退職理由で嘘はOK? スムーズに退職できる理由10選をプロと解説

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Koji Tanii〇大手メーカーで設計、品質管理に従事。キャリアチェンジののち、高校・大学の就職講師として活動。障がい者の就職や恋と仕事の両立を実現させるコンサルティングなど幅広い支援をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー

    Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める

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退職の理由がネガティブなものだった場合、上司や同僚に言い出しにくく、伝え方に悩む人は多いと聞きます。トラブルを避けるために、本音とは異なる嘘の退職理由を考える人もいるかもしれません。

しかし、「嘘の退職理由を伝えても大丈夫なのだろうか……」「角の立たない退職理由とは?」と不安や疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

この記事では、キャリアコンサルタントの古田さん、谷猪さん、永田さんのアドバイスを交えつつ、角を立てずにスムーズに退職できる退職理由や伝え方について解説しています。

円満に退職をしたい人や、これから退職の申し出をしようとしている人はぜひ参考にしてください。

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目次

退職理由で嘘をつくなら注意点を把握してスムーズな退職につなげよう

退職理由に嘘をつくか悩む人のなかには、嘘をついても大丈夫なのか、嘘はバレないのか不安になっている人もいますよね。また、角を立てずに辞められる体裁の良い退職理由を知りたい人も多いのではないでしょうか。

記事ではまず、退職理由に嘘をついても問題ない理由を説明し、スムーズに退職しやすい嘘の退職理由10パターンを解説します。退職理由がネガティブなことから伝え方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

そのうえで、後半では退職理由に嘘をつくメリット・デメリット、トラブルを防ぐための退職理由の伝え方を解説しています。退職理由に嘘をつく必要があるのかを再度確認したうえで、伝え方の参考にしてトラブルなく円満退職を目指しましょう。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

退職理由に嘘をついても問題ない! 上司が納得する理由を伝えよう

結論からいうと、退職理由に嘘を使っても問題ありません。民法第627条では、労働者の退職について以下のように定められています。

民法第627条
期間の定めのない雇用の解約の申入れ

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する

つまり、退職理由を伝える義務などは記載されてなく、正社員は2週間前に退職の意志を申し出れば退職できるということです。そのため、「一身上の都合」を理由としたり、たとえ嘘の退職理由を伝えたりしたとしても、法的に訴えられることはありません。

とはいえ、実際に退職理由を伝えずに退職するのは、お世話になった上司や同僚へ後ろめたさを感じる人も多いのではないでしょうか。

上司や同僚も後味が悪く、快く退職に同意ができない可能性があるため、納得感を与えられるような退職理由を考えることはスムーズに退職する際のポイントとなります。

実際に「一身上の都合」と伝えて退職する人はいるのでしょうか?

古田 文子

プロフィール

退職理由が「一身上の都合」だけの人は少なからずいる

「一身上の都合」とだけ伝えて退職する人は一定数いて、中には誰にも相談することなく退職願に「一身上の都合により」と書いて上司に提出し、そのまま退職する人もいます。

その際に上司から理由を聞かれても、「一身上の都合です」という回答だけを突き通す人もいるのです。

一身上の都合で上司が納得するケースがあるとすれば、日頃の仕事ぶりや態度、様子などを見て、辞めそうな気配を感じ取られていた場合には、考えられると思います。

「一身上の都合」とだけ伝えたい人は、こちらの記事も参考になります。注意点と具体的な例文を紹介しています。

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本音と建前を使い分けよう! 嘘の理由を伝えるときのポイント

退職理由がネガティブな場合は、ポジティブな理由に言い換えて退職の意思を伝えましょう。正直な退職理由を伝えてしまうと、職場の雰囲気を悪くしたり、引き止められたりして退職交渉がスムーズに進まない恐れがあるためです。

退職理由が「今の職場ではかなえられないこと」や「前向きな理由」であれば、上司が納得しやすく今後の活動を応援してもらいやすいと考えられます。

このように、退職理由を伝えた相手や周囲の人が不快にならない理由を伝えることがポイントです。

また、実現性のある退職理由なら、嘘の退職理由を正当化できるため心の負担も軽くなりますよ。退職理由の考え方は以下のとおりで、本音と建前を使い分けて嘘の理由を伝える際の参考にしてくださいね。

退職理由の考え方の例

  • 「給料が低い」→「給料の高い会社に転職したい」→「業務で携わっていた分野の、より専門性の高い職に挑戦したい」
  • 「同僚との関係が悪い」→「人間関係の良い職場で働きたい」→「自主性を発揮できる会社でスキルを高めたい」
  • 「残業が多い」→「残業のない会社で働きたい」→「業務の効率化やスキルを磨くために新しい環境でキャリアアップを目指したい」

谷猪 幸司

プロフィール

退職する際に嘘をついて辞めることはいけないことではありません。

会社によっては嘘をつかないと辞めることができないという状況もあるでしょう。その際にスムーズに辞めることができないと、メンタル不全などの病気になってしまうリスクもあります。

仕事内容や人間関係などさまざまな理由で「仕事がきつい」と感じる人もいるのではないでしょうか。以下の記事では、つらいと感じたまま働き続けるリスクや、つらい状況を解決する方法を解説しています。

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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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言い方が大切! スムーズに退職しやすい嘘の退職理由10選

言い方が大切! スムーズに退職しやすい嘘の退職理由10選

  • ポジティブな理由6選
  • 個人的な事情による理由4選

上記でも説明したように、退職理由がネガティブな場合は、内容を少しずつ変換していきポジティブな理由へ置き換えて伝えることが重要です。また、上司が引き止めにくさを感じ、仕方がないと思うような理由を伝えるのも一つの手段です。

下記では、納得感を与えやすいポジティブな理由と、上司が引き止めにくい個人的な事情による理由に分けて、嘘で使える退職理由を紹介します。本音を隠して退職したい人は、次の10個の退職理由を参考に考えてみましょう。

ポジティブな理由6選

ポジティブな退職理由は前向きな印象を与え、今後の活動に対する熱意や意欲を伝えられます。しつこく引き止められずに退職交渉がスムーズに進みやすいため、退職理由を伝えるには有効的です。

まずはどのような理由がスムーズに退職しやすいのかを把握したうえで、それぞれの理由が相手に与える印象や注意点を理解しましょう。ネガティブな退職理由から置き換える際の参考にして、スムーズな退職に役立ててくださいね。

①より専門性の高い職に就きたい

仕事内容に不満がある場合や、給料や待遇に不満がある場合は、より専門性の高い職に就きたいと表現するのがおすすめです。今の会社ではかなえられない理由なため、引き止められにくく応援してもらえやすいと考えられます。

「これまで業務で携わってきた◯◯について興味を持ち、より専門性の高い職に就きたいと考えました」などと伝えると良いでしょう。あなたがやりがいを見つけ、熱意を持って転職を考えていることを伝えられ、納得感を与えられやすいです。

ただし、転職後について聞かれた際は、具体性を持って説明できるようにあらかじめ準備をしておきましょう。

具体的に説明ができなかった場合、周囲からは軽い気持ちで転職を考えているように見えてしまうため、退職に納得してもらえない可能性があります。

②キャリアアップのため新しい環境に挑戦したい

キャリアの向上は成長意欲があると判断され、受け入れてもらいやすい退職理由です。転職を目的としていて、今の会社ではかなえられない理由なため、引き止められにくく応援してもらいやすいと考えられます。

ただし、キャリアの目標について問われる場合があるため、具体的なキャリアプランや挑戦したい分野について説明できるようにあらかじめ準備しておきましょう。あいまいな説明では転職についての信ぴょう性が損なわれ、退職理由を疑われる恐れがあるためです。

また、新しい挑戦を目指す理由の場合は、普段の仕事ぶりを見られる可能性があります。誠実に業務に向き合っていれば快く送り出してもらえやすく、不真面目な姿勢を普段から見せているのであれば反感を得てしまうかもしれないため注意しましょう

キャリアアップを退職理由にすると、現職での昇進を提案されてしまう気がします……。

永田 修也

プロフィール

違う業界での挑戦意欲を理由にするなどして上手に切り抜けよう

現職で昇進を打診されてしまうのが嫌という気持ちはよくわかります。

もし、気持ち的に余裕があるのであれば、打診される内容と転職する際の条件を照らし合わせて考えてみても良いかもしれませんが、理由が嘘の場合はそこまでされると困ってしまいますよね。

こういった場合は「違う業界で挑戦してみたい」「他業種から誘われている」という理由であれば、会社としても強くは引き止めにくいと思います。

いずれにしても、どの業界も人手不足が深刻であるため、上手に理由を見つけて退職まで運びたいところですね。

キャリアアップを目指して転職を考えている人は次の記事もおすすめです。この記事ではキャリア形成をするポイントや、方法を紹介しています。面接でキャリアについて聞かれた際にも役立つ内容を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

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③かねてから興味のあった別業界への転職を実現したい

以前から別の業界に興味があったことを伝えることは、熱意を感じられ応援されやすい退職理由です。会社として別業界の仕事はポジションを用意するのが難しく、引き止められにくいと考えられます。

別業界への挑戦の理由について問われた際は、具体的な説明で納得感を与えられるようにすることが重要です。なぜその業界に興味があり、どのように活躍していきたいのかなどの質問に具体的に答えられるようにしておきましょう

また、資格やスキルが必要になる業界の場合は、転職に向けて勉強中であることを伝えるのもおすすめです。新しい挑戦への行動を示すことで計画性を評価され、退職への揺るがない決意を伝えられます。

「転職が決まった」という嘘はバレますか? 実際は退職後は無職になります。

谷猪 幸司

プロフィール

社内の人に事実を話してしまっているとバレる可能性がある

転職が決まったという嘘がバレるかどうかは、状況によりますが、まったくバレないということはないでしょう。

親しくしていた人が今の社内にいて、その人に本当の話をしてしまうことによって、嘘が社内にバレることがあります。

嘘がバレることによって周りからの信頼を失ってしまったり、次の仕事に支障をきたしてしまったりするリスクが考えられるため、退職について話す人や内容、タイミングなどには注意が必要です。

転職先がまだ決まっていない人は以下の記事がおすすめです。退職後の無職期間中にやるべきことを紹介しているので、人生プランの設計や転職活動に役立ててくださいね。

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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

④資格取得のために勉強に専念したい

やりたいことを目指し資格取得に向けて勉強に専念したいと伝えるのも、上司や同僚から比較的理解されやすい退職理由です。自己成長やスキルアップの意欲をアピールでき、将来のキャリアに対する真剣な姿勢が伝わるためと考えられます。

ただし、資格取得までは継続して働くように打診される可能性もあるため、退職の決意が固まっているなら退職や資格取得への強い決意を見せましょう。資格取得後のプランや、勉強に要する期間などの詳細を伝えられると退職理由の信ぴょう性が高まります

資格を活かせる転職先への知識が不足していると退職理由を疑われてしまうため、嘘だとしてもどのような理由で資格取得を目指すのか答えられるようにしておきましょう。

永田 修也

プロフィール

「国家資格なので本気で時間を費やす必要がある」「自分の人生を大きく左右する転機である」などというニュアンスで、今の仕事をしながらの取得は無理であるという意向をはっきりと伝えるようにしましょう。

⑤起業や独立をしたい

起業や独立は新たな挑戦への意欲をアピールでき、ポジティブなイメージを与えられる退職理由です。起業や独立は個人の生き方にかかわる夢であるため、上司や同僚が反対する権利がないと感じ、応援されやすいと考えられます。

仮に、あなたが会社で大きな成果を出していた場合や、スキルの高さが評価されていた場合は特に応援される可能性が高いです

成績やスキルに自信がない場合は、別業界での起業や独立を理由にした方が退職理由が疑われにくくなります。その場合は、「副業が軌道に乗ったため独立したい」などと実績を積んでいることを伝えると、納得感を与えやすくなります。

ただし就業規則で副業が禁止だった場合は使えない理由であるため、起業や独立を理由にする場合は、下準備については慎重に伝えましょう。

⑥学生の頃からの夢をかなえたい

学生の頃からの夢をかなえるための退職も、応援されやすく引き止められにくいと考えられます。夢への情熱や挑戦への意欲が伝われば、上司や同僚に納得感を与えられやすいためです。

たとえば、「学生の頃から夢だった留学を実現したい」や「デザイナーになる夢をかなえたい」のような内容が挙げられます。スケールが大きすぎる内容の場合は信ぴょう性にかけるため、夢を理由に使う際は具体的なプランを提示できるようにあらかじめ計画しておきましょう

また、退職後に夢を目指す場合は、経済的なリスクを問題として問われるかもしれません。夢を実現させるためにリスクに備えて準備している旨を伝え、計画性や誠実さを伝えることが大切です。

仕事を辞めたいものの、甘えと思われないか気になる人もいるかもしれません。次の記事を参考にして後悔のない選択をできるようにしましょう。

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個人的な事情による理由4選

個人的な事情による退職理由は、相手に納得感を与えられるためスムーズな退職をかなえるのに有効な内容です。上司や会社に打つ手があまりなく、仕方がない理由だと感じてもらいやすいためです。

ただし個人的な事情は、伝え方や伝えた後のことまで入念に想定しておく必要があるため、慎重に扱いましょう。下記では個人的な事情による4つの理由を解説し、それぞれの理由の相手に与える印象や注意点を紹介しているので参考にしてください。

古田 文子

プロフィール

海外留学や、地元に帰って家業を継ぐ、結婚を機にパートナーの転勤先に一緒に行くなどの理由であれば、同僚や上司も笑顔で送り出してくれます。

タイミングさえ配慮すれば、結婚を理由とした寿退社もポジティブに送り出されるでしょう。

①結婚を機に転居するため

結婚を理由にした退職は引き止められにくく、スムーズに退職交渉が進みやすいと考えられます。特にパートナーの居住地に転居が必要で会社までの距離が遠い場合は、やむを得ない理由として退職理由に納得感を与えるためです。

表向きは寿退社となるため、円満退職がしやすく上司や同僚は快く送り出してくれる可能性があります。しかし、嘘がバレると結婚を祝福してくれていた上司や同僚の気持ちを踏みにじることになります

退職までの期間はパートナーとの話や、今後の話を問われる場面が増えるため、嘘で伝える場合には自然な答えを用意しておきましょう。

結婚を嘘の理由にすると、結婚祝いを贈られそうで申し訳ない気持ちがあります……。

谷猪 幸司

プロフィール

3つの言葉を上手に活用して気まずい状況を避けよう

職場の人から結婚祝いなどを受け取らないようにするためには、3つの伝え方があります。

①「お気持ちだけで十分です」
②「すでにたくさんの祝福を頂いており、これ以上はいただけません」
③「結婚は身近な人だけで静かに祝いたいと思っています」

祝辞やプレゼントなどを辞退したい理由について具体的でわかりやすく相手に伝えましょう。

また本当にいらないということを声のトーンなどを工夫することによって示せば、受け取らずに済むでしょう。

②家族の介護に専念するため

家族の介護を理由にした退職も、納得感を与えやすい内容です。家庭の都合はやむを得ず、引き止めにくい理由なためスムーズに退職交渉が進む可能性があります。

ただし、退職理由としてよく使われる内容でもあるため、上司から疑われることも考えられます。疑っていない場合でも、今後の生活を心配されたときに返答がスムーズでなければ、嘘がバレるかもしれません。

「在宅でできる職種など介護をしながら家でできる仕事に転職したい」や「家から近い職場へ転職したい」のように、具体的な計画を伝えると信ぴょう性が高まりやすいです

家族の介護を理由にする場合は、退職後の生活を具体的に伝えられるようにあらかじめ考えておきましょう。

③家業を継ぐことになったため

家族が自営業を営んでいる場合は、家業を継ぐことを理由として退職を伝えることもできます。家業を継ぐ必要があるのは家庭の都合であり、仕方がない理由であるため引き止められにくいのです。

「高齢になった親の手伝いが必要になり、仕事をしながら経験を積んでゆくゆくは家業を継ぐつもりです」のように伝えると良いでしょう。

しかし、これまで働くなかで上司や同僚に家族の仕事についてすでに話したことがあれば、退職理由を疑われ、嘘がバレる可能性があります。そのため家族が実際に自営業を営んでいる場合にのみ使うのが好ましく、そうでない場合はおすすめできません。

家族が自営業の人であれば、スムーズな退職に有効と考えられるため退職理由として検討してみてください。

④体調不良が続き療養したいため

体調不良は引き止められにくく、退職交渉がスムーズに進みやすい退職理由です。体調が悪いまま無理に働き続けるとさらに悪化するリスクがあるだけでなく、会社側も後々大きな問題になったり、訴訟を起こされたりなどの事態は避けたいためです。

ただし、休職を打診される可能性もあるため、治療に専念したい旨を伝えて丁寧に断りましょう。精神的な不調を理由にするのも有効な手段の一つであり、相手に詮索されにくいので詳しい理由を告げずに退職ができるかもしれません。

体調不良を理由に退職を伝える際は、感謝の気持ちを丁寧に伝えるなど周囲への配慮を忘れずにおこないましょう。

仕事のストレスは放置しておくと深刻化する恐れがあります。以下の記事では、仕事のストレスを軽くする方法を公認心理師やキャリアコンサルタントが解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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アドバイザーコメント

「一身上の都合」は最強の退職理由ワード

まずポジティブな理由の場合の伝え方ですが、ポイントは「堂々としていること」です。目を逸らしたり、何だか俯きがちだったり、後ろめたいような表情や態度をしていると、嘘ではないかと疑われやすくなります。

前向きな理由によって辞めたいと考える人は、どこか自信に溢れていて目が輝いているものです。そのため、そういった仕草を意識して伝えることが大切になります。

退職理由を伝えるときの表情や態度にも気を付けよう

一方で、ネガティブな理由を使う場合には「困っている表情」を出すようにすると効果的です。「困った事態」があって、それが理由で「自分は働き続けたいが、やむを得ず辞めなければならない」という空気感を出すことを意識しましょう。

また個人的におすすめなのは「一身上の都合」で、これが最強だと思います。何か理由をつけなければいけないならば、退職するだけならこれで十分です。法律的にもなんの問題もありません。

会社との良好な関係性を保つのは難しいかもしれませんが、退職させてもらえないという事態は避けられると思うので、参考にしてみてください。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?

そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。

自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。

嘘をついたほうが良い場合とは? 正直に話さないほうが良い退職理由

ここまで嘘で使える退職理由を解説してきましたが、嘘をつくことに負い目を感じ、抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、上司や同僚との関係を壊さないためにも、すべてを本音で話す必要はありません。

退職理由によっては、正直に伝えることであなたの印象を悪くしてしまい、円満退職ができない恐れがあります。

下記では正直に話さないほうが良い退職理由について説明しています。退職理由が以下のような内容に該当する場合は、別の理由に考え直すことを検討しましょう。

会社や業務を批判するような理由

会社や業務への不満が退職理由だった場合は、正直に伝えるのは避けたほうが良いでしょう。上司や同僚にマイナスなイメージを与えてしまい、円満に退職できにくくなるためです。

たとえば、退職理由が「業務内容が苦痛」のような理由なら、これまでのあなたの勤務態度や業務成績を指摘されたり、改善案を打診されたりなど仕事を続けるように説得されるかもしれません。

退職の意思を承諾してもらえたとしても、退職日までの上司との関係や職場の雰囲気が悪くなる恐れがあります。円満退職を目指すためにも、会社や業務の批判をするような退職理由だった場合は、ポジティブな内容に言い換えて角が立たない理由を伝えましょう

直接的な表現を避けたほうが良い退職理由の例

  • 会社に将来性を感じられない
  • 社風が合わない
  • 業務内容が苦痛
  • 業務内容に対して給料が低い
  • 労働時間が長い/残業が多い
  • 売り上げのノルマがつらい
嘘をうまくつく自信がないのですが、それでもやはり会社への不満はいわないほうが良いですか?

古田 文子

プロフィール

辞める立場から一方的に不満を言うのはフェアではない

退職時に会社に不満を伝えるのはやはりおすすめできません。「不満があるなら解消するから残ってほしい」と説得されるきっかけを作ることになりかねないからです。

引き止めにあうと退職する気持ちが削がれる可能性があるうえ、それで会社に残っても気まずいでしょう。

また、会社側もあなたに期待していたのに裏切られたと感じている可能性もあります。そうなると、不満があるのはお互い様かもしれませんね。

しかし、退職するからといって自分だけが不満をいうのは本当にフェアでしょうか。

そういったことも踏まえて、溜まったストレスはほかで解消するようにし、「立つ鳥跡を濁さず」で去るのが大人の対応だと思います。

なかには人手不足の会社を辞めようとして、会社が納得いくような退職理由を求めている人もいるかもしれません。こちらの記事で穏便に辞めるコツを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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人手不足で仕事を辞めさせてくれない|転職のプロに聞く穏便な辞め方

「人手不足だから」「後任が決まるまで待って」と仕事を辞めさせてくれない会社をスムーズに退職する方法を、キャリアコンサルタントとともに解説します。引き止めへの対処法や、転職後に同様のトラブルに遭遇しないためのコツも紹介するので、参考にしてください。

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上司や同僚と合わないというような人間関係の理由

退職理由が社内の人間関係への不満だった場合も、正直に伝えるのは避けるのが無難です。退職を伝える相手に角が立ち、マイナスなイメージを与えてしまうためです。

また部署異動や、気の合わない同僚と距離を置く仕事内容に変更するなど、退職の改善案を打診されてスムーズに退職できない可能性もあります

また、退職理由が身の回りの人や気の合わない同僚に伝わると、気を遣わせてしまったり関係が悪化したりして退職まで肩身の狭い思いをするかもしれません。退職を決意しているのであれば、人間関係に不満があったとしても本音を伝えるのはできるだけ避けましょう。

谷猪 幸司

プロフィール

会社を辞める際にも、会社が定めた退職の規則に従うことが求められます。余程の事情がない限り、すぐに辞めることはできません。

多くの場合は引き継ぎなどのためにしばらくは出社する必要があることから、その際に肩身の狭い思いをする可能性があります。

「仕事内容は問題ないが、上司だけ合わない」というような悩みを抱えている人は、次の職場でも同じ不安があるかもしれません。この記事では、嫌いな上司と上手に付き合っていく方法を解説しているので参考にしてみてください。

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本当に嘘が必要なのか判断しよう! 退職理由に嘘をつくメリット・デメリット

退職理由の嘘にはメリットとデメリットがあるため、それぞれを把握したうえで退職理由を考えましょう。

円満退職を目的とするなら、嘘をついたほうがスムーズに退職ができるケースが多いです。しかし、負い目を感じて心が苦しくなる場合や、嘘をつき続ける自信がない人は退職理由に嘘をつくのは向いていないかもしれません。

退職理由に嘘をつくときのメリットやデメリットを把握したうえで、今一度嘘の必要性を判断してみてください。

メリット①引き止められにくい

退職理由に嘘を使って納得感のある説明ができた場合は、引き止められにくいと考えられます。退職への強い決意を感じられたり、どうしようもない理由だったりした場合は、部署異動や待遇の改善などの打診では引き止められる余地がないためです

たとえば、「仕事が合わないから辞めたい」のような本音を伝えた場合、現状とは別の業務に携わる部署への異動を打診されるかもしれません。一方で、「やりたい仕事がある」のようなポジティブな理由であれば、説得しやすくスムーズに退職交渉が進められます。

嘘をつくのが心苦しい場合は、まったくの嘘を伝えるのではなく、ネガティブな理由をポジティブな理由に言い換えてみることで、会社側も納得しやすく心理的負担が軽減できますよ。

永田 修也

プロフィール

優しい人や真面目な人、責任感が強い人は退職時に引き止められやすいと思います。

自分が退職を切り出したタイミングで上司がとても困った様子を目の当たりにしたときに、「なんだか申し訳ないな」と思ってしまう人は注意が必要です。

引き止めをかわすには、退職を引き止めたい会社側の本音を理解することが効果的です。以下の記事で会社側の心理や引き止めへの対処法を解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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メリット②職場の雰囲気が悪くなりにくい

退職理由が前向きな場合や事情があり引き止めにくい場合は、上司や同僚に受け入れてもらいやすいため、職場の雰囲気を悪くせずに退職ができます。ネガティブな本音を隠すことで角が立ちにくく、トラブルを避けられるためです。

たとえば、「スキルアップのために新しい環境に挑戦したい」のような嘘の理由であれば、仕事への意欲を評価してもらえ、快く送り出してもらいやすいです。

職場の雰囲気を悪くしないことで、仕事の引き継ぎがしやすくなり、退職日まで良好な関係で過ごすことができると考えられます

たとえネガティブな理由で退職をするのであっても、波風立てずに退職するためにもポジティブな理由に置き換えて退職の意思を伝えましょう。

メリット③心の負担が軽くなる

退職理由で嘘をついた20代の本当の退職理由

退職理由がネガティブなものだった場合は、嘘をつくことで本音を隠して退職の意思を伝えられるため心の負担が軽くなります。実際、退職報告の際に本音を伝えなかった人のなかには、ネガティブな理由を抱えていた人の割合が高い傾向にあります。

エン転職が2020年に退職経験者10,432人に調査した「本当の退職理由」実態調査によると、20代の退職者が会社に伝えなかった本当の理由として最も多かったのは、「職場の人間関係が悪い」と「給与が低い」が同率で36%でした。

次いで「会社の将来性に不安を感じた」や「社風・風土が合わない」が挙げられ、いずれも本音では退職の意思を伝えにくい内容です。

このことから、退職理由に嘘をつくことで心の負担を軽くでき、お世話になった上司や同僚を傷つけることなく退職の意思を伝えられる点はメリットといえます

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デメリット①同僚にも嘘をつく必要がある

仲の良い同僚だけに本当の退職理由を伝えた場合でも、何気ない会話からほかの社員へ嘘がバレてしまう可能性はゼロではありません。そのため嘘の退職理由を伝えるなら、仲の良い同僚や同期など含めて全員に同様に嘘をつく必要があります

自分が気を付けていても他人が嘘をバラしてしまう可能性があるため、トラブルを避けるためにも全員に同じ理由を話すことが必要であり、人によってはこれが心理的な負担になったり面倒に感じたりするかもしれません。

特に、話好きの人や交友関係が広い人は、仲が良い場合でも慎重に検討しましょう。退職後も付き合いが続くなら嘘をつき続ける必要があるため、嘘をつくべきか十分に考えて決める必要があります。

古田 文子

プロフィール

「人の口に戸は立てられぬ」といいます。

お世話になった人と退職後も付き合いがある場合は良いかもしれませんが、それでも「ここだけの話」といって拡散される可能性はあります。よく考えて決めましょう。

デメリット②嘘がバレて気まずくなる可能性がある

万が一退職までに嘘がバレてしまった場合、退職日まで気まずい雰囲気が続くこともリスクの一つとして考えられます。どれほど万全に対策をしていたとしても、何気ない会話から嘘がバレてしまう可能性はあります。

退職理由の内容によっては問い詰められることも考えられ、うまく返答できなければ上司や同僚との関係が悪くなってしまいかねません。退職後の話を問われるケースを想定して、退職後は何をするのか、どこに住むのかなど一貫して答えられるように詳細を決めておきましょう。

予期せぬ質問に動揺し、余計な嘘をついてつじつまの合わない会話をしてしまわないように、詳細な部分まで決めたうえで嘘の退職理由を伝えることが大切です。

デメリット③理由によっては罪悪感を抱えやすい

退職は少なからず会社に迷惑をかける行為であるため、嘘で相手を騙して退職することに心苦しさを感じる人もいるはずです。

たとえば、家族の病気や介護を理由にして嘘をついた場合は、周囲から心配や励ましの言葉をかけられるケースがあります。こうした際に強く罪悪感を覚えたり嘘をついたことに対して苦しんだりするタイプであれば、退職理由に嘘を使うのは避けたほうが良いかもしれません

「嘘も退職するためには必要なこと」のように、自分の中で正当化できないと嘘をつき続けるのは難しいものです。今一度、本当に嘘をつく必要があるのか考えて、自分が納得したうえで退職の意思を伝えましょう。

谷猪 幸司

プロフィール

罪悪感を軽減させるには、自分の決断を尊重し、前向きな視点でとらえてみましょう。

他人の期待よりも自分の幸福を優先することは、人間なら誰でも思うことです。自己の良心に正直であることが大切ですよ。

退職理由の嘘がバレるのはどんなとき? リスクや防ぐ方法をプロが解説

ここまで退職理由の例を挙げながら、嘘の退職理由の伝え方を説明してきました。退職の意思を伝える際は、本音と建前を使い分けて相手が不快になるような内容を避けることで円満退職が叶いやすくなります。

しかし、退職理由の嘘はバレてしまうリスクもあり、一概におすすめな方法とはいえません。実際どのようなときに嘘がバレてしまうのか、バレたときにどのようなことが起きるのか気になりますよね。

ここではキャリアコンサルタントの古田さんに、実際にあった事例とともに詳しく解説してもらいます。

アドバイザーコメント

退職後も生活圏や行動範囲が会社に近い場合はバレるリスクがある

実際にあった話ですが、他県出身の社員が「親が入院したので実家に帰りたい」という理由で退職しました。その1カ月後、住んでいた賃貸物件に本人が入っていくのを見かけた別の社員の話から、嘘だったのでは?となったことがあります。

もちろん、その両親がすぐに退院することができて戻ってきた可能性もあるので、嘘だとは言い切れませんが、「嘘かもしれない」となっただけでも、その人への印象や見方は変わってしまいます。

人によっては信用も失ってしまうでしょうし、もしどこかでバッタリ会うことがあれば、気まずくなるのは間違いないでしょう。

本当のことを話す相手や場所には注意が必要

バレないようにするためには、それなりのリスクが伴います。先で例に挙げた話の場合、仮に退職理由が嘘だったのであれば、実際に引っ越すくらいのことはしたほうが良かったのかもしれません。

退職理由で嘘をつく場合は、同僚や上司に会わないよう行動範囲を変える、隣の市や町に引っ越す、退職後に付き合いがある人以外には徹底して本当のことをいわない、付き合いがある人にも他言しないと約束してもらうなど、対策を講じましょう。

タイミングや伝え方も重要! いざ退職の報告をするときにトラブルを防ぐポイント

タイミングや伝え方も重要! いざ退職の報告するときにトラブルを防ぐポイント

  • タイミング:退職希望日の3カ月〜1カ月前には伝える
  • 報告する相手:まずは直属の上司に口頭で伝える
  • 伝え方:理由に気を付けながら退職の意思をはっきり伝える

退職の報告をする際はトラブルになるような要素はできるだけ避けて、会社や上司の都合に合わせて柔軟におこなうことが大切です。上司も人であるため、タイミングが悪い場合は快く退職に同意してくれるとは限りません。

仮にネガティブな理由で退職をする場合でも、お世話になった人への配慮は忘れずに退職交渉を進めましょう。下記では、退職の報告の際に気を付けるべき点を3つのポイントに分けて解説しています。

嘘を使う場合に限らず社会人のマナーとして重要なポイントなので、以下の内容を押さえて退職交渉に役立ててくださいね。

タイミング:退職希望日の3カ月〜1カ月前には伝える

退職の意思は退職日の3カ月〜1カ月前に伝えるのが一般的です。

民法第627条では、正社員など無期雇用の場合は2週間前に退職の意思を伝えれば退職できるとされていますが、会社ごとの就業規則では3カ月〜1カ月前に退職の意思を伝えると決められている場合が多く、その場合は就業規則に従って退職の報告をします。

退職交渉や引き継ぎに時間がかかる可能性もあるため、希望の退職日から逆算して退職の意思を伝えましょう

業務の引き継ぎや退職の挨拶は社会人としてのマナーであり、周囲への配慮を考えて退職までの期間は余裕を持たせるのが好ましいです。就業規則は会社によって異なるため、退職の意思を伝える前にあらかじめ確認しておきましょう。

嘘を長くつき続けるのは難しいので1カ月前に報告したいのですが、ギリギリで怒られないか心配です。

永田 修也

プロフィール

企業側の定めた退職時のルールに従うのがベスト

まずは就業規則や雇用契約書などを確認してください。その中に「退職に関しては◯カ月前までに」と記載があれば、できるだけそれに則った形で報告するべきです。

これは、会社側に文句をいわせないためにも重要なことになります。

しかし、嘘の理由なのでなるべく直近の期間にて辞めたいというのであれば、1カ月前だとしても問題はありません。

民法では2週間前と定められているので、その範囲内であれば法的にも問題はないのです。

退職届を出すべきタイミングは、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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できるだけ繁忙期と重ならないようにする

繁忙期での退職は会社への負担が大きく、上司や同僚に迷惑をかけてしまうためできるだけ避けましょう。繁忙期に人員が減るのは会社として大きな痛手であり、快く退職に同意されない可能性があります。

また、大きなプロジェクトの途中や人事異動をした直後も、退職するタイミングとして望ましくありません。多くの人がしわ寄せを受け、人事異動も再度決め直さなければならず手間がかかるためです。

円満退職を目指すなら、多方面へ影響しにくい閑散期など、会社の体制を整えやすい時期に退職の意思を伝えましょう

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報告する相手:まずは直属の上司に口頭で伝える

最初に退職の意思を伝えるのは直属の上司であることが基本です。直属の上司に伝えるよりも先に同僚などに伝えてしまうと、あなたが退職することが噂で回り、人づてに上司に伝わって心証を悪くする恐れがあります。

また、退職の意思を伝えるのは口頭でおこなうのが社会人としてのマナーです。上司に話す時間を作ってもらうための約束を取り付けるのは、メールでも問題ありません。デスクなどの人目につく場所ではなく、会議室など上司と個別で話せる場所を確保しましょう。

トラブルを避けるためにも、退職の意思は最初に直属の上司に口頭で伝えることが肝心です。同僚に退職を伝えるタイミングは上司へ相談し、仕事へ支障をきたさないタイミングで話すのが好ましいです

直属の上司にパワハラを受けていた場合でも、退職の意思は最初に伝えないといけないのでしょうか?

古田 文子

プロフィール

人事などに事情を説明して退職届の提出方法を相談しよう

就業規則に退職する際の決まり事が書かれていることが多いので、一度確認してみてください。退職届の提出についても、人事と書かれていれば上司ではなく人事担当に渡します。

パワハラをするような上司であれば、退職の意思を伝えても、退職願を提出しても、素直に受理してくれない可能性もあるでしょう。

トラブルになって退職日に退職できないとなっては困るので、直属の上司のさらに上司にあたる人か、人事担当に事情を伝え、退職願を誰に提出すれば良いか相談してみましょう。

退職の相談が不安な人は、以下の記事も活用しましょう。適切な相談相手や切り出し方を解説しています。

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伝え方:理由に気を付けながら退職の意思をはっきり伝える

退職の意思を伝える際は理由に気を付けながら、はっきりと辞意を伝えましょう。理由によっては改善案を打診され、スムーズに退職交渉が進まない可能性があるためです。

ネガティブな理由であれば、相手が言われて不快にならない内容に置き換えて話すのがポイントです。会社や上司への不満を理由に退職の意思を伝えるのはトラブルの元となるため、できるだけ避けることを心掛けましょう。

また、「給料が低い」のようなネガティブな言葉は避け、「やりたい仕事がある」や「キャリアアップを目指したい」のように前向きな言葉に言い換えることも大切です。できれば真実にしやすい退職理由を伝えると、嘘の意識が軽減され堂々と上司や同僚に伝えられます

退職にまつわる悩みにプロが答えるQ&Aも併せてチェックしよう

退職についてほかの人がどのようなことに悩み、解決しているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。

下記ではPORTキャリアに寄せられた退職にまつわる4つのQ&Aを紹介しています。自分の悩みに関するキャリアコンサルタントのアドバイスがあれば、参考にして問題解決に役立てくださいね。

退職理由に嘘をついても大丈夫! 円満退職のために最善を尽くそう

退職理由に嘘をついても法律上では問題ありません。また退職理由として「一身上の都合」を使用するのも可能ですが、理由を告げずに退職するのは現実的に難しく、上司や同僚の納得を得られない可能性があります。

そこで、退職理由がネガティブなものだった場合は本音を避け、ポジティブな内容に言い換えて転職の意思を伝えましょう。本音と建前を使い分けることで職場の雰囲気を乱さず、引き止められにくい納得感のある退職理由を伝えられます。

ただし、嘘の退職理由にはバレるリスクもあり、退職した後も嘘をつき続ける必要があります。それらを覚悟したうえで退職理由を考えて、円満退職をかなえましょう。

アドバイザーコメント

退職理由で噓をつく決断をしたなら入念な準備が必要

嘘をついて辞めるという決断をしたということは、あなたにとって大きな理由があるからだと思います。

嘘をついて退職意思を伝えるのであれば、相手からの質問があった場合の対策が必要です。相手からの質問に対して回答を間違えると、嘘をついていると見抜かれてしまい、退職を考え直すように説得されてしまうことがあります。

事前に自分が話す内容をまとめて深掘りされないように伝えよう

嘘をついて退職の意思を伝える際は、ボロが出ないように自分が話す内容を決めておき、具体的にわかりやすく伝える必要があります。

少しでもわかりにくさがあったりすると相手から質問されるきっかけを与えることになり、そこでうまく答えを返せなければ、噓がバレるリスクが高くなるのです。

焦らずにきちんと自分の考えをまとめ、準備してみてください。準備ができている場合とできていない場合とでは、結果は大きく異なりますよ。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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