この記事のまとめ
- 「少しくらいなら」はNG! 履歴書の経歴詐称はバレる
- 履歴書の経歴詐称は3つの犯罪に当てはまる
- あなた大丈夫? 無意識に経歴詐称をしているケースも
近年、SNSの普及にともない、企業のコンプライアンス意識も高まっています。そこで問題になっているのが、履歴書の経歴詐称です。ほんの少し背伸びをしたくて「些細な記載ミスだから」「バレないだろう」と嘘をつくと、取り返しのつかない事態を招きます。
経歴詐称は、意図的なものであれ、うっかりミスによるものであれ、一度発覚すれば内定取り消しや懲戒解雇などの深刻な結果につながりかねません。特に資格詐称が発覚したケースでは、その後の再就職にも大きな影響をおよぼします。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、柴田さん、村谷さんのアドバイスを交えながら、履歴書における経歴詐称の具体的な事例や、その深刻な影響について解説します。
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「少しくらい」はNG! 履歴書の経歴詐称はバレる
経歴詐称で問題になるケースに共通しているのは、「これくらいなら大丈夫」という安易な判断です。先ほども触れたとおり、最近では企業のコンプライアンス体制の強化により、入社後も定期的な経歴確認がおこなわれるケースが増えています。つまり、些細な経歴詐称でも必ず発覚するということです。
注意したいのは、意図せず起こってしまう記載ミスから、「少しくらいなら」という軽い気持ちの虚偽記載まで、すべての不実な記載は経歴詐称として扱われることです。記事では、必ず露見する経歴詐称の実態や法的リスク、発覚時の取り返しのつかない影響について、具体的な事例とともに解説します。
企業がどのような確認体制を整えているのか、なぜ経歴詐称が発覚するのか、その仕組みも含めて詳しく説明します。発覚時の具体的な処分事例や、その後のキャリアへの影響まで包括的に解説しますので、記事を最後まで読めば取り返しのつかない選択を未然に防ぐことができるでしょう。
こちらの記事では、就活に関する嘘が与える影響について詳しく解説しています。リスクについて理解を深める参考にしてみましょう。
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アドバイザーコメント
村谷 洋子
プロフィールを見る面接での一貫性のない回答や専門的な知識が欠けている場合に発覚する
経歴詐称は、ほぼ必ずといっていいほど発覚します。ここでは、主な発覚のタイミングと理由をお伝えします。
まず、面接段階では、詳細な質問への回答の齟齬から不自然さに気付かれることが多いです。特に、複数回の面接で異なる面接官から同様の質問を受けた際、一貫性のない回答は怪しいと思われます。また、その業界特有の専門用語や、経験者であれば当然知っているはずの基本的な知識が欠けている場合も同様です。
入社前後で提出する書類で過去の経歴を照会される場合がある
企業によっては、採用の最終段階でバックグラウンドチェックを実施し、履歴書や職務経歴書に記載された情報の確認をおこなうことがあります。業種によっては、さらに身辺調査がおこなわれ、そこで発覚するケースもあるのです。
入社後には、提出する資格証明書類や、年金・保険の手続きの際に、過去の職歴や資格が照会されることがあります。また、同業界出身の同僚との会話の中で、知識や経験の不自然さが露見することもあるでしょう。
経歴詐称が発覚した場合、内定取り消しや懲戒解雇といった措置にとどまらず、損害賠償請求や刑事罰に発展する可能性もあります。その事実が業界内で共有されることで、将来の就職活動に大きな支障をきたす恐れもあるでしょう。
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履歴書の経歴詐称には2パターンあることを知っておこう
履歴書の経歴詐称には2パターンあることを知っておこう
- 記載ミスによるもの
- 故意的なもの
- 資格や免許
- 雇用形態
履歴書の経歴詐称は、就職活動や転職において重大な問題となっています。一度発覚すれば取り返しのつかない事態を招きかねません。
実際に、資格詐称が発覚し解雇されてしまえば、その後の再就職は困難を極めるでしょう。特に同業種での就職は極めて難しくなり、築き上げてきたキャリアを大きく方向転換せざるを得ない状況に追い込まれることも少なくありません。
意図的なものであれ、うっかりミスによるものであれ、一度失った信用を取り戻すのは非常に困難です。一度の経歴詐称が、人生を変えてしまうこともあります。後で取り返しのつかない事態に陥らないよう、履歴書における経歴詐称の2つのパターンについて、しっかりと理解しておきましょう。
①記載ミスによるもの
記載ミスによる経歴詐称は、いわゆる最初から虚偽の申告をする意図はなく、記載ミスなどが原因で起こってしまうケースです。在籍期間や卒業年月の書き間違い、所属部署名の誤記載などがその典型例です。特に多いのが、入社・退社の年月を間違えるケースで、複数の職歴がある場合は在籍期間が重複してしまうような記載ミスも発生します。
このようなミスは、書類選考や面接の段階で発覚することが多く、その際は素直に謝罪し、正しい情報を伝えましょう。ただし、「細かい部分まで注意を払えない人物」という印象を持たれる可能性もあるため、履歴書作成時には十分な確認が必要です。
- 履歴書詐称について、本当にわざとではなかった場合でも、内定取り消しや犯罪になってしまうのでしょうか。
確認不足という点でマイナス評価になる可能性がある
履歴書や職務経歴書を書くとき、多少の間違いは誰にでも起こり得るものです。
たとえば資格名を正確に覚えていなかった、学校の卒業や入社の年月を勘違いしていた、などに関しては故意ではない誤りとして「詐称」とまではみなされないケースがほとんどです。
ただ、詐称でなければなんでもOKというわけではなく、きちんと調べて書類を準備しなかったという点で評価が下がる可能性があるので気を付けましょう。
一方で、取得していない資格を記述する、入学していない学校や入社していない会社について、在籍していたと書いてしまうのは、上記のような「勘違い」で済まされません。
内定取り消しや犯罪行為とみなされる場合もあるので絶対に避けてください。
こちらの記事では失敗しない履歴書の書き方をプロが解説しているので参考にしてみてください。
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②故意的なもの
故意的な経歴詐称は、意図的に虚偽の情報を記載するケースです。未取得の資格を保有していると偽る、実際には経験していない職務経験を記載する、学歴を偽るなどが該当します。これは明確な不正行為であり、発覚した場合は内定取り消しや懲戒解雇など、重い処分の対象となります。
特に資格が必要な業務や、専門的なスキルが求められる職種において経歴を詐称した場合、業務上の重大なトラブルを引き起こす可能性もあります。また、一度このような不正が発覚すると、その後の就職活動においても大きな障害となり、キャリアの選択肢を著しく狭めてしまうリスクもあります。
内定取り消しは法的に認められない場合もあります。不安な学生はこちらの記事で対処法を押さえておきましょう。
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内定だけでなく、内々定を取り消されるケースもあります。内々定が取り消しになるケースは9つのケースの対処法はこちらで解説しています。
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③資格や免許
資格や免許の詐称は、特に重大な問題となりやすい経歴詐称の一つです。必要な資格を持っていないのに保有していると偽ることは、法的責任を問われる可能性があるだけでなく、業務上の重大な事故や問題につながる恐れがあります。
資格詐称が発覚した場合、単なる解雇だけでなく、業務上の違法行為として刑事責任を問われる可能性もあります。
たとえば、医療や建設業界などでは、必要な資格がないまま業務をおこなうことは法律違反となり、刑事罰の対象となることもあります。また、語学資格などを偽った場合、実務で求められる能力が不足し、会社に損害を与える可能性もあります。
- 資格を「取得見込み」と書いたけど、実際には取得できなかった場合はどうすれば良いでしょうか?
結果が出たらすぐに企業へ連絡して正直に伝えよう
資格の結果が出た時点で、速やかに採用担当者に連絡をしましょう。連絡が遅くなれば、なぜすぐに連絡をしないのか問われます。
連絡する際は、取得できなかったことだけ伝えるのではなく、応募職種で活かせる資格や必要な資格であれば、引き続き取得に向けて努力していくことと、いつまでに取得するか、そのためにどのように取り組むかまで伝えます。
取得したなど嘘をつくと問題が大きくなりますので、正直に伝えましょう。
嘘の資格を書くことなくアピールをするには、コツコツ勉強を重ねるしかありません。時代に応じて役立つ資格は変わるので慎重に選びましょう。
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④雇用形態
雇用形態の詐称は、正社員としての経験をアピールするために、実際はアルバイトやパートタイムであった職歴を正社員として記載するようなケースです。このような詐称は、企業の採用判断に重要な影響を与える虚偽情報となります。
雇用形態の詐称が起こりやすい背景として、正社員経験を重視する採用慣行や、非正規雇用者が正社員転換を目指す際の不安が挙げられます。しかし、実態と異なる雇用形態を記載することは、たとえ業務内容が正社員と同等であったとしても、明確な経歴詐称となります。
雇用形態を偽らず、むしろ正直に記載したうえで、そのなかでどのような実績を上げたかアピールするほうが、企業からの信頼を得られます。
正社員経験がないことに不安を感じても、職歴を詐称することは採用に不利になる可能性があります。職歴に自信がない場合のポジティブな言い換えについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
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履歴書の経歴詐称が該当する犯罪例
履歴書の経歴詐称が該当する犯罪例
- 軽犯罪法違反
- 詐欺罪
- 文書偽装の罪(私文書偽造罪・公文書偽造罪)
経歴詐称は、単なる不正行為というだけでなく、場合によっては犯罪として扱われる可能性があります。深刻なのは、これらの犯罪で有罪となった場合、前科として記録が残ることです。
これは、将来的な就職活動において極めて大きな障害となります。多くの企業では、犯罪歴のある応募者に対して採用を見送る傾向があります。
また、これらの犯罪は、刑事責任だけでなく民事上の責任も問われる可能性があります。企業から損害賠償を請求されたり、すでに支払われた給与の返還を求められたりする可能性も。その重大性を理解するため、経歴詐称が該当しうる犯罪について、具体的に見ていきましょう。
軽犯罪法違反
経歴詐称は、一見すると軽い違反のように思えるかもしれませんが、その影響は決して小さくありません。
軽犯罪法第1条15号の「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、または資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章そのほかの標章若しくはこれらに似せて作つたものを用いた者 」に該当する可能性があるからです。
実際には持っていない資格を保有していると偽って就職活動をおこなった場合などが、この法律に抵触する可能性があります。たとえば、必要な資格を持っていないにもかかわらず保有していると偽り、企業の採用活動を妨げるような行為が該当します。軽犯罪法違反の場合、拘留または科料に処せられることがあります。
多くの企業では、採用時に犯罪歴のチェックをおこなっており、たとえ軽犯罪法違反であっても、前科があることで採用を見送るケースが多いです。
犯罪歴は公的機関のデータベースに記録されます。また、ネット時代の現在では、実名報道された場合、インターネット上に情報が永久に残る可能性があるのです。
さらに、海外への渡航制限や特定の職業への就職制限などを通じて判明するケースもあります。
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詐欺罪
経歴詐称が、企業に対する欺罔行為として認定された場合、刑法第246条の詐欺罪に該当する可能性があります。偽りの経歴を用いて高額な給与や報酬を得た場合、詐欺罪として立件されるリスクがあります。
詐欺罪で立件されるケースの例
- 必須資格を偽って専門職に就いた場合
- 架空の職歴を利用して高額な報酬を得た場合
- 虚偽の経歴をもとに重要な役職に就いた場合
さらに、詐欺罪で有罪判決を受けた場合、前科として残るだけでなく、社会的な信用も著しく失墜します。金融機関や公的機関への就職が難しくなることはもちろん、一般企業でも採用を見送られるケースがほとんどです。
このように、経歴詐称による詐欺罪は、その人の人生に取り返しのつかない影響をおよぼす可能性があることを、しっかりと認識しておく必要があります。
文書偽装の罪(私文書偽造罪・公文書偽造罪)
経歴を証明する書類を偽造した場合、その書類の種類によって私文書偽造罪または公文書偽造罪に問われる可能性があります。単なる履歴書の虚偽記載とは異なり、文書偽造は明確な犯罪行為として扱われ、その処罰も厳しいものとなります。
私文書偽造罪は、会社の在籍証明書や推薦状などを偽造した場合に適用される可能性があります。具体的には、過去の勤務先の社印を偽造したり、実在しない上司の推薦状を作成したりするような行為が該当します。この場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
一方、公文書偽造罪は、卒業証書や資格証明書など、公的機関が発行する文書を偽造した場合に適用されます。たとえば、大学の卒業証明書や国家資格の証明書を偽造するケースが該当します。
この場合は私文書偽造よりも重い、10年以下の懲役が科せられる可能性があります。公文書が持つ高い信頼性と重要性を損なう行為として、特に厳しく処罰されるためです。
これまで説明したように、履歴書の嘘は内定取り消しや犯罪につながります。後ろめたく感じる情報を正直に書くことのメリットをこちらで解説していますよ。
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履歴書で嘘を書いてバレると、経歴詐称による犯罪で処分を受ける可能性があります。本来伝えておくべき犯罪歴や持病を書かないことも嘘に該当するので、注意しましょう。この記事では、キャリアコンサルタントと社労士による企業目線の解説も交え、履歴書の嘘がバレやすい理由やバレたときのリスクを説明します。
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無意識にやってない? 履歴書の経歴詐称に当たる項目
無意識にやってない? 履歴書の経歴詐称に当たる4つの項目
- 学歴
- アルバイトの在籍期間
- 資格や免許
- 雇用形態
履歴書作成時、意図せずに経歴詐称をしてしまうケースは意外と多いものです。特に、「大したことではない」「これくらいなら」という安易な考えで記載してしまう部分こそ、要注意です。
意図的な詐称でなくても、事実と異なる記載は経歴詐称として扱われる可能性があります。特に最近では、企業の経歴確認が厳密化しており、些細な不一致でも発覚するリスクが高まっています。SNSの普及により、経歴の裏付けが簡単になっていることも、発覚のリスクを高めている要因です。
就職活動では、学歴やアルバイト経験が重要な評価材料となることから、これらの項目については特に注意深く記載する必要があります。この章では、よくある経歴詐称の事例と、その問題点について詳しく解説していきます。
①学歴
企業にとって学歴は、応募者の基礎的な知識や能力を判断する重要な指標です。学歴のみで評価されることはないにせよ、新卒採用においては、少なからず判断材料の一つとなり得る要素ではあります。
そのため、次のような記載は、すべて学歴詐称に該当する可能性があります。
履歴書詐称に該当する可能性のあるケースの例①
- 中退を卒業と記載する
- 在学中の学校を卒業したように記載する
- 留年や休学期間を隠して修業年限通りに卒業したように装う
- 実際と異なる学部・学科を記載する
- 編入学の経歴を隠し、最初から在籍していたように記載する
特に気を付けたいのが、中退の扱いです。「在学していたことは事実だから」と考えて安易に卒業と記載してしまうケースがありますが、これは明らかな詐称となります。中退と卒業では、習得した知識や単位数に大きな差があるためです。
また、学校名の記載についても注意が必要です。たとえば、学校の統廃合や名称変更があった場合は、在学当時の校名を正確に記載しましょう。
- 学歴の詐称はどのようにしてバレるのでしょうか?
卒業証明書や面接時の受け答えの矛盾からバレる
学歴に関しては、卒業証明書の提出を求められれば詐称はすぐにバレてしまいます。職歴については雇用保険や厚生年金の加入歴などから発覚するケースがあります。
また、面接のときの受け答えで勤務年数や経験などの矛盾から見つけられることも少なくありません。さらに近年では志望者のSNSをチェックしている人事担当者もいるため、その記述などから見抜かれるといったこともあるでしょう。
②アルバイトの在籍期間
アルバイト経験は、応募者の社会性や責任感を判断する材料となります。「学校の外の話だから、問題ないだろう」と考える人もいるかもしれませんが、次のような記載は経歴詐称となる可能性があります。
履歴書詐称にする可能性のあるケースの例②
- 実際の在籍期間より長く記載する
- 断続的な勤務を継続的な勤務として記載する
- 週1回程度の勤務を正社員のような勤務形態と誤解させる書き方をする
- 実際には研修期間だった期間を正式な勤務期間として記載する
- 短期の単発バイトを長期継続しているように記載する
新卒採用では、アルバイト経験をアピールポイントにする人も多いものです。自分を良く見せたいがために期間を延ばそうとする人もいるかもしれませんが、どんな理由であれ、嘘の記載は経歴詐称となります。たとえ数カ月の違いであっても、事実と異なる記載はやめましょう。
複数のアルバイトを掛け持ちしていて期間が重複する場合は、それぞれの勤務時間、週の勤務日数などを正確に記載することが重要です。
応募企業で活かせるアルバイト経験であれば、勤務実態から能力を評価されることがあります。
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人事担当者に聞いた! 履歴書の経歴詐称のリアルな結末とは?
採用担当者は人を見るプロフェッショナルです。経歴詐称は、遅かれ早かれ発覚します。「少しくらいならバレないだろう」と甘くみていると、後悔することになるのです。
では、実際にどのようなケースが経歴詐称として扱われ、発覚時にはどのような処分が下されたのでしょうか。その後のキャリアにどのような影響がおよぶのかと併せながら、履歴書の経歴詐称の実態について、キャリアコンサルタントの柴田さんに聞いてみました。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る経歴詐称の発覚後に内定を取り消され一から就活することになる
学歴や職歴を詐称することで自分を少しでも良く見せた場合、志望の会社から内定が得られるといったメリットがもたらされます。しかし、そのような行為はやがて明るみになるものです。
内定の時点で経歴詐称が発覚すれば、もちろん内定取り消しになることが予想されます。それだけならまた就活すれば良い、と安易に考えてしまいがちですが、ほかの人がすでに就活を終えた時点でまた動かなければならないのはもっと大変です。
すでに良い案件の募集は締め切られているかもしれません。また、面接で「なぜこの時期まで内定が得られなかったのでしょうか」と質問されたら、また嘘を重ねなければならなくなります。
経歴詐称をすることのリスクをよく理解して正々堂々と勝負しよう
さらに大変なのは、入社してから発覚した場合です。最悪の場合解雇ということにもなりかねませんので、そうなれば今後のキャリアに大きな負の影響をもたらします。ひとたび解雇されたという履歴があれば、転職活動もままならなくなります。
また、詐称が悪質な場合は何らかの損害賠償請求を起こされるケースもありますので、どんなに入社したい企業であっても経歴詐称だけは絶対に避け、正々堂々とこれまでの自分で勝負してください。
未来が台なしに……履歴書の経歴詐称がもたらす4つのリスク
未来が台なしに……履歴書の経歴詐称がもたらす4つのリスク
- 内定が取り消しになる
- 解雇や懲戒解雇の可能性が高まる
- 損害賠償のリスク
- 社会的信用の失墜
履歴書の経歴詐称は、発覚した時点であなたの人生を大きく狂わせる可能性があります。これらの処分は、発覚までの勤務態度や業績が良好であったとしても、免れることは難しいとされています。あなたが積んできた信頼や実績が、小さな嘘ひとつですべて崩れてしまう場合もあるということです。
経歴詐称は「信頼関係を根本から損なう行為」として扱われ、情状酌量の余地が極めて少ないことを理解しておきましょう。
ここでは、経歴詐称がもたらす4つの重大なリスクについて詳しく解説します。
①内定が取り消しになる
経歴詐称が採用プロセスの途中や内定後に発覚した場合、内定取り消しとなるのが一般的です。たとえ些細な経歴詐称であっても、「信頼関係を損なう重大な違反行為」として扱われ、内定取り消しの対象となります。
内定取り消しは、単に就職活動をやり直さなければならないというだけではありません。その事実が他社の採用担当者やグループ会社の耳に入る可能性も高く、その後の就職活動に大きな支障をきたすことになります。特に新卒採用の場合、タイミングを逃してしまうと正社員としての就職機会を著しく損なう恐れがあります。
また、内定取り消しとなった場合、すでに他社の選考を辞退していたり、住居の契約をしていたりすると、金銭的な損失も発生する可能性があります。就職活動のスケジュールが大幅に遅れることで、生活設計全体に影響がおよぶことも考えられます。
新卒の就職活動は活動期間が限られているため、内定取り消しになれば新たに就職活動をおこなうことになり、内定を取ることが難しくなります。
また、関連企業などに履歴詐称の情報が入る可能性があるため、内定をもらうことが難しくなるでしょう。
②解雇や懲戒解雇の可能性が高まる
入社後に経歴詐称が発覚した場合、多くの企業では懲戒解雇処分となります。通常の解雇と異なり、懲戒解雇は本人の重大な非違行為を理由とする解雇であり、退職金の没収や、次の就職先での不利益など、より深刻な影響をもたらします。
さまざまなケースがありますが、なかでも業務に必要な資格を詐称していた場合は即座に職を失うことになります。この場合、それまでに携わっていた業務の正当性も問われる可能性があり、会社に重大な損害を与えたとして、損害賠償を請求されるリスクもあるでしょう。
懲戒解雇となった場合、履歴書に記載する退職理由として「懲戒解雇」と明記する必要があり、これは転職活動において極めて大きな障壁となります。多くの企業では、懲戒解雇の経歴がある応募者に対して極めて慎重な姿勢を取るからです。
また、通常の退職とは異なり、懲戒解雇の場合は失業保険の給付制限が設けられており、一定期間経過後でなければ給付を受けることができません。これにより、一時的な収入が途絶えてしまう問題も発生します。
③損害賠償のリスク
経歴詐称によって会社に損害を与えた場合、民事上の損害賠償を請求される可能性があります。特に、詐称した資格や経験が業務遂行に必要不可欠なものであった場合、その影響は甚大です。
たとえば、資格が必要な業務を無資格でおこなっていた場合、その間におこなった業務すべてが無効となる可能性があります。その結果、取引先との契約が無効になったり、プロジェクト全体がやり直しになったりした場合、その損害額を請求される事態に発展することも起こり得ます。
また、会社の信用を著しく損なった場合にも、損害賠償の対象となることがあります。その経歴詐称が報道されるなどして会社の評判に影響がおよんだ場合、信用毀損による損害として多額の賠償を求められるケースもあります。
経歴詐称が発覚した場合、今まで支払った給与の差額分を遡って返還請求される可能性があります。
また、給与額以上の損害賠償額を請求される恐れも当然あるでしょう。さらに、裁判沙汰に発展すれば多大な時間と費用がかかり、社会的信用を失うリスクも避けられません。
④社会的信用の失墜
経歴詐称が発覚すると、その事実は長期にわたって当人の評価に影響をおよぼします。インターネットやSNSが発達した現代では、一度公になった情報を完全に消し去ることは極めて困難です。
同業界での再就職が極めて困難になるのは言うまでもありません。採用担当者の多くは、経歴詐称の前歴がある応募者に対して極めて慎重な判断を下します。業界内での人的ネットワークが密接な分野では、その情報が広く共有される可能性も高くなります。
さらに、一度経歴詐称をおこなってしまうと、たとえ別の会社に就職できたとしても、常に発覚のリスクと向き合い続けなければなりません。罪の意識や精神的なストレスと向き合いきながら社会人生活を送らなければいけないことを、覚悟せざるを得ないでしょう。
履歴書の経歴を詐称した場合は誠実に対応しよう
履歴書の経歴を詐称した場合は誠実に対応しよう
- 内定前:早期の説明と謝罪をしよう
- 内定後:誠実に事実を認め、企業側の対応に従おう
経歴詐称をしてしまった場合、その発覚は避けられません。これは経歴詐称に限ったことではありませんが、嘘はいつか必ずバレるものです。また、一度発覚すれば、その影響は計り知れないものとなります。
結論として、経歴詐称が発覚した際は、マイナスの印象を与えてしまうことは避けられません。万が一にでも経歴詐称をしてしまった場合は、できるだけ早期に、かつ誠実な対応を取ってください。
発覚してからでは「なぜ自分から申し出なかったのか」という新たな不信感を招くことにもなりかねません。ここでは、状況別の具体的な対応方法について詳しく解説します。
内定前:早期の説明と謝罪をしよう
書類選考や面接の過程で経歴詐称に気付いた、あるいは後悔した場合は、できるだけ早く採用担当者に申し出ることが賢明です。意図的な詐称ではなく、単純な記載ミスである場合も、速やかに訂正と謝罪をしましょう。
選考途中での申告は、確かに勇気のいる決断です。しかし、遅れれば遅れるほど、事態は深刻になっていきます。面接官があなたの履歴書の情報に疑問を感じている場合、自主的な申告がないことで、さらに信頼を失うことになるでしょう。
また、記載ミスの場合、素直な訂正と謝罪は、むしろあなたの誠実な人柄を証明することにもなります。あくまで意図的でない場合に限りますが、企業側も自ら非を認め、正直に申し出る姿勢を評価することもあります。
- 詐称と内容を盛ることはどう違うのでしょうか?
虚偽の情報を記載するか事実を誇張して記載するかの違い
履歴の詐称は、事実と違うことを記載する行為で、盛る行為は、事実の誇張や脚色です。
詐称は虚偽の情報を記載するので、発覚すれば内定取り消しや解雇などの可能性があります。
盛ることだけで内定取り消しになることはありませんが、面接の回答などから盛っていることが判明すれば、ほかの回答も信頼されなくなりますし、入社後能力を発揮できず問題になることもあるでしょう。
内定後:誠実に事実を認め、企業側の対応に従おう
内定後に経歴詐称が発覚した場合、または自己申告する場合は、より慎重な対応が必要です。この段階では、内定取り消しという重大な結果につながる可能性が高く、より多くの人がかかわる複雑な対応が求められるからです。
場合によっては、人事担当者だけではなく、人事担当者や社長を巻き込んだ対応が必要になることもあります。
内定後の申告は、企業側にとってより深刻な問題として受けとめられます。すでに内定を出している分、企業側も採用計画の変更を余儀なくされる可能性があるためです。
だからこそ、誠実な対応が極めて重要になります。安易な言いわけや責任転嫁は避け、示談などの条件がある場合は、真摯に検討しましょう。
履歴書を詐称する前に! 就活でもっておきたい3つのマインド
履歴書を詐称する前に! 就活でもっておきたい3つのマインド
- 完璧に募集要項に合う人はいない
- 経歴がすべてではない
- 嘘をついて入社できても意味がない
経歴詐称という選択肢を考えてしまう背景には、往々にして心に強い焦りや不安があります。しかし、一時的な焦りや不安から経歴詐称という選択をしてしまうと、取り返しのつかない結果を招くことになりかねません。
就職活動において、自分の経歴や能力に不安を感じ、経歴詐称を考えてしまう人もいるかもしれませんが、それは最悪の選択肢であることを胸に刻んでおいてください。
就職活動はライバルも多く、確かに厳しい戦いです。しかし、誠実に自分と向き合い、正直に自身の経験や能力を伝えることで、必ず道は開けます。
ここでは、経歴詐称という選択を避けるために、就職活動において持っておくべき3つの重要なマインドについて説明します。
①完璧に募集要項に合う人はいない
多くの求人情報には、理想的な求める人材像が募集要項として記載されています。「○年以上の経験」「△△の資格保有」「□□のスキル」など、一見すると高いハードルに思えるかもしれません。
しかし、実際には、これらの要件に完璧に当てはまる人材はほとんどいません。企業側も、すべての条件を満たす候補者を見つけることは難しいことを理解しています。そのため、募集要項は「理想の条件」であり、実際の採用では、それぞれの項目にどの程度合致しているかを総合的に判断します。
むしろ重要なのは、自身の強みと弱みを正直に伝えたうえで、不足している部分については「今後どのように習得・克服していくか」という意欲と具体的なプランを示すことです。このような誠実な姿勢は、企業側から高く評価されることが多いのです。
若年層の就職活動では、企業の求める人物像に完全一致しなければならないといったことはありません。
多少は要件に満たない部分があっても、類似した経験があるとか、今後そのスキルを身に付けられる要素を持っていると伝えられれば、それらを評価してもらえるでしょう。
②経歴がすべてではない
確かに、経歴や資格はアピールの強みとなります。しかし、それらは採用の判断材料の一部に過ぎません。ポテンシャル採用という言葉が広まっている今、既卒の採用では、現時点での経験や資格よりも、その人の可能性や成長意欲を重視する企業も増えてきています。
企業が本当に見ているのは、その人の「人間性」「学習意欲」「チームワーク力」「問題解決能力」「コミュニケーション能力」といった要素です。これらは、必ずしも経歴や資格だけでは測れません。
たとえ希望する職種に直接関連する経験がなくても、学生時代のアルバイトやサークル活動、ボランティア経験などを通じて培った能力や姿勢をアピールすることで、十分に評価されることがあります。重要なのは、自分の経験から何を学び、それをどのように活かせるかを具体的に説明できることです。
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- 詐称のリスクはわかりました。とはいえ、やはり学歴や経歴の優秀な学生が有利なのでしょうか?
企業と価値観が一致すれば高評価を得られる
学歴や経歴は、一定の努力や能力を証明する一つの指標として評価されるため、有利に働く場面があるのは確かです。
しかし、採用においてはそれだけがすべてではありません。自分の個性や長所がその企業でどのように活かせるのかを考え、面接やエントリーシート(ES)で具体的にアピールすることが重要です。
就活は、いわば会社とあなたとの「お見合い」です。お互いの価値観が一致すれば、内定を得られる可能性は十分にあります。
そのため、学歴や経歴に左右されない評価を得ることも十分に可能です。
③嘘をついて入社できても意味がない
仮に経歴詐称によって希望する企業に入社できたとしても、それは新たな苦しみの始まりに過ぎません。実務において求められる知識やスキルが不足していれば、日々の業務で苦労することになります。
また、いつ発覚するかわからない不安を抱えながら働き続けることは、大きな精神的負担となります。
さらに、経歴詐称が発覚した場合、それまでの努力や成果がすべて水の泡になる可能性があります。たとえ実務で優秀な成績を残していたとしても、経歴詐称が発覚すれば、即座に解雇される可能性が高いのです。
むしろ、自分の現状を正直に認め、足りない部分は入社後に努力して補っていく姿勢を示すほうが、長期的には確実にプラスとなります。企業側も、「正直に自分の状況を説明し、向上心を持って取り組もうとする人材」を求めているのです。
履歴書の経歴を詐称しても就活は成功しない!
経験が足りない、資格を持っていない、学歴に不安がある……そんな焦りや不安から、経歴詐称という選択を考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、経歴詐称は決して解決策にはなりません。それどころか、あなたの将来に取り返しのつかない影響をおよぼす可能性があります。一時的な焦りや不安から選んでしまった経歴詐称は、長期的には必ず大きな代償をともないます。
企業が本当に求めているのは、完璧な経歴を持つ人材ではありません。正直に自分と向き合い、足りない部分は努力で補おうとする姿勢、そして将来の可能性を秘めた人材です。
たとえ今は理想的な経歴や経験を持っていなくても、誠実に自分の現状を伝え、成長への意欲を示すことこそが、本当の意味での就職活動の成功につながるのです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る安易な気持ちで経歴詐称をすると内定取り消しや解雇につながる
就職活動がうまくいかないことで焦る気持ちから、TOEICのスコアを高得点で履歴書に記載したり、所持していない資格を保有資格として虚偽の内容を記載すれば、履歴詐称になります。
虚偽の記載をしても、選考時や内定後に資格取得の証明書提出を求められて、詐称が判明することもあるでしょう。安易な気持ちで偽りを記載しても、経歴詐称として扱われて内定取り消しや解雇になる可能性がありますし、状況によっては犯罪として扱われる可能性もあります。
履歴を偽って入社しても、いつか判明するのではと考えながら仕事をおこなうことは、精神的に良くありませんし成果を築けないでしょう。能力を偽って記載しても、仕事に携われば、能力を満たしていないことがほぼ間違いなく判明します。
経歴に自信がない人は自分にできることをしっかり伝えてアピールしよう
募集要項と完璧にマッチする人はいませんし、採否は履歴書に記載されている内容だけで決まるわけではありません。仕事に取り組む姿勢や、知識、スキルを積極的に習得していく意欲といったポテンシャルも評価しています。
応募企業で活かせる資格であれば、取得に向けて勉強していることを示せばいいのです。現状のなかでできることを精一杯伝えて、応募企業が求めている人材として貢献していきたい意欲を示すことが大切です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
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