この記事のまとめ
- 三次面接ではより深く企業理解をして臨もう
- 三次面接とほかの面接との違いを把握しよう
- 三次面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介
- 面接力診断ツール
【面接前必須】たった3分であなたの面接力がわかる!
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三次面接を前に「どのような準備や対策をすれば良いのかわからない」と悩む人もいるでしょう。三次面接はこれまでの面接を踏まえ、より踏み込んだ質問をされることも少なくありません。
三次面接に臨む際は、企業理解をより深めておくことはもちろん、企業とのミスマッチを避けるために入念な準備をする必要があります。
この記事では、キャリアアドバイザーの古田さん、秋田さん、桒田さんのアドバイスを交えつつ、三次面接の特徴、見られるポイントや対策、よくある質問と回答例を紹介します。三次面接への準備や対策を実践し、自信を持って臨みましょう。
三次面接は過去の面接より深くまで企業を理解して臨もう
三次面接では過去の面接を踏まえた一貫性のある対応や、踏み込んだ質問への回答が求められます。企業側は自社にマッチした優秀な人材を選ぶために、複数回の面接を重ねて、より的確な判断をしたいと思っているからです。
そのため、一次面接や二次面接の振り返りをし、企業のより深く細かな部分まで理解する必要があります。
記事では、これまでの面接と三次面接の違いや通過率を踏まえて、見られるポイントや効果的な対策を解説します。
三次面接でよく聞かれる質問とその回答例も紹介しているので、企業から必要な人材として認識してもらうためにも併せて参考にしてみてくださいね。
三次面接でブレたり迷いが生じたりしないよう、より深く多角的なリサーチをし、しっかり準備をしましょう。
一次面接や二次面接に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
一次面接
一次面接を突破する4つの秘訣|頻出質問や落ちる人の特徴も解説
二次面接
二次面接は深掘り質問に注意! 回答例や失敗する学生の特徴を解説
ほかの面接と何が違う? まずは三次面接の特徴を把握しておこう
三次面接は選考の終盤におこなわれることが多く、採否を分ける重要なステップです。それゆえ、これまでと同じような準備や対策で突破できるほど、簡単なものではないでしょう。
同じ面接であっても、選考が進むごとに重視すべきポイントが異なり、より企業にマッチした人材が求められるからです。一次面接や二次面接との違いや、三次面接ならではの特徴を把握し、万全な体制で臨む必要があります。
ここでは、三次面接に見られる特徴やこれまでの面接との違いについて見ていきます。
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面接時間が長い傾向にある
三次面接は、これまでの面接よりも時間が長くなる傾向があります。一次面接や二次面接は落とす人を見極めるため、一定水準に満たない学生を判別するためにおこなわれるものです。
一方、三次面接は選考人数がある程度絞られているため、一人あたりの面接時間を長く確保していることがよく見受けられます。より踏み込んだ質問をすることで、それぞれの適性や意思を丁寧に確認し、見極めていこうとしているのです。
ただし、あらかじめ設定された面接時間はあるものの、時間の長さによって採否が決まるわけではありません。採用が確定した時点で、早い時間に面接が終了するケースもあります。短時間の面接だったとしても、気にしすぎることはないでしょう。
こちらの記事では1時間の面接の対策をプロが解説しています。併せて参考にしてみてください。
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役員クラスが担当する最終面接の場合が多い
三次面接は選考の終盤として位置付けられ、最終面接になる可能性もあります。また、三次面接では、一次面接や二次面接よりも面接官の年齢層は高く、課長や部長、役員などといった上層部などによる面接になることが多いです。
役職者は経験豊富で会社に関することを熟知し、テクニックによるごまかしは通用しません。評価基準もこれまでとは大きく異なることもあるため、突っ込んだ質問にも答えられる心構えが必要です。
中には、最終面接まできたら「ほぼ内定が確定しているのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、三次面接で見送りになる人もいます。準備不足で臨めば、相手にも伝わってしまうものです。
最終面接に残ったからといって、準備や対策がおろそかにならないようにしましょう。
三次面接は、役員クラスが面接官になることが多いため、それまでの面接とは異なった、緊迫した空気を感じるでしょう。
しかし相手も人間です。緊張しているのは面接官も同じです。部屋に入る前に深呼吸をしてリラックスして臨みましょう。
選考の中でも難易度が高くなりやすい
一次面接や二次面接とは違う視点で見ていくのが三次面接です。一次面接や二次面接では、企業が一定の基準に達しているかどうかを判断します。
一方、三次面接では選考を突破してきた優秀な人材を、さらに役職の高い面接官が自社で活躍できるポテンシャルがあるかどうかを厳しい目で見定めます。
そのため、想定外の内容や、より深掘りした内容の質問に答える場面も出てくるでしょう。三次面接では求められるレベルがさらに上がるため、これまでの面接よりもハードルが高いと感じる人も少なくありません。
内定を獲得するためには、三次面接をクリアしなければならないため、入念な対策をしたうえで面接に挑む必要があります。
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元採用担当者が実態を解説! 三次面接の一般的な通過率
三次面接まで進んだということで、「ほぼ内定は確定だ」と考えてしまう人もいます。しかし、一次面接や二次面接で評価されていたとしても、三次面接の内容次第で判断が覆ることがあります。
どの応募者もこれまでの選考過程を経ていて、経験やスキルを持った応募者が採用候補になっているので、簡単な選考ではないのです。
実際の通過率がどの程度なのかは気になるところですよね。そこで、就活のプロであるキャリアコンサルタントの秋田さんから、三次面接の通過率の実態について解説してもらいます。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る三次面接は人によって二次面接までは通過するけど
二次面接までは通過するけど、三次面接から通過率が下がる人がいます。 二次面接までの現場サイドの面接をクリアしているので、適職という意味ではミスマッチではないと考えられます。
志望意欲や入社後のキャリアイメージが役員クラスに響いていないことで、通過率が上がらない原因になっていると考えられます。
三次面接は企業研究を徹底しておこない面接官を納得させよう
志望度の高さを伝える方法としては、やはり企業研究が重要なポイントです。特に同業他社との違いを把握することで、なぜこの会社なのかという理由が明確になります。
「弊社でなくても良いのではないのか」と質問されたときは、焦らずに自信を持って答えましょう。事前に面接官を納得させる準備をしておくことが重要です。
面接回数が極端に多い企業があります。もちろん選考をしているのですが、同時に志望度を上げる面接を実施しているから、という場合が考えられるでしょう。面接の回数が多い場合、通過率としては高くなる傾向があります。
とはいえ、多すぎる選考回数で逆に志望度が下がってしまったときは、一時の感情に流されてしまわないように採用担当者に相談するようにしましょう。
採否につながる! 三次面接で見られる3つのポイント
三次面接は、採否につながることもある大切な局面です。企業と応募者の双方が不利になるミスマッチの採用を避け、会社や仕事との相性から採否を見極める場となります。
三次面接はこれまでの面接とは異なり、企業の上層部による高い視座により、判断されるため、これまで以上に万全な準備をおこなうことは必須です。
三次面接では特に次の3つのポイントが見られています。しっかりと押さえたうえで、面接に臨みましょう。
①高い入社意欲があるか
一次面接や二次面接でも入社意欲は確認されますが、三次面接ではより高い入社意欲や仕事への熱意、やる気などが重視されます。
ただ「入社したい」という思いを伝えるだけでは、志望動機としては不十分です。企業側は内定を出しても辞退されてしまい、痛手を負うことは避けたいと思っています。
優秀な人材でも入社してくれなくては意味がないのです。そのため、「内定すれば確実に入社する」という強い意思を明確に示すことがポイントになります。
三次面接になると、これまでの選考とは異なり、比較的同レベルの応募者がそろっているため、ほかの応募者と差をつけなくてはなりません。入社意欲の高さを示すことで、自社への貢献が期待できると評価されます。
とにかく企業研究をしっかりしておくことです。ホームページ(HP)を隅々まで見て、社長の言葉などが掲載されているなら、どんな人物なのか想像し、どこに魅力を感じたのか答えられるくらい読みこんでおくことをおすすめします。
②自社にマッチした人材か
三次面接では企業とのマッチ度も重視されるポイントです。仕事に求められる能力や人柄、仕事の適性に加えて、将来のビジョンや仕事への取り組みなど、さまざまな視点からマッチする人材を求めています。
さらに三次面接では、現場の視点ではなく、企業の理念や価値観、雰囲気との相性も判断基準になることが多いです。もちろん能力面も評価対象となりますが、新卒採用では企業は将来性を見ている傾向にあります。同じ方向を見てともに成長できる人材であるかどうかを総合的に判断したいのです。
その大事な局面で自分を取り繕って内定を獲得したとしても、入社後に違和感を抱く原因にもなりかねません。後悔を生まないためにも、無理に自分を良く見せようせず、自然体で臨むことが大切です。
企業には社会への貢献や社会的価値の創出といった企業理念の原点があります。求職者の言動に何かしらそこに通じるものを見出せるか、そこに寄与できる人材かというポイントは一つの基準になるでしょう。
③入社後の活躍が期待できるか
三次面接では入社後の活躍がイメージできるかもポイントになります。将来のビジョンとして、入社後にやりたいことや成し遂げたいことなど、明確なキャリアプランを持っているかを問われることも多いです。
入社後のビジョンが曖昧だと、企業側から活躍が期待できないと判断されてしまいます。仕事を通じて成長したいという思いとともに、「新規事業にかかわりたい」「環境問題に取り組みたい」「営業パーソンとして成功したいたい」など、企業に貢献できる具体的なビジョンを用意しておきましょう。
そのためには、企業の仕事を徹底的に分析し、どんなことが自分にできるのかを明確にしておくのは必須です。自社で働く姿がイメージできるようアピールすることにより、高評価を得られやすくなります。
- 三次面接で見られるポイントは、それ以前の面接と被る部分があると思いますが、具体的にどのような違いがありますか?
序盤面接は実務的な相性を、三次面接では社風との相性を見られている
一次面接と二次面接では、採用担当者や現場責任者が面接を実施することが多いと思われます。実務レベルのミスマッチを確認しています。
従って、三次面接以降は、社風に合うかどうかや人物を見定める面接と理解してください。
志望動機の部分から見えてくる『志望度の高さ』や『成長イメージができる人物』が重視されていることを理解しましょう。「職業観」や「人生観」などを質問されるケースが考えられます。
背伸びをしすぎると見抜かれてしまいます。ありのままの自分を伝え採用された場合、自分を認めてもらえたということです。三次面接以降は、人物重視の自己アピールに注力しましょう。
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抜かりなく準備しよう! 三次面接のためにしておきたい4つの対策
三次面接をクリアして内定をもらうためには、入念に対策をして備えることが大切です。ですが、ただ闇雲に面接の対策をおこなうだけでは内定を獲得するのは難しいでしょう。
三次面接はこれまでの面接よりも難易度が高いため、対策方法を間違えてしまえば採用には至りません。三次面接におけるポイントを押さえて、効率的な対策をする必要があります。
三次面接を通過すれば、内定というケースは多いです。しっかり対策を立てて、事前準備をおこないましょう。
①企業分析をより細かくして理解を深めておく
企業分析は一次面接や二次面接でも見られるポイントですが、三次面接ではより重視されます。
三次面接の面接官は、経営に直接携わる役職者であるケースが多いです。そのため、自社の事業への興味関心や理解度はすぐに見抜かれてしまいます。深い質問が投げかけられた際も、堂々と自分の意見を伝えられるよう、企業の根底にある大切な価値観である企業理念に対する理解を深めておくことは必須です。
そのうえで大切なことは、企業に対する自分の考えを深掘りして言語化すること。表面上の受け答えにとどまらずに、「Why(なぜ)」の観点でできる限り深掘りをしましょう。
理念に対して抱いた自分の考えをさらに深掘りできないか探るのです。それにより、根拠のある内容になるだけでなく、面接官への質問にも自信を持って対応できます。
また、企業の魅力や強みと自分像がマッチしていなければ、活躍の場がなく、能力が発揮できません。さまざまな観点から情報収集し、ブレない自分軸をつくりましょう。
三次面接では役員レベルの面接官が、志望動機の深堀りや、入社後に活躍してくれそうかなどを見ます。そのため、役員に響くように同業他社との違いや、その会社が今後何を計画しているかを深く分析する必要があるでしょう。
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OB・OG訪問を活用する
企業分析の一環として活用したいのが、OB・OG訪問です。OB・OG訪問とは、実際に企業で働く先輩社会人に企業についての話を聞くことです。
OB・OG訪問は、以下のような機会で得られます。
OB・OG訪問を得るチャンス箇条①OB・OG訪問を得るチャンス
- 大学の先輩や知り合いの紹介
- 就活イベントで社員との接点
会社説明会やネットの情報では知り得ないリアルな話や有益な情報が得られるのがメリットです。
先輩からの貴重な意見や質の高い選考アドバイスを直接もらうことで、うわべではなく根本的な企業理解につながります。業界の実態や仕事内容、社風の本質や社内の雰囲気、面接や試験のポイント、面接で重視していることなどについて詳しく聞いてみましょう。
三次面接ではより企業とのマッチ度を測られることになるので、実態まで把握できるよう、OB・OG訪問を活用して企業が採用する人物像や、企業での働きなどのイメージを持っておきましょう。
OB・OG訪問は企業の実情を知ることのできる貴重な機会です。ネット等では得られない質問をメモして聞き逃すことのないよう準備して臨みましょう。
社員の人の話は、実際に働いたからこそ感じられることは大切な情報ですが、個人の感想ですので冷静に受けとめることが重要です。
企業理念や代表メッセージを読み込む
三次面接ともなるとさらに企業理念や事業に対する深い内容が問われます。選考の終盤である三次面接では、面接官が会社の経営にかかわる役職者であるケースが多いため、上層部ならではの質問を投げかけられることも少なくありません。
三次面接を前に、企業理念や代表メッセージをしっかり読み込みましょう。
企業理念は企業活動における基本的な考え方や方針であり、社員の行動指針となるものです。企業理解を深めるためには、企業理念が作られた背景も押さえておく必要があります。
企業理念は抽象度が高いため、共感を示しただけでは、ぼんやりとした印象になってしまうからです。ほかの応募者と差別化を図るためには、企業理念の背景を理解し、具体性を持たせることがポイントになります。
三次面接で企業理念などに対する理解が不十分だと、「志望意欲が低い」「企業への関心が薄い」と判断されてしまうでしょう。
自分の価値観と理念のどの部分がマッチしているのか、明確に言語化することが大切です。企業理念は表面的な言葉だけで理解しようせずに、理念が意味することを理解し、曖昧にしないようにしましょう。
企業理念を理解する際には、事業内容や提供しているサービスについてさらに研究を深めてみてください。
必ず企業が大切にしていることにつながるヒントがあるはずです。企業理念は、企業が向かおうとしている方向性を示しています。その部分を理解しましょう。
企業の最新の取り組みを確認する
三次面接に臨む前に、企業の最新情報を集める癖をつけておくことも大切です。
応募書類の送付から一次面接や二次面接、さらには三次面接に至るまでに、長ければ1カ月以上経っていることも珍しくありません。その間も、企業や業界の情報は更新されています。
以下は、三次面接の前に必ずチェックしましょう。
企業の最新情報チェックできるもの
- 企業のWebサイト
- SNS
- プレスリリース
業界内の動向を把握することで、企業が手がける事業への理解も深まります。
また、企業の最新の取り組みを押さえておけば、突発的な質問にもスムーズに回答できるだけでなく、「自社や業界についてよく勉強してくれている」と高評価につながります。選考過程において、情報収集のためのアンテナを張ることは常に意識しましょう。
②これまでの面接も踏まえて説得力のある志望動機を用意する
三次面接では、より説得力のある明確な志望動機を用意する必要があります。一次面接や二次面接で回答した内容は、三次面接の面接官にも共有されていることが多いです。
三次面接では、回答に一貫性があるかどうかも見られています。これまでの面接での課題や問題点を把握し、改善につなげるためにブラッシュアップに努めましょう。
さらに、企業側を納得させる志望動機を作るためには、より掘り下げた質問をされる可能性を想定し、根拠となるエピソードや具体的な事例などを用意しておくことも大切です。
志望動機に一貫性や説得力がないと、入社意欲が低いと判断されてしまいます。三次面接ではブレない志望動機と自分軸で、効果的にアピールするための準備をしましょう。
再度自己分析をおこない内容を整理する
三次面接では、企業分析と併せて自己分析も再度おこいましょう。自分を客観視できているかといった自己分析力も評価の対象になります。仕事をするうえでも、物事を正確に捉える力は必要だからです。
また、改めて自己分析をすることで、志望動機や自己PRの精度が上がり、濃い内容になるものです。
逆に自己分析が甘いと、主張に説得力や一貫性が感じられません。三次面接では、さまざまな角度からいっそう深掘りするような質問がされることが多いため、その場しのぎの表面的な回答はすぐに見破られてしまいます。
予期せぬ質問に慌てないためにも、徹底した自己分析をすることで自分軸を見つけ、自己理解を深めておくことが大切です。自分の価値観や得意不得意、長所短所などについて、多角的に掘り下げた回答を用意しておきましょう。
- 三次面接の志望動機に向けて再度自己分析をおこなう時、どんなことを意識すれば良いですか?
これまでに深めた企業理解から「入社後の活躍」をアピールしよう
これまでも自己分析を行い、入社後どのような活躍ができるかアピールしてきたはずです。ただしこれまで語ってきた「入社後の活躍」は大部分が推測の域を越えられなかったと思います。
しかし三次面接まで進むと、会社の内部の方と直接お会いし、企業分析も進んでいるはずですので、もっと確度高く「入社した自分」についてイメージできることでしょう。
自分が今後進んで行きたいイメージにどのようにマッチしていますか。あるいは、どんなズレが出てきましたか。そこを具体的に言語化して、合致する部分はしっかりアピールできるようにしてください。
ズレが出たところを近づけていきたいなら、どのような努力をするつもりかを伝えられるようにしましょう。
入社後の明確なビジョンを描いてアピールできるようにする
三次面接では、入社後の活躍が具体的にイメージできるかどうかもチェックされるポイントです。入社後の明確なビジョンが描けていないと、企業にとって必要な人材であることを効果的にアピールできません。
それゆえ、将来の明確なビジョンの有無は、採否を分けることにもなり得ます。自分が描いている入社後の明確なビジョンを伝えて、自社で活躍している姿をイメージしてもらうことが大切です。
また、将来的なビジョンを伝えるためには、長期目標と短期目標を設定する必要があります。目標を設定する際は、どのような仕事の経験やスキルを積み、具体的にどうなっていたいかを考えましょう。
たとえば、「大きなプロジェクトを動かすリーダーになりたい」「営業署を任されたい」などといったイメージです。目標を設定することで、モチベーションアップにつながるだけでなく、面接でも自信を持って伝えることができます。
目標を達成するために何をすべきか、何が必要かも考えることが大切です。志望企業に自己成長と企業への貢献につなげたい気持ちをアピールしましょう。
③想定する質問への回答を準備しておく
三次面接をクリアするためには、どのような質問が多いかということを知っておくことも大切です。あらかじめ想定する質問と回答を準備しておくことで、気持ちにゆとりを持って面接に臨めます。
三次面接では能力や適性を評価するものではなく、確認的要素が強い傾向があります。頻出される質問は必ずチェックしておき、それに対する的確な回答を考えておきましょう。
三次面接は内定に近いステップになるため、入社後のビジョンとして、具体的な働き方や希望する仕事内容などは欠かせません。
また、入社意欲が重視される三次面接では、質問に答えられるのは最低ラインです。答えに詰まることなく、スムーズに伝えられるように練習しておきましょう。
人となりを確認するために、想定外の質問をするケースがあります。「働くことの意味」などの質問をしていました。自社にマッチした人物かを判断するためですが、自分らしさを伝えることで問題はないと思います。
④複数の逆質問を練っておく
これまでの面接でも同じですが、面接の最後に逆質問を求められることが多いです。三次面接は選考人数も絞られていて、逆質問に割ける時間も十分あります。
逆質問はほかの学生と差を付けるポイントです。最低でも5つ程度は逆質問を用意しておくようにしてください。
ただし、面接官は役職者であるため、配属先や1日のスケジュールなどの現場視点の質問は避けるようにしてください。HPなどには掲載されていないような、企業の経営戦略や事業の将来性、企業の意思決定など、役職者だからこそ聞ける逆質問が理想的です。
同じ方向を向いて業務に取り組もうとする姿勢は、好印象を与えられます。積極的に逆質問することで、入社意欲の高さを効果的にアピールしましょう。
要チェック! 三次面接でよく聞かれる質問と回答例
三次面接になると、一次面接や二次面接とは質問される内容は同じでも、求める回答は異なります。三次面接は役職者による高い視座での質問が多いからです。
そのため、これまでの面接で同じような質問をされていたとしても、三次面接ではより深い内容の回答を求められます。三次面接で必ず聞かれる質問とそれに応じた適切な回答を用意し、自信を持って面接に臨みましょう。
ここでは、三次面接で頻出する質問と回答例を紹介します。
「他社の選考状況について教えてください」
三次面接では、他社の選考状況を聞かれることが多いです。企業はこの質問によりブレない就活の軸を持っているかを判断します。
就活の意図を知ることで、入社への意欲や価値観を確認したいと考えているのです。以下のように回答すると良いでしょう。
他社の選考状況についても回答例
○○業界2社の選考を受けています。どちらも資格取得を目標にした社会人スクールなので、リスキリングという観点では御社が最も理想に近いと感じています。これまでの面接において具体的な内容を伺えたことで、御社に対する志望度はより高まっています。
志望業界は複数あっても良いですが、明確な軸を持って就活をしていることを伝えることが大切です。
選考情報を伝える際に異業種などへも応募している場合は、なぜ異業種を志望しているか明確に理由を説明することが大切です。
たとえば、「現在●●業界の△社を受けています。私は~~に興味を持ち、○○として働く将来を考えてきました。現在は御社の選考を受けるなかで✕✕への興味が高まっており、さらに具体的なビジョンを描けるようになってきました。」という感じです。
「他社ではなく自社を選んだ理由はなんですか」
三次面接は内定に直結することが多いため、入社意欲が重視され、なぜ他社ではなく自社なのかを明確に伝える必要があります。会社説明会などでの社員の社風や理念などの話を盛り込めば、他社にない自社の魅力や、自社に対する印象、目指している方向性などが伝わり、説得力が増すでしょう。
その会社を選んだ理由の回答例
御社を志望した理由は、従業員の方々の仕事に対する意欲の高さとそれをサポートする企業の取り組みに惹かれたからです。
企業説明会でお話したCさんの「私たちは一人ひとりの意見を尊重している。その理由は、その中には素晴らしいアイデアがあるという確信があるから」という言葉に大変感銘を受けました。
御社は多様な意見を取り入れる体制にあり、多角的な視点で成長が望める環境が整っていると感じました。
業界の中でも、社員一人ひとりのアイデアを尊重している御社で、さまざまな視点から物事を見極め、誰もが魅力的に感じるアイデアを形にしていきたいと思っています。
「入社後はどのような働き方をしたいと考えていますか」
三次面接では将来の活躍を期待できる学生を求めているため、入社後のプランを聞くことで、会社での成長や貢献度を見極めようとする会社は多くあります。
入社後の働き方の回答例
私は個々の顧客に寄り添い、最適な提案のできる販売スタッフを目指したいと思っています。学生時代のアルバイトでは、多種多様な問い合わせに対応するコールセンターの仕事をしていました。
それぞれの顧客に応じた最適な提案をすることで、傾聴力や分析力が備わったと感じています。御社は独自性のある商品を数多く扱っています。
御社に入社できたら、商品の独自性はもちろん、顧客のニーズを見極めた、説得力のある提案により、売り上げに貢献したいと考えています
「将来のキャリアプランを教えてください」
企業側はあなたの将来のビジョンを知り、具体的にどのような仕事をしたいのか確認する質問です。人間性というよりも、優秀な人材であるかを見られています。誇張したキャリアプランよりも、実現可能なプランを伝えましょう。
キャリアプランの回答例
私は将来、故郷の支店長として、御社の発展に貢献したいと思っています。御社には全国に支店がありますが、故郷では出店していません。
御社のこれからの戦略として、私の故郷でも事業展開をおこなう計画があると伺いました。その計画において故郷の一号店の店長になりたいという強い思いを抱いています。
しかしながら、支店長になるにはまだまだ力不足のため、顧客へ商品を紹介するスキルや、マネジメントの実績を積みたいと考えています。
- 入社後や将来の現実的なビジョンに結び付くエピソードなどがない場合は、どうしたら良いでしょうか?
自分の将来のビジョンが明確であるなら問題はない
「入社後どうなりたいか」や「将来の現実的なビジョン」と自分のこれまでの経験は結びつけなくても問題はありません。
「子どもの頃に◯◯だった経験があり、御社に魅力を感じた」という人もいれば、「子どもの頃は◯◯でしたが、今後は別の分野にも関心を持ちたい」と考える人もいます。
それまでの生き方と、これからの生き方は結びつかなかったとしても、それも人の生き方です。気にすることはありません。
面接対策として「必ずこうしなければ」というものはありませんので、ほかの応募者が面接でどう答えても、自分が考える志望動機、自分が考えた将来のビジョンが明確になっていれば大丈夫です。
「一次面接や二次面接で自社にどのような印象を持ちましたか」
企業は自社への印象を問うことにより、正しい企業理解をできているかということ、加えて企業文化や理念がマッチしているかというポイントを見ています。回答手段はおもに「事業や理念に共感を示す方法」と「これまで培ってきた強みを活かす方法」です。
一次面接や二次面接の印象の回答例
御社は業界の中でも新サービスをどこよりも早く打ち出すことで、多くの顧客から信頼を獲得している印象を持っています。
また、他社よりも踏み込んで提案するため、高いコンサルティング能力が求められると伺いました。
御社に入社できたら、広告研究会で培った「伝達力」と「問題想定力」を活かして、顧客から信頼される営業社員になって貢献したいと考えています。
面接の質問対策をして、実際全然質問されなかった……と不安に感じている人はこちらのQ&Aも参考にしてみてください。
些細なミスも防ごう! 三次面接で見送りになる理由と対処法
三次面接まで進んだからといっても、まだ油断はできません。一次面接や二次面接で高評価を得ていたとしても、三次面接で覆されることもあるからです。
三次面接は選考の終盤にあたるため、難易度も高いとされています。企業によっては最終面接となる場合もあるため、合格すれば内定に至ることも多いです。
しかし、些細なミスが命取りになることもあるため、ビジネスの基本である言葉遣いや見だしなみなどにも気を配り、最後まで気を緩めずにしっかり対策をしましょう。
終盤の選考対策では、本当に志望している企業なのかどうかも再確認してください。
三次面接以降は、志望度や意志の確認がメインであることがほとんどです。自分自身の気持ちを固めてから面接に臨むようにしましょう。
入社の意欲が伝わらない
三次面接で見送りになる理由として、入社の意思が伝わらないことが挙げられます。一次面接や二次面接でも重要ですが、三次面接でも重要視されるのが入社意欲です。
入社意欲をいかにアピールできるかが採否を分けるカギとなります。三次面接は役職者が面接官である場合が多く、応募者の入社意思を最終的に確認する場として設けられることも少なくありません。
そのため、一次面接や二次面接をクリアしてきたとしても、三次面接で入社の意思が伝わらなければ見送りになることもありえます。
また、三次面接の面接官は役職者である場合が多いことから、これまでとは違った視点で見られます。面接官に論理的に伝えたいことが伝わるように、伝え方の工夫も必要になるでしょう。
論理的に伝えるためには、はじめに結論を述べたあと、理由→根拠→再び結論の順に伝えることを意識してみてください。話の一貫性が増し、要点が伝わりやすくなります。
企業理解が足りない
三次面接で企業理解が足りないと判断された場合も、採用が見送りになる場合があります。三次面接では、企業はより踏み込んだ質問をして、企業への理解度や明確な志望動機を確認します。
企業に対する理解は、明確な志望動機の作成に欠かせません。業界の実態や企業理念、経営方針、将来の事業計画に至るまで細かくリサーチし、企業分析を深めることが大切です。
普段から話題のニュースや志望業界に対してアンテナを張り、最新の情報を収集することも役に立ちます。上辺だけの答えにとどまらず、自分の考えを「Why(なぜ)」の視点で深掘りし、具体的に言語化してみましょう。
企業に対する深い質問に対しても、具体的な根拠とともに自分の意見を伝えることで、企業に対する理解度を示しましょう。
企業と価値観がマッチしていない
三次面接で見送りになる大きな理由の一つが、企業とのミスマッチです。企業とのマッチ度はこれまで以上に注意深く見られています。三次面接では、「企業や役職者との相性」をより重点的に見て、最終判断が下されることも少なくありません。
当然、面接官が企業の価値観と合わないと判断すれば、採用は見送られることになります。ミスマッチが起こらないようにするためにも、企業理念など基本的な情報を再度確認しておきましょう。
- 実際に三次面接でミスマッチを理由に採用が見送られることはありますか? また、それはどのようなケースですか?
基本的な能力は備わっているという自信を持って素の自分を伝えよう
ここまで進んだということは基本的な能力は合格だと思って良いでしょう。
そのため、ここで何か地雷を踏んではいけないと縮こまって無難な答えを繰り返すのは無意味です。それによって、会社側の想定を越えるかもしれないという可能性を感じ取ってもらえないとしたら、採用に至らない場合もあるかもしれません。
面接官も一人の人なのです。思い切って人としてしっかり向き合いましょう。
自分はこれから何をするためにここに来たのか、どんなふうに御社の、そして社会の役に立つ人間になりたいのか、その一点をしっかり自分の腹に据え、何でも受け留め、自分の素の力でぶつかるつもりで臨んでください。
三次面接は過去の面接も踏まえた万全な準備と対策で内定をつかもう
三次面接は選考のステップの中でも難易度が高いとされています。なぜなら、役職者による最終確認の意味合いでおこなわれるケースが多く、これまでの面接とは違った高い視座で判断されるからです。
三次面接を突破すれば内定が確定する場合もありますが、準備を怠っていたり、意欲が足りなかったりすれば、採用が見送られることもあります。これまでの面接の反省点や課題を振り返りつつ、必要な準備と効果的な対策をして臨み、内定を勝ち取ってくださいね。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る三次面接は気を緩めてしまうことなく自分の出せる最大限の力で臨もう
三次面接は面接の中でも終盤、内定獲得を左右する重要な段階といえます。選考通過率を上げるためには、三次面接では何を求められているのかを理解することから始めましょう。
注意が必要なのは、「三次面接」と言いながら、それが最終面接である可能性があるという点です。そのため、面接官の顔ぶれを見て、まだ役員と呼ぶには低いクラスが来ている場合は三次面接、社長や専務といった経営陣が登場している場合は最終面接である可能性があると思っておいてください。
どんな面接も自分に合った企業を選ぶためにあるもの
また、三次面接まで通過したからといって必ずしも内定を獲得できるとは限りません。最終面接であっても内定に至らないことも十分考えられます。
大切なのは、「今自分にできることを精一杯取り組むこと」です。そうすることで、三次面接まで行ったのに内定をもらえなかったとしても、後悔することなく次に進むことができるでしょう。
あくまでも等身大の自分に合った企業を選ぶことが後悔を少なくするポイントでもあります。自己分析、企業分析をしっかりおこないましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
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