Q

大学2年生
男性

「日本のアニメ業界は終わってる」というのは本当ですか?

将来アニメ制作に関わる仕事に就きたいと考えているのですが、ネットで調べると「日本のアニメ業界は終わってる」といった意見をよく見かけます。

特に労働環境が劣悪だとか給料が安いといったネガティブな情報が多く、本当にこの業界を目指して良いのか迷いが出てきました。知り合いの先輩からも「夢だけじゃやっていけない」といわれ焦りもあります。

なぜ「終わってる」と言われるのでしょうか? 現場のリアルな現状やアニメ業界の今後の将来性について、専門家の方の具体的なご意見やアドバイスをいただきたいです。

2人のアドバイザーが回答しています

質問日 :

※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています

国家資格キャリアコンサルタント

馬場 岳

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「終わってる」は誤解! 変化の「過渡期」を楽しもう

労働環境が劣悪で給与が安いといったネガティブな情報が多いのは承知していますし、制作現場の厳しさがあるというのは事実です。

私自身も現在クリエイティブ系の企業の採用支援に携わっていますが、入社直後はスケジュールがタイトでなかなか収入が上がらないという話は、その会社特有ではなく業界全体として聞くことがあります。

しかし、2〜3年と実務経験を積んでいくと、自分の作ったものが作品に使われるようになり、それを誇らしそうに語る人もいらっしゃいます。時間はかかりますが、実力が正しく評価される成長産業であることは間違いありません。

今は「生まれ変わる」段階! 業界を変えるチャンスがある

一方で業界全体をみると、構造が大きく変わっていく「過渡期」の真っ只なかにあると感じています。

Netflixのような配信事業者の参入や中国資本の流入、制作過程のデジタル化など新しい技術によってアニメの作り方やクリエイターの働き方も変わりつつあります。

従来の「長時間労働・低賃金」といったイメージから脱却しディレクター職、CG 関連、プロデューサー職など、これまでにはなかった多様なキャリアパスが生まれています。

「終わっている」というよりは、むしろ「生まれ変わろうとしている」段階です。

この過渡期ならではの大変さはありますが、単に絵を描くことだけでなく物語を作る力やデジタル技術を学ぶ姿勢を持つ人にとっては、業界をよりよく変えていけるチャンスがたくさんあると思います。

不安な情報だけに流されず、自身がどう業界に携わりたいかをポジティブに考えていただきたいです。

キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

柴田 登子

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厳しいけど終わってない! アニメは日本の文化

日本のアニメ業界は労働環境の厳しさや給与水準の低さが指摘されており、トップクリエイターへの道が非常に険しいことは事実です。たとえば宮崎駿監督のような存在になるのは、星をつかむような話です。

単なる憧れだけで成功できるほど甘い世界ではないという覚悟は必要になります。

だからといってアニメ業界が「終わっている」とはまったく思いません。

文化を創る価値を見いだせるなら挑戦しよう

アニメは今や日本の「文化」として世界に誇るべき存在となり、海外からも高く評価され外貨を稼ぐ重要な産業へと成長しています。

自らの仕事が国の文化を創り上げ、その作品が時代や国境を越えて多くの人々に愛される。これはほかの仕事ではえられない価値を持つのではないでしょうか。

自身のキャリアにおいて、こうした文化的な価値の創造に重きをおくことができるのであれば、厳しい世界であるという覚悟をもったうえでぜひ挑戦していただきたいです。

こちらの記事ではアニメにかかわる仕事を徹底解説しています。アニメにかかわる仕事がしたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

未経験でもアニメに携わる仕事に就きたいと考えている人は、次のQ&Aも要チェックです。同じように悩む相談者に向けてキャリアコンサルタントがアドバイスをしています。

アニメや漫画にかかわる仕事の職種については、こちらのQ&Aで解説しています。どのような職種があるのか詳しく知りたい人は確認してみてください。

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