この記事のまとめ
- 履歴書の嘘は内定取り消しや犯罪につながる
- 履歴書で意図的に犯罪歴や病名を隠すことも嘘に該当する
- 正直に記載すれば自分に合った企業から内定をもらいやすい
志望度が高い企業に応募する際、学歴やアルバイト歴を偽ったり、浪人や留年の年数を実際よりも少なく記載するなどして自分を良く見せようと考える人もいるでしょう。
しかし履歴書で嘘を書くと、将来に悪影響を及ぼす重大なリスクにつながります。嘘の情報を書くことはもちろん、書くべき情報をあえて書かないことも経歴詐称になると知っておきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの遠藤さん、谷所さん、田邉さん、社労士の涌井さんのアドバイスを交えつつ、履歴書に書いた嘘がバレやすい理由を説明します。
履歴書の嘘がバレた場合のリスクや、後ろめたく感じる情報を正直に書くことのメリットも解説するので、ぜひ最後まで確認してください。
何を書けばいいのかわからず、嘘の回答をしてしまう人もいるのではないでしょうか。次の記事で、履歴書の項目別書き方のコツを紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
履歴書の空欄はNG? 採用担当が印象や合否への影響を徹底解説
以下の記事では失敗しない履歴書の書き方をプロが解説しているので参考にしてみてください。
失敗しない履歴書の書き方をプロが解説! 提出時の注意点も
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履歴書で嘘を書くのは危険チェックやすい理由や最悪のリスクを理解しておこう
履歴書で嘘を書くことは、大きなリスクをともないます。バレないから問題ないと思うかもしれませんが、採用担当者は嘘に敏感です。バレれば将来のキャリアにも影響しかねないため、履歴書には事実のみを正しく記載することが大切です。
記事では、履歴書の嘘が該当する犯罪の種類や、バレたときに起こりうるリスクを解説します。嘘を書くことの重大さをしっかり理解しておけば、トラブルを未然に防げるようになります。
その後、どういった記載内容が履歴書の嘘に該当するかについても説明します。「書かない」ことが嘘につながることもあるため、しっかり確認しておいてください。
また、どうしても書きにくい経歴がある場合にどうしたら良いか、キャリアコンサルタントのアドバイスを紹介しています。嘘を書かずに自信を持って質の高い履歴書を仕上げるためにも、チェックしましょう。
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履歴書に嘘を書くと経歴詐称=犯罪に該当する
履歴書は公式な書類のため、嘘の情報を書くと経歴詐称として、以下の犯罪に該当する可能性があります。
犯罪 | 該当する事例 |
---|---|
文書偽造罪 | 履歴書の内容を偽って記載する |
軽犯罪法違反 | 履歴書で浪人や中退などの経歴を隠す |
詐欺罪 | 履歴書の学歴や資格などを偽り、本来より高い収入を得る |
このように、履歴書に嘘を書く行為は、経歴詐称として法的な罪に問われます。
バレなければ問題ないと考えて履歴書に嘘を書くことは、れっきとした犯罪行為であると認識しましょう。
アドバイザーコメント
涌井 好文
プロフィールを見る履歴書で嘘をつくと内定取り消しや民事責任につながる可能性がある
人間は誰でもミスを犯すものであり、意図せず履歴書に誤った内容を書いてしまうこともあるでしょう。
しかし、履歴書に嘘や偽りを書いてはいけません。履歴書への虚偽記載は、仮に内定を得たとしても後の取り消しにつながりかねない行為です。
採用の条件である資格を得ていないにもかかわらず保有していると偽ったり、学歴を偽ったりする行為は、企業の信頼を損なうだけでなく、内定取り消しの事由にもなります。
その結果として、企業に損失を与えたような場合には、民事責任を問われることもありえるのです。
状況によっては私文書偽造や詐欺の罪に該当することもある
単純な経歴詐称は通常犯罪とはなりませんが、卒業証書や資格証明書などの偽造をともなう詐称であれば、私文書偽造罪に問われる可能性もあります。
また、金銭を得る目的で経歴詐称をおこなった場合には、詐欺罪に問われることもあるでしょう。
内定を得たいという気持ちはわかりますが、嘘や偽りによる内定は、後に自分の首を絞めるだけです。嘘偽りない履歴書で内定を獲得しましょう。
履歴書に嘘を書いたときの4つのリスク
履歴書に嘘を記載すると犯罪に該当するだけでなく、自身の将来のキャリアに影響を与える恐れがあります。
以下では、履歴書に嘘を書いたときの4つのリスクについて詳しく説明します。将来的に大きな損失を受けないためにも、しっかりと理解しておいてください。
リスク①内定取り消しになる
履歴書は本人の基本情報を嘘偽りなく記載する書類です。記載の内容をもとに採用が判断されることも少なくありません。そのため履歴書の嘘が発覚すると、採用基準を満たしていないと評価され、内定取り消しになる可能性があります。
また、嘘をつくような人材は、入社後もモラルに反した行動を起こすと判断されかねません。結果として企業に大きな損害を与えるリスクを考慮し、内定取り消しとするケースもあります。
履歴書に嘘の内容を記載することは、せっかくの内定のチャンスを失うリスクにつながると理解しておきましょう。
- 本当に、履歴書の嘘がバレると内定取り消しになるのでしょうか。
直ちに内定取り消しとはならず総合的に判断される
履歴書に嘘があると判明した場合、直ちに内定が取り消されるわけではありません。嘘の内容、程度、嘘をつくに至った経緯などを総合的に勘案し判断を受けます。
たとえばその嘘が、今後働いていくうえで必要な能力がないのにあるといっていたり、その人を雇うことで企業の事業遂行に支障をきたす可能性があったりする場合、内定を取り消す理由になるとされています。
内定取り消しになった際の対処法を知りたい人は、以下の記事も併せて参考にしてください。
内定取り消しを受けたときの対処法|違法性や無効にする方法を解説
リスク②損害賠償を請求される
企業は人材を採用する過程で、人件費などの採用コストが発生します。
マイナビの2024年卒企業新卒内定状況調査によると、入社予定者1人あたりの平均採用コストは56.8万円とわかっています。このように、企業が採用活動にかけるコストは膨大です。
一度採用した人材の内定が取り消しになった場合、企業は損害賠償を求めるなどの法的な措置を取り、損害賠償を請求される可能性があります。
履歴書に嘘を書くと損害賠償金の支払いを求められ、自身や家族、大切な人の生活に迷惑をかける恐れがあると理解しておいてください。
リスク③周囲からの信用を失う
内定後に履歴書の嘘がバレた場合、誠実さに欠けていると判断され、上司や同僚などからの信用を失うこととなります。
仮に解雇されなかったとしても、一度失った信用を取り戻すことは困難です。周囲からの信用がなければ、仕事の中で周囲からの協力を得にくくなってしまいます。職場の人間関係を良好に保てなければ、職場にいること自体にストレスを感じるようになるのです。
履歴書の嘘一つにより、一瞬にして周囲からの信用を失い人間関係が崩壊するリスクがあると覚えておきましょう。
- 履歴書の嘘が入社後にバレることなんて本当にあるのでしょうか?
能力不足が露呈しバレるケースが多い
履歴書の嘘が入社後バレることはあります。
たとえば、履歴書にTOEICの高スコアを記載して入社したものの、実務面で英語の能力が劣っていれば、TOEICの証明書の提出を求められることがあります。
もしも証明書の提出や再発行が難しい場合は、再受検を要請されることもあるのです。
中途採用では、職歴や経験期間を偽り、雇用保険や源泉徴収票などで判明するケースがあります。
一方新卒採用は、資格や留学経験を偽ると、能力が不足していることからバレるケースが多いのです。
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リスク④入社後に明確になると解雇される
入社後に履歴書の嘘が明るみに出ると、最悪の場合、解雇されかねません。
前述の通り、履歴書の嘘は犯罪行為にあたります。逮捕されれば当然、企業に在籍し続けることは難しくなってしまいます。
仮に逮捕されなかったとしても、職場に居づらくなっていずれ退職に追い込まれかねません。
また、一度解雇されてから転職する場合、履歴書に退職の経歴も含めて正しい情報を記載する必要があります。しかし、入社から短期間で退職した理由を問われた場合は、犯罪を犯したことも含めて正直に伝えなければならず、内定のハードルは一気に高くなります。
このように、履歴書に嘘を書くと解雇されるだけでなく、次の企業に転職することも難しくなるのです。
履歴書への虚偽記載で解雇につながるケースは、犯罪歴を隠していたり、必要な資格が未所持だったりしたような場合です。
このようなケースでは、「企業がその事実を知っていれば雇用しなかった」として、解雇も有効とされます。
逆に1年10カ月の業務経験を2年とするような軽微なものであれば、解雇とはならないでしょう。
経歴詐称がバレたときのリスクはこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが詳しく解説しています。エントリシート(ES)の場合の内容になりますが、履歴書でも同じことが言えるため、併せてチェックしましょう。
こちらのQ&AではESでの嘘についてキャリアコンサルタントが回答しているので併せて参考にしてみてください。
履歴書の嘘が経歴詐称になりうる4つの内容
履歴書の嘘が経歴詐称になりうる4つの内容
- 学歴
- アルバイト歴
- 免許・資格
- アピールポイント
企業は、履歴書に記載された経歴を参考にしながら、個々に適した配属部署や業務内容を割り当てます。しかし、そもそも履歴書の経歴が盛られていた場合、学生は企業が期待するレベルの仕事をこなすことが難しくなり、企業にとっては損害となりかねません。
後々問題にならないようにするためにも、履歴書の経歴は正確に記載しましょう。特に、学歴、アルバイト歴、免許・資格、アピールポイントの4つの項目は、嘘をつくと大きな問題に発展する可能性が高いです。
以下では、記載内容が嘘となる実例や、それによって生じるリスクを詳しく解説します。
学歴
以下のような学歴関連の嘘は、重大な経歴詐称とみなされるケースが多くあります。
学歴の嘘の例
- 大学名を偽る
- 入学年月や卒業年月を偽る
- 中退の事実を隠し卒業と書く
履歴書は公的書類であり、事実のみを記載すべき書類です。
学歴で嘘をついた場合、面接などでバレて内定取り消しや解雇の可能性があります。また、入社後に自身のレベルにマッチしない高度な仕事を割り当てられ、最終的には退職に追い込まれるケースもあるので、学歴を偽らないようにしましょう。
学歴詐称は解雇されるリスクがあります。たとえば海外の大学を卒業していないのに卒業と記載すれば、学歴の詐称に該当するだけでなく、能力を満たしていないと判断されることもあります。
留年や浪人などの嘘が判明すれば、解雇にならなくても信用を失ってしまうでしょう。
履歴書の学歴欄の正しい書き方については、以下の記事で解説しています。
大学生・院生必見! 履歴書の学歴欄の正しい書き方とは?
履歴書の学歴欄で在学中の人は「在学中」や「卒業見込み」などさまざまな書き方があります。以下記事では「在学中」と「卒業見込み」の違いと正しい書き方を解説しているので参考にしてみてください。
履歴書の学歴は「在学中」? 卒業見込みとの違いと正しい書き方
アルバイト歴
アルバイト歴についての嘘を履歴書に書くことも、経歴詐称に該当します。
アルバイト歴を書くこと自体は必須ではありませんが、経験してきたアルバイト内容が応募企業の仕事内容とリンクする場合は、アルバイト経験をアピールしたい学生も多いでしょう。
その際、就活を有利に進めようと、経験していないアルバイトを記載してはいけません。
また、アルバイトを1カ月しか経験がないにもかかわらず1年として履歴書に記載するなど、アルバイト経験の期間を偽ることもれっきとした嘘です。
- アルバイトの経験期間はバレにくいと思うのですが、それでも正確な情報を記載する必要があるのでしょうか。
正確に記載して入社後のミスマッチ防止につなげよう
たしかに、アルバイトだと社会保険に加入していない人も多いため、経験期間がバレる確率は低いです。
しかし、アルバイトの経験を偽ると、過大評価されてミスマッチが起こる可能性があります。内定を獲得できたとしても、向いていない職場に配属されて短期離職につながってしまうことも考えられます。
入社後に失敗しないために、アルバイトも正確な情報を記載しましょう。
免許・資格
履歴書の免許・資格欄での嘘は、個人の能力やスキルにかかわる経歴詐称に該当します。
応募職種に対して有利に働く資格を記載すれば、企業は優秀な人材であることを期待して採用を前向きに検討します。
しかし、履歴書に記載した免許・資格の情報が嘘であった場合、企業は採用者のスキルを見誤ることになり、大きな損害につながりかねません。業務の進行に支障をきたすだけでなく、ほかのメンバーに迷惑をかけることにもなります。
このように、免許・資格に関する情報は、採用活動に大きく影響を与えます。
履歴書の資格欄を書くコツやポイントは、以下の記事から学んでおきましょう。
履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅
アピールポイント
自己PR欄で自身のエピソードを交えて説明する際も、嘘の情報は避けてください。
嘘にならない程度にエピソードを多少盛るのは問題ありませんが、度を超えて異なる事実を記載してはいけません。
たとえば、「顧客に笑顔で対応し満足度向上に努めた」というアピールは主観的な内容のため、強調したい箇所を前面に押し出すことは問題ありません。
しかし、バイトリーダーを経験していないにもかかわらず「バイトリーダーとして活躍した」と明記するのは嘘になるため、経歴詐称に該当します。バイトリーダーを経験したかどうかは客観的な事実にあたる箇所のため、嘘をついてはいけません。
- 自己PRのエピソードをどこまで誇張して良いか、明確な基準はありますか。
基準はないが後でつじつま合わせに苦労する
少しでも自分を良く見せたいという気持ちはわかりますが、事実を偽って過度に大きく見せるのはよくありません。
たとえばサークルの新人勧誘について、実際は3人入部したが5人と言いたい場合に、「2人くらい盛っても良いじゃないか」と思うかもしれません。
確かに、2人なら良くて4人ならやりすぎといった基準はどこにもありませんが、変に自分を大きく見せてしまうと、後でつじつま合わせに苦労してしまうのです。
就職活動は、社会人として誠実に働いていくためのスタート地点なので、正直に臨みましょう。
自己PRの書き方のコツを詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしておいてください。
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
以下の記事では、履歴書の自己PR例文28選を紹介しています。
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
思わぬ落とし穴! 履歴書に書かないことで嘘となる内容
思わぬ落とし穴! 履歴書に書かないことで嘘となる内容
- 犯罪歴
- 既往歴・持病
履歴書の記載において、嘘の情報を提供するのはもちろんのこと、重要な情報を故意に省略することも、嘘とみなされる可能性があります。
以下では、履歴書に記載しないことで嘘となる可能性がある2つの項目を詳しく解説します。
記載し忘れていただけでマイナス評価を受けることのないよう、しっかり確認しておいてください。
犯罪歴
履歴書に賞罰欄が設けられている場合、犯罪歴を故意に省略すると嘘になります。
書類選考の際、企業は公的書類である履歴書の内容を信じたうえで次の選考へと通過させるかどうかを決めます。
内定となった際は、学生と企業双方の信頼関係をもとに雇用関係を結ぶため、犯罪歴の嘘はあってはなりません。
犯罪歴の嘘が明るみに出た場合、企業との信頼関係は失われ、内定取り消しや解雇につながる可能性があるのです。
- 履歴書に賞罰欄が設けられていない場合は、あえて書く必要はありませんか?
告知する義務は負っていないが正直に伝えた方が無難
そもそも履歴書に賞罰欄が設けられていても、告知する義務はありません。そのため、仮に過去の犯罪歴があった場合でも、必ず伝えなければいけないということでもないのです。
ただし、企業との信頼関係構築のためには、正直に書いた方が良いと考えられます。
賞罰欄がない場合は、賞の受賞といった前向きな話題は学歴や職歴を書く欄に記載しましょう。もし犯罪によって服役していたようなケースを申告する場合も、その欄に期間を記載するようにしてください。
既往歴・持病
既往歴・持病に関する情報を故意に隠すことは嘘に該当し、後の職場生活でのトラブルを招きます。
企業は学生を採用する際、個々の健康状態などを把握し、問題なく業務をこなせる仕事内容を与えます。
しかし、たとえば慢性的な腰痛を持っているにもかかわらず履歴書に記載しなかった場合、希望していない力仕事を与えられて苦労するかもしれません。結果として腰痛が悪化し、仕事を続けられなくなる可能性もあるのです。
持病や既往歴について正確な情報を伝えておけば、企業側はその事情を考慮した業務配置やサポートを事前に検討できたはずです。
うつ病の人は、隠して入社すべきなのではないかと迷うかもしれません。こちらのQ&Aでは、うつ病を隠して入社して良いのかキャリアコンサルタントが回答しているので、併せてチェックしましょう。
- 既往歴や持病を記載すると採用に不利になる気がします。それでも隠さず記載する必要があるのでしょうか。
業務に支障がなければ記載しなくても良い
既往歴や持病が業務に支障がない場合、履歴書に記載する必要はありません。
別の見方をすれば、持病などが業務に支障をきたす、あるいは業務中に通院の必要がある場合は記載しておいた方が良いです。
持病が業務に支障を与える心配がある場合は、医師に相談をしてみると良いでしょう。
要注意! 履歴書の嘘が明るみになる理由
要注意! 履歴書の嘘が明るみになる理由
- 学校やアルバイト先に事実確認することがあるから
- 証明書の提示が求められる可能性があるから
- 面接で矛盾が生じやすくなるから
書類選考の際、企業は履歴書に書かれた情報が正確かどうかを調査することがあります。そのタイミングで履歴書の嘘はバレる可能性が高いです。
以下では、履歴書の情報がどのような経緯で明るみに出る可能性があるのかを詳しく解説します。後に嘘がバレて取り返しのつかないことにならないよう、ぜひチェックしておきましょう。
学校やアルバイト先に事実確認することがあるから
学歴やアルバイト歴について疑いを持たれた場合は、その事実を確認するために企業が学校やアルバイト先に連絡を取ることがあります。特にアルバイト歴は多少嘘を書いてもバレないと考える学生が多いです。
しかし、極端にアルバイト歴を盛ってしまうと不信感を与えてしまい、企業からの調査を受ける可能性があります。
なお、事実確認を受ける際はプライバシーや情報保護の観点から、確認を取っても良いか事前に同意を取られることが多いです。しかし、嘘がバレることを恐れて同意しなければ不審に思われます。
一方で、同意してしまえば学校やアルバイト先に確認の連絡が行くこととなり、いずれにしても嘘はバレるといえます。
履歴書は、従業員が退職するまで保管することが法的に義務付けられている書類です。
人事部や総務部の担当者がすべての書類の事実確認をするわけではありませんが、何か疑問に思ったらすぐに問い合わせたり調べたりするので、嘘は明るみに出てしまいます。
証明書の提示が求められる可能性があるから
免許・資格欄に実績を記載した場合、証明書の提示などにより嘘がないか確認を求められることがあります。
特に、志望職種との関連性が強い免許・資格を記載した場合、企業が求めるレベルを満たしていなければ入社後にミスマッチが生じるため、証明書の提示を求められることが多いです。
よくある嘘は、TOEICのスコアを偽るというものです。「どうせバレないだろう」と実際よりも高いスコアを記載し、選考が進んだあとに、TOEIC公式認定証の提出を要求されて嘘が発覚するケースがあります。
なお、実際に免許や資格を取得していても、証明書の紛失などにより提示できない場合は嘘とみなされる恐れがあるので注意しましょう。
面接で矛盾が生じやすくなるから
履歴書に嘘を書くと、面接での内容とかみ合わなくなり、面接官にバレるリスクが高まります。
たとえば履歴書に「海外留学の経験がある」と記載した場合、面接ではより具体的なエピソードや感じた苦労、乗り越えた課題といった実体験にもとづく回答を求められることが多いです。
しかし履歴書の内容が嘘の場合、あいまいなアピールや不自然な回答になってしまいます。面接官は採用のプロフェッショナルのため、嘘は間違いなくバレると思っておきましょう。
- 学歴やアルバイト歴、免許・資格についても面接でバレる可能性があるのでしょうか。
回答が矛盾してバレる可能性がある
企業によっては、学校で専攻した内容やアルバイトの内容、資格の有無なども選考で重視していることがあります。
すると、これらに関する質問をされるため、回答に矛盾が生じてバレてしまう可能性があります。
採用担当者は面接のプロなので、偽った内容はバレてしまいます。等身大としての自分の情報を履歴書に書きましょう。
面接の攻略方法は以下の記事にまとめているので、面接が苦手な人は参考にしてください。
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説
ありのまま伝えよう! 履歴書に嘘を書かないメリット
ありのまま伝えよう! 履歴書に嘘を書かないメリット
- 能力に合った企業から内定をもらいやすくなる
- 誠実性や責任感の強さを伝えられる
- 罪悪感なく胸を張って働ける
優れた実績がなく自身の経歴に自信を持てない人は、履歴書に嘘を書きたくなるかもしれません。しかし、むしろ嘘を書かず事実をありのまま伝えたほうが、長期的に多くのメリットを受けられます。
履歴書に嘘を書かないことのメリットをしっかり理解し、自信を持って事実を記載し書類選考に臨みましょう。
能力に合った企業から内定をもらいやすくなる
履歴書に事実を書くことで、自身の能力や経験に合致した企業からの内定を得やすくなり、入社後のミスマッチを回避できます。
履歴書に嘘を書くと、企業は求める人物像に合わない人材を採用してしまいかねません。結果として、学生側も自らの能力を十分に発揮できない環境に身を置くことになるため、学生と企業の双方にデメリットが生じます。
自分の強みやレベルに合った企業から内定をもらい、焦らず着実に将来のキャリアを築き上げましょう。
企業は学歴などに合わせて配属を決めることが多いので、学歴などで背伸びをしてしまうと、配属部署で能力を発揮できず苦労する可能性が高いでしょう。
入社後にミスマッチが発生して、仕事を継続することが難しくなるケースもあります。
誠実性や責任感の強さを伝えられる
採用活動では経験やスキルだけではなく、人間性や価値観も重視して採用をおこなうケースが多くあります。履歴書に一見マイナスな経歴があっても正直にその内容を記載することで、むしろ誠実性や責任感の強さが伝わる可能性があるのです。
反対に嘘が内定後や入社後に発覚すると信用問題に発展し、将来的な昇給や昇進に悪影響を与えかねません。
履歴書には嘘を書かず、面接でも詳細を問われた際は正直に答えることで、誠実な人間であるという強みを前面に押し出せる側面があります。
責任感があることは立派な強みです。以下の記事で責任感の自己の作り方・伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
誠実性を強みに持つ人は、以下のQ&Aでキャリアコンサルタントが誠実性を自己PRする際の例文を紹介しているので、確認し自己PRに役立てましょう。
罪悪感なく胸を張って働ける
後ろめたい事実も正直に伝えておくことで、堂々と働けます。
履歴書に嘘を書いて結果的に採用された場合、その瞬間は喜びの気持ちが勝るかもしれません。しかし、入社後に罪悪感を抱えながら働くことになります。罪悪感を抱えたまま仕事をこなすことは、思った以上に精神的なストレスとなるのです。
罪悪感なく働き続けるためにも、履歴書には嘘を書かず正直に伝えるほうが良いと認識しておきましょう。
嘘をついて内定獲得をしても、「嘘がバレたらどうしよう」、「嘘がバレないようにどうすれば良いか」などを考えてしまいますよね。
すると、働く目的が変わってしまい、企業への貢献や自己成長を達成できなくなってしまいます。働いてからのことを考えて履歴書を作成しましょう。
どうしても書きにくい経歴がある場合はどうする? キャリアのプロが解説!
ここまでで、履歴書に嘘を書かず正直に記載することの大切さを説明しました。しかし、何年もの留年や中退など、どうしても書きにくい経歴がある人もいるでしょう。
以下のキャリアコンサルタントの企業目線によるコメントを参考にしてみてください。特に、留年や中退をした人が履歴書を書くには、少しコツがいります。納得感のある説明ができれば、必ずしも留年や中退は不利にはなりません。
自信を持って就活に臨むためにも、よく確認しておきましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る留年や中退などの経歴が必ずマイナスになるわけではない
留年や中退などについて、できれば書きたくないと思う人もいると思います。ただ、それらの経歴を書くと必ず就活に不利になるというわけではありません。そうなった理由をきちんと説明できれば、理解が得られることもあります。
たとえば、学歴欄で入学と卒業の年次が通常より離れている場合、履歴書に「(病気療養のため1年休学)」などと書いてみましょう。
後日面接で「体の具合はその後いかがですか」と質問され、「今は通院も不要となり働くのに問題がない」と伝えることができれば、その点はクリアということもあります。
失敗に感じる経験はその後の努力を伝えられるように準備しておこう
試験の結果がふるわず単位不足で留年した場合は、特に理由を記載することもありませんが、卒業年は正しく書きましょう。
読む側が気になったら質問するので、正直に答え、単位を落とした翌年の努力を伝えられれば、失敗の経験を次に活かせることが伝えられます。
就活や資格試験がうまくいかなくて、卒業を延ばすために留年するのは個人的におすすめしませんが、もしその選択をしたのであれば、留年していた間にどのような行動をとったのか、きちんと話せるようにしておくと良いでしょう。
大学や大学院を中退している人の中には、就活を成功させられるのか不安になる人もいるのではないでしょうか。以下の記事でそれぞれの就活対策を解説しているので、確認し、安心して選考に臨みましょう。
大学中退者向け
大学中退者の就職成功ロードマップ|内定を勝ち取る面接対策も解説
大学院中退者向け
大学院を中退したら終わり? 5ステップで就職を成功させよう
留年すると就職が不利になると聞いて不安に感じている人は以下の記事を参考にしてみてください。就職活動に与える影響と成功のコツを解説しています。
留年すると就職できない? 企業側の捉え方と内定を得るための方法
大学を留年したら就活でどうなるのか気になる人は、以下のQ&Aでキャリアコンサルタントが詳しく解説しているので、併せて確認してみてくださいね。
履歴書で嘘を書くのはNG! 正確な情報を伝えてミスマッチのない就活を叶えよう
履歴書に嘘の情報を記載する行為は、犯罪行為に該当しかねません。内定取り消しや損害賠償だけでなく、将来的なキャリアにまで悪影響を及ぼします。
履歴書を提出した段階ではバレなくても、面接時の主張のズレや事実確認により明るみになる可能性は高いです。
就職活動は自身のキャリアの一歩となる重要なステップです。後ろめたい気持ちから嘘を隠すことはやめて、自身の経歴を正直に伝えミスマッチのない企業への内定をかなえましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る周りを見て不安になっても履歴書に嘘を書く必要はない
記事を読んで「履歴書に嘘を書くのは避けるべき」と理解できたのではないでしょうか。とはいえ、ほかの学生と比較して、自分の経験や実績で内定が獲得できるのか不安に思うこともありますよね。
しかし、周りと比較する必要はなく、経験や実績がなくても内定を獲得するチャンスは十分にあります。企業によって重視することが異なるため、どんなに実績があっても採用されない可能性もあるのです。
また、必ずしも実績だけで合否を判断していることはありません。
等身大の自分を評価してくれる企業を探そう
就活では自分のスキルや経験を活かせる企業に応募し、等身大の自分をアピールすることが大切です。
たとえば、継続力や忍耐力を求める企業であれば、部活やアルバイトで実績がなくても、それらを継続していること自体が評価されますよね。
選考を受けていると自分を良し悪しで評価されている感覚に陥ってしまい、つい自分を大きく見せたくなってしまいます。そんなときでも、等身大の自分をアピールして、ミスマッチがない企業から内定獲得することが大切です。
履歴書で嘘をつくことなく、納得感あるキャリアを歩みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細社労士/涌井社会保険労務士事務所代表
Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている
プロフィール詳細