この記事のまとめ
- 「仕事が楽しくない」は負の連鎖の始まり
- 仕事が楽しくないときには対処法を3ステップで考えよう
- いきいきと働くために現状と理想のギャップを明確にしよう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
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「仕事って楽しくない」「つまらない」と、社会人であれば誰しもが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。とは言え仕事は簡単に辞められるものではなく、むしろ続けなくてはならないと考えている人が多いと考えられます。
仕事は1日の少なくない時間を占めるだけでなく、経済状況、社会的立場、人間関係、将来設計など、日々の幸福度に大きな影響をもたらします。せっかくであれば、いきいきと健康的に、楽しく働きたいですよね。
この記事では、キャリアアドバイザーの有馬さん、降幡さん、小峰さんとともに、仕事が楽しくない、つまらないと感じたときの対処法を解説します。仕事に対するポジティブな気持ちを持ちたい人、仕事をつまらなくさせる原因を解消したい人はぜひ参考にしてください。
仕事が楽しくないときは「なりたい自分」を明確にすれば対処できる
朝起きた瞬間に「今日は出勤日か」と気が重くなったり、仕事中に「何だか退屈だな」と不満を抱いたとしても、「なぜ出勤が憂うつなのか」「どうして今の業務が退屈なのか」を考えることは案外少ないのではないでしょうか。または、原因がはっきりしていても自分ではどうにもできない問題だからと諦めてしまっている人もいるかもしれません。
しかし、ともすれば長い社会人生活です。仕事とは上手に無理なく付き合いたいですよね。
この記事では、仕事を楽しくないと感じさせる原因の探し方や、原因への対処法などを解説していきます。不満や悩みの原因がはっきりするだけでも気持ちが晴れやかになるのではないでしょうか。また、わかっている課題への明確な行動がわかるため、実践に移しやすくなります。
原因究明から解決、そして前向きに働くための考え方までを行動ベースで紹介していくので、仕事がつまらないと感じる人はこの記事を読み、原因を解消し、いきいきと健康的に働く自分に向かっていきましょう。
仕事や出勤がつらく、追い詰められていると感じる人はこちらの記事をぜひ参考にしてください。精神的な苦痛に対する実践的な対応を解説しています。
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仕事が楽しくないのはダメ? 負の感情を放置する危険をプロが解説
「仕事はつまらなくても仕方がないのでは?」「そもそもお金のためにやっているのだから割り切らないと」と思う人もいるかもしれません。しかし、1日8時間勤務する場合、仕事の時間は1日の3分の1を占めます。通勤や休憩を含めればそれ以上の時間を仕事に費やしていることになり、長ければそのような日々が40年以上も続きます。
ともすれば人生の半分近い時間を「楽しくない」「つまらないな」と感じながら過ごすことになりかねません。そのような状態では日々の生活に張り合いを感じられないことは想像に難くありません。実際にどのような影響が起こりうるか、キャリアアドバイザーの小峰さんに聞いてみました。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る「仕事が楽しくない」のは順調な成長ができていないから
仕事が楽しくないという気持ちが続いている状態というのは、言い換えるとあまり成長していない状態とも言えるかと思います。仕事というのはその経験を積み重ねることにより、能力やスキル・人脈などのリソースが培われていきます。
ただ、それを楽しくないと感じながらやっている人と楽しくてやりがいを感じながらやっている人では、その成長に大きな差が出るでしょう。期間が長くなればなるほどそのリソースにも大きな差が付いてしまうので、将来のキャリアにまで悪影響が及ぶかもしれません。
仕事のやりがいを汲み取り成長につなげることで楽しさを見いだそう
仕事が楽しくないと感じている人は、「ルールどおりにやっていれば良い」「言われたことを早くこなせば良い」といった受け身の姿勢で仕事に取り組みがちです。そうなると仕事の質も悪くなり、生産性も向上せず、成長もしないので評価も上がらない、といった負の連鎖にはまる恐れがあります。
そのため、たとえ仕事が楽しくないと感じていても、今の仕事に意味や価値を感じ取り、主体的に取り組むことで自分の成長につなげていけるようになりたいですね。一歩ずつでも成長を感じられるようになることで、いつの間にか仕事が楽しくなるかもしれません。
仕事によるストレスがすでに耐えがたい段階まで来ていると感じる人はこちらの記事も参考にしてください。
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あなたが受けない方がいい職業を確認してください
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仕事が楽しくない人が陥りやすい負のスパイラル
仕事が楽しくない人が陥りやすい負のスパイラル
- 能力を発揮しきれない
- 結果を出せず評価が上がらない
- 望むキャリアを築けない
- 周囲と比較して精神的に追いつめられる
仕事をお金や社会的な立場のためのものと割り切ることは間違いではありません。しかし、仕事に対して否定的な感情を抱いたままモチベーションを保つことは非常に困難です。モチベーションが下がったまま仕事を続けると、もともとの目的であるお金や立場を失いかねないどころか、心身の健康状態にまで悪い影響がおよび、休職や退職を選択せざるをえない状況に至る恐れもあります。
モチベーションの低さが具体的にどのような連鎖反応を生じさせるかを追っていき、モチベーション維持の必要性を確認していきましょう。
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①能力を発揮しきれない
第一に、不満や憂うつさを感じたままでは目の前のことに身が入らず、集中力が低下し、注意力も散漫となり、業務の生産性向上は見込めません。そこから生産性を回復させる画期的なアイデアが浮かぶ可能性も低いでしょう。
業務に気乗りしない状態、または業務が停滞したために追い込まれた状態では、広い視野を持つことは難しいです。アイデアのほとんどはゼロから生まれるのではなく、多くの情報をヒントとして創出されるものです。視野が狭まったままではあなたが本来持つ能力・スキルは発揮の機会を喪失してしまいます。
当然、保持しているスキルを磨いたり、新しいことを勉強する意欲も湧かないため、状況の改善はなかなか見込めません。
気乗りのしない業務に悶々と時間を使うよりは、割り切って考えて気持ちを切り替えた方が成果が出ることもあります。ただし、割り切った考え方が効果を発揮するのは一時的です。長く続く仕事を乗り越えるための根本的な解決にはなりません。
②結果を出せず評価が上がらない
本来の能力を発揮しきれないことで実績が上げられず、周囲からの評価が得られないことも想定されます。
結果がすべてではないにしろ、評価基準の一つであることは間違いありません。人事考課で低い評価を下されると仕事に対するモチベーションは下がってしまいます。人事考課の結果は賞与額や昇降格に直結するため、仕事によって得られる見返りも少なくなります。
また、会社側による制度的な評価でなくとも、業務の停滞や質の低下が社内外の人からの評判を落とすことも想定されます。特に顧客との関係は業績を大きく左右します。職場の人との関係悪化ないし関係の希薄化も、業務の進行を阻害する可能性をはらむうえ、職場に行きたくないという気持ちを高める要因になります。
企業とは、社会が必要とする商品やサービスを提供する営利組織です。社会への貢献や価値の共有、共創といった責任もともなっているので、恒久的な存続が求められます。それゆえに適正な利潤が必要であり、結果を出すことが重要視されるのです。
- 人事考課ではどのような項目が重視されますか?
会社への貢献度と社内での行動傾向がおもな評価対象
人への評価にはさまざまな観点がありますが、会社のビジョンや経営目標に対する実績は多くの会社で重視されています。たとえば、売上や利益率など業績に関する目標達成度などですね。
あとは、その企業の風土や文化に基づいたコンピテンシー(行動特性)なども重要になるでしょう。たとえば、リーダーシップや外部との連携、主体性や影響力などです。
自社で評価される姿勢・行動については、上司が自分にどんな行動を期待しているか、という視点で考えてみると良いでしょう。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
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③望むキャリアを築けない
実績を出せず、周囲と良好な関係を築けていない状況では、将来像があったとしてもその道を進む機会さえつかめないかもしれません。
たとえばマネジメント人材、つまり会社の中核を担う人材としてのキャリアを築くには、実績に加えて対人能力も欠かせません。複数の部下の教育をおこない、加えて自身の上長とも連携しながら組織としての業績構築をする立場です。これらを実行するには適切な関係構築を主導できる手腕が必要になりますが、仕事へのモチベーションが低く、結果を出せない人はこのポジションに就けません。
あるいは、やりたい業務が別にあり、その部署への異動を願い出たとしても、「この人は環境の変化に対応しながら新しい業務を覚え、成果を出す努力ができるか?」と再現性を測られます。つまり現在の部署での働きぶりが異動の可否に影響するのです。
転職も同様です。たとえ興味のある仕事を見つけたとしても、「私は組織に貢献できる人間です」と主張するための材料が必要になります。面接官もまた、応募者が自社にどれだけ貢献してくれそうかと、その人の熱意や仕事の再現性を見極めようとしているため、自分の魅力と志望度の高さを伝えるための材料を持っていることは絶対条件です。
自分がどう働いてどう生きていきたいか、自分主体のキャリアを考えられないと、変化の激しい現代の中で適応していくことはできません。
終身雇用も崩壊した今、受け身な姿勢の人材は企業からも必要とされなくなります。
④周囲と比較して精神的に追いつめられる
モチベーションが低下したままくすぶっているうちに、同期や後輩が自分よりも先へ進んでしまうとますますプレッシャーになります。
「同期がいつの間にか自分より上の役職にいる」「仲の良かった同輩が重要なプロジェクトにアサインされた」「自分より2年もあとに入社してきた後輩に業績を抜かれた」とつい自分と周囲を比較しはじめてしまうと、それは簡単に止められるものではありません。
さらには、ほかの人が「あなたの同期のあの人はあんなに頑張っている」などと言うこともあるでしょう。その人にとっては世間話のつもりや、あるいは発破をかけるつもりだったのかもしれませんが、もし気落ちしているときにそんなことを言われればますますぐったりしてしまいます。
精神の疲れは肉体にも響きます。体力の低下や体調不良を抱えることで仕事のパフォーマンスはいっそう落ちていきます。うつ病をはじめとする精神疾患を引き起こす可能性があるため、このスパイラルからは早急に脱出する必要があります。
やりがいを感じていきいきと仕事をしている人は、その活力で物事を前向きに考えられるため、得てしてプライベートにも好循環が起きるものです。
そうした人達は、仕事だけでなく休日も充実していることも多いので、自分と比べてしまうとますます落ち込んでしまうことになりかねません。比較はほどほどに。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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段階的に悩みを解消しよう! 仕事が楽しくないときに考えるべき3ステップ
段階的に悩みを解消しよう! 仕事が楽しくないときに考えるべき3ステップ
- 仕事を楽しめていない原因を洗い出す
- 仕事を楽しんでいる自分の姿を想像する
- 理想と現実のギャップを解消できる手段を見つけ出す
仕事に対して不満を抱えたままでは、仕事での張り合いを感じられないだけでなく、私生活にまで悪い影響が及ぶ可能性があります。事態の悪化を防ぐためにも一刻も早く、かつ少しずつでも悩みに対処していく必要があります。
とはいえ、「仕事が楽しくない」では悩みがぼんやりとしていて解決策を考えにくいですよね。
ここでは悩みを解消できる行動を導き出すための3ステップを解説します。行動にかかる前に、行動を取るために押さえておきたい基本的な考え方を理解しておきましょう。
①仕事を楽しめていない原因を洗い出す
原因がはっきりしないことには対処法を考えることができません。まずは仕事上の不満の根源を見つけ出すことが大切です。のちほど仕事を楽しくないと思わせる原因の例をカテゴリ別に合計11個例示するので、それらを見ながら原因を探っていきましょう。
また、仕事全体に漫然と悩みがあり、かつ解決に動き出せていない状況であれば、悩みの原因が複数あるせいでどこから着手すべきなのかわからなくなっている可能性もあります。悩みとその原因をはっきりさせるだけでもストレスを軽減できますよ。
漫然とした悩みや不満がある場合というのは、自己理解が不足しているケースが多いです。
自分の興味・価値観・適性・能力などの観点が言語化できていないと、自分が理解できないので原因も漫然とします。逆に自分自身を理解できると、悩みの原因も明確になるので気持ちも軽くなります。
②仕事を楽しんでいる自分の姿を想像する
仕事を楽しめていないとき、「もしこんな環境だったらもっとやる気に満ちていただろうに」「あんな業務だったらやりがいがあっただろうな」などと想像することはありませんか? その「もしも」を突き詰めていくことで、自分の理想像を可視化できます。
理想のあなたはどのように働いているでしょうか。いずれにせよ「今日は仕事を頑張ったな」と前向きな気持ちで一日を終え、「今日も頑張ろう」と明るく一日を始められることが理想的ですよね。ポジティブな気持ちで仕事に臨むためには、あなたにとって何が大切なのか、じっくりと考えていきましょう。
実際に仕事を楽しめていると思う人を見つけてみてください。
その人を見てなぜ仕事を楽しめていそうだと思うのか、自分と何が違うのかを考えてみると、自分が大切に思う楽しさに気づき、楽しんでいる自分を想像できます。
原因と同様、目指す先がわかっているか否かは行動へのつなげやすさに大きく関係します。のちほど理想像を可視化するための具体的な方法も紹介していきますが、現状と理想像の明確化が行動計画の立案のために絶対不可欠であることは押さえておきましょう。
仕事や職場へのネガティブな気持ちが拭えない人は、仕事が楽しくないと感じる要因がどこにありそうか内省してみると良いかもしれません。
たとえば、「その業界や製品に興味を感じられない」「組織風土における価値観が合わない」「仕事の性質に向いてない」「能力的な成長が感じられない」などが考えられます。
楽しさの意味合いも人それぞれなので、自分が楽しいと感じる観点はどこにあるのか、自分に問いかけてみると良いでしょう。
③理想と現実のギャップを解消できる手段を見つけ出す
最後に、現状と理想像のギャップを解消する手段を探しましょう。両者の差を埋めるための具体的な行動、つまり行動計画の中身に相当します。
仕事が楽しくないと感じたときの対応策としてしばしば転職が挙げられますが、昨今では珍しくないとはいえ、ヘビーな選択であることには違いありません。転職以外にも仕事が楽しくないという状況を打開する方法はたくさん考えられるので、自分の理想と現実のギャップに合うものを考えていきましょう。
原因と目標さえ明確になれば、現在の職場でも目標はかなえられるのではないか、課題を解決できるのではないかと現状を前向きにとらえ直すことができる可能性も十分にあります。
以上の3ステップが仕事が楽しくない現状から脱却し、いきいき働く自分になるための基本的な考え方になります。最初にスタートとゴールを決めておくことで、過程を考えるときにも迷いがなくなりますよ。
アドバイザーコメント
降幡 美冬
プロフィールを見る自分にとって「楽しい」の共通点を探し出そう
どのような仕事であれば楽しいのか、現在楽しくない原因は何なのかについて、すぐに言語化できる人ばかりではありません。そんなときは楽しかった経験を思い出すワークを提案して、本人にとっての「楽しい」に共通する事項を探してもらっています。
なかには「楽しかったことなんて一度もない」と答える人もいます。仕事でもプライベートでも幼少期でもです。そうなった場合に次にやってもらうのは、リアルタイムで感情の上下をグラフにすることです。感情の動きがまったくない人はほぼいないと思います。
たとえば、仕事をするなかで「お客様と話す↑」「メール作成↓」「資料作成↓」「会議の運営準備↑」のように、細かい感情の動きに焦点を当てていきます。
1日の感情の変化をグラフ化すれば、そのパターンをつかむことができ、楽しくないなかでも感情が上向きになるタイミングがあることに気付くはずです。
感情の上がり下がりのパターンをつかんで活用していこう
「『会議の運営準備』がほかの業務よりはマシだとしたら、具体的にはどの部分が自分に合っているのだろう」とさらに掘り下げることで、やりがいや楽しいと感じる種を見つけることができた事例があります。種が見つかれば、次はそれをどう活かすかを考えていけば良いのです。
まずは仕事が楽しくない原因を突き止めよう
まずは仕事が楽しくない原因を突き止めよう
- 仕事でマイナスな感情になったことと理由を書き出す
- 日頃から不満に思うことを整理する
- 仕事が楽しくないと感じやすい例から探す
悩みやモヤモヤとした不満を抱えたままの状態そのものがストレスなので、原因を突き止めるだけでもすっきりします。日々の仕事のなかで抱く気持ちに一歩ずつ踏み込む作業です。身構えすぎず、日常の一部としておこなっていくことをおすすめします。
仕事が楽しくない原因の探し方として3つの手法を紹介するので、あなたにとって着手しやすいもの、取り入れやすいものを見つけて実践していってください。
原因を考える前に少しでも心を休めたいという人もいるかもしれません。こちらの記事ではネガティブな気持ちを和らげ、そこから抜け出すためのアクションについて解説しているので、参考にしてください。
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仕事がうまくいかないあなたに|状況別の対策と心を休めるコツを解説
「仕事がうまくいかない」と悩む人は多いものです。この記事ではキャリアアドバイザーがうまくいかないときの対処法とメンタルを保つコツを解説します。解決できないときの選択肢や注意点も紹介するので、一緒につらい状況を乗り越えましょう。
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仕事でマイナスな感情になったことと理由を書き出す
仕事中に悩みやモヤモヤした気持ちが発生したら、その状況や理由、そのときに思ったことを率直にノートへ書き出していきましょう。これはエクスプレッシブ・ライティングや筆記開示法と呼ばれる思考整理法で、気持ちを書き出す行為そのものがストレス解消になるだけでなく、自分の感情を客観的に見つめることができます。
エクスプレッシブ・ライティング
ストレスやトラウマに向き合うセルフケアの一手法。1986年にアメリカの社会心理学者ジェームズ・ペネベーカーが発案した。日本語訳として筆記開示法という呼称が用いられる。1回20分程度、決まった時間に継続的におこなうことが一般的に推奨されている。
他人に見せるものではないので、自分の感情に素直になることが大切です。振り返りやすいよう、日時も一緒に記しておきましょう。問題解決のための材料をそろえられるという意味でも有意義なのでおすすめです。
感情を書き出すという手法においては、自分の内側にあるモヤモヤを外へ出して言語化することがとても重要です。
なぜなら、言語化することによって、自分のあいまいな気持ちを明確にしたり、客観的・俯瞰的に内省できるようになるからです。なので、スマホのメモや隙間時間で書き溜めていくこともその手段として、有効であると思います。
日頃から不満に思うことを整理する
日頃の不満の例
- メールの返信が遅い
- 緊急の会議が入った
- 商談の約束を当日の朝にキャンセルされた
→自分の立てたスケジュール通りに事を進められないと不満が溜まる
日常的に感じている不満もこの機に洗い出していきましょう。先に紹介した、悩みやネガティブな感情をノートに書き出すエクスプレッシブ・ライティングと同じ要領です。
頭の中を整理すること自体がストレス解消や苛立ちを鎮めることにつながるうえ、自分の不満を客観視するとイライラしやすい状況の傾向などが見えてきます。例に挙げた不満からは「自分の立てたスケジュール通りに事を進められないと不満が溜まる」という傾向がうかがえます。
自分にとって不満が溜まりやすい環境・条件を自覚できると、対処そのものを冷静におこなえるようになるだけでなく、今後そういった状況に身を置かないための予防措置を検討する際にも役立ちます。
- 私生活での不満も書き出した方が良いですか?
私生活の不満にも価値観が反映されるので書き出すべき
私生活で感じる不満にも自分の考え方の癖や大事にしたい価値観が表れているので、自分の気持ちの波に気づくためには、私生活での不満も書き出していくべきです。価値観は仕事への姿勢にもつながります。
また、気持ちや考えだけでなく、私生活で不満を感じる場面に仕事そのものが影響していることもありえます。
たとえば「休日に趣味の時間が取れない」ことの原因は仕事の忙しさかもしれません。「自由に使えるお金が少ない」ことの原因が仕事の報酬の低さにある可能性も考えられます。私生活の不満に目を向けることが仕事における課題に気づくヒントにもなるのです。
仕事が楽しくないと感じやすい例から探す
これまで紹介した2つの手段は自分の思ったこと・感じたことを言語化するものでした。一方で言語化が苦手、または言葉や文章にする余裕がない人もいるでしょう。そういった人は具体例を参考にして自分の抱えるモヤモヤの正体をつかんでいくことがおすすめです。
ここからは仕事が楽しくないと感じやすい11の例を、「原因が自分にある場合」「原因が会社や職場にある場合」に分けて紹介していきます。「無性にモヤモヤするけれど、何にそう感じているのかうまく説明ができない……」と思った人はぜひ下の例を活用してください。
原因が自分にある場合の例
原因が自分にある場合の例
- 業務が性格と合っていない
- 業務にやりがいを感じない
- 業務の目的がわからない
- 業務の負荷が大き過ぎる
- スキルが足りず結果が出せない
- 自己成長を感じない
- ほかにやりたい仕事がある
仕事を楽しく感じられない原因が自分にある場合、対処も一人から少人数でできることが多いです。そのため比較的解決しやすい部類の課題といえます。
しかし、自身の性格や価値観などの内面部分にかかわる問題でもあるため、自分自身がその課題を受け入れられないこともあれば、他者に相談しづらい、または他者からの理解をなかなか得られないといったネックも考えられます。
上記の例を下敷きにしながら、自身が直面している課題を深く掘り下げていきましょう。
ストレスが多い人に見られる傾向として「自分だったらこうするのに」「普通はこうするべき」など、自分の価値観で他者を測ろうとすることが挙げられます。自分の思った通りに相手が行動しないために、ストレスを感じてしまうのです。
自己理解と他者理解を進め、考え方やものの見方は皆が同じではないことを認識することが重要です。
原因が会社や職場にある場合の例
原因が会社や職場にある場合の例
- 企業風土・人間関係が合わない
- 業務量が多い・拘束時間が長い
- 労力に合った見返りがない
- 業務フローの効率が良くない
- 成長体験を得る機会がない
- 相談できる相手や環境がない
- ハラスメントなどの問題が発生している
仕事を楽しく感じられない原因が会社や職場といった環境面にある場合は、対処には時間や部署連携、ともすれば全社的な動きが必要になってきます。自力解決は難しいでしょう。
しかし、原因が自身にある場合と異なる点として、第三者からも問題点を指摘しやすいことが挙げられます。つまり、他者の手を借りやすいのです。
仕事が楽しくないと感じる原因が自分の手の届く範囲にあるのかそうでないのかを明らかにすることで、その後の動き方に大きな違いが生じます。まずは上記の例を参考にして、現状の問題が何に起因しているのかを明らかにしていきましょう。
- 環境に問題があったとして、会社側はそれを認めて解決に乗り出してくれるものでしょうか?
会社は環境による社員のモチベーションの上下を注視している
会社の環境に問題があると経営側が認知すれば、何らかの対策を講じるでしょう。
今の時代は少子高齢化や転職の活性化などが急速に進んでいて、会社は社員に選ばれ続けることが難しくなっているからです。
環境面の不満というのはエンゲージメントやモチベーションの低下として即座に表れ、生産性の低下や離職の増加にもつながりやすいです。
そのため、環境面の問題というのは近年より重要視されるようになってきています。
どんな状態なら仕事が楽しいと感じるのか自己分析しよう
どんな状態なら仕事が楽しいと感じるのか自己分析しよう
仕事が楽しくない原因を明らかにした次には、もっとこうなりたい、こうあってほしい、そういった自身のなかに眠る欲求を掘り起こして、理想の自分や理想の環境を追求していきましょう。つまりは自己分析です。学生時代の就活以来おこなってこなかったという人もなかにはいるのではないでしょうか。
今回は社会人経験を経ての自己分析になります。会社や組織、仕事に対する自身のスタンスなどが学生時代よりも明確になった状態なので、より豊かな情報をもとに分析を進めることが可能でしょう。ここでも複数の手法を紹介するので、自分に合った分析方法で実践してみてください。
そもそも自己分析がどうして重要なのか? と悩む人はこちらの記事を参考にしてみてください。おもには学生向けの記事ですが、自己分析の基礎情報が網羅されているので、基礎から復習したい人におすすめです。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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①楽しくない原因から転換させる
たとえば、「常に挑戦が求められてルールも変動しやすい環境」が苦手だから「定型的な業務が多くルール変動の少ない環境」に移動しよう、といった具合に、現在の状況を前向きに転換していきましょう。
あるいは、「この1年間で自己成長を感じられなかった」から「成長の証しとして褒められたことやできるようになったことを毎日書きためよう」といった工夫も、日々の仕事を前向きにとらえる手段として手軽に始められます。
自分の理想の条件を客観的に見て整理することに意味があるので、理想はすべて書き出しましょう。
そうして見直すと、「これは簡単に改善できそう」と思える条件や、逆に「ここまでは必要ないな」と思う条件が混ざっていることに気づくので、かなうかどうかは一旦考えず、まずはすべて洗い出してみましょう。
②モチベーショングラフで波が高いところをピックアップする
いきいき働く自分が思い浮かばない、という人はモチベーショングラフなどのフレームワークを活用しましょう。
モチベーショングラフとは、これまでの自分がモチベーションを高く保てたとき、はたまたモチベーションが下がったときを洗い出していく自己分析のツールです。これまでに自分が積極的に物事に取り組んだ状況を振り返り、現状と比較していくことで理想像のヒントを得られます。
波が高いところを深掘りすることで、自分にとってやりがいや張り合いを感じられる条件を探ることができます。反対に、波が低いところを深掘りすることで、やる気が下がりやすい条件を発見することもできるので、環境改善に役立てることができます。
「学生時代に部長を務めていたときは大会の成績とは関係なしに主体的な活動ができていた」ものの「現在は雑務ばかりでやる気が湧かない」という状態が可視化された場合、ポイントは責任感だと仮定できます。「自分の仕事に責任感を持って働く」「リーダーとして人を導く存在でありたい」といった理想像が見えてきます。
キャリアとはあなたが歩んできた人生そのものを指します。そのため、社会人以前と以降で認識を分ける必要はないと感じます。全体を見ることで、興味関心に一貫性が見つかるかもしれません。
ただ、具体的なエピソードを出す際には、社会人以前と以降とで区切ると思い出しやすいかもしれません。
モチベーショングラフについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、興味のある人はぜひ参考にしてください。
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自己分析に有効な手法としてモチベーショングラフがあります。モチベーショングラフは適切な書き方や活用方法を知らないと、就活にうまく活かせません。この記事ではキャリアアドバイザーがモチベーショングラフで自己分析を極める方法を解説します。
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③人から評価された行動を振り返る
自分がこれまでの成果に対して何を思うかも重要ですが、他者からの意見・評価も大変貴重です。
あなたがいきいきとしている、あるいは成果物のクオリティが高いなどと第三者が思ったということは、たとえあなた自身に自覚や手応えがなくとも、言及された点はあなたの得意分野である可能性が高いです。周囲からの評価はモチベーションに大きく影響します。
理想を追いかけることと並行してあなたの得意なことを洗い出すことで、より働きやすい条件を導き出せます。
- 社会人になってから人に褒められたことがありません……。
自分自身で努力や成果を認めるところから始めよう
会社の風土にもよりますが、社会人になると仕事上のコミュニケーションが主体になります。「仕事はできて当たり前」という雰囲気になると、感謝されることはあれど、褒められる機会は減ってくるでしょう。
ただ、あまりにも環境や他者に影響されていると自信を持つことが難しくなり、自立したキャリアも築けなくなってしまいます。
なので、まずは小さいことでも自分自身でやることを決め、やりきったときに自分を褒めたり、労ったりすることを意識していくと良いでしょう。
自分で自分を認めることが自己肯定感を高め、小さな成功体験を積むことにより自信も付いてくると思います。
④ストレスフリーでできることを洗い出す
楽しんでいるときはストレスを感じません。やる気や充実感に満ち、積極的に物事に取り組んでいるはずです。
そうであれば、仕事のうちでもストレスを感じない業務を洗い出せれば、共通項からあなたにとって楽しいと思える仕事や環境を見つけることができるはずです。
たとえその業務に対して積極性に満ち満ちるほどの楽しさを感じていなくとも、理想を追求する一つの手段として、あなたがストレスなくできることや、精神的な負荷が最小限になる状況・条件を整理しましょう。
業務とは違うストレスフリーなことを探すのも一つの手です。
机の上を整理する、簡単なストレッチをする、お気に入りのコーヒーを入れるなど、仕事と関係ないことを習慣として取り入れて思考を切り替えることも効果的でしょう。
⑤現在の興味関心がどこにあるのかをメモリーツリーで探す
メモリーツリーとは、頭のなかの情報を地図のように可視化するフレームワークです。1つのテーマから単語や絵、写真など、連想したものを放射状に広げていくことで、自身の関心の偏りや思考傾向をたどることができます。
先に紹介したモチベーショングラフと異なるのは、過去との比較ではなく現在のあなたの視点で物事を俯瞰している点です。上記の例では時間軸もツリーに書き込んでいますが、最初から時間軸まで考える必要はありません。連想できるままに書き込んでいき、そのあとに情報を整理しましょう。
「今の自分が何をしたいのかがわからない」「何にもやる気が湧かない、興味を持てない」と感じている人は、多忙や疲労によって自分自身を見失っているのかもしれません。考えを整理するだけでもストレス解消になるうえ、自由度の高いフレームワークなので感覚的に進められるのもポイントです。
自分にとって楽しいこと、やりがいを感じること、反対に苦手だったり気乗りしないことを一度すべて書き出してみましょう。自分の興味関心の方向性を可視化できると、「自分が楽しいと感じることにはこんな共通点がある」「今の仕事に気分が上がらないのはこのポイントを満たせていないからだ」と客観的に考えることができます。
自身の興味や関心を可視化することで、次のワードの連想がしやすくなり、思考も広がります。また漠然とした不安や課題も整理されるメリットがあります。
ただ、連想が広がりすぎてワードが多くなってしまった際には、自分一人ではその関連性や意味づけ、一貫性が見つけにくくなるデメリットもあります。
モチベーショングラフは、いまの環境でなかなかやる気が起こらなかったり、やる気が続かない人に向いています。自分自身がどんなことで動機づけされるのか、その条件が明確になるからです。
またメモリーツリーは、今の仕事に興味が持てない人に向いています。自分という人間がどんなことに興味関心があるのか、客観的・俯瞰的に理解できるようになるからです。その両方の観点において重なることがわかると、楽しく過ごせる環境や仕事がより見えてくるかもしれませんね。
現役社会人に聞いてみた! 仕事が楽しいと感じるのはどんなとき?
ところで、現在仕事を楽しいと感じたり、やりがいを覚えている社会人はどのような瞬間にそう感じるのでしょうか?
仕事をつまらなくさせる原因と理想のギャップを埋めるための方法を考える前に、一度今まさに仕事を楽しんでいる社会人の意見や実体験について聞いてみましょう。体験談を聞くことで、理想像がより明確になることが期待できます。
反対に、こちらの記事では現在キャリアのプロとして働いている専門家が仕事上で落ち込んだ際の体験談を聞いています。その悩みや失敗をどう乗り越えたか興味のある人はぜひ読んでみてください。
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有馬さん:「自分で裁量を持って臨むことができる仕事は楽しい」
有馬さんは大手人材紹介会社にて転職者や若者、女性のキャリア支援を約5年間担当していました。その後、IT企業の採用責任者を経て、現在は幅広い世代の社会人のキャリア支援・就職支援をおこなっています。
実際に有馬さんに話を聞いてみたので、仕事に楽しさを見つけるための参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
有馬 恵里子
プロフィールを見る自分の創意工夫が結果として返ってくる仕事は楽しい
私は自分で裁量を持って仕事ができると楽しいと思います。営業の仕事をしていたときに、先輩社員が同行しての商談は窮屈で、先輩に言われた通りにやらなければ……と変なプレッシャーを感じていました。自分で判断ができないのも悔しかった記憶があります。
一人で営業するようになってからは、うまくいかなくても提案の仕方を変えたり、定期的に連絡をしてお客様との関係性を作ったり、トラブルがあっても解決することでまた信頼が得られたりと、自分のスタイルで動けるようになったので、自分で考えて行動したことが結果になって戻ってくるということに楽しさを感じられました。
気が進まない仕事も工夫次第で楽しく乗り越えられる
一度、100社ほどの顧客リストにひたすら営業するという気乗りのしない仕事をしたことがありましたが、裁量を持って仕事ができると楽しめるということがわかっていたので、仕事の進め方は一任してもらいました。
どの企業からコンタクトするか、注力企業をどう分けて、いつコンタクトするか、反応がもらえたらどうつなぐか、自分で工夫しながら進められたので、始めてみたら案外楽しめた、という経験もあります。
降幡さん:「仕事にやりがいを感じるのは人に褒められたり感謝されたとき」
降幡さんは23年間の企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして独立しました。現在は企業にて採用・育成コンサルティングや研修などを担うほか、個人向けの就職支援セミナーやキャリア相談もおこなっています。
そんな降幡さんに仕事のやりがいについて話を聞いてみたので、仕事に張り合いを感じたい人は参考にしてくださいね。
アドバイザーコメント
降幡 美冬
プロフィールを見る仕事に行き詰ったときこそ自分のやりがいを見つけるチャンス
仕事が順調にいっているときには特に楽しいと感じたり、やりがいを感じたりした覚えはありませんでしたが、いざ楽しくないと思い始めたときは自分を見つめ直す良い機会となりました。
「なぜ今は楽しくないと感じるのか」と考えてみたところ、私の場合は周囲から褒められたり感謝されたりすることが仕事の動機づけになっていたと気づいたのです。自分が褒められるより褒めるべき立場になったことでその機会が減ったためだと、仕事へのモチベーションが低下した原因も見えてきました。
原因がわかれば納得もできますし、受け止め方も変わります。社内の状況は変えられませんが、顧客から感謝される機会はあったので、意識を社外にも向けるよう心掛けることもできました。
意識次第で仕事への向き合い方や張り合いも変化する
また、楽しいと思えなかった仕事を楽しいと感じるように工夫するのも自分次第です。
私は、システム上で何百枚と見積をコピーして修正する業務を、退屈だと感じていました。そのときはいかに早く正確に処理できるか、時間を計るタイムアタックをすることにしました。少しずつ早くできるようになる自分の成長が面白くもあり、手際も良くなり、一石二鳥で楽しくなったのを覚えています。ゲーム感覚を取り入れることもおすすめです。
小峰さん:「仕事が楽しい瞬間はその仕事にワクワクしている」
小峰さんは大手電機メーカーにてシステムエンジニアとして従事しながら、若手層の人生や成長を支援するためにキャリアコンサルタントの資格を取得しました。現在は、会社でのマネジメント・コーチング経験を活かし、社内研修やキャリア支援も担いながら、コンサルティングや自己分析支援をおこなっています。
どんなときに仕事を楽しいと感じるのか、実際に小峰さんにその瞬間について聞いてみました。仕事へのモチベーションを見失ってしまっている人はぜひ参考にしてください。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る自分のアイデアに形を持たせていくときにはワクワクする
私が仕事をやっていて楽しいと感じる瞬間は、やはりやっていてワクワクするときですね。たとえば、誰もやっていないことや難しい課題にトライして、自分なりのアイデアやアウトプットを創っているときは、それがどんな形になっていくのかワクワクします。
後は、仕事にやりがいを感じる瞬間というのはそれとはまた違っていて、やったことに対して相手から感謝の言葉や賞賛をもらったときには「やって良かったなぁ」と感じることが多いです。
たとえば、顧客の問題や課題を聞きながら、信頼関係を築きつつ本音を引き出し、本当の悩みに対して対策を提案したり支援したりして、根本的な解決が得られたときなどでしょうか。心からの感謝の言葉をもらえるととても嬉しいです。
仕事にどう意味づけをできるかで向き合い方が変わる
また、楽しくなかったことが楽しく感じるようになった経験としては、将来のキャリアビジョンや理想のありたい姿が見えてきたときに、今の仕事がつまらないと感じていても、それが将来につながることだと意味付けできるようになったことが大きいです。
楽しいというよりは、どんな仕事もしっかり頑張ろうと思えるようになったという経験ですね。
いきいき働く理想と仕事が楽しくない現状のギャップを解消しよう
ここまで、仕事が楽しくない原因と、いきいき働く理想の自分について考えてきました。ここからは両者のギャップを埋めるための解決策を、具体的な行動に落とし込んで考えていきます。
課題を解決するための行動としていくつかの例を紹介していきますが、これらが必ずしも正解ではありません。また、複数の課題がある場合には優先順位をつけて一つひとつ解決していく必要があります。これまでに自身で整理してきた情報をもとに、実際に原因に対処するときの参考としてください。
今の環境でできる! 仕事が楽しくない原因解消のための行動11選
今の環境でできる! 仕事が楽しくない原因解消のための行動11選
まずは現在の環境でも実践に移しやすい行動例を紹介していきます。基本的には自分一人から少人数で可能な対処になっています。
すべてに共通するのは、仕事が楽しくない原因と、自分がどうありたいかの理想像が明確でないと有効な対処はできないということです。しかし、「とりあえず試してみる」というスタンスでおこなえるものもなかにはあるので、いきなり大きな行動に出ることにためらいがあるという人もぜひ手軽なところからチャレンジしてみてください。
①定量的な目標管理:達成感の獲得
現在の業務は結果が数字に反映されないから達成感を感じない、または結果が出るまでに時間がかかるから張り合いを感じられない、といった悩みを持つ人は、独自に数字的な目標を設定することで毎日の業務の達成度合いを確認していくことで、楽しさを見いだせるかもしれません。
目標内容は、とにかく自分が行動すれば達成できるものに限ります。そして設定するとき、期間は短く、数値は少し背伸びをしましょう。
たとえば、1日30件の電話をかけることを目標にした場合、アポイントの獲得率は無関係です。1週間で100件のデータ入力が目標であれば、入力後のフィードバックは目標と関係ありません。とにかく設定した数値分の行動量で判断します。
これだけの行動量が取れた、という達成感は自己満足ではありません。質を追求するにも数は前提であり、数をこなすことは自分だけでなく周囲にとっても最もわかりやすい努力です。
期間は1日から1週間程度で設定しましょう。自分で見通しがつけられる、かつ達成したときないしできなかったときに振り返りを手軽におこなえる期間です。これ以上長くなると、新しい業務やイレギュラーの対処などによって目標設定そのものがうやむやになる可能性が高いです。業務内容によって差があるでしょうが、自分が把握・管理できるスケジュール感で試していきましょう。
- 自分一人で決めた目標を守れる気がしません……。
目標を達成できたときからさかのぼって考えよう
まずは今までに自分が目標を達成した経験を思い出してみましょう。
何がモチベーションになっていたでしょうか。たとえば、できるだけ多くの周囲の人に伝えることで「達成できなかったら恥ずかしい!」と自分を追い込み目標を目指す人もいます。
また「目標が達成後のご褒美」を自ら準備することでやる気を保つ人もいました。
期間や数字をはっきりさせる定量的な目標は、競争や目に見える結果でモチベーションが上がる人には向いているでしょう。一方で縛られることでプレッシャーを感じやすいタイプや、状況に応じて臨機応変に物事を調整したい人には向いていないかもしれません。
自分に合った目標の立て方、モチベーションの保ち方をぜひ探してみてくださいね。
②事業全体の把握:業務の目的を把握・やりがいの発見
自分の仕事がどこでどのように人を助けているのか、あるいは利益を生んでいるのかを実感できない人は、自身のかかわる事業全体へ目を向けましょう。自分が誰に、あるいは何にどのように貢献しているのかを確認することで、モチベーションを取り戻せる可能性があります。
自分のポジションや各業務のつながりが不明瞭なときには、上長や先輩といった、あなたの業務内容を把握している身近な人に質問すると良いでしょう。
会社のホームページ(HP)に採用向けの特設サイトがあるならば、会社のことをまったく知らない求職者向けに各事業部・各業種について説明されているので参考にしましょう。社員インタビューなどから各部署の業務のつながりを把握することもできますね。
上場企業の場合は株主向けにIR資料を開示しています。会社全体の中長期的な戦略などを参考に、自分の所属する組織を経営視点から見る機会を作ることもおすすめです。業務だけでなく、会社全体を自分事としてとらえることができるようになり、楽しく感じられると考えられます。
自分にとっては当たり前過ぎて見えなくなっていることもあります。そういうときには自分の業務を友人や家族など仕事で関わる人以外に悩みを話してみるのも良いでしょう。
ほかの人からの新鮮な視点が仕事へのやりがいを持つヒントになることもあります。
③フィードバック依頼:課題・不足しているスキルの洗い出し
成長したい、結果を出したい気持ちはあるもののどこから手をつけたら良いのかわからない、といった悩みを抱えている人は、行動できていないこと自体がストレスになっている可能性があります。
そういったときには自身の仕事ぶりに第三者視点から評価をしてもらいましょう。自身の課題が明らかになるだけでなく、課題に対する取り組みのヒントをもらえるはずです。
フィードバックを依頼する相手は、あなたの業務を日々見ている身近な先輩や上長が望ましいです。
また、フィードバックを複数回依頼すると、前回との比較から自己成長の度合いを確認することも可能であり、仕事が楽しくなると考えられます。依頼相手のスケジュールに配慮しつつ依頼すれば迷惑をかけることもありません。特に上長はメンバーの成長や業績管理も仕事のうちなので、遠慮せず頼みましょう。
もらったフィードバックがしっくりこないときは、相手の意図していることが汲み取れていない場合が多いと思います。そのフィードバックによって相手が何を期待しているのか、その意図をさらに聞いてみると良いかもしれませんね。
④これまでの実績を列記:自己成長の確認
自己成長の実感がなく、仕事の意義を見失っていたり、周囲と比較して落ち込んでしまっている人は、社会人になってからこれまでに自分ができたことや、周囲の人に褒められたことを書き出していきましょう。実績といっても大きな数字や表彰の経歴である必要はなく、小さなことから振り返ってください。
自分が成し遂げた、自分が成長できたという感覚を少しずつでも得ることで、自己肯定感が上がり、仕事が楽しいと感じられる可能性があります。
もしこれまで褒められた部分をお世辞だと感じるならば、複数あるなかからそのポイントに言及したのはそこが相対的に優れていたからだと割り切りましょう。完璧主義だったり、自己肯定感が低い人が抱きやすい悩みですが、まったく成長していないということはまずありません。
- 過去褒められたことなどを何とか考えたものの、表面的に感じてしまいます。
「成長」だけでなく「変化」にも目を向けて自身の成果を確認しよう
振り返って1つでも2つでも挙げられたという事実が大事です。まったくないということはないはずです。
「成長」というと大それた感じがしたり、自分自身でなかなか認めづらかったりするのであれば、シンプルに「変化」があった部分に目を向けましょう。入社してすぐの何も知らなかった自分と比べて今は何が変化したか思い返してください。
たとえば扱うサービスの説明を手元のメモを見ずに話せるようになったなど、明らかな変化として自分の中に増えた経験・知識が見つかるはずです。
⑤部署外・社外の人との関係構築:客観的な現状把握
「自分はこのままここで働いていて良いのだろうか」といった漠然とした悩みを抱えている人は、自分が今獲得しているアドバンテージや、あるいはまったく違う働き方を知り、将来像を描くヒントにしましょう。視野を広げることで自分の長所に気づけたり、ぼんやりとした憧れにはっきりとした輪郭を持たせることができ、楽しさを感じられる可能性があります。
社内であれば、別部署の同期と話したり、周囲の人に紹介を頼むことはもちろん、会社主催の会合などを利用することも可能でしょう。社外の人との接点については、違う進路を選んだ学生時代の友人と話したりといったことでも十分得られます。自分が身を置くのとは違う業界、職場の話を聞くことで、自分の状況に対して客観的な視点を持つことができます。
社外の人との交流を増やしたいときにおすすめなのは、学びの仲間をつくることです。たとえば、大学・社外セミナー・資格講座・オンラインサロンなど、今はさまざまな学びの機会があると思います。
学ぶこと自体が自分の成長につながりますし、共に学ぶ仲間ができると楽しく成長し続けることもできるので、とても良い刺激になるでしょう。
⑥上司に交渉:業務量・キャリアの調整
もし業務量が多い、または少ないと感じていたり、現在の業務領域では得られない経験を積みたいと思っているならば、上司に相談・交渉してみてください。メンバーの状態を把握し、業務を適切に配分することは上司の役目なので、遠慮する必要はありません。スケジュールを確認して約束を取り付けましょう。
自分にどうして今の業務が任されているのかを上司と擦り合わせることで、上司からの期待を把握することができます。上司にとっても部下のあなたが業務や職場にどのような思いを抱えているかをキャッチアップする良い機会になるので、積極的におこなっていきましょう。
キャリアに関しても、どういう経験を積んでどうなりたいかをきちんと説明することで、プロジェクトのアサインやジョブポスティングなどのチャンスが巡ってくる可能性が高まります。やりたいことを主張するなど、自分が働きやすい環境を整えていくことで、仕事の楽しさを感じやすくなるのです。
上司に相談すること自体に抵抗があるとしても、上司の立場からすると、何を考えているかわからない部下をマネジメントするよりも自分を頼って話してくれる部下の方が力になってあげたいと思うものです。
関係性を良くするために有効なことの一つとして自己開示があります。
⑦先輩や同僚に相談:業務の取り組み方・やりがいのヒント獲得
業務の取り組み方に疑問があったり、やりがいを感じないといった場合には、同じ業務を経験している先輩や同僚に意見を仰ぎましょう。
日々の小さな疑問や不満が積み重なっている人は、同じ環境を知る人がそのときどのような姿勢で業務に向き合っていたかを知ることで、自分を見つめ直す材料を得られたり、あるいはつまずいているポイントの解消法にたどり着けるかもしれません。
もし業務効率を向上させるアイデアなどを持っているならば、先輩に相談や質問を兼ねて提案してみても良いでしょう。業務フローの改善など、全体の利益になる意見は歓迎されます。
疑問やもやもやを解消することで前向きになり、仕事の意義も感じられ楽しくなることが考えらます。
相談の内容にもよりますが、先輩や同僚といった相談相手がいない場合には、社内に相談窓口がないか確認してみましょう。社員または外部相談員によるキャリア面談を実施する企業も増えてきています。
業務についての疑問やアイデアなどについては、先輩が多忙な場合、メールで確認・伝達するなどの対策も考えてみてくださいね。
⑧人事労務に相談:職場の人間関係・労働環境・ハラスメント問題解消
環境面の問題については、人事労務に相談しましょう。会社によっては専用の相談窓口を設置していることもあります。環境要因は一人で解決することが難しいだけでなく、ほかの社員にとっても悩みの種となっている可能性が高いため、積極的に相談するべきです。
とりわけ、コンプライアンスに違反するような問題は第三者が外から対処していくほうが軋轢を生じさせにくく、また人事労務はそういった問題に対処するのも仕事の一環です。職場が問題を抱えているのであれば全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼしている可能性が高く、会社側も無視できない事態です。
環境的な問題は心身の健康にも影響を及ぼしやすく、解決すれば仕事が楽しくない状況から開放される可能性が高まります。
直属の上司に相談するのが一番ですが、それが難しい場合はその上の上司や、隣の部署の上司などに相談しても良いと思います。また、会社には必ず総務部や人事部があると思うので、そこに聞いてみると良いでしょう。
あるいは、会社に相談しにくい内容であれば労働組合や社外の相談窓口に聞いてみることもできます。
⑨キャリアコンサルタントに相談:幅広く仕事に関する悩み解決
会社、職場、キャリアなど、幅広く仕事全般の悩みに対して助言が欲しいときにはキャリアコンサルタントに相談するという手段があります。社内に不満があったり、自分のなりたい姿をつかみかねているといった人は、具体的な解決策をはじめとする良い情報がもらえ、前向きになり、結果的に仕事が楽しくなる可能性が高いです。
キャリアコンサルタントとは、キャリアの選択や開発について専門的に相談を受け付ける国家資格所有者です。数多くの会社や社員の情報を持っている専門家に自分を客観的に見てもらい、助言をもらうのは貴重な機会となります。
情報を集めて自分のキャリアを考え直したい、または自分の置かれている状況に対して客観的かつ建設的な意見が欲しいという人は、ぜひ相談してみてください。
無料で相談できる機会も少なからずあるので、自分の住んでいる自治体の支援状況などから確認していきましょう。
キャリアコンサルタントには、医療や法、税などの専門領域の相談はできません。また、キャリアコンサルタントによって得意領域や精通している分野が異なるので、どのような相談をおもに受け付けているか相談前に確認すると良いでしょう。
⑩産業医に相談:仕事にともなう心身の不調の解消
上長や人事労務の判断、サーベイやアンケートの結果などによって、産業医に健康状態を相談する機会を得ることもできます。労働環境や業務内容によって明確なストレス、心身の不調を感じているという人は、まずは社内状況に明るい専門家に相談してみましょう。
産業医とは、従業員数50人以上の企業・組織が必ず選任しなくてはならない医師です。
その企業の内情を把握したうえで従業員の健康などを管理し、健全な職場環境を作るための助言などをおこないます。そのため、産業医に相談した問題が経営層に伝わり、環境の改善が図られます。その結果、自分にとって働きやすい環境が整えられ、仕事が楽しいと感じられるかもしれません。
ただし、産業医は診察や治療をおこなう立場ではない点は留意しましょう。
産業医には企業側に意見や勧告できる権限が法律で与えられていますが、実践度はその企業によって異なるのが現状です。法令遵守やリスクマネジメント、健康経営にどの程度重点を置いているかでも左右されます。
ただ、休職や復職、配置転換など、個人に寄り添った助言ももらえるので、活用をおすすめします。
⑪精神科医に相談:心身の不調治癒
精神的な不調に対して診察や治療を求めるのであれば、精神科医にかかりましょう。心の不調をまず見てもらうことで、仕事が楽しくない、つらいという状況は改善する見込みがあります。
精神科医へかかるには、一般的な医者にかかるときと同様に、利用者が病院へ赴いたうえで診察・治療を受ける必要があります。しかし精神的な不調は身体的不調よりも測りにくく、状況・状態を具体的かつ詳細に説明する必要があるかもしれません。
もし不安を抱えたまま第三者に自分の状態を適切に説明する自信がなければ、事前にメモを用意するなどの準備をすることをおすすめします。
精神科医は予約制のところが多いので、思い立ったその日に受診することがかなわないことがある点には留意しましょう。
自分自身で追い詰められている状態と感じる場合は、上司に相談したり、すぐにお休みした方が良いと思います。休めないからといって無理して業務を続けていくと、ますます休めなくなったり、症状が悪化していくことにもなりかねません。
しっかり休んだり、通院して元気になってから、業務を再開しましょう。
キャリアのプロに聞く! 仕事環境に問題があるときに取るべき行動とは
会社や職場といった仕事環境に問題があった場合、自分一人で解決するのは非常に困難です。しかし職場の人間関係やハラスメント、給与などの環境面の問題は退職理由の上位にもランキングしていて、悩んでいる人が非常に多いことが伺えます。
では、環境に問題があった場合には諦めるしかないのでしょうか? 取れる行動がないか、キャリアのプロである有馬さんに聞いてみました。
アドバイザーコメント
有馬 恵里子
プロフィールを見る環境に問題がある場合は第三者を頼りながらできることを進めよう
第三者に相談することと、自分でできることを一度は行動に起こすことが大事だと思います。自分では対処できない状況を、キャリアコンサルタントや社外の友人など利害関係のない第三者に相談して客観的な視点を得ることは考えの整理につながります。
また、自分一人では考えが凝り固まったり、自分の問題なのでは、と塞ぎ込んだりしてしまうことに対しても冷静に見ることができます。一人で悩まずに、まずは相談しましょう。
転職は現状でベストを尽くした後で検討しよう
相談した結果、どうしても解決が難しいとの判断であれば、転職を視野に入れるのも一つです。
ただ、ネガティブなことに焦点を当てたまま転職してしまうと、次の会社でも同じようなことが起きたら過敏に反応してしまったり、後からもう少し頑張れたのでは、と後悔することにもなるので、自分でできることはやりきることをおすすめします。
自分ができることをし尽くしたけれどどうにもならなかった、ということであれば、困難な状況でもやってみたという事実が自信にもなり、やれることはやりきったという実感が次のアクションへ前向きにつながります。
仕事が楽しくない人は転職も手! いきいきと働ける仕事へ転職する4つのコツ
仕事が楽しくない人は転職も手! いきいきと働ける仕事へ転職する4つのコツ
- 仕事が楽しくない原因を特定する
- いきいきと働ける条件を明確にする
- 選考段階で企業との認識のすり合わせを徹底する
- 妥協しない
今の仕事が楽しくないと感じた人は、少なからず転職について考えたのではないでしょうか。昨今は終身雇用よりもよほど身近な言葉になりつつある転職ですが、これは非常に大きな決断でもあります。
転職が楽しく働くための選択肢の一つであることは間違いありませんが、今の仕事や環境から離れたい一心で安易な転職をしてしまうと、「前の仕事のほうが良かった」などと後悔する恐れがあります。
楽しくいきいきと働ける環境へ転職するための4つのコツについて解説するので、ポイントを押さえて理想をかなえるための転職を成功させましょう。
転職のコツについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。転職全般について興味があるという人は参考にしてください。
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転職が怖い原因17個を徹底分析! 怖さを軽くする方法も解説
初めての転職であれば怖いと感じるのは当然です。怖いと思う理由を明らかにし、理由に応じた対策を実践しましょう。キャリアコンサルタントとともに、怖さを軽減させる方法、内定獲得に近づく方法を徹底解説します。
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①仕事が楽しくない原因を特定する
前提として、ネガティブな感情へ陥らせる原因を特定していないと、同じ要素を持った環境へ移ってしまうリスクがあるため、仕事が楽しくない原因を特定する作業は絶対に欠かせません。
一方、面接中に「〇〇が嫌で……」「〇〇が苦手で……」と消極的な転職理由を話すと、面接官は「この人は自社に長く勤められるのだろうか」と不安になってしまいます。せっかくいきいきと働けそうな職場を見つけたからには、面接官には好感を持ってもらいたいですよね。
面接官に好印象を残しながらも転職理由に納得してもらうために、現在抱える課題はしっかりと整理したうえで、選考の場で口にするときにはどう伝えるべきかも併せて事前に準備しておく必要があります。
不満=課題ですから、その課題の解決策に転職を選ぶ人物だという印象を持たれるかもしれません。入社しても不満が募れば退職し、他社での面接で自社の不満を言う人物だと見なされる可能性も高いです。
企業側は自社の悪評をばらまく人物を信頼し、採用したいと思うでしょうか。
②いきいきと働ける条件を明確にする
どんな状態なら仕事が楽しいと感じるのか自己分析しよう
- 楽しくない原因から転換させる
- モチベーショングラフで波が高いところをピックアップする
- 人から評価された行動を振り返る
- ストレスフリーでできることを洗い出す
- 現在の興味関心がどこにあるのかをメモリーツリーで探す
原因の特定と同様、ポジティブに働くための条件も明確にしておかなくては、納得のいく転職はできません。転職が現状からの逃亡ではなくステップアップであるためには、現状に対する冷静なまなざしと、理想に向かうための明確なモチベーションが必要です。
仕事が楽しくない原因を探ったとき、理想像を描くステップとして、仕事が楽しいと感じる条件を探る方法も紹介しました。これらを流用して、楽しく働くために必要な条件を洗い出していきましょう。
たとえば自己分析で「営業職同士で売上額を競うのが嫌だった」と気づいたならば、「チームで協力し合える職場で働きたい」という理想が見えてきます。あるいは「一日中パソコンに向かうのが退屈だった」ならば「外回りや各部署との連携のために動き回る仕事」の方が楽しく働けるのかもしれません。
前職ないし現職ではなぜ望みがかなえられず、現在選考を受けている会社であればなぜそれがかない、そしてどのように企業に貢献できるのか。これらをロジカルに説明できるように自己分析をしましょう。
「長期的に働きたいので」「パフォーマンスを上げたいので」と、要望の背景として企業に貢献したい気持ちを前置きで伝えたうえで話すようにしましょう。企業にとってのメリットが感じられない中で条件面ばかり話すと印象は悪くなります。
自己分析の方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。フォーマットが付いているのですぐに実践できますよ。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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③選考段階で企業との認識のすり合わせを徹底する
選考中、応募者は「自分は企業に選んでもらう側だから」と遠慮してしまうこともあるかもしれませんが、選考中に企業側と認識をすり合わせることは非常に大切です。あなたが楽しく働けるための条件にかなった職場なのかをしっかりと確かめるためです。
企業によっては、求人情報と実態に差があったり、求人自体の情報が乏しいこともありえます。しかし転職を決意したのは、前職または現職では解決できない課題があったからですよね。万が一選考先が同系統の課題を抱えていた場合、あなたは転職を後悔するか、はたまた早期退職の可能性もあります。
あなたが本当に楽しく働ける仕事とマッチングを果たすためには、面接官からしっかりと情報を聞き出し、認識のすり合わせをおこなうことがとても大切です。
面接で気になることや不安なことを質問するということはとても大事なことです。企業も、わからないことや不安を抱えたまま入社されて、やっぱり合わなかったと早期退職されることは避けたいと考えています。
遠慮は自分のためにも、企業のためにもならないということですね。
④妥協しない
心構えとして大切なのは、転職において妥協は厳禁ということです。仕事を楽しくないと感じさせる要因を避け、楽しく働ける条件を明らかにし、面接官とも情報をすり合わせ、いきいきと働くための転職だからです。
すべてのステップにおいて妥協せずに理想を追い求め、そして転職活動においても「この会社で良いか」ではなく「この会社が良い」と本心から思えることを大切にしてください。
しかし、妥協しないことを標語にして転職活動が長引いたためにストレスを抱えてしまっては本末転倒です。転職をより効率的におこなうために、前に解説した自己分析と認識のすり合わせを徹底しましょう。
アドバイザーコメント
降幡 美冬
プロフィールを見る転職で大切なのは自己分析によるミスマッチ防止
会社の理念や事業内容が自分と合わなければ、いきいきと楽しく働くことは難しくなるでしょう。転職の際にはそのようなミスマッチを防ぐため、まずは自らの興味関心や価値観を洗い出す自己分析が何よりも重要です。
過去のさまざまな経験の棚卸しをおこない、自分が楽しいと思うこと、やりがいを感じることを踏まえ、将来のありたい姿を描くキャリアビジョンも必要となります。
自分の軸を明確にして転職に臨もう
目的や目標がしっかりしていればそれだけ仕事におけるモチベーションは持続しやすいものです。また、ありたい姿を目指すために必要となる条件面(給与、勤務地、勤務時間、福利厚生等)にも、しっかりと優先順位をつけることも忘れないでください。
譲れるもの、譲れないものを明確にすることで、自分に合った働き方を目指すことができるのです。
第二新卒の場合はまだポテンシャル採用があるので、自分が望むキャリアやビジネスパーソン像をはっきりさせ、どのように取り組む姿勢があるのかを新卒からの経験や学びを交えて伝えられるように準備すると良いでしょう。
それ以上の年代の人は、さらに実績とスキルを可視化し、それを転職先でどのように活かし、貢献できるのかを具体的にしておくことが大切です。
転職が身近になりつつある昨今だからこそ、転職を考えたときに年齢を気にしてしまう人もいるかもしれません。こちらのQ&Aでは「転職の適齢期は何歳?」という疑問にキャリアアドバイザーが回答しています。
年齢のほかにも、転職で起こりがちな悩みとその対処についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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転職が決まらないと悩む人へ|ビジュアルでつかむ転職成功へのカギ
転職が決まらない人に向けて、図解でわかりやすく理由と対策法を解説。転職が決まらないとネガティブな考えに陥りますが、抜け出すポイントは焦りや不安を認めることです。転職が決まらない人は参考にしてくださいね。
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すぐにできる! 仕事が楽しくないときの5つの気分転換法
すぐにできる! 仕事が楽しくないときの5つの気分転換法
誰かを巻き込むほどでも、ましてや転職するほどでもないものの、仕事に対するモチベーションが何となく上がらない、といった人は簡単な気分転換から始めましょう。モチベーションをコントロールするための手を尽くしたうえで、それでも解決の兆しが見えなかった場合、ここまでに紹介した解決策や対処法を試していってください。
あくまでも対症療法であり、原因の解消にはならないものの、一時的な気分転換としては有効です。まずは楽しくない気持ちを少しでも緩和させたい、という人はこれから紹介する5つの方法を試してみてください。自分に合った疲労回復法やリラックス方法を把握しておくことは、精神的余裕につながります。
①1日の業務スケジュールを作る
1日の最初に、その日おこなうべきタスクを整理し、制限時間と優先順位を設定し、順番に片づけていきましょう。今日やるべきこととやることの順番を始業時に決めてしまえば、その後はひたすら業務に集中できます。また、タスクを達成すると自身の生産性が可視化できるので達成感が得られ、楽しいと思えるのではないでしょうか。
加えて、タスクごとに時間を設定しておくことで、集中力アップと無駄な残業を減らす効果が期待できます。ゲーム感覚で仕事を進めていき、その日にやるべきことを完了させた後には清々しい気持ちで定時に退社しましょう。
漠然とやることが多いと感じていたとしても、その日にやるべきことを実際に可視化すると、思ったよりも少なかった、案外簡単だった、ということも大いにあります。
頭の中でぐるぐると考えるよりも効率が上がるので、仕事を進めやすくなります。
②こまめに休憩を挟む
座ったまま数十秒から1分程度でできる簡単なストレッチをしたり、甘いものを少し食べたり、自分にとってストレスにならないタスクを隙間時間に挿入するなど、あくまでも常識の範囲内であれば小休憩を取ることも可能でしょう。休憩が仕事のご褒美だと感じられ、仕事自体も楽しくなるかもしれません。
もし規定の休憩時間を小分けにすることができるなら、昼頃に30分、夕方に30分ずつ休むといったやり方も手です。精神的に重たく感じる仕事も、休憩で気分転換を図りながらコツコツと進めましょう。
身体を動かしたり目薬を差したりするのは、仕事への集中力を保つ適度な気分転換だと思われるはずなので、小休憩としてもおすすめです。
一方で、今は業務でもスマホを使用すると思いますが、これは仕事中かサボっているのか区別がつきにくいので注意が必要です。紙の書類やメモを手にしていると、サボっているようには見えにくいかもしれませんね。
③自主的なノー残業デーを作る
「毎週水曜日は絶対に残業しない」など、自主的にノー残業デーを設定することで切り替えを図るのも良いでしょう。そもそも残業はしないに越したことはありませんが、どうしても時間が長引きやすい業務などもあります。
自由な時間を確保できないと1日のほとんどで仕事のことを考えてしまい、責任感が強い人などにとっては強い負荷になりかねません。仕事の区切りをタスクが完了したか否かで決めるのではなく、時間で決めて、ワークライフバランスを整えることで、肉体的・精神的にも疲れすぎず楽しくない状況から脱せられるかもしれません。
タスクが残っていること自体が気がかりな場合、「明日の13時から再開しよう」とスケジュールを設定するなどして、オンオフを切り替えましょう。スイッチの切り替えができるようになると、ノー残業デー以外の日も過度な責任感を背負うことを防げます。
④仕事前後に楽しみを作る
出勤前か退勤後に趣味の時間を作る、ランチは少し贅沢をする、週末に楽しい予定を作るなどして、業務時間中のモチベーションを保つ方法もあります。業務の先に趣味や贅沢、娯楽といったご褒美は短時間のやる気を補助してくれます。
仕事と私生活のメリハリは大切ですが、業務や性格によっては意図的にスイッチを設定することが有効なケースもあります。仕事に対する気負いが疲れや不満を引き起こしている場合には、しっかりと休んだり気分転換をおこなって負荷の軽減を図ることが有効です。
ノー残業デーやご褒美は、一つの区切りの設定です。
区切りができると、そのタイミングが一つの目標にもなるので、その目標を達成することで振り返りをしたり、意味付けをしたり、自分と向き合うことでより成長できるという副次的な効果もあります。
⑤休暇を取得する
仕事が不規則だったり、1日のスケジュールを自分で固定することも難しい場合には、一度仕事から完全に離れるという選択肢もあります。1日から数日の休暇を取得して、ゆっくり身体を休めたりリフレッシュしましょう。仕事も休暇のためだと思えば楽しく思える可能性があります。
その際には仕事関係の情報をできるだけシャットアウトしてください。社用の携帯・PCの電源を切ったり、そもそも会社を想起させる情報のない遠い地へバカンスに出るのも良いでしょう。仕事の責任から一時的にでも開放されれば、頭も身体もすっきりするかもしれません。
仕事から距離を置き、客観的に状況を考えることができるようになった後は、現状の課題にどう対処するか建設的に考えていきましょう。
仕事を休むことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、休みの取得がトラブルの種にならないためのポイントをこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
仕事が楽しくないときでもやってはいけない5つの行動
仕事が楽しくないときでもやってはいけない5つの行動
仕事が億劫に感じることは社会人の誰しもにありえます。しかしそんなときでも取ってはいけない行動があります。あなた自身の健康や会社での立場を揺るがす可能性が高いためです。
真面目ゆえに取ってしまう行動から、精神的な余裕がないときに突発的に取ってしまう行動までさまざまですが、万が一これらの行動が選択肢として頭をよぎったときには、ぐっとこらえて理性的に対応しましょう。
①無理に仕事に打ち込もうとする
真面目で責任感が強い人、または仕事を始めて間もない人は、「自分が仕事を億劫に思うなんてあってはならないことだ」と自責思考になりやすいです。ただでさえ負荷がかかっている状態にもかかわらず、「自分は大丈夫」「むしろここを乗り越えることが大切なんだ」と無理をして、決定的な体調不良に至る恐れがあります。
疲労がたまっているときに強引に仕事に打ち込もうとするのはやめましょう。また、周囲に「この仕事はやりがいがある」などと言って回ることで逃げ道をふさぐことも避けるべきです。
まずは自分がどんな状態であるかを冷静に把握し、上長や周囲を頼って負荷の軽減を図りましょう。
頼られて嫌な気がする人はいません。頼られることで信頼されているとも感じられるので、相手も嬉しい気持ちになります。
一人で頑張ってつぶれてしまうよりも、周りに頼ってうまく進めた方が良い結果につながります。
②強引な気分転換を図る
身体の発するSOSを無視すると、かえって疲労を増幅させてしまうかもしれません。強引な気分転換は何も旅行やアウトドアなどに限らず、疲れきった頭での読書や勉強なども含みます。
気分転換自体が悪いわけではありません。しかし、そのときの自分の状態に合った休み方をしなくては逆効果になるので、自分の体調と向き合って対処を考えましょう。
無理を続けていると突然限界が訪れてしまうことも想定されるので、疲れがなかなか取れない場合には病院を頼りましょう。
③仕事をサボる
勤務時間中に長時間離席したり、嘘の予定を入れたり、無断欠勤をするなど、社内での立場を悪くするような振る舞いは取るべきではありません。たとえ精神的に参っていることが理由だったとしても、会社側ではなくあなた自身の落ち度になってしまいます。
また、悪評が広まることで肩身が狭くなると、さらなるストレスにつながります。無断欠勤の場合には何かトラブルが起きたのではないかと心配され、家族や公的機関を巻き込む事態になることも考えられます。
休むときには会社側への連絡を欠かさないでください。
- どうしてもつらく、突発的に仕事を休んでしまいました。会社に行きづらいです……。
重く考え過ぎずにリカバリーに努めよう
行きづらいからといってまた休んでしまうと、ますます状況が悪化すると考えてください。
「つらくて休んでしまった」との思いから、もしかしたら罪悪感があるのかもしれませんが、誰しも急な体調不良や弔事などで突発的に休む日もあるでしょう。急な熱や風邪で休んでしまっても、会社に行きづらいと思いますか?
心の不調は身体の不調と同じです。今回は仕方のないことだったと、重く考え過ぎないことも必要です。
休んだ理由を長々と説明するのも言い訳のようで悪印象となりかねないので、理由は簡単に告げましょう。休んだ日に代わりに対応してくれた人がいればしっかりとお礼を言ってください。
休んだ日の分まで取り返すつもりで業務に取り組む姿勢を見せることが、トラブルを最小限に留める振る舞いだと思います。
④関係者に愚痴をこぼす
社内の人だけでなく、取引先をはじめとした関係者に対し、自社の評判を貶めるような言動をするのは慎んでください。特に社外の関係者に愚痴をこぼした場合、あなたの所属する会社の実態とは関係なしに、社外の人に言って良いことと悪いことの区別がついていないとして、あなたの社会人としての信用を落としてしまいます。
社内でも、もし相手があなたと同じ不満を抱えているとしても愚痴は控えるべきです。誰が聞いているかわからないことに加え、周囲の士気を下げる悪い影響力を持ってしまえば、社内での人間関係が悪化したりと、居心地が悪くなる可能性があります。
⑤安易に転職する
「とにかくこの場を離れたい」という一心で転職すると、同じ課題やそれ以上の課題を抱えた環境に身を移してしまう恐れがあります。その環境に対する激しい拒絶反応が出ているのであれば、適当な段取りを踏んで休職・退職することも検討しましょう。
転職は大きな選択であり、その後のキャリア形成にも大きく影響するので、冷静な判断を下せない状態でおこなうことは危険です。自分にとっての課題と望ましい条件を明確にするという準備を整えたうえで転職に臨みましょう。
仕事が楽しくないときは現状と理想の差を明確にしてギャップを解消しよう
仕事が楽しくないと感じる原因とその対処について解説しました。現状に不満がある理由を大きく二分すると、向上心の表れか、心身の疲労が蓄積しているかになります。最終目的はいきいきとあなたらしく働くことなので、まずは自分の状態をしっかりと把握したうえで、どのような選択をするべきかを検討しましょう。
そして、いきいきと働く理想的な自分に向かうためには、現状と理想のギャップがどの程度あり、かつどうすれば解消できるのかを丁寧に考えていくことが大切です。仕事を毎分毎秒楽しむことは難しいですが、長ければ人生の約半分を占める時間になります。ギャップを一つずつ丁寧に解消して、より健康的な社会人生活を送りましょう。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る「楽しくない」から自分の価値観を探っていこう
仕事が楽しくないという状況は、とてもつらいですよね。ただ、楽しくないからすべて良くないとは思わなくても良いでしょう。楽しくないという感情にはいろいろな価値観が潜んでいるので、まずはその価値観がどんなもので、どこから来ているのか、といった内省をしていくことが大事かと思います。
たとえば「いつも同じことばっかりさせられて楽しくないなぁ」という感情であれば、定型的な仕事をくり返すことにはあまり向いていなくて、逆に新しい何かを創造するような仕事が向いているのかもしれません。
そうであれば、将来的に何かをデザインするようなキャリアビジョンを描いてみると、その未来への方向性やキャリアプランが見えてくる可能性があります。そうするとそこへ向かう道のりとして、「今の定型的な仕事もスキルを身に付ける良い機会なのかもしれないな」といった意味付けができたりもします。
とらえ方次第で楽しくない仕事にもやりがいを見いだしうる
意味がないと思っているから楽しくないだけかもしれません。何か自分のためになる意味づけが見つかると、それを楽しくは思えなかったとしても、やりがいを感じつつ一生懸命頑張れる自分に成長するかもしれません。
そのうえで、やはり今の仕事には意味を見いだせないということであれば、無理に個人で解決しようとはせずに、会社や社外の相談機関も含めて前向きに相談していくと良いでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/NC Harmony代表
Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mifuyu Furihata〇23年間の企業勤めを経て、独立後は企業での採用・育成コンサルティングや研修に従事。個人向けの就活支援セミナーやキャリア相談における、個々の「強み」の掘り下げに定評がある
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細