場合、企業の歴史の中の成功体験や挫折体験と結びついており、そこで何かの要素が生まれているはずです。
次に、今度はあなた自身の中にある、そこに共感できる部分を探してください。あなたがその企業に関心を持つ以上、何らかの共感ポイントは必ずあるはずです。
最後に、それが入社後の日々の仕事とどう関連しているのか考えてみてください。あなたができること、やりたいこと、やらねばならないこと、などとの接点がそこで見つかるのではないでしょうか。
順を追ってこの3つを考えてみてください。何らかの志望動機の手がかりが見つかりますよ。
よくある社風ごとに解説! 志望動機のOK&NG例文
よくある社風ごとに解説! 志望動機のOK&NG例文
志望動機の内容が分かったところで、次は例文を紹介します。よくある社風ごとに紹介するので、自分が書こうと思っている内容に近いものを参考にしてみてくださいね。また、NG例文も紹介するので、同じ失敗をしないよう目を通しておきましょう。
こちらの記事では社風以外の志望動機の答え方を例文と共に解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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面接の志望動機は、書類よりも深掘りをした内容にすることが重要です。面接で志望動機を答えるための3つの構成を理解し、4ステップで面接の志望動機を考えましょう。回答例文や伝え方のコツを踏まえてキャリアコンサルタントが解説します。
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OK例文①風通しが良い
「風通しが良い」という社風は企業に魅力を感じる要素としてよく挙げられますね。同じ社風でも、たとえば上下関係がフラットだったり意見の交換が活発だったりと、風通しが良いと言われる要因はさまざまです。そうした具体的な要因まで触れることを意識しましょう。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、貴社の風通しが良いという社風に魅力を感じたからです。高校・大学でのテニス部の活動を通じて、先輩後輩関係なく意見を活発に交換することでチーム全体が良い方向に進むことができると感じています。
以前営業部の〇〇さんにOB・OG訪問をさせていただいた際、年齢や立場にかかわらず良いと思った意見は取り入れる文化があると伺いました。それを聞いて、貴社の文化と自分の価値観には共通する部分があり、風通しが良い環境で自分の力を発揮できるのではないかと考えました。
入社後も部活動の経験を活かして、周囲の意見を吸収しながら自分の考えも発信し、チームや貴社をより良い方向に引っ張っていけるような存在になりたいです。
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「風通しが良いという社風」を求める理由について、過去の経験からきちんと因果関係が示せているのはとても良いですね。
その環境であれば自分の成果も出やすいということが伝わるため、仕事への姿勢も好印象です。
OK例文②挑戦を続ける
「挑戦を続ける」「チャレンジ精神がある」という社風は魅力的に聞こえるため、多くの就活生が志望動機で使う言葉です。だからこそ具体的で説得力のある内容に仕上げることで、他の応募者との差別化を図りましょう。
OK例文
私は、誰もがかかわるようなもので広く社会に貢献したいと感じて金融業界を志望しています。その中でも、貴社の挑戦を続ける社風に魅力を感じました。大学では留学や未経験からの部活動など、さまざまなチャレンジをし続けることで自分の可能性が広がったと感じています。そのため、働くうえでも挑戦心を持つことで企業で活躍できる人材になれると考えています。
貴社は「損害保険業界のパイオニア」との経営理念があるように新たな商品やサービスを次々と生み出していて、こうした挑戦を大切にする企業の元で働きたいと考えました。入社後は貴社の挑戦をサポートできるような人材になれるよう成長していきたいです。
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企業の経営理念を押さえながら、挑戦する社風と自分のチャレンジしてきた経験を重ねているため説得力がありますね。「新たな商品やサービス」のところに具体的な名前や数字を盛り込むと関心の高さをよりアピールできますよ。
OK例文③実力主義
実力主義という社風は、比較的新しい企業や営業職などによくあります。実力で評価される分プレッシャーのかかる環境とも捉えることができるため、他の回答で矛盾が生じないよう注意しましょう。
たとえば短所を聞かれた際に「落ち込みやすい」と答えてしまうと、実力主義の環境に向いていないと捉えられる可能性がありますね。
OK例文
私が貴社を志望する理由は2つあります。1つ目は、地域密着型の事業をおこなっているからです。生まれてからずっと暮らしている地元に貢献したいという思いがあり、貴社では地元のために働くことができると考えています。
2つ目は、実力主義の社風があるからです。現在参加している営業の長期インターンで、成績が評価されてリーダーのポジションを任せてもらえるようになったことで、数字で実力を出して評価されることに大きなやりがいを感じました。説明会で人事の方から売り上げで評価や賞与が決まるというお話を伺い、そうした環境下でモチベーション高く働くことができると感じています。
入社後は、インターンで培った営業力や負けず嫌いな性格を活かして、新入社員の中で売り上げ成績1位を目指して頑張りたいです。
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社風に見合った体験があり良いですね。実績も出せているため、強みを最大限アピールできる内容になっています。説得力があり、不安を感じさせない志望動機です。
一方で、入社後の目標はやや短期的すぎるため、企業理解を深めて長期的なビジョンを描くと良くなります。
上記のような営業職の志望動機を考えている人は、以下の記事も参考にしましょう。営業職だからこそアピールすると良いポイントを解説しています。
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例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
営業職の志望動機では、仕事内容を理解したうえで、採用メリットまで伝えることが重要です。営業職の種類や仕事の流れ、求められる力を理解しましょう。この記事では志望動機の書き方や採用担当者を惹きつけるコツをキャリアコンサルタントが解説します。
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志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ
・業界・職種ごとの志望動機がわからない人
・アルバイトやゼミで忙しい人
OK例文④若手が活躍できる
「若手が活躍できる」「若手の裁量権が大きい」などの社風を志望動機にするなら、実際の社員のエピソードが根拠になりやすいですよ。OB・OG訪問や座談会、HPの社員情報などを利用してみましょう。
OK例文
私の祖父母が住む地域では人口過疎化が進み、地域全体の活気が失われつつあります。これを受けて、地方の活性化に貢献できるような仕事に魅力を感じています。貴社の中期経営計画を読んで、今後地方創生に力を入れて取り組んでいくと知り、ぜひそうした事業に携わりたいと考え志望しました。
また、OB・OG訪問で事業開発部の〇〇さんから「若手でも手を挙げれば仕事を任せてもらえる」と伺いました。「地方創生に貢献する」という目標に向けて、若いうちから積極的に自分のできることを増やしていきたいと考えているため、そうした環境で働きたいと考えました。若手のうちから経験を積み、地方の人が暮らしやすくなるような環境作りを目指していきたいです。
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就活生の思い込みや断片的な情報でないところが良いですね。実際の中期計画に記されていることであれば実現可能性は高いうえに、信憑性があります。
さらに自分のやっていきたいことと企業の目指す方向が同じで、入社後も活躍できそうだと感じ取ることができます。
OK例文⑤チームワークを大切にする
「チームワークを大切にする」社風を志望動機にする際は、自己PRなどで集団の中で活きるあなたの強みを伝えると良いですよ。その社風とマッチしているというアピールになります。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、貴社にはチームワークを大切にするという社風があるからです。私は小学校からバスケットボールチームに所属し、これまで部活動やサークルなどあらゆる集団の中で活動する中で、チーム全体で協力できていると良い成果を残せると感じました。そのため、働くうえでもチームワークを大切にすることで成果をあげていきたいと考えています。
貴社のインターンシップでグループワークをおこなった際、他にも出来が良いグループはあったにもかかわらず私のチームが優勝となりました。理由を聞くと「このチームが1番全員で協力していた」とのことで、こうしたチームワークを重要視する社風に魅力を感じました。入社後はこれまでの経験で培った協調性や傾聴力を活かして、チーム全体で貴社に貢献していきたいです。
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選考通過率の高い志望動機をつくりたい人は「AI志望動機作成ツール」を活用しましょう!
バスケットボールチームに所属した話からインターンでの「チームワークを評価してもらえた喜び」を書くことで、企業と価値観が同じであるというアピールができています。
さらに志望動機に根拠や一貫性を持たせるためには、自己PRなどでチームの中でどのような役割を担ってきたかを説明できると良いですね。
OK例文⑥顧客を大切にする
「顧客を大切にする」という社風も志望動機でよく使われる内容です。あなたの価値観や考えの背景を、エピソードなどを交えながら分かりやすく説明しましょう。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、お客様を大切にするという価値観を持って販売職として働くことができるからです。大学時代はアパレルのアルバイトをしており、お客様の気持ちに寄り添い喜んでもらうことに大きなやりがいを感じました。そのため、就職後も販売職として活躍したいと考えています。
さらに貴社はお客様を大切にすることを経営理念として掲げており、ホームページで拝見した社長からのメッセージでもその強い思いを感じました。お客様に満足してもらうためのサービスも他社に比べて充実していて、私自身もアルバイトでお客様の満足度を何よりも重視していたため、共通の価値観のもとで働くことができると考えました。
※AI志望動機作成ツール
選考通過率の高い志望動機をつくりたい人は「AI志望動機作成ツール」を活用しましょう!
自分自身がお客様のために頑張ったことを、何か1つでも良いのでもっと具体的に書けると良いですね。「気持ちに寄り添う」「重視」というのは程度がわからないあいまいな言葉のため、詳細な実体験1つの方がより伝わります。
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NG例文①オリジナリティに欠けている
次に、NG例文を紹介します。自分の作った志望動機に当てはまっていないか確認してみてくださいね。まずは、オリジナリティに欠けて他の応募者と差別化できていない例文です。
NG例文
私が貴社を志望する理由は、アットホームな社風に魅力を感じたからです。貴社の説明会に参加した際、社内のイベントが多く社員の交流が盛んだということを伺いました。
社員の仲が良好だと社員それぞれが心地よく働けることや、連携が取りやすくなって仕事の成果が出やすくなることから、貴社のアットホームな環境で働きたいと考えています。
「アットホーム」「イベントが多い」ということを望んでいることが、少々仕事へのやる気のなさを感じさせてしまいます。仕事の厳しさや社会人への覚悟も感じられるような文言を取り入れると良いでしょう。
NG例文②社風への理解が浅い
社風への理解が浅いと捉えられるような内容だと、「自社のことをよく調べていない」と志望度が伝わりにくくなります。話の信憑性も欠けてしまうでしょう。
NG例文
チャレンジングな環境に魅力を感じ、貴社を志望しています。なぜなら、大学での留学の経験を通じてチャレンジすることの大切さを学んだからです。
語学力を身につけたいと思っていたものの、長期間日本を離れることは不安がありました。しかし勇気を出して2年間カナダへの留学をしたところ、日本ではできない多くの経験ができて、語学力を身につけるだけでなく自分の可能性や価値観が広がりました。
貴社ではチャレンジしやすい環境があると伺ったため、貴社に入社した後も自分の可能性を広げるために挑戦し活躍していきたいです。
「チャレンジしやすい環境があると伺ったため」という言葉だけでは、面接官から「本当にそうなのか」と疑われてしまいます。
「①情報はどこから得たか」「②チャレンジしやすい環境の具体例」の2つの視点を用いて説明するようにしてください。前半にある、「多くの経験」「可能性や価値観が広がった」も抽象的すぎるため、具体的に書くようにすると納得感が生まれます。
そもそも面接ではどんな流れで志望動機を聞かれるのか不安になった学生は以下の記事を参考にしてください。
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社風以外の志望動機も書きたい、でもまったく書き方がわからない……という人は、こちらの記事で全般的な、志望動機を書くコツを解説しているので併せてチェックしてくださいね。
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注意点を押さえて社風で受かる志望動機を作ろう
「社風を志望動機にすることは良くない」と言われることがあるように、確かに社風は難易度の高い内容です。しかし、注意点を押さえて納得感のある内容に仕上げることができれば、周りの応募者と差別化して合格に近づくことができますよ。
今回紹介した構成や例文を参考に、ぜひ社風で受かる志望動機を作ってみてくださいね。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る社風は実際に体感したうえで志望動機に盛り込もう
志望動機には自分のキャリアビジョンや事業内容の魅力などを盛り込みますよね。自分の持っているものや目指したい世界観と企業のビジョンに重なる部分があり、どちらも満たされていれば自分も企業も幸せな状態です。
社風を志望動機として挙げる場合には、実際に会社に訪問し、その雰囲気を感じたうえで書くことが必要です。長くインターンに参加していた学生は社風を志望動機として挙げてもなんら不思議ではありませんし、納得感があります。
反対に合同説明会などで人事からたった1時間程度の話を聞いただけでは、社風を理解したとは言えないでしょう。社風の理解が浅いままそれを理由に会社を選んでしまうと、入社後にミスマッチが起こりやすくなります。
自分も企業も納得感を持てる志望動機を作成しよう
自分の目でしっかり見て、感じて、会社を選んでくださいね。応募や選考段階での見極めは難しいかもしれませんが、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔をして離職することが最も辛いことです。安易に雰囲気や社風で選択するのではなく、自分自身が納得感を持ったうえで志望動機を考えてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/HR&Sパートナーズ代表
Chinatsu Iwasaki〇大学理系学部卒業、大手インフラ企業の人事として勤務。開業後、企業の採用コンサルティングや就職支援などをおこなう。現場感と対話を大切にしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
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