本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「ルネサスエレクトロニクスはやばい」
連結時の従業員数は2万人を超える大企業であり、世界を相手に事業を展開するルネサスエレクトロニクスですが、企業について調べるとネガティブな噂がヒットします。しかし、その噂はすべてが正しいのでしょうか。
そこで、就活のプロであるキャリアコンサルタントとともに、企業の実態を知っていきましょう。正しい情報を読み解く力を身に付けて、企業が本当にやばいのかどうかを判断してみてください。
【完全無料】
大学3年生(28卒)におすすめ!
就活準備で必ず使ってほしい厳選ツール
1位:適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
2位:業界&職種マッチ度診断
あなたが行きたい業界・職種のマッチ度を診断しましょう
3位:16タイプ性格診断
あなたの基本的な性格から、就活で使える強みを特定します
4位:面接力診断
39点以下は要注意!あなたの面接力を今のうちに診断しましょう
5位:就活力診断
80点以上が合格!まずは力試しに自分の就活力を測定しましょう
【併せて活用したい!】
選考対策の決定版!内定者が使った2大ツール
①自己PR作成ツール
AIツールを活用して選考前に自己PRをブラッシュアップしましょう
②志望動機作成ツール
他の就活生と差別化した志望動機になっているか、AIツールで確認しましょう
1分でわかるルネサスエレクトロニクス
ルネサスエレクトロニクスとは
各種半導体の研究、開発、設計、製造から販売、サービスまでを担う半導体専業メーカー。おもに「自動車向け事業」と「産業・インフラ・IoT向け事業」の2つを展開しており、マイクロコントローラやSoC、アナログ半導体、パワー半導体などを提供。「To Make Our Lives Easier」というパーパスを掲げ、自動車や産業、インフラ、IoTの4分野へ製品・ソリューションを提供し、安全でスマートな社会の発展を目指す。
| 会社名 | ルネサス エレクトロニクス株式会社(Renesas Electronics Corporation) |
| 従業員数(連結) | 21,629名(2025年12月末) |
| 本社所在地 | 東京都江東区 |
| おもな事業 | 各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービス |
| 売上高(連結) ※IFRSに基づく | 1兆3,212億1,200万円(前年同期比2.0%減)(2025年12月期) |
| 営業利益(連結) | 2,011億6,600万円(同9.8%減)(同期間) |
| 企業HP | https://www.renesas.com |
| 新卒採用HP | https://career.renesas.com/interns-graduates |
「ルネサスエレクトロニクスがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「ルネサスエレクトロニクスがやばい」と言われる4つの理由
ルネサスエレクトロニクスがやばいと言われる理由について、4つにまとめて紹介します。それぞれの理由についての具体的な根拠、そしてキャリアコンサルタントからの専門的なアドバイスを読み込んで、企業の実態を読み解いていきましょう。
①巨額の損失で株価が暴落したから
2025年12月期の決算において、ルネサスエレクトロニクスは2,366億円の損失があったことが述べられています(※)。
原因として、同社はアメリカの半導体企業Wolfspeed社へ多額の支援をしていたものの、Wolfspeed社が経営破綻により倒産したことで、一連の流れで2,366億円もの損失が生じて、最終的には連結の会計でも517億6,300万円もの赤字を計上することとなりました(※)。
また、直接的に作用したとは断言できませんが、同期間の株価の動きとして最高値と最低値がどちらも大きく下落していることもやばいと言われる理由の一つとして考えられます。

ただし、巨額の損失があったとはいえ、フリーキャッシュフローでは3,282億円のプラスがあったり、会社の手元には2,959億円と潤沢な資金を保有していたり(※)、決して経営状況が悪化しているわけではないという点を押さえておきましょう。
※ ルネサスエレクトロニクス有価証券報告書 2025年12月期
プロのアドバイザーはこう分析!マイナスもカバーできるほどの強固な事業基盤がある
巨額の損失という数字だけを見ると、不安になるのも無理はないですよね。
ただ、企業を見るときに大切なのは、「大きな損失が出たか」だけではなく、その後も事業を回し続けられる力があるかです。
ルネサスエレクトロニクスは、自動車、産業、インフラ、IoTといった社会には欠かせない事業領域を複合的に支えており、事業の土台そのものが比較的強い会社と言えます。
実際、損失が出た局面でも、手元資金や事業継続力がすぐに揺らぐ状態ではありませんでした。
価値の高い事業を長期的に展開していけるかがポイントになる
就活生としては、過去の大きな損失に驚くよりも、「それでも立て直せる会社か」「今後も必要とされる将来性のある事業を展開しているか」を見ることが大切です。
短期ではなく、中長期的な視点での企業の強さは、これまで順風満帆だったかではなく、逆風の中でも持ちこたえ、ばねのように立て直せるレジリエンス性(復元力)に現れやすいです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
そんな人におすすめしたいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、自分の強みや性格に合った職業がわかります。
今すぐ診断を受けて、自分に合う職業・合わない職業をチェックしてみましょう。
②昇給の見送りやリストラがあったから
2024年3月11日、日本経済新聞から、ルネサスエレクトロニクスにおいてリストラが実施されたことや、昇給が見送られたという報道がされました(※1)。この後に同社が出した説明文によると、どちらの出来事も事実ではあるものの、誤解も含まれているようです。
まず、定期昇給の延期については事実であり、市況の軟化をふまえて実施されたとのことです。昇給率は下げずに、支給する時期をずらすほうが、従業員にとっての利益になるという判断から実行されたもので、決して経営難のようなマイナスな理由ではないようです(※2)。
また、リストラについても事実であり、2023年11月に実行されたようです。ただし、実際に退職した人数は従業員全体の1~2%となっており、半導体業界で勝ち抜くために必要な施策として、単なる人件費削減ためではないと説明されています(※2)。
※1 日本経済新聞「ルネサス、定期昇給を半年延期、人員削減も実施」
※2 ルネサスエレクトロニクス 定期昇給延期と人員削減に関する一部報道について
アドバイザーのリアル・アドバイス!財務状況という観点から企業の本質を探ろう
志望企業のリストラや昇給見送りといったニュースを耳にして、「本当にこの会社に入社して大丈夫だろうか」と不安になる気持ちはとてもよくわかります。
しかし、企業の財務戦略という客観的な視点から考えてみましょう。企業は営利団体であり、事業継続において最も警戒すべき「倒産」を防ぐカギは、流動資産の中でも現預金(キャッシュ)の確保にあります。
大手企業は借入を活用しながら事業を拡大していくため、手元のキャッシュフロー管理が会社の命綱となります。
リスクを取れる経営方法は良い企業の判断材料になる
したがって、企業存続に不可欠な現金を確保するために、あえてリストラや昇給停止といった痛みを伴う策を講じることは、経営陣が迅速かつ適切な「経営判断」を下せているという証左であり、市場や投資家から高く評価されるポイントでもあります。
このことから、現在ルネサスエレクトロニクスが置かれている状況を正しく把握するためには、ニュースの表面的な事象にとらわれず、決算短信やIR資料から財務状況や今後の経営戦略を客観的に分析し、総合的に判断することが非常に大事です。
③パワハラがあって激務だから
口コミサイト等では「パワハラ」「激務」というワードがヒットすることがあるようです。複数回に渡る企業の買収で環境の変化が多かったり、2017年に子会社で過労死があったことが各種メディアで報道されたりしたことなどが、口コミの原因だと考えられます。
ただし、実態として同社の月残業時間の平均は20.4時間(※1)と製造業界の平均14.5時間(※2)を上回ってはいるものの、年間休日数は132日、有給休暇の取得日数は平均18.5日(※3)と休みを取りやすい環境が整っているととらえることができます。
| ルネサスエレクトロニクス | 製造業界の平均 | |
|---|---|---|
| 月平均残業時間 | 20.4時間 | 14.5時間 |
| 有給休暇取得日数 | 18.5日 | 12.9日 |
さらに、同社の社風について、社員インタビュー上では挑戦を奨励する文化や、フラットな人間関係に対しての意見が見られます(※)。こうした社風や仕事の様子について、一部相性の合わない人が「パワハラ」や「激務」ととらえてしまうことがあるのかもしれません。
社員が語る社風
フィールドアプリケーションエンジニア
「風通しがよく、若いうちから責任ある仕事ができる」
経理・財務
「私のような若手社員にもチャンスを与え、成長させてくれる社風が、ルネサスにはあると思います」
経理・財務
「職場の雰囲気がとても明るいことです。ひたすら黙々と働くのではなく、頻繁に会話が飛び交っています」
※1 ルネサスエレクトロニクス 2024年度 統合報告書
※2 厚労省 毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報
※3 厚労省 令和6年就労条件総合調査の概況
※4 ルネサスエレクトロニクス 社員インタビュー
プロのアドバイザーはこう分析!業界特有の社風に合わないと激務やプレッシャーを感じる
ルネサスエレクトロニクスは、日本を代表する半導体メーカーとして高い技術力を誇る一方、事業環境の厳しさから、働くうえで負荷を感じるケースもあります。
まず「激務」の側面では、自動車向け半導体などの需要変動への対応や、グローバル展開に伴う海外拠点との連携により、早朝や深夜のWeb会議が発生する場合や、プロジェクトの進捗によって業務量が増えることもあります。
また「パワハラ」と感じるリスクとしては、半導体業界特有の高い品質要求や納期プレッシャーのなかで、成果や進捗に対する指摘が厳しくなる場面が考えられます。
論理性や結果を重視する組織風土に馴染みがない場合、人によっては上司からの指導を強いプレッシャーと受け取ることもあるでしょう。
仕事と休みでメリハリのある企業だと言える
ただし、こうした働き方や職場環境の感じ方は部署や職種、上司によって異なるため、一概に「激務」「パワハラ体質」と判断することはできません。
一方で、年間休日数や有給休暇取得日数は比較的高い水準にあり、ワークライフバランスの改善に向けた取り組みも進められています。業務中の密度は高いものの、休暇を取得しやすい環境が整っている点は特徴です。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④市況の変化を受けているから
ルネサスエレクトロニクスは半導体にかかわる事業を扱っているため、シリコンサイクルという業界特有の市況の変化に影響を受けることがあります。
シリコンサイクル
半導体業界において3~4年周期で繰り返される好況と不況の波。半導体の需要が上がることで投資が拡大され、過剰な供給と価格の下落が起き、その後に回復をするという一連の流れがある。
また、同社は世界的なインフレや地政学リスクの影響、また半導体市場での消費低迷が続いていることなどから、目標として掲げていた2030 Aspiration(※1)を2035 Aspiration(※2)として、後ろ倒しにしています。
世界を相手にする企業であるうえ、需要に波のある業界に属していることから、確かに市況の影響を受けやすい企業であるといえます。
※1 ルネサスエレクトロニクス 2024年度 統合報告書
※2 ルネサスエレクトロニクス 有価証券報告書 2025年12月期
アドバイザーのリアル・アドバイス!柔軟性がある企業は経営を安定させられる
ルネサスエレクトロニクスは、半導体業界に属している以上、毎年同じように安定した業績が続く会社とは言いにくいです。世界景気や需要変動、シリコンサイクルの影響を受けるからです。
ただ、それはすぐに経営不安へつながるという意味ではありません。就活生として大切なのは、「波がある業界か」だけでなく、その波の中でも続けていける会社かを見ることです。
変化に対応できる企業であるかを見極めよう
ルネサスエレクトロニクスは売上規模、事業領域の広さ、資金面の余力があり、実際に外部環境の変化に応じて目標時期を見直して経営しています。安定性とは変化がないことではなく、変化に対応しながら事業を続けられることだと思います。
その意味で同社は、短期的な波はあっても、中長期では十分に経営を続けていける可能性が高い企業と考えられます。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
やばい理由の根拠から正しい解釈をしよう
ルネサスエレクトロニクスがやばいと言われる理由については、確かに事実となるものも確認できます。ただし、その情報をどのように解釈するかで、企業のイメージは変わってくるものです。
企業の実態を把握するためには、噂と現状がどのようにつながっているのかを理解して、正しい姿をとらえてみましょう。
プロのアドバイザーならこうアドバイス!環境の変化に対するとらえ方が企業への適性を分ける
就職でルネサスエレクトロニクスに向いている人は、「激しい変化とグローバルな環境を楽しめる人」だと思います。
技術革新のスピードが速く世界を相手にする業界だからこそ、最先端のフィールドで自らをアップデートし、ダイナミックな挑戦をしたい人には向いている企業です。
変化を成長のチャンスととらえられるスピード感のある生き方は、非常に魅力的です。
一方で、向いていない人は、「一つの物事にじっくり腰を据え、深く丁寧に向き合いたい人」かもしれません。
目まぐるしい変化に息苦しさを覚えるのは、裏を返せば、物事を慎重に見極め、確実かつ緻密に進められるという、素晴らしい才能を持っている証拠です。
この着実さや深い探求心は、変化の速い環境よりも、着実に専門性を高めることができるという資質の持ち主です。
自己分析の解像度が企業とのマッチ度につながる
大切なのは就職を検討する会社の知名度ではなく、自分が働くということに対するポイントがどこにあるかを発見するという、自己理解の深掘りです。
どちらの資質も社会に不可欠な強みですから、自信を持って自分に合う企業選択をすると良いと思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細