「仕事を辞めたいのは甘え?」にプロが回答|辞めて後悔しない知識も

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  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

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  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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この記事のまとめ

  • 甘えと思われる理由に共通するのは逃げや自分勝手さが見えること
  • 仕事を辞めても甘えと言われないためには協力姿勢と積極さが重要
  • 自分の力ではどうしようもない状況で辞める場合は甘えにはならない

仕事をしていてつらい思いをした時、辞めたいと思ったことがある人は多いでしょう。しかし「この考えは甘えなのか」と思うと次の行動へ踏み切れず、いつまでもモヤモヤを抱えてしまうこともありますよね。

そこで今回はキャリアコンサルタントの吉野さん、隈本さん、永田さんの解説を交えつつ、自分の仕事を辞めたい考えが甘えなのかを迷っている人へ、答えを出しやすくするための判断基準や甘えと思われる原因などの情報を解説します。

この記事を読むことで自分の考えが整理でき、社内での働き方を見直したうえで新たな一歩が踏み出せるでしょう。

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目次

「仕事辞めたい=甘え」とは限らない! 後悔しない選択を見極めよう

仕事を辞めたいという考え自体が甘えであると考える人もいるかもしれませんが、甘えと決めつけるのは危険です。状況によっては、取り返しのつかない状態になってしまう前に決断しなければならないこともあります。

自分の考えが甘えなのかを判断するには、まず自分の気持ちを優先して考える必要がありますが、後ろめたい気持ちがあると周りからの目も気になるものです。

だからこそ、まずは客観的に見たときに甘えと言われる原因も知っておくことが重要になります。そこでこの記事では、最初に甘えと言われがちな8つの理由を解説します。辞めたい理由を客観視することで、後悔せずに決断できるようになります。

とはいえ、自分の考えだけでは甘えではないとも決めつけられませんよね。そこで実際にキャリアコンサルタントのアドバイスも交え、甘えではなく辞めるべき状況も解説します。

また、後悔しないために辞める前にできることも解説するので、最後まで読んで自分の選択に自信が持てるようになりましょう。

「会社を辞めたい」と思っている人はこちらの記事も参考にしてみてください。モヤモヤの解消法や衝動的に行動してしまうリスクを解説しています。

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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

キャリアの専門家が解説! 「甘え/甘えではない」の本当の境界とは?

対処法などの前に、まずは「自分の辞めたいと思う考えが甘えなのか」ということを知りたい人は多いでしょう。自分で判断することは難しく、誰かの意見を求めたいもののなかなか切り出しにくい話題でもあると思います

そこで、キャリアコンサルタントの吉野さんに、辞めたい理由に対して甘えと甘えではない境界について聞いてみました。

アドバイザーコメント

「経済的自立」の視点から甘えか甘えではないかを判断できる

もし「辞めても実家住まいだから困らないし……」と思っている人は、一旦立ち止まりましょう。仕事を辞めてもこのまま実家に住まわせてもらえるのか、家族と相談してください。

もう立派な大人なので、「働かないなら出ていけ」なんて言われてもおかしなことはありません。

一方で失業中の生活費も確保できているなら、それこそ大人の自由です。貯金額の許す限り、休暇を取るのも自己判断でしょう。

加えて、もし家族から見ても「お金は援助するから辞めたほうが良い」と言われるようなら、「甘え」の範疇ではない危機的状態なので、迷わず辞める決断をしましょう。

辞めた後の経済面についてしっかりと考えてから決断しよう

「辞めてもっと良い仕事を見つけよう」と考えているなら、もっと良い仕事とは何かを具体化させましょう。

相談でよく聞くのは「公務員を目指す」「社会保険労務士・公認会計士などの士業資格を取る」「財団法人や学校法人など非営利団体の職員になりたい」などです。

そういった仕事は、非常に人気の狭き門です。目指す間の経済的自立はどうするのかをはっきりさせてから、意思決定をしましょう。

当てはまっていたら注意! 甘えと言われやすい仕事を辞める8つの理由

仕事を辞めたいと相談した時、いきなり「それは甘えだよ」とはっきり言われるのは怖いものです。そこでまずは、甘えと言われやすい理由を8つ紹介します。

自分の悩みは甘えと言われやすいのかを理解しておくと、伝え方を工夫したりその後の行動を振り返りやすくなったりもするでしょう。甘えなのか自分の考えに迷いがある人や、勇気を出して社内で伝えてみようと考えている人は参考にしてください。

①ほかにやりたいことができたから

「ほかにやりたいことができた」というのは前向きな理由に見えるかもしれませんが、客観的に見ると「今の状況から逃げるために言っている」、もしくは「今の仕事を満足にしていないのか」と思われてることもあり、マイナスな捉え方をされてしまう可能性があります。

また、この後紹介するほかの理由に当てはまるときに、直接理由が言いづらい状況でも使われやすいフレーズなため、本当のことを言えないときにごまかしていると思われやすい伝え方といえます

特にプロジェクトの進行途中で伝えたり、はっきりとやりたいことが伝えられなかったりすると、より一層甘えと捉えられかねません。

「ほかにやりたいことができた」という理由で仕事を辞める際に甘えと思われないためには、新しい目標や夢、スキルアップの必要性、現職での経験が次のステップにどのように役立つかなどを自分の言葉で具体的に説明できるようにすることが重要です。

②今の仕事が嫌いだから

仕事とは、好きなことばかりをできるわけではなく、嫌なことも我慢して対応しなければ成長できない場面もあります。そのため仕事内容が嫌で仕事を辞めたいと考えている人は「現実が見えていない」と思われてしまい、甘えと捉えられることがあります

また今の仕事が嫌いという理由は、周りからすると「会社に入社するときにわかるはずなのにどうして? 」と、その場の感情だけで流されているように見えてしまうかもしれません。

単純な好き嫌いの感情で仕事を選んでいると思われると、無責任で自分勝手な人という印象を与えてしまうでしょう。

③職場の人間関係が嫌だから

職場の人間関係を理由にした退職は、人によって捉え方が異なります。心理的負担と思うことは人によって違い、その違いが明確になりやすいのが人間関係に関する考え方だからです

人からすると大したことがない事態でも、自分にとっては重大問題なこともあるでしょう。こういった人による感情の違いを理解できない人からは、甘えと捉えられやすくなります。

また、人間関係のトラブルはどこにいっても起こりやすい問題です。そのため、「プロとして仕事をする以上は少しの苦手意識くらいは乗り越えて仕事に取り組むべき」と考える人にとっては、甘えた考えと思われるかもしれません。

④自分本位の理由で職場が嫌だから

就業開始の時間が早く朝起きるのがつらいことや通勤時間への不満など、自分が損をするのを理由とした辞めたい理由は甘えと言われがちです。

100%の理想がすべてかなう会社などほぼなく、何かしらの我慢をしながら働くものと多くの人は考えています。特に日本は規律・規則を守ることを美徳とし、当たり前として考えている傾向があるため、誰もが当たり前にやっていることに対する不満には甘えと捉えられやすいでしょう。

ほかのことがうまくいっていない中での相乗的な悩みなら辞めるか検討しても良いかもしれませんが、ほかに不満がないのであれば退職理由としては理解されにくいかもしれません。

働くこと自体に疑問を持ってしまっている人は、考え方次第で前向きな気持ちに変われるかもしれません。こちらの記事も参考にしてください。

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「嫌だから」という負の感情が原因の退職はやはり甘えになるのでしょうか?

吉野 郁子

プロフィール

甘えではないが同じことの繰り返しを引き起こす可能性がある

自分の許容範囲が狭いと、「嫌だから」という悩みに直面しやすいです。その結果、再就職先を見つけるのに苦労したり、転職しても同じ悩みが繰り返されたりしてしまうでしょう。

「嫌だという思いを抱えながらもやりつづけられる」「嫌いな人とも波風立てない」といったスキルは、人生の役に立ちます。

自分の度量を広げることで適応できないか、努力余地を探してみましょう。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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⑤ノルマや数値に追われるのがつらいから

会社に入った以上、何かしらの数値を背負わなければならない場面が多くあります。なぜなら会社の経営は、売上や利益といった数字の上に成り立っているからです

この仕組みを理解しているつもりでも、仕事に対するノルマを具体的に理解していないまま入社したり、クリアできると思っていたノルマが実際にはできなかったりすることもありますよね。理想と現実の違いが苦しく、退職を考えたくなるかもしれません。

しかしこの考えは当たり前にノルマをこなしている人や、社会とはそういうものと考えている人からすると理解しにくい退職理由なのです。社会の責任から逃れていると思われると、甘えと捉えられます。

永田 修也

プロフィール

ノルマに関する不満については、本人がどうしたいのかによって甘えなのかどうかが分かれるように思います。

結果を出して出世していきたいと望むなら泣き言を言っている場合ではないでしょうし、望んでいないのであれば甘えというよりむしろ適職ではなかったと判断するほうが良いかもしれません。

⑥とにかく疲れていてもう頑張れないから

理由もわからないものの疲れていて頑張れないという退職理由は、余計に甘えと捉えられやすいといえます。「なんとなく頑張れない」のような、原因不明のやる気のなさは病気ではなく気の持ちようであると思う人もいるためです

一般的に仕事はどんなときにも頑張るものと考えている人が多く、病気でもないのに頑張れないのは甘えと捉えられることもあるのです。

ただ、倦怠感や虚脱感は精神的な病気の初期症状であることもあるので、精神的なものか肉体的なものかなど、頑張れない原因を突き止めることも大切です。

とはいえ、どうしても頑張れない原因がわからない人もいるでしょう。とにかく仕事にやる気が出ないときの原因や対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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以下のQ&Aコンテンツでも、体調不良が退職理由になるのかという疑問に対してキャリアコンサルタントが回答しているので参考にしてみてください。

⑦責任ある立場になりたくないから

一般的に昇格や昇進は前向きな出来事と捉えられています。リーダーや役職への抜擢などのキャリアアップは、責任も増えますが、同時に給与アップや社会的地位の向上などのメリットも多いといえるでしょう。

そんななかで責任ある立場から逃れたい人は、昇進に対するメリットを軽視しているように見えます一般的な考えからは外れた発想にも見えるため、甘えていると思われるかもしれません。

吉野 郁子

プロフィール

正社員であることはすなわち、責任ある立場を担うことを期待されています。特に年齢が3~40代となると、リーダー格であることが期待されます。

責任者ポジションを避けるには非正規雇用だと回避しやすいですが、それで本当に良いのか長期的視野で考えましょう。

出世に対してあまり良いイメージが持てないという人は、以下の記事もおすすめです。仕事を辞めたいと思っている悩みの解消にもつながるかもしれません。

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⑧上司や先輩に怒られてつらいから

会社に入った以上、ほとんどの場合は上司・部下といった縦社会から逃れることはできません。上司や先輩から怒られることは一般的には社内教育の一環であり、教育される環境は当たり前かつありがたいことと言われています

しかしその教育が辞めたいほどつらい場合は、普段の上司や先輩の言い方や教育方法に問題があるケースも考えられます。そのため甘えなのかを判断するには、過剰に受け取っているのか、周りから見ても問題があるのかを知る必要があります。

上司や先輩に怒られてつらく感じる人は、成長の機会と捉えて改善点を学ぶ姿勢を持つことを意識してみましょう。

ただし、ハラスメントや理不尽な叱責が常態化していて、過度なストレスや体調不良、仕事への意欲低下が続く場合は、環境を変えるために転職を視野に入れてみてください。

合わない上司との関係の構築は、避けて通るのが難しい問題です。今の職場を退職したとしても、次も同様の問題が起こる可能性はないとは言えません。上司との対処法については以下の記事も参考にしてなるべく克服していきましょう。

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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

普段の姿勢も重要? 甘えた考えと言われかねない5つの行動

客観的に見て甘えと言われるのは、辞めたい理由だけが原因ではありません。普段の姿勢による印象によって甘えと判断されるケースもあります。

甘えと言われる理由には逃げや自分勝手といった共通の特徴があり、マイナスな捉え方をされるかは普段の行動に大きく関係するのです。

そこで甘えと言われがちな原因と併せて、普段の自分の行動に今から解説する5つが当てはまらないかをチェックしてみましょう。

①仕事に前向きに取り組もうとしていない

任された仕事に対して問題があった際に、どのように解決できるかを考える前に辞めることを考えてしまう人は、日常から前向きに仕事に取り組んでいない、逃げの発想しかないと考えられがちです。

会社に困難があった場合、解決して前に進まなければ会社は成長できません。特に民間企業では常に停滞せずに前年を超える必要があり、利益を出さなければ会社が存続できなくなります。入社した以上は会社の成長に尽力することは基本といえるでしょう。

そのため会社員として求められていることから逃げようとしている姿勢が見えてしまうと、何が理由でも結局甘えと捉えられかねません。

永田 修也

プロフィール

たとえば、介護の仕事でいえば「指示された利用者しか介助をしない」というようなマニュアル通りのことだけしかおこなわず、臨機応変に対応できていない場合などは、能動的に動いていないように思われてしまいます。

②つらい状況から逃げることしか考えていない

つらい状況から逃げずに立ち向かうことで人は成長できるといわれていて、長い社会人経験を積んできた人なら誰もが通る道であり、先輩も上司もその道を通って成長してきているから今があるといえるでしょう

つまり、仕事の中でも常につらい状況から逃げようとしている人は仕事にやる気がない人と見られてしまいます。立ち向かって成長することが当たり前な人にとっては、「もっと積極的に仕事すれば活路が開けるのになんで? 」と理解されないかもしれません。

また、逃げることを考えてばかりの人は思考を止めているようにも見えることもあり、退職理由を伝えても良い印象を得にくいでしょう。

③仕事において自分の利益のことしか考えていない

仕事とはチームプレイです。会社に所属しているからには、チームで協力して目標を目指すことが求められます。個人事業主とは異なり、チームで目標を達成するためには全員にとっての最適解を導き出さなければなりません

もちろん個人の成長も大事ですが、自分の利益しか考えられない人は身勝手な行動も目立ちやすくなります。チームの輪を乱す行動は、周りの理解は得られにくいのです。

そのような自己中心的な行動が目立つ人は、仕事を辞める理由も自分勝手と思われてしまい、甘えた考えと受け取られる可能性が高くなります。

吉野 郁子

プロフィール

挨拶・お礼・お詫びといった小さな声掛けは、チームワークづくりの第一歩です。ピンチのときに助け合えるかどうかの信頼関係が変わってきます。

こういった行動を怠って「周りが〇〇してくれない」と不満を漏らすのは、自己中心的にも見えるでしょう。

④やりたい仕事ができない不満しか言わない

会社の事業内容に惹かれて入ったとしても、実際にその業務に直接かかわれるかはわかりません。将来的に希望の仕事に就けるようになるとしても、最初は下積みとして別の分野の仕事を任されることもあります

しかし、希望していなかった仕事も前向きに取り組むことで活路が開けることもあります。今は好きな仕事をしているように見える人たちにも、下積み時代があったかもしれません。

そのため、任された仕事をやらずに不満ばかり言う人は、最大限の努力をしてから辞めたいと言っているように見えず、辞めたいとしても甘えと捉えられる可能性が高くなります。

⑤職場での人間関係に消極的にしか見えない

チームプレイを円満にするには、自分から積極的に溶け込もうとする姿勢も求められます。にもかかわらず、会話に参加しなかったり人間関係に加わろうとしなかったりするのは、必要な努力をしていないと見なされてしまいかねません

また、人間関係は自分の動き方次第で変えられる場合もあります。にもかかわらず、変えられる状況で変える努力をしないのは余計に甘えと捉えられやすいのです。職場の人間関係に不満がある場合、自分の行動で変えられる可能性があるかは立ち止まって考えてみましょう。

社会人は、基本的には自分の問題は自分で解決する必要があります。努力を放棄したまま辞めたいと言っても逃げと思われることも多いといえるでしょう。

永田 修也

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職場での人間関係の構築に消極的でいることのデメリットとして、「人として成長しない」ということが挙げられます。

会社だけでなく人生において損をしているような気もしますが、結局は誰かのおかげで仕事のスキルも人間性も向上することができるわけです。そのため、その機会を自ら放棄しているように感じます。

人間関係に積極的になれない人は、そもそも人とかかわることに苦手意識があるかもしれません。思い当たる人は、改善できるアクションやストレス軽減方法をまとめた記事があるので、こちらも参考にしてください。

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働きたくない・人とかかわりたくない人向けの仕事10選&改善策も

働きたくない・人と関わりたくないといった悩みの原因や打開するためのアクションについてキャリアコンサルタントとともに解説していきます。このまま悩み続けたくない人におすすめの人と関わらない仕事も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

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働きたくない・人とかかわりたくない人向けの仕事10選&改善策も

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

これは甘えじゃない! 仕事を辞めたほうが良い6つの状況

ここまでは甘えと思われやすい退職理由や思われやすい行動の原因を紹介しましたが、前提として仕事を辞めたい考え自体が甘えとは言い切れません。しかし甘えの捉え方は人によって価値観が異なるため、気安く相談をするのも難しいでしょう。

そこでここからは甘えではないとはっきり言える、退職を検討したほうが良い仕事の状況について解説します。

当てはまる場合、今までの内容に該当したり相談した結果でたとえ甘えと言われたりしても、自分を守ることを優先して退職や転職も検討してください。

会社全体の環境への不信感が拭えない

部署単位や個人単位ではなく会社全体に不信感がある場合、無理をしてまで在職する意味はあるのかを考えてみましょう。環境を変えたほうが仕事に前向きになれる可能性も高いといえます

たとえば慢性的な超過残業や休日出勤が会社全体に浸透している場合、改善できる可能性は低いと言わざるを得ません。会社が良しとしていても世間一般的に異常であるなら、早急に抜け出す必要があるでしょう。

不信感の原因が個人的感情か一般論かにもよりますが、ほかの会社と比較するなどして転職して改善できないかを検討してください。

どんなに頑張っても評価されない

仕事の評価は、一朝一夕でされるものではありません。しかし正当な会社であれば、3カ月や半年単位程度で仕事の頑張りが認められることがほとんどです。

プロジェクトの終了時点や年度末などタイミングはさまざまですが、最低でも1年程度は継続して頑張っていれば認められるタイミングが来るはずです。また1回では認められないものの、回数を重ねることで正当評価が受けられるケースもあります。

評価されるべきタイミングで評価されないことが続いたり、周りと自分の評価に差があると感じたりした場合、頑張る方向性が間違っていないかを考えましょう

上長との面談を通じて正しく結果を出しているにもかかわらず評価されない場合、適切な評価ができない会社かもしれません。

目標管理制度が導入されている企業ならば、3カ月や半年などがひと区切りとなります。

そうでない場合は人事考課の実施タイミングが目安となるため、1年間で評価されないなら正当な評価がされにくい職場と判断して良いでしょう。

会社の将来性が安心できない

頑張っても評価されないという状況と同様ですが、頑張ってもどうしようもない状況もあります。最たるものは会社の経営がうまくいっていないときです。

評価するためには賞与や昇給など、会社の利益を減らして誰が見てもわかるようにしなければなりません。しかし会社の将来性が安心できない状況では、評価するための資本すら出せないこともあります。頑張っても評価されない可能性も高いうえに、ある日突然会社がなくなる可能性すらあります。

将来性については、数値的なものと人間的なものに分かれます。数値的なものに関しては、決算書類や毎月の業績から判断でき、人間的なものは評価制度や役員陣の方針などが当てはまります。違和感がある場合、社外の人に意見を求めましょう。

職場の人間関係が改善される気配がない

職場の人間関係による退職希望は甘えと捉えられやすいものの、日常的なストレスになると仕事に支障をきたします。

たとえばストレスの原因が固有の人である場合、その人から離れさえすれば職場環境が改善することもあるかもしれません。その人を辞めさせることは難しくても、自分が部署を移動するなどで改善できるケースもあります。

しかし、訴えを重大に思っていなかったり会社側が改善する気がなかったりすると、一向に事態は良くなりません。誠実な対応が見えない職場は、たとえ我慢して在籍したとしても評価や人事で不満が起きることもあります。

そのためなかなか改善が進まない場合、さらなるストレスで苦しむ前に退職を検討したほうが良いでしょう。

将来性や職場の人間関係については、どれくらいの期間を見て退職するか判断したほうがよいでしょうか?

永田 修也

プロフィール

長くて半年を目安に判断することがおすすめ

職場の人間関係については、自ら訴えて改善する見込みがある企業では意外とすぐに受け入れてくれるケースもあり、期間としては2週間前後で改善してくれる場合もあります。遅くても1カ月くらいでしょう。

素早く迅速に対応してくれるような従業員を第一に考えている企業では、こういった傾向が見られます。

一方で、何度も訴えをしているにもかかわらず何カ月も放置され、一向に改善される気配がないというケースも多々あります。そのような場合は転職も視野に入れても良いかもしれません。

3カ月〜半年ぐらいを目安に待ってみて、それでも改善されないならば転職を検討すると良いと思います。

とはいえ、期間だけではなかなかすべてを判断できないので上司の反応や会社の状況を見ながら様子を伺ってみましょう。

体調が悪くなり一向に治らない

体調の悪化は、精神障害の症状の可能性もあります。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、たとえばうつ病ならからだの軽い症状が初期に現れやすく、不眠や過眠といった睡眠障害、食欲不振や過食・吐き気や胃の不快感、口の渇きや味覚の変化など症状は多岐にわたります。

体の不調だけでなくこころの変化もうつ病のサインと言われています。意欲低下や不安・焦燥感、注意力の低下、無気力感などさまざまあり、どの症状も軽視はできません。

一時的な不調であれば大きな問題ではないかもしれませんが、長期の不調を改善できず、かえって社会復帰できないようにまでなってしまうと人生そのものに支障を与える可能性も高くなります。事態が悪化する前に原因から離れることも大切です。

体調の悪化が仕事のつらさに原因がある場合、自分の気持ちの整理の仕方やストレスレベルによって変わる対処方法も理解しておくと少しは楽になれるかもしれません。以下の記事も参考にしてください。

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仕事がつらいときに自分を責めないで! 心が楽になる10の対処法

仕事が辛い原因や、対処法をキャリアコンサルタントとともに解説。退職や転職を検討している人へ、辞めるべきかどうかを見極める方法も説明します。仕事が辛い状況は必ず好転させられます。自分を信じて、状況を好転させましょう。

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仕事がつらいときに自分を責めないで! 心が楽になる10の対処法

目指すキャリアの方向性とまったく一致しない

理想のキャリアプランを思い描いて入社し、「ここなら理想のキャリアプランをかなえられる」という希望から入社している人も多いでしょう。

とはいえ、入社してから想像している仕事とまったく業務内容が異なっていたケースもあるかもしれません。一時的なものではなくどれだけキャリアを積んでも方向性が一致していなければ、モチベーションを保つことは難しくなるものです。

最終的なゴール自体が違う場合、我慢せずにイメージに近い職場に転職したほうが無駄な時間を過ごしたと後悔する期間を減らせることもあります

しかし、キャリアプランは状況に合わせて変化する可能性もあります。今だけでなく2、3年後の自分の姿を想像し、それでも自分の人生と合わないと思ったら転職を検討してみましょう。

こんな状況で仕事を辞めたいと思うのは甘え? 専門家に質問してみた!

ここからは、ケース別に甘えか甘えじゃないかを考えていきましょう。特に悩みがちな「周囲の環境の変化」と「新卒での短期間の退職」の2つの状況について、キャリアコンサルタントの隈本さん、永田さんの2人に質問してみました。

周りの人が辞めるから辞めるのは甘え?

親しかった同僚が辞めることや、直属の上司が辞めることは誰しもにあり得えない話ではありません。環境が変わることへの不安や「○○が辞めるなら自分も辞める」といった理由から退職を考えてしまうこともあるでしょう

簡単に辞める選択は甘えと捉えられがちですが、周りが辞めるという理由で退職を選ぶのは甘えた考えなのかについて、キャリアコンサルタントの隈本さんに聞いてみました。

アドバイザーコメント

努力してもどうにもならない場合は甘えではないといえる

仕事を辞める理由に周辺環境を挙げる人は少なくありません。具体的には以下のような理由で退職を考える人が多くいます。

・職場の人間関係:上司や同僚との不和やハラスメント
・労働条件:長時間労働や賃金の低さ
・業務内容:自分のスキルやキャリアプランと合わない業務
・企業文化:価値観や働き方が自分と合わない

ただし、職場の人間関係が悪い状態に対して自ら改善の努力をしていなかったり、新しい職場で十分に適応する時間を持たず、数カ月で辞めようとしたりなどの場合は甘えと言われかねないでしょう。また、辞める理由が曖昧で具体的な改善策を試みていない場合も同様です。

長期的な目線でプランを立ててから意思決定をしよう

しかし、「明確なパワハラが起きている」「法律や労働規範に反する労働条件で働かされている」などの理由で心身の健康に重大な影響が出ているならば、無理をして働き続けることは危険です。

また、長期的なキャリアプランに合わない職場で働き続けることも個人の成長を阻害するため、合理的な退職理由と認められます。

辞めて後悔しないためには、短期的な不満だけで決断するのではなく、長期的なキャリア目標や生活設計を考慮したうえで判断するようにしましょう。

すぐに辞めるのではなく、まずは上司や人事に相談して改善の余地がないか試みる、しっかりとリサーチをおこなったうえで自分の価値観やキャリアプランに合う職場を見つけるといった行動が大切です。

新卒だけど仕事を辞めたいのは甘え?

入社してすぐなどの仕事に慣れていない状況は、辞めたいと考えやすいタイミングです。そのため新卒で入社したばかりでも仕事を辞めたいと考える場面が多い人もいるかもしれません。

一通りの仕事を経験し、スキルを得るためにも「仕事は最低でも3年は続けるべき」と言われることも多くあります。実際に新卒の経験が浅いうちに辞めることは甘えなのかについて、キャリアコンサルタントの永田さんに聞いてみました。

アドバイザーコメント

「3年は続けるべき」は状況によっては正しくもあり間違ってもいる

「何事も3年は続けるべき」という考えも、最近では古くなってきています。新卒でも合わないと感じたらすぐに辞めるべきだという考え方が多くなってきている昨今では、少し時代遅れなのかもしれません。

数カ月で辞める新入社員の理由の一つに「仕事内容が思っていたのと違った」というものがあります。これは果たして「すぐ辞めても良い理由」なのでしょうか。

個人的には、おそらく就職状況が売り手市場であることが要因としてあると考えています。これが企業が優位な買い手市場であれば、求職者側はこのような悠長なことは言っていられないのではないかと感じます。

そのように考えると、多少のトラブルや想定外のことを受け入れられないことは甘えと捉えることもできます。

明らかに会社側に要因がある場合は甘えではない

とはいえ、労働時間を守っていない、パワハラがひどいといったあまりにもひどい状況のブラック企業で、病気や不調に陥る原因が明らかに存在している場合は、甘えではなく対処が必要な事例となります。

3年続けて良いこともありますし、3年も続けたら病気になる場合もあります。なかなか判断が難しいかもしれませんが、自分でもわからないことは身近な人に勇気を出して相談することも大切です。

仕事をはじめてすぐ辞めることに対しての迷いがある人は、以下で詳しく専門家が解説しています。併せて参考にしてみてください。

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辞めると決める前に! 後悔しないために実践してほしい5つのこと

ここまでの内容を踏まえて、甘えか甘えではないかの線引きが自分の中でできてきた人も多いでしょう。「自分の考えは甘えではない」「自分は退職するべき」と結論付けた人もいるかもしれません。

しかし仕事を辞めることは気軽に決断できるものではありません。辞めた後でなぜ辞めてしまったのかと後悔するケースもあるでしょう。そうならないために、退職に動く前にしてほしい5つのことについて解説します。

①辞めたい理由を冷静に分析する

辞めたい理由が整理できずに辞めてしまうと、本当にかなえたかった理想とギャップが生じやすくなります。

退職したいと思うに至った状況には、一つの理由に限らず複数の理由が重なっていることも多いです。つらい環境から逃げたい気持ちでいっぱいになると、目の前の状況に追われてしまい、とにかく辞めることがゴールになってしまうこともあります。

しかし複合された理由を紐解かなければ、次の職場を選ぶときの優先順位も定めることが難しくなります。もしかしたら改善できるかもしれないことも見極められないため、続けるにしても辞めるにしても良い方向に行かなくなるのです。

後悔しないためには、職場から離れた自宅などの静かな環境で辞めたい理由をすべて書き出し、自問自答しながら時間をかけて辞めたい原因に順位付けをすることがおすすめです。

何かを整理して考えたいときはマインドマップを活用してみましょう。以下の記事でマインドマップ分析の仕方やツールについて解説しているので参考にしてみてください。

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②辞めて本当に今の悩みは解消されるのかを考える

辞めたい理由を分析した後は、本当に辞める必要があるのかを考えてみましょう。どこにいっても変わらないことが原因な場合、退職しても悩みは解消できない可能性が高いためです

改善されないことの例としては、人間関係や評価制度、環境の悩みなどが挙げられます。たとえば以下のような状況は、どこの職場でもよくあるといえます。

どこの職場でも起こりやすい問題

  • 話が合わない同僚やなんとなく気に入らない上司がいる
  • 評価制度がわかりにくく整備がされていない
  • 一定の残業が強いられる

辞めて改善されるのかは、客観的に見て辞めたい理由が一般的な感覚なのかによって変わります。自分一人で悩まず、さまざまな人から意見をもらいましょう。

その際、「それは辞めるべき」とあまり言われない場合は、転職しても改善されないかもしれません。

③辞めて何をしたいのかを明確にする

辞めたいほど追いつめられていると、今の状況に対処するのが精一杯で次の目標が考えられない人もいるでしょう。「辞めたら楽になる」という発想は間違ってはいませんが、方向性が定まらずに退職してしまうと転職活動をしてもうまくいかない危険性が高まります

企業に採用されやすいのは自社に貢献できる人間であり、前向きに仕事を頑張れる人です。会社に入って何がしたいのかが見えない人は、仕事に対するモチベーションが低いと見なされてしまいます。

逃げたい気持ちだけでなく自分が入社したときの動機を思い出し、「次こそ別の会社で○○を成し遂げたい」と強い気持ちを持てるように、辞めたい理由と合わせて目標も整理しましょう。

これからのキャリアプランを組み立てるのが不安な人に向けて、以下の記事でキャリアビジョンの組み立て方について解説しています。あわせて参考にしてください。

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④退職以外の方法で対処できないかを考える

仕事を退職することにはさまざまなリスクがあります。たとえば短期間での転職は履歴書での印象も悪くなるうえ、退職理由も伝え方を間違うとマイナスな印象をさらに持たれてしまう原因になりかねません。

退職は最終手段であり、リスクを回避するためにも退職以外の手段も考えたほうが「何もせずに逃げた」と思われることも避けられます

たとえば人間関係が原因なら、席替えや部署替えで対処できるかもしれません。できることが自分では見えていないことも多いので、代替案や妥協案も考えながら、友だちや家族、キャリアアドバイザーなどに相談してみてください。

相談相手に迷ったときは、以下の記事も参考にしてみてください。タイトルは「就活の相談」となってはいますが、迷ったときの相談相手の候補や相談先の見極め方について解説しています。

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⑤直属の上司以外の上長や部署に相談する

相談しても埒が開かずに退職するしかないと考えている場合、相談する相手を変えると改善できるかもしれません。もし直属の上司と話して解決しない場合も、より上の職位の社員に相談すれば解決するというケースは多々あります。

なかには評価が下がるのを恐れて都合の悪いことを隠ぺいしようとする人も少なくはありません。もしあなたの上司が止めている場合、さらに上長は部署は平穏でうまくいっていると勘違いしていることもあります

知っていて見過ごしているのと、知らずに対処できていないのでは大違いです。後者であれば、相談をきっかけに事態が好転する可能性は大いにあるでしょう。

アドバイザーコメント

後悔しない決断には徹底的な情報収集が必須

厳しいことを言いますが、安易な離職は年収に影響します。経済的に追い詰められてからの再就職は選択肢を狭め、不本意な再就職となり、不本意の離職にもつながりやすいです。

そのため、後悔しない決断をするためには、退職後のプランに関する情報収集をすることが大切です。

ぜひ在職中にお試しで転職活動をしてみてください。思い描いているような求人はあるのか、自分のスキルで通用する仕事は何か、応募条件はどんなものかなど、理想と現実のギャップを早めに知っておきましょう。

退職して休暇を取る場合は「期間」と「予算」を計画的に考えよう

当然ですが、仕事をやめると給料が入らなくなります。そのため、どれくらいの期間休むのか、そのためにはいくらの予算が必要なのかを考えておくことが重要です。失業保険がもらえるかどうかも調べてみてくださいね。

自分だけではなかなか決められない場合は、相談機関を活用してみてください。相談員に話すことで視野が広がり、自分では気付けなかった視点を得られることがあります。

「辞める」という響きは、甘美でもあり、腹の立つ出来事に逆襲した痛快さを覚えるかもしれません。でもその快感はやがては終わり、新たな現実がやってきます。

次にやってくる現実がより望ましいものになるように情報収集をしっかりしてから、意思決定しましょう。

客観的に分析した結果、転職という選択をする場合は、以下の記事を確認して準備を進めましょう。

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仕事を辞めたいのは甘えとは限らない! 冷静に考えて適切な選択をしよう

仕事を辞めたいという発想自体が甘えなのではなく、状況や自分の行動次第で捉えられ方が変わることは理解できたでしょうか。この記事でも紹介したように、誰から見ても大したことがない状況や、ただ後ろ向きな考えからの逃げの退職希望は甘えであるケースもあります。

とはいえ自分が辞めたいと考えている理由がどれほど大きな問題なのかは、人によってさまざまです。甘えになりやすい理由だからといって、自分にとって重大な問題であれば甘えではないといえるでしょう。

しかし重大な問題だから辞めても後悔しないかといえば、はっきりとは言い切れません。一時の感情に突き動かされず、この記事を参考にして後悔しない選択をしてください。

アドバイザーコメント

仕事を辞めたいという気持ちが甘えだと思う必要はない

仕事の悩みやストレスは誰にでもあるもので、その解決策として辞めることを考えるのは自然なことです。重要なのは、その気持ちの裏にある理由を冷静に分析して自分の現状を客観的に見つめることです。

職場の人間関係や労働条件、業務内容が自分に合わない場合、その環境で無理をして働き続けることが必ずしも良い結果を生むとは限りません。ハラスメントや過度なストレスが理由で仕事を辞めるという決断は合理的であり、必要な選択である場合も多々あります。

仕事を辞めることが甘えだと見なされるケースもありますが、それは改善策を試みずにすぐに諦めてしまう場合や、短期間での決断が多い場合です。

「客観的」かつ「長期的」な視点で人生設計をしよう

辞める前に上司や人事に相談し、改善の余地がないかを確認することも忘れずに、長期的な目線で自分のキャリア目標や生活設計を考慮しましょう。もし辞める決断をするとしても、次のステップをしっかりと計画し、リサーチを怠らないことが大切です。

最後は自分の健康や幸福を第一に考えて気持ちを尊重しつつも冷静さを失わず、自分にとって最良の選択を見つけてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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