この記事のまとめ
- 対策を始める前にクレペリン検査の基礎を固めておこう
- 単純な問題でも入念な対策によって合格率を上げることができる
- 落ちる人の特徴を理解したうえでの行動で合格に一歩近づこう
就活の選考のなかで適性検査がおこなわれることが多々あります。適性検査には玉手箱やSPIなどいろいろな種類がありますが、クレペリン検査という試験を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。このクレペリン検査もほかの試験同様、十分な対策が必要です。
しかし「具体的な対策方法がわからない……」と悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、キャリアコンサルタントの田邉さん、平井さん、瀧本さんと一緒にクレペリン検査の対策方法を解説します。クレペリン検査を受検する予定があり、対策に少しでも自信がない人は参考にしてください。
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クレペリン検査は落ちる人の特徴を理解したうえで対策するのが効果的
クレペリン検査には合格・不合格の判定があり、落ちる人には共通する特徴があります。そのため、突破するには落ちる人の特徴を理解したうえで対策することが大切なのです。
しかし、「具体的にどんな人が落ちる可能性が高いのか」や「どのような対策をすれば良いのかわからない」など、疑問を持つ人もいると思います。
そこでこの記事では、前半でクレペリン検査の出題内容や結果から測定されること、企業側が実施する理由など、基本的なことを解説します。まずは基本を押さえて十分な体制で対策に臨めるよう準備しましょう。
そして、記事後半では受検する際の注意点や対策方法、おすすめの本・アプリ・Webサイトなどを解説します。この記事で網羅的に対策できる内容となっているため、ぜひ最後まで読んでクレペリン検査を突破しましょう。
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対策する前に確認! クレペリン検査の基本情報
対策する前に確認! クレペリン検査の基本情報
クレペリン検査の対策をするにあたって、「そもそもクレペリン検査とは」という基本情報を具体的に把握できていない人もいるのではないでしょうか。対策し、突破するためには基本情報は押さえておく必要があります。
ここからは、出題内容や導入企業例など、クレペリン検査の基本情報を解説します。「クレペリン検査の基本はわかっている」と認識していても、他者にクレペリン検査について説明することに自信がない人はまだ理解できていない証拠です。そのような人は必ず読んでおきましょう。
クレペリン検査の概要:日本発の心理検査
クレペリン検査の正式名称は「内田クレペリン検査」です。ドイツの精神科医エミール・クレペリンが発見した作業曲線をもとに日本の内田勇三郎氏が開発したため、このような名称が付けられました。
作業曲線とは
単純な作業を連続したおこなったとき、時間の経過に応じて作業量が増減することを表した曲線
クレペリン検査は心理検査に使用される方法の一つです。参加者にある一定の条件のもとで作業してもらい、その結果や作業中の行動からパーソナリティを検査していきます。
能力や行動、性格に関して検査することができ、これらを知ることは就活の選考にも活かせられることから適性検査で活用されるようになりました。
出題内容:隣り合う2つの数字を足していく計算問題が中心
クレペリン検査の出題内容はシンプルです。横に並んだ隣り合う2つの1桁の数字を足していくという作業を制限時間内でおこないます。なお、1つの行に並ぶ数字は116個で、左から順に足していき、解が2桁になった場合は下1桁のみを解答します。
出題内容の例
「1、5、8、3、9、2、3、7」という数字が並んでいた場合、「1+5」「5+8」「8+3」「3+9」「9+2」「2+3」「3+7」それぞれを足し算することになり、答えは「6、3、1、2、1、5、0」となる
このような単純作業を時間内に繰り返していくのがクレペリン検査です。
クレペリン検査では、隣り合う2つの数字を足していく計算問題以外は出題されません。引き算のクレペリン検査などはありませんので、クレペリン検査=足し算の計算問題と認識しておきましょう。
所要時間:約50分
クレペリン検査の総所要時間は約50分です。約50分のうち、検査内容の説明と練習が約10分、本検査が約40分と分けられています。
そして、本試験は前半と後半の2部構成に分けられていて、それぞれ回答時間が15分で実施され、前半と後半の間には5分間の休憩が入ります。
検査内容の説明・練習 | 約10分 |
本検査:前半 | 15分 |
休憩 | 5分 |
本検査:後半 | 15分 |
このように、休憩時間と回答時間、その間に発生する準備時間などを含めると約50分となるのです。
また本試験中、1行ごとに1分間という制限時間が設けられていますが、記載されている数字が多く、1分で終わらせるのは難しい場合がほとんどです。そのため、すべてを終わらせることではなく、できる限り多くの計算をするといった目標を持つのがおすすめです。
休憩時間はリラックスして気持ちを整える時間として活用しましょう。多くの場合、会場の出入りは制限されるため、座席で深呼吸や軽いストレッチをおこなうと効果的です。指示に従い適切に過ごしましょう。目を休めるのもおすすめです。
もうWEBテストは受けた?模試で実力をチェックしよう!
問題集だけで対策すると、本番の時間制限などに慣れず焦る場合もありますよね。
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受検形式:会場でのペーパーテスト形式
クレペリン検査はWeb上でおこなわれることはありません。会場に足を運び、ペーパーテスト形式で実施されます。Web上で実施されない理由には、紙と鉛筆を使用した環境で検査することで、身体的な負荷をかけて作業した結果が得られると考えられているからです。
また、クレペリン検査は個人で受検することも可能ですが、「内田クレペリン検査完全理解マニュアル」という書籍を購入したうえで、所定の方法で検査結果を送付する必要があります。
導入企業例:技術職で使用されるケースが多い
クレペリン検査は、安全性と正確性が求められる技術職の採用で使用されるケースが多いです。
なぜならばクレペリン検査は、同じような作業を約15分集中して取り組み続ける必要があるからです。
技術職はどのような状態でもミスは許されず、集中を切らすことなく取り組み続けることが求められます。そのため、クレペリン検査によって集中力が落ちてミスが増えることがないかを確認しているのです。
具体的には以下の企業でクレペリン検査が導入されたことがあります。
クレペリン検査の導入企業例
- 株式会社特殊高所技術
- 株式会社DENSO
- 有限会社刀根電機工業所
- 株式会社ジェイサット
特に技術職を志望する人は対策しておくことがおすすめです。
クレペリン検査は、技術職に加え、警察官や消防官といった安全性が重視される公務員の採用でも活用されています。
また、運輸業界では運転士や運行管理者、製造業界では工場のライン作業員や品質管理担当者、建設業界では現場監督や建設機械オペレーターに対しても行われています。
以下の記事ではクレペリン検査の導入傾向が高い業界の仕事内容や対策方法などを解説しています。興味のある業界を見つけ、特徴や傾向をつかみましょう。
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何が測定される? クレペリン検査によって判明すること
何が測定される? クレペリン検査によって判明すること
- 能力に関する特徴
- 行動に関する特徴
- 性格に関する特徴
クレペリン検査の出題内容を見て「このような単純な計算をするだけで何が診断されるのか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。クレペリン検査は至ってシンプルな問題が出題されますが、受検者の能力や行動、性格について診断することができます。
ここからは、クレペリン検査によって判明することを具体的に解説します。自分を知る良いきっかけにもなるため、何が判明されるか把握しておきましょう。
能力に関する特徴
クレペリン検査の受検結果から、作業量や作業効率を測定することができ、すなわち作業における能力を見ることが可能です。
前述のとおり、クレペリン検査を受検することで受検者の作業曲線が測定されます。時間の経過に伴った作業量の増減から、作業に対する能力が明確になるのです。
具体的には作業曲線の平均値である定型曲線と比較することで、能力を測定します。
行動に関する特徴
クレペリン検査は作業量が見られるだけでなく、誤答があるかどうか、どのくらい間違いがあるか、どのタイミングでミスが多いかなども見られます。この誤答の傾向を分析することで、受検者の行動に関する特徴を測定できるのです。
たとえば、誤答が多すぎると行動面に問題があると評価されたり、後半にミスが増えると集中できる時間が短いなどと分析されたりすることがあります。
誤答が多すぎる場合、選考にも悪影響を及ぼす可能性が考えられるため、できる限りミスなく、かつ素早い解答が求められることを覚えておきましょう。
性格に関する特徴
クレペリン検査から以下の3つの性格を測定することが可能です。
特性 | 内容 | わかること |
---|---|---|
発動性 | 物事への取り掛かり方を示す特性 | 新しいことにチャレンジすることに抵抗があるかどうか |
可変性 | 物事を進める際の気分や行動の変化を示す特性 | 柔軟性があるか、気分によって行動にムラがあるかどうか |
亢進性 | 物事を進める勢いを示す特性 | 集中力の持続性があるかどうか |
これらの性格すべてを満たしていなければならないというわけではありません。むしろ、各受検者がどのような性格傾向を持っているのか把握し、それぞれの特性が活かせる場面や状況を判断することが目的です。
クレペリン検査からわかるような集中力に自信がある人は、以下の記事を参考にして効果的な自己PRの方法を把握しておきましょう。
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記事を読む

アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るクレペリン検査の結果は総合的に判断されその後の合否判定の材料となる
クレペリン検査は、単純な計算作業を通じて、作業効率や正確性といった能力面、さらに発動性、可変性、亢進性といった性格・行動面の特徴を測定することは、記事のとおりです。
選考過程では、検査結果を総合的に判断し、応募者が企業の求める人物像や職務内容に適しているかを評価します。
たとえば、発動性が高い人は物事への取りかかりが早く、可変性が低い人は安定した作業ペースを維持できるといった特性が明らかになります。これらの情報は、面接やほかの適性検査と組み合わせて、より精度の高い選考をおこなう際の参考とすることが多いです。
入社後も適性のあるポジション配置の参考にすることが多い
入社後も、クレペリン検査の結果は人材配置や育成計画の策定に活用されます。たとえば、発動性が高く亢進性も高い社員は、新規プロジェクトの立ち上げや営業職など、積極性が求められる業務に適していると判断されることがあります。
また可変性が低く安定した作業ペースを持つ社員は、品質管理や事務職など、正確性と継続性が求められる業務に適していると考えられます。
このように検査から判明した特徴を活かすように、配属時の参考にすることが多いようです。
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志望度が高い企業にWEBテストで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
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また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。
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SPIでないのはなぜ? 企業がクレペリン検査を実施する理由
前述のとおり、SPIや玉手箱など、世の中には数多くの適性検査が存在します。そのなかでなぜクレペリン検査を実施するのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここからは企業がクレペリン検査を実施する理由を解説します。企業側の意図を理解することで、何を意識して検査に取り組むべきかが見えてくるかもしれません。
なお、複数の企業の選考を受ける際はSPIや玉手箱など、ほかの適性検査を受検する可能性も考えられます。自身が受検する可能性がある適性検査について内容を理解できていない人は以下の記事を読んで、概要を把握しておきましょう。
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作業量から応募者が持つ能力を把握するため
企業がクレペリン検査を実施する理由の一つは、応募者の能力を事前に把握することです。特に、仕事によっては採用する際にある一定以上の能力が求められることがあります。その能力があるかどうかをクレペリン検査の結果から判断するのです。
多くの企業では、入社後に研修を実施しますが、その研修内容を理解する基礎的な能力がなければ、実際の業務に進んだ際に遅れを取ってしまうリスクがあります。また、新入社員側が「自身の能力と合わない」と判断した場合、早期退職の原因原因となる可能性も考えられます。
このようなミスマッチを防ぐためにも、クレペリン検査を通じて必要な能力を測定しているのです。
- 暗算が苦手です。計算スピードが遅い場合はどのような判定結果となる可能性が高くなるでしょうか。
計算スピードだけではクレペリン検査の合否は決まらない
計算が遅いと「不合格になるのでは」と不安になりますよね。しかし、大切なのはスピードだけでなく正確性や繰り返し回答する中での作業量の変化などです。
暗算が苦手な人は「無理に速く解答せず、自分のペースを保つこと」や「休憩後も同じペースを維持すること」などを意識して取り組みましょう。
ミスの傾向から応募者の性格や行動の特徴を知るため
企業側は内定を出す前に応募者の性格や行動の特徴も知っておきたいというニーズがあります。
行動面は入社後に変えることはできるものの、性格や根本的な行動特性などは簡単には変えられません。そのため、選考の段階でできる限り正確に見極めて、自社と会うかどうかを判断したいと考えているのです。
クレペリン検査では、検査結果のミスの傾向から性格や行動の特徴を知ることができます。前述のとおり、企業はおもに発動性や可変性、亢進性を見ていますが、受検時は 特に意識すべきことはありません。不用意なミスはしないことだけ気を付けましょう。
クレペリン検査では、作業量や正確性に加え、作業曲線のパターンも重視されます。これは、作業中のパフォーマンスの変動をグラフ化したもので、受検者の集中力や持続力、疲労への耐性を評価する指標となります。
最低ラインを知っておこう! クレペリン検査の合格基準
ここまでクレペリン検査の基本的な内容や企業側が実施する理由などを解説しましたが、「どのくらいの解答ができれば選考に合格できるのだろう」と気になる人もいると思います。
そこで、ここからは採用経験のあるキャリアコンサルタントの田邉さんに、クレペリン検査の合格基準を聞いてみました。クレペリン検査の最低ラインを知って、自分と照らし合わせながらどう対策していくかを考えていきましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るクレペリン検査には絶対的な合格基準はない
学生の中には「クレペリン検査で何問とけば合格になるのか知りたい」と悩む人も多いのではないでしょうか。たしかに、明確な基準があれば、その基準に達するように練習できますよね。しかし、採用基準は企業によって異なるため、「1行あたり50問の回答ができたら合格」などの基準はありません。
というのも、クレペリン検査でチェックできることは「物事への取り掛かりの良し悪し」や「気分や行動の変化」、「物事を進めていく強さや勢いの強弱」などがあります。企業によっては「物事への取り掛かりの良し悪し」を重視していてプラス評価をされたとしても、別企業ではマイナス評価をされる可能性もあります。なので、絶対的な合格基準はないと覚えておきましょう。
クレペリン検査で大切なのは集中して解くこと
とはいえ、どれくらいの問題を解けるようになったら良いか気になりますよね。明確な基準ではありませんが、1回の検査につき60個・正答率85%以上を目標に練習しましょう。
難しく感じるかもしれませんが、1桁同士の足し算は81通りしかありません。九九を覚えているように、繰り返し問題を解き「数字を見た瞬間に答えが出せる」ように覚えるのもおすすめです。ただし、大切なのは集中して解けるようなコンディションにすることなので、睡眠時間の確保なども意識してくださいね。
受験前に確認! クレペリン検査を受ける際の注意点
受験前に確認! クレペリン検査を受ける際の注意点
- 消しゴムは使用できない
- 筆記用具は予備を用意する
- 連続する数字は計算しない
クレペリン検査を受けるにあたっていくつか注意すべきことがあります。この注意点を把握せずに受験に臨むと、検査当日に焦って実力を発揮できなくなったり、不本意のミスが増えて「我が社と能力が見合わない」と判断されて選考に落ちたりするなどのリスクが発生してしまいます。
そこでここからは、クレペリン検査を受ける際の注意点を解説します。受検前に確認して、万全な状態で検査に臨めるようにしましょう。
消しゴムは使用できない
クレペリン検査のほとんどは消しゴムの使用が禁止されています。会場に持ち込むことすらも認められていないケースもあるので、事前に確認しておきましょう。消しゴムが使えないため、ミスを発見した際には×や斜線で訂正する必要があります。
このような決まりを知らずに消しゴムを使用した場合、不正受検と判断される可能性もあるため注意しましょう。
なお、受検中に実際にミスが見つかった場合は、気にせず次の問題に進んでいくのがおすすめです。1行にかけられる時間が1分と限られていて、解答数も評価の対象になるため、ミスを直す時間があったら次に進んだほうが効率的といえるからです。
まずは消しゴムが使用できないことを理解したうえで、対策に臨みましょう。
クレペリン検査で消しゴムの使用が禁止されているのは、修正に時間がかかることで作業のリズムが崩れ、検査の本来の目的である自然な作業パターンの把握が妨げられるためです。
筆記用具は予備を用意する
検査中は筆記用具を落としたり、芯が折れてしまったりするなど、筆記用具に関するトラブルも考えられます。1本しか筆記具がないと、それが使えなくなった際に大幅な時間ロスをしてしまうため、万が一の状況にも対応できるように筆記用具は予備を用意しておきましょう。
具体的には3〜5本ほどの鉛筆やシャープペンシルを用意しておくと安心です。
とはいえ、そもそも筆記用具自体を忘れてしまっては本末転倒なため、自宅を出る前にカバンに筆記用具を入れているか必ず確認しましょう。
連続する数字は計算しない
クレペリン検査は制限時間内により多くの問題をミスなく解答することがカギとなり、効率性を求めることも重要になります。そこでおすすめなのが、連続して同じ数字が表示されている場合は、計算せず前の解答をそのまま書くことです。
たとえば、「4、4、4、4、4」という同じ数字が連続して出題されるケースがあります。この際、どれも解答は8になるため、わざわざ計算することなく4回連続で8を解答すれば、時間を短縮することが可能です。
このように効率的に解答できる法則を見つけるのも、合格に近づく一つの手段といえます。
焦るあまりに字が汚くならないように注意しましょう。焦って文字を書くと「6と8」や「1と7」が混同してしまうこともあります。せっかく計算があっていても間違って認識されると正答率が下がるので、読めるように書くことも意識してください。
合格基準を超えよう! クレペリン検査の対策方法

クレペリン検査は単純な計算問題のみが出題されますが、受検前には対策しておくことが必要です。当日、焦ることなく解答し、自分の実力を十分に発揮できるよう準備しておくことが大切だからです。
ここからは、クレペリン検査の具体的な対策方法を解説します。入念な対策をして合格基準を超えられるようにしましょう。
正確性を向上させるために計算問題に慣れておく
クレペリン検査は、特に解答した問題の数とその正確性が評価されます。つまり、数多くの問題を解き、かつそれらが正解であるだけ能力が高いと評価される可能性が高いということです。
しかし、計算は慣れが必要です。多くの人は小学校から高校まで計算には触れてきたとはいえ、久しぶりに取り組んでみると思い通りに解答できないこともあります。そのため、十分な対策をして正確に解答できるよう慣れておくことが必要なのです。
高校までの慣れを過信せず、改めて計算問題に触れて慣れておきましょう。
計算結果が2桁以上の問題を積極的に練習する
前述のとおり、隣り合う数字を足し合わせて解答が2桁以上になった場合、下1桁のみを解答することになります。慣れてしまえば何も問題はありませんが、慣れないうちはどう解答すれば良いかわからず、戸惑いから時間をロスしてしまうことが考えられます。
どのような問題でも瞬時に解答できるよう、特に計算結果が2桁以上になる問題は積極的に練習しておきましょう。練習の段階で何も迷わず下1桁を正確に解答できるようになれば、本番でも実力を発揮できる可能性が高まります。
- クレペリン検査では速さと質のどちらを優先すべきでしょうか。
どちらかだけではなくバランスを意識しよう
クレペリン検査では、速さと質の両方が評価されますが、優先すべきは「バランス」です。
極端に速さを追求するとミスが増え、正確性が低下してしまいます。一方で、ミスを恐れるあまり速度を落としすぎると、全体の作業量が不足し、集中力や効率性の面でマイナス評価を受ける可能性があります。
自分のペースを維持しつつ、正確に作業を続けることが大切です。無理に速くするよりも、自分らしいペースで取り組むことを意識しましょう。また、指示通りに進めることで良い評価につながります。
より多くの問題を解くために解答スピードを意識して練習する
クレペリン検査では、正答率だけでなく、時間内にどれだけ多くの問題を解答したかも測定されます。解答数が多いほど一定時間内の集中力が高かったり、効率良く作業できたりするとみなされ、高評価を得られる可能性が高まるのです。
本番でより多くの問題を解答するためには、練習の段階から解答スピードを意識することが大切です。対策せずに本番で実力以上のスピードで解答することはできません。
具体的にはストップウォッチで時間を測りながら解答していくのがおすすめです。制限時間を決めてできる限り多くの問題を解答したり、あらかじめ解答する問題数を決めて、どれくらいの時間で解答できるかを測ってみたりすると、徐々にスピードを上げられるでしょう。
- どれだけ練習しても解答スピードが上がっている気がしません……。現状を打破できる練習のコツがあれば教えていただきたいです。
スピード×正確性を意識し地道に努力を積み重ねよう
クレペリン検査で解答スピードが向上しない場合、定期的な練習を取り入れることが重要です。毎日決まった時間に練習を行い、計算速度と集中力を徐々に高めることで効果が期待できます。
また、練習の際には時間制限を設け、短い時間内で計算を繰り返すことで時間管理能力とスピードを養いましょう。さらに、スピードだけでなく正確性を重視することも大切です。正確な計算を心がけることでミスが減り、結果的にスピードの向上につながります。
これらを意識しながら練習を継続すれば、徐々に現状を打破することができるでしょう。継続的な取り組みが結果を引き寄せますので、根気強く進めてください。
SPIの対策をするなかで、「時間が足りない」と悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。以下のQ&AコンテンツではSPIについてですが、時間が足りないと悩む人におすすめの対策方法について、就活のプロであるキャリアコンサルタントが解説しています。
当日の集中力を最大化できるようルーティンを作っておく
集中力はその日の体調や気分などコンディションに大きく左右されることがあります。どれだけ練習を積んでも、当日にコンディションが悪ければ本来の実力を発揮できず選考に落ちる可能性も考えられるのです。
このような事態を避けるためにも、集中力を最大化するためのルーティンを作っておくのも一つの方法です。たとえば「開始直前に深呼吸を10回する」や「決まった音楽を聴いてから臨む」など、自分にとって集中力を高められる方法を見つけましょう。
ただ、自宅で練習するときはできても試験会場ではできないこともあるため、試験会場でもできるルーティンを作っておくことがベストです。
クレペリン検査に特化した参考書やアプリ・Webサイトなどを活用する
クレペリン検査の対策をするにあたって、参考書やアプリ、Webサイトなどを活用するのもおすすめです。クレペリン検査に特化した数多くの問題が掲載されているだけでなく、解説や対策方法も収録されていることがあります。
なお、対策する際はクレペリン検査に特化した参考書を活用するのがおすすめです。クレペリン検査はほかの適性検査とは出題内容が大きく異なり、成果を出すためにはクレペリン検査に特化した対策が必要になるからです。
また、アプリやWebサイトであれば、移動中や出先などの隙間時間でも対策することが可能です。効率良く、かつ具体的な解説付きで対策したいと考える人は、本やアプリ、Webサイトなどを活用しましょう。
クレペリン検査の対策時におすすめの本・アプリ・Webサイト
クレペリン検査の対策時におすすめの本・アプリ・Webサイト
- 本
- アプリ
- Webサイト
前述のとおり、クレペリン検査の対策をするにあたって、本やアプリ、Webサイトなどを活用すると効率的に練習することが可能になります。しかし、具体的にどのようなものを使用すれば良いかわからないと悩む人もいるのではないでしょうか。
ここからは、クレペリン検査の対策時におすすめの本やアプリ、Webサイトを紹介します。それぞれの特徴を比較して、自分に合ったものを選びましょう。
本
クレペリン対策について基本を深く理解しながら、網羅的かつ具体的に対策したいと考える人は参考書を活用するのがおすすめです。
クレペリン対策ができる参考書は数多くありますが、特に日本・精神技術研究所が出版する「就職適性試験 内田クレペリン検査 完全理解マニュアル」がおすすめです。クレペリン検査が重要視される背景や明らかになることなどの前提を理解したうえで、例題や模擬試験を受けることができます。
参考書は、基礎から深く理解したい人や、時間をかけて体系的に対策したい人におすすめです。
特に繰り返し模擬試験を解きたい場合に有効ですが、コストや持ち運びが気になるなら、電子書籍版も検討すると良いでしょう。
アプリ
クレペリン検査の対策をしなければいけないけど、まとまった時間を確保できない人はアプリを活用してみましょう。
アプリで対策をしたいと考える人は以下を活用するのがおすすめです。
アプリ | 特徴 |
---|---|
クレペリン トレーニング | 就活・転職対策アプリ(App Store/Google Play) | 演算子のモード、テスト評価機能、手書き入力機能(有料)などが搭載されていて、自身の実力を確認しながら自分に必要な問題の練習ができる |
クレペリン検査(Google Play) | 時間を測りながらクレペリン検査の問題を練習することができる |
アプリのなかには課金しなければ利用できないものもありますが、自分に必要な練習に特化できたり、実力を評価をしてもらったりできるため、効率の良い対策が可能になります。
- アプリだけでクレペリン検査の対策をしても良いものでしょうか?
アプリだけでは本番環境に近い練習ができない! 併用がおすすめ
クレペリン検査の対策として、アプリを活用することは有効です。アプリを使用することで、通学や就活準備の合間など、スキマ時間を活用して計算の速さと正確性を向上させられます。
たとえば、「クレペリン トレーニング」や「クレペリン検査対策アプリ」などのアプリは、制限時間や取り組む行数を指定して実践的な練習が可能です。
ただし、アプリだけでなく、実際の紙と鉛筆を使った練習も取り入れることで、本番に近い環境での対策ができ、より効果的です。
Webサイト
お金はかけたくないものの、クレペリン検査の練習はしておきたいと考える人にはWebサイトの活用がおすすめです。
クレペリン対策におすすめのWebサイトはこちらです。
Webサイト | 特徴 |
---|---|
【適性試験攻略】クレペリン検査の練習・解説サイト | 模擬試験を受けられるだけでなく、クレペリン検査の基本情報やコツも解説している |
クレペリン検査の練習 | ランダムに表示されるクレペリン検査の問題をテンキーを押して解答する |
どちらもシンプルなWebサイトとなっていますが、練習としては十分な数の問題を解答できるため、まずは力試しとして解答してみるのも良いでしょう。
Webサイトとアプリはどちらを利用しても対策ができます。実際に使用してみて使いやすい方を利用するのがおすすめですよ。ただし、スマホやパソコンの操作は本番の筆記形式とは異なるため、対策本で筆記用具を使って対策をするのが理想ですね。
就活のプロが解説! クレペリン検査で落ちる人の特徴
クレペリン検査は就活の選考の一環として取り入れられることが多く、合否が分けられます。そして、クレペリン検査で落ちる人にはある共通した特徴があるのです。
ここでは、クレペリン検査で落ちる人の特徴について、キャリアコンサルタントの瀧本さんに聞いてみました。落ちる人の特徴を把握し、それに近づかないよう注意して対策に取り組みましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るクレペリン検査で採用試験に落ちる人は集中力に問題あり
集中力が欠如していると計算ミスが頻発し、結果として正確な作業ができないことがあります。
ある学生は検査開始直後から緊張のあまり手が震え、初歩的な足し算さえ間違え続けてしまい、最終的に不合格となりました。
また、作業ペースが極端に不安定で、急に速くなったり遅くなったりするパターンも問題です。過去の事例では、ある受験者が序盤で必要以上にペースを上げた結果、途中で集中力が切れ、後半の問題をほとんど解けずに終わってしまった例があります。
さらに、検査後半になるとエネルギーが低下し、集中力が持続しない人も注意が必要です。特に後半に計算ミスが増えたり作業速度が極端に落ちたりすると、持続力や業務耐性を懸念されることがあります。
リラックスして挑むためにもしっかり事前練習をしよう
また、緊張から感情の乱れが記録用紙に現れる場合もあります。ある就活生は、焦りのあまり回答欄への書き間違いや乱雑な文字が増え、精神的な安定性を疑われて不採用となりました。
このような結果を防ぐには、事前練習を十分におこない形式に慣れておくことが重要です。また、当日はリラックスして検査に臨むことが、より良いパフォーマンスにつながっていきます。
クレペリン検査に向けて計算問題対策をして選考の第一関門を突破しよう
クレペリン検査は単純な計算問題のみが出題されますが、正確かつ素早く解答するためにも入念な対策が必要です。前提としてのルールを理解し、計算問題に慣れたり、素早く解答できるよう訓練したりして本番に臨むことが大切です。
志望企業に入社するためにも、記事で解説した対策方法や問題集を参考に準備し、確実にクレペリン検査を突破して内定を勝ち取りましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る短時間でも練習をして計算力だけでなく集中力を養おう
クレペリン検査に不安を感じている学生は多いのではないでしょうか。特に「計算が苦手だから落ちてしまうのでは」と心配している人もいるかもしれません。しかし、このテストは単なる計算力を測るものではありません。
重要なのは、安定した作業遂行能力と集中力の維持です。たとえ計算が得意でなくても、コンスタントに作業を進められる人のほうが高評価を得られることもありますよ。
そのため、計算力だけでなく実践を想定して、まず1日10分程度の短時間から始めましょう。いきなり長時間の練習をするのではなく、少しずつ時間を延ばしていくことで、自然と集中力も計算力も養われていきますよ。
クレペリン検査は完璧に回答できなくても問題ない! 集中して取り組もう
特に気をつけてほしいのは、「完璧を目指しすぎない」ということです。本番では誰でもミスをします。大切なのは、ミスを引きずらず一定のペースを保ち続けることです。
またミスをしないためには、計算力だけでなくコンディションを整えることも大事です。社会人として必要な「体調管理がきちんとできているか」も図られていると考えて体調管理も徹底しましょう。皆さんの就活成功を心より願っています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
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Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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