仕事から逃げたいと感じたら危険信号! 我慢せずできる対処法を解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表

    Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

    Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 仕事から逃げたいときは自身の状況で判断しよう
  • 仕事から逃げるか考え直すかをケースごとに紹介
  • 逃げたいときの対処法を3ステップで解説

仕事でストレスが溜まってしまい、「仕事から逃げたい」や「働くのがつらくてどうにかしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。また、逃げ出したい気持ちはあったとしても「本当に逃げ出してしまっても良いものか」と不安や罪悪感を感じてしまいますよね。

しかし、仕事から逃げることは決して悪いことではなく、逃げだと感じる必要もありません。逃げたいと感じているときは、心身ともに疲れている証拠なので、休養も必要なのです。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、西さん、若林さんのアドバイスを交えつつ、仕事から逃げたいときの対処法を解説します。

また、逃げたいと感じる要因から、逃げるかどうか考え直すケースまで説明するので、仕事から逃げるか悩んでいる人は、最善策を見つけてくださいね。

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目次

仕事から逃げたいのは甘えではない! 逃げるかどうかは状況で決めよう

仕事がつらくてストレスが溜まりすぎると「仕事から逃げたい」と感じる人もいますよね。しかし実際に逃げ出すことで「会社に迷惑をかけてしまうのではないか」や「逃げたい気持ちは甘え」だと不安に思う人もいるものです。

たしかに「仕事から逃げる」と聞くと甘えのように聞こえるかもしれませんが、決して悪いことではなく、つらく感じている状況に対して適切な対処を取っているのだと考え直しましょう。逃げるかどうかは状況で判断すれば良いのです。

記事では、まず仕事から逃げても良い理由と状況を説明します。逃げたいと思う気持ちは悪いことではないと理解しましょう。

次に解説する、逃げるか考え直すケースと対処法を知って、自身がどのように行動すれば良いかを判断しましょう。仕事から逃げたいと思う気持ちは甘えではないため、状況と照らし合わせてみて、今後どのように行動するかを決めていってくださいね。

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仕事から逃げても良い3つの理由

仕事から逃げても良い3つの理由

  • 自分の人生の保障を会社はしてくれないから
  • 逃げたいとまで思うのは心身ともに限界のサインだから
  • 無理を重ねると心身を壊す可能性があるから

仕事から逃げたいと考えるのは決して悪いことではありません。しかし、逃げることをマイナスにとらえてしまい、罪悪感や不安に感じる人もいますよね。

いくら周りから「仕事がつらいときは逃げても良い」と言われたとしても、逃げても良い理由を知っていなければ不安を抱えたままで行動には移せないものです。

まずは仕事から逃げても良い3つの理由を説明します。逃げても問題ないとわかるだけでも気持ちは楽になるので、ぜひ参考にしてくださいね。

①自分の人生の保障を会社はしてくれないから

仕事から逃げたいと考えていても「会社に迷惑をかけてしまう」という思いから、会社を休めず無理をする人もいます。しかし、会社は社員の人生を保障する義務はないため、逃げても問題ありません。

たしかに、仕事を頑張ることで評価につながるケースもありますが、頑張りすぎて心身を壊した場合、会社側が責任を取ってくれるとは限りません

もちろん、業務中に怪我をしたという明確な労災であれば会社側の一時的な保障はありますが、一生涯の保障があるわけではないのです。

逃げたいと思いながら働き続けた結果、心身が壊れて働くのが困難になる可能性もあるため、仕事から逃げることも選択肢の一つです。

人生の保障まではないとはいえ、労災以外の原因でも過労やストレスによる体調不良などで会社側からの保障はありますか?

若林 宏美

プロフィール

ハードルは高いが可能性はあるので専門家に相談しよう

業務による強い心理的負荷が認められた場合には、労災認定が下りる場合もあります。具体的には、1カ月に160時間以上の時間外労働、セクハラ、パワハラなどによって精神障害を発症したと診断されるケースが該当します。

それと同時に、業務以外に心理的負荷がなかったどうかなど総合的に判断されるため、認められるまでのハードルが高いのも実情です。

一人で対処するのは難しいため、弁護士や労働相談窓口などに相談するのがおすすめです。場合によっては、損害賠償を請求できるケースもあります。

今の会社にこだわることだけが、あなたのキャリアとは限りません。自身のキャリアを再確認して、人生を彩るためにも以下の記事を読んでみましょう。

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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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・時間をかけずに自己分析をしたい人

②逃げたいとまで思うのは心身ともに限界のサインだから

「仕事を辞めたい」と思う人は少なくありませんが、「逃げたい」とまで感じるのは心身ともに限界に近づいているサインです。

仕事をするうえで、誰しも業務に対する不満やストレスは感じるものです。しかし、逃げたいという感情は、単なる不満を超えた状況を示しています

ストレスや疲労が溜まり、心身が限界であることを表しているのです。たとえば、仕事のことを考えただけで胃が痛くなったり、出社前に不安を感じたりする状態が該当します。

また、休日も仕事のことが頭から離れず、リラックスできない症状も限界のサインといえます。無理をして体を壊す可能性もあるため、逃げたいと感じたら無意識のうちに限界を感じているのだと理解しておきましょう。

吉野 郁子

プロフィール

心身の限界に気づく方法の一つとして「あなた、もうヤバいんじゃない?」と声をかけてくれる人を身近に持つことが挙げられます。家族や友人、パートナーなど、本当に自分を思ってくれている人からの声掛けはとても大切です。普段から「本当に私がダメそうだったら教えてね」とお願いしておくとよいでしょう。

③無理を重ねると心身を壊す可能性があるから

前述したように、仕事から逃げたい気持ちは心身の限界が来ているサインです。そのような状態で無理をして働き続けると心身を壊す可能性があります。

仕事から逃げたい気持ちを甘えだと思い、無理をし、働き続けたことで以下のようなリスクが起きるのです。

無理を重ねて表れる症状の例

  • 不眠
  • 慢性的な疲労
  • 気分の落ち込み
  • 集中力の低下
  • 食欲不振
  • うつ病

上記の症状は、仕事だけでなく日常生活にまで影響を及ぼす可能性があります。また、過度のストレスは身体的な病気のリスクも高めるため、仕事から逃げたいと感じたら心身に異常が出る前に対処しましょう

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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キャリア支援のプロに聞く! 仕事から逃げたいと考える人は多い?

ここまで、仕事から逃げ出すことは悪くなく、状況で判断するべきと説明しました。しかし「仕事から逃げたいと感じているのは自分だけではないのか」という思いがある以上、「甘えているかも」と考える気持ちは消えませんよね

そこで、実際に仕事から逃げたいと感じている人がどれくらいいるのかをキャリア支援のプロである若林さんに聞いてみました。自分以外にも、同じ考えを持つ人がいるのを知ることで、次の行動に移しやすくなるため参考にしましょう。

アドバイザーコメント

仕事から逃げたい気持ちは決して甘えではない

「仕事から逃げたい」「もう会社に行きたくない」というネガティブな感情は、自分の甘えなのではないか、自分が弱いからではないかと思ってしまうかもしれません。ですが、毎日仕事が楽しくて仕方がない、仕事が趣味!と言いきれる人は世の中にどのぐらいいるでしょうか。

私はキャリアコンサルタントの仲間と定期的に集まりますが、キャリコンをしている人でも「仕事イヤだな」「仕事を辞めてのんびりしたいな」と言うぐらい、仕事から逃げたいという感情は一般的なのだと思います。

私も仕事に追われると、ありがたい反面「もう辞めたい」「しばらくのんびり暮らしたい」と考えることはありますし、自分でいうのもおかしいですが、こうした感情は決して甘えではありません。

仕事から逃げたいと感じる自分を責めすぎないことが大切

「逃げるのは甘えだ」と思い込んでしまう人ほど真面目で責任感があり、自分を追い込んでしまうこともあるのではないでしょうか。追い込みすぎて精神的に疲弊してしまうなら、いったん自分の状況を整理して、休職や退職も踏まえて、自分のキャリアを見つめ直してみてはどうでしょうか。

仕事から逃げたいと思ってしまう5つの要因

「仕事から逃げたい」と感じる要因は人それぞれです。職場の雰囲気や人間関係に耐えられない人もいれば、責任の重い仕事にプレッシャーを感じる人もいるはずです。

前述したように、逃げたいと感じるまでに仕事に悩んでいるのは、心身が限界のサインでもあります。早めに理由を把握して、次の行動に移せるようにしておきましょう。

ここからは、仕事から逃げたいと感じる要因を5つ解説します。自身の状況と照らし合わせてみて、なぜ自分は仕事から逃げたいと感じているのかを特定してみてください。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

①職場の雰囲気

職場の雰囲気が悪くて、ストレスを感じる日々が続いたら「仕事から逃げたい」と考えてしまうものです。

たとえば、職場で派閥ができていたり、部署内でグループが出来上がり、特定の人とだけ仲良くする雰囲気があったりすると、輪の中に入っていけず孤立することがあるかもしれません。また、仕事の忙しさから部署全体が常にピリピリしていて、息苦しさを感じてしまうこともありますよね。

このような環境下では、最初は小さなストレスだったとしても積み重なっていくことで仕事から逃げたい気持ちが強くなります。勤務時間だけでなく家に居るときでさえも仕事のことを考えてしまい、逃げたくなるのです。

競争意識が過剰な職場になると、常に成果や結果が求められるため、プレッシャーが多くストレスを感じやすくなります。自分は真面目に取り組んでいても、ほかの人が裏工作をして出し抜いたりすることもあり、お互いが信頼できなくなる可能性があります。

②人間関係

職場の人間関係が原因で、仕事に行きたくなく逃げたいと感じてしまう人は少なくありません。

仕事をするうえで、上司や同僚とのコミュニケーションは避けられません。業務を進めるなかで、意見が合わない上司や同僚、自分に対してだけ言い方がキツイ人など人間関係のストレスも多いものです。

また、入社年数が若いうちは、仕事の進め方で上司や先輩から指導を受ける場面も出てきます。もし言い方が厳しい人だった場合、「嫌われているのかも」と感じてしまいますよね。

毎日仕事で顔を合わせなければならない関係だからこそ不満が溜まっていき、結果「会社に行きたくない」や「仕事から逃げたい」という気持ちにつながってしまうのです

③仕事のプレッシャーやミス

職場の雰囲気や人間関係だけでなく、仕事のプレッシャーやミスで仕事から逃げたいと感じる人もいます。具体的にストレスと感じるのは以下のような状況です。

仕事のプレッシャーやミスで逃げたいと感じる要因

  • 仕事の責任が重い
  • 目標やノルマを達成できない
  • 立て続けにミスをした
  • 重要な仕事のミス

仕事の責任が重いとプレッシャーに押しつぶされ逃げたいと感じてしまいます。ほかにも重要なプロジェクトを任せられると、責任の重さから逃げたくなることもでてくるものです。

また、ミスを重ねてしまうと自信を失い、普段の業務でもプレッシャーを感じて逃げ出したくなる人もいるのです。

ミスを連続で出してしまったら今後評価されるのは難しいのでしょうか?

若林 宏美

プロフィール

評価はミスそのものではなくミスをした後の対処で決まる

そんなことはありません! ミスは誰にでもあるものですし、それは周囲や上司もわかってくれます。大切なのはミスをした後です。今後同じミスをしないように、わからない点は先輩や上司に聞いたり、メモを取ったりして次はきちんと仕事ができるように準備しておきましょう。

また、意外と苦手な人も多いのですが、ミスをした後はしっかりと謝罪し、反省している点を言葉で伝えるのも大切です。

つまり、ミスをしてもその後の対応次第で次のチャンスがありますし、評価が下がったままということもありません。

仕事をするうえでミスをしない人は少ないとわかっていても、ミスをすると落ち込むものですよね。ミスをしたときの落ち込んだ気持ちを軽くしたい人は以下の記事を読んでみましょう。

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仕事のミスで落ち込む気持ちを軽くする方法|次につなげる改善策も

誰にでもミスはあるといっても、仕事でミスをしたときには落ち込んでしまいますよね。記事ではミスをして立ち直れないというときの対処法と次に活かす方法、そしてミスを防ぐ方法についてキャリアコンサルタントとともに解説します。「ミスのことばかり考えてしまう」という人はぜひ参考にしてくださいね。

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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

④業務に対する不満

仕事内容に対して不満や疑問を感じながらも、働き続けるうちに仕事から逃げたくなる人もいます。やりがいや達成感を感じられないまま業務をこなすのは、ストレスに感じてしまうからです。

業務に対する不満で仕事から逃げたくなる例

  • 自分の裁量で仕事を進められない
  • 仕事内容が自分に合っていないと感じる
  • 仕事が忙しすぎて休みが取れない

自分の意見が反映されなかったり、やりたい仕事ができなかったりすると、仕事に対するモチベーションが低下します。

また、休みが取れずプライベートの時間が確保できなくなり、仕事漬けの毎日を送ることで、心身ともに疲弊し仕事から逃げることを考えるようになります。

最終的に、何のために仕事をしているのかがわからなくなり、やりがいを感じられず仕事から逃げたくなってしまうのです

仕事に対するモチベーションを維持するのは簡単ではありません。もし、今モチベーションが落ちていると感じていたら、以下の記事を読んでみましょう。対処法や原因が書いてあり、参考になりますよ。

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⑤その他

職場環境や仕事内容が直接の原因ではなくても、自身の内面的な考え方によって、逃げたい気持ちが生まれるケースもあります

たとえば、営業職であれば同期の成績と比べてしまい、自身の成績が伸びていないことに劣等感を感じてしまう人もいるかもしれません。

ほかにも、親密な関係だった先輩や同僚が会社を辞めることで、自分も続けて辞めたくなる気持ちになる人もいます。

そういった仕事で感じる不安や焦り、孤独感などがストレスとして積み重なって、仕事から逃げたい気持ちにつながっていくのです。

アドバイザーコメント

仕事から逃げたくなる理由は自覚するのも難しいほど複雑

実際の退職理由は、複合的なものです。一つの原因だけで辞めるわけではなく、何かが最後の一押しになったとしても、現実は「さまざまな要因の積み重ね」です。

追い詰められているときは、自分を客観的に見るのが難しく、「後になって振り返ってみると……」と、落ち着いてからようやく分析できることもあります。退職直後、1年後、3年後、10年後では、納得感が変わることもあるでしょう。

振り返るシーンで仕事から逃げたかった理由が変わることもある

退職理由を振り返ると、「自分の未熟さが原因だった」と反省することもあれば、「当時は業界の景気悪化が自社に影響していた」と社会背景から理解できることもあります。

また、退職理由を言葉にする際も、転職面接での説明用/友人に愚痴を言う用/親に心配をかけないため、といったように、状況に応じて異なる言葉を使い分けることもあるでしょう。理由は常に多面的です。

どちらの決断をしても、後悔する日もあれば、幸福を感じる日もあるでしょう。人生とは、そういうものなのです。

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状況に当てはめてみて! 仕事から逃げても良いケース

仕事から逃げたい人が判断する基準

仕事から逃げるかどうかは、自身がなぜ逃げたいと感じているのかを把握し、状況で判断するのが正しい行動です。

しかし、仕事のつらさから、心身に異常をきたしている場合や会社側から不当な扱いを受けている場合は、すぐにでも仕事から逃げる決断をして問題ありません。自身の身を守るためにも、逃げることが最善の策といえるのです。

ここからは、どのような状況なら仕事から逃げても良いかを解説します。自身の状況と合うのであれば、逃げる決断をしていきましょう。

仕事が原因で体調を壊している

仕事が原因で体調を崩してしまったら、無理せず休み仕事から逃げるという選択肢を取りましょう。

仕事が原因で体調不良が続く場合、過度なストレスや疲労、不眠などが要因だと考えられます。胃痛や頭痛、動悸が続いたり食欲不振や倦怠感が取れなかったりと症状はさまざまです。

このような状況にすでになっている場合、体調の回復に時間がかかり、仕事を続けることでさらに症状が悪化する恐れがあります。現職だけでなく、転職するときなど今後の仕事にも影響を及ぼす可能性もあるため、早めの対処として仕事から逃げることを選択しましょう。

休むときに仕事が原因であることをそのまま伝えても、会社側と揉めることはないですか?

理由を遠回しに伝えて会社とのトラブルを回避しよう

言い方によっては会社側と揉めるかもしれません。「仕事が原因で体調不良が続いている」とストレートに伝えるよりも、「医者からの勧めで、しばらくは心身の健康回復のために休まなければならない」と伝えたほうが理解されやすいです。

メンタルヘルス対策にかかわる制度やガイドラインもあるので、近年は会社もさまざまな配慮や対応をしてくれるようになってきています。

ただ、自分が休むことで仕事に穴があくことも事実です。そのため、今後の仕事の見通しや、引き継ぎなどについては明確に伝えておくことをお勧めします。あまり感情的にならず、冷静に伝えるようにしましょう。

精神的な負担が限界を超えている

仕事で感じるストレスやプレッシャーによって、精神的に追い詰められてしまうこともありますよね。心身の健康を保つためにも、精神的に限界だと感じたら、仕事から逃げても問題ありません。

毎日の業務でストレスを抱えていると、心は徐々に疲弊していくものです。心の疲弊は症状にも表れ、たとえば仕事のことを考えるだけで胸が締め付けられたり、眠れない日が続いたりすることがあります

また、些細なことで涙が出たり、イライラが止まらなくなったりする人もいます。それらの症状は、集中力の低下や業務のミスにつながり、さらに自分を追い詰めてしまい悪循環に陥ってしまうのです。

精神的な疲労は、身体的な不調にもつながりやすく体調を崩しやすくなるため、自分を守る手段として、仕事から逃げることも大切です。

もし精神に負担がかからない仕事を探している人は、こちらの記事を読んでみましょう。精神的に楽な仕事を22職種紹介しているため、興味のある仕事が見つかるかもしれません。

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ハラスメントを受けている

会社の上司や同僚からハラスメントを受けている場合、仕事から逃げることは正当な選択肢ととらえましょう。

たとえば、上司から理不尽に説教を受けたり、先輩から不適切な言動をされたり、個人的な攻撃を受けることがハラスメントに該当します。パワハラやセクハラなど形態はさまざまですが、いずれも許される行為ではありません。

このような状況が続くと、仕事への意欲が低下するだけでなく、ストレスにより体調不良や精神的な問題が生じる可能性があります

また、ハラスメントは個人の問題ではなく、会社の問題でもあります。まずは信頼できる上司や会社の人事への相談が大切ですが、改善が見られない場合は自身を守るために仕事を辞める決断も視野に入れましょう。

若林 宏美

プロフィール

ハラスメントの中には、本人には悪気がなくかわいがっているつもりでも、受け手にとっては大きな負担になっているケースもあります。ハラスメントは悪意の有無ではなく、受け手が精神的負担を感じるか、感じないのかで判断するのが正解です。

明らかにブラック企業である

ブラック企業とは、従業員の権利や健康を害し、不当な労働を強いる企業を指します。以下のような特徴がある場合、ブラック企業の可能性が高いため、仕事から逃げる選択を取りましょう。

ブラック企業と判断できる例

  • 残業代が支払われない
  • 有給休暇が取れない
  • 長時間労働が毎月続いている
  • 社会保険に加入させてもらえない
  • 従業員の入れ替わりが激しい

特徴が一つでもあれば要注意となり、複数当てはまる場合は、明らかにブラック企業だと判断できます。このような環境で働き続けると、心身の健康を害するだけでなく、精神的に病んでしまい将来のキャリアにも悪影響を及ぼす可能性があります

ブラック企業から逃げるのは、自身の健康とキャリアを守るためであり、甘えではありません。早めに行動を起こし、より良い職場環境を探しましょう。

ブラック企業の明確な基準がわからない人は、こちらの記事を参考にしてください。ブラック企業の特徴や見極めるポイントを記載してあります。

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仕事を頑張る先の目的を感じられない

仕事にやりがいを感じられず、頑張る意味を見出せないなら、それは逃げても良いケースだと判断できます。

たとえば、以下のような状況に当てはまる人は、目的を感じられないと思っているのではないでしょうか。

仕事を頑張る先の目的が感じられない例

  • 仕事で成果が出せない
  • 努力が正当に評価されない
  • 目標としているキャリアから遠ざかっている

このような状況でも「頑張り続ければ何かが変わる」と、自分を奮い立たせている人もいるかもしれません。しかし、ただ漠然と働き続けるだけでは、状況が改善せず目的を見失ってしまうのです

もし、今の仕事に将来への希望を見出せないのであれば、仕事から逃げるべきタイミングとして考えてみましょう。

吉野 郁子

プロフィール

「給与未払い」は、仕事から逃げて良いとわかる明確なポイントではないでしょうか。会社の雰囲気がギスギスし、待遇や労働環境が悪化する背景には、会社の資金不足も考えられます。管理職や財務状況を把握している経理職が退職し始めることが、倒産の予兆と言われます。

踏みとどまるべきか迷ったら? 仕事から逃げるか考え直したほうが良い状況

踏みとどまるべきか迷ったら? 仕事から逃げるか考え直したほうが良い状況

  • 仕事にやりがいは感じている
  • 今の仕事を頑張ることがキャリアアップにつながる
  • 何となく辞めたいと思っている
  • 周りが辞めたので続こうと考えている

ここまで、仕事から逃げたいと思う要因や、逃げても良い状況を説明しました。しかし、状況によっては逃げずに一度考え直した方が良いケースもあります。

逃げたいと思いながらも仕事にやりがいを感じていたり、今の仕事がキャリアアップに重要だったりするのであれば、踏みとどまって働き続ける決断も大事なのです。

また、逃げたい理由が固まっていない人もいるはずなので、以下4つの状況に一つでも当てはまる人は一度考え直してみてくださいね。

仕事にやりがいは感じている

仕事はつらいと感じつつも、やりがいも同時に感じている場合は、一度踏みとどまって考え直してみましょう。仕事におけるやりがいは、日々の業務へのモチベーションにつながるからです。

たとえば、以下のケースに当てはまる場合は仕事にやりがいを感じているといえます。

仕事で感じられるやりがいの例

  • 目標達成やプロジェクト成功で仕事の成果を実感できている
  • 仕事を通して新しい知識やスキルを身に付けられている
  • 周りの人から感謝されたり頼りにされたりすることで喜びを感じている

もちろん、やりがいだけですべての問題が解決するわけではありません。働きづめならば有給休暇を取得してみたり、責任が重いのであれば仕事を分担してみたりと現状を変える策がないかを試してみます

それでも状況が改善しない場合は、改めて逃げるという選択肢を検討しても遅くはありません。

現在やりがいを感じられていない人でも、以下の記事で紹介している仕事に転職すればやりがいを感じられるかもしれません。人の役に立つ仕事を45選紹介しており、参考になりますよ。

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今の仕事を頑張ることがキャリアアップにつながる

今の仕事が自身の望むキャリアにつながる可能性があるのであれば、逃げずに努力を続けてみる価値があります。

現在の仕事を困難だと感じていても、自身の理想とするキャリアへの道筋となっているのであれば働き続ける方がプラスになります。

たとえば、将来的に独立を考えているなら、業務の中でさまざまな人とつながりビジネスのノウハウを学ぶことは必ず役に立つはずです。

すぐに結果が出なくても、得られる経験やスキル、知識は将来のキャリアの糧になるため目標をしっかりと見すえながら、もう一度目の前の仕事に取り組んでみてくださいね

結果が出るまではつらい思いをしてでも働き続けた方が良いのでしょうか?

若林 宏美

プロフィール

将来的なキャリアと現在の心のバランスを見て決めよう

これは辞めるか、続けるか判断が難しい問題です。

個人的には、自分の将来のキャリアを見すえたときに、今の仕事がプラスになるならつらくても働き続けると思いますが、それは自分のストレス耐性が強いからともいえます。何より、今の自分を考えたときに「あのときがんばってよかった!」と思える経験があるから、このような考えに至りました。

ですが我慢するのが正解!と言い切るわけではありません。キャリアのせいで自分自身が追い詰められていると感じるなら、辞める選択肢を検討してもいいと思います。

何となく辞めたいと思っている

ほかにやりたい仕事があるわけでもなく、なんとなく今の仕事に魅力を感じないだけであれば、焦って転職という決断は避けましょう。

何となく辞めたいと感じる原因は、一時的に仕事に対するモチベーションの低下だったり、小さなストレスが溜まっていたりするのかもしれません

まずは気分転換や休暇を取ってリフレッシュしてみるのが有効です。モチベーションが回復すれば、再度仕事への意欲が湧いてくるかもしれません。本当に今の仕事から逃げるべきなのか、逃げたことでリスクはないのかなど、冷静に見つめ直してみることが大切です。

「仕事を何となく辞めたい」と考えている人は、一度過去を振り返りましょう。習い事やアルバイトなど「何となく辞めたい」と考えたとき、実際にどのように対応したのでしょうか。本当に辞めましたか。誰かに相談したり、自己解決したりしたのでしょうか。

そのとき辞めたいと考えた理由について具体的にリストアップしてみると、今の気持ちもはっきりするのではないでしょうか。

周りが辞めたので続こうと考えている

周りの人が辞めていく状況で、自身も逃げるべきかどうか迷っているなら、まずは冷静に状況を分析しましょう。逃げるかどうかは、周りの人がなぜ辞めていったのかを理解することが重要だからです。

周りが辞めた理由が、ハラスメントやブラックな労働環境など、自身にも影響が及ぶ可能性があるのであれば、逃げることは正当な選択肢といえます。

しかし、キャリアアップをしたくて辞めたような、前向きな理由であれば安易に「自分も続こう」と考える必要はありません。今の会社に不満がないのであれば、辞める必要はないのです。

周囲の動向に流されず、まずは「なぜ周りの人は会社を辞めていくのか」「自分は今の会社でどんな風に成長していきたいのか」を考え直してからでも遅くないですよ。

頼りにしていた人が辞めてしまい不安に感じています。それでも辞めるべきではないのでしょうか?

吉野 郁子

プロフィール

周りの人の行動をヒントにして自分の進路を決めるのも手

その人は、周囲から頼られるほどの実力があったからこそ、キャリアチェンジを決意できたのかもしれませんね。退職を決意する背景にはさまざまな理由があります。「知り合いから転職の誘いを受けた」「起業準備が整った」「配偶者がいるため、すぐには生活に困らない」など、いろいろなケースが考えられます。

また、退職後の選択肢も人それぞれです。退職に満足している人もいれば、後悔している人もいるかもしれません。周囲の人の退職後の状況を参考にしながら、ご自身の進退を決めても良いのではないでしょうか。

悩みを抜け出そう! 仕事から逃げたいときの対処法3ステップ

悩みを抜け出そう! 仕事から逃げたいときの対処法3ステップ

  • まずは仕事から距離を置く
  • 一度自分を見つめ直す
  • 次に進むべき道を決める

仕事から逃げたいと考えたとき、多くの人はどのように行動したら良いか悩むものです。仕事を辞めるべきか続けるべきか考えるだけでなく、判断する方法がわからない人もいますよね。

ここからは、実際に仕事から逃げたいと考えたときの対処法を3ステップで解説します。どのような決断をするかは、自身の心身の状況や将来のキャリアの見すえ方によって変わるため、逃げたい気持ちから次の行動に移すべく参考にしてくださいね。

①まずは仕事から距離を置く

逃げたいと考えているのであれば、仕事から距離を置く行動が大切です。逃げたいとストレスを抱えた状態で働き続けるのは、仕事に対するモチベーションも上がらず、体を壊す可能性もあります。

まずは、周囲に相談したり、専門家のいる病院を受診したりしましょう。話を聞いてもらうだけでも気持ちは楽になるものです。

また、仕事から離れることで、一時的にストレスの原因に触れなくて済むだけでなく、休養にもなります

気持ちが落ち着いた後に次の行動に移せば良いので、リラックスするためにも、以下の仕事から離れる行動をしてみてくださいね。

周囲に相談する

仕事から逃げたいと感じたら、相談することで解決策が見つかる可能性があるため、周囲の人に相談してみましょう。誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることがあります。

業務のことで悩んでいて、相談できる間柄であれば上司や同僚、会社の人に相談できないときは家族や友人など、あなたを気遣ってくれる人に話を聞いてもらいましょう。

客観的な意見を聞けば、自身では気づかなかった問題点や改善策が見つかるかもしれません。悩みを一人で抱え込まずに済み、精神的な負担も軽減できますよ。

逃げたいと思っているときは、正常な判断ができず勢いで物事を決めてしまう可能性もあるため、気持ちを整理するつもりで相談してくださいね。

相談相手に誰を選べば良いかわからない人は、以下の記事を読んでみましょう。相談する相手の決め方や相談前の心構えなど、解決に向けた糸口になりますよ。

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心身に異常があるときは専門家をたずねる

仕事が原因で、すでに心身に異常を感じている場合は専門家をたずねましょう。医師やカウンセラーなどの専門家は、あなたの症状に合った適切なアドバイスや治療を提供してくれます。

心身の異常とは、病気になっただけでなく不眠や食欲不振、疲労感も該当します。イライラや不安感の症状が続いている場合も同様です

専門家は数多くの相談を受けてきた経験があるため、職場環境の改善策やストレスの軽減策など、症状に合わせたアドバイスをもらえます。

また、専門家から診断書を書いてもらうことで、休職手続きも進めやすくなるので受診を検討しましょう。

自分より症状がひどい人もいると思いますが、つらいと感じるだけでも受診して良いのでしょうか?

自分のなかで「つらい」と感じたら早めに受診しよう

必ず受診してください。メンタルヘルス不調は、「おかしいな」と気づいたときには病的レベルになっていることもあるのです。

「いつもはそうではないのに、最近は『つらいな』」と感じているならば、一度受診をしてアドバイスをもらうほうが症状が悪化する前に早期解決につながります。

気分の面で「つらい」と感じる人もいれば、数日間微熱が続いたり食欲不振が続いたりする身体面での「つらさ」が表れる人もいます。

なぜそうなったのかを自己分析し、ストレスの原因について推測し、早い段階で第三者に協力を求めることが重要です。

有給を取ったり休職をしたりしてリフレッシュする

心身ともに疲れていると感じたら、休暇を取りリフレッシュするのも有効な手段です。

有給休暇を取得したり、医師の診断書があれば休職制度を利用したりして、仕事から離れる時間を作りましょう。その時間は仕事のことを一切忘れ、心身のリフレッシュに専念することが大切です。

たとえば、旅行に行ったり趣味に没頭したり、友人との時間を過ごしたりと、心からリラックスできる時間にしましょう。仕事のことを考えずに、心身を休ませれば働く活力やエネルギーを取り戻せるはずです。

このとき大事なのは、休暇を取る行為に後ろめたい気持ちを持たないことです。むしろ、十分な休養を取ることで、休暇後により高いパフォーマンスで仕事に取り組めるようにするための時間だと考えましょう。

②一度自分を見つめ直す

仕事から逃げたいという気持ちと、本当に辞めていいのかという迷いがある状態では、冷静な判断はできないものです。そのため、周囲に相談したり休暇を取ったりするのも大事ですが、同時に自身の気持ちを整理するための時間も確保しましょう

逃げたいと思うのは、仕事に対する不満や不安、将来への希望などさまざまな感情が入り混じっているはずです。

自分を見つめ直せば現状を分析できて、本当に逃げるべきなのか、踏みとどまるべきなのかの見極めができます。逃げたいという感情に流されないためにも、以下の行動をとって焦らずに自分自身と向き合ってみましょう。

辞めたい理由と辞めるリスクを書き出す

まずは、なぜあなたが仕事から逃げたいのか、辞めることで起きるリスクはないかを以下のように書き出してみましょう。

辞めたい理由と辞めるリスクを書き出す例

辞めたい理由:
・仕事内容が合っていない
・人間関係がうまくいかない
・給料が低い

辞めることで起こるリスク:
・収入が一時的に減る
・すぐには次の仕事が見つからない可能性がある
・キャリアプランに影響がでる

書き出した内容を見直しながら、本当に会社を辞めるべき理由なのか、努力次第で改善できる可能性があるのかを冷静に判断していきましょう。

たとえば、仕事内容に不満があるなら辞めずに異動願を出す対策が考えられます。収入が一時的に減るリスクも回避でき、異動で環境と人間関係が変わるため、最善の策といえますね。

また、書き出すときは、できるだけ具体的に記載してみましょう。仕事がつらいのであれば、なぜつらいと思うのかを「毎日3時間以上の残業がある」のように、可視化することで問題の本質が見えてきます

紙に書き出すことで頭の中が整理され、より賢明な決断を下すことができますよ。

自身の考えを紙に書き出すことは頭の中の整理に役立ちます。特に自己分析のマインドマップは最初のテーマから派生していき、自身の考え方を整理する手法なので、以下の記事を読んで試してみましょう。

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若林 宏美

プロフィール

辞めたい理由と辞めるリスクのほかに、「辞めたくない理由」も考えてみましょう。人間関係・仕事内容・給与など、辞めたくない理由が辞めたい理由よりも動機が上回っているなら、辞めたいという気持ちが消えることもあります。

将来のキャリアと自分の価値観を振り返ってみる

仕事から逃げたいと感じているなら、将来のキャリアと自分の価値観を一度振り返ってみましょう。キャリアプランと現状を照らし合わせることで、進むべき道が見えてくるからです。

具体的には、5年後や10年後の理想のキャリアプランを書き出してみましょう。また、仕事とプライベートのバランスや社会貢献など、自分が大切にしたい価値観は何なのかを考えてみます。

今の仕事を続けることでキャリアプランは達成できそうか、大事にしたい価値観が一致しているかを照らし合わせます

この過程を通して仕事を続けるべきか、新しい道を探すべきかが見えてくるはずです。自分にとって本当に大切なものを再確認し、次に進むべき道を決めていきましょう。

価値観と言われても漠然としていて、明確ではない人もいるはずです。以下の記事では価値観を6つのタイプに分類して紹介しています。面接でも価値観は質問される内容なので参考にしてください。

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③次に進むべき道を決める

自分自身と向き合うことで気持ちの整理ができたら、いよいよ具体的な行動に移しましょう。

たとえば、会社の方針に共感できたとしても現在の部署が合わない場合は異動を、キャリアアップを目指すなら転職、また思い切って退職を選ぶ道もあります。どの道を選んでも新たな挑戦や困難は避けられませんが、それを乗り越えることで成長につながります

今の会社に残って働き続けるのか、新しい環境を求めて転職や退職を選ぶのか、さまざまな選択肢の中から自身に最適な道を選んでみてください。

異動願いを出してみる

現在の会社に残る決心をしたなら、異動願いを出してみましょう。人間関係や仕事内容が原因で逃げたいと感じていても、部署を変えることで状況が改善する可能性があります。

たとえば、今まで働いていた営業部門が合わないと感じていても、企画や管理の仕事であれば自身に向いているかもしれません。また、異動先の新しい環境で自身の才能が開花するかもしれないのです

ただし、異動後の業務内容や人間関係が必ずしも良いという保障はありません。さらに、異動できるかどうかは会社側が判断するため、希望部署への異動が通らないことがあると念頭に置いたうえで、異動願いを出してみましょう。

もし異動願いが通らなかったら辞めても良いと判断するべきですか?

吉野 郁子

プロフィール

どうすれば現状を変えられるかを社内の人に相談してみよう

「異動願いが通らなかった悩み」を相談できる相手は社内にいませんか?

異動制度は会社によって大きく異なります。なぜ願いが通らなかったのかは、外部からではわかりません。

「誰もが希望する花形部署だった」「ちょうどその部署に空きがなかった」「本人の実力がまだ不足している」など、さまざまな理由が考えられます。

少なくとも「このままでは嫌だ」と強く感じるほど悩んでいる状況なのですから、その気持ちを理解し、一緒に考えてくれる人が社内にいれば、状況が改善する可能性があります。

転職活動の一歩を踏み出す

別の会社で新たなスタートを切りたい人や今の会社は自身に合っていないと感じた人は、転職活動の一歩を踏み出しましょう。

転職活動をするなかで企業の求人情報に触れ、本当にやりたい仕事、自身に合った業種を見つけられるかもしれません。すでに気持ちを整理した段階で目標が再認識できている人は、目標に近づけるような職種を選んでみても良さそうです。

注意したいのは、仕事から逃げたいあまりに興味のない企業を受けてしまうことです。転職先の企業選びの際は、自身のキャリアビジョンと合っているかも大事ですが、年間休日や企業の口コミなど細かい情報も見ながら判断しましょう。

焦って転職先を決めてしまうと、同じような悩みを抱え、再び仕事から逃げたい気持ちになってしまう可能性があります。比較検討したうえで、転職先を選んでみてくださいね。

思い切って退職を検討する

心身の不調がすでに出ている場合や、ハラスメントやブラックな環境に耐えられないときは、思い切って退職することを検討しましょう。

退職すれば、即座に仕事のストレスから解放され、自分を見つめ直す時間が持てるだけでなく、新たなキャリアへの準備期間も確保できます。もちろん、退職した後の収入が途絶えることや、次の仕事が見つかるまでの不安などリスクがあることは理解しておきましょう

退職は決して後ろ向きな選択ではありません。ゆっくりと休養を取ったり、新たな仕事に挑戦したりと、自分のペースで進められるため、退職の道も選択肢の一つとして考えてみましょう。

「仕事から逃げたいけど不安もある……」よくある葛藤に就活のプロが回答!

仕事から逃げることは甘えではなく、悪いことではないと理解できた一方で、「辞めた後が心配」や「本当はまだ頑張った方が良いのでは?」と考えている人もいるかもしれません。

たしかに、辞めた後、新しい環境に飛び込むのは不安に感じてしまいますよね。また、いざ辞めたい意志をうまく伝えられるか心配になる人もいるはずです。

そこで、仕事から逃げるときに感じてしまう3つの葛藤について、キャリアコンサルタントからアドバイスをもらいました。辞めることを不安に感じている人は参考にしましょう。

実績やスキルがない状態で辞めるのは危険?

転職や退職を考えている人に多いのが、「実績やスキルがあった方が有利に働く」という意見です。

たしかに、実績やスキルがあれば次の就職活動で有利になるのは事実かもしれません。次に志望する企業でも、面接時に自己アピールとして使える強みになるものです。

しかし、「スキルがないからといって転職や退職後に不利になるのか?」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか

では、実際に実績とスキルがない人が辞めるのは本当に危険なのか。また、対処法があればどのようにすれば良いのかをキャリアコンサルタントの西さんにアドバイスを聞きました。

アドバイザーコメント

これまでに自分が身に付けたスキルを棚卸しして進退を考えよう

たしかに、実績やスキルがない状態で辞めるのは危険がうともなうかもしれません。しかし、みなさんが思うほど「〇〇で1位になった」という人は案外少ないです。そのような一見輝かしそうに見える実績も、次の会社で同様の成果が出せるとは限りません。

また、「私にはスキルがない」と言う人もいますが、スキルは資格ではありません。「誰でも笑顔にすることができる」「細かいところに気づく」というのも立派なスキルです。スキルというのは「自分の強み」です。

過去の経験(学生生活、アルバイト時代も含めて)から、小さな成功体験をリストアップし、なぜ成功したのかを分析して、自分の強みを見つけてください。誰かから褒められたことでも構いません。どのように役に立ったのかを棚卸しすることが重要です。

一つの仕事を続けるための自分の課題も明確にして次に活かそう

そして、会社を辞める前には自暴自棄にならず、辞める理由を冷静に分析し、次に「辞めない」ようにするためにどんな課題が自分にあるのかを明確にしましょう。何をどのように改善するのか、また、改善してきたのかを次の会社の面接では聞かれることもあります。

せっかく就職した会社ならもっと頑張るべきなのでは……

仕事を辞めたいと思いながらも、自身の頑張りが足りないと感じている人もいるのではないでしょうか。一度選んだ会社で努力を重ね企業とともに成長していくのは、たしかに大事なことです。

しかし、「頑張るべき」という考えが自身を追い詰めてしまうケースも少なくありません。無理をして体調を崩したり、やりがいを失ったりするのは、長期的に見てマイナスになる可能性もあるのです。

今回は、これまで数多くの転職希望者の相談に乗り、アドバイスをしてきたキャリアコンサルタントの若林さんに、本当に今の会社で頑張り続けるべきなのかを見極めるポイントを伺いました。

アドバイザーコメント

転職が珍しくない現代ならではのキャリアの見つめ方がある

大学生の話を聞いていると、就活する際に漠然と「終身雇用」を意識していると感じます。まだ社会に出ていないので実感できていないのかもしれませんが、実際新卒3年以内の離職率は3割程度で、10年後には9割が離職しているというデータも出ています。

つまり、人によって理由はさまざまですが、一つの会社に長くいる人のほうが珍しい社会になっているのです。

今「仕事から逃げたい」と思っている人の中には「まだ頑張らないと!」「辞めるのは甘えだ!」と自分を追い詰めている人もいるかもしれません。そういう人は肩の力を少し抜いて、転職を含めて自分のキャリアを見直してみてはどうでしょうか。

日々の仕事に自分で張り合いを持たせることも大切

今の会社で頑張るなら、スモールステップを大切にし、一日の仕事の中で自分のやりがいを見出したり、自分の中での目標を設定し、達成するまでは仕事を続けるなど、目に見えるやりがいを感じられるようにしましょう。

漠然と働いてしまうと、仕事に飽きて辞めたくなってしまう人もいます。そうならないように、自分で主体的に仕事をする、キャリアを構築するという意識を持つことも大切です。

会社に伝えにくいときは退職代行を使うのはアリ?

退職を決意したものの、いざ会社側に伝えるのは勇気がいるものです。

特に、人間関係や部署内の雰囲気が原因で退職する場合は、退職の意志を伝えることでさえストレスに感じてしまいますよね。

「気まずくなるのは避けたいので、円満に退社したい」「スムーズに退職手続きを進めたい」と考える人に向いているのが、退職代行のサービスです。自分の代わりに会社への退職の連絡や手続きをしてくれますが、「実際に使用しても良いの?」と疑問に感じますよね

そこで、退職代行を利用する際のメリットやデメリット、そもそも利用しても良いのかをキャリアコンサルタントの吉野さんに聞いてみました。

アドバイザーコメント

退職代行は使い方やサービスを提供する会社の信頼性にも要注意

退職代行はニュービジネスとして話題になっています。退職申し出の勇気が出ない、交渉が面倒と感じるときに、本人に代わって連絡をしてくれる業者です。ただ、これは法的な行為ではなく、「お母さんから会社へ電話してもらう」と本質的には変わらないものです。

スキマ産業としてニーズはあるものの、「否定はしないが、あまり褒められる話ではない」「積極的に推奨するものではない」といった感想を抱きました。

特に心配なのは、その退職代行会社が信頼できるかどうかです。退職代行を利用すると、非常にセンシティブな個人情報が業者に知られます。悪意を持って情報を売られるリスクもあるため、悪質な退職代行業者がいないとは限りません。

安易に楽なほうを選ばず自分にできることがないか調べてみよう

そのため、退職代行を安易に利用するよりも、メールや内容証明郵便で正式に退職を申し出たり、各都道府県の「労働相談」に相談したりするなど、法律的に認められた手段を使うことをお勧めします。

もしどこに相談すべきかわからない場合は、最寄りのハローワークで「退職交渉が難航したときに相談できる場所」についてたずねると、いろいろなアドバイスをもらえるでしょう。

仕事がつらくて悩む社会人は多い! 関連するQ&Aを参考にしよう

この記事を読んでいる人の中には、ほかの仕事がつらくて悩める社会人がどのような疑問や葛藤をしているのか気になる人もいるのではないでしょうか。

そこで、PORTキャリアに寄せられた悩みから仕事のつらさに関する4つのQ&Aを紹介します。キャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、仕事から逃げたいと感じている人の疑問を自身の就活にも役立てていきましょう。

仕事から逃げたいと考えても大丈夫! 状況に合わせて適切な措置を取ろう

仕事から逃げたいと思うのは甘えだと考えがちですが、逃げたいと感じるのは決して悪いことではなくマイナスにとらえる必要はありません。むしろ自身の身を守るためにも、仕事がつらいときは逃げ出しても良いのです。

ただし、自身がなぜ仕事から逃げたいと感じているのかが重要です。ただ「何となく逃げたい」や「今の仕事にやりがいを感じる」と思うときは、一度踏みとどまってどのように行動するかを考え直してみましょう。

もちろん、心身の異常や精神的疲労を感じているときは、逃げる選択をしてしっかりと休養を取ってくださいね。

自身が逃げたい理由を思い返してみて、これからのキャリアに支障が出ない最善の選択をしてみてくださいね。

アドバイザーコメント

仕事から逃げたいと思ったときは自分の健康を最優先に考えよう

人は大なり小なり、「仕事から逃げたい」と考えるものです。「逃げたい」というのは自分を守る本能でもあります。自分をあまり責めず、自分の気持ちに正直になってくださいね。

すべての土台は「健康」です。健康でなければ何もできません。健康だからこそできることが無数にあります。「つらいな」と感じたときには一度立ち止まって、冷静に自己分析をしてください。

そして、何が原因でそう感じているのか、どのようなサポートが必要なのかを考え、自分で乗り越えることができるものと、周りの協力が必要なものとを分けてください。専門家の支援を借りたほうが、大事に至らずに済むこともあります。

焦らず自分のペースで前向きな心を取り戻していこう

すぐに立ち直れる人もいれば、ある程度の期間が必要な人もいるかもしれません。自分のペースでゆっくりと無理をせずにやっていけば、必ず将来大きな変化が訪れます。あなたの体はあなただけのものではありません。あなたを含む周りが今よりももっと幸せになれるように、今あなたがするべきことに全力を傾けてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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