本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
レゾナックは売上高1兆円を誇るメーカーとして、幅広い分野への事業を展開しています。しかし、「度重なる買収や合併」「業績悪化」といった情報から、「やばい」と噂されているようです。
そこで、この記事ではレゾナックが本当に「やばい」企業なのか、信頼性の高い情報から実態を読み解いていきます。また、実際に製造業界での勤務経験があるキャリアコンサルタントから、正しい情報のとらえ方を解説しているので、併せて参考にしてみてください。
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1分でわかるレゾナック
レゾナックとは
半導体・電子材料、モビリティ、ケミカルなどの幅広い事業を展開する機能性化学メーカー。特に半導体分野の材料開発に強みを持ち、生成AI向け半導体パッケージ用液状封止材やパワー半導体用SiCエピウェハーなどの最先端材料を提供して社会を支える。
さらに、使用済みプラスチックから基礎化学品を生産する資源循環事業など、サステナビリティや環境問題の解決にも積極的に取り組む。
| 会社名 | 株式会社レゾナック・ホールディングス |
| 従業員数(連結) | 21,525人(2025年12月31日現在) |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| おもな事業 | 半導体前工程材料、半導体後工程材料、ハードディスク、SiC、自動車部品、アルミ機能部材、基礎化学品、黒鉛電極、リチウムイオン電池材料、機能性化学品、樹脂材料、コーティング材料、セラミックス |
| 売上高 | 1兆3,471億2,500万円(前年同期比3.2%減)(2025年12月期) |
| 経常利益 | 466億7,600万円(同47.6%減)(同期間) |
| 企業HP | https://www.resonac.com/jp |
| 新卒採用HP | https://www.resonac.com/recruit/jp/info/new/ |
「レゾナックがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「レゾナックがやばい」と言われる4つの理由
レゾナックがやばいと言われる4つの理由を解説します。キャリアコンサルタントからは、業界経験を踏まえた具体的なアドバイスをおこなっているため、企業研究の参考にしてみてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
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①買収や合併を繰り返しているから
レゾナックは国内外問わずに事業の買収や、会社の合併を複数回おこなっています。
レゾナックの直近での買収や合併
- 2016年:サンアロマーを連結子会社化
- 2017年:SGL GEから黒鉛電極事業を買収
- 2020年:日立化成グループを連結子会社化
同社はM&Aによって原材料価格高騰への対応が遅れたり、カルテル行為による制裁金などが発生したりしました。そこから、ROIC(投下資本利益率)やROE(自己資本利益率)が悪化したと述べており(※1)、買収による財政状況の圧迫があるようです。
しかし、一連の動きは単なる買収や合併の繰り返しではなく、世界トップクラスの企業を目指すための戦略です。企業からは、海外市場で台頭する巨大メーカーへの対抗(※2)、主力の半導体分野で勝ち残るため(※3)といった背景が説明されています。
※1 日立化成グループ ANNUAL REPORT 2018
※2 昭和電工 統合報告書 SHOWA DENKO Report 2020
※3 レゾナック RESONAC REPORT 2023
アドバイザーのリアル・アドバイス!レゾナックの買収や合併は業界構造を鑑みた現実的な対応
レゾナックの買収や合併は、単独では戦えない業界構造への現実的な対応と見ることができます。
半導体材料は装置産業に近く、規模とスピードがなければ海外の巨大メーカーに価格競争で飲み込まれかねません。そこで日立化成の統合によって、半導体の製造の前工程から後工程までを総合的にカバーできる体制が整いました。
現在、生成AIの普及に伴って半導体のパッケージング技術が急速に進化するなか、この幅広い製品ラインナップは他社にない大きな特徴です。
買収の多さよりも買収を経た後の事業構造から判断しよう
買収が多いのは不安定なのではなく、買収を経てどんな事業構造になったかで判断することをおすすめします。半導体・モビリティ・ケミカルと事業が分散されている構成は、一つの分野が悪化しても、全体を直撃しにくい強みにもなります。
今後は、統合で得た技術を製品化スピードにつなげられるでしょう。グローバル市場や同業他社のなかで勝ち残っていけるだけの技術的な基盤は十分に備わっていると言えます。
②会社が統合したことで社風が変わるから
2023年1月、旧昭和電工と旧日立化成が完全統合したことにより、現在のレゾナックが誕生しました。昭和電工の素材技術と、日立化成の機能設計技術を融合させることで、ワンストップ型の先端材料パートナーとして社会や顧客に貢献することを目指しています(※1)。
異なる会社が統合することで、社風が変わってしまうことに懸念を抱く人も一定数いると考えられます。
企業は統合した2社について、古い体質のために従業員の潜在能力が解き放たれていないことが課題だとしています。そのため、派閥を中心にしない協業する姿勢を育成したり(※2)、経営者と従業員が対話できる機会を設けたり(※3)、新たな企業文化の醸成に注力しているようです。
※1 レゾナック RESONAC REPORT 2024
※2 昭和電工 統合報告書 2020
※3 レゾナック RESONAC REPORT 2025
プロのアドバイザーはこう分析!レゾナックの社風に合うのは新しい文化を一緒に創れる人
レゾナックの社風に合うのは、変化を前向きに受け入れながら、自分から周囲との関係を作っていける人だと思います。
統合直後の会社では、制度や言葉だけでなく、仕事の進め方や価値観も揺れていることが多々あります。
そういった状況では、「従来のやり方はこうだった」と保守的に構える人より、新しいやり方を一緒に作っていける人が力を発揮します。異なる経験や背景を持つ人との対話が鍵になるでしょう。
また、レゾナックは半導体材料など成長領域で勝負しようとしている会社なので、安定だけを求めるより、変化のなかで学び続けることで成長していきたい人のほうが向いているでしょう。
完成された組織を求める人にはミスマッチになりやすい
逆に、社風が固まった完成形の組織で働きたい人や、部署間の違いに強いストレスを感じやすい人は、統合期ならではの難しさや新たな風土に合わない可能性があります。
今のレゾナックは、整った文化になじみたい人より、新しい文化を一緒に創っていく人に合っていると言えるでしょう。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
③業績悪化で将来性が低いから
レゾナックの売上高の推移を確認すると、確かに安定しているとは言えず、上昇と下降を繰り返していることがわかります(※1)。ただし、全体的に見ると横ばいで推移しているため、業績が悪化しているとは言い切れません。

直近で業績が落ち込んだ2023年度は、同社が半導体・電子材料事業に注力したことで、シリコン・サイクルという周期性のある変動の影響を受けたことが分析されています(※2)。ただし、企業側は2023年度の業績低下について「負の遺産の一掃」としたうえで、想定の範囲であることを述べています。
実際に、翌2024年度にはAI半導体向け材料が急成長したことや、ハードディスク事業が回復したことなどが追い風となり、黒字回復を見せています(※3)。そのため、市況の影響を鑑みて戦略的に経営をしている企業だと言えます。
※1 レゾナック 有価証券報告書 各年
※2 レゾナック RESONAC REPORT 2023
※3 レゾナック RESONAC REPORT 2024
アドバイザーのリアル・アドバイス!業界の波をどう読み解くか! 市況変化に負けない技術力と事業戦略
レゾナックの将来性を考える際には、業績の変動が大きい化学・半導体材料業界の特徴を理解しておくことが重要です。
同社は半導体・電子材料分野に注力しており、今後もAIの普及やデータセンター需要の拡大に伴って、高機能材料の需要増加が期待されています。
特に、半導体の性能向上に欠かせない材料技術は、今後のデジタル社会を支える重要な領域です。
一方で、半導体業界は景気循環や設備投資の影響を受けやすく、需要の増減によって業績が変動する可能性があります。
そのため、短期的な売上や利益だけで企業の価値を判断するのではなく、市況変化に対してどのような技術力や事業戦略で対応しているかを見ることが大切です。
事業再編から攻めのフェーズへ! レゾナックの将来性を見極める視点
レゾナックは、過去の事業再編を通じて収益力の向上を図り、成長分野への投資を進めています。
就職を考える際には、安定した会社かという視点だけでなく、変化の大きい市場で成長機会をつかめる環境があるかを確認すると良いでしょう。
特に、技術革新に関心があり、新しい分野に挑戦しながら専門性を高めたい人にとっては将来性のある企業と言えます。
④激務と言われているから
採用サイトでは、残業時間は22時間程度(2023年)(※1)と説明されており、製造業界の平均15.0時間(※2)を上回ってはいるものの、激務とは言えない水準です。
レゾナックとしては、生産性を向上させることで労働時間が削減されると考えています。そのうえで、年間労働時間が720時間を超える従業員をなくすことや、総労働時間を2,000時間未満にするなど、具体的目標を提示して、労働環境の改善を図っています。
レゾナックが取り組む労働時間削減の例(※)
- 年間720時間を上回る時間外労働をおこなう従業員ゼロ
- 総実労働時間2,000時間未満
- いわゆる36協定の特別条項の上限時間の原則60時間以下
また、近年では社内SNS(Workplace)を活用して、紙やホワイトボードのような従来のアナログな情報共有からの転換をおこなっています。
※1 レゾナック 新卒採用 よくある質問
※2 厚労省 毎月勤労統計調査 令和5年分結果確報
※3 SHOWA DENKO REPORT 2018
アドバイザーのリアル・アドバイス!レゾナックで激務になりやすい2つのタイミング
レゾナックにおける激務の時期としては、大きく2つのタイミングが想定されます。
1つ目は、主軸である半導体や電子材料の市場が急速に立ち上がるタイミングです。
最先端のAI半導体材料などは需要の波が激しい傾向があります。世界的な大増産が始まると、開発や製造の現場は24時間体制のフル稼働となり、一時的に業務が集中しやすくなります。
2つ目は、現在も進行している事業構造の転換期に生じる社内業務です。
古い事業の売却や、新工場の立ち上げ、拠点統合(PMI)といった組織の大きな節目では、手続きやシステムの移行があります。これに伴い、企画や管理部門を中心に一時的な業務過多が発生します。
デジタル化と残業削減目標により激務は抑制されている
しかし、同社は業務のデジタル化や、残業削減の数値目標を明確に掲げています。突発的な繁忙期や変革期の忙しさはあるものの、会社として労働環境の適正化に強く取り組んでいるため、慢性的な激務が続くリスクは低いと考えられます。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
事実とそうでないものを見極めて正しい解釈をしよう
レゾナックに対する4つの理由について、買収や社風の変化のように事実ととれるものや、業績悪化や激務などの、一概には事実と言い切れないものまでありました。
ここで大切なのは、事実と噂を切り分けて考えることと、その内容からどのようなことを読み取るかです。企業の実態について把握したうえで、正確に情報を解釈する視点を持つことが重要です。
アドバイザーからあなたにエール統合=不安定は誤解! レゾナックとの適性を確認する視点を持とう
レゾナックを目指すなら、まず押さえておきたいのは、この会社を「統合して不安定な会社」と見るのではなく、「統合を通じて次の強みを作ろうとしている会社」としてとらえる視点です。
買収や統合、半導体市況の波など、外から見ると揺れて見える要素はありますが、その分だけ事業も人も変わることを求められます。
そのため、就職にあたっては知名度や規模感だけで選ぶのではなく、自分が半導体・電子材料のような成長分野に本当に関心を持てるか、変化の多い組織でも学び続けられるかを自問自答しておくことが重要になります。
統合後のリアルは現場に聞く! 納得感を持てるポイントを押さえよう
また、統合後の社風は部署や上司によって体感差も出やすいはずなので、説明会や面接では、仕事の進め方、部門間連携、若手への期待役割まで具体的に聞いておくと良いでしょう。
レゾナックは、完成された安定企業というより、変化のなかで次の成長を作る会社です。その前提を押さえておけば、入社後の納得感をより持ちやすくなると思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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