この記事のまとめ
- 本人希望欄にはルールがあり何でも書いて良いわけではない
- 書いてはいけない内容の把握が低評価のリスクを避けるカギ
- 5つのコツを押さえて本人希望欄でも印象アップを目指そう
就活の履歴書の多くには本人希望欄という箇所があります。文字通り、自身の希望を書く箇所ですが、書いて良い内容と書いてはいけない内容が存在します。
皆さんのなかには、具体的にどのような内容を書いて良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。本人希望欄に記載すべきことを認識できておらず、適切ではない内容を書き込んでしまうと、ほかの項目がどんなに良い履歴書であっても評価につながりにくくなってしまいます。
この記事では、キャリアコンサルタントの高尾さん、渡部さん、村谷さんと一緒に、履歴書の本人希望欄の正しい書き方やルール、印象アップを目指すコツなどを解説します。本人希望欄は履歴書で軽視されがちな箇所ですが、評価の対象の一つであるため、しっかり書き方を理解したうえで作成するようにしましょう。
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本人希望欄は書いても良い内容・書いてはいけない内容の把握が必須
本人希望欄は自身の希望を書く場所ですが、何でも書いて良いわけではありません。
しかし、書いて良い・悪いの境界線を知らずに自由に記載してしまうと、内容によってじゃ評価が下がる可能性が考えられるため、それらの判断基準を把握して、本人希望欄だからと気を抜かずに作成することが重要です。
そこでこの記事では、前半で本人希望欄の正しい書き方や書いて良い内容・書いてはいけない内容を解説します。基本的なルールを知り、低評価のリスクを避けられるようにしましょう。
そして記事後半では、本人希望欄の内容が選考にどう影響するのか、ワンポイントアップするためのコツを解説します。正しい書き方を押さえたうえでコツを理解し、高評価を得られる履歴書を作成しましょう。
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本人希望欄とは? 前提を確認

就活の履歴書における本人希望欄とは、応募者の勤務時間や勤務地、働き方などに関する希望、就職するにあたって伝えなければいけない事情などを書く欄です。
そして、企業側は本人希望欄の記載をもとに採用可能かどうか、配属先はどうするか、どんな働き方をしてもらうかなどを考えます。
人によっては働く場所や時間において、企業の定めている条件通りに勤務することが難しい人もいるかもしれません。心身や家庭の事情から働き方が制限されるといったケースが考えられます。
その際は履歴書の本人希望欄を活用して、希望や事情を伝えましょう。本人希望欄を正しく活用できると自分の譲れない条件を企業に提示し、交渉することができます。
- 履歴書の本人希望欄にはどのような事情だったら書いて良い、書いて悪いといった境界線は存在するのでしょうか。
会社にとって必要な情報は確実に記載するようにしよう
明確な境界線はありませんが、「本人希望」という言葉をどう解釈するかで書き方が変わります。
たとえば、持病などによって働けない環境がある場合など、会社側の視点で必要な情報というものもあり、それは安全衛生を管理するうえでむしろ書くべき情報になります。
そういった特殊な事情がないのならば、基本的には「会社の規定に従う」というのが無難ですが、さらに一歩進めて意欲や前向きさをアピールする使い方もできます。
一方で、働く前から個人的な要望をいろいろ書き連ねるのは採用のハードルを上げることになるので、不適切な書き方ということになるでしょう。
基本を押さえよう! 履歴書の本人希望欄の正しいルール・書き方
履歴書の本人希望欄には基本的なルールや書き方が存在します。ルールや書き方を押さえず、自由に書いてしまうと選考時の評価が下がってしまうかもしれません。少しのリサーチ不足で低評価とならないためにも、本人希望欄の正しいルール・書き方は理解しておきましょう。
ここからは、履歴書の本人希望欄の正しいルール・書き方を解説します。基本を押さえて、適切な書き方ができるようにしてください。
絶対に実現したい条件・希望がある場合のみ記載する
本人希望欄は「こうしたい」という個人の希望ではなく、「こうでなければいけない」という条件を伝える項目としてとらえるのが適切です。絶対に実現したいこと、実現できなければその会社で働くことが難しいといった内容を記載しましょう。
たとえば、「親の介護が必要だから引っ越しはできない」や「健康状態に問題があるから、長時間の残業はできない」など、働くうえでの必須条件を記載する場所なのです。一方で、「できれば残業はしたくない」といった曖昧な希望やわがままを記載する場所ではありません。
また、本人希望欄に記載した条件を、企業側が100%希望通りになるかどうかはわからないことも覚えておきましょう。本人希望欄はあくまで自分から条件を申告し、企業に交渉するための項目であるため、企業側がその条件をのめなければ不採用になる可能性もあります。
- 希望や条件を伝えたとき「それができる他社で働けば良いのでは?」と切り捨てられないか不安です……。
明確な理由のある希望なら必要な配慮として理解されやすい
企業側は、本人希望欄を応募者の「働くうえでの考慮すべき条件」や「特殊な事情」を把握する手段と考えていることが多いです。
合理的で明確な理由がある希望は、必要な配慮として理解されることが多く、事前に伝えることでむしろミスマッチを防げます。
一方、曖昧な希望はむしろ採用へのマイナス要因となる可能性があります。そのため、希望を記載する場合には、前向きかつ協調的な姿勢を示したうえで、必要に応じて記載することが大切です。
直接希望を記載するのが不安な場合は、面接の場で相談し、条件を擦り合わせるのも一つの手です。合理的な理由があり、かつ誠実な伝え方を心掛ければ、企業からの理解を得やすくなります。
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(リーダーシップが強みの場合)
特に希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記載する
本人希望欄を書くにあたって、特に希望がない人もいると思います。そのような人は「貴社の規定に従います」と記入しましょう。
内定が近づくと、勤務条件や待遇について交渉したり、擦り合わせたりすることができる面談が設けられる場合があります。その際特に希望がなければ、募集要項の内容に異論がないことを示すために「貴社が提示する条件に従います」と記入するのです。
なお、空欄や「特になし」、「ありません」などで提出するのはおすすめしません。雑に履歴書を作成しているという印象を抱かれたり、読み手に対する敬意がないと思われたりする可能性があるからです。そのため、特に希望がない場合は、応募先企業の規定に添えることを一言記載するようにしましょう。
空欄や「特になし」という記載は、消極性や準備不足の印象を与えかねません。
特に空欄の場合は、書くことがないから空欄なのか、単純に書き忘れたのかなど、読み手が判断に迷ってしまう可能性があるため、「貴社の規定に従います」と入れるのが良いでしょう。
例文付き! 履歴書の本人希望欄を書いたほうが良い場面
例文付き! 履歴書の本人希望欄を書いたほうが良い場面
前述の通り、履歴書の本人希望欄は書くべき内容と書いてはいけない内容があります。そのなかで、書くべき内容を書き漏らしてしまうと、入社後に自分が希望する働き方ができず、モチベーションの低下や早期退職の原因となってしまう可能性があるのです。
ここからは、履歴書の本人希望欄に書いたほうが良い内容を例文付きで解説します。当てはまるものがあるかどうかを確認し、条件を満たせる働き方ができるようにしましょう。
一つの志望先で複数の職種に応募している場合
一つの志望先で複数の職種やポジションを志望する人もいるのではないでしょうか。複数の職種・ポジションを志望している場合は、複数志望している旨を本人希望欄に書く必要があります。
同じ企業で複数の職種に応募しても良いのか迷う人もいるかもしれませんが、応募すること自体は悪いことではありませんが、企業側は募集する職種によって採用担当者が異なるケースがあるのです。
複数の職種を志望しているにもかかわらず本人希望欄に記載がなければ、採用担当者間で連携が取れなかったり、二重で採用してしまったりするなどの問題が発生してしまう可能性があるため、事前に伝えておくことが大切です。
実際に書くときは、複数応募している旨だけでなく、具体的にどの職種に応募しているのか職種名まで伝えるようにしましょう。
ただし、複数の職種に応募できるからといって、興味のない職種に応募するのは望ましくありません。企業から「通過率を上げるためにやっているのでは?」「どんな基準で就活しているのかわからない」などと思われてしまう可能性があるため、それぞれを志望する理由も明確に答えられる職種に応募しましょう。
一つの志望先で複数の職種に応募している場合の例文
営業職とマーケティング職の二つに応募しています。
就活をするにあたって、志望する職種が決まらない、どの職種を目指すべきか判断できないと悩む人は以下の質問に対する回答を参考にしてください。キャリアコンサルタント目線で職種に迷っている人に向けたアドバイスを述べています。
勤務地が限定される場合
家庭の事情などによって入社時に引っ越しができなかったり、転勤が難しかったりする人もいるかもしれません。
転勤の有無は求人票に記載されていて、応募することは求人票の内容に同意したことを意味します。しかし、どうしてもその企業で働きたいけれど、転勤はできないといった人もいると思います。
このように、事情によって勤務地が限定される場合は本人希望欄にその旨を記載しましょう。
ただ、勤務地の条件を提示するのは家族の介護や育児など、やむを得ない場合のみに限ります。「転勤がしたくないから」など、自己中心的な都合で希望する場合は「それがかなう企業に応募すれば良いのでは?」と不採用の可能性をたかめてしまうかもしれません。
勤務地が限定される場合の例文
父親の介護が必要なため、東京都内での勤務とさせていただけると幸いです。
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(リーダーシップが強みの場合)
規定とは異なる勤務時間を希望する場合
皆さんのなかには、家族の介護や体調面などの事情によって残業が難しいという人や、育児や健康面などの理由により時短勤務が必要だという人もいるのではないでしょうか。
通常、会社では就労時間が定められていますが、上記のようなやむを得ない事情によって規定とは異なる時間での勤務が必要な場合、本人希望欄でその旨を伝える必要があります。
しかし、「ただ早く帰りたいから」などの理由は「仕事に対する意識が低い」などとマイナスの印象を持たれてしまう可能性が高いため注意が必要です。やむを得ない理由をきちんと記載したうえで、規定とは異なる時間に勤務する必要があることを伝えましょう。
規定とは異なる勤務時間を希望する場合の例文
母親の介護が必要であり、午後6時には施設から帰宅するため、午後5時には退勤させていただけると幸いです。
会社の規定や契約時の内容次第ですが、「残業ができない」と記載して採用された場合でも、繁忙期などで一定の残業が求められる可能性はあります。
とはいえ、まったく配慮がないわけではないので、「◯◯時以降は介護の関係で残業が難しいが、事前相談のうえ対応可能」など、理由を記載したうえで柔軟性を持たせた表現にすることがおすすめです。
どうしても時間を超えた労働が難しい場合には、契約社員や派遣など、正社員以外の雇用形態を選ぶのも、一つの手段です。
健康上に問題があり働き方に影響する場合
持病やけがなど、健康上に問題があり、仕事に影響する人もいると思います。体調に配慮しながら働く必要があるような健康上の問題がある場合は、本人希望欄に自身の状態と希望の働き方を記載するようにしましょう。
しかし、ほとんど働けないほどだったり、大幅に働き方を変更しなければいけなかったりする場合は、そもそも採用されない可能性が高まってしまうことがあるかもしれません。
体調に関して噓の状態を記載することは当然望ましくありませんが、特に仕事に大きな支障がない場合は、そのこともきちんと明記しておくことで、採用を思い留まるほどの印象になることを避けられます。
健康上に問題があり働き方に影響する場合の例文
喘息持ちで長時間働き続けると発症してしまう可能性があります。そのため、午後7時までの勤務とさせていただけると幸いです。なお、規定の勤務時間内は問題なく勤務することができます。
障害を持つ場合は、企業は合理的配慮をおこなう義務があります。そのため、障害者手帳の有無や業務上の配慮、通院・服薬状況などを確認し、安全に働ける環境を整えるために確認をおこなうことがあります。
連絡手段や対応可能日時が限られている場合
志望企業の選考中にほかの企業でインターンをしていたり、部活動をしていたりなどといった理由から、連絡手段や可能日時が限定される場合も本人希望欄に記入するようにしましょう。
なお、「月曜日の11〜15時は連絡が取れません」と不可能な時間帯を書くだけでなく、可能な時間帯や手段も明記しておくことで、採用担当者側は連絡をしやすくなります。
ただし、「朝の5〜7時のみ」や「23時以降」、「土日のみ」など、採用担当者の勤務時間帯以外の時間だけを指定するのは避けましょう。採用担当者の負担が大きくなるとともに、相手の状況を考えられない人と判断される可能性が高まってしまいます。
連絡手段や対応可能日時が限られている場合の例文
部活動に所属しているため、平日16〜19時は電話に出ることができません。なお、それ以外の時間帯だったら連絡可能です。
アルバイトなどの個人的な都合で対応可能時間が限られる場合でも、確実に連絡が取れることが重要であるため、対応可能時間は記載したほうが良いです。
会社側のスケジュールに100%合わせることは困難であるため、個人的な都合であっても相手が二度手間、三度手間にならないよう、理由も併せて伝えておきましょう。
- 履歴書作成時には特に希望がなく、提出後に急な事情で希望ができてしまった場合はどうすれば良いですか?
急用はできる限り早く担当者に相談しよう
履歴書提出後に急な事情で希望ができた場合は、採用担当者へ直接相談することが重要です。
たとえば、勤務地や勤務開始日の調整など、具体的な希望が発生した場合は、メールや電話で誠意を持って伝えましょう。
その際には、「急な事情で申し訳ありませんが」と前置きし、希望内容とその理由を簡潔に説明します。
企業によっては対応可能な場合もあるため、早めの連絡が肝心です。ただし、希望を伝える際には柔軟な姿勢を見せ、「可能であれば」「ご検討いただけると幸いです」といった表現を用い、丁寧にお願いしましょう。
低評価のリスクも! 本人希望欄に書いてはいけない内容
低評価のリスクも! 本人希望欄に書いてはいけない内容
ここまで本人希望欄に書いたほうが良い内容を解説しましたが、書いてはいけない内容もあります。
本人希望欄に書いてはいけない内容を知らずに記載してしまうと「社会人としてのマナーが足りていない」「我が社には合わない」などと判断され、不採用の可能性が高まってしまいます。
そのため、不本意に選考に落ちるリスクを下げるためにも、本人希望欄に書いてはいけない内容を理解しておくことが大切なのです。
ここからは、本人希望欄に書いてはいけない内容を解説します。提出後の後悔を避けるためにも、書いてはいけない内容を理解しておきましょう。
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
(リーダーシップが強みの場合)
規定から外れた給与や待遇に関する要求
募集要項や求人票には入社時の給与や待遇などが記載されています。新卒の場合、社会人としての実務経験がないわけなので、入社時の給与や待遇は部署や職種にかかわらず同じ水準からスタートすることが多いのです。
しかし皆さんのなかには自分のスキルに自信があったり、即戦力として活躍できる自信がある人もいるでしょう。そのような人は、選考時に給与や待遇について交渉するのも問題ありません。
ただし、規定から大きく外れた給与や待遇を要求するのはNGです。採用担当者に自分勝手だと思われたり、自信過剰な印象を持たれたりする可能性があります。そのため、本人希望欄ではできる限り給与や待遇について触れないのが無難です。
勤務地に関する細かすぎる条件
前述の通り、やむを得ない事情により勤務地を限定すること自体は問題ありません。ただ、その範囲が狭すぎると企業側は人材配置が難しいと感じてしまい、不採用につながる可能性が高まってしまいます。
たとえば、「東京都内」などであれば、企業側もある程度の希望に配慮できるかもしれません。しかし、「東京都品川区のみ」といったように、細かすぎる条件を提示されると、そもそも任せられる仕事がないケースも考えられるのです。
そのため、本人希望欄に勤務地について希望・条件を記載する際は、可能な限りで広い範囲を提示するようにしましょう。
勤務地を限定する際は、「東京都内」や「関西圏」など、企業が柔軟に対応しやすい適度な広さを提示することが重要です。
さらに、「家庭の事情で近距離勤務を希望」など、合理的な背景を補足することで企業の理解を得やすくなります。
また、譲れない要件を整理したうえで、柔軟に対応可能な部分についてはその旨を記載することで、採用の可能性を高めることができます。
特別な理由がない休日や勤務時間に関する要望
就活で就職先を探すにあたって、「週4日勤務を実現したい」や「勤務時間を短くしたい」などの希望を持つ人もいるかもしれません。しかし、その希望には必ずしも特別な理由があるわけではない人もいると思います。
このように、どうしてもという特別な理由がないものの自由な働き方を希望している場合、本人希望欄に書くべきではありません。企業側から自己中心的だととらえられたり、「その働き方ができるほかの企業に就職すべきでは?」などと思われたりして、採用を思い留まられてしまう可能性があります。
本人希望欄はやむを得ない事情がある場合のみ記載するものととらえ、特別な理由がない場合は「貴社の規定に従います」と記載するのが無難です。
会社側の都合を無視した条件
募集要項や求人票は会社側から提示する条件ともとらえることができます。そして、応募するということは、その会社側が提示した条件に合意するという意味でもあるのです。
しかし、やむを得ない事情がある場合のみ、本人希望欄にて自ら条件を提示することができます。とはいえ、会社側の都合を完全に無視した条件を提示するのはNGです。
たとえば、「転勤あり」と記載ある募集にもかかわらず「転勤はしたくありません」と記載したり、「新入社員は最初は営業職からスタートします」とある募集要項に対し、「企画職の場合のみ内定を承諾します」などと記載したりするのは、会社側の条件を無視しているといえます。
採用するにあたって、会社側にも方針や都合があるため、そのあたりを考慮したうえで本人希望欄を記入するようにしましょう。
これまで見てきた本人希望欄で、全国転勤の求人で「できれば地元で働きたい」といった趣旨の内容が書かれていたことがあります。
最初の配属という意味なのか、将来もという意味なのかは不明ですが、働く前からそこを重視していることが伝わるため、採用上のリスクを感じました。
好き嫌いによる職務内容に関する条件
一つの職種のなかでも取り組むべき仕事は多岐にわたります。特に新卒は、企業の戦力となるためにいろいろな仕事を経験する必要があるため、入社後すぐの段階から一つの仕事だけを突き詰めるといった働き方はあまりできません。
このようなことを踏まえず、自身の好き嫌いを重視した職務内容への条件を本人希望欄で伝えるのは望ましいとはいえません。具体的には、「手を動かすことはしたくないから頭を使う仕事をしたい」「簡単な仕事だけをしたい」などといった希望です。
どんな企業に就職したとしても、好きな仕事ややりたいことばかりに取り組めるわけではため、こうした希望は自分勝手な印象を与えてしまうのです。
また、企業側は「好き嫌いばかりを重視する人はチームの輪を乱してしまうのではないか」と考え、悪い印象を持つ可能性が高いといえます。
皆さんは、これから社会人として仕事を学んでいくべきだからこそ、特別な理由や条件がない限りは職務内容に関する自分勝手な条件は提示しないようにしましょう。
採用に関して募集要項とは異なる希望
募集要項には採用に関することも記載されています。たとえば、選考のステップや内定が出る時期などが記載されているのを見たことがあると思います。
このような募集要項の採用に関する部分に希望を伝えるのはおすすめしません。たとえば、「内定の通知は〇月末までにほしい」「選考会場は自宅から近い場所が良い」などといった希望です。
採用担当者は、企業の方針や通常の業務スケジュールなど、さまざまな点を踏まえて採用に関することを決めています。その採用のやり方やスケジュールかた大きく逸脱する希望に逐一対応していては、企業側の都合が乱され、その後の採用の妨げにもなるかもしれません。
そのため、上記のような募集要項に反する採用への要望をしてしまうような人材は、そもそも採用されにくい可能性があるといえます。採用は誰もが平等に与えられている機会であるため、その平等さに反した希望は伝えないようにしましょう。
プライベートを重視した条件
社会人になったら仕事よりもプライベートを重視したいと考える人もいるかもしれません。そのような考えを持ちながら仕事をすること自体は問題ありません。
しかし、プライベートを重視するような条件を本人希望欄に書くことは、やる気や志望度の低さの現れになってしまう可能性があるため、記入してしまうと選考での評価を落としてしまう可能性があります。
前述のとおり、本人希望欄はやむを得ない事情がある場合のみ記入する場所です。どんな都合でも書いて良いわけではありません。
そのため、「夜はゆっくり過ごしたいから」や「朝起きるのが苦手だから」など、プライベートを重視するような条件は記入しないようにしましょう。
プライベートを重視したい人は休みが多くて給料が高い仕事に就くのがおすすめです。以下の記事では休みが多くて給料が高い仕事を紹介しています。気になる仕事がないかぜひ参考にしてみてください。
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ESに悩んでいる就活生は
大手内定者の「ES回答例100選」を活用しよう!
・内定者のESを参考にしたい
・大手志望で就活準備をしている
採用経験者が解説! 本人希望欄の内容による選考の合否への影響
ここまで本人希望欄に書いて良い内容と書いてはいけない内容について解説しました。しかし、書いて良い内容でも選考の合否に影響するのではないかと気になる人もいると思います。
そこで、採用経験のあるキャリアコンサルタントの村谷さんに、本人希望欄の内容による選考の合否への影響を聞いてみました。やむを得ない事情があり、本人希望欄への記入を検討している人は参考にしてください。
アドバイザーコメント
村谷 洋子
プロフィールを見る会社側のニーズを理解しその範囲内で絶対的な条件を記載しよう
履歴書の本人希望欄は、自身の事情や働き方の希望を伝える重要な箇所ですが、内容によっては選考結果に影響を及ぼす場合があります。
本人希望欄に記載すべき内容は、あくまでも応募者がその企業で働くためにどうしても必要な条件や制約に限定されます。
たとえば「介護のため特定の地域での勤務を希望」や「通院があるため〇曜日は休みを希望」といったやむを得ない事情は適切です。これらを記載することで、企業側は応募者の状況を理解し、採用後の配慮を検討する材料とします。
一方で、記載内容が企業の提示する条件とまったく合わない要望や、明確な理由がない希望を伝えると、自己中心的と見なされ、選考にマイナスの影響を与える可能性があります。
たとえば「残業がまったくできない」「給与は募集要項以上を希望」など、企業側のニーズを無視した条件提示は避けるべきです。
特に希望がなくても適切な書き方を心掛けるのが重要
特に希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記載することで、空欄や無記入によるマイナス評価を防げます。
本人希望欄の内容は、応募者の真摯な姿勢や働く意思を示す手段としても重要です。適切な記載を心掛け、会社との良好なマッチングに役立てましょう。
ワンポイントアップを目指す! 本人希望欄を書く際の5つのコツ
ワンポイントアップを目指す! 本人希望欄を書く際の5つのコツ
履歴書の本人希望欄に自身の希望や条件を記入することは、企業側が提示する条件とは異なる働き方を希望することになる場合もあります。そのため、企業側にとって納得のいく、かつわかりやすい理由を記入することが大切です。
そこで、ここからは企業側が納得し、履歴書のワンポイントアップを目指せる本人希望欄を書く際のコツを解説します。企業側への配慮がカギとなるため、その点を踏まえて参考にしてください。
①提示した希望・条件はいつまで適用してもらいたいか期日を記載する
皆さんのなかには、今の時点では勤務地や労働時間に制限があるものの、その状況は一時的で社会人生活の間中続くわけではないという人もいるのではないでしょうか。
提示した希望・条件が終了する目処がわかる人は、いつまでその条件下で働きたいか期日を明記しましょう。
たとえば、東京都のみでの勤務を希望する場合、それが3年以内で終わるのか、半永久的に続くのかによって、企業側は、採用するか、人員配置をどうするかなどの考えが変わる可能性があります。
このように、企業側に適切に採用の判断をおこなってもらうためにも、いつまで適用してもらいたいのかがわかる場合は必ず期日を記載するようにしてください。
提示した条件・希望の期日がわからなくとも、どういう状況になればその条件が変わるのかはわかるはずです。その根拠となる状況を書いてください。
その根拠が明示できないほど曖昧ならば、希望は書かずにまずは会社に合わせ、働いてから相談してみてください。
②希望や条件を記載する際は必ず理由もセットで伝える
理由がなく、ただ希望や条件のみを端的に記載するのはNGです。相手への敬意がない、自分勝手などという印象が残り、不採用になる可能性が高まってしまうからです。
企業側に納得してもらうためにも、理由は必ずセットで伝える必要があります。たとえば、以下の理由がある希望と理由がない希望を見比べてみましょう。
理由がある希望・条件の例文
午後5時までの勤務とさせていただけると幸いです。理由は現在母が要介護者であり、午後6時には施設から帰宅し、その後は私が介護しなければいけないからです。
理由がない希望・条件の例文
午後5時までの勤務とさせていただけると幸いです。
理由がない希望・条件は、企業側も判断材料が少なくなり、むやみに採用することが難しくなってしまいます。そのため、不採用の確率が高くなってしまうのです。
このように、自身が提示する希望・条件に納得してもらうためにも、必ず理由はセットで伝えるようにしましょう。
③自己PRとは区別して希望や条件を記載する
本人希望欄は自己PRの場ではありません。あくまでも諸事情によって自身が絶対に実現したい希望や条件を記入する場です。そのため、自己PRとは完全に区別して記入する必要があります。
たとえば、以下のような文章は本人希望欄に書くべき内容と自己PRが区別できていないといえます。
本人希望欄に書くべき内容と自己PRが区別できていない文章の例文
私は、前職で培った営業スキルとコミュニケーション力を活かし、貴社でチームワークを大切にしながら成果を出し、成長に貢献したいと考えています。顧客に寄り添った提案が得意で、貴社の発展に寄与できると確信しています。
しかし、持病の関係で長時間働き続けることができず、午後6時までの勤務とさせていただければと考えています。ただ、限られた時間のなかでも高い生産性で仕事に取り組み、貴社に貢献いたします。
履歴書を作成する際、熱量の高さからどの場でも自己PRにつなげたいと考える人もいるかもしれません。その気持ちは悪くないのですが、履歴書全体のメリハリがなくなり、採用担当者にとって読みにくくなってしまうため、必要な情報を見落される可能性が高まります。
自己PRは自己PR欄に、本人希望欄は絶対に実現したい希望・条件を記入する場と区別して、役割が混合しないように気を付けましょう。
④前提として長く働き続けたい旨を伝える
採用活動をする企業の多くは、長く働き続けてくれる人材を求めています。自社で働きながら経験やノウハウを身に付けてもらうことで、さらに大きな成果を出してくれることを期待しているからです。
そのため、本人希望欄に希望や条件を書く際でも、前提として長く働き続けたいという意思を伝えることが印象をアップさせるポイントとなります。
「短期間のみ働きたい」という意思が伝わってしまった場合、「ほかに長く働いてくれる人を採用したい」と考えられて、あなたが採用される可能性が低くなってしまいます。
直接文面に書く必要はありませんが、面接などで本人希望欄の内容について聞かれた際は、長く働き続ける意思があることを伝えましょう。
長く働き続ける意思を伝えるには、希望や条件の背景を簡潔に説明しつつ、なるべく具体的で前向きな表現や、企業の求める人材像に沿うような表現を用いて、長期的な視点を持って働く意志を示すことが重要です。
たとえば「家庭の事情で勤務時間に制約がありますが、貴社の事業に強い関心があり、長期的に御社に貢献し、研鑽を続けていきたいと考えています」などと伝えます。
そうすることで、短期的な制約があっても将来的に成長や貢献を目指す意欲を示すことを面接の場で明確に伝えることで、信頼感を高めることが可能です。
⑤会社側の風習や募集要項の内容を否定するようなことは記載しない
会社にはそれぞれ風習が存在します。この風習とはその会社独自の色や文化などのことで、その会社ならではの唯一無二の特色ともいえます。
たとえば、毎週月曜日に各チームの社員でランチを取るランチミーティングや、朝礼で社訓を唱和する慣習、年末に全社員で大掃除をおこなうなどといったものが挙げられます。
このようなその会社ならではの風習を否定するのは、個人の人格や性格を否定するのと同じようなことであり、受け手である会社側にとって気持ちが良いものではありません。
また、募集要項の内容を否定することも同様に望ましくないといえます。そもそも募集要項の内容に納得がいかない場合は、自身と合わない可能性があるため、応募すべきではありません。
自分の提示する条件が受け取り手にどう見えるのか、という視点を忘れず、本人希望欄で伝えるべきことなのかを判断しましょう。
本人希望欄の書き方を理解して希望を正確に伝えられるようになろう
本人希望欄は何でも書いて良い場ではなく、書いて良い内容、書いてはいけない内容があることは理解できたのではないでしょうか。そして、希望や条件を書く際もいくつか注意点やコツがあり、それらを考慮することで低評価のリスクを避けることができます。
本人希望欄は、絶対に実現しなければいけない希望・条件がある場合には活用すべきものです。この記事を参考にして正しい書き方・ルールを理解して、自身の希望を正確に伝えられるようにしましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る本人希望欄のスペースや履歴書における位置を活用するのがカギ
履歴書の本人希望欄はあまりスペースもなく書けることは多くありませんが、使い方によっては好印象につなげられることもあります。まずは空欄にしないよう、最低でも「貴社の規定に従います」の一文だけでも入れることが基本になります。
そして、そこから余白をどう使うかを考えます。上記のように、書かなければならない事情がある人は理由とセットにして簡潔に記載し、個人的な要望は最小限で失礼のない書き方で書きます。ここまでは記事のなかで具体的に説明されていますね。
仕事への姿勢を端的にアピールすることで履歴書の印象が良くなる
問題は、特に書くことがない人にとっての余白の前向きな使い方ではないかと思います。自分の希望が会社にとってもメリットとなることは何でしょうか。 これからのことを会社視点で考えれば、端的な将来の希望としては成長や成功があります。
そして、その過程としての取り組み姿勢なども材料になるでしょう。それを1行か2行でシンプルに付け加えてみてください。本人希望欄はたいてい履歴書の最後にあるので、そこに力強さや前向きさが加わると履歴書全体のイメージがグッと良くなります。
逆に、ここに休日や福利厚生の希望を書いてみたときの尻すぼみ感と比べてみると、担当者視点での印象の違いがよくわかると思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約30年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
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