TAP適性検査の内容や対策法を徹底解説! 難易度や特徴も紹介

4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • 適性検査対策講師

    Akira Nakamura〇学校事務や大学講座運営などの企業にて、営業や講師、キャリア相談など幅広い業務を担当。現在はフリーランスとして、面接指導や適性検査「SPI」の講師を務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

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  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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この記事のまとめ

就職活動を始めたものの、TAP適性検査という聞き慣れない単語にとまどいを覚えた人も多いでしょう。インターネットを調べても情報が少なく、何を対策したら良いのかわからない人も少なくありません。

TAP適性検査は、SPIや玉手箱に比べてどのような問題が出題されるのか情報が少ないため、注意が必要です。適切に対策できればほかの学生より有利に就職活動を進められるでしょう。

この記事では、適性検査対策講師の中村さんと、キャリアアドバイザーの田邉さん、野村さん、瀧本さんとともに、TAP適性検査の対策方法を解説していきます。どのような対策方法があるか把握して、希望する企業が導入していても焦らず対応できるようになりましょう。

TAP適性検査は能力問題への対策が重要

TAP適性検査は、能力問題・性格検査の2つからなる適性検査の一つです。検査項目は企業が自由に選べるのが特徴ですが、ほかの適性検査に比べて能力問題の難易度が高くなっています。

企業が導入する適性検査にはSPIや玉手箱がありますが、TAP適性検査は能力問題を重視して対策することが重要です。難易度の高い検査のため、対策なしで解くのは難しく、志望企業がTAP適性検査を導入しているなら対策は必須といえるでしょう。

記事では、まずTAP適性検査の基本を説明した後、例題や企業が導入する理由を解説します。対策方法への理解を深めていきましょう。

初めは難しいと感じるかもしれませんが、しっかり対策すれば問題ありません。ぜひ参考にして対策を進め、選考を突破してくださいね。

野村 芳克

プロフィール

TAP適性検査は、ほかの検査に比べて高難易度である反面、しっかり準備すれば、あなたの知的能力や業務対応力をじっくり見てもらえるチャンスともなります。

また面接では見過ごされるかもしれない強みが引き出され、企業が求める優れた人材としてのアピールにもなり得ます。しっかり対策して臨みましょう。

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どんな試験? TAP適性検査の基本

どんな試験? TAP適性検査の基本

TAP適性検査はSPIに比べて導入している企業が少なく、ほかの適性検査に比べて情報も多く出回っていません。企業で指定されたときに焦らないためには、まずTAP適性検査への理解を深めていくことが重要です。

適性検査は種類によって難易度や出題内容が大きく変わるため、対策をしていなければ持っている実力を十分に発揮できません。企業に自分の実力をしっかりアピールできるよう、事前にどのような検査なのか把握しておきましょう。

難易度

TAP適性検査で出題される能力検査の難易度は、ほかの適性検査に比べて高めとなっています。能力検査は数理問題・言語問題・倫理問題の3つからなり、性格検査は職務バイタリティ・対人的側面・行動的側面を検査されるのが特徴です

特に重視するべき能力問題では大学クラスの問題が出題されるため、対策なしでは問題の意味すらまったくわからない可能性も否定できません。数理問題では論理的な思考力も必要になり、幅広い分野への対策は必須といえるでしょう。

出題内容は企業が調整できるため、英語が出題される場合に備えて英語力も高めておくと安心です。幅広い分野へ対策しておけば、実際の検査のときにも焦らずに対応できるでしょう。

まったく太刀打ちできなかった場合、合格は難しいのでしょうか? 後の選考で挽回できるチャンスはありますか?

TAP適性検査で太刀打ちできなくても合格可能性はある

まったく太刀打ちができないと、不合格になってしまうのではないかと不安になりますよね。しかし、適性検査を解けた自信がない学生であっても、合格する可能性は十分にありますよ。

というのも、TAP適性検査の合格ラインは企業によって異なります。そのため、合格のボーダーラインがそれほど高くない企業であれば、選考通過することができるのです。

ただし、企業によってはボーダーラインを下回る学生は不合格としている企業もあります。志望企業がTAP適性検査の結果をどれくらい重要視しているのか、事前にリサーチして対策しましょう。

受検方法

TAP適性検査で用意されている受検方法は以下の2つです。Web受検はパソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンでの受検も可能になっています

TAP適性検査で用意されている受検方法

  • Web受検
  • マークシート受検

受検方法は自分で選択するわけではなく、企業が指定する方法となるため注意しましょう。

企業が指定する会場で実施する場合もあれば、自宅で受検できる可能性もあります。導入している企業がどちらを選んでいるか確認しておくと、安心して受検できるでしょう。

ほかの適性検査では監視カメラが設置されている場合もあることから、TAP適性検査のWeb受検でも監視を心配する人がいますが、今のところ導入はされていません。

試験時間

TAP適性検査での試験時間は、企業が出題する内容によって変わります。多くの企業が選ぶ総合タイプでは、試験時間として60分が設定されています。しかし、企業の選ぶ出題内容によっては大幅に短くなる可能性もあるため、目安程度に考えておきましょう。

注意点として、TAP適性検査では時間が足りない場合でも空欄を作るのはおすすめできません。企業がオプション検査を増やすほどかかる時間も多くなるため、検査を受けるときはペース配分が重要になります。

一つの問題に時間がかかりそうなときはわからない問題を飛ばし、素早く回答できる問題から終わらせていくことが大切です。飛ばした問題は、後で回答を忘れないよう注意しましょう。

TAP適性検査は時間内に終わらせられる人が多いのでしょうか? 終わらせるコツはありますか?

解ききるのは難しいが事前の対策と時間配分がカギ

実際にすべてを時間内に終わらせる人は、それほど多くないでしょう。

TAPは1問あたりに使える時間が短いため、なかなかすべてを終わらせるのは難しいと思います。しかし、どんな試験においても、時間配分を考えることが大切です。

また、事前にどのような問題が出題されるかを知っておくことで、本番でも同じような問題が出たときに素早く解くことができます。

なるべく初見の問題の数を減らしておくためにも、しっかり問題集に取り組むことが大切です。

出題内容

TAP適性検査の種類

TAP適性検査の出題内容は、基本的には以下の3つに分かれます。それぞれの特徴は下記で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてくださいね。

TAP適性検査の標準検査メニュー

  1. 総合タイプ
  2. 性格タイプ
  3. 短縮タイプ

また企業の希望によっては、複数のオプションが追加される可能性もあります。

オプション検査

  • 英語
  • 事務適性
  • 情報処理
  • オリジナル

外資系企業やグローバル展開のある企業では、英語オプションをつける企業が多くなっています。希望職種が事務であれば事務適性、仕事の効率面を見たい企業であれば情報処理を追加する可能性もあるでしょう。

特にオリジナル問題は、企業が好きな内容を指定して出題できる検査です。事前に対策するのは困難となるため、注意が必要です。

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総合タイプ

総合タイプは、能力問題と性格検査からなるTAP適性検査の中でもスタンダードな検査です。検査時間も60分と長く、その分問題数も多いのが特徴です。制限時間が長いからといって、ゆっくり問題を解いていては間に合わなくなるため注意しましょう。

一つの問題を素早く解くには、問題の意味を瞬間的に理解する能力が必要になります。TAP適性検査では1問に当てる時間は30秒前後を意識し、コンスタントに解いていくことが重要です。

スタンダードなタイプになるため、導入している企業も多く存在します。総合タイプが出題されたときも焦らずに済むよう、事前に問題にかかる時間を減らす練習に力を入れましょう。

性格タイプ

性格タイプは、総合タイプから能力問題を除いた検査であり、受検者の職務に関連する性格などを知りたい場合に採用される形式となります。

試験時間は総合タイプから大幅に減り、15分です。しかし問題数は多いため、直感的に解いていく必要があるのは変わりません。

また性格タイプは、企業の求める人物像に合わせて回答するのはおすすめできません。TAP適性検査の性格検査は、回答の一貫性を重視しています。自分の性格を素直に答えず企業に合わせた内容にすると、矛盾点が生まれる危険性があります。

矛盾点があれば「正直に答えていないのではないか」と企業から疑われ、評価されにくくなるので、急いでいても気をつけて回答しましょう。

短縮タイプ

短縮タイプは、問題数を減らしつつ能力問題と性格検査を実施する試験方式です。問題数が少なくなる分、試験時間は総合タイプの半分の30分となります。

総合タイプとは性格検査の内容が変わり、出題されるのは職務バイタリティのみとなるのが特徴です。性格検査で稼げる点数が少なくなり、能力問題で点数を稼ぐ必要が出てきます。しかし、短時間で企業とのマッチ度がわかるため、受検者の負担も少なくなるでしょう。

注意点として、短縮タイプの受検方法はマークシート形式のみとなります。企業の指定した場所で実施する形となるため、ほかの選考と同じタイミングで実施される可能性もあるため注意しましょう

TAP適性検査を採用している企業は少ないため、業界や企業規模による傾向を掴むのが難しいです。

ただし過去には、伊藤園日野自動車栃木銀行筑波銀行などで採用されています。これらの企業へのエントリーを考えている人は、総合タイプの対策をしておくことがおすすめです。

選考タイミング

TAP適性検査を実施するタイミングは、企業によって異なります。どのタイミングで実施されても焦らないよう、注意が必要です。

企業が適性検査を実施するのは、おもに以下の4つのタイミングがあります。特にTAP適性検査は、検査メニューによってかかる時間が変わるため、どのタイミングで実施されるのか予測するのが困難です

適性検査がおこなわれるタイミング

  1. 書類選考通過後
  2. 面接時
  3. 一次面接後
  4. 最終面接後

一般的には、候補者数を大きく絞りたい場合は書類選考通過後の実施が多く、コストを抑えつつ社風との相性を見たい場合は最終面接後に実施されるパターンが多くなっています。

その企業が適性検査を導入する目的によって異なるため、タイミングに油断しないように注意しましょう。

アドバイザーコメント

どのフェーズのTAP適性検査でも企業との適合性のアピールとして重要

書類選考通過後に実施するTAP適性検査は、履歴書との整合性を確認しつつ、基本的なスキルや適性を徹底的に見極める重要なステップです。企業は候補者が提出した情報との整合性を確認し、一貫性があるか評価をおこないます。

一次面接後の適性検査は、従来の面接では把握しにくい候補者のコミュニケーション能力や問題解決スキルなどを具体的に評価することが目的です。

これにより、候補者の実力や適性をより深く理解し、面接だけでは得られない情報が補完できるのです。

少数精鋭採用の企業ほど最終面接後の適性検査が重視されやすい

最終面接後におこなわれるTAP適性検査は、人物全体を総合的に評価し、企業が求めるリーダーシップや組織適合度を確認する役割があります。

この段階では、候補者が企業の文化や価値観にどれだけ適合しているかが焦点となり、最終的な採用判断に影響するため、しっかり対策しておきましょう。

特に少数精鋭型企業は、組織にとっての理想的な人材を見極めるために、最終面接後のTAP適性検査を重視する傾向があります。

各段階の検査を通じて、企業は候補者の強みや成長ポテンシャルをより正確に把握し、将来的な組織への貢献度を予測するのです。

そのため適性検査への対策は、自己分析やスキル向上という意味だけでなく、企業との適合度をアピールする要素として、とても重要となります。

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出題内容別TAP適性検査の例題3選

出題内容別TAP適性検査の例題3選

TAP適性検査の基本情報がわかったら、どのようなレベルの問題が出るのか把握していきましょう。問題のレベル感を掴めば、対策を進める際も効率的な勉強ができます。

ここでは、TAP適性検査の能力問題でおこなわれる数理問題・言語問題・論理問題から一つずつ例文を紹介します。実際に解いてみて難しいと感じた問題があれば、重点的に対策していきましょう。

瀧本博史

プロフィール

TAP適性検査の難易度は高く、特に数学問題が多いため、例題を使った練習をしっかりおこない、レベル感を把握することが重要です。

例題を理解して練習を繰り返せば、テストに対する理解も深まり、攻略することができます。

数理問題の例題

数理問題の例題

次の数列において、続く数はどれか

1.3.5.7.11,13.17.19.23.29.31.37.41.43.47 ___

①49
②51
③53
④55
⑤57

答え

今回の問題では、記載されているすべての数字に共通点があります。共通点を早く見つけられれば、解決の糸口となるでしょう

並んだ数列に当てはまる共通点は、すべての数字が素数である点です。素数とは、1と自分の数字以外では割り切れない数字をいいます。

共通点に気づいたら、次の素数を洗い出しましょう。偶数はすべて2で割り切れるため、必然的に奇数が答えとなります。47の次は49と51がありますが、49は7で割り切れ51は3で割り切れます。したがって、その次の53が今回の答えです。

言語問題の例題

言語問題の例題

以下の文章を読んで、後の問題に答えよ

「佐藤さんは22歳で大学を卒業し、4月1日に新入社員として入社しました。会社では人事部に配属され、人事部は5名で構成されています。

3歳年上の先輩社員が1人いて、先輩社員は女性です。ほかの上司はすべて男性です。佐藤さんと先輩はお互いが数少ない女性ということもあり、仲良くランチにいくことが増えました。

仕事先の人間関係は良く、日々ストレスの少ない生活を送っています。休日は趣味のテニスを楽しみ、プライベートも充実しているでしょう。最近では、上司に誘われゴルフも始めました。

佐藤さんは職場での評判も良く、期待の新人と呼ばれています。」

問題:佐藤さんが仲良い女性の先輩社員は何歳か

①23歳
②24歳
③25歳
④26歳
⑤27歳

答え

今回の問題では、佐藤さんと仲が良い女性の先輩社員はいくつなのかを問われています。文章内で佐藤さんの年齢は22歳、先輩は3歳年上と明記されているため、25歳となります。

文章内から答えを探す問題では、先に問題を読むのがおすすめです。答え以外の文章はすべて必要のない内容となるため、読むだけ時間をロスしてしまいます

TAP適性検査では、1問にかける時間はできるだけ少なくする必要があります。不要な文章を読まないよう、先に問題を読んで要点を掴みましょう。

論理問題の例題

論理問題の例題

A〜Fの6人は親戚関係である。以下の6人の関係性をもとに、Fから見たBの立場を答えよ

・AとDは結婚している
・Aの子供は2人である
・Eには子供がいる
・FはAの孫にあたる
・BはCの兄である
・Cは一度出産を経験している

①祖父母
②弟
③叔父
④親
⑤子

答え

関係性を解く問題を解くときは図解にすると簡単です。家系図を作り、当てはまる関係性を絞り込みましょう。

今回の例では、AとFの関係からFが最年少とわかります。選択肢から②と⑤が削除されるでしょう。

Aの結婚相手もDと明記されているため、①の選択肢が消え、残りは③か④となります。CとEには子がいることから、残った③が答えとなります。

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導入企業の意図とは? TAP適性検査を導入している理由

導入企業の意図とは? TAP適性検査を導入している理由

  • 検査結果が早く出る
  • 結果報告書が見やすく採用時に判断しやすい
  • 柔軟に出題内容を調整でき学生と企業のマッチ度を把握しやすい

数多くある適性検査から企業がTAP適性検査を選ぶのは、企業にとってメリットが多いからです。

TAP適性検査は、心理検査を開発・出版している心理検査専門の出版社である日本文化科学が提供する適性検査になります。心理検査のノウハウを利用して作成されているため、基礎能力以外にも受検者のストレス傾向までわかるのが特徴です。

TAP適性検査には、ほかにも以下の3つのメリットが存在します。

検査結果が早く出る

TAP適性検査は、受検方法によって検査結果が出るタイミングが変わります。しかし、マークシート受検でもWeb受検でも検査結果が早く出るのが特徴です

マークシート受検を採用している場合は、検査会社である日本文化科学社に回答したマークシートが届いた日に結果がわかります。Web受検の場合は、受検終了直後に結果が閲覧できるため、企業が選考を早く進められることがメリットです。

選考が長引けば応募者は他社に流れてしまう可能性もあり、適性検査の結果が出るスピードは企業にとって重要なポイントになります。即日に結果が出るTAP適性検査であれば、よりスムーズな選考がかなうということです。

結果報告書が見やすく採用時に判断しやすい

TAP適性検査の結果は、残念ながら受検者には見られません。しかし、企業へ渡される結果報告書は数値がグラフ化され、応募者の適性を理解しやすいように作られています。

データから客観的にとらえた人物像が記載されていて、企業はその結果を見て面接での質問を考えることが可能です。また面接時のチェックポイントが明記されているため、受検者ごとにおすすめの質問例があるのも特徴といえるでしょう。

TAP適性検査は結果だけでなく、その後の選考や研修に活かせる情報が多く、選考でも役立つ部分が多いのが魅力です。採用時の判断以外にも便利な部分が多い点が、企業がTAP適性検査を選ぶ理由になっています。

採用担当者はTAP適性検査を面接時に活用するだけでなく、内定者フォローや配属先の検討でも使用しています。

そのため、性格タイプの検査では等身大としての自分の価値観を回答することが重要です。

柔軟に出題内容を調整でき学生と企業のマッチ度を把握しやすい

TAP適性検査では、最大40問まで企業が決めたオリジナルの問題を出題できます。専門分野や業界知識への理解度が確認でき、受検者の志望度や知識の深さを確認できるのが魅力です。

就職活動において、企業や業界への理解度の高さは志望度のアピールにもつながります。しかし、一般的な適性検査では調べづらいポイントです。面接で確認もできますが、適性検査で実施できれば候補者を絞り込むのがスムーズになるでしょう。

TAP適性検査のオリジナル問題を活用すれば、業界知識や企業研究をおこなっているか確認する問題を出題できるのがメリットです。企業とのマッチ度がわかりやすくなり、選考の参考になります。

適性検査対策講師が解説! TAP適性検査で必須の対策とは?

TAP適性検査は情報が少なく、どのような対策をすれば良いか悩む人も多くいるでしょう。しかし重要な対策をしっかり把握しておけば、本番まで時間が少ない人も効率的に勉強できます

TAP適性検査でより良い結果を残すことができれば、企業が魅力を感じて選考突破につながるでしょう。ここでは、適性検査対策講師がおすすめする必須の対策方法を解説します。

アドバイザーコメント

TAP適性検査は「答えを導く過程」が成功のカギ

TAPの対策のメインになるのはやはり能力検査です。中でも数学系の問題が多く出題されるため、中学・高校の復習が大切になってきます。

多くの人が数学から遠ざかっているかと思うので、苦戦してしまうかもしれませんが、一つひとつ思い出しながらコツコツと勉強していきましょう。

繰り返し問題集を説いて解く過程を頭に入れていこう

具体的な対策としては、問題集に掲載されているものは一通り解けるようになることです。同じ問題でかまわないので、何度も何度も繰り返し、問題演習をおこなってください。

3周以上やっていくと答えを覚えてしまいますが、大切なのは答えではなく、「答えを導き出す過程」です。

ここの確認をする意味でも、繰り返し問題を解いていきましょう。そうすることで、数字が変わったり、ちょっと問題設定が変わったりしても、対応することができます。

問題が変わると解けなくなる人は、この「答えを導き出す過程」を意識していないからです。これはどの適性検査でも重要となるので、しっかり押さえておきましょう。

能力検査がカギ! TAP適性検査の対策方法

ここまででTAP適性検査の基本や企業の意図を解説しましたが、ここからは実際にどのような対策方法が必要なのかを解説します。問題数が多いうえに難易度の高いTAP適性検査は、何も対策せずに挑戦しても実力が発揮できません。

受検時に後悔が起きないよう、事前にできる対策に時間を割きましょう。対策の一部はほかの適性検査でも役立つため、今丁寧に取り組むことでTAP適性検査以外でも活用できますよ。

①専用の参考書・問題集を用意しよう

TAP適性検査は、SPIや玉手箱に比べてインターネット上の情報や例題が少ないというデメリットが存在します。対策を立てるときは、専用の参考書や問題集を用意しておくとスムーズに勉強できるでしょう。

TAP適性検査の問題集なら、これが本当のWebテストだ! (3)2025年度版【WEBテスティング(SPI3)・CUBIC・TAP・TAL編】がおすすめです。TAP以外のWebテストの対策も立てられ、一冊持っていると便利に使えるのがメリットです。

ほかの問題集であれば、SPIに対応している問題集の中でも、なるべく問題量の多い問題集を選びましょう。TAP適性検査自体の問題数が多いため、多くの問題を効率的に解く力を身に付けられる問題集だと便利に使えます。

②能力問題中心に満遍なく勉強しよう

TAP適性検査の対策をするときは、能力問題を8割とし性格検査を2割程度で勉強するのがおすすめです。総合タイプの試験時間の60分のうち、性格タイプの検査時間は15分となります。45分が能力問題に使われる時間となるため、問題数もその分多くなるでしょう。

能力問題は、数理問題・言語問題・論理問題に分かれます。TAP適性検査は5つの選択肢から正解を導き出す必要があるため、適当に回答しても正解になる確率は高くありません。

難易度の高い能力問題の対策がしっかりできれば、より合格率が高まります。良い結果を残すためには、能力問題の対策が必要不可欠です。

数理問題の公式を暗記する

TAP適性検査の能力問題では、数理問題が中心になります。数理問題で出される内容にはパターンがあるため、公式を暗記するのが正解への近道です

特に大学入学後に数学から離れた文系の学生は、苦戦する可能性があります。企業によって重視するポイントは変わりますが、数理の点数を重視する企業の場合は、数理の点数が低ければマイナスの評価をされるケースもあるでしょう。

野村 芳克

プロフィール

数理の点数を重視するのは、おもに分析力や論理思考を重要視し、数理的なスキルが必要とされる業界や職種です。

たとえば、金融、統計、エンジニアリングなどの領域で、数学や統計的手法で課題解決をする職種や、科学研究やテクノロジー企業で、高度の数理的な知識や能力が必要となる職種などがあります。

数学に苦手意識がある場合は、中学の範囲から公式を確認し、自分のわかる範囲を把握するのがおすすめです。公式を覚えれば、難しい問題の正答率も高くなります。数理問題はいくら対策しても損はないため、なるべく時間を割いて公式を暗記しましょう。

論理問題の暗号問題を攻略する

TAP適性検査の論理問題では、文字の並べ替えや条件の当てはめが必要な暗号問題も出題されます。暗号問題の攻略には、共通点を探したり同じ条件で文字を当てはめたりとパターンがあります。柔軟な思考を養えば、暗号問題の答えにも気づきやすくなるはずです。

問題を見たらいち早く要点に気づき、回答を導き出す力が必要になります。柔軟な思考を養うなら、論理的なパズルやクイズを解くのがおすすめです。考え方のバリエーションが増え、暗号の解き方に気づきやすくなるでしょう。

暗号問題は考える時間を取られやすく、回答するにも時間がかかりやすいポイントです。なるべく早く解けるように訓練し、本番に備えましょう。

瀧本博史

プロフィール

TAP適性検査の暗号問題攻略は、問題に対するアプローチ方法を多角的に持つことがポイントです。

普段から多くの思考の幅を広げるための練習を積み、限られた時間内で効率よく問題を解く訓練ができれば、試験での正答率がアップしますよ。

TOEIC500点を目指し英語オプションに備える

企業によっては、TAP適性検査のオプションで英語を選択している可能性があります。英語がオプションに含まれる場合は試験時間が20分長くなるため、集中力は切らさないようにしましょう。

TAP適性検査で英語の対策をするなら、少なくともTOEIC500点を目指しましょう。TOEIC500点は、ビジネスシーンで英語を使うために最低限求められる点数です。リスニング・リーディングともに対策しておき、どちらも半分程度正解できると安心です。

TOEICの500点は、英語初心者でも対策すれば目指すのは難しくないラインになります。普段から英語を聞く機会を増やし、英語の小説を読むのもおすすめです。英語はTAP適性検査以外でも必要とされる場面が多いため、就職活動全体で役立つでしょう。

③過去問・問題集を繰り返し練習しよう

問題を早く解くには、徹底的に過去問や問題集を繰り返して問題に慣れる必要があります。特に数学的な問題は、公式を当てはめれば解ける問題が多く、問題に慣れれば解くスピードが上がっていきます。

新しい問題集を買えばさまざまな問題に出会えますが、重要なのは解き方を理解するという点です。問題の解き方を理解するには、反復練習が近道となります。

新しい問題集をたくさん解くよりも、一つの問題集を何度も練習する方が、解き方のコツがわかり問題に慣れていきます。問題を見て必要な公式がすぐわかるようになれば、一問にかかる時間も減らせるだけでなく、どの問題が出ても対応できるでしょう。

④模擬試験を受け時間配分を覚えよう

TAP適性検査は、一つの問題にかけられる時間が多くありません。試験問題に対し問題数が多いため、問題を解くペースを体に覚えさせる必要があります。時間配分を覚えるには、模擬試験を受けるのがおすすめです。

最初は全問通して解いてみて、どの程度の時間がかかるのか把握し、次に時間内でどこまで解けるのか確認しましょう。問題を解くペースを把握して、どの程度時間を短くすれば良いのか理解することが重要です。

模擬試験を繰り返していけば、一つの問題に割ける時間配分を徐々に覚えていきます。本番でもスピーディーな回答ができるよう、事前に練習を繰り返しましょう。時間配分を上手にできれば、本番でも対策の成果を発揮できます。

⑤自己分析をおこない性格検査に備えよう

能力問題の対策以外にも、性格検査の対策も欠かせません。TAP適性検査の性格検査は、回答内容に矛盾がない点も重要です。矛盾をなくすためには、自己分析を重ね自分自身の人間性を理解しましょう

企業にとって魅力的な人材を目指して回答しては、本来の自分と矛盾が発生する可能性があります。矛盾点は検査結果に反映されるため、企業にもわざと回答しているのがバレる危険性が高いです。

また自己分析で悩んだ場合は、身近な人に相談してみるのもおすすめです。自分では気づけない客観的な意見が聞けて、より自己理解が深まるのがメリットです。さまざまな視点から自分を見つめ直し、TAP適性検査の性格検査に備えましょう。

アドバイザーコメント

性格検査の対策では自己分析だけでなく「企業を知る」ことも大切

自己分析と同じくらい大切なのが企業研究です。企業研究は、自己理解を深め、自身のキャリアに合った企業を見つけるために欠かせない活動です。

特にTAP適性検査では、企業研究を通じて得た情報や知識を有効に活用することで、性格検査の回答選択に役立てることができます。

なぜなら、たとえば企業の求める人材像で「協調性」を重要視している場合、協調性がある人を採用したいはずなので、そのような回答をしていく方が望ましいと考えられるからです。

しかしながら、自身の性格や考えと反する場合は、企業とのミスマッチが起こってしまいます。そこは折り合いをつけて回答していくことも大切です。

性格検査では積極性や意欲の高さを重視する企業が多い

また、これはどの企業にもいえることではありますが、「目標達成の意欲」や「積極的に行動する力」、「なんでも最後までやり遂げる力」などの質問は、かなり重要視される傾向にあります。

これらの質問に対しては、自分を偽らない範囲で「当てはまる」寄りの回答をしておくのが望ましいと思います。

TAP適性検査は反復練習で苦手をなくし選考を突破しよう!

ここまで解説したとおり、TAP適性検査は、SPIや玉手箱などのほかの適性検査に比べて能力問題の難易度が高いのが特徴です。しかし、反復練習で苦手をなくせば、対策は難しくありません。

TAP適性検査で企業が重視するポイントはさまざまですが、能力問題が問題の比重を占めていて、その中でも数理問題が多くなっています。数理問題は公式を覚えれば正答率が上がるため、率先して対策するのがおすすめです。

この記事で解説した対策を実践して、選考突破の足がかりとしましょう。

アドバイザーコメント

TAP適性検査は出題タイプや問題の特徴を押さえて効率的に対策しよう

TAP適性検査はアカデミックな能力を測るためのテストです。この検査は、認知力や論理的思考力、コミュニケーション能力など、幅広い要素を評価します。

受検形態はWeb受検とマークシート受検の2種類があり、検査メニューには総合タイプ、性格タイプ、短縮タイプが存在します。中でも総合タイプは能力問題と性格検査から構成され、最もスタンダードな検査とされています。

対策としては、まず過去問の解説を活用し、問題の傾向や出題形式を把握することが重要です。公式ウェブサイトや就活情報サイト、就活対策本などで情報を得ることができます。

活字を読む・論理パズルを解くなどの対策もおすすめ

また模擬試験を受けることで、実際の試験環境に慣れることができます。日頃から読解力や論理的思考力を鍛えるために、新聞や雑誌を読んだり、論理パズルを解いたりすることも有効ですよ。

コミュニケーション能力もTAP適性検査の重要な要素の一つであるため、ディスカッションや面接のトレーニングを積極的におこなうことが推奨されます。最後に、問題集を何周も繰り返し解くことで、知識の定着を図りましょう。

これらの対策を踏まえ、TAP適性検査に向けて効果的に準備を進めることで、あなたの能力を最大限に発揮することができるはずです。試験の特徴や対策法を理解し、しっかりと準備をおこなうことが、成功へのカギとなります。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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