この記事のまとめ
- 一次面接は他選考と異なる目的を押さえる必要がある
- 一次面接を突破するための4つの秘訣
- 他学生と差別化するためのコツ
- 面接力診断ツール
【面接前必須】たった3分であなたの面接力がわかる!
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書類選考後、最初の関門となる一次面接。「就活を始めたばかりで、面接に慣れていなくて不安」「一次面接をなかなか突破できません」と書類選考から最終面接までのフェーズでもっとも悩みが寄せられるのが、一次面接でもあります。
一次面接は、「よく落ちる人」と「よく受かる人」に明確な差が出るのも特徴の一つ。一方で、よく落ちる人はほんの少しの対策を知るだけで、選考通過率が格段にアップするので、対策の効果が出やすい選考フェーズともいえます。
この記事では、キャリアアドバイザーの岩﨑さん、早川さん、長谷川さんのアドバイスを交えつつ解説します。一次面接を控えている人はぜひ実践してみてくださいね。
次の記事では、一次面接だけでなく選考別の対策について紹介しています。ぜひこちらもあわせて読んでみてくださいね。
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企業の意図を知ることが一次面接突破の近道
一次面接によく落ちる人の特徴で多いのは、「一次面接を企業が実施する意図を考えてない」というもの。「企業が一次面接を通して就活生の何を見極めたいのか」をふまえたうえで、一次面接で求める人物像にマッチしたアピールをすることが合格の秘訣ともいえます。
記事では、一次面接対策では必須ともいえる「一次面接を実施する意図」を理解できるように詳しく説明します。その後で、どの企業にも共通する一次面接における評価基準を解説。一次面接はどの業界・企業でも評価基準が共通している部分が多いため、4つの秘訣でその評価基準を満たせるようにします。
解説する4つの対策をしっかりおこなうと、通過率は確実に上がるので面倒がらずに一つひとつ丁寧に対策をしましょう。
また、「第一志望の企業だけは絶対に落ちたくない!」という人のために、ほかの就活生と差をつけるための3つの対策も紹介していますので、プラスアルファの印象を企業側に残したい人は参考にしてみてくださいね。
一次面接に限らず、就活の面接全般対策したい人はこちらの記事を参考にしてください。
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まずは押さえておきたい! 一次面接の特徴
目的 | 落とす人を見極める目的が多い |
形式 | 集団やWEBも多い |
面接官 | 若手社員や人事担当者が多い |
評価基準 | 印象やコミュニケーション能力、マナー |
通過率 | 他の選考と比べて低い傾向にある |
面接が2回で終わる企業もあれば5回以上おこなう企業など、選考のやり方は企業によってさまざま。二次面接が最終面接の企業と選考フェーズの前半である企業であればその目的ややり方は大きく異なりますよね。
その点一次面接の位置づけは比較的差分が出にくく、傾向が出やすいと言えます。つまり、一般的な一次面接の特徴を押さえることで、幅広い企業に活かすことができます。
ここからは一次面接の特徴を項目ごとに解説するので、まずは特徴を理解したうえで対策について考えていきましょう。
目的:落とす人を見極める
企業は面接の回数を重ねるごとに学生の数を絞っていきます。企業にとっては、多くの学生の中で優秀な人材を落としてしまうことは絶対に避けたいですよね。
だからこそ最も学生の人数が多い一次面接は、良い人材は漏れなく通過させ、落とす人を見極めて人数を絞ることが目的です。「判断に迷ったら通す」というスタンスでおこなわれる傾向にあります。
一次面接の目的は企業規模によって大きく異なります。応募者数が多ければ落とす目的、比較的少ない企業では「企業カルチャーと合うか」「入社意欲」などを見て、内定を出した場合に確実に入社してくれるかを見ている場合もあります。
形式:集団やWEBも多い
もちろん一般的な個人面接の場合も多くありますが、一次面接の場合は集団面接やWEB面接を実施する企業が比較的多い傾向にあります。
企業は決められた採用スケジュールのもと内定者を決めなければなりません。参加する学生の数が多い一次面接は、一度に複数人を同時に選考できる集団面接や、準備の時間や手間を省きやすいWEB形式で効率良く応募者の絞り込みをおこなうというケースも多くあります。
集団面接やWEB面接の対策も後半で解説するので参考にしてくださいね。
面接官:若手社員や人事担当者が多い
一般的に一次面接、二次面接と選考のフェーズが上がるにつれて面接官の年齢や役職は高くなる傾向にあり、一次面接は主に現場の若手社員や人事担当者が担当するケースが多くあります。
特に現場の若手社員は、今後新入社員と一緒に働く立場です。「一緒に働いていけるか」「仕事に前向きに取り組めるか」など現場の視点で評価をしているとも考えられますね。
若手社員や人事担当者は入社直後の業務や研修でかかわる可能性が高いです。だからこそ、一緒に仕事をイメージする彼らは「先輩のアドバイスを素直に聞ける人物か」を特に評価します。
明るい受け答えはもちろん、人の助言で何かを成し遂げた話などができると良いですね。
評価基準:印象やコミュニケーション能力
その人の性格や価値観など内面的な部分は話をじっくり聞かないと判断できません。しかし印象やコミュニケーション能力は少ない会話でも比較的判断しやすいため、学生の人数が多い一次面接でも見極めることができます。
また良い第一印象やコミュニケーション能力は社会人として必須と言えます。たとえばスムーズに会話ができない人は、入社後上司や同僚と円滑に仕事を進めることは難しいですよね。
落とす人を見極める一次面接では、こうした社会人として最低限求められる能力を判断し、基準に満たない人は落とす傾向にあります。
通過率:他の選考と比べて低い傾向にある
一次面接は、数多くの応募者の中から一定の基準をクリアした学生を選びます。効率良く人数を絞る必要があるので、一般的に二次面接以降と比べて通過率は低い傾向があります。
たとえば採用予定人数が10人の企業で1000人の学生が一次面接に参加したとします。一次面接で100人まで絞り、そこから二次面接では30人、最終面接で10人に絞ると一次面接の通過率が最も低いと言えますね。
とはいえ、二次面接以降は、それまでの評価基準をクリアした人たちの中で比べられることになります。通過率は一次面接に比べて高いといっても、難易度まで低くなるわけではないことは覚えておきましょう。
一次面接の通過率は、場合によっても大きく異なります。さまざまな特徴のある企業の一次面接の通過率や、通過率アップの方法は、こちらの記事で解説していますよ。
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また、一次面接にかかる時間はこちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。
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一次面接で落ちる人の特徴
一次面接で落ちる人の特徴
- 最低限のマナーや身だしなみができていない
- 雰囲気が暗い・自信がなさそうに見える
- 会話のキャッチボールができていない
就活生の悩みで多いのが「エントリーシート(ES)は通るのに一次面接になかなか受からない」というもの。ここまで解説した一次面接の評価基準に達していないと、いくら面接の準備をしても合格は難しいと言えます。
基本的には一次面接は落とす人を見極める場です。あらかじめ落ちる人の特徴を知って、「自分に当てはまる部分がないか」を確認しながら読み進めてくださいね。
最低限のマナーや身だしなみができていない
一次面接で重視される印象を大きく左右するのが、マナーや身だしなみです。
たとえばあなたが何か商品を営業されたとします。商品自体は気になっていたものであっても、営業する社員の言葉遣いが良くなかったり配慮がなかったりすると商品を購入しようとはなかなか思えないですよね。
このように、仕事をするうえで最低限必須とされるのがマナーや適切な身だしなみです。最低限のマナーや身だしなみができていない人は、社会人としての資質がないとして落とされてしまうでしょう。
最低限のマナーや身だしなみができていない就活生の例
- 言葉遣いや敬語の使い方が適切でない
- 挨拶やお礼ができていない
- 服装が乱れている
- 髪型や身だしなみに清潔感がない
1人で完結できる仕事においても、組織におけるコミュニケーションは大切です。
言葉によるコミュニケーション以外でも、服装や髪型、表情や顔色など、マナーや身だしなみができていないと「組織で一緒に気持ち良くビジネスができるか」と面接官に不安な印象を与えてしまいますよ。
スカートスタイルのスーツでは、スカート丈もビジネスにふさわしいものを選びましょう。こちらの記事ではスカート丈のチェック方法とおすすめの選び方を解説しているので、ぜひ併せて読んでみてください。
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雰囲気が暗い・自信がなさそうに見える
学生の印象が重視されやすい一次面接では、その人が持つ雰囲気が合否に大きく影響します。
たとえば表情がずっと暗かったり声が小さかったりする学生がいくら意欲的な発言をしても、雰囲気から感じる印象が良いものではないため選考に通りにくいですよね。
雰囲気が暗い・自信がなさそうに見える就活生の例
- 声が小さい
- はきはきと話せない
- 表情が暗い
- 猫背
- 面接官と目を合わせられない
会話のキャッチボールができていない
基礎的な能力が主な評価基準となる一次面接にとって、コミュニケーション能力は重要な要素の一つ。どのような仕事内容であれ、社内外の人とのコミュニケーションは仕事を進めるうえで不可欠だからです。
面接というと質問に答える場だとイメージする就活生もいますが、前提として面接官と学生のコミュニケーションの場です。そのため、会話のキャッチボールができない学生はコミュニケーション能力が低いとみなされてしまいます。
会話のキャッチボールができていない就活生の例
- 質問の意図に沿った回答ができていない
- 用意した回答しか話せない
- あいづちができていない
- 一次面接になかなか通過できません……。自分に何が足りないのか確認する方法はありますか?
1人で抱え込まずに就活のプロに相談しよう
自分1人で選考がうまくいかない理由を考えるのは難しいかもしれませんね。志望動機や自己紹介をしっかり練りこんでいき、そつなく答えられていると思っているときほど「どの質問に対する答えが採用担当者に響かなかったのかな」など考えてしまうかもしれません。
そんな時こそ、大学のキャリアセンターや、キャリアコンサルタントに相談してみてください。自分1人で抱え込むよりも、就活のプロに第三者の視点で見てもらう方が早く的確に解決できます。
一次面接でどのようなところを見られているのか、提出した応募書類からどのような質問が想定されるかなど、プロの蓄積された知識を借りることで新たな気付きが得られるかと思います。たくさんの経験値のある専門家と話してみるとよいでしょう。
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一次面接突破の秘訣①最低限のマナーを押さえる
一次面接で落ちる人の特徴をふまえたうえで、ここからは一次面接を突破するための秘訣を解説していきます。
まず必要なのは、最低限のマナーを理解しておくことです。もちろん企業は就活生に対して完璧なビジネスマナーを求めているわけではありませんが、ノックの回数など調べればわかるマナー、準備を怠らなければ誰でもできる身だしなみなどは確実にクリアしておくべきです。
特に面接に慣れていない人は、企業側が求める最低限のマナーをここで押さえておきましょう。以下の項目をすべて完璧にすれば、最低限のマナーを満たしていることになるので、「自分はしっかりできているか」を丁寧に確認してくださいね。
面接のマナーはこちらの記事でも詳しく解説しているので、マナーに不安がある人はぜひ参考にしてください。
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面接のマナーは合否をわける重要要素。念入りな対策が欠かせません。面接時の一連のマナーから身だしなみのマナーまでキャリアコンサルタントが徹底解説します。集団面接やWEB面接のマナーも紹介するので、参考にしてください。
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身だしなみ
面接官への印象に大きく影響するのが身だしなみです。見た目の重要性はメラビアンの法則からもわかります。
メラビアンの法則
コミュニケーションを取る際に言葉と表情、態度が矛盾していると、話し手が聞き手に与える影響は「視覚情報:55%」「聴覚情報:38%」「言語情報:7%」の割合で伝達される
つまり、いくら良い内容を話したとしても身だしなみが整っていなければ良い印象を持たれにくいということです。
また企業に入れば、顧客や取引先などと接する際には会社の顔としての振る舞いが求められます。学生の時点では身だしなみにそれほど気を遣っていなくても、社会人には非常に重要なマナーです。
企業は学生が考える以上に身だしなみを重要視していますから、以下の身だしなみのマナーは徹底し、清潔感を意識して臨みましょう。最低限守っておきたい服装と髪型のマナーを紹介します。
男性が特に気を付けたい服装のマナー
- リクルートスーツを着用する
- 白など清潔感のあるシャツを着用してボタンは全て留める
- ネクタイは派手な色や柄は控える
- 黒色の革靴を履く
- 肌が見えない長さで黒やグレーの靴下を履く
女性が特に気を付けたい服装のマナー
- リクルートスーツを着用する
- 白のシャツまたはブラウスを着用してボタンは全て留める
- スカートはひざにかかる長さにする
- 肌色のストッキングを履く
- 3~5センチ程度のヒールのパンプスを履く
男性が気を付けたい髪型のマナー
- 地毛もしくは地毛に近い髪色
- 前髪は眉毛より上で切る
- 適度にスタイリング剤を使い髪をまとめる
女性が気を付けたい髪型のマナー
- 地毛もしくは地毛に近い髪色
- 前髪がある人は横に流して眉毛が見えるようにする
- ロングヘアの人は髪を一つにまとめるかハーフアップにする
- ショートヘアの人は髪を耳にかけてピンやスタイリング剤でまとめる
- 服装と髪型の注意点はわかりました。ちゃんと対策をしているつもりですが、どこまで基準を満たしているのか不安です。身だしなみに自信を持って一次面接に臨むヒントをください。
客観的なチェックで自信を持とう
身だしなみは事前に注意深く確認する必要がありますね。たとえば親や兄弟など、周囲に社会人がいる場合は見てもらいましょう。スマホで写真や動画を撮影してチェックするのもオススメです。
なお家を出る時は整っていても、移動中にネクタイが曲がったりシャツが出てしまったり、服装が乱れたまま面接会場に来てしまう失敗例もよくあります。自宅でも、面接会場周辺でも、鏡でこまめにチェックするようにしましょう。
ちなみに私の経験談ですが、就活中はスーツの着こなしなどを紹介しているファッション雑誌を1冊購入して、常に清潔でかっこよく見えるようにチェックするようにしていました。雑誌やネットなどでお手本を見つけて、それを1つの指標とするのもおすすめです。
以下の記事では面接の正しい服装を詳しく解説しているので、本番前に確認しておきましょう。
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面接で服装を整えることは最低限のマナー。面接における服装の基本マナーを押さえましょう。この記事では服装の意識すべきポイントや評価に与える影響などをキャリアコンサルタントがプロの現場目線で解説します。
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持ち物
面接の場で忘れ物があると、それだけで面接への意欲を疑われたり「仕事でもミスが多いのでは」と思われてしまうかもしれません。面接の案内に持ち物の記載がない場合でも、最低限必要なものを持っていなければ準備不足と捉えられる可能性もあります。
面接に必ず持っていきたい持ち物とあったら便利な物を紹介するので、ブックマークやスクリーンショットをして面接前に確認してくださいね。
「電車が遅れていてタクシーに乗らないと間に合わない」「筆記用具を忘れてしまった」などアクシデントの際にも対応できるよう現金は持ち歩くようにしましょう。また印鑑はシャチハタだと使えないこともあるため認め印が安心です。
また面接で企業から何か書類を渡される可能性もあります。クリアファイルを持っておくと安心ですね。
所作
面接経験が少ない人にとって、面接でどう振る舞えばいいのか悩む人も多いでしょう。
正しい所作を知らないとマイナス評価となるだけでなく、振る舞いへの不安から自信がない印象を持たれてしまうかもしれません。特に集団面接ではマナーが守れていない人や周囲の様子を伺ってばかりの人は悪目立ちしてしまいます。
面接本番で緊張して忘れてしまうことがないように、イメージトレーニングや模擬面接などを通して練習しておきましょう。
最低限守っておくべき所作のマナー
- コートは建物に入る前に脱ぐ
- スマートフォン・携帯電話の電源は切る
- 3回ノックをして入室する
- 30度の角度でお辞儀をする
- 退室の際は丁寧にドアを閉める
言葉遣い
正しい言葉遣いを使うためのポイント
- 繰り返し使って自然に使えるようにする
- 自分では気づけない間違いを社会人など第三者に確認してもらう
自分は正しいつもりでも、社会人からすると違和感やマイナスな印象を持たれやすいのが、言葉遣いです。
就活生が間違えやすい言葉遣いを紹介するので、慣れていない人は声に出すなどして練習しておくと良いですね。
特に間違えやすい言葉遣い10選
- 一人称は男女共に「わたし」「わたくし」
- 了解しました→承知しました
- ご苦労様です→お疲れ様です
- なるほど・確かに→おっしゃる通りです
- 〇〇みたいな→〇〇のような
- 〇〇っす→〇〇です
- 貴社→御社(貴社は書き言葉)
- すみません→申し訳ありません
- よろしかったでしょうか→よろしいでしょうか
- 参考になります→勉強になります
採用担当者も相手が就活生だとわかっていて応対するので、よくあるミスに関しては寛容であるといえます。とはいえ話しているときに気になるのは、「なるほどですね」と「了解しました」ですね。再度言葉遣いを確認しておくとよいでしょう。
また、相手に好印象を与えるにはクッション言葉を使うこともおすすめです。クッション言葉とは話す内容を和らげる役割を持つ言葉のことで、相手への配慮が伝わりますよ。
クッション言葉と使い方の例
- 恐れ入りますが
→恐れ入りますが、もう一度質問内容をお聞きしてもよろしいでしょうか? - あいにくですが
→あいにくですが、〇日は学校のテストのため参加が難しいです。 - 恐縮ですが
→お忙しいところ恐縮ですが、最後に1点質問をしてもよろしいでしょうか? - 差し支えなければ
→差し支えなければ、現在の仕事内容についてお聞きしたいです。 - お手数をおかけしますが
→お手数をおかけしますが、日程のご確認をよろしくお願いいたします。
アドバイザーコメント
早川 峻
プロフィールを見る「見た目」と「声」は印象を決定付ける重要要素
特に注意すべきポイントは身だしなみと、声の大きさなども含めた言葉遣いです。メラビアンの法則でいえば、それだけで相手に与える影響は9割以上になります。
大前提として、面接官は1日に何十名、ときには100名以上の学生の面接をしていることを忘れてはいけません。特に一次面接の場合、参加する学生の数は膨大です。相手も人間なので集中力は途切れますし、誰がどんな話をしたかなど全て覚えていられるわけがありません。
面接官の記憶に印象を残すためのオススメの対策としては、声のボリュームと強弱の使い方を練習しておくことです。特に自分の名前や大学名などの固有名詞、部活動やアルバイトなど大切な情報を伝える時は、大きな声で確実に伝わるようにしましょう。
面接官の印象に残すには最初の自己紹介が勝負
また人によっては少し聞き慣れない名字や名前を持つ人もいるはずです。その場合はゆっくりハキハキと名乗るなどの工夫も必要です。
もしも最初の自己紹介の声が小さければ、後からどれだけ良い話をしても名前と話した内容が一致しなくなり、面接官の記憶に残りません。見た目、声、話した内容をしっかり覚えてもらえるように心がけましょう!
一次面接突破の秘訣②明るい雰囲気を作る
面接の場で緊張しているのは面接官も同じです。明るい雰囲気作りは自分だけでなく、相手をリラックスさせることにもつながります。結果として面接官も積極的に話を聞く気持ちになり、まさにwin-winな効果があるのです!
初対面の人と出会った際、明るく元気な人には良い印象を持ちやすいですよね。面接も同様です。特に学生の印象が重視されやすい一次面接では、明るい雰囲気の学生は面接官にとって魅力的に映るでしょう。
とはいえ明るさに自信がない人や面接という緊張感のある場面で萎縮してしまう人もいますよね。そこで、明るい雰囲気を意図的に作る秘訣を解説します。
明るさは第一印象が良くなるだけでなく、前向きに仕事に向き合うポジティブなイメージにもつながるため、一つひとつ実践してみましょう。
①大きな声で挨拶する
面接という短い時間では、自分のことをじっくりと理解してもらうことはできません。そのため、第一印象があなたへのイメージに大きく影響します。
そこで、入室した際はまず大きな声で挨拶しましょう。面接官は「明るい」「元気がある」とあなたに良い第一印象を持つはずです。
また明るい雰囲気作りには大きくハキハキとした声で会話をすることが欠かせません。挨拶で声が小さいとそこから声のボリュームを上げることは難しくなるため、まずは元気に挨拶をして、その後の会話でも明るさをキープしましょう。
大きな声で挨拶するメリット
- 面接官への良い第一印象につながる
- その後の会話も大きな声で話しやすくなる
②常に口角を上げる
面接は誰もが緊張するため、表情がこわばる人も多いでしょう。しかし表情が暗いと当然ながら明るい雰囲気には遠ざかってしまいます。
笑顔でいられることが理想ですが、それが難しいという人は常に口角を上げることを意識しましょう。意識的に口角を上げるだけでも表情の印象はかなり変わります。また口角が上がると自然と声も明るくなりやすいですよ。
面接で自然と口角が上がるように、自宅などで鏡を見ながら練習をすることがおすすめです。また面接当日の入室前にも手鏡などで表情をチェックしておくと良いですね。
口元のみを意識するのではなく、顔の表情筋を使うことも意識してみましょう。まずは鏡を見ながら目をしっかりと開いて、そして口を一文字にするのではなく、歯を見せるように「口を三角にするイメージ」を持つと口角も自然に上がります。
③背筋を伸ばす
背筋が丸まっていると自信がないように見えます。天井から糸で引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばしましょう。
特に注意したいのが面接の中盤以降です。最初は緊張していて背筋を伸ばしていたものの、段々とリラックスして背筋が丸まっていく人がいます。背筋には常に意識を向けましょう。
④普段より声のトーンを上げる
声のトーンもあなたの雰囲気に影響します。普段話すよりも声のトーンを上げるようにしましょう。
自分では明るく話しているつもりでも、初対面の面接官からすればそうは聞こえない場合もあります。自分で録音してみたり、家族や友人など周囲の人に聞いてみたりと客観的な視点でチェックしてみてくださいね。
⑤身振り手振りをつける
じっとしたまま話すよりも、身振り手振りをつけた方が雰囲気が明るくなりますし、自分自身の緊張も和らぎやすくなります。
また数字を指で表したりアピールしたいところで強調したりすることで、面接官に話の内容が伝わりやすくなるというメリットもありますよ。
後で解説する頻出質問の回答を準備する際に、身振り手振りを使いながら話して練習してみましょう。
身振り手振りを使うと良い場面
- 数字を伝えるとき
例)3倍になった - より強調したいとき
例)成果を挙げた話 - 規模を表したいとき
例)人数が増えた
- 明るさに自信がなく、面接の場で雰囲気を作れるのか不安です……。どうすれば良いですか?
周囲から明るくすることで自然と自分も明るくなれる
明るさに自信が持てないと、笑顔も少なくなって、声も小さくなってしまいますよね。
自信を持てないときや気分が落ち込んでいるときは、まずは身の回りのものに明るさを持たせましょう。明るい色は、相手へ明るい印象を与えるだけではなく、それを目にする自分自身へも明るい気持ちが影響します。
たとえばスマホカバーや普段使っているコーヒーカップを明るいピンクやオレンジ色などの色に変えてみると、自然に気分も明るくなって効果的です。
オンライン面接であれば、パソコンやその周辺に脳に刺激を与えるとされるイエローなど明るい色のグッズやステッカーを貼ることも効果的ですよ。
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一次面接突破の秘訣③頻出質問の回答を準備する
基礎的なコミュニケーション能力が見られる一次面接では、スムーズな受け答えが重要です。
事前に頻出質問の回答を準備することで、受け答えがしやすいだけでなく、他の学生よりも踏み込んだ回答ができたりと差別化にもつながります。これから紹介する質問はよく聞かれるので回答を考えてみてください。
またより学生の内面的な部分を見る二次面接以降と比べると、一次面接は回答への深掘りが少ないと言えます。頻出質問の準備だけである程度対応できることも多いですよ。
一次面接の質問については以下の記事を参考にしてみてください。頻出質問と回答例を詳しく解説しています。
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一次面接の質問&回答例11選|受かる答え方のコツを企業目線で解説
一次面接は基本的な質問をされることがほとんどですが、質問の意図を理解しないと高評価を得るのが難しいため注意が必要です。一次面接の頻出質問と回答例、面接官の意図を組んだ回答のコツを解説するので、一次面接を控えている人はぜひ記事を参考にしてくださいね。
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面接は事前にどれだけ質問を想定できるかがカギとなります。一次面接に限らず面接でよく聞かれる質問はこちらの記事で詳しく解説しています。
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面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
面接の質問に回答するためには、事前準備が重要です。面接でよく聞かれる質問と回答例に加えて、質問に答えられない時の対処法についてもキャリアコンサルタントが解説します。伝え方を意識して、面接の質問対策をしましょう。
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①自己紹介をしてください
面接の最初に求められることが多いのが自己紹介です。あなたの基本情報や意気込みを簡潔に伝えましょう。
自己紹介で話すべき内容
- 大学・学部
- 名前
- 学生時代の経験や自分の特徴
- 面接への意気込み
注意したいのが、自己PRと混同しないということです。自己紹介では自分に興味を持ってもらうために学生時代の取り組みを話すことは効果的ですが、そこで必要以上にアピールしようとすると面接官の意図から外れた回答になってしまいます。
学生時代の経験や自分の性格などは概要を話すだけにとどめ、それ以外の質問でアピールするようにしましょう。
面接の適切な自己紹介の方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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面接の自己紹介の作り方・伝え方|やってはいけないNG例も紹介
面接での自己紹介は、第一印象を左右するものなので非常に重要です。自己紹介をするのは短時間ですが、他の就活生よりも良い印象を残せるポイントは多くあります。ポイントや自己紹介例、練習法についてキャリアコンサルタントの意見も交えて解説します。
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回答例
例文
〇〇大学〇〇学部の〇〇です。
小学生から現在までサッカーに打ち込み、現在は大学のサッカー部に所属しています。またサッカーだけでなく人に教えることも好きなので、部活の前や休みの日には地元の小学生のサッカークラブでコーチを務めています。
サッカーでは真摯に目の前のことに取り組む重要性を学んだので、今日の面接も精一杯頑張ります。本日はよろしくお願いいたします。
一貫してサッカーに打ち込んだ芯のある就活生ということが伝わりますね。
面接を頑張るという意気込みは間違ってはいませんがありがちです。「入社後にこんなことをしてみたい」などのほうが印象は良いかもしれません。
②志望動機を教えてください
志望動機ではその企業への熱意を伝える必要があります。競合他社にも当てはまらないような「その企業ならでは」の志望動機を伝えましょう。
その企業ならではの志望動機の例
- 企業理念
- 他社と比較した強み
- 今後の戦略
- 商品やサービス
- 社風
- インターンシップや説明会などでの経験
また、一般論や企業の特徴を並べるだけでは面接官に響きません。自分の経験や価値観を交えてオリジナリティーのある内容にしましょう。
- それほど志望度が高い企業ではないので、志望動機を聞かれても正直困ります。ヒントを教えてください。
その企業に興味を持った理由を言語化してみよう
志望動機を聞かれたときは無理に志望度が高いことをアピールする必要はありません。ただし、その業界や企業、事業内容に興味を持った理由は何かあるはずです。
就職活動サイトで企業情報を調べた時や、会社説明会に参加した時に「面白そうだな」と感じた部分が何なのか、なぜそれを面白いと感じたのかをあらかじめ整理しておくことが第一歩です。出来れば自分の考えや思いを言語化してノートなどにまとめておくことをオススメします。
面接官にとっても、就活生が心にもないお世辞を言って第一志望ですと嘘をつくよりも、日々の自分達の仕事に対して興味があると言ってもらえた方が嬉しいものです。ぜひそのことをふまえてまとめてみてください。
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面接の志望動機は、書類よりも深掘りをした内容にすることが重要です。面接で志望動機を答えるための3つの構成を理解し、4ステップで面接の志望動機を考えましょう。回答例文や伝え方のコツを踏まえてキャリアコンサルタントが解説します。
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回答例
例文
私が御社を志望する理由は、御社の「お客様の笑顔につなげる」という企業理念に共感したからです。
私は現在レストランでホールスタッフのアルバイトをしています。食事や接客を通じてお客様が笑顔になっている姿を見てやりがいを感じ、たくさんのお客様に笑顔になってもらおうとより丁寧な接客を心がけています。
お客様の笑顔を生み出すことは私にとって大きなモチベーションになります。御社の企業理念の元ではいきいきと目標を持って働くことができると考えました。
御社に入社後はアルバイトで培ったお客様への丁寧な気配りを活かして、より多くのお客様の笑顔につなげていきたいです。
企業理念に共感するエピソードを話すのであれば、その経験とその時の思いが企業にとってどんなメリットを生むのか、そこにつながるストーリー作りをしましょう。
どうして「お客様の笑顔を生み出す」ことが自分のやりがいやモチベーションになっているのか具体的な理由を入れて、自分自身が大事にしているものや考えが伝わるようにするとさらに良いですよ。
③学生時代に力を入れたことは何ですか
学生時代の経験はほとんどの企業の面接で聞かれます。必ず整理して答えられるようにしておきましょう。
多くの企業で聞かれるからこそほとんどの学生が回答を準備して臨みます。そのためスムーズに答えられなければそれだけでマイナスな印象にもなりやすい質問です。
大切なのは、学生時代に力を入れた経験からあなたの資質を伝えることです。ただ力を入れた話や苦労した話をするのではなく、その経験から得た学びや強みをアピールしましょう。
「学生時代に力を入れたこと」の攻略法はこちらの記事で詳細に解説しているので、併せてチェックしておきましょう。
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ガクチカは企業での再現性があるエピソードを伝えることが重要です。ガクチカの作成ステップや高評価を得るポイント、NGパターンをキャリアコンサルタントと解説します。再現性が伝わるガクチカを作成し、内定を掴み取りましょう。
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アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見るガクチカは派手さよりも自分の人柄が伝わることが重要
ガクチカ=派手なエピソードがないとエントリーシートで合格できない、のような思い込みはないですか?
「留学できなかったから書くことがない」などの話をよく聞きます。確かに海外留学していたら、語れるエピソードに困りませんしチャレンジングな姿勢は評価されるかもしれませんね。
しかし、企業の人事担当者はエピソードが派手かどうか、大会が大きいかどうか等の評価ポイントで判断しているわけではないのです。学生がどういった姿勢で取り組んだのか、主体的に動ける人なのか、チームでうまくやっていけるのかを見ています。
派手さや目立つかということよりも、やってきたことや取り組み方に目を向けて考えてみてください。
自分だけで思い浮かばないなら周りを頼るのも一つの手
たとえば、アルバイトで売上アップしたというエピソードがあったとします。自分で販促やメニュー考案までおこなえる立場ではない状況で、チーム内にどのような声掛けをしたのか、大勢の中に入るとどのような振る舞いをすることができるのか、それが企業の気になるポイントなのです。
どんな考えを持ち、何に興味があるのか、物事にはどのように取り組んできたのかなど、あなた自身がどんな人なのかが伝わるようなエピソード選びをしましょう。
ゼミや研究室の活動を振り返ってみるのもおすすめですし、どんな科目の授業レポートに力を入れてきたのかを思い出すのも良いでしょう。
自分1人で思い浮かばない場合は、家族や友人、アルバイト先の仲間など、周囲の人と話すことで振り返ってみてください。ガクチカ何もないなんていう人はいないはずですよ。
回答例
例文
私が学生時代に力を入れたことは、軽音サークルでの活動です。私は軽音サークルでバンド活動をしています。
1年生の文化祭で初めて舞台で演奏した際、他のバンドと比べて私たちの演奏は盛り上がらず、途中で帰ったり話したりしている人たちもいました。私や他のメンバーはショックを受けましたが、その後披露したバンドが大盛況だったのを見て、悔しさとともに来年は絶対にリベンジしようと決意しました。
まず私は自分たちの演奏を録音してチェックすることを繰り返し、また積極的に他のバンドの演奏を観に行くことで改善点を見つけていきました。
またメンバー全員のモチベーションを上げるために、練習以外も積極的に交流の機会を増やして団結力を高めました。その結果、翌年の舞台は大盛況となり、ダブルアンコールまで演奏することができました。
この経験から、挫折することがあっても粘り強く向き合い努力することで結果を残せると学び、自信にもなりました。御社に入社後も、慣れないことや苦手なことがあっても諦めずに取り組み成果を残していきたいです。
挫折から努力して成果を出すまでの話がよくまとめられています。粘りと努力をアピールするならば、他のバンドの演奏を観に行った話や交流の回数を増やした話は具体的な数字も交えるとより伝わると思いますよ。
④自己PRをしてください
一次面接や二次面接など選考ごとに評価基準は異なるものの、結局のところ企業が選考で見ているのは「自社で活躍できるか」という点です。自己PRでは、あなたが入社後に活躍するイメージを面接官が持てるように、自分の強みをアピールしましょう。
自己PRでも、ただ自分の強みを伝えるだけでなく、その根拠となるエピソードが重要です。強みの裏付けとなる具体的なエピソードで説得力を持たせましょう。
面接での自己PRの答え方はこちらの記事で解説しているので、不安がある人はぜひ参考にしてください。
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面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
面接の自己PRは独自性のあるエピソードが求められます。キャリアコンサルタントが自己PRで盛り込むべき内容や作成方法を例文と解説。記事を参考に独自性のある自己PRを作成し、他の学生と差別化して面接を突破しましょう。
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回答例
例文
私の強みはリーダーシップがあることです。中学・高校はバレー部の部長を務め、現在はバレーサークルの幹事長を務めています。
サークルでは、経験者と未経験者の実力差が大きく、辞めていく未経験者が多くいました。せっかくバレーを楽しみたいと思って入会したメンバーたちが辞めていくことに問題意識を持っていたので、幹事長に立候補して、経験の有無を問わず前向きに取り組める環境作りに努めました。
具体的には、現時点の実力だけでなく努力やプロセスも重視するようにして、練習を頑張っているメンバーは未経験であってもレギュラーに選抜しました。また練習や試合以外にもレクや飲み会などを増やして「楽しい」と思える機会を増やしました。その結果、私が幹事長を務めた1年間は1人も退会者が出ませんでした。
このように、私にはチーム全体の環境を整えてより良い方向に引っ張っていけるリーダーシップがあります。御社に入社後も、組織のために自分ができることを常に考え周囲を引っ張る存在でありたいです。
サークルでのエピソードを加えたことにより、説得力が増していますね。メンバーの数など具体的な数字を入れることで、初めて聞く相手でもイメージしやすくなりますよ。
⑤あなたの長所を教えてください
長所も自己PRと同様に、具体的なエピソードを用いて説得力を持たせましょう。
企業は長所を聞くことで自社で活躍できるかどうかを見ています。たとえばチャレンジ精神が重要視される風土の企業で、深い思考力をアピールしても活躍するイメージは湧きにくいですよね。その企業で役立つような長所を挙げましょう。
企業のホームページなどから求める人物像を調べて、どんな長所が活かせるか考えてみると効果的です。
長所が思い浮かばない人はこちらの記事を参考に考えてみてくださいね。短所を長所に変える方法を解説しています。
回答例
例文
私の長所は責任感が強いところです。
私は現在ホテルスタッフのアルバイトをしています。アルバイトを始めたばかりのころ、電話の問い合わせ対応がスムーズにできず「スタッフの対応が良くない」と予約をキャンセルされてアルバイト先に迷惑をかけてしまいました。そこでアルバイトといえども従業員として働く以上は責任があると実感し、一つひとつの業務に真剣に取り組むようになりました。
現在は新人の教育を任されており、指導法についての本を読んだりこまめにフォローに入ったりして責任感を持って指導にあたっています。社員からは「〇〇の指導のおかげで業務が円滑に進んでいる」と評価していただいています。
この責任感が強いという長所を活かし、御社で働くうえでも一つひとつの仕事や振る舞いに責任感を持ち貢献していきたいです。
強みが明確に表現されていますね。
しかし「責任感」という同じ言葉が使われすぎで、逆に陳腐な印象を与えかねません。「仕事をやりぬく」「成果を出すことにこだわる」など、責任感を別の表現で言い換えるとより良くなるでしょう。
⑥あなたの短所を教えてください
短所を話すことに抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、企業が見ているのは短所そのものではなく短所との向き合い方です。
仕事では、苦手なことがあった場合にそれを避けるのではなく、向き合い努力できる人の方が成長できますよね。そこで面接では、短所を克服するためにどんな行動を取っているのかを伝えましょう。
とはいえ短所と言ってもどんな内容でも良いわけではありません。業務に支障が出るような短所を伝えることは避けましょう。
業務に支障が出る短所の例
- 遅刻癖がある
- 嘘をつく
- 協調性がない
- ストレス耐性がない
回答例
例文
私の短所は周囲の目が気になって自分の意見が言えないことがあるところです。
現在所属している大学のゼミでは、チームにわかれて発表をして順位を競うイベントがありました。私たちのチームの発表内容について、私はもう少し根拠の部分を詰めた方が良いと感じていましたが、他のメンバーが皆自信を持っていたので言い出せませんでした。その結果、発表時に教授から私が思っていたことと似た指摘を受け、順位も望んでいたものではありませんでした。
この経験から、たとえ言いにくいことであっても自分の意見は伝えるべきだと痛感しました。現在は、反対意見であっても「チームのために必要だ」という意識を持ち、またクッション言葉などを用いて言い方を工夫することで自分の意見を話すように心がけています。
「自分の意見が言えない」のは伝え方がストレートになってしまって上手く伝えられない、という印象を持たれる可能性があります。
マイナスイメージになりそうな短所を話す場合、その経験からの学びや成長エピソード、「どんな言い方をすれば伝えられるか」などの対処法を具体的に入れて、周囲を配慮できる協調性をアピールしましょう。
⑦最後に何か質問はありますか
一通り面接官からの質問が終わったら、面接官から逆質問を求められることが一般的です。疑問や不安を解消できるチャンスですし、質問内容によっては熱意をアピールすることもできるので有効活用しましょう。
絶対に避けたいのは「ありません」と答えることです。「自社への志望度が高くない」と面接官にネガティブな印象を持たれてしまいます。逆質問は最低3つ以上は考えておきましょう。
また待遇や福利厚生に関する質問も避けた方が安心です。仕事への意欲を疑われる可能性があるので、気になる場合は内定後に質問すると良いですね。
NGな逆質問の例
- お給料はどれくらいですか?
- 休みは取りやすいですか?
- 社宅や家賃補助はありますか?
回答例
一次面接の面接官は現場の若手社員や人事担当者が務めるケースが多くあります。現場社員や人事担当者だからこそ聞きたい内容を考えると良いですね。反対に、今後の会社の展望など若手社員が答えにくい内容は二次面接以降で聞くようにしましょう。
現場社員・若手社員への逆質問例
- 御社に入社を決めた理由は何ですか?
- 入社前と入社後でギャップはありましたか?
- 1日の仕事のスケジュールを教えてください
- 仕事でやりがいを感じたことは何ですか?
- 仕事で大変だったことは何ですか?
- 入社までにやっておいた方がいいことがあれば教えてください
人事担当者への逆質問例
- 御社に入社する人はどんな人が多いですか?
- 御社で活躍する人はどんな人が多いですか?
- 新人社員はどのような部署に配属となることが多いですか?
その他の逆質問の具体例はこちらの記事で紹介しています。アピールのコツなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
面接で「質問はありますか」と聞かれたら? 回答例66選を大公開
一次面接の逆質問例60選|4つのポイントを押さえて好印象を掴もう
こちらの記事では面接官の特性に応じた逆質問を50例付きで解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
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面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
面接での逆質問72例を紹介。さらに逆質問で意識するべきポイント、NGな質問例などをキャリアコンサルタントとともに解説。「質問は特にありません」から脱却して、逆質問を有意義な機会にしましょう。
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- 一次面接まで時間がなく、全ての回答を準備するのは難しそうです。どの質問への回答を優先して考えるべきですか?
志望動機、ガクチカ、自己PR、逆質問は準備が必須
志望動機、学生時代に力を入れたこと、自己PR(もしくは長所)は一次面接で頻出なので、この対策をまずしておくと良いでしょう。
これらは単体で考えるのではなく、つながりも大切にし、矛盾したことを述べたりしないようにしてくださいね。自分を採用することによる企業側のメリットを感じてもらえるよう練りこみましょう。
また面接の最後には「質問はありませんか?」と聞かれることが多いので、質問を準備することも欠かせません。実際に働くイメージを掴むために、1日の仕事のスケジュールに加え、繁忙期などを聞くのもおすすめですよ。
一次面接突破の秘訣④適切なコミュニケーションを取る
コミュニケーション能力が重要視される一次面接では、ただ頻出質問の回答を用意して答えればいいわけではありません。面接は面接官とのコミュニケーションの場なので、ただ自分の用意した回答を一方的に伝えても評価はされないでしょう。
そこで、会話のキャッチボールを意識しながら適切なコミュニケーションを取ることが大切です。具体的なやり方を5つ解説するので実践してみてください。
①自己分析をして伝えたいことを整理しておく
面接官は基本的に初対面です。初対面の相手に自分の性格や経験を理解してもらうには、自分の中で伝えたいことを整理して話す必要があります。
どんな質問をされても自分の伝えたいことをわかりやすく伝えられるように、自己分析をして自分自身について整理しておきましょう。
自己分析にはさまざまなやり方がありますが、おすすめはモチベーショングラフや自分史で自分の過去を振り返ることです。あなたが大事にしている価値観や強み・弱みが見えてきますよ。
モチベーショングラフ(難易度★★★)
過去の経験の中から自分のモチベーションの変化をグラフ化して「どんなときにモチベーションが上がる(下がる)のか」を明確にする
自分史(難易度★★★)
過去から現在までの自分の経験、またそのときの気持ちを表にして書き出すことで、自分の過去や気持ちを客観視する
ジョハリの窓(難易度★★★★★)
知人を4人以上集め、強み・弱みリストから自分にあてはまるものを自分と知人それぞれが記入する。それらを照らし合わせて分析する
自己分析ツール(難易度★)
質問に答えていくだけで自分の強みや弱み、価値観、適性のある仕事などがわかる
アドバイザーコメント
長谷川 晴美
プロフィールを見る分析結果を自己完結しないことが就活成功の近道
自己分析診断ツールは無料・有料ともに沢山のものがあります。たとえば厚労省ホームページでは、大学生のための「キャリア教育プログラム集」が紹介されていて、カードやすごろくなどから自己理解や職業理解を深めたり、応募書類の書き方なども学ぶことができます。
ここで大事なことは自己分析診断をおこなう際、診断結果を自己完結せず、その結果をもって専門家のカウンセリングを受けることです。診断結果には自分の強み・弱みなどいくつかの項目について書かれていますが、専門家のカウンセリングを受けないと「自分ってやっぱりそうなんだ」で終わってしまう可能性があるからです。
せっかく自分の傾向がわかったのなら、それをこれからの仕事でどのように発揮できるかを仕事の専門家のカウンセラーと話すことで、もっと具体的に自分の適性や興味の活かし方を考えられます。更に目指すべき方向や目標の設定ができるので、結果的には就活への近道と言えるでしょう。
②回答は要所だけを覚えておく
ときどき頻出質問の回答を丸暗記してそのまま話す就活生がいます。丸暗記して話すと面接官にもそれが伝わりやすく、コミュニケーション能力という点では評価しにくいでしょう。
また丸暗記の場合は少し話す内容を忘れてしまっただけで言葉が詰まったり頭が真っ白になってしまったりと、スムーズな受け答えにならない可能性もあります。
そのため質問の回答は丸暗記せずに、要所だけを覚えておくようにしましょう。伝えたいことだけを覚えて自分の言葉で面接官に伝えることで、あなたの気持ちも伝わりやすくなりますよ。
回答の要所を覚えるのが難しいという人は、具体的なエピソードの場面を映像として思い浮かべながら話すと良いのではないでしょうか。
当時を回想しながらキーワードは外さないようにすれば、大きくずれることはないと思います。丸暗記よりも、考えて話していることが伝わるほうが印象は良いですよ。
③質問の意図を考えてから話す
就活生にありがちな失敗として「自分の話したいことを話す」ということが挙げられます。事前に回答やアピールしたいことを考え、それを絶対に面接で話そうと意気込んでいるケースです。
たとえばサークル活動で辛かった経験を聞かれたのに自分の活躍やサークルへの貢献を長々と話しても、面接官が求めている回答とは言えないですよね。
もちろんアピールしたいことを伝えきることは大切ですが、そもそも面接はコミュニケーションの場です。
聞かれてもいないことに答えたり、質問の意図からズレたりするとコミュニケーション能力が低いとみなされてしまいますから、必ず質問の意図を考えてから話すようにしましょう。
- 意図がよくわからなかった時、聞き返してもいいですか?
聞き返してOK! むしろ評価につながる可能性も
質問の意図がわからない場合、聞き返すことでマイナスの評価を受けることはまずありません。時間を取らせて悪いからと躊躇せず、面接官の質問の意図がわからない場合は聞き返しましょう。
質問の前の部分については把握しているようであれば、「〇〇とおっしゃっておりましたが、XXについてのご質問となりますでしょうか」などと、聞き取れている部分を要約して伝えると悪い印象は残りません。
むしろ、「ちゃんと聞いてくれているんだな。コミュニケーションを取る力はある」と評価につながる場合もありますよ。
④PREP法を用いて回答する
冗長で話にまとまりがない人や何が言いたいのか理解しにくい人はコミュニケーション能力があるとは言えないですよね。面接では端的にわかりやすく伝えることが重要です。
そこでおすすめなのがPREP法を用いた回答です。PREP法を使うことで、面接官にわかりやすく話をすることができます。
PREP法
「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の順番で話す手法
特に最初に結論を伝えることは相手が話を理解するための重要なテクニックなので、どんな質問がきても結論ファーストを心がけましょう。
⑤模擬面接で事前に練習する
ここまで紹介した内容を、何の練習もなしにいきなり全て実践できる人はなかなかいません。面接という緊張感のある場でもこれらを実践できるように、模擬面接で練習をしておきましょう。
模擬面接とは、誰かに面接官役をやってもらって実際の面接のように練習をすることです。模擬面接のあとは面接官役の人にフィードバックを貰うことで本番に活かしてくださいね。
気軽に模擬面接をおこなうには家族や友人、先輩に面接官役を頼むと良いですね。より緊張感を持っておこないたい場合は大学のキャリアセンターや就職エージェントを利用することがおすすめです。
模擬面接は効果的な面接対策ですが何を準備すればいいのかわからない人もいると思います。模擬面接の詳しいやり方はこちらの記事で解説しています。
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模擬面接の効果を発揮させる6つのコツ|準備から進め方まで一挙解説
模擬面接は、面接の緊張感や雰囲気を体験しながら練習することが大切です。模擬面接の事前準備から実施方法までキャリアコンサルタントが解説します。模擬面接をおこなうメリットを把握し、活用することで選考突破に役立ててください。
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模擬以外にも面接練習の方法を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
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効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
面接の練習は目的意識をしっかり持つことが大切です。この記事では基本的な面接練習方法だけでなく、状況別の練習方法についてもキャリアコンサルタントが解説します。自分に合う練習方法を見極めて、本番の面接を突破しましょう。
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アドバイザーコメント
早川 峻
プロフィールを見る面接のコミュニケーションで特に重要なのが自己分析
相手に自分のことを理解してもらうためにも、自己分析をして伝えたいことを整理しておくことはとても大切です。自己分析をする際に就活生にありがちな失敗例は、過去の経験や出来事だけを取り上げてその時の思いや考えを深堀りできていないケースです。
たとえばチームワークが必要な仕事に対する自己PRで「自分は中学からバレーボールを10年間続けている」という経験を話すとしましょう。厳密に言えば、バレーボールを10年続けることと、チームワークが求められる仕事に向いているかどうかはイコールではありません。
自分という人間を伝えるには経験から感情面を深掘りしよう
ここで自分の感情面を深堀りしましょう。練習が辛かった時にどんなことを考えたのか、試合に勝った時にどんな気持ちだったか、などを深堀りしてみると、「私は仲間と励まし合うことで努力を継続できる」とか「私は1人で成果を出すよりも仲間と勝利の喜びを分かち合うことの方が好きな性格なのか」という自分を発見できるでしょう。
そうした内面の部分と、その裏付けとなるエピソードを合わせてアピールできれば、あなたのことがより明確に面接官に伝わりますよ。
イレギュラーでも安心! 形式別の一次面接対策
一次面接は、二次面接以降に比べて比較的集団面接やWEB面接が多い傾向にあります。そこで、イレギュラーな形式でも対応できるように、集団面接とWEB面接の対策について解説します。
基本的な対策はここまで解説した内容と同様ですが、イレギュラーな場合はそれ以外にも気を付けるべきポイントがあります。それを知らずにせっかくの対策が活きなければ意味がないので、イレギュラー形式に備えて押さえておきましょう。
集団面接:聞く姿勢に注意する
集団面接で気を付けたいのが、他の学生の話を聞く姿勢です。中には自分自身の回答に頭がいっぱいになり、他の学生の話を聞いていない学生もいます。
しかし企業で働くうえでは同僚や上司、取引先など他者とのかかわりが必須のため、協調性を重視する企業は多くあります。他の学生の話を聞かない態度からは協調性が感じられないですよね。
他の学生が話している間はその人の方を向いて、ときどき頷いたりしながら聞いてる姿勢もアピールしましょう。
集団面接の場合、面接官はあなたを他の学生たちとの間で「比較」しています。
つまり限られた時間の中で他の人よりも良い印象を与えなくてはいけません。身だしなみや声の聞き取りやすさにも特に注意してください。
集団面接は独自の対策が必要です。集団面接の詳しい対策はこちらの記事で解説しています。
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グループ面接の通過率は、他の選考と比較して低い傾向にあるので、通過するには入念な対策が必要です。キャリアコンサルタントが、よく聞かれる質問と回答例を挙げて解説します。グループ面接のポイントと落とし穴を押さえて他者と差をつけましょう。
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WEB面接:通信・周囲の環境を念入りにチェックする
入念に面接対策をしたのに、電波が悪かったり上手く接続できなかったりして成果を残せなかった就活生もときどきいます。
特にWEB面接に慣れていない人は、通信環境や周囲の環境は念入りにチェックしましょう。
WEB面接のチェックポイント
- 電波状況に問題はないか
- 事前にアプリのインストールなどが必要な場合完了しているか
- パソコンやスマートフォンの充電は十分にあるか
- イヤホンやマイクの音量は適切か
- 周囲に騒音はないか
- 画面に映り込む背景に問題はないか
- 対面は自信があるのですが、WEB面接は受け答えに間が合ったり雰囲気が読み取れないので、少し苦手です。解消する方法を教えてください。
実際にオンラインにつないだ練習で雰囲気を掴もう
WEB面接が苦手な人は、事前に必ず練習をしておくようにしましょう。学校などでオンライン形式に慣れている人も、大勢での授業とはまた違った緊張感があります。
友人同士でもキャリアセンタースタッフ相手でも、まずはオンラインでつないでみて時間を測りながら想定質問に答えてみることで当日のイメージがつかめるかと思います。
また、インターネット環境によって、途中で部屋から退出してしまう可能性があるため、慌てないように電話番号などの緊急連絡先は手元に置いておくようにしてください。
WEB面接は対面面接と同じ対策だと落ちてしまう場合があります。WEB面接の詳しい対策はこちらの記事で解説しています。
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WEB面接は、対面面接と異なる対策が必要です。WEB面接に必要な準備や好印象を残すポイント、トラブル時の対処法をキャリアコンサルタントが解説します。WEB面接の特徴を押さえて選考を勝ち進みましょう。
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また、WEB面接ではなく電話で面接をおこなう企業もあります。電話面接の対策を知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
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一次面接で他の学生と差別化するコツ
一次面接は「人柄」、二次面接では「適性」、三次面接は「最終確認」の位置づけにあります。そのため、一次面接は他の面接と比べればそれほど高度なことは求められておらず、社会人としての基本的なマナーであったり、雰囲気、コミュニケーション能力が見られています。
こうした基礎が求められる場面だからこそ、応用までできれば他の学生と差別化することができますよ。
ここまで一次面接の合格ラインに達するための対策について解説してきましたが、ここまでの対策が万全な人や第一志望の一次面接を控えている人は、ぜひ他の学生に差がつく対策までやっておきましょう。
一次面接の評価は多くの場合二次面接以降の面接官に伝わります。一次面接での評価が高い方が二次面接以降有利になりやすいとも考えられるので、より高評価を獲得するコツを解説していきます。
志望動機を練りこむ
選考を重ねるについて企業についての理解度が深まり、また選考フェーズが上がるにつれて志望度が重視されやすくなるという点から、一次面接の時点では就活生の志望動機のレベルはそう高くない傾向にあります。
だからこそ、一次面接から志望動機をしっかり練りこむことで、他の学生と差を付けることが可能です。企業のことを徹底的に調べて「志望度が高い学生」として企業に印象付けましょう。
志望動機の質を上げる方法
- 同業他社まで調べてその企業の特徴を知る
- IR情報に目を通す
- OB・OG訪問や説明会などで社員から直接得た情報を盛り込む
志望動機の質を上げるには、就職ナビや企業HPの採用ページのみで判断しないことも大切です。
これらは確かに就活生向けでわかりやすいですが、企業HPの他のページだけでも、取引先へのメッセージや業界内での立ち位置、将来性など数多くの情報が散りばめられています。いろいろな切り口で見てみましょう。
自分がどんな人かを明確に伝える
一次面接は二次面接以降と比べて比較的若い社員が担当します。そのため、面接経験が少ない人やマネジメント経験のない人など、二次面接以降に比べると人を見ることに慣れていない人も多いでしょう。
だからこそ、面接官に自分について知ってもらうという受け身な姿勢ではなく、自ら自分を明確に伝えられる人の方が印象に残りやすいと言えます。
また二次面接以降と比べて、一次面接は深掘りして質問されることは少ない傾向にあります。そのため一つひとつの回答ではっきり自分がどんな人かを伝えられると、他の学生との差別化にもつながりますよ。
回答内容に一貫性を持たせる
自分がどんな人かを面接官にはっきりわかってもらうためには、回答内容に一貫性を持たせることが重要です。
たとえば自己PRで「協調性があること」を強みだと話していたのに、短所を聞かれた際に「人の意見を聞かない」と話してしまうと結局どんな人なのかがわからないですよね。反対に短所を「人の意見に流されやすい」と伝えれば、一貫して「協調性がある人」だと伝わります。
このように、回答内容に一貫性があることで、面接官はあなたへのイメージを明確に持つことができます。一つひとつの回答内容と自分がアピールしたい軸がぶれないようにしましょう。
エピソードは具体的に話す
学生時代に力を入れたことや自己PRなど自分の経験について話す場合には、エピソードを具体的に話すように心がけましょう。その時の状況や自分の考えなどについて具体的に話すことで、面接官はあなたの経験をイメージしやすくなります。
二次面接以降であれば、あなたが話した経験について「なぜその行動をしたのか」「なぜそう考えたのか」など深掘りされるケースも多いですが、特に集団面接などの一次面接であればそこまではなかなか聞かれません。
だからこそ一つひとつの回答の機会を「自分をわかってもらうチャンス」だと捉えましょう。あなたの経験について詳しく知らない友人や先輩など身の回りの人に実際に話してみて、具体的なイメージを持てたか聞いてみるのも良いですね。
エピソードを具体的に話すコツ
- 実際の数値や名称で伝える
- 事実だけでなく考えまで伝える
- 成果などわかりにくい場合は具体例を入れる
場数を踏んで自信をつける
一次面接ではまだ面接自体に慣れていない人も多くいます。インターン選考などで面接に慣れている人に比べて不安や自信のなさが表れてしまう人も少なくありません。
特に一次面接では面接官に与える印象が大切なので、堂々とした様子は他の就活生との差別化にもつながります。できるだけ多く場数を踏んでおきましょう。
一次面接まで時間のある人は、早期に面接を実施する企業を滑り止めとして受けておくと良いですね。時間がない人は、上で解説した模擬面接をしたり面接の流れについてインターネット上の動画を見たりしてイメージを掴んでおくことがおすすめです。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る自分の言葉で話せる人が一次面接で光る
一次面接で目を惹くのは、自己プロデュース能力が高い人です。早期から就職活動に本気で取り組んできたことが伺え、どんな状況でも会話のキャッチボールが自然にできる学生は魅力的に映ります。
インターネットには情報が多く、探せばES事例なども簡単に出てきます。就活塾や履歴書添削サービスなどもありますが、自分の言葉で話せることに勝るものはありません。
自己分析をしっかりとおこなっている就活生は、想定外の質問にもテンプレート的な受け答えではなく自分の考えで答えることができています。覚えてきた志望動機をスムーズに発表する場ではなく、キャッチボールのできる人は人事としても印象が違いますね。
差別化の秘訣は「採用メリット」を説明できること
また自分のやりたいことが実現できるという志望動機をあげる就活生は多く見られます。しかし企業活動という場を借りて何かを実現しようとするだけでは、企業にメリットはありません。
企業にメリットをもたらすからこそ採用するのであって、自分は何ができるか、採用メリットは何かを説明することが求められます。学生生活で学んだことをどう社会人生活へシフトしていくか、そこまでしっかり説明できる人は「他の学生と違うな」という印象を持ちますね。
一次面接以外の面接のコツも気になるという人はこちらの記事を参考にしてくださいね。ほぼすべての面接を通過するコツを一挙公開しています。
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面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説
面接のコツをつかむには、評価されるポイントを理解することが不可欠です。さらに、種類別の面接のコツをつかめば差別化できます。この記事では、面接を突破するための質問への回答方法や立ち振る舞いなどをキャリアコンサルタントと解説します。
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油断は禁物! 一次面接終了後にやるべきこと
面接終了後は気が抜けてしまう人も多いでしょう。しかし、そんな面接後だからこそ就活生の差が出やすい部分です。
面接が終わっても選考通過のためにできることはまだあります。最後まで気を緩めずに、できることをやりきりましょう。
お礼メールを送る
ビジネスの場では商談などの後にお礼メールを送ることが一般的なマナーです。面接でも、時間を割いてもらったことへのお礼をメールで送りましょう。
また一次面接は特に印象が評価に影響しやすい選考です。礼儀正しくお礼メールを送ることで好印象につながるかもしれません。
お礼メールでは、面接への感謝とともに、面接で感じたことなどを伝えられると気持ちが伝わりやすいですよ。
とはいえ採用担当者や面接官も忙しいので、簡潔なメールが好まれます。長々と自己アピールをするとかえってマイナスな印象になりかねないので注意してくださいね。
送信メッセージ
TO〇〇〇〇@theport.jp
CC
件名〇月〇日一次面接のお礼/〇〇大学港太郎
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。
本日〇時に面接をしていただきました、○○大学○○学部○○学科の港太郎と申します。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。
面接の中で〇〇様から具体的な仕事内容や貴社の魅力についてお聞きすることができ、貴社で働きたい気持ちがより一層強まりました。
取り急ぎ面接のお礼を申し上げたくご連絡いたしました。ご多忙かと存じますので、返信は不要です。
引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。
―――――――――――――――
港 太郎(みなと・たろう)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:080-○○○○-○○○○
メール:minato@○○○○○○.ab.jp
―――――――――――――――
- お礼メールって実際合否に影響するんですか?
可能性は高くないものの影響するケースもある
面接内容そのものが評価基準として最も考慮されることは間違いないですが、いくら良い面接ができたとしてもその印象がずっと採用担当者の記憶に残っているとは限りません。
しかし面接後にお礼メールを送ることで、再度あなたの良い印象を相手に与えることができます。
また、もし面接官があなたと他の候補者のどちらを次の選考に上げるか迷っていたとしたらどうでしょうか。きっと礼儀正しい印象を持つ人を合格にしますよね。選考結果に直接影響する可能性は高くはありませんが、好印象を与えるという意味でお礼メールは送ることをおすすめします。
面接内容を振り返る
実際に面接をするのは貴重な機会です。面接をして初めてわかることや感じることもあるでしょう。
やっと面接に慣れてコツを掴んだころには多くの企業で面接が終わっているなんてこともよくあります。だからこそ、1回1回の面接の機会を最大限活用しましょう。
振り返りは、記憶が薄れないようにその日中に取り組むことがおすすめです。具体的な振り返りの方法を解説します。
質問と回答内容をメモする
記憶が新しいうちに、面接官から聞かれた内容とあなたの回答をメモしておきましょう。面接後に時間がないとしても一旦質問と回答をメモしておけば後から振り返りがしやすくなります。
また一次面接での評価は二次面接以降の面接官に伝わっていることが一般的です。一次面接と二次面接の回答に一貫性がないと話の信憑性を疑われてしまうため、二次面接の前にも振り返れるようにしておきましょう。
面接後にメモしておくべきこと
- 面接官に聞かれた内容
- 質問に対する自分の回答
- 逆質問で聞いた内容と回答
二次面接までに改善点を見つける
一次面接を受けてみて、上手くいったことやそうでないことなど思うことがいろいろあるはずです。面接を振り返り、良くなかったと思う点を明確にしましょう。そして二次面接までに改善することが大切です。
たとえば一次面接で「志望動機が弱い」との評価が二次面接の面接官に伝わっていたとします。しかし二次面接で志望動機がブラッシュアップされていたら、面接官は「二次面接までにしっかり考えてきたんだな」と良い印象を持ちますよね。
改善点を見つけて向き合う姿勢は仕事でも重要なので、企業への印象アップを狙えます。
二次面接の具体的な対策方法はこちらの記事で解説しています。一次面接との違いも理解できるので、一次面接の特徴を捉えるという意味でもぜひ参考にしてください。
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評価基準に特化した対策で一次面接を突破しよう
ここまで解説した通り、一次面接は学生の雰囲気や印象、コミュニケーション能力の部分が比較的見られやすい選考です。この評価基準に特化した対策をすることで、一次面接の突破率は格段に上がります。
今回解説した対策を実践して、自信を持って一次面接に臨んでくださいね。
アドバイザーコメント
長谷川 晴美
プロフィールを見る面接で大切なのは自分の思いを届けること
次の一次面接が初めての面接となる就活生も多いと思います。これまで学生時代に経験してきたことやその中での自分の思いを自分の言葉で伝えるための事前準備を重ねておきましょう。自分をよく見せようと、よくあるような定型文にならないように気を付けてくださいね。
実際の面接になると、練習のときには出てこなかった、予想していない質問もあるかもしれません。そのような場合も焦らずに、話すペースも少しゆっくりにして、自分の言葉で伝えるようにしましょう。
また予想していた質問の場合、前もって用意して丸暗記してきた内容を話しているのが伝わってしまうようなケースもあります。面接では、きちんとした受け答えを意識するよりも、上手く言えなくても気持ちの入っている言葉の方が面接官には伝わります。
自分の気持ちを明確にして一次面接に臨もう!
長く感じる就職活動も長い人生で見ればほんのワンシーンです。自分自身と向き合える初めての人生の通過点になることも多いでしょう。本当の「ありたい自分」を出来る限り明確にしていくことで、自分の中から出てくる言葉で伝える経験になるでしょう。それは就職活動が終わった後に仕事を始めるうえで必ず役立ちますよ。すべての就活生を応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/HR&Sパートナーズ代表
Chinatsu Iwasaki〇大学理系学部卒業、大手インフラ企業の人事として勤務。開業後、企業の採用コンサルティングや就職支援などをおこなう。現場感と対話を大切にしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/留学カウンセラー
Shun Hayakawa〇大手就活メディアの営業を経て、現在は留学支援をおこなうアナザーストーリーの代表取締役を務める。キャリアコンサルタントとして学生の強みの発見から選考対策など幅広く支援
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/認定心理士
Harumi Hasegawa〇大学では心理学を専攻。ベンチャー企業に勤務する傍ら、カラーセラピーサロンの運営を開始。同社で個人法人向けカウンセリングに加え、キャリア開発講師とコンサルティングに携わる
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