この記事のまとめ
- ロールモデルがキャリア選択・働き方の多様化によって近年注目されている
- ロールモデルを見つけて活用するのにおすすめの5ステップを紹介
- ロールモデルを見つけることでより理想的なキャリアを形成できる
キャリア選択の複雑化や多様な働き方の浸透に伴って「ロールモデル」という言葉に注目が集まっています。ただ、ロールモデルの見つけ方には決まった方法や正解がないため、どうやって見つければ良いかわからない学生も多くいるでしょう。
ロールモデルの見つけ方に決まった方法はない一方、実はロールモデルを見つけるための手順やポイントは存在します。
この記事では自分の理想のロールモデルの見つけ方を中心に、ロールモデルの重要性、ロールモデル探しに取り掛かる前の準備などについても解説します。最後まで記事を読めば、ロールモデルを見つける方法を理解し、理想のロールモデルを見つけられるでしょう。
キャリアアドバイザーの平井さん、郡山さん、高尾さんのアドバイスも交えて就活のプロの視点で解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
【完全無料】
大学3年生(26卒)におすすめ!
就活準備で必ず使ってほしい厳選ツール
1位:自己分析ツール
選考で使えるあなたの強み・弱みがわかります
2位:適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
3位:面接力診断
39点以下は要注意!面接を受ける前にあなたの面接力を診断しましょう
4位:内定者ES100選
大手内定者のESが見放題!100種類の事例から受かるESの作り方がわかります
5位:WEBテスト対策問題集
SPI、玉手箱、TG-WEBなどの頻出問題をこれ1つで効率的に対策できます
【併せて活用したい!】
選考前に必ず使ってほしい厳選ツール
①自己PR作成ツール
自己PRがまとまらない人は、ツールを活用して自己PRを完成させよう
②志望動機作成ツール
5つの質問に答えるだけで、受かる志望動機を自動で作成します
ロールモデルとは特定の役割やキャリアにおける模範となる人物のこと
ロールモデルの言葉の定義は、以下のとおりです。
ロールモデル
自分が目指したい・こうなりたいと思う模範となる相手。その能力やスキル、また具体的な行動を学んだり、模倣したりする対象となる人材のこと
簡単に言うと、ロールモデルとは「こんな人になりたい」と思える対象を指し、憧れや目標に近い言葉です。特にキャリア形成やビジネスパーソンとしてお手本に近い人物を指します。
メンターとは一対一かつ双方向の関係で、話を聞いたり助言したりしてくれる人です。
ロールモデルの定義は記事のとおりで、面識がなくても「この人のようになりたい」と思える存在です。
よく耳にする「キャリア」ですが意味や考え方が曖昧な人もいると思います。以下の記事ではキャリアについてプロが詳しく解説しているので参考にしてみてください。
関連記事
キャリアとは? 就職のプロが自分だけの人生を見つける秘訣を解説
さまざまな場所で見聞きするキャリアとはどういう意味の言葉なのか、キャリアコンサルタントとともに解説します。自分なりのキャリアを見つけていくためのコツも解説するため、参考にして、自分の人生をより良いものにしていきましょう。
記事を読む

あなたが受けない方がいい職業を確認して下さい
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
ロールモデルはキャリア形成に大きなメリットをもたらす
ロールモデルを設定すると自分の進むべき道が明確になるのでキャリア形成に大きなメリットをもたらします。逆にロールモデルを設定しないと自分の進むべき方向を明確にできず、効率よくキャリアアップできないリスクが高まるでしょう。
たとえばロールモデルが明確だと、自分が磨くべきスキルや取り組むべき仕事も自ずと明確になります。これにより自身の行動指針もできあがり、目標に向かって効率よく経験を積み上げることができるのです。
目標達成まで最短距離で成長できるため、ロールモデルの設定はキャリア形成において非常に重要なのです。
ロールモデルはなぜ注目されている? 注目の理由や背景を解説
ロールモデルという言葉は、最近になってより注目を集めています。概念自体は以前からあったにもかかわらず、なぜ近年特に注目されているのでしょうか。
ここではロールモデルの概念が注目されている理由と、その背景について解説します。具体的な方法や詳細に入る前に、ロールモデルが取り上げられる背景を押さえておきましょう。
自己実現の手段としてロールモデルが注目を集めている
ロールモデルが注目を集めている理由の一つに、自己実現の手段として有効であることが挙げられます。
現代では多様な働き方やさまざまなキャリアパスが存在します。ただ、キャリア形成への自由度が高まるにつれて、理想的なキャリアの選択の難易度は急激に高まっています。
ロールモデルを設定することで、抽象的な「キャリア」という概念をより具体化できます。例えば「Aさんをロールモデルにする」と決めると、Aさんになるための行動指針や、やるべきことが明確になるでしょう。
つまり、無数にあるキャリアから自分に最適なものを選び、そこに向かって経験を積み上げるのにロールモデルの設定が有効なのです。
ロールモデルの考え方はキャリアの自由度の高まりに伴って拡大している
ロールモデルはキャリアの自由度の高まりに伴って、さらなる注目を浴びています。ロールモデルの設定を企業として推進している例もあるほど、現代のビジネスシーンでロールモデルの果たす役割は大きいのです。
現代では、キャリアの自由度が高まるなかでフリーランスやジョブ型雇用など、これまで一般的でなかった働き方や雇用形態なども広まっています。これらにおいては、ロールモデルの設定が特に有効です。
ジョブ型雇用
事前に明示された職務記述書(ジョブディスクリプション)をもとに、募集するポストに沿った人材を募集する雇用形態。日本で主流の、職務や勤務地などを限定せずに雇用契約を結ぶ「メンバーシップ型」と対比される。
新しい働き方や雇用形態では前例が少ない分、キャリア形成や意思決定などが難しいのが現状です。ロールモデルをもとに設定した行動指針ができあがれば、キャリアにおける判断の助けになります。
このように、キャリアの自由度が高まり、意思決定が難化するのに伴って、ロールモデルの重要性も高まっているのです。
ロールモデルの重要性! 規範となる人物を見つける5つのメリット
ロールモデルの重要性! 規範となる人物を見つける5つのメリット
ロールモデルを見つけることは、自身のキャリアにおいて大きなメリットがあります。またそのメリットの幅も広く、就職して働くなかでも、また普段の生活においてもポジティブに作用し続けるものばかりです。
ここではロールモデルを見つけることのメリットを5つ解説します。ロールモデルの重要性をチェックしたうえで実際に探し始めると、より効率よくそのメリットを享受できます。
直接的な効果だけでなく、ロールモデルのメリットによって発生するさらなる良い影響についても解説するので、併せてチェックしておきましょう。
①より明確なキャリアプラン・理想像を描ける
ロールモデルを設定することの最大のメリットは、より明確なキャリアプランを描けることです。特に上司などをロールモデルに設定すると、この先自分が積むべきキャリアや経験が明確になります。
上司や先輩をロールモデルに設定すると、「入社〇〇年までにどの程度の成果を出すべきか」が明確になります。自身の目標に向かって効率よく経験を積めるため、成長のスピードも一気に加速するでしょう。
また、ロールモデルがいると具体的な目標を立てられます。ロールモデルの経歴やキャリアパスを参考にできるためです。キャリアプランがより具体的になれば、迷わず目標に向かって日々の業務に取り組めますよ。
自分が理想とするキャリアとは異なる道を歩んだロールモデルを持つことは有効です。
計画通りに進まなくても価値あるキャリアが築けることや、さまざまなキャリアの選択肢を知ることで自分らしいキャリアの方向性が見えてくる点がメリットといえます。
②モチベーションを維持しやすくなる
ロールモデルにより自身の理想が明確になっていると、モチベーションを維持しやすくなります。なぜならキャリアパスが明確になることで、目的意識を持って業務に取り組めるためです。
ロールモデルをもとに作成した具体的なキャリアパスがあると、目標に対する進捗が常に明確になります。つまり、日々の成果や自身の努力の結果が可視化されるのです。
また、可視化された成果は常にロールモデルが過去に挙げた成果と比較できます。自身の行動に対して、常に「良かったのか? 悪かったのか?」のフィードバックが得られるため、現在地を見失いにくく、モチベーションを維持しやすくなるのです。
③成長が加速して成果を挙げやすくなる
ロールモデルを見つけるさらなるメリットとして、成長スピードの加速が挙げられます。ロールモデルの設定によって取るべき行動が明確になり、目標に向かって効率よく努力できるためです。このメリットは、特に上司や同僚を設定した際に大きくなります。
目標に向かう最適な行動を取り続けることは、成長の加速に不可欠です。ロールモデルの行動を分析し、取り入れることで目標達成に不要な行動を排除できます。
また前述のとおり、社内にロールモデルがいると明確な目標を設定しやすくなります。「〇日までに〇件成約させないと」といった数量的な目標があれば積極的に行動しやすいため、さらに成長スピードが上がるでしょう。
逆にロールモデルが明確でない場合、取るべき行動も曖昧なままです。早い段階でロールモデルを設定して目標を明確にすることが、自身の理想を実現する近道です。
ロールモデルを設定するタイミングは、一概に「いつがベスト」という決まりはありません。
強いて言えば、業務や企業文化への適応を経て、自分のキャリアビジョンが明確になってくる、企業に属してから1〜2年後に次のステップに進むための指針として設定するのがおすすめです。
早すぎる設定は、自分の業務理解やキャリアビジョンが未熟なまま、相手の行動やキャリアパスを模倣しようとするリスクがあります。まずは自身の成長を見すえたうえで設定することが重要です。
また、成長に応じてロールモデルを見直し、再設定することも大切です。
自己分析ツールで今月中に自己分析を終わらせてください
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「これ、本当に強みって言えるのかな?」と悩んでいる多いはず。
そんな時は「My Analytics」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
自分の長所を分析するなら「My Analytics」がオススメ
今すぐあなたの強みを診断する【無料】
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人
④自身の成長が組織の成長に寄与する
ロールモデルを見つけることは自分だけでなく、自分の所属する組織にもポジティブな影響をもたらします。なぜなら自身の成長スピードが高まることで、組織への貢献度も高まるためです。
組織に貢献すると、当然組織内での評価も高まります。早い段階で成果を挙げ、スムーズなキャリアアップを実現しやすいのも、ロールモデル設定の大きなメリットの一つです。
また、組織に貢献することで、上司や同僚からより質の良いフィードバックをもらえます。自身の課題が明確になり、それに対するより良い解決策が得られるため、さらに成長が加速します。
「自身の成長→組織からのより良質なフィードバック→さらなる成長」という正の循環が生まれるのも、ロールモデル設計に起因する大きなメリットです。
- ロールモデルを設定していること自体が、企業からの評価アップにつながることはありますか?
ロールモデルがいること自体がプラス評価の対象となる
ロールモデルを持っていることから、自ら成長を目指して学び続ける姿勢があるということが伝わります。自己成長に積極的な姿勢は多くの企業で高く評価されるでしょう。
またロールモデルを通じて、短期的な成果だけでなく長期的なキャリア形成に対する考えを持っていることもアピールできます。
企業は、将来的な成長や貢献が期待できる社員を求めているため、長期的なビジョンを持つことはプラス評価になるでしょう。
理想と違う道を歩んでいたロールモデルの経験からの気づきや学びを自身に取り入れることで、変化や困難に柔軟に対応できる能力があることを示せます。
企業は、変化に適応できる人材を求めているため、そのような姿勢が評価につながります。
⑤自身の選んだ仕事を続けやすくなる
ロールモデルを見つけると、一つの仕事に継続して打ち込める可能性が高まります。なぜならロールモデルを見つけると理想のキャリアが明確になるためです。
特にビジネスの観点からロールモデルを選定すると、このメリットも大きくなります。
ロールモデルをもとに理想のキャリアを描くと、仕事を継続しなければ理想のキャリアを実現できないと自覚できます。その結果、仕事で嫌なことがあっても諦めずに挑戦し続けられる精神状態を維持できるでしょう。
また、ロールモデルを見つけるとやるべきことが明確になるため、今取り組んでいる仕事が自分のキャリアにとって意味あることかを即座に判別できます。意味がないと判断した場合も、目標への道筋が明確になっているため即座に対応できます。
常に自分にとって最適な仕事を選んで継続しやすくなるのも、ロールモデルを見つける大きなメリットです。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る今関係ないように見えることが後に結びつくことも十分あり得る
キャリアには「今はばらばらに見えることが、後になって結びつく」ことがあります。スティーブ・ジョブズの演説で有名な「Connecting the dots(点と点を結びつける)」です。
ジョブズはただ興味だけでカリグラフィーを学びます。
そのときは何の役に立つこともありませんでしたが、後年Appleでコンピューターを作ろうとしたときにカリグラフィーで学んだことが反映され、Appleのコンピューターは美しいフォントを搭載することができました。
就活軸を見直す際は選択肢を今よりも広げることを意識しよう
キャリア設計の見直しは、就活の途中でも必要なことですが、終盤に差し掛かってから就職軸を全面的に変更することは、リスクが大きいのも事実です。
どうしても変更するなら就活軸を少しずらして、業種や職種の選択肢を広げて検討してみることが安全策でしょう。
一方で、「Connecting the dots」、「行き先さえ明確ならば一見無関係に見える経験にも意味づけできる」と考えて、いまの就活軸をキープするのもありだと思います。
3つの方法も解説! ロールモデル探しの効率を高める自己分析の重要性とは
ロールモデル探しに取り掛かる前に、まずは自己分析をしっかりおこないましょう。自己分析を徹底できているかどうかで、ロールモデル探しの効率・成果に大きな差が出ます。
自己分析を徹底できれば、ロールモデル探しに重要な目標や価値観が明確になります。そのため、ロールモデルとなる人物の絞り込みが一気に楽になるだけでなく、設定ミスのリスクも軽減できるのです。
ここでは、ロールモデル探しに重要な自己分析の3つのポイントを解説します。
①強みと弱み
自己分析で必ず明確にしておくべきなのは、自身の強みと弱みです。自分の特徴を正確に理解しておけば、ロールモデル設定ミスのリスクをぐっと抑えられます。
また、強みや弱みから自分の特徴を把握しておけば、ロールモデルとなりそうな人と自分を簡単に比較できます。比較により、自分と対象がどの程度似ていてどの程度違うのかをとらえられるため、より適切なロールモデルを選びやすくなります。
初めてのロールモデル探しでは、大半が適切な人物の選定に苦労します。自分の強みと弱みを明確にして、それらを比較材料にしながらロールモデルを探すことで、自分にぴったりの人物を見つけていきましょう。
また、強みと弱みを見つけたい人は以下の記事を参考にしてみてください。就活で使える弱み・強みを一覧で確認することで、自分の特徴を言い表す表現を見つけられるでしょう。
就活で使える弱み100選! 短所を悪印象なくプラスに見せる秘策
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
自分の長所を分析するなら「自己分析ツール」がオススメ
今すぐ診断を見てみる【無料】
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人
たった3分で自己PRが完成!スマホで簡単に作れるお役立ちツールです。
②価値観や考え方
価値観や考え方も、自己分析で明確にしておきたいポイントです。自分の憧れる人物を選定できても、その人物が自分と180度違う価値観を持っているのであれば、ロールモデルにはなり得ません。
具体的には、自己分析を通じて「自分にとって大切なことは何か?」を明確にする必要があります。
個々人にとって大切なものの例
- 仕事を生活の中心に据えて、とにかく早く昇進を目指す
- ある程度のスキルを身に付けたら退職し、自分の事業を立ち上げる
- プライベートを最優先し、のんびりとキャリアアップしていく
上記のように、キャリアの描き方は人によって大きく異なります。自分が生活のなかで仕事をどのようにとらえるかを明確にすることが、適切なロールモデル選定には必須なのです。
- 自分にとって大切なことや価値観がわからない場合は、どんなことから考えていけば見つけやすいでしょうか?
過去の体験・日常生活・身近な人からの意見を深掘りしよう
自分にとって大切なことや価値観がわからない人は、以下の内容について考えてみましょう。
①過去の体験からうれしいと感じたことや達成感を感じた経験を思い出し、それらに共通することを見つけてみてください。
②日常のなかでワクワクすることやストレスを感じたことに注目します。好き嫌いの背景に自分の価値観が隠れています。何が好きで、何が苦手か自問しましょう。
③友人や家族など身近な人に、自分の強みや印象について聞いてみましょう。ポイントは、そう思った理由まで聞いてみることです。
それぞれのステップに向き合い、経験の振り返りをおこなうことで、自分が大切にしたい価値観が明確になってきます。
自身の価値観や考え方を明確にしたい人は、マインドマップやモチベーショングラフなどのツールを利用してみましょう。
それぞれを活用して自己分析をおこないたい人は、以下を参考にしてみて下さい。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ
③やりたくないこと
適切なロールモデルを選び、理想のキャリアを描くためには、やりたくないことを明確にしておくことも大切です。
キャリア選びの際、ほとんどの人がやりたいことばかりを追求します。その結果、明確なやりたいことがないことに気づいたり、自分の気持ちに反したやりたいことを設定したりして、自分の理想とは異なるキャリアを描いてしまうのです。
その点、やりたくないことをリストアップしていけば自ずと選択肢は狭まります。結果、理想のロールモデルやキャリアを見つけやすくなるのです。最適なものが見つからずとも、最低限、妥協してキャリア設計するリスクはなくせます。
やりたくないことを明確にしてロールモデルやキャリアを設定する方法は、明確なやりたいことがない人に特におすすめの自己分析法です。
- 理想のキャリアに自分のやりたくないことが含まれる場合、キャリア設計を変えるべきでしょうか? それとも、やりたくないことを我慢してでも理想のキャリアを追求すべきでしょうか?
やりたくないことがどれだけ自身にとって負担になるかを評価したうえで判断しよう
理想のキャリアに「やりたくないこと」が含まれる場合、まずはその要素がどれだけ重要かを評価しましょう。
短期的に我慢することで長期的なキャリア目標に近づくのであれば一時的に我慢することも一つの手です。
一方、やりたくないことが自分の価値観やライフスタイルに大きくかかわる場合、無理に続けることで心身に負担がかかり、モチベーションや成果に悪影響を及ぼす可能性があります。
キャリアアップすれば、苦手なことを他者に任せる選択肢も増えることもを考慮しましょう。
特定の業務を他者に委任し、自分の強みを最大限に活かすことができる立場になることで、必ずしも一つのやりたくないことを避ける必要がなくなります。
結論として、やりたくないことが含まれていても必ずしもキャリアを見直す必要はなく、その要素の重要性を評価し、必要に応じて適切な対応を取ることが大切です。
自己分析のやり方がわからない人は以下を参考にしてみてください。自己分析のやり方や、自己分析を極める方法を解説しています。
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
自己分析とは? わかりやすいやり方と選考での6つの活用法を解説
ロールモデルの具体的な見つけ方・活用法を5ステップで解説
ロールモデルの具体的な見つけ方・活用法を5ステップで解説
ここまで、ロールモデルが昨今注目されている理由やそのメリット、ロールモデルを探す前に取り組むべきことを解説してきました。ここからは、実際にロールモデルを見つけて、自身のキャリア設計に活かす方法を解説します。
自分にぴったりのロールモデルを見つけて活用する際は、上記の5ステップで取り組みましょう。
ここでは各ステップの概要とポイントを一つずつ解説します。キャリアアドバイザーのコメントも交えて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ①自己分析をもとにロールモデルの条件をリストアップする
最初のステップでは、事前におこなった自己分析の結果をまとめます。自分の強みや弱み、目標や価値観を中心に、ロールモデルとして適切な人物像を定義しましょう。
自己分析をもとにロールモデルの条件を作成する際は、最低限、以下3つの条件は必須です。
ロールモデルに必要な3つの条件
- 自分の目標を達成している人物や、理想に近い人物である
- キャリアに対する価値観が、自分と大きく乖離していない
- 働き方や仕事に対する姿勢に憧れる
条件を設定する際は、上記3つをさらに深掘りしましょう。たとえば以下のような条件を提示すると、ステップ2での選定がスムーズに進みます。
ロールモデルの条件例
- 実際に起業を成し遂げ、さまざまな分野で活躍している
- 仕事を生活の中心に据えながらも、家庭を最優先している
- 物腰は柔らかい一方、仕事に対しては一切妥協しない
条件が具体的なほど、適切なロールモデルを見つけやすくなります。
ロールモデルを探す際に重視すべきは、条件の数ではなく、「譲れなさの度合い」でしょう。
条件(=自分が実現したいこと)は多ければ多いほど理想には近づくかもしれませんが、ロールモデル候補は少なくなります。
「これを外したら自分らしくなくなる」と思える条件を実現した人を探すのが良いと思います。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
ステップ②ロールモデルにする人物を選定する
条件をリストアップできたら、実際にロールモデルとなる人物の選定に移りましょう。条件を具体的に設定できていれば、ロールモデル候補は自ずと絞られてくるでしょう。
後述するように、ロールモデルの選定先には以下の2つがあります。
ロールモデル選定の2つの方法
- 身近な人からロールモデルを探す方法
- 身近な人以外からロールモデルを探す方法
上記のどちらの場合も、前述の「ロールモデルの条件例」に沿っているかを確認しながら探してみましょう。まずは身近な人から探し、いなければそれ以外の人から選定するのがおすすめです。
ステップ3ではロールモデルの行動分析をおこないます。そのため対象は、行動や経歴を詳細に把握できる人物が望ましいです。
もしロールモデルとなる人物が見当たらない場合、ハードルを高く設定しすぎている可能性があります。その場合、自分の憧れに絞ってロールモデル候補を先にリストアップし、その後、ほかの条件と照らし合わせる方法でロールモデルを見つけてみてください。
また、見つからないからと焦って、価値観が異なる人や明らかに考え方の異なる人をロールモデルにしないように注意しましょう。
- ロールモデルが決まったのですが、その人が自分とはかけ離れすぎて「自分はこの人のようには生きられないかも……」と感じてしまいます。ほかのロールモデルを探すべきでしょうか?
ロールモデルはあくまで学びの対象だと柔軟にとらえよう
ロールモデルとのギャップに対しても、「この人のようにはなれない」と諦めてすぐにほかの人を探すのではなく、その人物の持つ良い点を自分のペースで取り入れることをまず考えてみてください。
ロールモデルに対して感じる「かけ離れている」という感覚を、自分自身の成長に役立つ機会ととらえ、ギャップを感じた部分を明確にすることも成長の鍵となります。
また、ロールモデルの持つすべての要素を追い求める必要はなく、部分的に取り入れても十分効果的です。
たとえば、仕事に対する姿勢や価値観だけを参考にし、ライフスタイルや働き方については自分に合う別のアプローチを取る、というのも一つの方法です。
さらに、ロールモデルは1人に限る必要はなく、複数の人物を参考にすることで、自分に合ったキャリアの道筋が見えてくることもありますよ。
ロールモデルは、あくまでベンチマークや参考として「自分ならどうするか」を考える学びの材料とし、自分の成長に活かしましょう。
ステップ③ロールモデルとなる相手を観察して行動・思考を分析する
ロールモデルを選定できたら、次はロールモデルを活用するステップに移行します。
最初にロールモデルを観察し、行動や思考を分析しましょう。観察する際は、以下のポイントに注目するのがおすすめです。
ロールモデルを観察する際の注目ポイントの例
- 行動・振る舞い
- 仕事の進め方・工夫
- 目標設定の方法
- 仕事に対する姿勢・考え方
- モチベーション維持の方法
日々の業務に活かせそうなポイントを抽出し、そこに絞ってロールモデルの行動を観察してみましょう。
行動を観察する際は、その裏側にある思考や、思考の元となる考え方・理念もセットで想像してください。観察・分析の解像度が高いほど、それらを真似する際に高い効果が期待できます。
直接質問する機会を得られる人は、行動の理由や思考の源泉に関して直接質問してみると良いですよ。
ロールモデルのどんなところが自分にとって理想の姿に感じているのか考えます。そこから、今の自分に必要なヒントを見つけるのが、私がいつも用いる方法です。
特に、困難なときにどう向き合うのかや、新たなチャレンジへの取り組み方などに注目しています。
ステップ④ロールモデルの行動・振る舞いを真似してみる
ロールモデルの行動や振る舞い、その裏側にある思考や信念などを読み取れたら、それらを徹底的に真似します。真似こそが、その人物に近づくための最短ルートです。
真似する際は、自分流ではなくロールモデルの行動をそのままの形で真似するのがおすすめです。そのまま真似してみることで、その行動自体がどのような結果につながるのかをダイレクトに検証できます。
真似に対してネガティブな印象を抱く人も多いですが、真似自体はまったく悪いことではありません。
まずは真似から始め、検証と分析を重ねながら徐々に自分流を定着させていくイメージで取り組むのがおすすめです。
- 業務への取り組みや行動に対して、人の真似をすることは良くないイメージがあります……。素直に真似を取り入れても良いのでしょうか?
初めは真似ていてもだんだんと自分らしさが出てくるので問題はない
まったく問題ありません。「学ぶ」のもとの言葉は「真似ぶ」だそうです。あるいは「守破離」という言葉を知っている人もいるでしょう。
「真似ぶ」も「守破離」の「守」も、先生や先達の真似をすることです。モデルとする人の真似をすることが学びや成長に必要なことだと、経験的にわかっていたのでしょう。
ぜひ素直に真似を取り入れてください。心配ありません。誰かの真似から入っても、その人らしさは必ず出ます。
ステップ⑤自身の行動を分析しフィードバックを作成する
実際にロールモデルの真似をするだけでは、理想のキャリアは実現できません。自分のキャリアにロールモデルの思考や行動を活かすには、それらを吸収し、自分のものにする必要があります。
ロールモデルの憧れるポイントを自分に取り入れるためにも、振り返りを必ずおこないましょう。
自身の行動に対するフィードバックを作成することで、改善を重ねながら良い点を取り入れられます。逆に振り返りをおこなわなければ、憧れた人物にはいつまでも近づけないでしょう。
振り返りの際に注目すべきポイントは、以下の3つです。
振り返りの3つのポイント
- 真似した行動や考え方がプラスに作用したか?
- 真似した行動や考え方がどの程度作用したか?
- ロールモデルのやり方は自分に合っていたか?
自分に合わないやり方や、プラスに作用しなかった部分は改善する必要があります。結果の分析、改善、再検証、分析のサイクルを繰り返し、自身の成長につなげましょう。
振り返りの際は、結果だけでなくプロセスや内面の変化にも注目しましょう。ロールモデルを真似したことで、どのような感情やモチベーションの変化があったかを確認することも大切です。
また、周囲の反応も振り返りの重要な要素です。ポジティブなフィードバックがあれば継続し、ネガティブな場合は改善点を見つけましょう。
どんな人を選ぶ? ロールモデルとなる人物の2つの選定法
前の項ではロールモデルを選定し、活用するための5ステップについて解説しました。しかし、多くの人がステップ2のロールモデルの選定で挫折します。
ここでは多くの人が悩みがちな、ロールモデルを選定する際のポイントについて解説します。ここをチェックすれば、ロールモデル選定での挫折を乗り越えられるでしょう。
身近な人から選ぶ場合と身近でない人から選ぶ場合に分けて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
①身近な人からロールモデルを探す場合
ロールモデルを探す場合、まずは身近な人から探すのがおすすめです。身近な人をロールモデルにすると、行動や思考を分析しやすいためです。
身近な人をロールモデルにすると、接触回数や時間が長いためより多くの行動や思考を分析できます。知り合いであれば、都度、行動の理由や裏側にある思考などを質問できるのも大きなメリットです。
また、同じ会社の人物をロールモデルに据えることで、再現性も高められます。同じ会社や業種の人物がロールモデルであれば、その人物が成功した方法を真似ること自体が結果に直結しやすいためです。
ロールモデルを探す場合、まずは身近に魅力的な人物がいないか探すことから始めましょう。
同僚や上司から選ぶ
同僚や上司は、最も身近なロールモデル候補です。接触回数が多い分、解像度高くロールモデルを分析しやすいでしょう。
同僚や上司からロールモデルを選ぶ場合、なるべくコミュニケーションを取りやすい相手を選ぶのがおすすめです。前述のとおり、直接質問しやすい人がロールモデルであれば、より解像度高く相手の行動や思考をとらえられます。
年次の低い人は、自分より1〜3年年次が上の上司を選びましょう。年次の近い上司を選ぶとかかかかわる機会も多く、業務に関する質問もしやすいでしょう。
また、年次が近い人物を選ぶことで、その考え方や価値観に共感しやすいのもメリットです。何か相談した際も相手が自分の立場になって考えやすいため、的確なアドバイスが返ってくる可能性が高まります。
別の部署や社内の知り合いから選ぶ
同僚や上司の紹介で知り合った別の部署の人も、ロールモデルの候補です。
部署の違う同僚や上司をロールモデルにすることの大きなメリットは、相手が自分とは異なる視点を持っている点です。会社の掲げる共通目標に違う形で取り組んでいる分、有益かつ新奇なアドバイスをくれる可能性が高いでしょう。
また、その相手の行動を真似することが直接自身の成果アップにつながる可能性が高いのも、別部署の人をロールモデルに据える大きなメリットです。
他部署がどのような行動原則に基づいて動いているのかを深く理解できれば、自身の業務にもその知見を活かせます。
他部署に知り合いがいる人や誰か紹介してもらえる環境がある人は、ぜひその相手もロールモデルの候補に入れてみてください。
社外の交友がある人から選ぶ
社内にロールモデルとなる人物が見つからない場合、自身と交友のある相手を選ぶのも方法の一つです。社外の人間で交友がある人からロールモデルを選ぶことで、より客観的な視点を自身に取り入れられます。
また、その相手の行動や考え方は自分が勤めている企業の影響をまったく受けていないため、新たな視点を獲得できる可能性が高い点も大きなメリットです。
ただし社外にロールモデルを置いた場合、業務への取り組み方を真似できない点はデメリットといえます。
業務への取り組み方や、自身の所属する企業でのキャリアをより鮮明に描きたい場合、社内の人をロールモデルに据えるのがおすすめです。
まずは自己分析ツールで自分の強み・弱みを確認しよう!
「自己分析って時間がかかるし、正直面倒だな」と思っていませんか。
「自己分析ツール」を使えば、たった3分であなたの強みに合った適職を見つけられます。
自己分析を億劫に感じるときは、ツールを使って効率化しましょう。
- 自分の強みや弱みが分からない人
- 自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
- 自分にあった仕事を知りたい人
②身近な人以外からロールモデルを探す場合
憧れている著名人や歴史上の人物がいる場合、その人をロールモデルにする人もいます。ロールモデルは知っている人でなければならない、というルールはありません。
身近なロールモデルが見当たらない人で、「身近ではないが憧れる人がいる」という人は、その人をロールモデル候補として選出しましょう。
ただし、身近でない人をロールモデルに据える場合、「十分な情報を得られるか?」を必ずチェックしましょう。ロールモデルの価値観や遍歴、具体的な行動に関する情報が少ないと、正確な分析ができないためです。
正確な分析ができなければ、自身の行動にその思考や行動原則を落とし込めません。直接聞けない人をロールモデルにする際は、自身で十分な情報を集められるかを精査してください。
著名人から選ぶ
実際、著名人からロールモデルを選ぶ人は多いです。著名人をロールモデルに据えることで、書籍やインターネット、テレビなどから簡単に情報を得られます。
近年はYouTubeの動画なども話題になっており、その人物の特定の側面をとらえやすいのも大きなメリットです。
また、マンガやアニメの登場人物もロールモデルになり得ます。登場人物の置かれた状況や思考パターンをとらえて何度もマンガ・アニメを見返すことで、自身にその価値観や行動原則をインストールできます。
また、SNSを使ってロールモデルを探すのもおすすめです。自分と近い状況で成果を出した人や自分の理想の未来を生きている人が見つかりやすいでしょう。コメントやDMでやりとりできる場合もあるので、悩んだらSNSを活用してみましょう。
- 著名人をロールモデルに設定しても、キャリア形成には何ら役立たない気がするのですが……。身近でないロールモデルをキャリア形成に活かす具体的な方法が知りたいです。
ロールモデルの一人として一部分を参考にしよう
①ロールモデルの価値観に着目する
著名人の具体的なキャリアパスを真似るのは難しいですが、彼らが持つ価値観や信念に注目し、自分のキャリア形成に反映させることができます。
②ロールモデルを複数持つ
一人の著名人だけをロールモデルにするのではなく、複数の人物から異なる側面を学ぶことで、より現実的かつ多角的なキャリア形成が可能になります。
これを「パートモデル」ということもあります。
歴史上の人物から選ぶ
歴史上の人物をロールモデルに据えるのも、おすすめです。有名な歴史上の人物であれば文献や書籍にその行動や考え方が残っているため、情報も収集しやすいでしょう。
歴史上の人物のなかには、小説やドラマなどでその信念や心情が細かく描写されている人物もいます。楽しみながらそのロールモデルの分析をできるのも、歴史上の人物を選択するメリットです。
ただし、著名人やマンガ・アニメの登場人物、歴史上の人物をロールモデルにする場合、抽象化する力が求められる点には注意しましょう。
彼らの行動や思考はその世界・時代に即したものです。彼らの考え方を現代に生きる自分に置き換えられれば、現代でも通用するスキルを身に付けられるでしょう。
私が起業するうえで参考にしている実業家は、中村天風さんです。彼は「自分を信じ、自分を育てること」が成功の鍵であると説きました。
事業を継続するうえで、ポジティブな思考を持つことや自己啓発を通じて人生を変える力を高めることは、とても大切だと感じています。
ロールモデルを見つけて活用する際の3つのポイント
ロールモデルを見つける際の3つの注意点
- ロールモデルは1人に絞らなくて良い
- 行動や思考を分析するのに十分な情報を得られる相手を選ぶ
- 最初は真似することから始める
ここまでロールモデルの具体的な見つけ方について解説してきました。ただ、ロールモデル探しは難易度が高いため、やり方がわかってもなお難しいと感じる人も多いでしょう。
そこでここでは、ロールモデルを見つける際の3つの注意点を解説します。
ロールモデル探しの助けになるアドバイザーからの助言も併せて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
①ロールモデルは1人に絞らなくて良い
ロールモデルを見つける際は、1人に絞る必要はありません。複数の人物をロールモデルに据え、状況に合わせて使い分けるのも一つの方法です。
つまり、自分の理想にぴったりと合った人が見つからない場合、複数のロールモデルを持っても良いということです。
必ずしも1人に絞る必要がないとわかれば、ロールモデル探しのハードルがグッと下がるでしょう。
また複数の人物をロールモデルとして選定し、自分が憧れる側面を抽出してつなぎ合わせる「モザイク型ロールモデル」という方法もあります。
モザイク型ロールモデルについては後述するので、気になる人はそちらもチェックしてみてください。
②行動や思考を分析するのに十分な情報を得られる相手を選ぶ
ロールモデルとなる人物を選定する際は、その対象の行動や遍歴、価値観や具体的な行動に関する情報が得られるかを必ずチェックしましょう。情報が不十分な相手をロールモデルに据えると、行動分析や真似が難しくなります。
例えば難しい決断を迫られた際に、ロールモデルの情報が十分にあればその思考や行動を分析して、それらを決断のヒントにできます。一方十分な情報が得られなければ、肝心のときにロールモデルの思考を参考にできません。
身近でない人物を選ぶ際は、特に「思考・行動を分析するための十分な情報を得られるか?」に注意する必要があります。身近な人物であれば直接質問できる一方、著名人や歴史上の人物には直接考え方や行動原則を質問できないためです。
情報が多いほど、分析の解像度が高まるのは、前述したとおりです。その意味で、ロールモデルを一から探す場合は、身近な人から探し始めるのがおすすめです。
ロールモデルは一人に絞る必要はありません。
理想に近い著名人をロールモデルとし、社内の人には目指すキャリアをつくっていくための具体的なアドバイスをもらうメンター的な存在としてお願いしてみてはどうでしょうか。
自己分析で悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
ChatGPTなどの生成AIは、就活準備にも非常に役立ちます。
「就活準備プロンプト集」では、就活のプロが考えた、生成AI用の命令文を豊富に用意していますよ。
このプロンプト集を活用すると、性格と経験を入れるだけで、AIが5つの強みを判断してくれます。プロンプト集で就活準備を効率化しましょう。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
- 自己PRで使える強み診断プロンプト
③最初は真似することから始める
ロールモデルを見つけたら、まずは真似から始めましょう。真似が悪いことと考えている人も多いですが、まったく悪いことではありません。
真似とは、ロールモデルの価値観や行動原則を自身に染み込ませるうえで欠かせない行為です。
真似するうちに自分に合う考え方、合わない考え方などが徐々に明確になります。自分に合うものを追求していけば、自ずとその人のコピーではない自分流のキャリアや行動原則ができあがります。
ロールモデルを活用する際に重要なのは、真似した結果を分析し、改善し続けることです。真似だけで終わらせず、改善を繰り返すことでロールモデルを意味をもって活用することができます。
ロールモデルが見つからない場合は? おすすめの3つの対処法を解説
ロールモデルが見つからない場合は? おすすめの3つの対処法を解説
- 友人や同僚に相談する
- セミナー・イベント・コミュニティに参加する
- 複数人を掛け合わせた「モザイク型ロールモデル」を創造する
ここまでロールモデルの見つけ方や注意点などを解説しましたが、なかには「そもそもロールモデルの選択肢が1人も見つからない」という人もいるでしょう。
ロールモデルが見つからない人に向けて、ここでは3つの対処法を解説します。ロールモデル探しがスムーズに進まない人は、この3つの方法を参考にしてみてください。
これまでと違う方法を試してみることで、あっさりロールモデルが見つかることもあります。
①友人や同僚に相談する
ロールモデル探しがうまくいかないときは、友人や同僚に相談してみましょう。自分の立場になって考えてくれる相手に相談することで、自分の気づかなかったポイントや、うまくいかない理由が明確になります。
必死にロールモデルを見つけようとすると、気がつかないうちに視野が狭まりがちです。友人や同僚に相談すれば、客観的な視点からロールモデル探しのアドバイスを得られるでしょう。
また、相談相手にロールモデルがいる場合は、見つけ方のコツや意識した点など、具体的なアドバイスをもらえます。同僚であれば、業務にも関連するロールモデル探しのアドバイスをくれるかもしれません。
自分になかった視点を得られる可能性もあるため、迷ったら友人や同僚に相談してみるのがおすすめです。
相談相手には、あらかじめ自分のキャリアの状況や価値観をよく理解している信頼できる人を選ぶと、本音に基づいた的確なアドバイスをもらえる可能性が高まります。
また、異なる業界に精通していたり、幅広い視野や多様な経験を持つ人も新しい視点を提供してくれるため有効です。
さらに、キャリアについてしっかりとした考えを持っている人と話すことで、自分の考え方も確立しやすくなります。
加えて、複数の人に相談することで、よりバランスの取れたアドバイスを得られるでしょう。
②セミナー・イベント・コミュニティに参加する
セミナーやイベント、何らかのコミュニティに参加するのも、ロールモデル探しを進める貴重な機会になり得ます。いろいろなイベントに参加することで、新たな視点や考え方を得られるためです。
また、気になっている人のセミナーやイベントに参加することでその人物への理解がより深まり、ロールモデルになる可能性もあります。
主催者ではなく参加者との出会いが、ロールモデルの確定に発展するケースもあるのも、イベント参加の魅力です。
ロールモデルになる人物が見当たらないと感じる人は、新たな出会いを能動的に生み出してみるのもおすすめです。
③複数人を掛け合わせた「モザイク型ロールモデル」を採用する

自分にとって理想的な1人が見つからない場合、「モザイク型ロールモデル」を採用するのもおすすめです。
モザイク型ロールモデルとは、複数の人物のお手本にしたい側面を切り取ってつなぎ合わせ、架空の人物を作ってロールモデルにする方法です。モザイク画を作るようにしてロールモデルを作り上げることから、モザイク型ロールモデルと呼ばれます。
この方法のメリットは、以下の3つです。
モザイク型ロールモデルのメリット
- ロールモデルを1人に絞る必要がない
- 真に自分にとって理想的な1人を作り上げられる
- 自身とロールモデルのギャップに苦しむリスクを下げられる
社内の人物を業務面のロールモデルに据え、考え方や行動原則は社外の人物を参考にするといった、柔軟なロールモデル設定ができるのも、モザイク型の大きな魅力です。
ロールモデルの見つけ方を活用して理想のキャリア形成を実現しよう
この記事ではロールモデルの具体的な見つけ方やそのメリット、活用法や注意点などを網羅的に解説しました。解説した5つのステップを参考にすれば、理想的なロールモデルを見つけ、キャリア形成や業務改善などに活かせるでしょう。
初めての人にとってロールモデル探しは困難に感じられるかもしれません。そんな人は、ぜひ3つの注意点やおすすめの対処法、アドバイザーのコメントを参考にしてみてください。
自分に合ったロールモデルを見つけ、理想のキャリアを描きながら志望企業への就活成功につなげましょう。
アドバイザーコメント
郡山 かおり
プロフィールを見るロールモデルのキャリアや価値観を踏襲して自分らしく成長しよう
ロールモデルを見つける際のポイントは、自分が尊敬する人のキャリアや価値観を観察することです。
彼らがどのような選択をし、困難をどのように乗り越えたのか学ぶことで、失敗を恐れずに自分らしいキャリアを描くヒントになるでしょう。
また、自分に合ったロールモデルを見つけることは、具体的な目標やビジョンを持つ助けとなります。彼らの行動や思考が、キャリアの指針となり、どのような方向に進むべきか迷ったときに、進むべき道を示してくれます。
成功や失敗のストーリーは、自分らしいキャリア形成の手がかりとなり、自信が持てないときには勇気づけ、挑戦する力を与えてくれるでしょう。
毎日挑戦を繰り返して自分らしいキャリアを築くためにロールモデルは有効
理想に近づくための一歩を踏み出すために、ぜひロールモデルを見つけてみてください。彼らの経験は、未来を切り開く力となります。
自分らしい未来を描くためには、自分自身で道を切り開いていかなければいけません。怖くても挑戦し続けることで、自分らしいキャリアを見つけることができるはずです。
毎日の積み重ねが未来につながっています。自分らしいキャリアを描き続けていきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー
記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細Office KAORI代表/キャリアコンサルタント
Kaori Koriyama〇キャリアアドバイザーとして高校での進学・就労支援、理系大学や専門学校での就職活動支援に従事。就活マナーやメンタルヘルスに関する講座を実施。新入社員研修や自治体研修も担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細