専門家が解説|仕事をすぐ辞めることへの迷いを解消する7ステップ

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この記事にコメントしたアドバイザー

  • 桒田 里絵

    保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号18010763)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー(登録番号CDA150713)/トレーニングビート認定トレーナー SNS:Facebook

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  • 永田 修也

    永田キャリアコンサルタント事務所代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号17078719)/メンタル心理カウンセラー SNS:YouTube/ブログ  

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  • 秋田 拓也

    To Be Myself 代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20051327)/産業カウンセラー(登録番号21001116)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー(登録番号153804)/健康経営アドバイザー(認定番号22000257)/両立支援コーディネーター(登録番号00230207545)/第二種衛生管理者(免許証番号60070427201) SNS:Instagram

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仕事を始めたばかりなのにすぐ辞めることを考えてしまう人は案外います。働いてから気づくことがあったり、働いてみたものの理想と違ったりすることもあるからです。ただ、退職を思い立ってすぐに辞めてしまうと、後悔につながってしまうかもしれません。

この記事ではキャリアコンサルタントの桑田さん、永田さん、秋田さんと一緒に、仕事をすぐ辞める場合のメリットやデメリット、そして退職することを冷静に考えるための7ステップを解説していきます。

記事を読みながら自分の状況を整理し、仕事をすぐ辞めることが自分にとって有益になるのかについて考えを深めていきましょう。今の仕事を続ける場合も、新しい仕事を始める場合も、自分らしく働けるように準備を整えてくださいね。

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仕事をすぐ辞めると後悔する? メリットデメリットを熟知して判断しよう

仕事を辞めたい理由を明確にしないまますぐ辞めてしまうと、後悔する可能性が高くなります。なぜなら、在職しながら辞めたいと感じる理由を解消できる場合もあり、辞めることによって転職活動に悪い影響を及ぼすこともあるからです。

この記事でははじめに、就活のプロであるキャリアコンサルタントの3人に仕事をすぐ辞めることのメリットとデメリットを解説してもらいます。仕事をすぐ辞めることを両局面から分析し、今後のキャリアや働き方を考えるうえでの参考にしましょう。

そして、仕事を辞めたいと感じやすい状況を整理し、本当に辞めた方が良いのかを冷静に検討するための7ステップを取り上げていきます。自分の状況を整理し、後悔しない働き方やキャリアを選んでいけるようにしてくださいね。

第二新卒の転職は、新卒とは違った気を付けるべきポイントがあります。こちらの記事を参考に第二新卒の転職必勝法を実践していきましょう。
第二新卒の転職必勝法|納得のいくキャリアを見つける3つのコツ

仕事をすぐ辞めることを考えている人の中には、転職のタイミングを気にしている人も多いはずです。こちらの記事を参考に、仕事をすぐ辞めて転職するかどうかを決めていきましょう。
転職のタイミングはいつが正解? 目的に合わせた最適な時期を解説

面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

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専門家が解説! 仕事をすぐ辞めるメリットとデメリットとは

仕事をすぐ辞めるメリットとデメリットを考えたい3つの場合

  • 仕事をすることがつらいと感じる場合
  • 今の仕事が自分に合っていないと感じる場合
  • 思っていた仕事内容と違ったと感じる場合

働き始めたばかりの仕事をすぐに辞めた場合、どのように将来へ影響するのか見通しづらい人も多いでしょう。そこで、多くの人のキャリア支援に携わってきたキャリアコンサルタントの3人に、仕事をすぐ辞めるメリットとデメリットを解説してもらいます。

仕事をすぐ辞める場合、どんな状況でもかならずメリットとデメリットの両面があります。専門家が指摘する働き方やキャリアビジョンへの影響を考え、自分に合った進路を選ぶための基本的な考え方としていきましょう。

仕事をすることがつらいと感じる場合

仕事をすることがつらいと感じる新社会人は少なくありません。慣れない環境でやったことのない仕事をすることで、ストレスを感じたり、焦りを感じるのは当然です。仕事がつらいという気持ちが続くと、仕事を辞めたいという気持ちも高まってしまいますよね。

ここではキャリアコンサルタントの桒田さんに、仕事をするのがつらいと感じてすぐ辞めてしまった場合に、どんなメリットやデメリットがあるのかを聞いていきます。仕事がつらいという現状から抜け出すことは、将来にどんな影響があるのでしょうか。

アドバイザーコメント

心身の健康を害してまで仕事を続ける必要はない

どうしても仕事がつらいとき、無理して続けることだけが良いとは限りません。物事にはメリットとデメリットの両面があります。一時的な感情で決めることなく、「なぜ辞めるか」を冷静に自問しましょう。

辞める方が良いのは、職場環境が体調にまで影響する場合です。たとえば、職場で不当な扱いをされていたり、仕事量があまりにも多かったり、ハラスメントを受けているようなことが挙げられます。

仕事を辞めることで、心身ともにストレスから解放されます。どんな仕事であっても健康を犠牲にしてまで続ける価値はありません。

また、希望とはまるで違う部署に配属され、異動などの見込みがないような場合は、辞めることで希望の仕事に就ける確率が上がりますよ。

中途半端な理由で辞めると仕事の醍醐味を味わえない可能性がある

しかし、中途半端な理由で辞めるのはデメリットが大きいです。転職時に明確な退職理由を説明できず不採用が続き、条件を下げて転職しても早期離職を繰り返す、いわゆるやめ癖・逃げ癖がつくという悪循環に陥ります。

また仕事とは、業務をうまくこなしていけるようになってからが面白いものです。仕事の醍醐味を知る前に辞めてしまうのはもったいないとも言えます。

何のために働くのか、なぜ辞めるのか、いま一度考え、自分の未来に責任の持てる判断をしましょう。

仕事のつらさを感じた時、自分を責めるのは得策ではありません。こちらの記事を参考に心が楽になる対処法を実践してみましょう。
仕事がつらいときに自分を責めないで! 心が楽になる10の対処法

もしも仕事のつらさから「何もしたくない」と考えている人は、こちらの記事を参考に、納得いく道を見つけられる方法を試してみましょう。
「何もしたくない……」無気力でも納得の道を見つける方法

今の仕事が自分に合っていないと感じる場合

仕事をこなしていくことはできるものの、自分に合っていないと感じている人もいるのではないでしょうか。たとえば初対面の人と関係を築くことに極度の緊張を感じているものの、営業職として新規顧客を開拓しないといけないような状況です。

ここでは、キャリアコンサルタントの永田さんに、今の仕事が自分に合わないと感じてすぐ辞めた場合にどんなメリットやデメリットがあるかを聞いていきます。自分に合わないと感じる仕事を辞めることは、将来にどんな影響があるのでしょうか

アドバイザーコメント

辞めることのメリットデメリットは表裏一体

すぐに辞めた場合のメリットとしては「精神的には楽になる」という部分です。逆にデメリットとしては「投げ出してしまうクセがつく可能性がある」ということがあります。

一見メリットに見えることも一時的な解放感かもしれず、デメリットに見えることも投げ出したからこそ新しい自分の可能性に気づくこともあります。これらは表裏一体なため、考え方次第ともいえるのです。

辞めたいと思った背景を振り返ってみよう

キャリアカウンセリングとして私が最初にすることは、アドバイスではなく、「仕事をすぐ辞めたいと考えるようになった背景」に注目して一緒に考えることです。

嫌になったといっても、今の業務を自分で選んだ場合もあれば、会社から配属されて止むを得ずという場合もあり、プロセスも人によってさまざまです。

そのため、現在の仕事をすることになった原点に立ち返り、経緯を振り返ることで自分の気持ちに気づいてもらうことを促していきます。

記事を読んでいる人も、すぐに辞める選択をする前に、現在の仕事をすることになった原点を思い出し、辞めた際のメリットやデメリットを考えていきましょう。

仕事が自分に合っていないと感じると、仕事に行きたくないと考えてしまう人も多いでしょう。仕事に行きたくないと考えてしまったときは、こちらの記事を参考に心が軽くなる方法を実践してみましょう。
仕事に行きたくないときの対処法22選|心が軽くなる方法を解説

吟味して選んだ仕事が自分に合っていないと感じると、そもそも向いている仕事がわからないと感じる人もいるはずです。こちらの記事を参考に自分に向いている仕事を見つけましょう。
向いてる仕事がわからない……図解で読み解く適職の見つけ方

思っていた仕事内容と違ったと感じる場合

入社してすぐは裁量権を持って仕事をすることができなかったり、希望する部署へ配属されなかったりして、入社前に想定していたものとは異なる仕事をやる場合があります。キャリアアップの道が遠く感じ、仕事をすぐ辞めることを考える人もいますよね。

ここではキャリアコンサルタントの秋田さんに、思っていた仕事内容と違う仕事をすぐ辞めた場合に、どんなメリットやデメリットがあるかを聞いていきます。石の上にも三年という言葉がありますが、想定していた仕事と違う場合に続ける必要はあるのでしょうか。

アドバイザーコメント

中長期的なキャリアを踏まえて今の仕事を考えてみよう

自分が思っていた仕事内容とはどのような仕事なのか、自分の仕事内容に対する理解不足はなかったのかを確認してみてください。思い込みの部分はないですか? 現在の業務経験が将来役立つことはありませんか?

中長期的なキャリア形成という捉え方で仕事に取組むことで、早期離職を回避することもできます。

単にやりたくない仕事だからと辞めてしまうと、自分のやりたい仕事の理想が高くなり、いつまでもやりたい仕事に出会えずに転職を繰り返してしまうこともあるのです。

事前説明と内容が違った場合は成長につながる新しい仕事を探そう

あってはならないことですが、担当者が伝えていた仕事内容と違うケースもあります。担当者の理解不足や採用するために偽っていた可能性もなくはないです。

実際に違うのであれば、早い段階で辞めることを決断できた自分をほめましょう。貴重な時間を浪費することなく、自分の経験・成長につながる仕事に就くことを目指すべきです。

また、転職する場合、担当者が気にするのは転職理由です。仕事内容が違うという理由は、理解不足や確認不足といったマイナスイメージとして捉えていることにも注意してください。

思っていた仕事内容と違うと感じる人の中には、次は楽しい仕事をしたいと考えている人もいるはずです。こちらの記事には楽しい仕事の例も掲載しているので、参考にしてみてください。
楽しい仕事20選|3ステップで自分にぴったりの仕事を見つけよう

思っていた仕事内容と違ったと感じると、その仕事をやりたくないと感じる場合も多いはずです。やりたくない仕事を乗り越える方法をこちらの記事で解説しているので確認してみましょう。
やりたくない仕事を乗り切る方法15選|社会人の体験談も交えて解説

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

ただし無理は禁物! 仕事をすぐ辞めた方が良い状況3パターン

仕事をすぐ辞めた方が良い状況3パターン

  • 仕事のことを考えると体調を崩してしまう
  • 会社に相談しても労働環境が改善されない
  • ハラスメントが繰り返されている

仕事をすぐ辞めることにはメリットもデメリットもありますが、それらをいったん脇に置いてでもすぐに辞めた方が良いパターンがあります。ここでは仕事をすぐに辞めた方が良い状況を解説するので、自分に当てはまっている部分がないか考えてみてください。

仕事をすぐ辞めた方が良い状況で仕事を続けていると、心身ともに疲労がたまり、回復までに時間がかかってしまう結果になります。決して無理はしないようにしましょう。

永田 修也

プロフィール

コンビニの配送業務をしている人で、つらい状況を我慢して耐えながら続けた結果、うつ病の症状が出てしまった人がいました。責任感が強い人でカウンセリング中も涙が止まりませんでした。

このような症状が出る前に気軽に誰かに相談できる方が望ましいです。

パターン①仕事のことを考えると体調を崩してしまう

仕事は収入を得たり、いきいきと生活するために重要な役割を果たしますが、一生懸命に働きすぎて自分を追い込んでしまうと心身ともに疲労し、体調を崩してしまう場合があります。そのような状況になったら仕事をすぐに辞めましょう。

たとえば、通勤しようとしてもベッドから起きられない、仕事のことを考えると食欲がなくなる、職場に到着しても頭が回らないといったケースです。

この場合は心療内科へ通院したり、下記のような相談窓口に相談するようにしましょう。

団体名連絡先
#いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク)0120-061-338
よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)0120-279-338
こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556
仕事のことを考えて体調を崩してしまうときの相談窓口3例

秋田 拓也

プロフィール

眠れない状態が続く、体調が悪いなど、身体の異変に自分自身で気づくことが大切です。恥ずかしがらずに、心療内科などで診察を受けてください。

自分がどの状態にあるのかを自覚して次の行動につなげていくのが重要です。処置が早ければ早いほど、回復も早くなりますよ。

仕事のことを考えると体調を崩してしまう人の中には、働くことが怖いと感じてしまっている人もいるはずです。こちらの記事を参考に、怖さを感じることから脱却する方法を試してみましょう。
働くのが怖い人必見! 怖いと感じる原因と脱却するための方法を伝授

パターン②会社に相談しても労働環境が改善されない

働いているとコミュニケーションのすれ違いから人間関係が悪くなったり、ライフステージと働き方が合わなくなったりして、会社へ相談する場合もあるでしょう。ただ、相談しても労働環境がなかなか改善されないときは退職を検討してみてみるのも一つの手です。

労働環境が改善されないまま働くと、心身ともに体調を崩してしまう原因となったり、無理して働くことのしわ寄せが家庭にきたりすることがあります。それによって取り返しのつかない状態になってしまうと、働くことができなくなる可能性もあるのです。

会社と相談しても労働環境が改善されず、自分の努力では限界があると感じたときは無理をしないでくださいね。

会社に相談してからどのくらい待っても改善されない場合に、退職を選んだ方が良いのでしょうか?

桒田 里絵

プロフィール

心身の健康や家庭の状況と相談しながら期間を決めよう

どのくらい待てるかは、自分の心身や家庭の状況などによって変わってくると思います。心身への悪影響が明らかな場合は速やかな対処が必要です。

しかし、すぐに退職という結論ではなく、緊急避難的に休暇を取ったり、休職して様子を見てみるといった段階を踏むことも検討してみましょう。

自ら退職を選ぶと、就労期間によっては雇用保険が受給できなかったり、一定期間の給付制限に該当して数カ月にわたって無収入が続く場合もあります。

退職するにしても、仕事だけでなく生計のことも含めて落ち着いて考えたり、専門家に相談したりして、今後の見通しを立ててから実行しましょう。そのための期間は必要だと考えてください。

39点以下は要注意!就活の弱点を克服するために今すぐ診断しよう

就活では気をつけるべきことが多いです。いざという時に「その対策はしていなかった…」と後悔したくないですよね。

後悔せずに就活を終えたい人は、今すぐ「就活力診断」で診断しましょう。たった30秒であなたの弱点を判定し、これからするべき就活対策がわかるようになります。

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パターン③ハラスメントが繰り返されている

ハラスメントを繰り返し受けている場合はすぐに辞めることをおすすめします。ハラスメントは受けている人を追いつめ、最悪の場合は働くことが不可能になるケースもあるため注意が必要です。すぐにその職場から離れましょう。

ハラスメントとは、している人の意図にかかわらず、受けている人の感じ方が基準となります。セクシャルハラスメントやモラルハラスメントなど、性別や立場に関係なく起こりうるというのも特徴の一つです。

自社の相談窓口を設けている企業もあるので、そちらを頼ることも検討してみてくださいね。

曖昧な理由で仕事をすぐ辞めると後悔しやすい! 理由を明確にしよう

仕事をすぐ辞めることを考えている人の中には、今すぐ現状の生活を変えたいと感じている人もいるかもしれません。毎日多くの時間を割いている仕事を、より自分に合ったものにしたいと考えるのは当然のことといえます。

ただ、仕事を辞めたい理由を明確にしないまま辞めてしまうと、キャリアに悪影響が出る可能性があります。今の会社に勤めることで得られるチャンスをみすみす逃してしまったり、すぐ辞めたことが転職を希望する会社に悪い印象を残すことがあるからです。

仕事をすぐ辞めることが悪いわけではありません。しかし、その辞める理由を冷静に分析し、自分が納得いくキャリアに進めるように準備をしておくのが重要なのです。

アドバイザーコメント

労働条件よりも仕事内容を軸に転職活動するのがおすすめ

仕事をすぐ辞める理由で最も多い理由が「労働条件」です。実際に劣悪な条件や低い給与水準の場合は、転職することが正解でしょう。

ただし、注意してほしいのは、応募条件を鵜呑みにすることです。応募条件に記載されている休日日数などは会社の平均的な数字が公表されているので、現場と多少異なる場合があります。

転職後も同じように労働条件に不満を持ち、次の転職にもつながってしまわないよう、確認を怠らないことが重要です。転職経験が少ない人は、特に注意して確認する必要があります。

キャリアの理論的にも「労働条件」で得られる満足度は即効性があるものの、持続性がないことも知られています。満足度を上げるには「仕事内容」を重視した転職活動をすべきです。

年齢だけを考えて転職すると転職スパイラルに陥る可能性もある

次に多い理由が「年齢」を意識した転職です。30歳の節目で私のところに転職相談にくる人が目立ちます。多くの人が「転職するなら今しかない」という考えに陥っています。

自分と向き合う時期ではありますが、中途半端な状態では、無理なキャリアチェンジになってしまいます。しっかりと自己理解を深め、転職の準備をしないと、自分の軸が定まらない状態が続き「転職スパイラル」に陥ってしまったというケースをみてきました。

転職するべきかの判断を誤らないように注意して下さい。

まずはセルフチェック! 仕事を辞めたいと感じる5つの瞬間

ここからは仕事を辞めたいと感じる5つの瞬間を取り上げていきます。自分に当てはまる状況や違った部分を考えながら、自分がなぜ仕事を辞めたいと考えているのかを整理していきましょう。

仕事を辞めたいと感じた瞬間を整理することによって、消去法的に希望する働き方や条件などが浮き彫りになることがあります。仕事に対する価値観を固めるためにも、辞めたいと思った瞬間を整理しておいてくださいね。

①周囲のモチベーションが低いと感じたとき

働くうえで上司や先輩、同僚などはとても大切な存在です。仕事のやり方を学べるだけではなく、切磋琢磨したり、困ったときに励ましあえたりすることで、大変な仕事も乗り越えていくことができます。

そんな大切な存在である周囲の人たちのモチベーションが低いと感じると、仕事をしている意義を感じられなくなってしまったり、一丸となって同じ課題解決に向かいたいとは思えなかったりして、仕事を辞めたいと感じてしまうことがあります

仕事に対する自分自身の意識の高さがあだとなり、仕事をすぐ辞めたいと思ってしまうのです。

周囲の人たちのレベルが低いと感じることがあります……。企業に自分が合っていないのでしょうか?

永田 修也

プロフィール

周囲の考えを決めつけずに話を聞こうとする姿勢が重要

自分だけが情熱を持って仕事をしているように感じ、周囲がついてきていないと感じる場合、自分はこの職場に合っていないのかもしれないと感じることもあるでしょう。

しかし、本当にそうなのでしょうか? もしかしたら、そのように見える人も、何か仕事に対する熱い気持ちを持っているかもしれません。大切なのは「決めつけない」ことです。

自分がそう感じているだけの場合があり、真実は異なっているかもしれないので、きちんと話を聞いてみたりして受け入れる姿勢を取ったうえで、判断することが大事ではないでしょうか。

②仕事の目標を見失ってしまったとき

就職するにあたって、挑戦したい仕事や理想とする働き方を描いてきた人も多いと思います。ただ、実際に働いてみるとなかなかその目標を叶えられず、仕事の意義を見失ってしまう人もいるでしょう

たとえば、希望する部署へ異動するためには数年の時間がかかったり、挑戦したいと考えていた事業が業績の悪化で撤退になったりすることもあります。そうするとキャリアビジョンが見通せない状況になり、仕事を辞めたいと考えてしまうのです。

仕事の目標を見失ってしまうと、やりたいことがわからない状態に陥ることがあります。こちらの記事を参考に、隠れた本心を見つける考え方や行動を取り入れてみましょう。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動

仕事の目標を見失ってしまったことにより、仕事への興味をなくしてしまった人はこちらのQ&Aを参考にしてみましょう。キャリアアドバイザーが解決方法を伝授しています。

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③社風が合っていないと感じたとき

社風とはその会社の文化や働く人たちの雰囲気のことを指します。たとえば挑戦を推奨する文化があったり、立場に関係なくフラットな交流を心掛けている人が多いなど、会社によってバラバラです。

そのため、社風が自分に合っていないと感じる場合もあります。縁の下の力持ちのタイプにもかかわらず積極的な挑戦を求められたり、上下関係が厳しい部活動をしてきたことからフラットな人間関係に居心地の悪さを感じたりする人もいるのです

④仕事内容と給与が見合っていないと思ったとき

仕事の対価である給与は仕事のやる気ややりがいに直結します。そのため、自分が一生懸命に働いたにもかかわらず給与が見合っていないと感じると、仕事を辞めたいと感じる原因になります。

特に入社してすぐの頃は、税金などの仕組みをよく理解しておらず、思っていた金額よりも少ない金額しか給与をもらえていないと感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。

入社前に考えていた金額よりも少ない状況が続くと、仕事へのモチベーションが下がってしまうこともあるのです

仕事内容に対して給与が見合っていないと感じるときは、もしかしたらやりがい搾取の構造になっているかもしれません。こちらの記事を参考にやりがい搾取に遭わないための対策を知っておきましょう。
やりがいで働き方が変わる! 見つけ方を3ステップで解説

桒田 里絵

プロフィール

新人は実力が未知数なので初任給を抑える企業もあります。今後上がる可能性があるか、そのためにどうすべきかを知ることが重要です。上司や先輩に相談してみましょう。

このまま続けても昇給の可能性が無いようなら転職を考えても良いのではないかと考えます。

⑤働き方が合っていないと感じたとき

働く時間や休日日数は企業によって大きく異なります。そのため、休日が不規則だったり、労働時間が長く残業が多いことなどが続くと、働き方が自分に合っていないと感じてしまう場合があるのです

たとえば、シフト制の企業で働くと、土日や深夜に出勤する場合があります。土日休みの友人と予定が合わずに遊びに行けなかったり、慣れない深夜勤務で疲労が溜まって仕事への不満が募ってしまうことがあるのです。

つまり働き方が合わないと、仕事をすぐに辞めることの原因となってしまいます。

自分が理想とする働き方を実現し、自分らしく生きていきたいと感じている人もいるのではないでしょうか。こちらの記事を参考に、自分らしく生きるコツを体得していきましょう。
自分らしく生きるためには? すぐできる11個のコツとやめるべきこと

仕事を辞めるかを冷静に判断するための7ステップ

仕事を辞めるかを冷静に判断するための7ステップ

仕事をすぐに辞めるかに悩んだときは、現状をできる限り冷静に分析して判断するようにしましょう。冷静な判断ができると、どんな判断をしたとしても納得感が生まれ、日々の仕事に不満や悩みを抱えることが少なくなっていきます。

ここからは仕事を辞めるかを冷静に判断するための7ステップを解説します。一つずつのステップを納得いくまで実践し、進路を決めるための土台としてくださいね。

ステップ①辞めたい理由を書き出してみる

仕事を辞めたいと思っている理由を書き出してみると、今の悩みを客観的に考えられるようになります。まずは思い付くものを書き出してみて、悩みを見える形にしてみましょう

書き出すときは、要因を自分と環境の2つの局面に分けてみましょう。それによって、自分で解決できる問題と周りの協力がないと解決できない問題のどちらなのかに気付くことができ、今後取った方が良い対策や適切な相談先を考える手助けになります。

辞めたいと思った理由を書き出す例

  • 自分
    ○○という仕事ができなかったので、ほかの仕事へのやる気が起きない
    周囲の人とうまくコミュニケーションが取れない
  • 環境
    入社してすぐ○○という仕事ができると思っていたが携われなかった
    残業が多い
    労働時間が長いのに給与が少ない

もしかしたら、書き出してみると理由が一つだけだったという可能性もあります。その場合でもまずは書き出すことで頭が整理されるので、無理に何個もひねり出す必要はありません。

辞めたい理由が「つらい」「しんどい」ということしかわかりません。どのように考えていけば良いでしょうか?

秋田 拓也

プロフィール

つらさを感じる場面から振り返りを深めていこう

つらさやしんどさを感じている原因をしっかりと知ることが大切です。そのため、まずはどういう時に「つらい」「しんどい」と感じるのか思い出してみましょう。

つらい場面が思い出せたら、「どういう状況になれば改善されるのか」という視点で考えを深めてみてください。

それらを考えていくと、「性格に合っていない」「仕事内容に興味がない」「思うように仕事ができない」など、自分の価値観と現実がミスマッチを起こしている可能性が考えられます。

次に「解決できそうなのか」「できそうにないのか」を検討してくことで、辞める理由付けができてくると思います。

ただ「つらい」「しんどい」という気持ちだけが先行してしまうと、本来の辞めたい理由に気づけなくなるので注意が必要です。

ステップ②周囲の人や会社に相談する

仕事を辞めたい理由を書き出して整理できたら、周りに相談してみましょう。談先は気の置けない友人などでも構いませんが、より効果的なアドバイスや助言をもらうためには、会社の上司や先輩、会社が設けている相談窓口にしてみるのがおすすめです

たとえば先輩に相談することによって、同じ悩みを抱えていた経験を参考にできたり、仕事のほかの場面でも相談がしやすくなったりして、解決に向かうことがあります。また、解決はしなくても同じ状況に共感してくれるだけで気持ちが軽くなることもあるのです。

仕事で頼りやすい人に相談をしてみて、相手からの助言やアドバイスをもらってみましょう。

桒田 里絵

プロフィール

第三者に話すことで、客観的に自分の思いを整理することができ、答えを導き出せることもあります。たとえば、ハローワークにはキャリアコンサルタント資格を持つ担当者がいて無料で相談できます。若者専門の窓口を設けているところもありますよ。

ステップ③自己分析を徹底する

マインドマップの作成例

辞めたい理由を書き出したり相談したりして現状を整理できた後は、今の自分を自己分析してみましょう。働き始めたことで、学生の頃にはわからなかった価値観に気付けたり、強みや弱みが明確になったりすることもあるためです

おすすめの自己分析はマインドマップです。得意なことや苦手なこと、将来やりたいことなどを考えながら自己分析を進めていきましょう。

また、就職して新しい環境で働き始めたことによって、自分の強みや性格を意識できていないことも予想されます。その場合には他己分析も取り入れて、多角的に自分を見つめ直すことが重要です。

徹底した自己分析の方法を知りたいときは、新卒向けですがこちらの記事を参考に内定につながる方法を実践していきましょう。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

マインドマップを使った自己分析を極めたいと考えた人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説

他己分析で働き始めてからの変化を周囲の人に聞き、仕事をすぐ辞めることが自分にとって良いことなのかどうかを判断していきましょう。新卒向けの記事ですがこちらを参考にしてみてくださいね。
他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説

ステップ④キャリアビジョンを考える

自己分析ができたら、次はキャリアビジョンを考えていきましょう。キャリアビジョンを描くことで、自分が目指す将来像を定めることができます。その将来像から逆算して今やっておいた方が良いことを整理していきましょう。

キャリアビジョン

仕事や働き方だけではなく、私生活やライフイベントも含めた自分が理想とする将来像

キャリアビジョンを考える際は、年表に書き出してみるのがおすすめです。自分の考えを整理しやすく、一貫性を持った内容にすることができます。

もしキャリアビジョンを想像しづらい場合は、年表を5~10年ごとに区切ったり、年齢で区切ったりしてみると考えやすくなりますよ。

ステップ⑤求人情報と今の仕事を比べてみる

仕事をすぐ辞めるかどうかを冷静に判断するために、ほかの仕事と比較することも有効です。一度転職サイトに登録したり、ハローワークの求人情報検索を使ってみたりして、求人情報と今の仕事を比べてみましょう。

たとえば、給与が少ないと感じていた場合、給与が高い仕事の求人を見てみると休日の日数が少なかったり、希望しない勤務地だったりと、総合的に考えると現状の仕事が最適だと気付くこともあるのです。

また、求人情報を調べることによって、自分が求める理想の条件が市場と合っていなかったり、転職には実務経験や資格が必要だとわかるときもあります。ほかの仕事と比較し、今の仕事の良いところと悪いところを見つめて、冷静に転職を判断しましょう

仕事を検索するうえでおすすめのサイト3選

永田 修也

プロフィール

辞めたい気持ちが勝っている場合、自分に都合が良いように認知バイアスがかかり、非合理な判断をしてしまう場合があります。

そのような事態を避けるため、各項目ごとに逐一「現在の仕事の求人情報と比較」して検討することがおすすめです。

求人情報を探す中で、第二新卒とはいつまでを指すのか疑問に思った人もいるのではないでしょうか。こちらの記事を参考に第二新卒の定義を知り、ベストな転職時期を確認しておきましょう。
第二新卒に該当するのはいつまで? ベストな転職時期を見極める方法

第二新卒の転職を検討する際、新卒では叶わなかった大手企業を目指したいと考える人もいるでしょう。こちらの記事を参考に大手企業から内定をもらうための必勝法を知っておきましょう。
第二新卒で大手を狙う必勝法! 採用実績のある企業100選も紹介

そもそも転職の仕方がわからないと感じている人は、こちらのQ&Aでキャリアアドバイザーがアドバイスしている方法を試してみましょう。

ステップ⑥仕事で小さな目標を決めて実践する

求人情報と今の仕事を比べて、まだ挑戦できていない仕事やもう少し頑張りたいと思えることに気づいた人もいるのではないでしょうか。どんな些細なことでも構わないので、仕事をする意義を見い出せそうな目標を決め、それに向かって働いてみましょう。

たとえば、入社してすぐ希望の部署にいけないのであれば、希望の部署にいくまでのキャリアパスを先輩に聞き、それに向けてどんな目標をクリアしていけば良いかを考えてみましょう。

また、職場の人とのコミュニケーションがうまくいかないのであれば、まずは挨拶から始めてみるなどの些細なことでも大丈夫です。

仕事で小さな目標を決めて実践する例

  • 入社してすぐ○○という仕事ができると思ったができなかった
    ①先輩にキャリアパスを聞いてみる
    ②キャリアパスに必要な△△という資格を取得する
    ③○○という部署で働く先輩に仕事内容についての話を聞いてみる
  • 周囲の人とうまくコミュニケーションが取れない
    ①挨拶をしてみる
    ②同期を誘ってランチ会をしてみる
    ③教育係の先輩に相談してみる

目標を持たずに働くと、仕事をしていることが無意味に感じたり、職場で孤立感を感じたりしてしまいます。小さな目標を持って、仕事を辞めたいと感じる理由が解決できないかを考えてみましょう

仕事を辞めるかもしれないと考えると、目標がなかなか決まりません。どのような目標にしたら良いですか?

桒田 里絵

プロフィール

できるとうれしいことを目標にしてみよう

自分にとって「できるとうれしいこと」は何か考えてみましょう。たとえば、苦手なことを少し克服できたと思えることや、憧れの先輩に認めてもらえること、数字に現れることなどです。

どんな結果が嬉しいかを先に考えて小さな目標を決め、それを一週間程度の短い期間内にクリアすることだけを意識してみるのです。

人の不安のほとんどは、起こらないことに向けられているといいます。「~したらどうしよう、~できるわけない!」と不安になると、「仕事辞めた方が良いかな」と後ろ向きになりがちです。

小さな目標をクリアし、「よしできた!」と成功体験を積むことが自信につながり、いつしか仕事の質も上がります。評価もついてくれば仕事が面白くなっていくでしょう。

ステップ⑦有給休暇や休職で仕事から離れる

仕事をつらく感じたり、その企業で働くことに疑問を持ったときは、有給休暇や休職などの制度を使って仕事から離れることも一つの方法です。仕事からしばらく離れることで、自分の考え方が整理できたり、辞めたいという気持ちが切り替わったりすることがあります

有給休暇は労働基準法により、入社して6カ月以上経過した場合に10日が付与されることになっています。企業によっては福利厚生で有給休暇以外にも使える休暇を付与している場合があるので、会社に確認してみましょう。

また休職は企業によって制度の有無に違いがあります。公務員は休職によって給与が出る場合もあるので、就業規則などを確認してみてくださいね。

休職で今の仕事を離れることを選んだ後、その期間に転職活動をしようと考えている人もいるのではないでしょうか。休職期間中の転職活動にはリスクもあるため、こちらの記事でしっかりと確認しておきましょう。
休職中に転職活動をしたいなら? リスクや注意点を徹底解説

仕事をすぐ辞めるときの3つの注意点

仕事をすぐ辞めるときの3つの注意点

  • 失業保険をもらえない場合がある
  • 転職がしづらくなる可能性がある
  • スキルを得る機会をなくすことになる

仕事をすぐに辞めるとしても、辞める際のリスクを知らないまま辞めることを決めてしまうと後悔につながってしまうことがあります。ここでは3つの注意点を解説するので確認していきましょう。

以下の3点は、いずれも生活やキャリアに直結することばかりです。辞めてしまってから後悔しても取り返しのつかない場合が多いので、この注意点を理解したうえで転職活動をスタートしてくださいね。

仕事をすぐ辞めることを決めた人の中には、転職理由をなんと伝えるべきか悩んでいる人もいるはずです。こちらの記事を参考に面接官に納得感を持ってもらうためのコツをつかんでおきましょう。
転職理由の10例文|面接官を納得させて好印象を掴む伝え方を解説

①失業保険をもらえない場合がある

失業保険とは、会社を辞めてから次の就職先を見つけるまでの間、これまでの収入などを加味して国から支給される保険料のことです。ただし、保険料を受給するためには一定の条件があり、誰でも受け取れるわけではありません。

厚生労働省のQ&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~によると、受給するためには原則、1年以上働いた経験があることが条件となっています。そのため、働き始めてすぐ辞めると受給できない場合があるので覚えておきましょう

転職先を決めないで仕事を辞める場合、どのくらいの費用を準備しておけば良いでしょうか?

永田 修也

プロフィール

給与3カ月以上分の費用を用意しておこう

人にもよりますが、すぐに転職先が見つからない場合を考慮して最低でも「給与3ヵ月以上分」の蓄えをしておくことが無難でしょう。

失業保険も認定されるまでには多少時間がかかり、ケースによってはもらえない場合もあります。転職活動中の生活費として50〜80万程度のお金を用意しておくと安心だと思います。

ただ、3ヵ月じっくり時間をかけて「まだ時間があるからのんびり考えればいいや」と思っていると、3ヵ月というのはあっという間に過ぎていきます。

転職先はすぐに決めるという強い気持ちで、少し危機感を持ちながら転職活動していく方が良いです。

②転職がしづらくなる可能性がある

仕事をすぐ辞めると、企業によっては転職しづらくなることがあります。特に試用期間に辞めてしまうと転職活動に影響する可能性が高いです。

試用期間中に退職をしてしまうと、転職を希望する企業の担当者から「入社してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」と考えられてしまいます。企業は長期にわたって自社で活躍する人材を探しているため、転職で不利になってしまうことがあるのです。

仕事をすぐ辞めることを検討している人も、もし試用期間中のなのであれば、退職のタイミングをできる限り調整しましょう。

もしも試用期間で辞めてしまう場合、転職理由はどのように伝えれば良いですか?

秋田 拓也

プロフィール

仕事とのミスマッチを早期に発見できたと伝えよう

試用期間というのは、会社と従業員の双方にとって有益に設定された期間と認識するのが正規な考え方です。仕事のミスマッチを早期に発見するためでもあります。

試用期間で辞めてしまうことを「ポジティブ」に捉えるか「ネガティブ」に捉えるかによって転職理由の意味も異なるのです。

「ポジティブ」に捉えるならば、自分に合った仕事かどうかを早期に判断したことになり、入社後の活躍がイメージできないことや実際の業務内容が違ったことを転職理由として伝えることで理解が得られるでしょう。

「ネガティブ」に捉えてしまうと、仕事を覚える前に「投げ出してしまった」「忍耐力がない」など自己肯定感を下げてしまうので注意が必要です。

③スキルを得る機会をなくすことになる 

仕事をすぐ辞めると、その企業に勤めることで得られるはずだったスキルや経験を得られる機会をなくすことになります。別の業界や業種に転職してしまうと、その機会は今後得られない可能性もあるため、その価値を慎重に判断する必要があります。

たとえば、倍率の高い出版社に就職したもののすぐに辞めてしまった場合、その業界に戻ることは難しく、書籍の編集スキルや人気漫画の版権管理などの仕事には携われなくなってしまうかもしれません。

仕事を辞めて転職することは、今あるチャンスや機会を逃すという側面もあるという点は理解しておきましょう

仕事をすぐ辞めるのは甘えじゃない! 冷静な現状分析でキャリアを拓こう

仕事をすぐ辞めると「甘え」という人がいますが、そんなことはありません。あなたが自分らしく働こうと考えていることは決して甘えではなく、成長を目指している証です。

ただ、「なんとなく」仕事をすぐ辞めてしまうのは控えてください。なぜなら仕事を辞めるメリット、デメリットを熟知し、自分にしっかりと向き合って新しい仕事を選ぶことで、もっといきいきと働けるようになるからです。

また仕事を辞めないという選択をしてもかまいません。仕事をやめようか迷うという体験をしたことで、今の仕事を客観的に判断し、働く意義を再確認することができているはずです。その経験を十分に活かしましょう。

いずれにしても仕事をすぐ辞めるという考えを持ったことに向き合い、冷静に現状を分析することでキャリアを拓くことができます。この記事をうまく使いながら、自分に合ったキャリアを見つけてくださいね。

アドバイザーコメント

入社した理由を一度思い返してみよう

仕事をすぐ辞めることを考え始めたとき、今一度「この会社に入った思い」を思い返してほしいです。

入社して「思っていた会社と違った」「上司がきつい人で続けられない」「業務がきつ過ぎる」など、働いたからこそわかる自分に合わない部分が見えることもあります。これはとても貴重なことで、否定をするつもりはありません。

しかし、この嫌になった会社を「なんとしても入社したい」という気持ちで門を叩いたはずです。絶対に入りたくなくて面接を受ける人はいませんよね。

だからこそ、辞めたいと思った時には「なぜ最初の気持ち(情熱)がなくなってしまったのか」と自分の気持ちをしっかりと観察することが大切です。

振り返りをきちんとおこなうことは自分を成長させるチャンスになる

辞めるにしても続けるにしても、入社当初の気持ちを振り返ることは、次のステージへ自分を成長させることにつながります。そして、これを乗り越えた先に新しい景色が待っていたりするのです。

このような”転機”を逆にチャンスと捉えることができれば、この先どんな困難に遭遇しても柔軟な考えで進んでいくことができるでしょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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