この記事のまとめ
- 職場の人間関係のトラブルは公私に悪影響がある
- 職場の人間関係によるストレスは5つの糸口から解消しよう
- 事前に職場の人間関係の悪化を予防するためのアイデアも紹介
職場の人間関係の悩みは誰しもが一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。プライベートであれば相性の良い人との付き合いだけを続けることも可能ですが、仕事となるとそうはいきません。
とはいえ、職場の人間関係に悩んでいる場合は、業務はおろか出勤すら憂うつに感じるかもしれません。ネガティブな気持ちは日ごとに心身を疲弊させるため、健康のためにも原因を払拭するべきです。
この記事では、キャリアアドバイザーの秋田さん、木原さん、野村さんとともに、職場の人間関係を改善する方法や、ストレスを感じないための予防策を解説します。職場への足取りが重いと感じる社会人の皆さんはぜひ参考にしてください。
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職場の人間関係の悩みは適切な心構えと関係の築き方で対処できる
職場の人間関係トラブルにはさまざまなケースがあるものの、ストレスで疲れている状態では「現状を分析して原因を特定したら、それに応じた対策を……」と考えるのもなかなか困難です。
そこでこの記事では、職場の人間関係で起こりやすいトラブルの例を示したのち、状況改善のための5つの対処法を解説します。具体例を参考にすることで、あなたが現在置かれている環境を客観的に把握でき、あなたにとって取りかかりやすい対処を探しやすくなります。
人間同士の衝突のダメージを左右するのは、心構えと関係の築き方のアップデートです。トラブルの原因があなたにない場合でも、悩みや疲れを最小限にするための対策は重要になります。また、職場の人間関係を円滑にできる言動を改めて整理することで、今後のトラブルを予防・回避することにもつながります。
職場の人間関係トラブルから解放されるための行動を少しずつ積み重ね、活き活きとした社会人生活を送りましょう。
人間関係の悩みから、仕事中もモヤモヤしてしまう人もいるでしょう。以下の記事で対処法や良い人間関係を築くためのポイントを紹介しているので、参考にしてみてください。
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これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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一人で悩まないで! 職場の人間関係トラブルは多い
平成29年に労働政策研究・研修機構が発表した若年者の離職状況と離職後のキャリア形成の調査結果では、初めての正社員勤務先を離職した理由として、アンケート回答者の約25%が「人間関係が良くなかった」ことを挙げています。
また2022年のエン転職による「本当の退職理由」実態調査では離職理由に「職場の人間関係が悪い」ことを挙げた人は全体の35%と、最多になっています。
これほど職場の人間関係に悩む人が多いとなると、もはやどんな職場にも人間関係のトラブルは存在すると考えられます。そのため、現在この悩みを抱えている人も過度に自分を責めることはせず、これまでつらい環境下で頑張ってきた自分を褒めてあげてください。そして、心身の回復へ力を入れていきましょう。
今の状況が一生続くことはありません。自分が異動することも、相手が異動することも考えられます。ある意味、自分自身の成長にもつながる貴重な経験でもあります。
メンタル不全を起こすまで我慢する必要はありませんし、道は一つではないですよ。
職場の人間関係のストレスは放置すると危険! 公私へのさまざまな影響

職場の人間関係にストレスを感じ続けていると、心身が疲労して、業務やプライベートにも悪い影響が出るかもしれません。そのため、心身の回復、つまりストレスの解消は急務になります。疲れている状態では腰が重いと感じるかもしれませんが、ストレスが蓄積され続けるといずれ回復が困難な状態に陥ってしまったり、社内でも不利益をこうむったりする可能性があります。
職場のトラブルはただでさえ現状をつらくしているにもかかわらず、公私へも悪影響を及ぼすとなるとますます悩んでしまいますよね。まずは職場の人間関係に起因するストレスを溜め続けることのデメリットを追っていき、回復の重要性を確認しましょう。
①職場に行くたびに精神的な負担がかかる
出勤すれば当然職場の人たちと顔を合わせることになります。業務内容によっては勤務時間の大半を職場で過ごすこともあるでしょう。そうでなくとも業務上のかかわりは避けられません。出勤のたびにストレスが蓄積され続ける環境では、精神的負担は避けられません。
たとえ業務内容に不満がなくとも、職場にストレスを感じ続けていると、やがて出勤そのものが憂うつに感じられるかもしれません。朝起きた瞬間から「今日は出勤しないといけないのか」とネガティブな気持ちを抱えるようになると、精神面への負担はさらに増していきます。
- 嫌な人がいるから会社に行きたくないというのは甘えですか?
最も大切なのは自分の心身の健康と幸福
会社に行きたくないと感じるのは決して甘えではありません。職場で嫌な人と接することは、心身に大きな負担をかけます。まず、自分の気持ちを大切にし、無理をしないことが大切です。
相性が悪い人や嫌がらせをする人がいる場合、以下の対処法を試してみてください。
①距離を置く:できる限りその人との接触を減らすよう工夫しましょう。
②記録を残す:嫌がらせを受けた場合、その内容を具体的にメモしておくことで後々証拠になります。
③相談する:上司や人事部に相談し、サポートを受けることが大切です。
最終的には、自分の健康と幸せが最も大切です。無理をせず、適切な対応を取りましょう。
職場に行きたくないと感じる人は、その選択が今のあなたにとって適切なのかを考え、後悔しない行動を取りましょう。以下の記事が参考になるので、ぜひ最後まで目を通してください。
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②精神の疲労が日々のコンディションに響く
精神の負担はやがて肉体にも影響します。精神的な疲労が体力まで削ることでいっそう疲れやすくなり、睡眠の質も低下します。長く眠ることで質をまかなおうとすると自由に使える時間が減るため、趣味などで活力を取り戻すことも難しくなります。強引に気分転換を図るとかえって疲れが増しかねません。
精神的な負担が身体のコンディションや生活の質にまで響くことで、思考もだんだんとネガティブになっていく恐れがあります。上司の何気ない一言や、業務上での小さなすれ違いなど、それまで気にしなかった些細なことを過度に否定的にとらえてしまい、ストレス源が増えていく可能性があります。
③仕事のパフォーマンスが低下する
心身が疲弊した状態で、さらにそのストレスの大本が仕事にまつわるものとなると、業務へのモチベーションを維持することは非常に困難です。加えて、疲労にともなって集中力や思考力が本来より低下することも考えられます。たとえば、すぐ近くに苦手な上司がいることで一日中緊張してしまい、精神が疲弊したり気が散漫になったりといった場面が想定できます。
また、周囲に相談できる相手がいないために仕事における成果物のクオリティが下がったり、一つひとつの業務に通常以上の時間がかかったりすると、業務上のトラブルや残業時間の増加につながります。それらは仕事のパフォーマンスをますます低下させ、人によっては自己肯定感にも悪影響を及ぼすでしょう。
職場でのストレスによって仕事そのものに対して「怖い」「つらい」といった気持ちを抱えてしまっている人へはこちらの記事もおすすめです。ストレスを緩和するための対処法を紹介しています。
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仕事へのモチベーションが下がったままでは、仕事から逃げてしまいたいと思うときもありますよね。その逃げたいという気持ちは甘えではないですよ。詳しく次の記事で紹介しているので、併せて読んでみてくださいね。
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④自身の社内評価が下がりキャリアや給与にも影響が出る
仕事へのモチベーションが低く、成果も芳しくないままでは、社内での評価を上げることはできません。人事考課の結果が良くないと、評価者の上司によりネガティブな気持ちを抱いてしまったり、職場での居心地がいっそう悪く感じられてしまったりする可能性があります。
さらに、評価次第では今後のキャリアの選択肢が狭まったり、収入が下がったりすることもありえます。特に金銭的な制約は生活の質を下げるだけでなく、将来に対する漠然とした不安を感じさせます。仕事と私生活の両面で選択の自由が減った結果、精神的な余裕がなくなり、職場における諸トラブルを招きやすくなります。
ただでさえ緊張している環境でトラブルを発生させてしまえば、職場での肩身は狭くなります。この連鎖に入るとストレスは雪だるま式に大きくなっていき、やがてはうつ病や適応障害などの病を引き起こす恐れもあります。
職場の人間関係からくるストレスを長期間放置すると、健康を害し、仕事やプライベートに深刻な影響を及ぼすことがあります。
私がこれまで接したなかに、ストレスによる体調不良が原因で長期休職を余儀なくされた人もいました。復職後も適応するのに苦労し、結局退職に至りました。
このような事例からも、ストレスを感じた際には早期に対処することが重要だとわかります。
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既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
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なぜ職場の人間関係が悪くなる? よくある6つの例から原因を探そう
なぜ職場の人間関係が悪くなる? よくある6つの例から原因を探そう
前章の解説の通り、心身の回復を図って負の連鎖に入るのを予防することはきわめて重要です。とはいえ「そもそもどうして自分がこんなに悩まないといけないのか?」と疑問に感じる人もいるでしょう。あるいは「自分が何に悩んでいるのかをハッキリさせないとリフレッシュに踏み切れない」といった場合もあるかもしれません。
ここからは職場の人間関係を悪化させる原因を、ケースごとに6つ紹介します。あなたの置かれている環境はどのケースに最も近いでしょうか。またはいくつかの原因が重なっている可能性もあります。具体例を参考に、状況を整理していきましょう。
人間関係に限らず、仕事がうまくいかないと悩んでいる人はこちらの記事をぜひ参考にしてください。自身の悩みの原因を突き止め、穏やかに仕事に臨むためのコツを紹介しています。
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①自分が職場になじめていないと感じる
もしあなたが「上司や先輩に相談がしづらい」「職場で自分が浮いている気がする」と感じている場合、職場全体でのコミュニケーション量が不足していると考えられます。気軽に相談を持ちかけても良い、自分の話を丁寧に聞いてくれると思えるだけの心理的安全性を職場が確保できていないのです。
心理的安全性とは
自分の意見や気持ちを率直に発信しても、拒絶されたり、辱しめられたりすることがないという安心感がある状態。アメリカの心理学者カール・ロジャースが提唱した考え方で、特に組織・チームに対して用いる
コミュニケーションの形式が障壁になっている可能性もあります。外出やリモートワークによって顔を合わせるタイミングがそもそも少ない、コミュニケーションがテキスト上で完結しているといった場合には、会話や相談をするチャンスがなかなかないといった課題が見えてきます。
いずれのケースでも、あなたの疎外感の原因はコミュニケーション量や情報共有の不足にあります。
- 自分と違い、同期は周りの人とうまく関係を築いています。自分のコミュニケーションスキルに問題があるのでしょうか?
コミュニケーションが得意な人のやり方をまねてみよう
コミュニケーションがうまい同期をよく観察してみてください。どのようなコミュニケーションを取っていますか。自分にもできそうな方法があれば実践してみましょう。
うまくできそうでないのは、自分が得意ではない方法だからです。無理に真似をする必要はありません。
同期と自分を比べてしまうと自己卑下につながります。一般的には、人間関係構築は話しやすさが大きく影響すると考えられますが、諦めるのはまだ早いです。
相手を思って発言すること、頼まれたことに対して誠意をもって行動することで、信頼関係は醸成されていきます。
あなたは少しだけコミュニケーションを取るのが苦手というだけです。ただし、職場の雰囲気や環境面に原因がある場合は、担当部署を交えないと改善は難しいでしょう。
②職場の特定の人と相性が悪いと感じる
「ほかの人とは関係を構築できているのに、この人とだけはうまく話ができない」など、特定の相手にのみ苦手意識を感じている場合は、相手とあなたの価値観が大きく乖離しているか、どちらかのコミュニケーションの取り方に問題があると考えられます。
あなたが苦手だと感じる人が同じ職場の複数人からも苦手意識を持たれているのであれば、相手のコミュニケーションスキルに課題があるのかもしれません。
あなたも相手もほかの人とは問題なく関係を構築できているならば、単にその人が人見知りで人と打ち解けるのに時間を要するタイプだったり、小さなきっかけで1人が相手への苦手意識を持ってしまっていたり、2人の価値観にズレがあったりと、2人の間ですれ違いが起きていることが原因だと考えられます。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
③業務の性質的に人間関係が構築しづらい
個人成績が重視されやすい営業系の仕事や、エンジニアやコンサルタントをはじめとする、周囲との接点が持ちにくい常駐型の仕事など、そもそもの業務の性質上、職場での円滑な人間関係を築くことが難しい場合もあります。
同じ職場内で競い合う雰囲気があると、有益な情報を共有しようという気持ちが生じにくく、コミュニケーションの量や質が低下する恐れがあります。また、個人成績の追求に忙しくほかの人に時間を割けないことも考えられます。
ドライバーのようにほとんどの仕事が1人で完結してしまう場合、または先に挙げたエンジニアやコンサルタントのように客先常駐型で周囲の人と属性がまったく異なる場合に至っては、関係を構築する対象となる相手が近くにいません。そのため、孤独感に苛まれたり、1人で仕事をやりきらなくてはと重圧を感じてしまったりといった恐れがあります。
組織風土にもよりますが、人間関係のトラブルが起きやすい職種や業種には、いくつか共通する特徴があります。
たとえば、医療・介護、金融業界などは、高いプレッシャーや緊張感をともなう業務が多いため、過度のストレスが原因となって人間関係の摩擦が生じやすいです。
また、成果主義が強調される営業職は、同僚との競争が激しくなり、協力関係が築きにくい場合があります。
④トップダウンによって職場が常に緊張している
組織運営のタイプは「トップダウン」と「ボトムアップ」の2つに大分されます。
トップダウンとボトムアップの違い
- トップダウン:経営を担うトップが会社運営の主体となる、上意伝達型の意思決定手法
- ボトムアップ:現場を担う従業員の意見が会社運営に強く反映される、下意伝達型の意思決定手法
トップダウンは意思決定がスピーディな反面、現場の実情や顧客ニーズを適切に汲み取れていない指示を現場に出す可能性があります。「すでに需要が縮小している商品の売り込みを強化するよう指示された」「人員をフル稼働させているのにただただ能率アップを指示された」などです。
トップが実情と合っていない指示を出してしまった時、トップダウンの組織では現場が意見を言うのが難しくそのまま指示に従ってしまう可能性があります。そしてこういった組織では、上長もトップと現場の間に入って状況を整備できるほどのパワーを持ちにくいです。
無理な指示によって圧迫された結果、現場では建設的なコミュニケーションを取る余裕がなくなり、人間関係にも悪影響を及ぼすかもしれません。トップダウンのすべてが悪いわけではありませんが、トップと現場のギャップが激しい場合には、このような状況に陥るリスクがあります。
すでに上層部や上司への不満が溜まっている人は以下の記事も参考にしてください。上司・部下の関係だからと我慢を続けるのは身体に毒なので、上手な付き合い方を探しましょう。
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⑤上長が職場を管理しきれていない
たとえば飲食店には店長のうえにエリアマネージャーがいて、担当エリアの全店舗が適切に運営されているかをチェックする役割を担っています。複数の店舗を監督しているので、一店舗に割ける時間や労力に限りがあるのです。
このように、一人の上長があまりに大勢の部下を抱えていたり、部下の所在が広範囲に散らばっていたりと、上長が部下一人ひとりの状況を把握できていない場合、現場の暴走や不適切な運営を見逃す恐れがあります。つまり、現場が混乱し適正な運営がおこなわれない原因は、上長がキャパシティーを超えた業務量を負っていることにあります。
上長がパンク状態の時、まず上長による不明確な指示、誤解、ミスが生じやすくなります。そして、上長が部下を管理できていないと、部下間のコミュニケーション不足や、個々の業務負担の増大も起きやすくなります。
実際、これまでに部下同士の衝突や離職に悩む、上長ポジションの人からも多くの相談を受けました。上長のキャパオーバーは、職場全体の士気を下げるため、生産性にも悪影響です。
⑥特定の人が職場になじめていない
職場の特定の人が周囲との関係を適切に構築できていない状況を目の当たりにすることで、あなたがストレスを感じることもあります。例を挙げれば、自分以外の人が職場内で公然とハラスメントを受けていて、それを見聞きした周囲の人も強いストレスやプレッシャーを感じるといった状況です。
ハラスメントに該当するまででなくとも、職場で良好な関係を構築できていない人を見ているとその立場に強く共感してつらくなってしまったり、その人を手助けできないことに自責の念を感じてしまったりといったことは十分想定できます。自分と直接的なかかわりのないトラブルもストレスの原因になる可能性があるのです。
この場合、当人やその上長が状況改善のために動き出さなくては問題がなかなか解決されないため、そのほかの状況よりもストレスの原因を取り除くのは難しいかもしれません。
実際に多くの職場の人間関係を悪くする原因は? 現場を知るプロが解説
前章にて、6つの原因に応じた職場の人間関係トラブルの具体例を紹介しました。いずれも起こりやすいトラブルですが、専門家が相談を受ける職場の人間関係トラブルで最も多い原因は一体どれなのでしょうか。
今回は、産業カウンセラーとして幅広い業界・業種の人々の悩みを解決に導いてきた秋田さんにお話を聞いてみました。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る社内のパワーバランスの偏りは職場の人間関係を悪化させる
社風や年功序列、実力成果主義の会社では、人と同じ行動を取る「同調」と外部の「圧力」を組み合わせた「同調圧力」が強く作用しているケースがあります。「あの人には逆らえない」「意見が言えない」などです。
よくあるケースが、会社の売り上げを支えているトップセールスマンです。経営者ですら意見が言えない状況で、言いたい放題やりたい放題の状況になってしまいます。そうしたトップセールスマンは昇進して管理者になります。
成果を重視するあまり、部下に寄り添えない上司が多いのも事実です。こういった関係性はハラスメントを誘発する原因にもなります。
職場のトップが現場に与える影響はきわめて大きい
職場の人間関係が悪化してしまうことは、どこにでも起こり得ることです。それを修復させることができるかは、管理監督者の力量にかかっています。管理監督者の現場に対するかかわり方が重要なのです。
人間関係が悪化している現場の管理監督者は、業務は現場に任せていて把握していない、何か問題が発生しても根本的な原因がわからないので解決に至らない、といった状態であることが多いです。そういった職場では、働きやすい環境は実現できません。
現場の人は、問題に対して真摯に向き合ってくれる管理監督者がいることで救われるだけでなく、いろいろな問題を解決してもらえることで働きやすい環境の醸成も進みます。
職場の人間関係は、個人がコミュニケーション能力を持ち合わせていても解決できないケースもあるということです。
すでに「これ以上人とかかわりたくない」と感じるほどストレスを抱えている人は、こちらの記事にも目を通してみてください。人間関係にまつわるネガティブな気持ちへの対処法などを解説しています。
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働きたくない・人と関わりたくないといった悩みの原因や打開するためのアクションについてキャリアコンサルタントとともに解説していきます。このまま悩み続けたくない人におすすめの人と関わらない仕事も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
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もう職場の人間関係で悩まない! つらい状況を抜け出す5つの糸口
もう職場の人間関係で悩まない! つらい状況を抜け出す5つの糸口
これまで、職場の人間関係から受けるストレスがもたらす不利益と、実際にトラブルを生む原因について解説してきました。現在のあなたがどのような環境に置かれていて、一体何がその環境を作り出しているのかが見えてきたのではないでしょうか。
ここからは職場の人間関係を改善し、ストレスを軽減するための5つの糸口について解説します。手軽に着手できるものから、周囲を巻き込んで動くものまで紹介するので、あなたにとって取り組みやすいもの・取り組みたいと思うものから取り入れてください。
現在の苦しい状況を抜け出し、悩みから解消されるために、一歩ずつ行動していきましょう。
仕事のつらさや悩みを軽減するための対処はこちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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糸口①:心構えや言葉のとらえ方をアップデートする
「職場の人に何か言われているのではと気になってしまう」「ちょっとした指摘をいつまでも引きずってしまう」などと悩んでいる人は、職場にいる間のマインドをアップデートする必要があります。性格や癖を変えるのは大変ですが、時間がかかることを念頭に置いて気長に取り組みましょう。
まずは小さな成長や達成感を可視化することから始めることをおすすめします。社会人になりたての頃と現在を比べて成長した点をノートに書き出したり、アプリなどでToDoリストを作って一つのタスクを達成するたびにチェックボタンを押したりと、自分の実績を目に見える形で残すことが大切です。
職場でかけられる言葉がネガティブに聞こえる場合は、「ポジティブな言葉に変換する」「気にし過ぎない」の2パターンで対応しましょう。言い方にトゲがあろうとあなたの成長に役立つものであればポジティブな言い回しにしてメモを残し、成長や学びにつながらないものについてはなるべく気にしないよう心掛けることで、次第に考え方のくせが変わっていきます。
意識する、心掛ける、といったことはわかりやすいアクションではないので、自分自身でも忘れてしまうことがあるかもしれません。そのためメモやツールを活用してあなたの改善意識を可視化し、どれだけ努力したかを振り返ることができるようにするのがポイントです。
人にはそれぞれの価値観や背景があるため、合う人もいれば合わない人もいます。そもそも自分と相手は違うので、全員に好かれることは難しいです。
また、職場は仕事をする場所なので、全員と同じ距離感で仲良くする必要はないという心構えで臨むように私はしています。そのうえで、仕事が円滑に進むよう、相手を理解し、適切な距離感やかかわり方を見極めるように心掛けています。
糸口②:日々のコミュニケーションや関係性を見直す
「コミュニケーションの量や質が不足しているのかもしれない」と思い至った人は、少しずつ行動量を増やしていきましょう。あなたが先陣を切ることで、後に続く人がいるかもしれません。
取り組みやすいのは挨拶と表情です。挨拶は礼儀であり、丁寧におこなって怒られることは決してありません。なるべく多くの人に、正面から目を見て朗らかに、それまでより少しでも大きな声で「おはようございます」「お疲れ様です」と声をかけましょう。
挨拶や話しているときの雰囲気は、想像よりもはるかに強い印象を相手へもたらします。「話しかけやすそう」「礼儀正しい人だ」と思われれば、職場の人から話しかけられる頻度が増えたり丁寧な対応を返してもらえたりと、業務内外でのコミュニケーションの円滑化が見込めます。
また、苦手意識などから避けていた人がいた場合も、挨拶はおこないましょう。突然の変化に最初は相手も戸惑うかもしれませんが、形から入っていくことも有効な手段です。周囲から見れば「全員に礼儀正しくて良い人だな」と高評価を得られます。挨拶された側も「大人げのない対応は良くないな」と歩み寄ってくれる可能性があります。
挨拶はコミュニケーションの基本であり、信頼関係の構築に役立ちます。
挨拶を丁寧におこなうことで、相手に対する敬意を示すことができ、相手も自分や周囲を含めた職場全体の雰囲気が良くなり、結果として協力や情報共有がスムーズに進むようになっていくのです。
糸口③:業務への取り組み方や連絡の方法を工夫する
職場の人との接点は業務上の必要性から生じます。そのため、業務への取り組み方や、業務に関する連絡の取り方を工夫することで業務の円滑化を図ることも可能です。
第一には、しっかりと仕事に取り組んでいることがわかるように、成果を大小にこだわらず積極的に報告することです。真面目に取り組んでいることを周知すると、「サボっている」「不真面目だ」といった評価をされることを予防できるだけでなく、意欲的な姿勢を信頼されて新たな業務も任されるようになるなど、職場内で地位を築くことにつながります。
実際の努力や成果、貢献度が周囲から見えなくなってしまわないよう、自身を過小評価せず、取り組みは積極的にアピールしましょう。
第二には、相手へ業務上の連絡をする際に「依頼内容」「目的」「期日」「謝意」をはっきりと伝えることです。必要事項を漏れなく伝えることで余計なやり取りを減らせるうえ、期日を明示すれば業務があなたのせいで滞ることはありません。メールなど、記録に残るもので送ると相手にとっても確認がしやすいのでおすすめです。
糸口④:小さなことでも周囲に相談や報告をする
定期報告や社員面談の時間を活用して、自身が抱えている悩みやストレスは仔細まで周囲に伝えておきましょう。コミュニケーション量が不足している職場では、あなたがどのような課題を感じているのかを周囲が把握していない可能性がきわめて高いです。
悩んでいることを発信することで手を差し伸べてくれる人がいるかもしれません。また、相談を受けておきながら問題を放置することは会社としてもメリットのない対応なので、はっきりとしたアピールはどのような場面でも大切です。
- 周囲の人に自分の悩みを話すことに抵抗を感じます……。
相談は信頼の証になりえるので積極的におこなうことがおすすめ
相談する側は「こんなことで相談したら迷惑じゃないかな」と遠慮してしまいがちですよね。
しかし、相談される側は自分を信頼してくれている証だと感じてうれしい気持ちになります。話してくれたことに対して感謝されることも多いでしょう。
むしろ、あなたが悩んでいたことを後から知ると「何で相談してくれなかったんだろう」「力になりたかったのに」というふうに寂しい気持ちになるものです。
悩みを共有したことをきっかけに、周囲の人の関係がさらに良くなることも多いので、遠慮せずにぜひ相談してみてください。
もし、どうしても周囲に相談するのが難しいという場合には、カウンセラーなどのプロフェッショナルに相談するのも一つの手ですよ。
糸口⑤:事態が改善されないときは本部の窓口や外部機関を頼る
上記の対策では事態が改善されなかった、あるいは関係者に相談することが難しいといった場合には、本部の相談窓口や外部機関に相談し、問題への介入を依頼しましょう。
繰り返しになりますが、組織単位でのトラブルを個人の力で解決するのは難しいです。また、職場という狭いコミュニティーで無理な行動を取ると、「輪を乱す」ととらえられてかえってあなたの立場を悪くする恐れもあります。本部窓口であれば、そういった人間関係トラブルにも適切な対応をしてくれるので、困ったときは遠慮せず相談してみてください。
会社規模が小さくそういった対応がかなわないのであれば、外部の専門家に相談し、どのような行動を取るべきか意見を仰ぎましょう。自治体などがキャリアコンサルタントへの相談窓口を設備している場合もあるので、どのような知識を持った専門家に相談すべきかを下調べしてから臨みましょう。
外部機関と相談できる内容の例
- 総合労働相談コーナー:いじめ・嫌がらせ・ハラスメントをはじめ労働にかかわる問題全般
- こころの耳:労働・職場にまつわる悩みや心身の不調
- まもろうよこころ:悩み全般
- 働く人の悩みホットライン:労働・職場にまつわる悩みや心身の不調
トラブルが起きたときは、問題の当事者双方の立場から内容を分析していくのが大切です。そうするとトラブルの本質的な原因が見えてきます。
自分や相手のとらえ方の問題か、環境やこれまでの方法に問題があるのか、原因が特定できれば解決策を検討していくことができます。
職場の人間関係が原因で、「もう働きたくない」と悩む人もいるでしょう。そんなときは自分の気持ちを整理して向き合うことも大切ですよ。以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事
もう働きたくない! 自分が納得できる道を見つける4つの方法
仕事ではさまざまなストレスによって「もう働きたくない」と思ってしまうこともありますよね。本記事ではそんな働く意欲が持てなくなったときの対処法について、キャリアコンサルタントとともに解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
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就労支援のプロに聞く! そもそも職場の人間関係トラブルを予防するには?
現状の改善は必要不可欠ですが、これから先に何度も同じ悩みを抱えるのも避けたいところです。とは言え職場の人間関係トラブルは必ずしも個人で解決しきれる問題ではなく、そもそも自分だけに原因があることの方が稀です。
職場の人間関係が悪化することを予防するために、個人ではどのような取り組みができるのでしょうか。キャリアコンサルタントとして2,000人以上のキャリアを支援し、現在もカウンセラーや研修講師として日々多くの社会人を支える木原さんに話を聞いてみました。
アドバイザーコメント
木原 渚
プロフィールを見る職場では自分と違う価値観を持った人たちといかに付き合うかが重要
職場における人間関係のトラブルは、適切なコミュニケーションが取れていないことが原因であるケースが多いです。お互いの価値観やコミュニケーションスタイルが理解できると、苦手意識が解消される場合もあります。
大前提として「職場にはいろいろな人がいるので、わかり合えなくて当然」だと考えましょう。
私は「合わないな」と感じる人ほど積極的にコミュニケーションを取り、その人のことを知るように心掛けていました。実際に、相手の抱えている事情や価値観、性格がわかると、相手に対する見方が変わり、ストレスがなくなったこともありました。
オープンかつポジティブな態度で周囲との摩擦を避けよう
負の感情は増幅、連鎖する傾向があるため、「あの人、苦手だな」と思っていると、相手にもそれが伝わり、相手も自分に対してネガティブな感情を持つようになります。負の感情に振り回されないよう、必要以上に気にしすぎず、フラットでオープンなコミュニケーションを大切にしましょう。
そもそもコミュニケーションが苦手という人は、まずは毎朝の挨拶や笑顔、前向きな言葉、ポジティブな態度を心掛けていると周囲にも良い影響を与えることができますよ。
もし相手が攻撃してくる、仕事に支障が生じるというような場合には、適度な距離を保って自分自身を守り、一人で抱え込まず、早めに周囲にサポートをお願いすることも必要です。
溜まっている疲れを癒したい! 自分に合うリフレッシュ法を見つけよう
リフレッシュ法の例
- 運動
- 趣味
- ご褒美の設定
- 休暇の取得
- リモートワークの申請
ここまで人間関係によるストレスへの対処法や、トラブルの予防策を解説してきましたが、これまでに抱えてきた疲れやストレスを解消しなくては、これらの行動を取るのもつらいですよね。
アクティブに活動することがストレス発散になる人は、運動や趣味などに費やす時間を確保して気分転換を図りましょう。積極的な行動を取るほどの元気が残っていない人は「毎週金曜の夜はいつもより贅沢な食事にする」など、体力をあまり消費しなくても実行できる自分へのプレゼントやご褒美を設定することをおすすめします。
いったん職場から距離を取りたいと感じる人は、一定の休暇を取得して仕事に関する情報をシャットアウトするという手もあります。その際には、仕事で使うスマートフォンやパソコンは電源を切ってください。仕事で扱うものが日常生活に身近であれば、旅行などで物理的に距離を置くのも良いですね。
職場へ戻ったあとも「どうしても職場にいるのはしんどいな」と思う場合は、いきなり休職や退職をする前に、当面の間リモートワークができないか上長や人事労務へかけ合ってみましょう。そのときは事情を説明したうえでリモートでも業務に支障がない旨を添えるとなお良いですが、会社の規定などによって可能かどうかが分かれます。社内情報を確認しましょう。
リフレッシュ法の選択は、現在の自分の体調や精神状態を優先するとおこないやすくなります。
たとえば、軽い運動や趣味への時間とか、リラックスできる環境で読書や映画鑑賞を楽しむなど、無理なくできるものから試してください。いくつかの方法の組み合わせも有効です。
リフレッシュを図っても仕事へのモチベーションが回復しない場合は、以下の記事にも目を通してください。年代に応じた対処法を解説しています。
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どうしても今の職場の人間関係がつらいときは異動や転職も検討しよう
どれだけ改善を試みても状況が好転せず、自身の負担が増していくといった場合は、新しい環境へ身を移すことも手段の一つです。おもには異動と転職の2つが挙げられますが、どのような働きかけをおこなうと自分にとってより良い環境への道が開けるのでしょうか。
異動も転職もその後のキャリアに影響する大きな決断になります。その決断を良い結果につなげるためには、それぞれで取るべき行動が異なります。両者を見比べて自分に合った手段を検討してくださいね。
異動・転職の際には必須の自己分析については以下の記事で詳しく解説しています。フォーマットも付いているのでぜひ活用してください。
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異動したい場合は上長に希望理由をポジティブに説明する
異動の希望を伝えるためのチェックポイント
- 自分の目指す姿が明確になっているか
- 現在の職場では理想をかなえられない理由を合理的に説明できるか
- 理想に近付くために今後積むべきキャリアを論理的に組み立てられているか
勢いで異動してしまうと後悔する可能性もあるため、まずは上記のポイントを参考に慎重に判断してください。意志が固まったら、異動に向けて行動しましょう。
異動の希望を伝える相手は、基本的に自分の上長になります。遺恨を残さず、かつ希望を通りやすくするために、明確かつポジティブに説明することが、異動の希望を説明する際のコツです。
この職場であれば活き活きと働けるといった目星が付いている場合には、現在のトラブルから距離を取る手段として異動は有効です。しかし同じ会社である以上、現在職場を同じくしている人が異動してくる可能性もあります。メリット・デメリットを理解して慎重に検討しましょう。
- 上長に異動の希望を出したら、そのあとに職場で煙たがられるようなことはありませんか?
リスクを回避するために希望の伝え方やその後の言動に注意しよう
異動希望を出すことは、キャリアや働きやすさを考えるうえで重要な行動です。
しかし、残念ながら上司や同僚から「現状に不満があったら逃げ出す人だ」と受け取られたり、現在の業務に対するモチベーションが低下しているとみなされたりするリスクはゼロではありません。
リスクを最小限にするためにも、異動の希望を伝える際には、前向きな理由を中心に伝えることが大切です。
たとえば、キャリアアップや新しいスキルの獲得を理由にすると、ポジティブな印象を与えられます。堂々としたオープンなコミュニケーションを心掛け、最後まで責任を持って業務を遂行するようにしましょう。
転職する場合は現職を離れる原因と目指す理想を明確にする
転職すべきかを判断するためのチェックポイント
- 自分の目指す姿が明確になっているか
- 現在の会社では理想をかなえられない理由を合理的に説明できるか
- 志望先の会社であれば理想をかなえられる理由を合理的に説明できるか
- 志望先の会社にこれからどのように貢献するかを論理的に伝えられるか
転職も勢いでおこなってしまうと後悔につながりかねません。上記のポイントから慎重に判断しましょう。
また、転職となると、キャリアプランを述べる相手は他社の面接官に変わります。現在までどのような経験を積んできていて、これからどのような成長を遂げたいかを、明確かつポジティブに説明することが選考通過には必要不可欠です。
特に転職の場合、現在の会社を抜けてまで新しい環境を求める人はどのような意図を持って行動しているのか、どうして自社に入りたいのかと、面接官は応募者の行動指針を見極めようとしています。
将来像やキャリアプランを明らかにすることは、転職活動への前向きな気持ちを育む工程でもあります。年齢や現職のポジションによって「どのような貢献を期待されているか」も変わるので、じっくりと自己分析・企業研究をおこなって選考に備えましょう。
転職する場合は、その会社が人を大事にしている会社なのかを自身で判断することが大切です。
データで分析するなら離職率を確認しましょう。定性的な評価軸としては、職場見学や社員と直接話せる場の提供があれば、職場環境の良さに自信を持っている証拠と言えます。
社内面談を実施している、福利厚生に力を入れているなど、社員を大切にする風土・制度を持つ会社を選びましょう。
また、転職のコツについては以下の記事で詳しく取り上げています。精神的な負担が軽い仕事も紹介しているので、参考に、あなたが活き活きと働ける理想的な環境を目指しましょう。
転職のコツ
転職がうまくいかない20代必見! 状況に応じた対処法14選を解説
精神的に楽な仕事
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疲れから働くことの意義を見失ってしまった人はぜひこちらのQ&Aにも目を通してください。キャリアアドバイザーが働くことのメリットを回答しています。
職場の人間関係に悩む人は原因に応じた対処で働きやすい環境を作ろう
職場の人間関係にまつわるトラブルについて、対処法や予防策を解説してきました。バックグラウンドやポジションも異なる人全員と良好な関係を築くことは難しく、トラブルが起きたときに改善を試みることはさらに困難です。
しかし、仕事である以上は職場の人たちとの関係性を完全に絶つことはできません。業務を円滑に進めるためにもなるべく関係は良好に保ちたいものです。
現在の職場で人間関係について悩みを抱えている人は、自分の心身の健康を守るために、少しずつでも良いので状況を改善するための行動を取っていき、活力を持って働ける環境を獲得しましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る自分の心身の健康を守るための行動を積み重ねていこう
人間関係のトラブルは、業務効率を下げるだけでなく、精神的な負担も大きいです。以下の考え方を参考にして、まずはできる範囲でポジティブなアクションを起こしましょう。
①心構えを見直す
ネガティブな考え方をポジティブに変えることは重要です。小さな成長や達成感を可視化し、自信を持つことができ、日々の小さな成功を積み重ねて、自分の進歩を実感しましょう。
②コミュニケーションの質を高める
挨拶や表情を意識するだけでも、人間関係は大きく改善されます。礼儀正しい挨拶は、相手に良い印象を与え、関係を円滑にします。
③適切なリフレッシュ法を選ぶ
運動や趣味に時間を使う、贅沢な食事を楽しむ、休暇を取るなど、自分に合ったリフレッシュ法を見つけてください。
職場に対して強引に前向きになる必要はない
④ストレス源から距離を取るアクション
ストレス源から距離を取ることも必要です。嫌なことや悪いことを気にしないようにすると、心の負担を軽減できます。
⑤異動や転職を検討する
どうしても今の職場で改善が見込めない場合、異動や転職を考えることも一つの手段です。異動を希望する際は、ポジティブな理由を上長に伝えましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/1級キャリアコンサルティング技能士
Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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